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2章 内視鏡 病理 一方 画像の明るさとしては BLI BLI-bright FICE 通常 白色光観察 とな り 中景から遠景の非拡大観察で胃炎を診断するには BLI-bright モード が適して いると考えられます 2 3 FICE BLI による胃炎診断 また 最近 LASEREO システム

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Academic year: 2021

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(2)

58 2章 内視鏡・病理 3 FICE・BLIによる胃炎診断

実際に胃炎を内視鏡で診るときに,

BLI

モード,

BLI

-

bright

モード,

FICE

をどのように使い分けたらよいのでしょうか?

1

➡中景から近接の非拡大観察で胃炎を診断するには「

BLI

-

bright

モード」が適し ています。

▶各観察モードの特徴を表1にまとめます1)。BLI(blue laser imaging)の照射光は,

狭帯域光法(narrow band imaging;NBI)と同様のヘモグロビンにより吸収される 光に,白色光の量を調節して加えています。

▶画像を見る際に, 血管と粘膜のコントラストが高い順番に,BLI>BLI-bright>

FICE(flexible spectral imaging color enhancement)>通常(白色光観察)とな ります。 ▶「BLIモード」は近接や拡大観察との併用により微細な粘膜模様や血管構造を明瞭に 描出することで,質的診断に有用と考えられます。ただし,白色光の量が少ないため, 胃などの広い管腔では光量不足によって画質不良となり遠景での観察に不向きです。 解説

FICE・BLIによる胃炎診断

3

2章 内視鏡・病理

表1 各観察モードの特徴 モード 目的 レーザー強度 特徴 白色用

BLI

用 通常 白色光観察 強 弱 従来システムと同等の色調

FICE

色彩強調 通常モードと同じ 粘膜と血管の色の差を強調することで,血管の視認性を向上

BLI

血管・粘膜表層構造観察 弱 強 レーザーによる波長を増やし,ヘモグロビン由来のコントラストを強調

BLI

-

bright

血管・粘膜表層構造観察 中 強 明るく

BLI

より白色光成分をやや強め,遠景でも

(文献1より引用)

59

▶一方,画像の明るさとしては,BLI<BLI-bright<FICE≒通常(白色光観察)とな

り,中景から遠景の非拡大観察で胃炎を診断するには「BLI-brightモード」が適して

いると考えられます2)

▶また,最近,LASEREOシステム専用の色彩強調機能LCI(linked color imaging)

モードが搭載されました。LCIモードの原理は,狭帯域短波長光と白色光を同時に適 切なバランスで照射することで,粘膜色付近のわずかな色の差を認識しやすくするた め,色彩情報の再配置を行うことにあります。すなわち,赤味を帯びている色はより 赤く,白っぽい色はより白くなるようになります。これにより胃炎診断や胃がんの拾 い上げ診断に役立つことが期待されます。

Hp

未感染胃炎は,

BLI

-

bright

LCI

モードでは

どのようにみえるのでしょうか?

2

BLI

-

bright

モードでは

RAC

がより鮮明に,

LCI

モードでは粘膜が白色から淡 い発赤調として認識されます(図1)。

図1 Hp未感染胃の胃粘膜像

BLI

-

bright

モードでは

RAC

が強調され,

LCI

モードでは胃粘膜は白色から淡い発赤調に強調される。

a

d

b

e

c

a

:通常モード

b

BLI

-

bright

モード

c

LCI

モード

d

:通常内視鏡見下ろし画像

e

LCI

モード

(3)

▶ヘリコバクターピロリ(

Helicobacter pylori

;Hp)未感染胃は,組織学的な活動性 胃炎を認めず萎縮性変化に乏しく,凹凸の少ない光沢のある胃粘膜を呈し,胃体部大 彎の皺襞に腫大や蛇行を認めません。

▶胃体部に集合細静脈が規則的に配列するRAC(regular arrangement collecting

venules)は腺窩上皮の炎症がないことを示す所見であり,体下部小彎から胃角部に よくみられます。BLI-brightモードでは,RACがより鮮明に認められます。また, 通常観察で凹凸の少ない光沢のある胃粘膜はLCIモードでは白色から淡い発赤調を

呈します3)

Hp

感染胃炎は

BLI

-

bright

LCI

モードでは

どのようにみえるのでしょうか?

3

BLI

-

bright

モードでは萎縮胃粘膜は青白色調に強調され,

LCI

モードでは淡 紫色調の腸上皮化生と赤色調の非腸上皮化生に色彩が強調されます(図23)。 ▶Hp感染者の胃粘膜の組織学的変化として,腺窩上皮の炎症細胞浸潤と間質の浮腫が あります。内視鏡的には内視鏡萎縮境界により示される萎縮性変化,浮腫性の変化と 点状発赤・斑状発赤,胃体部大彎襞の腫大や蛇行の異常を認めることが多く,さらに 胃液分泌低下に伴う粘液の付着が観察されます。 ▶BLI-brightモードでは萎縮胃粘膜は青白色調により強調され,LCIモードでは淡 紫色調の腸上皮化生(intestinal metaplasia;I.M.)と赤色調の非腸上皮化生に色彩 が強調され,萎縮の広がりが明瞭となります。このように,白色光に加えて,BLI, LCIを併用することにより,わずかな色調の変化がより強調され,胃炎診断の助けに なることが期待されます。 解説 解説 図3 萎縮性胃炎 (腸上皮化生と非腸上皮化生)

LCI

モードでは淡紫色調の腸上皮化生と赤色調の非腸上皮化生に色彩が強調される。

a

:通常内視鏡

b

LCI

モード

a

b

図2 萎縮性胃炎 (萎縮胃粘膜)

BLI

-

bright

モードでは萎縮胃粘膜は青白色調に強調され,

LCI

では 白色調により強調される。萎縮の広がりが明瞭に認識できる。

a

:通常内視鏡

b

BLI

-

bright

モード

c

LCI

モード

a

b

c

早期の胃がんと腸上皮化生の違いは

BLI

-

bright

モードで鑑別できるのでしょうか?

4

BLI

-

bright

モードでは胃がんが茶褐色に描出されます(図45)。 淡緑色を 呈する

I

.

M

.粘膜と区別が可能であり,拾い上げ診断や範囲診断に有用である可 能性があります。 ▶BLI-brightモードでは中・ 遠景で腫瘍などヘモグロビンの多い領域をbrownish areaとして認識することが可能となります。淡緑色に認識されるI.M.に対して,胃 がんが茶褐色に描出されるため,色調のコントラストによりがんの効率的な拾い上げ に有用である可能性があります。淡緑色の色調の中に,小さなbrownish areaが存 在しているイメージです。 解説

(4)

62 2章 内視鏡・病理 3 FICE・BLIによる胃炎診断 【文 献】

1) 森本美範, 他:レーザー光源搭載の新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」の開発. 富士 フイルム研究報告. 2013; 58: 1-6.

[http://www.fujifilm.co.jp/rd/report/rd058/pack/pdf/ff_rd058_001.pdf](2015年7 月閲覧) 2) 山田晃弘,他:消内視鏡. 2014; 26(5): 655-60. 3) 鎌田智有,他:消内視鏡. 2014; 26(11): 1865-70. 山田晃弘,貝瀬 満 図5 早期胃がん(M,20×10mm,por1>tub2,ly0,v0)

a

:通常光観察遠景。前庭部小彎発赤調の陥凹性病変が認められる。

b

BLI

-

bright

モード。比較的境界が明瞭な

brownish area

として認識できる。

a

b

図4 早期胃がん(19×17mm,0-Ⅱa型,tub1,M)

a

:通常光観察。体下部大彎の

ESD

後瘢痕の肛門側に淡い発赤調の領域が認められるが,境界が不明瞭であり,認 識は難しい。

b

BLI

-

bright

モード。比較的境界が明瞭な

brownish area

として認識できる。

c

:インジゴカルミン散布。境界明瞭な平坦隆起性病変として認識できる。

ESD

を施行し,

M

19

×

17mm

tub1

であった。

ESD

endoscopic submucosal dissection

(5)

若年者の

Hp

感染で特徴的な内視鏡所見は

ありますか?

1

➡鳥肌状粘膜あるいは鳥肌胃炎と呼ばれる内視鏡所見が小児あるいは若年者の

Hp

感染に特徴的な所見です。 1.鳥肌胃炎とは ▶内視鏡検査時の所見で,あたかも鶏の毛をむしり取った後の皮膚のように,胃粘膜, 特に胃前庭部に均一な顆粒状隆起が密集して認められるもの鳥肌状胃粘膜と呼びます (図1)。 ▶1962年に竹本ら1)は,20歳女性の胃カメラ所見で初めて「とりはだ」なる表現を用 い,その後,「内視鏡的鳥肌現象」として報告しました2)。若い女性に多い生理的現象 解説

若年者Hp感染胃炎の画像診断

2

6章 これからの胃がん対策(若年者への胃がん対策)

図1 鳥肌胃炎の内視鏡像 左:均一な顆粒状隆起が前庭部全体に分布する。 中:インジゴカルミン散布像。 右:近接像で,顆粒の中心に白色の陥凹を認める。 であり,病的意義は少ないと理解されていましたが,1988年に,Easthamら3)は小 児2例のヘリコバクターピロリ(

Helicobacter pylori

;Hp)感染例を報告し,内視

鏡で観察される胃粘膜の変化を“antral nodular hyperplasia”と表現しました。そ の後,前庭部の顆粒結節状の胃粘膜は小児のHp感染特有の変化と考えられ,欧米で はnodular antritis,nodular gastritis,antral nodularityと呼ばれていましたが, この所見は必ずしも小児に限らず成人にも観察されることが後に示されています。今 野ら4)も,小児のHp感染による内視鏡所見は結節性変化(nodularity)であり,それ らの本体はリンパ濾胞の増生であり,除菌により変化は消失すると報告しています。 2.女性に多い胃炎 ▶鳥肌胃炎の頻度についての我々の検討5)では,16歳以上の成人97,262例の上部消化 管内視鏡検査の結果,187例(0.19%)に鳥肌胃炎を認めました。年齢分布では20歳 代,30歳代に多く,男女比は1:2.82で女性に多く認められています。

鳥肌胃炎の臨床的意義は何ですか?

2

➡鳥肌胃炎は

Hp

感染陽性の若年者に多く認められる所見で,胃体部胃炎を高率 に伴います。胃酸分泌能が低下することが知られており,胃がんの発生リスク 群と考えられます。 ▶筆者らは1999年に,鳥肌胃炎に合併した18歳の3型胃がん症例を初めて報告しま した6)。その後症例を集積し7),29歳以下の若年者鳥肌胃炎150例(女性102例,男 女あわせた平均年齢27.7歳)について,対照群(年齢と性をマッチさせ,Hp感染陽 性で内視鏡検査で鳥肌胃炎像を示さなかった3,939例)と比較検討した結果,鳥肌胃 炎群の胃がん合併リスクはオッズ比64.2(95%信頼区間;16.4~250.9)となり,鳥 肌胃炎は胃がん発症の高リスクと考えられました(表1)8)。その後さらに症例を集積 解説 表1 若年者における鳥肌胃炎の胃がんリスク 胃がん頻度

OR

95

%信頼区間) 鳥肌胃炎

7

150

4

.

7

%)*

64

.

2

16

.

4

250

.

9

Hp

陽性の非鳥肌胃炎

3

3

,

939

0

.

08

%)

1

.

0

*:p

0

.

001

(文献8より作成)

(6)

198 6章 これからの胃がん対策(若年者への胃がん対策) 2 若年者Hp感染胃炎の画像診断 した結果,圧倒的に若年者女性に多く,発生部位は胃体部,組織型は未分化型胃がん が多いという結果が得られました9)

鳥肌胃炎があるにもかかわらず,

Hp

感染を

証明できないときはどのように考えますか?

3

Helicobacter heilmannii

H. heilmannii

)感染の可能性があります。

▶Mentionら10)の報告によると,

H. heilmannii

感染が確認された小児3例で,2例に nodular gastritisの所見が認められたと報告されています。Hp感染を確認できな い鳥肌胃炎の場合,

H. heilmannii

感染も考慮する必要があります。

H. heilmannii

は犬や猫を介して感染し,今後,Hp感染が減ってくれば,逆に増加するかもしれま せん。 【文 献】 1) 竹本忠良,他:Gastroenterol Endosc. 1962; 4: 310-20. 2) 竹本忠良:胃と腸内視鏡検査のポイント.医学書院, 1972, p141-2. 3) Eastham EJ, et al:J Infect. 1988; 16(1): 77-9.

4) 今野武津子,他:Helicobacter Res. 1999; 3(3): 230-5. 5) Miyamoto M, et al:Dig Dis Sci. 2003; 48(5): 968-75. 6) 江木康夫,他:Helicobacter Res. 1999; 3(6): 538-41. 7) Miyamoto M, et al:Dig Liver Dis. 2002; 34(11): 819-20. 8) Kamada T, et al:Dig Endosc. 2007; 19(4): 180-4. 9) 鎌田智有,他:Helicobacter Res. 2008; 12(1): 4-9.

10) Mention K, et al:J Pediatr Gastroenterol Nutr. 1999; 29(5): 533-9.

春間 賢,末廣満彦,河本博文,鎌田智有,塩谷昭子

参照

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