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おもてなしと イネーブルウェア 坂村健 東京大学情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センター長 教授 YRP ユビキタス ネットワーキング研究所長 トロンフォーラム会長 /uid センター代表

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(1)

坂村 健

東京大学情報学環

ユビキタス情報社会基盤研究センター長、教授

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所長

トロンフォーラム会長/uIDセンター代表

おもてなし

イネーブルウェア

(2)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

米国

Blue Button

(3)
(4)

Blue Buttonとは

個人が、自分に関係する機械可読なPHR (医療・

健康関係のデータ) をダウンロードできるボタン

個人の判断で、適切な医療従事者、介護者、および他の信頼でき

る個人または団体に、そのデータを渡すことができ、それらの

サービスでの連携を可能にする

官民連携プロジェクトであり、多数の健康保険および米国内の病

院等の個人の健康記録を保持する機関が参加しており、それらが

保持するPHRを簡単に取得できる

構造化データフォーマットやAPIを標準化

個人が自分のデータを解析したり、医療機関が利用するための多

くのサードパーティアプリやクラウドサービスが参入

PHRを蓄積する保険・医療機関などでPHR集約蓄積サービスも

(5)

Blue

Buttonの歴史

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2009年12月米国防総省がTRICAREオンラインポータルで患者の健康情報への

安全なオンラインアクセスを提供

それを受けて、2010年1月がヘルスケアITの相互利用性向上の作業グループを

米マークル財団が主催して開始

民間企業、非営利財団、連邦政府からの多くの代表が参加し盛んな議論が行われ、”Blue Button

Initiative” としてまとめる

米国防総省が2010年にポータルのブランド名を “Blue Button” に変更

国防総省が中心となって、健康記録情報を追加や機能強化

健康記録のダウンロードだけでなく、APIアクセスを可能に

利用者も賛同機関も毎年増加の大成功

2016年時点で、アメリカ国民の約半数にあたる1億5000万人以上が、 Blue Buttonにより少なくと

も一つ以上の自身の電子的医療データにアクセス

Blue Buttonイニシアチブに賛同する政府機関や民間企業は、あわせて700社程度

(6)

Blue

Buttonから

展開

Blue Buttonをアメリカ国民の約半数が利用という大成功

米国政府が同様の仕組みにより個人データアクセスを

広めるという “My Data Initiative” を宣言

2011年9月にオバマ大統領がOpen Government Partnershipの立ち上げ会合で宣言

環境関係のGreen Button, 教育関係のRed Buttonなどが後続

(7)

My Data Initiative

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“My Data”は”Open Data”と対になる概念

Open Dataの方はMy Dataより早く、オバマ大統領が就任した2009年1月21日

の当日に「透明性とオープン・ガバメント」と題するメモランダムで提示された

容易なアクセス

消費者に力を与え、個人が最適な選択を行えるように、個人が個人の情報や必

要なツールに容易にアクセスできるようにすることを目指す

データの「再利用」

データを活用した便利で革新的なサービスを受けられるように、消費者が自分

自身のパーソナルデータの利用をサービス事業者に許諾すること

(8)

My Data Initiativeの位置付け

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米国にとってのベネフィット

消費者の選択(Consumer Choice)の促進:消費者の選択を支援するようなWebツー

ルや携帯アプリ(選択エンジン)の民間開発を促進

消費者の自己データへの権限強化:一定データ形式の自己データへのアクセスを提供

することにより、消費者の選択を容易化

新たなデータ利活用サービス

広範な経済的インパクト

連邦政府の役割

データを開示する。

データ標準等の技術標準の開発を促進する。

選択エンジンのための市場の統一性を監視し、促進する。

データの利用および選択エンジンの利用を容易化するための調査研究、インフラ、イ

ノベーションに投資をする

(9)

My Data Initiativeに

属す

各種「ボタン」

Blue

Button

個人的な医療・健康関係のデータへのアクセス

Green

Button

個人的なエネルギー使用量のデータへのアクセス

Red

Button

個人的な教育データへのアクセス

(10)

Blue

Buttonで

注目すべ

ポイント

なぜ米国防総省が主導?

(11)

そもそもBlue Buttonを

仕掛けたの

VA

United States Department of Veterans Affairs

VA: 米国退役軍人省

米マークル財団が主催したヘルスケアITの相互利用性向上WGをリードしたのも

VAのCTOピーター・レビン

(12)

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2010年8月、オバマ大統領が「退役軍人がいつでもVAのウェブ

サイトに行き、Blue Buttonをクリックして、個人の健康記録を

ダウンロードして、印刷したり、必要な時に医師と共有すること

ができる」と発表

VAはその月の後半にBlue Buttonを開始

2010年10月、米国保健福祉省メディケア・メディケイドサービ

スセンターがBlue Buttonダウンロードを提供と公式に発表

2012年9月、 “Blue Button”のブランド管理が退役軍人庁から米

国保健福祉省に移管された

(13)

米国

ADA法

American Disability Act

障害を持つアメリカ人法

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1964年の公民権法

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人種/肌の色/信仰/性別/出身国

による差別を非合法と規定するもの

障碍に対する規程はなかった

ベトナム戦争で多くの障碍を持つ帰還兵の

社会への再参加が課題に

1990年のADA制定

障碍者について公民権法と同様に差別からの保護を与える

(15)

米国政府

障碍者対応の

多くをドライブする「国防」

VAは退役軍人のための政府支出により米国政府内で

国防総省に次ぐ予算規模を持つ省庁となっている

米国政府の関与する技術イノベーションの多くが

「国防」でドライブされているのと同じ構図

(16)

日本では何

ドライブに?

直近で大きな期待を寄せているのが「2020」

大きなイベントは、日本では普通は動かせないものを

動かす貴重なきっかけ

(17)

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おもてなし

プラットフォーム

(18)

「おもてなし」

基本

お客様を識別し、お客様の多様な属性の違いに対応すること

料理屋の「おもてなし」の基本は

客を識別し…

好みなどの属性を把握し…

それを記憶して…

次のサービスに活かすこと

(19)

個人の属性情報

サービス側に

伝えること

障碍のあり方は十人十色

イネーブルウェアは「できないことをできるようにする」こと

日本語のわからないお客様が日本で移動するのを助けるのもイネーブルウェア

個人属性にいかに、負担なく、きめ細かく、対応できるか、が

イネーブルウェアにとって重要なこと

(20)

2020

テコに「おもてなし」

のプラットフォームを整備

個人識別と個人属性の適切な取扱のための

機構を官民で整備する

総務省の「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」の

アクションプランにもとづき推進中

それが2020の日本の貴重なレガシーに

(21)

OPaaS.io

Omotenashi Platform as a Service integrated and open

おもてなしのための「プラットフォーム」

(22)

OPaaS.ioとは

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

ユーザー属性情報の仲介

例えば、名前、使用言語、服のサイズ、宗教禁忌、食の好み等が、ユーザー属性情報だが、どこまで

登録するかはユーザーの自由

エンドユーザーの管理の下…

エンドユーザはサービスの利用者で2020では多くの外国人観光客を想定

サービスベンダーに適切に渡せるように…

例えば、ホテル、ショップ、レストラン、博物館・美術館、交通機関など、ネットでなく実世界の

サービスを主眼にする

「仲介」を行うオープンなプラットフォーム

プラットフォームの定める規約に従うとして登録すれば、誰でも、いつでも、何にでも使えるオープ

ン性を持つ

(23)

OPaaS.ioの位置づけ

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

OPaaS.ioが「仲介」

エンドユーザー

エンドユーザー

……

エンドユーザー

エンドユーザー

サービス

サービス

サービス

ユーザー属性情報の利用を申請

ユーザー属性情報を委託

(24)

OPaaS.ioの位置づけ

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

以下のような分類で位置づけられる

PDS (Personal Data Store) かつ

VRM (Vendor Relationship Management)ツール

顧客管理(CRM)ツールではないことに注意

(25)

ユーザーが持ち札のようにベンダーを管理

(26)

VRM (Vendor Relationship Management)

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エンドユーザーが属性情報とその提供先を管理すること

エンドユーザーが中心となって、サービスを提供する事業者や個人等である

「ベンダー」と自分自身との関係を管理

ベンダーがエンドユーザー(顧客)の情報を管理することをCRM(Consumer

Relationship Management)と呼び、CRMはVRMの対極にある概念である

VRMを実現するツールをVRMツールと呼ぶ

一般的にオンラインサービスとして提供される

エンドユーザーに関する情報がVRMツールで一元管理されている

サービスから要求があるとエンドユーザーの同意に基づいてVRMツールで管理

している情報をサービスに提供するため、同じ内容を複数のサービスに何度も

入力する必要がなくなる

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PDS (Personal Data Store)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

ユーザー属性情報をセキュアに一元管理するサービス

エンドユーザーが自身のユーザー属性情報の一元管理でき、 VRMを実現するた

めに重要となる

ユーザー属性情報をサービスが取得するためのAPIを

提供する

PDSに格納されているユーザー属性情報のうち、

ユーザーが選択したものを他のユーザーに共有することができる

(28)

利用を希望する ユーザー属性情報を 利用目的等と共に要求

ユーザー属性の仲介フロー

エンドユーザー

サービス

サービスに

アクセス

OPaaS.io

ユーザー属性情

報提供依頼

ユーザー属性

情報提供確認

許可された

ユーザー属性

情報の提供

ユーザー属性情報の 提供許可依頼

追加情報が

必要な旨を表示

サービス提供

開始

許可された ユーザー属性情報

ユーザー属性

情報提供可否の

入力

ユーザー属性情報 それぞれに関する 提供可否

提供された

情報が十分

か確認

十分である 不足する

(29)

ベンダー間での情報流通によりシームレスなサービ

スを実現

(30)

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セクトラル・モデル

基づ

くユーザー属性情報管理

(31)

所有ID担体

セクトラル・モデル

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エンドユーザーA

サービスX

サービスY

端末識別子 旅券番号 カード 固有番号

サービスZ

オリジナルID=1

対サービスX

リンクID=100

リンクID=200

対サービスY

リンクID=300

対サービスZ

サービス内

ID有効範囲

プラットフォームで呼び出し プラットフォームで紐付け 切り離し可能

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OPaaS.io

よるイネ

ーブルウェア応用の例

(33)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

身体属性から

の要求に応じ

た経路案内

(34)

障碍者手帳を渡

す場合と違い必

要情報のみに

絞って渡せる

毎回聞かれるよ

うな車椅子のサ

イズ・重量等の

情報も紐付けて

同時に渡せる

障碍者手帳の必

要事項のみ呼び

出しての、交通

機関等の予約や

チェックイン等

の手続き簡単化

Every time I heard it…,

my wheelchair weighs

11 kilos, and when

folded it is full length

94 cm × full width

31.5 cm × total height

62.5 cm, OK?

(35)

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移動などで必要

な情報を事前に

設定したカード

のタッチだけで

サービスマンに

伝えられる

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レストランな

どでのアレル

ゲン等の確実

なチェック

(37)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

身体属性によ

る災害時の特

別な支援の要

請や、家族へ

の自動安否通

(38)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

IoTか

IoSへ

オープンAPIにより

住宅からビル、ビジネスから行政まで

全てのサービスのオープン連携へ

(39)

IoTの本質

「物」が

APIで自動連携すること

(40)

さらに「物」か「人」で区別なく

API

すべてが

自動連携できる世界に

(41)

I

o

S

Internet

o

f Service

「物」,「人」,「組織」由来のサービスか意識せず

APIですべてをオープン連携できる世界へ

(42)

IoSの中で

OPaaS.io

位置づけ

人とサービスをつなぐAPIインフラがOPaaS.io

必要なサービス、使えるサービスの発見、から

サービス間での連携、必要情報の受け渡しまで

(43)

Copyright © 2016 by Ken SAKAMURA

おわり

(44)

目指すのはオープンIoT

そして…その先

IoSへ

オープンAPIによりすべての「サービス」が

連携される世界へ

(45)

多く

「連携」で…

動きはじめたIoT

参照

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