香川大学農学部学術報告 206
環境 別 溜池泥 土 の研究
Ⅰ 野他の仙例肥ついて
玉 置 麿 彦,
梅 田Studies on r〇S:〉rVOir d三てpOSits
IInvestigation of Kunishita r〇S己rVOir Takahiko TAMAKIaIld Yutaka UA且EDA
(Laboratory of Soiland Manure) (ReceivedJuly20,1959) 裕 香川県下に分布する潤池に関し前川(8)はその環堺立地を調香しふもと池の多いこと.をみいだし,その泥土の肥効 蟹(9)の検討で山地,ふもと池,野弛問に関連性の存在することを認めている,またわれわれの1人諾雷(17−21)はこれ らの溜池の池泥は一腰に錬酸性で置換性塩基に乏しく,水溶性硫酸慮多く,微細土粒ほ菊磯暫を・主体として構成され ていること,さらに反応,N,闘植に.関し一部の潤池で認められたように同一・」瀾池内でも山側,堤防側と位置の異 なる場合,あるいぼ泥土の滞積に閲し層位別による差異の存在を知ったこの報菅は滑他の分布する環掛こ主眼をお き,これを前川(8)の分類にしたがって野池,ふもと.池,山池に区分した野池の1例についてその泥土を調香した結果 である,なおこの研究は東学前川忠夫農学部長を重任研究者と.する1958年殿文部省科学研染掛こよる研究の一環で, 終始御力濡をいただいた匡教授にお礼申上げるとともに,研究に協力された農業水利学研究宴脇谷武助手に感謝する 次第である. 1… 調査の対象とした溜池の概況 この研究の対象とした溜弛は香川県木田郡三木町山田に存在する国下池である… この溜池は第1図に京す−ような嘩 純塾の野弛で最長距離東西約200m∴南北約470m,面積約10haの池底がほぼたいらな皿池であるい その北部に.2簡 折,豪商部に1飽折の取水樋管を有し,北部にある1門はやや大型である が,その他の2門ほ小型である.またこの瑠弛に流入する河川は西北部に
2流,西南部および戸配附こ1流存在するが何れも小流で降水の際の増水あるい
は水田を経由した余水が流入する程 度であり,大部分の浄水ほ降水の若 枝したものである.この潤池でほ以 前淡水魚の義柏が行われたことがあ るが近年は中止されておるL.また溜 池内には水生植物卓としてオニヒ シ, シャジクモなどが樋管のある附 近を除いて全回に生育し池辺にほア シの類が分布している. 2池泥滞積状況の調査第1図
池永の供水瑚を・まって1958年10月 14∼15日泥土の滞紙状況を調査した.調杏は第1閑に記琴で記入してある 調奄地ノ費すなわちこの溜池の東部,中央,西部で訳9箇所をえらび,東学 部斉藤実助教授が Naul刀aヱ1n型柱状採泥器に準じて考案した柱状採泥儲 を用いて行った.ここにこの探泥器を貸与され採泥に閲し種々御数永を いただいたことにたいし同氏に厚くお利を申上げる次第である・Core saTnpleによる泥土頓の観察結果を筑2囲およびその賞首を写勇1に示 す\鶴2図中籠1頓は浮泥層であり,鶴2暦はその下邦の沈降土間を示 写 真1第11巻 返巻第29琴(1959) し,第3層ほ弛底士であ る第1屑は卓として水生 植物棍および闘概化した有 機物よりなっているが,調 香地点試料No“3,4,6, 8でほ維砂ないし土粒が混 在しているのを認めた‖ こ れはこれらの試料「11No.3 は樋管の開放に.よる弛水の 流出に伴う土粒の移動,沈 積,No4,6,8でほこ の溜池へ流入する小川の流 入口に沿っているため降而 によるだく水が流入の際ニヒ 粒がこれらの地点で沈積し たことによるものではなか ろうかと考えられる.舞2 層の上部55′・ノ13,Ocm問に ほNoい3を除き褐色斑点の 混在が認められたがこれは 西条(11)が十和田湖の湖心 207 匡ヨ祈1屑 ⊂コ第 2 層 2 皿ⅢⅢ第 3 研 一肌 水 探 BG f畠 灰 色 GB 灰 黒 色 BIG 背 灰 色 1 BrBIG 稽褐腎灰色 BrY 褐 茶 色 位置 EI E2 E3 紙料〟‘〉 1 2 3 2 椚 9 W 8 W 7 い、b ∽ 5 C1 4 弟 2 因 滞放物中に・見出した粒状褐 鉄の類と類似のものかあるいほ有機物の分解によるものかは今後の研究にまたねばならぬ・なおNo.3,6は第1眉間 様土粒を含んでいるり第3層はNo3,5を除き何れも培質であり,No1では若干砂の混在を認めたい またNo3,5 では地底がかたく co工eは第2層までしか得られなかった・ 3小 泥土の分析 (1)試料の調製‥2に記載したcoresampleの採取と同時にEkman−Birgedredgeを軌、て泥土を採取し,風乾 後2mm静で節別して−供試した− (21分析法:水分,強熱涙最ほ閣法(7)により,T−Nほ飼料を濃硫酸で分解後(7)塩入,奥臥氏襲来蒸留装置(15)によ り定量したい またCおよび隋植はTy・ulin氏迅速滴是潅による関氏等の方法(14)によって求め,CおよびN患より沃 素率を算出した粒径10〃・以下の細粒の窟最ほ既報(21)の力淡によって行った (3)分析結宋および考察‥鶴1表に強熟械鼠,T−N,C,瞞栖および炭素率を,第2表に粒径1C〃以下の無機,商 機別土粒盈を,第3衷に粒径10−2〃,2杵以下の2fTaC需Onの無機,有機別土糧盟を示す・ 第1表 泥 土 の 化 学 的 組 成 こ−− ∴ 13二二…喜 壬…:……
5い01】 8.64
香川大学農学部学術報告 208 第2襲 風乾細土扇分小粒径10〃以上粒子畳 堅”__堅肝堅_冊旦_、l旦,【ゝ堅【旦__空
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分 散 比(B/A) 採 士 位 置 無機部分【有機部分 10・05l 24小50 ……て……i……喜…7.00!19.58
C.46; 2・26 l つ山 3 1 ︵∠ 3 1 2 3 E E E C C C W W W 15小09 11.82 10.27 42,37 33.47 27.78 18.761 4345 〔註〕Aはアシモニア水不朝備分散い Bはアソモニア水加用分散 第3表 分散液50Tml中の微細土粒盈無機 部 分 mg ∫ 有機 部 分 mg
分 散 比(8/A) 試 料NO 採土位記 無機部分 l − ●− 有機部分 2正> 享二巨二 10−2/⊥ 【㌃「這
10−2ノんA 】 B l A B
≡芸†三 フ3.3 120 O 113 4 85り3 4:3、7 111 T フ50 63′ノブ 13524.ノ2j ユ2・2
9.012.8 11,7 24“0 E 3 C I C 2 C 3 W I W 2 W 3 3 4 5 6 7 8 9 12 151,5 18
81√ 245≡…弓三≡二・≡
6,821,3
4■■8■1.51﹁ 3 3 1 〔註■〕Aはアソモエア水不加用分散.Bほアシモニア水加月∃分散. 第1表より泥土の強熱源盈は策部では北端のNo1が最も多く,中央部でほ北端のNo…4最も少く,西部は南偶の No9が最少を示しており,この傾向ほT−N,C,闘植急についても同様であるい 炭素率ほ溜他の南部にあたる No.3,6,9がそれぞれ10り22,1018,1014と10以上であること.とNo.5が865のほかほ何れも9−10間で大差が ない.Waksman(22)はMaineの海泥について上屏30cm間はN O.290一・0.296%,C2.52−274%,炭素率8”7− 9∴3であるといい,加藤(3)は北撤退西海域の底即こついてその強熱減亀と有機C盈は水深の増加とともに増加傾向が あるが,T−Nはこれらより水深との相関関係が小さく,炭素率は殆んど関係のないことと,この底質の炭素率ほ9 −10の平均値を・もつことを認め,また陸奥湾の底質(2)の関根に.ついて湾内最深部に多隅櫓区の存在すること,その藍 ほ水没とほぼ境線的関係をもつこと,隣植盈と底層流とは期蓮のあることを推定し,さらに眉珠湾の底質(4)について 強熱滅盈,T−N,C義.は一般に決断で多く,浅祈に.少いとのべまたその有機贋(6)の抜−1もが海底で変成された安定 な腐植の形にあることを報墓しているい山東(24)は湖底滞積物の02吸収盈ほ強熱減温と番線的関係をもち,その傾向 ほ栄養度の順であることから竃栄養湖の滞泥の02吸収盈はそのC盈に密接な関係をもつことを指摘している“西条 等(12)ほ湖底滞枝物の沃素率につき負覚養潮平均7.60−10い00,中能義観平均8り33,箇栄養槻平均フ69−9“09とのべ, またSwain等(16)が米国各地の湖の分析例に引用している富栄養潮のN%は0…75−2.15,C%は11“25−24.12であ ること.を肝せ考えると.この研究の泥土をこれらの泥土と比較すること.は当を得幻こと1であるが,榊こ数値的にみて供 試溜弛泥土ほ富栄養塾湖底泥と似かよったところが多いように考えられる 第2衆は風乾紳士に・蒸留水を加え沈降溝により粒径10〃以下の土粒を分別する際十・力ほ蒸留水のみ,他力ほアソモ第11巻 通巻第29啓(1959.) 209 ニヤ水添加蒸留水を用い,これらの試料について無機部分と有機部分に分けて窯盈した結果であるが,アソモニヤ水 添加による影響は肩磯部分に著しいことが分散比よりも知られているい 第3表でほ風乾維土5gに蒸留水200ml(アシモ・ニヤ水漆加蒸留水の場合ほ蒸留水195ml,10%アンモ・ニヤ水5n】 1)を加えて士粒を分散後沈降法により粒径10什以下の粒子10−2〃・,2〃・玖下の2:たactionに.50mlずつ分別し,そ れぞれの土粒盈を求めたものであるが,第2表で得た粒径10〟・以下の有機部分中10−2J堵;より2〃・以下の徴細粒の分 散が特に著しいこと.が認められる,細川等(1)は有明海人工島底土につき膠質物含盈の大なほど有機C盈が多く,その 道も成立つことを認め,また山口(23)は余呉湖の湖底滞樟物ほ深部に向うほど泥粒は微細イヒするといい,森川等(10)は 琵琶湖湖底滞積物の粒度分布を調査し,・一腰に湖韓に近い部分には粒径の大きい沈でん物が滞積し沖のほうにほ小さ なものが多く滞隣している傾向があるとのべているが,これらから土粒の大さと組成ないしは水深の関係について考 え.るときこの溜池ほ上述のように底部の殆んどたいらな皿池であるので池倖と中心部と.の水深には著しい差がないと 考えられ,粒形とその組成については上記細川等の結果と類似の結果を京しているりさらに.西条等(13)が茨城県中沼の 新生沈でん物中の強熟減免,N,C盈が底泥表層附近のそれと.の間に大差のあること.に閲し新沈でん物が分解しつつ 沈下した後底泥に・なるまでにかなりの分解が進行する必要のあることおよび倉沢し6)が寛京都の防火用水池の新生沈 でん物は池底泥となる場合強熟減亀で写如こ,有機N盈ほ}如こ瀾少し,Nの水坤への回帰が速かであることを認めてい ることなど有機物の沼,池中での分解でほ質的にかなり差異のある分解生成物となることを考えて上記の土粒分散程 度と/第1表に示す腐植盈とを比較するとこの両者が同一傾向を示さぬことほ地底に膚磯物が滞積している状態が一億 でないこと.と.ともに調査地魚により滞隠している泥土中の有機物の分解がこの種の皿池でも一棟に進行していないの ではなかろうかと考えられるい 4.摘 要 野池の1例として香川県木田部三木町山田に・ある国下地について泥土の滞機状況および強熱慣層,T−N,C,関 根,炭素率,微細土粒に関して調査しつぎの結果を得た. (1)泥土の滞磯している厚さほ第1層3・0−12り5cm,第2層13.5−291Ocm,第3層1い0−5.Ocmである. (2)表層泥土の強熱減免は1193−27・78%,T−NO・49−1‖41%,C5月1−13い42%,隋穐8い64−23、13%,炭素率 8.65−・1022の範囲である. (3)粒径10匹以7■の土粒の水にたいする分散盈は無禎部分より有機部分濫著しく,しかもこの傾向は10−2〝士粒 より2/ム以下の有機土粗で明かに認められるい 引 用 文 献 (1)浦川巌,塊浮信,高風義雄:福岡学芸大学研死紀 牌 +,半谷高久:地理学評論,26,595(1953). 要,l,212(1951)‖ (2)加藤健司‥水産学雑誌,54,7(1949).
(3)+
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R占s u m占
Weinvestigatedthe core samplesof Kunishitareservoir deposits and determined chemicalcompo・ nentSO董this deposits with following results:
(1)The thickness o土deposits range$from3.Ocm to12.5cmin Alayer,from13.5cm to 29‖Ocmin B layer,froml,.Ocm to5…Ocmin Clayer
(2)Loss onignition ranges from O一49%tol..41%,Carbon content董rom5.01%to13.42%,humus content from8.64%to23。13%and carbon nitrogen ratio from8.65:ltolO.22:1