赤門マネジメント・レビュー 7 巻 3 号 (2008 年 3 月) 〔研 究 会 報 告〕コンピュータ産業研究会 2008 年 1 月 10 日 1
拡大する電子マネー業界と Edy のポジショニングについて
有住 嘉暢
ビットワレット株式会社 顧客マーケティング部 E-mail: [email protected] 要約:2001 年ビットワレット株式会社が電子マネー「Edy」のサービスを開始して 以来、電子マネー業界は拡大の一途を辿っている。しかし日本では依然、現金によ る決済が主流であり、電子マネーの決済比率は低いレベルに留まっている。電子マ ネーがより多くの消費者に利用されるためには、利用可能店舗の拡大をベースにユ ーザ利便性を高めることにより、現金により近い通用性を実現していかなければな らない。加えて、現金では提供できない電子マネー独自の便益を継続的に提供して いく必要がある。その第一弾として開始した「Edy スマイルクーポン」サービスは、 利用者と加盟店を結び付け、両者に対して現金では実現できない高い付加価値を提 供するサービスである。同サービスを実施することで得られる購買情報は、加盟店 でのマーケティング活動を支援する価値ある情報となっている。今後、ユーザ指向 を強く意識し電子マネーを普及させる施策を継続すれば、電子マネーの通用性は向 上し、利用者に広く受け入れられることになるであろう。各サービス提供事業者は お互いに競い合うのみではなく、利用者や加盟店の利便性の拡大を企図して「共創」 することが重要となる。特定の事業者が自己の利益のみを最大化しようとする限り、 電子マネー業界の真の拡大は望めないであろう。 キーワード:電子マネー、Edy、通用性、規模、電子クーポンサービス、マーケティ ング支援サービス、規格間競争、ユーザ指向 1 本稿は 2008 年 1 月 10 日開催のコンピュータ産業研究会での報告を辻岡昌浩(東京大学経済学部) が記録し、本稿掲載のために報告者の加筆訂正を経て、GBRC 編集部が整理したものである。文 責は GBRC に、著作権は報告者にある。1. 電子マネー業界の現状 (1)電子マネーの種類 電子マネーは、現金から電子的価値への変換方式によって大きく二つに分かれる(表 1 参照)。プリペイド方式は事前に利用するカードや携帯電話に購入した電子的価値を記録し た後、電子マネーとして利用する方式である。ポストペイ方式はクレジットカードのよう に、電子マネーの利用後に利用済の電子的価値と同等の金額が請求される方式である。本 稿では、プリペイド方式とポストペイ方式の双方を合わせて「電子マネー」と呼ぶ。 また、電子マネーサービスを運営する会社が持つ性格から、各社を分類することができ る。交通系には、「Suica」「PASMO」「ICOCA」「PiTaPa」等が存在し、乗車券機能のみならず 電子マネー機能を搭載し、駅構内他での各種商品の決済の際に利用可能となっている。流 通系はスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の流通事業者が、自社店舗にユーザ を囲い込むことを主たる目的としており、ユーザの購買情報は自社店舗のマーケティング 展開に活用されている。携帯キャリア系としては、NTT ドコモが携帯電話の付加価値的機 能として「iD」を展開している。クレジット系には「QUICPay」と「Smartplus(VISA Touch)」 表 1 電子マネーサービスの概況 三菱UFJニコス Smartplus(VISA Touch) ジェーシービー QUICPay クレジット NTTドコモ iD 携帯キャリア スルッとKANSAI協議会 PiTaPa ポストペイ 西日本旅客鉄道 ICOCA パスモ PASMO 東日本旅客鉄道 Suica 交通系 イオン WAON セブン&アイ・ホールディングス nanaco 流通系 ビットワレット ビットワレット Edy Edy 専業 専業 プリペイド 運営会社 名称 系列 支払方式 三菱UFJニコス Smartplus(VISA Touch) ジェーシービー QUICPay クレジット NTTドコモ iD 携帯キャリア スルッとKANSAI協議会 PiTaPa ポストペイ 西日本旅客鉄道 ICOCA パスモ PASMO 東日本旅客鉄道 Suica 交通系 イオン WAON セブン&アイ・ホールディングス nanaco 流通系 ビットワレット ビットワレット Edy Edy 専業 専業 プリペイド 運営会社 名称 系列 支払方式
があり、各社が発行するクレジットカードの付加価値的機能として搭載されている。 「Edy」は、ビットワレット株式会社(以下、ビットワレット)が 2001 年に運営を開始し たサービスであり、プリペイド方式を採用した電子マネーである。大きな特徴としては、 ビットワレットが電子マネー事業のみを行っている専業事業者である点にある。専業であ るが故に独立性が高く、既存ビジネスとの柵が少ないことが特長であり、対外的にオープ ンなスタンスで多くの加盟店との提携を積極的に展開することにより、利用可能店舗と発 行枚数を拡大し続けている電子マネーである。 (2)各サービスの概況 利用可能な加盟店数と発行枚数は、電子マネーが所謂サービスとして消費者にどこまで 認知されているかを示す指標のひとつと言えると考えている。Edy は 2008 年 1 月 1 日現在 で約 3,600 万枚の発行枚数となっており、そのうち携帯電話のアプリケーションとして利 用されている数は 700 万台となっている。利用可能な加盟店数は 71,000 店舗となっており、 他の電子マネーサービスと比較すれば、数的な優位性は明白である。 一方、流通系の電子マネーは、利用可能店舗数が少なく見えるが、消費者が日々利用す るスーパーマーケットやコンビニエンスストアで利用可能なマネーであり、消費者から見 た親近感は強いものがある。同様の切り口で考えた場合、交通系の電子マネーの存在感の 拡大は目覚しい。当初、乗車券としての機能が主であった Suica であるが、電子マネーと して利用可能な環境の整備(主に「駅ナカ」と言われるキヨスクや自販機)が進む中、昨 年 3 月の PASMO との連携のスタートにより、消費者による認知が格段に高まり、各種調 査においても強い親近感を消費者に与えることに成功している。加えて、駅ナカでの利用 にほぼ限定されていた電子マネー機能が、駅の外での利用可能店舗が拡大するにつれ、乗 車券としての利用をベースにした親近感から、電子マネーとして利用する際の利便性の評 価にも繋がってきている。 最後に、クレジット系の電子マネーは、契約者数こそ少ないものの、既存のクレジット カード端末を各社が提供する電子マネー機能付の端末へ切り替えることが容易であるため、 利用可能店舗は今後大きく伸びる可能性がきわめて高い。一定額以上の支払いはクレジッ トカードで、それ以下の金額の支払いはクレジットカードに搭載された電子マネー機能で 決済するというスタイルが消費者に受け入れられ、根付くかが今後の課題となっている。
(3)日本国内における決済規模 日本の 1 年間の民間最終消費支出は約 300 兆円と言われている。この 300 兆円のうち、 クレジットカードによる決済金額は約 30 兆円と言われており全体の 10%弱を占めるに過 ぎない。日本では未だに現金決済の文化が根強く残っており、他の先進諸国と比較しても クレジットカード決済の比率が低い現状となっている。さらに規模の小さい電子マネー業 界が大いなる拡大を実現するためには、現金決済に対する根強い信頼感、裏を返せば現金 決済以外に対する不信感を払拭しない限り望めないことは事実であろう。サービス提供事 業者は、消費者がこの大きく高い壁を乗り越え、いかに電子マネーのユーザになるか、そ のために何が必要であるかを考え、実行していかなければならない。 (4)電子マネー業界の規模 野村総合研究所の試算によると、2007 年の電子マネー決済金額は、プリペイド型電子マ ネーが 4,685 億円、ポストペイ型電子マネーが 2,209 億円の合計 6,894 億円と予測されてい る。2006 年の合計は 1,821 億円と見られているため、5,000 億円以上の伸びを示し、市場規 模は 1 年間で約 4 倍に拡大していることとなる。また、2007 年のプリペイド型とポストペ イ型の決済比率は 7 対 3 となっており、プリペイド型の電子マネーの決済が大きな割合を 占めていることが分かる。2011 年の予想決済金額は 28,306 億円と、約 3 兆円弱の規模にな ると見込まれており、電子マネーの決済規模は漸くクレジットカード決済の 10%弱に到達 するに過ぎない。そして、民間最終消費支出の 1%弱に過ぎないのが現時点での予測であ り、社会の評価であろう。 (5)電子マネーの通用性と規模 あくまでも私見ではあるが、通貨として消費者に受容されているかは、通用性と規模と いう二つの軸によって評価されると考えている。現在のところ、当たり前ではあるが、通 用性と規模の両面で最も受容されているのは現金である。クレジットカードや商品券等の プリペイドカードの受容の度合いは現金に大きく劣っており、電子マネーについても色々 な見解があるであろうが、現金の受容度に大きく及ばないことは厳然たる事実である。先 に述べたように、現時点での電子マネーの市場規模はクレジットカード市場の 10 分の 1 に満たず、特定の消費者による利用に限定されているのが事実である。 電子マネーが最初に越える壁として、クレジットカードが存在し、その壁を乗り越えて
こそはじめて、現金との比較ができると考えている。確かにクレジットカードと電子マネ ーは性質が異なり、利用する消費者の属性が必ずしも同じとは言えないが、市場の規模の 切り口で考えた時、まずは乗り越える壁としてクレジットカードが存在すると考えている。 その先に、現金と電子マネーを使い分ける社会、すなわち、消費者がケースバイケース でどちらを使うかを決める社会を実現することを考えるべきであろう。もちろん、その際 に忘れてはならないのは、利用者である消費者に電子マネー独自の便益を提供することで あり、サービス提供事業者が電子マネーの利用者が積極的に電子マネーを使いたくなる環 境を構築することである。 2. Edy のビジネススキーム (1)ビジネススキーム―関係者相関図― ここまで電子マネー業界の現状を説明してきたが、今後の電子マネー業界のあり方を論 じる前に、まずは関係者の相関図を用いて、Edy のビジネススキームの全体像と各関係者 の役割を説明したい(図 1 参照)。 サービス提供事業者であるビットワレットは、Edy が利用できる加盟店を開拓する。多 くの加盟店を獲得することで、消費者たる Edy 利用者に満足してもらえる環境の整備を図 るものである。また、電子マネーは「前払式証票の規制等に関する法律」に基づき発行さ れているが、同法では、サービス提供事業者に対して未使用残高の 2 分の 1 以上の発行保 証金を供託する義務を課している。この点、市場が急速に拡大する中、ビットワレット 1 社で発行額を十分に準備することは容易ではないが、Edy の価値を発行する権利を第三者 にライセンスすることで数千億円単位のバリューを発行することを可能にしている。ビッ トワレットからバリューを発行する権利を付与された事業者をバリューイシュアと呼んで おり、現在 13 社にライセンスされている。このスキームを「マルチ・イシュア」と呼び、 ビットワレットが Edy サービスの導入当初より採用しているユニークなスキームである。 もちろん、どのバリューイシュアが発行した Edy であっても、全ての Edy 加盟店で Edy と して利用できることは言うまでもない。
それぞれのバリューイシュアは、各社が発行する Edy のバリューを蓄積するカードを発 行する権利をライセンスすることで、より多くのカード発行事業者が Edy 機能搭載カード を発行することを可能としている。バリューイシュアよりカード発行権を供与された事業
者を「カードイシュア」と呼び、カードイシュアは Edy 機能を搭載したカードを社員証、会 員証、ポイントカード等として活用している。 このように、ビットワレット単独ではなく、バリューイシュアやカードイシュアを組み 込んだオープンなビジネススキームを構築することにより、消費者に対して、消費者の選 好に合致したカードを提供することを可能としている。 なお、ビットワレットはバリューイシュア、カードイシュアとしても活動しており、様々 な利用者、加盟店からの要望の受け皿となっている。加えて、加盟店の開拓のみならず、 全ての精算業務を実行している。ビットワレットが全ての業務に責任を持って対応するこ とで、加盟店、バリューイシュア、カードイシュアの負担を最小化し、自由に Edy ビジネ スへ参入できる土壌を作り上げている。 (2)ビジネススキーム―Edy と現金の流れ― 次に、利用者が Edy を利用した際の Edy と現金の流れを説明する(図 2 参照)。 ① 利用者は、カードイシュアが発行したカードを入手する。Edy 機能搭載カードはコン 図 1 Edy のビジネススキーム カードイシュア バリューイシュア Edy機能付の 社員証・会員証や ポイントカード等を 発行する企業等 クレジットカード 会社や銀行等 プリカ法の登録事業者 Edyカード 加盟店 利用者 ビットワレット イシュア ジェーシービー ソニーファイナンスインターナショナル トヨタファイナンス 三井住友銀行 三菱UFJニコス ライフ ビットワレット オーエムシーカード セントラルファイナンス 第一興商 三井住友カード 三菱東京UFJ銀行 ユーシーカード 楽天KC バリューイシュア:14社 Edy(価値)の発行のライセンス Edyカードの発行の ライセンス 加盟店の開拓 Edyカードの発行 ■複数の会社が を発行可能(マルチ・イシュア) ■加盟店との契約、精算業務などはビットワレットが担当 ■複数の会社が を発行可能(マルチ・イシュア) ■加盟店との契約、精算業務などはビットワレットが担当 カードイシュア バリューイシュア Edy機能付の 社員証・会員証や ポイントカード等を 発行する企業等 クレジットカード 会社や銀行等 プリカ法の登録事業者 Edyカード 加盟店 利用者 ビットワレット イシュア ジェーシービー ソニーファイナンスインターナショナル トヨタファイナンス 三井住友銀行 三菱UFJニコス ライフ ビットワレット オーエムシーカード セントラルファイナンス 第一興商 三井住友カード 三菱東京UFJ銀行 ユーシーカード 楽天KC バリューイシュア:14社 Edy(価値)の発行のライセンス Edyカードの発行の ライセンス 加盟店の開拓 Edyカードの発行 ■複数の会社が を発行可能(マルチ・イシュア) ■加盟店との契約、精算業務などはビットワレットが担当 ■複数の会社が を発行可能(マルチ・イシュア) ■加盟店との契約、精算業務などはビットワレットが担当
ビニエンスストアやスーパーマーケットで購入できる他、前述の通り、社員証、会員証、 ポイントカード等に搭載されている場合もある。② カード入手した利用者は Edy の電子 的価値を入金機等で購入する。購入した Edy のバリューは、カードまたは携帯電話に搭載 された IC チップに電子的価値として書き込まれる。③ 利用者は、Edy が利用できる店舗 において商品の代金支払いを Edy で行う。④ 当該決済に係る情報は電子データとしてビ ットワレットに送信され、⑤ ビットワレットは、使用されたバリューを発行したバリュー イシュアとの精算、加盟店への手数料の請求を一括して行っている。 ビットワレットはバリューイシュアと加盟店の中間点に位置し、多くの加盟店やバリュ ーイシュアとの資金決済を束ねるハブの役割を担っている。 3. Edy の拡がり (1)各サービスのスタート時期 2001 年ショッピングでの電子マネーの利用サービスを Edy が開始した。その 3 年後の 図 2 Edy と現金の流れ カードイシュア バリューイシュア Edy機能付の 社員証・会員証やポ イントカード等を発 行する企業等 クレジットカード 会社や銀行等 プリカ法の登録事業者 Edyカード 加盟店 利用者 ビットワレット イシュア ① Edyカードの発行 ② チャージ (Edyの購入) ③ Edyによる支払い ④ Edyログ送信 ⑤ bW :利用代金の支払い 加盟店:加盟店手数料の支払い Edy お金 カードイシュア バリューイシュア Edy機能付の 社員証・会員証やポ イントカード等を発 行する企業等 クレジットカード 会社や銀行等 プリカ法の登録事業者 Edyカード 加盟店 利用者 ビットワレット イシュア ① Edyカードの発行 ② チャージ (Edyの購入) ③ Edyによる支払い ④ Edyログ送信 ⑤ bW :利用代金の支払い 加盟店:加盟店手数料の支払い Edy お金
2004 年に Suica、Smartplus、PiTaPa が電子マネーサービスを開始した。一般的には更にそ の 1 年後の 2005 年をもってして電子マネー元年と言われていたが、実際には PASMO、 nanaco、WAON がサービスを開始した 2007 年になって初めて、電子マネーが利用者の生 活に身近なものとして普及し始めたと言える。この 2007 年に『日経ビジネス』が編集する ヒット商品番付で電子マネーは西の横綱にランキングされたことがその証左となろう。 (2)Edy 加盟店数と Edy の月間取扱件数 Edy は 2001 年 11 月のサービス開始以来、着々と加盟店数と月間取扱件数を伸ばしてき ている。これまで大きく取扱件数が伸びたのは、大手コンビニエンスストアが Edy を導入 したタイミングである。2007 年は 8 月から 9 月にかけて、ファミリーマートとローソンに おいて Edy が導入され、加盟店数が伸びるとともに取扱件数も大きく伸びた。2008 年 1 月 1 日現在、加盟店数は 71,000 店舗にまで拡大しており、依然として他の電子マネーサービ スとの利用可能店数の差は大きい(図 3 参照)。 2008 年 1 月 1 日現在、Edy の月間取扱件数は約 2,250 万件である。単純に 1 店舗あたり の平均を取ると月間約 300 件、1 日約 10 件の Edy が利用されていることになる。この件数 図 3 Edy 加盟店数と Edy の月間取扱件数 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 10 0 150 300 450 600 750 900 1,050 1,200 1,350 1,500 1,650 1,800 1,950 2,100 2,250 2006 2005 2004 2007 2003 2002 万件 加盟店数 月間取扱件数 店舗 約2,250万件 月間取扱件数 約700万台 (うち携帯電話) 2008年1月1日現在 約71,000店 加盟店数 約3,600万枚 発行枚数 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 10 0 150 300 450 600 750 900 1,050 1,200 1,350 1,500 1,650 1,800 1,950 2,100 2,250 2006 2005 2004 2007 2003 2002 万件 加盟店数 月間取扱件数 店舗 約2,250万件 月間取扱件数 約700万台 (うち携帯電話) 2008年1月1日現在 約71,000店 加盟店数 約3,600万枚 発行枚数
が多いか少ないかは人により判断が異なるかと思うが、私はまだまだ少ないと考えている。 今後は、いかに取扱件数を伸ばすか、言い換えれば、利用者が Edy をより多く利用するよ うになるかが大きな課題であると認識している。 (3)発行枚数 2008 年 1 月 1 日現在、Edy の累計発行枚数は約 3,600 万枚であり、そのうち電子マネー 機能を搭載した携帯電話の台数は約 700 万台である(図 4 参照)。 携帯電話への Edy 機能搭載当初は、NTT ドコモ、KDDI、Vodafone のおサイフケータイ に Edy のアプリケーション(以下、「Edy アプリ」)がプリインストールされていたが、現 在では Softbank の一部の携帯電話を除いてプリインストールはされていない。プリインス トールが終了したに係らず、携帯電話にインストールされた Edy アプリは、2007 年 12 月 に 20 万台伸びており、プリインストール終了後も着実に新規の利用者が拡大している。 2008 年 1 月 1 日時点の Edy の月間利用件数が約 2,250 万件であることを考えると、約 3,600 万枚のカード又は携帯電話の中に一度も使われていないものがある。すなわち、発行され たカード又は携帯電話が使われることなく死蔵されている事実がある。 図 4 Edy の発行枚数 0 250 500 750 1,000 1,250 1,500 1,750 2,000 2,250 2,500 2,750 3,000 3,250 3,500 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 10 万枚 発行枚数 2006 2005 2004 2007 2003 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2002 約2,250万件 月間取扱件数 約700万台 (うち携帯電話) 2008年1月1日現在 約71,000店 加盟店数 約3,600万枚 発行枚数 約2,250万件 月間取扱件数 約700万台 (うち携帯電話) 2008年1月1日現在 約71,000店 加盟店数 約3,600万枚 発行枚数
確かに、ビットワレットにとって約 3,600 万枚の発行枚数は重要な数値ではあるが、発 行枚数よりもいかに実際に利用している利用者を伸ばすかが重要になってきている。すな わち、利用者から見て Edy が「使いたい」と思われるサービスとなり、実際に使われるサー ビスになるかが重要なポイントであり目標となる。 (4)豊富なバリエーション ビットワレットは 600 種類以上の Edy カードを発行している。Edy が搭載された媒体の 主な形状はカードと携帯電話であるが、Edy 機能が搭載されたフィギュアや腕時計も存在 する。携帯電話で Edy を利用するには、ビットワレットの携帯版ホームページへアクセス すれば、簡単に Edy アプリをダウンロードできる。 カード形式の中で利用率が高いのは 100 券種以上存在する会員証一体型カードである。 カード発行者は、各社のポイントプログラムと一体化することで、利用者の利用単価を上 げることに成功している。また、利用者から見れば、Edy を使えば使うほどカード発行者 から提供されるサービスの質が上がっていくため、大いなる評価を得ている。 Edy カードや携帯電話には、1 枚ごとに異なる 16 桁のユニークな ID 番号が振られてい る。Edy 加盟店は、このユニークな ID 番号により、ポイントプログラムを実施することが 可能になるとともに、顧客動向の分析を含むマーケティングツールとして活用することが できる。ここが、電子マネーが現金との比較で優れている特長であると言えるであろう。 加えて、一般の会員証を自社で独自に導入するよりも、広く普及している Edy を採用する 方がコストを抑えることができる利点もある。 (5)店舗での利用の拡がり ビットワレットでは特定の業種に偏ることなく加盟店の開拓を行っている。あらゆる業 種の加盟店で Edy を採用してもらうことにより、利用者の広いニーズに応え、利用者の利 便性を向上するべく努力している。 プリペイド型の電子マネーである Edy は、利用の前にチャージが必要となる。利用者が チャージを簡便に行えるよう、ビットワレットは約 28,000 ヶ所のチャージ拠点を整備して いる。例えば、多くのコンビニエンスストアでは、レジでチャージをすることができる。 各コンビニエンスストアの協力により、商品を購入せずチャージのみでも受けてもらえる ようになっている。
(6)パソコンでの利用の拡がり
FeliCa ポートというリーダライタを搭載したパソコンや、PaSoRi という USB 接続のリ ーダライタがあれば、自宅に居ながらにして多数の PC サイトでの決済に Edy を使用する ことができる。また、クレジットカードやキャッシュカードがあれば、自宅で Edy のチャ ージを行うこともできる。現在、ソニー、富士通、NEC が販売するパソコンに FeliCa ポー トが搭載されており、今後も拡大するであろうことに鑑みれば、自宅で Edy を使う利用者 が今後は伸びることは想像に難くない。 PC サイトでは、現在、4,000 以上の電子商店で利用可能となっている。2007 年秋に Amazon.co.jp で利用可能となって以来、PC サイトでの Edy 利用は順調に伸びており、今後 の Edy の成長にとって重要な鍵になると考えている。 (7)携帯電話での利用の拡がり 携帯電話に搭載された Edy であれば、電波さえ繋がればどこでも自由にクレジットカー ドや銀行口座からチャージすることが可能である。提携している銀行は都市銀行だけでは なく地方銀行も存在しており、様々な利用者のニーズに応えることを可能としている。 また、多様な携帯電話サイトでの決済にも利用できる環境を整備しており、携帯電話が あればチャージも買い物もできる環境の拡大に努めている。 (8)Edy ギフトサービス Edy ギフトサービスとは、特定の Edy 番号に対してプレゼントできるサービスである。 Edy には 16 桁のユニークな Edy 番号が振られているため、Edy 番号以外の一切の情報を必 要としない。既存のプリペイドカードや商品券をプレゼントする場合、対象者の住所や氏 名などの個人情報を必要とすることと比較すれば、プレゼントする側から見れば利用しや すいサービスとなっている。コスト面から見ても、郵送料、封筒代、封入費などを必要と しないため、ローコストでプレゼントできる利点がある。 プレゼントされた利用者は、携帯電話の Edy アプリや FeliCa ポートを搭載したパソコン、 店頭で Edy を受け取ることができる。 Edy ギフトサービスは、Edy の利用の拡がりとともに、利用件数を年々伸ばしている。
(9)Edy to Edy サービス
Edy ギフトサービスに類似しているが、Edy to Edy サービスはおサイフケータイ同士で Edy を送付するサービスである(図 5 参照)。 ビットワレットは、割り勘の精算やインターネットオークションの支払い、親から子供 へのお小遣いなどの使い方を提案している。 (10)まとめ ここまで述べたように、ビットワレットは Edy を単なる決済サービスに留めることなく、 Edy が持つ 16 桁のユニークな Edy 番号をベースに、他の電子マネー事業者が提供していな い新しいサービスを提供し続けている。ビットワレットは、今後も電子マネーサービスの パイオニアとして、電子マネー独自のサービスを提供し続けることで利用者に対して、新 しく多様な便益を提供するべく努力する。 図 5 Edy to Edy サービス 自分のおサイフケータイから指定したおサイフケータイに、 を送付するサービス 自分のおサイフケータイから指定したおサイフケータイに、 を送付するサービス ビットワレット ③ Edyのセット ご利用例 割り勘の精算や、オークションの支払い、お小遣いなど ご利用例 割り勘の精算や、オークションの支払い、お小遣いなど 送り主 送り先 ① 送付先の「Edy番号」と「送付額」 「受取りパスワード」を送信 ④ 「受取りパスワード」の送信 Edyの受取り ② 「受取りパスワード」の通知
4. Edy が創造する “Next Stage” (1)“Next Stage” へ ビットワレットは、これまでを「現金の置換えフェーズ」と捉え、Edy 加盟店の拡大や様々 なサービスの提供に努めてきた。2007 年夏以降、電子マネーならではのサービス展開フェ ーズとし、現金にはできないサービスの展開を目指している。 これまでの ① Edy が利用可能なロケーションの拡大、② Edy 利用者の増加、③ パソ コンや携帯電話を用いたネットワーク環境での利用の拡大、そして ④ それぞれの過程で 蓄積した技術や機能の蓄積をベースに、ライフスタイルを創造するフェーズに入った。ビ ットワレットでは、“Next Stage” をキーワードに新たなサービスを創出し続けることに努 めている。 (2)“Next Stage” サービスの第 1 弾
ビットワレットは、“Next Stage” サービスの第 1 弾として、2007 年 6 月 1 日に「Edy スマ イルクーポン」と「Edy ハッピー優待」(以下、合わせて「クーポン・優待サービス」)という 新しいサービスを開始した。 これまでに構築してきた Edy の加盟店網・インターネット環境などのインフラを活用し、 成果報酬型のマーケティング支援サービスを加盟店に提供するサービスである。クーポン・ 優待サービスは、加盟店が設定したハードルをクリアした利用者に対して、Edy を還元す ることを柱にしたサービスであり、加盟店から見れば取扱金額や取扱件数の向上が実現さ れ、利用者にとってはハードルをクリアすれば Edy が還元されることになり、加盟店、利 用者双方にとってメリットがあるサービスであると自負している。 (3)クーポン・優待サービスを導入した背景 クーポン・優待サービスは、「Edy ならではの資産を活用した、Edy 加盟店とユーザをつ なぐサービス」と表現することができる。Edy 利用者と Edy 加盟店をマッチメイキングする ことにより、上述の取扱金額や件数の向上を実現し、利用者に対して Edy を還元すること を可能としている。これまでもビットワレットが保有している資産とも言える Edy 加盟店 と Edy 利用者のマッチメイキングを企図したキャンペーン等を実施してきたが、クーポ ン・優待サービスはさらに踏み込んだサービスとなっている。
(4)クーポン・優待サービスの利用方法 利用者が、「Edy スマイルクーポン」と「Edy ハッピー優待」を利用するに図 6 に示すステ ップを踏むことになる。いずれのサービスにおいても、利用者に過度な負担を掛けないこ とをポイントとし、「Edy スマイルクーポン」であればクーポンをゲットする動作、「Edy ハッピー優待」であればサービス登録を行うことのみを要求している。クーポンゲットまた はサービス登録以降、利用者は通常の Edy 決済と同様のアクションを取れば十分であり、 店頭においてクーポンの画面メモを提示する必要もクーポンをプリントアウトして提示す る必要もない。 一方、Edy 加盟店は、これまでの Edy 決済と同じオペレーションで対応できるため、従 業員の教育や紙クーポンの場合に発生する管理、集計の手間は一切発生しない。 利用者に対する還元についても、ビットワレットが一括で対応するため、Edy 加盟店側 でのシステム投資や集計作業を必要することなく、Edy 利用者に対する特典付与を実現す ることができるサービスとなっている。 図 6 クーポン・優待サービスの利用方法
(5)新たなマーケティング支援策 クーポン・優待サービスで得られた購買情報は、Edy 加盟店におけるマーケティング施策 を支援する有用な情報としてとして活用することができる。データの流れについては図 7 を参照していただきたい。 Edy 加盟店は、Edy 利用者を、クーポン利用者とクーポン非利用者の属性に切り分け、 クーポン利用者の消費性向とクーポン非利用者のそれを比較することで、利用者に提示し た特典内容が利用者の心に響いたか否かをチェックすることが容易となる。また、クーポ ンの期間を区切ることができるため、利用者の反応が芳しくなかった場合は、異なる特典 を提示することで、利用者の活性化を継続的に図ることが可能となった。 クーポン・優待サービスで得た情報をベースにしたマーケティング戦略は、Edy 利用者 のみを対象に実行するのみではなく、現金を利用している顧客に対する施策を検討する上 でも、有用なテストケースとして活用することができる。また、Edy 加盟店にとっては、 取扱いが伸びるか否かに係らず固定費的にコストが発生する既存の広告サービスと比較し た場合、クーポン・優待サービスは成果報酬型のサービスとなっているため、Edy 加盟店 に大きな負担を強いることなくサービスを利用してもらうことができるサービスである。 図 7 クーポン・優待サービスに係るデータの流れ
(6)Edy 加盟店と Edy 利用者のメリット クーポン・優待サービスが、Edy 加盟店と Edy 利用者に対して提供するメリットについ て、これまで述べてきた内容をまとめたものが図 8 である。 クーポン・優待サービスは、既存の Edy サービスの基盤をベースにしており、追加部分 の開発・運営についてもビットワレットが行っているため、Edy 加盟店にとってはきわめ て小さなコストで導入することができるサービスである。加えて、今後のシステムの拡張 についてもビットワレットが行うため、将来に亘ってもコストを抑えた効率的なマーケテ ィング施策として、クーポン・優待サービスを利用することが可能となっている。 (7)「Edy スマイルクーポン」サービスの導入実績 Edy スマイルクーポンは、小売業態、飲食業態、サービス業態を含む様々な業態で導入 されている。2007 年 6 月 1 日にサービス導入した Edy 加盟店において、導入前の 5 月度と 導入後の 7 月度の Edy 利用者数を比較するといずれの業態においても増加しており、Edy 図 8 Edy 加盟店と Edy 利用者のメリット
加盟店メリット
加盟店メリット
■ 成果報酬型で 、費用対効果 に優れた集客効果 が期待で きる ■ 目的( 単価UP、来店頻度 UPなど)に沿ったユーザー特典設 定可能 ■ 端末の 入替え や店頭で の特別なオペレーション不要 (全ての既存Edy端末で対応可能) ■ ペーパーレスで、プリントアウトや店頭で の呈示な ど不要 ■ 「食べる」「買う」「遊ぶ」…生活動線上の 様々な シーンで利用できる ■更に …ユーザーメリット
ユーザーメリット
入金で お得 クレジットカードポイント※ 利用で お得 マイレージ、加盟店ポイントなど 更なるお得 ※クレジットカード会社のサービスにより、ポイントが付かない場合があります。 ■ ■ ■ ■ ■ ■スマイルクーポンサービスにより、確実に送客されていることが証明されている。ま た 、 1 利用者あたりの月間利用金額については、ある飲食業態の加盟店において、クーポン利 用者のそれが非利用者の約 2.3 倍になるなどの成果を挙げている。 課題としては、Edy の認知度に比較して、クーポン・優待サービスの認知がまだまだ足 りないことは確かである。今後は、ビットワレットが持つ PC サイト、携帯電話サイトの みならず、多くの会員を持つメールマガジンを有効活用していきたい。所謂、プッシュ型 のユーザコミュニケーションとクーポン・優待サービスを組み合わせることで、利用者、 加盟店双方にとってメリットのあるサービスに育て上げて行きたいと考えている。 5. 電子マネー業界が解決すべき課題 パイオニアとして電子マネー業界を牽引してきたビットワレットであるが、いまの延長 線上の施策を打ち続けることで、現金に限りなく近い通用性を得ることができるのか。ビ ットワレットで働くメンバーの一人としての個人的な意見ではあるが、答えは「否」である。 各種調査でも明らかなように、一般の消費者から見た場合、電子マネーはまだまだ身近 なサービスとは言い切れないのが現状である。では、いかに一般消費者に認められ、利用 されるサービスになりうるのかを考える時、忘れてはならないのが「互換性」であると認識 している。 ご存知の通り、現在、日本国内で提供されている電子マネーサービスは、ソニー株式会 社が開発した FeliCa 技術をベースにしている。各社の技術担当が述べているように、それ ぞれの電子マネーサービス間で互換性を持たせることは技術的には可能である。では、な ぜ互換性が実現されないのか。答えは、サービス提供事業者がそれぞれのサービスを拡大 することに躍起となっており、利用者たる消費者不在のシェア拡大競争を行っていること に原因を見出すことができると考える。業界に携わっている人間としては、決して競争の みを行っているとは考えていないが、各種メディアの論調はこれまでの規格競争になぞら えていることに鑑みれば、否定しきれないポイントであると考える。 乗車券としての Suica や PASMO が市民権を得た理由を考える際、忘れてはならないの は電鉄各社が実施している相互乗り入れのサービスである。もし、相互乗り入れが実現さ れていなければ、Suica と PASMO の連携は実現されていなかったであろうし、そもそも PASMO という私鉄連合で形成するサービスが導入されることもなかったであろう。相互
乗り入れの背景には様々な事情があるため、特定の理由のみが原因であるとは言い難いが、 忘れてはならないのは、結果として利用者にもたらされてきた便益である。直通運転によ る乗り換え回数の減少や乗車時間の短縮により、利用者たる乗車客が便益を受けてきたこ とは明確である。このように、公共機関としての性格の強い鉄道の世界では、積極的に各 社が手を組むことで、関係する電鉄各社のバリューが向上しているのが事実ではなかろう か。 同様に、電子マネー業界においても、利用者のメリットを重視するのであれば互換性を 持つことが重要になってくる。利用者のメリットが高まるのみならず、各社が独自にシス テムを構築し、サーバを管理するコストをトータルすれば膨大な額に上るであろうことを 考えれば、サービス提供事業者にとってもメリットがあると考える。電子マネー業界全体 で見た場合、二重、三重に重なる多重投資が実行され、それぞれからランニングコストが 発生している事実がある。社会的に見ても非効率と言える状況に対して、サービス提供事 業者の方針に従い、互換性を持たない状況で各自のサービスを拡大することは、利用者に とってもサービス提供事業者にとっても決して好ましい状況ではあるまい。 電子マネーが現金に匹敵する通用性を獲得するためには、これまでの競争フェーズから 脱却し、共に創る、「共創」フェーズに入る必要があると考えている。共通の電子マネーサ ーバを構築し運用費をシェアすることで、各社のシステム投資、システム運用コストは低 減される筈である。基幹システムに対する投資とコストを圧縮することで得た対価は、自 社の利益に振り分けるのみならず、それらのうちの幾許かを顧客たる利用者及び加盟店に 対して還元する必要があると考えている。 我々のようにサービスを提供する事業に係る人間は、常に社会に対する還元を強く意識 する必要があり、社会への還元を実現するには、目の前に存在する利用者に対して何を還 元できるかを意識する必要がある。所謂、ユーザ指向のビジネスモデルの構築と推進が要 諦になると認識している。 現金では実現できない何かを提供するフェーズを、ビットワレットでは”Next Stage” と 呼んでいるが、何か新しいことを提供するという目新しさは勿論だが、現金が貨幣として 兼ね備えている信頼性についても強く意識する必要がある。電子マネー法が制定される方 向で準備が進められ、国家としての体制の整備も整いつつあるが、事業者サイドにおける 電子マネービジネスに対する利用者視点の真摯な態度が強く求められるであろう。 このような流れの中で、互換性を意識しないままに利用者と加盟店の獲得競争を続けて
いる限り、電子マネーが利用者からの信頼を得ることはなく、結果として、現状以上の通 用性を得ることもなかろう。まずは、サービス提供事業者が、それぞれの便益に拘泥する ことなく、電子マネーが持つ通用性を高めるための施策、互換性を実現するための施策を 実行することを目的としたための協議のテーブルにつくことが大きな一歩になると考えて いる。 電子マネーが、信頼をベースにした通用性を得た後、各社が利用者に対してどのような メリットを提供できるかの競争が始まることになるであろう。その結果として、これまで 現金が有していた概念とは異なる、電子マネー独自の概念が創出される日が訪れる。決し て低い壁ではないが、電子マネー業界に携わる一人として、今後もユーザ指向のサービス の提供に携わっていくとともに、互換性を提供できる仕組みの実現に係っていければと考 えている。