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水平2方向地震動を受けるコンクリートの充填率を変えた鋼製橋脚の耐震性能に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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1 -059 土木学会第67囲年次学術講演会(平成24年9月)

水平

2

方向地震動を受けるコンクリートの充填率を変えた銅製橋脚の

耐震性能に関する実験的研究

愛 知 工 業 大 学 学 生 会 員

O

哀 輝 輝 愛 知 工 業 大 学 学 生 会 員 木 下 光 中 日 本 建 設 コ ン サ ル タ ン ト 正 会 員 小津拓也 愛 知 工 業 大 学 正 会 員 青 木 徹 彦

1

.はじめに 過去のコンクリート充填銅製橋脚の耐震性能に関 する研究は,水平 l方向独立載荷に基づく実験結果 や解析によるものがほとんどである.これらの研究 によると,コンクリート充填橋脚は無充填のものに 比べ,強度およびじん性が上昇することが確認され ている[IJ しかしながら,コンクリート充填銅製橋 脚に対して,水平 2方向から地震動が作用する場合 の耐震性能や応答特性は今日まで十分に明らかにさ れていない.そこで本研究では,コンクリートの充 填率を変えた鋼製橋脚と無充填の銅製橋脚の水平

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方向ハイブリッド実験を行い,水平 2方向地震動を 受けるコンクリート充填銅製橋脚の応答挙動と耐震 性能、充填率の違いによる影響についての検討を行 フ. 2. 実験計画 実験で使用した供試体は,鋼種 SM490,板幅 450 m m,板厚 6mmの正方形補剛箱型断面橋脚である. 各板ノfネノレに縦方向リブを2本ずつ配置し,基部か ら鉛直方向に 900mmまでは 225mm間隔,それ以降 は 450mm間隔でダイアブラムを設置する.供試体 基部から載荷点までの有効高さは h=2400mmであ る.無充填供試体の側面図,および断面図を図一1に 示す.橋脚の構成断面の幅厚比パラメータはめ= 0.13,細長比パラメータは A=0.35である. 文献凹によると,コンクリートの充填長さを合理 的に確定するには,橋脚上部の中空断面の全塑性モ ーメントと下部の合成断面の全塑性モーメントとの 関係を求める必要がある。すなわち,コンクリート

Y

!Jト日;水平ヵ

H

ミ 山 上 京 (a)側面図 (b)断面図 図- 1 実験供試体概要図 の充填高さ hcについて,下記の式[2]により計算する こととしてし、る. hc= h(1-Mps / MpJ (1) 本研究に用いられた断面形状に対して,供試体に 当てはめると Mps/Mpc

=

0.80となり

hc= 0.2hが得ら れる.本研究では,コンクリートの充填長さを 0.2h と 0.4hとした .hc= 0.2hの場合,コンクリート充填 部のすぐ上で先に全塑性状態に達し

hc= 0.4hの場 合,柱基部で先に全塑性状態に達することが分かる. ハイブリッド実験では,相似率 S=4を用いる[3] すなわち,想定実橋脚が供試体の4倍の大きさとす る.想定橋脚の上部工質量mは,鉛直荷重比 Po/P= 0.15から,m=1048 tと算出した.また,実橋脚の剛 性 koニ64kNjmmと固有周期 T=0.8sおよび減衰係 数c=0.843kN.sjmmとする.橋脚に入力する地震波 は,道示で与えられている

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n

および

E

種地盤上 の設計用地震動,兵庫県南部地震神戸海洋気象台 (品1A), JR鷹取駅 (JRT)およびポートアイラン ド (PKB) の 3つである.各地震波の NSおよび E W 方向成分の最大加速度 (PGA) および水平 2方向成 分を合成した最大加速度(合成値)を表一1に示す. ノ、ィブリッド実験システムは,解析部と実験部で 構成される.はじめに初期剛性による予測変位を算 出し,供試体の微小ステップ区間内の載荷による橋 脚復元力をフィードパックし,収束計算を行う予測 一修正法を用いる。解析の時間間隔は.dt=0.01秒と する.1方向載荷ハイブリッド実験では,上記3つの 地震動の

1

方向地震波に対して,各1体の供試体を 用いる.水平

2

方向載荷するハイブリッド実験では, 地震波の水平2方向加速度の NS,E W方向成分を橋 軸方向 (X軸)と橋軸直交方向 (Y軸)に同時に入力する. 3.実験結果 図 2は 1方向独立載荷ハイブリッド実験におけ る NS,E W方向の最大応答変位の平均値(白棒)と 2方向同時載荷における最大応答変位(黒棒)を棒グ ラフに示したものである.同図に示すように,コン クリート無充填に比ベコンクリートを充填すること により最大応答変位を低減させる効果が見られた. 特に

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方向載荷では無充填時に比べ,最大応答変位 が 20%充填では約 14%,40%充填では約 38%小さく なった.また 1方向載荷と 2方向載荷の差も小さく なり,無充填に比べ 20%充填では約 15%, 40%充填 では 55%小さくなった. キーワード: 鋼製橋脚,コンクリート充填,水平2方向地震動,ハイブリッド実験 連絡先:干470-0392 愛知県豊田市八草町八千草1247 TEL: 0565-48-8121, FAX: 0565-48-0030 117

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土木学会第67閏年次学術講潰金(平成24年9月) 20%充填では約 53%,40%充填では約 72%小さくな った.また, 2方向載荷ではコンクリート無充填に対 して 20%充填では約 42%,40%充填では約 88%小さ くなった.1方向載荷と 2方向載荷の差も小さくなり, 無充填に対して 20%充填では 27%, 40%充填では, その差はほとんどなくなった. 図 4は l方向独立載荷ハイブリッド実験におけ る NS,E W方向の最大荷重の平均値(白棒)と 2方 向同時載荷における最大荷重(黒棒)を棒グラフに 示したものである.同図より, 1方向載荷と 2方向載 荷ではほぼ同じ値を示すが,コンクリートの充填率 が増加すると, 1方向載荷では無充填時に比べ,コ ンクリート 20%充填では最大荷重が約 16%,40%充 填では約 24%大きくなった.また, 2方向載荷では コンクリート無充填に対して 20%充填では約百%, 40%充填では約 28%大きくなった.コンクリート充 填により最大荷重が約 30%増大しているので橋脚下 部の基礎の耐力を向上を必要とするかも知れない. コンクリート 20%充填ではコンクリートを充填し たことによって,基部鋼板の座屈が抑制されたが, コンクリート充填部直上の鋼断面で座屈が発生した. コンクリート 40%充填では,基部鋼板の座屈を有効 に抑制できた. 4. 結論 部分的にコンクリートを充填することにより,基 部鋼板の座屈が抑制され,最大応答変位及び残留変 位は低減され, 1方向と 2方向載荷実験の差も小さく なった.特に 40%充填においてはその効果が顕著に 表れた.しかし, 20%充填では,コンクリート充填 部直上の鋼断面で座屈を生じたため,コンクリート 充填部で確実に破壊が生じるように充填高さを設定 することが望ましい. 最大荷重はコンクリートを部分的に充填しでも, 1 方向載荷か

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方向載荷で大きな違いが見られなかっ たが,最大応答変位は 11,III種地盤では 2方向載荷 の方が l方向載荷より平均約2倍,残留変位は平均 約

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倍大きくなった. 参考文献 山宇佐美勉,葛漢彬,水谷慎吾:コンクリートを部分 的に充填した無補剛箱形銅柱の繰り返し弾塑性 挙動 262,1993 日本道路協会:道路橋示方書・同解説 V耐震設計 編,丸善,2002 党紀,中村太郎,青木徹彦,鈴木森晶:正方形断面銅 製橋脚の水平 2方向載荷ハイブリッド実験,構造 工学論文集,Vol.(56A),pp.367・380,2010 入力地震波 地盤種別!入力地震波 PGA(gal) JMA-NS -812 、 JMA-EW 766 JMA-2D 870 JRT-NS 687 II j3J1肝RT-E2吹D;;:761713 PKB司NS -557 III PKB-EW 619 PKB-2D 775 表 -

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1 -059 7、4 4品 4.7

H

要望充袋 20'3も 4t:お無党渓 20% 40'%無究壌 20% ヰぴ4 ( r t童1也重量) ( n ~重地豊富) (IJI穣土器控室) 図・

2

最大応答変位の比較 Ed3 01方言;喜義務 臨ヱカ;宅童t静 20 18 15 14 _,':11. .; 10 . -c 同 む 4 2 c い 圃 i

4

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無党議 2窃O 4抗告 書害発壌 20見 40%無;1e議 2at'y 40% ( 1綾城主主) (a 畿地豊富) (1日謙治盤} 図・ 3 残留変位の比較 5.8 ."、 ぷ ふ ム1.0S ;.?.uD 1.81 2jJS i 却1.85円1!lf 湾当引 {1.73131 1 ~V鴨

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ロユ方!匂塁手,告耳 障2方向霊主事奇 、 J ι M 4 2 ふ 正一¥ヱ [2] 40¥ 40主 事者支主主 20¥ 4む九 費者突議 ( H緩土色豊富) (IlI種地主主} 最大荷重の比較 20¥匂 日 書空交主主 20¥, (1務地主主) 図・ 4 [3] 図 3より,コンクリートを充填することにより 最大応答変位と同様に残留変位も低減する効果が見 られ, 1方向載荷ではコンクリート無充填に対して

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参照

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