香川!大学経済論叢 第63巻 第 l号 1990年6月 91-116
市場価格の産業循環的変動
(N)
安 井 修 二
1.課題設定 本稿の課題は,拙稿 C2 )と C3 )の続稿として,部門分割をした場合の恐 慌・産業循環論を構築することにある。われわれがいままで使ってきたモデル は,実はそれほど複雑なものではない。まず,設備 (K)の初期値を与えれば, それに産出係数と稼働率をかけることによって,生産量 (Y)の動きがわかる。 そして,生産量の一定割合 (sY)が貯蓄=蓄積にまわるとすることによって, 設備の増加,それ故,設備と生産量の動学的な動きがわかることとなる。他方, 需要 (D) の動きは,需要のうち資本家の投資需要(1)を戦略変数として取り 上げ,全体の需要はこの乗数倍になるという形で処理するど)こうして,生産量 と需要量の動きを与えることができるから,この需給の動き=市場価格の変動 にあわせて,資本家の稼働率や投資の決定が行われるとすれば,モデノレは完結 することとなる。これが,拙稿C
2
)で最初に与えたモデルの決定関係である。 これに対して,拙稿 C3 )では, <更新投資と減価償却積立金の関係〉とく生 産能力の遅れを大きくする場合〉を導入したモデノレを構成した。もちろん,新 しく導入した要因によって,モデルの動きに本質的な変化が生じたわけではな いが,それらの関係を導入すると,きわめて複雑な非線形モデルになるから, 分析自体はシミュレーション分析以外にはないことになる。そして拙稿 C3 ) (1) なお,この点で,拙稿(2 )と拙稿 (3)とは若干異なる。拙稿(2)では,投資需要と 消費需要に分けて,両方を合計する形で,全体の需要を与えている。これに対して,拙稿 (3 )では,投資需要の乗数倍という形で,全体の需要を与えている。後者では,波及的 乗数理論を認めることとなるが,他方で,扱いが簡単になる。本稿では,二部門分割にな るので,消費需要を独立に取り出さねばならない。したがって,拙稿(2)のやり方にも う←度戻ることとなる。-92ー 香川大学経済論議ー 92 では,こうしたモデルを前提にして,く資本家の稼働率や投資決定が産業循環の 局面毎に異なる場合〉を分析し,より現実的な恐慌・産業循環論を構築しよう としたのである。 さて,本稿のように部門分割を導入しようとすると,部門間の交換関係が考 慮されることになるから,ここに新しくこつの問題が発生する。一つは,商品 相互の交換比率をいかに定式化するかであり,もう一つは部門間交換の制約条 件をいかに設定するかである。いうまでもなしこれらの問題こそ,マルクス の再生産表式分析が恐慌・産業循環論に提起した問題である。だからこそ,従 来の恐慌・産業循環論では,こうしたマルクスの指摘をうけて,再生産表式分 析から恐慌・産業循環論を出発させるのが通例であった。しかし上述のように, われわれのモデル分析はそれとはまったく異質のところから出発している。こ うして,本稿の展開によって始めて,従来の論争との関連が問われることにも なるだろう。 II,モデルの構築 まず,拙稿
C
3
)のモデノレを示しておこう。なお,生産能力化の遅れを大き くすることはここでは示さないこととしよう。 Kt = κ~-l +syム
l一九一1+Dt-1 (l) Ht=
Ht-1十u1(]t-l-1)(
2
)
It=
It-μ
+V+U2(]t-l-1
)
)
(3) Yt=
a'Kt'Ht (4) Dt=
Kt
/
:
η(
5
)
GNPt=
Yt+Dt(
6
)
Rt = κ~/(1+
(
1
+
gt-n+z)+(l+
gt-nd(l+
gt-n+3)十 一 ( 7 ) It=(
f
t
!
s+Rt)/GNPt (8) このモデルでは,更新投資 (R) と減価償却積立金 (D)の関係が導入されて いるところが新しい点であるが,モデルの動き自体は,既に拙稿C
3
)で詳し く述べたので,ここでは繰り返さない。本稿は,このモデルを出発点にして,93 市場価格の産業循環的変動(IV) -93 新たに部門分割を導入し,もう一歩現実的な産業循環過程を構築することとし たい。 さ て , 拙 稿 (3
J
の,上に記したモデルの限界は,財はその役割から資本財 (といっても ,D
マイナスR
の問題をいれているので固定資本ということに なる)と消費財に分けられているが,資本財にも消費財にも自由に変わりうる という想定がなされているので,事実上一部門モデルになっているという点で ある。たとえば,上の関係式が資本財部門を表現しているとして考えてみると, (4)式は,ストックとしての機械(
K
)
何台から, (α とHをかけた形で)何台の 機械が生産されるかを示す式になる。また, (5)式や(6)式は,同じように更新投 資が何台必要であり,減価償却積立金として何台に相当するものが行われるか を示す式になる伊そして, (1)式は,従来の機械に新しく何台追加されるかとい うことを(一つは新投資として,もう一つはD
マイナスR
として)示すことと なる。ところが他方で,もし上の関係式が消費財部門を表現しているとして考 えてみると,(4)式は,ストックとしての機械(
K
)
何台から, (α とH
をかけ た形で)何トンの小麦が生産されるかを示す式となる。したがって,この場合α
は,機械(インプット)と小麦(アウトプット)という異なった単位をつなぐ 技術的なパラメーターとなる。(これはあくまでも技術的なパラメーターであっ て,後に述べる機械と小麦の交換比率ではないことに注意されたい)0 (4)式が小 麦の単位で表現されるとなると,問題になるのは,(1)式の意味である。(1)式の なかでsY
とされているのは, (1),,-,(
8
)
式が消費財部門を表現すると考える限り, 小麦の大きさであり,単位が機械とは違うので,それを機械何台とそのままプ (2) この表現は,正確ではない。更新投資も減価償却積立金も本来金額表示であるべきであ る。したがって,たとえば10台なら,それに l台当たりの金額をかけた金額で表示され るべきである。ただ,経済学で価格体系が問題になるとすれば,それはいつも相対価格で ある。つまり,本稿のようなこ部門分割なら,周定資本部門と消費財部門との交換比率が 問題なのであって,一方を基準財に選べば,他方はそれとの交換比率で示されるだけであ る。そして,基準財となるべきものが,ドJレで表示されようと円で表示されようと,こう したモデル分析では直接的な問題ではないのである。本稿では,後に両部門聞の交換比率 を導入するので,ここでは固定資本の単位のままで説明しておくこととする。-94ー 香川大学経済論叢 94 ラスするわけにはいかない。したがって,そこでは, (機械と小麦の交換比率を 示す)両者の価値関係が与えられねばならない。そして,そうであるとすれば, (5)式や(6)式も式としてはそのままでよいが,計算されるのはあくまでも資本財 単位であるから,もし消費財との関係を問題にする局面がでてきたら,きちん と交換比率を与えねばならない。ところが,財が資本財にも消費財にもなりう るという想定をすると,こうした問題を一切考えなくてもよいことになる。即 ち,いますべてをたとえば小麦で表現することになるから,その単位のままで 合計することができるからである。だから,その場合には上の式のいず、れも, 資本財部門と消費財部門の総計であったり,両部門に共通の関係式であるとい うことになる。したがって,もし資本財にも消費財にもなりうるという想定を 外すとすれば,部門を区別しなければならないし,部門間の商品の交換比率も 問題としなければならないこととなる。 以上の点をふまえて,まず,二部門の場合の各部門の関係式を与えることと しよう。以下,添字の最初は部門を表し 1が固定資本生産部門 2が消費財 生産部門である。そして次の添字が期を表すこととする。 まず,固定資本生産部門は, K1ィ = K1.t-1 +St-l
Y
i
.
.
ト
1 H1・t=H1.ト 1+
u1(ht-l-1) 11・t= 11,トl(l+v十U2(
J
l・ト1ー1)) yi・t= al・
KH"HHDH
= Klt
/
η GNHt =Y
i
..t+D1イ R1叶 =K
1,
.
t
!
(1+(1 +
gi..t-n叫)+(1+
gi・ト肝心(1+g1“t-n+3)十…)
J
l<t =(
1
1・t+12・t+Rl・t+R2・t)/(GNH吋
)
消費財生産部門は, Kん=K2"t-1+
St-l Y;,t-lか
2十 1 H2.t = Hム
ー
1+
u1(ht-l-1) (1-1) (1-2
)
(1-3) (1-4) (1-5) (1-6) (1-7) (1-8)
(2 -1) (2 - 2)95 市場価格の産業循環的変動 ([V) -95 1
2
.
t
=
Jz.トμ
+V+U2U2.t
ー1一1)) (2 - 3)Y
2
.
t
=
a
2
・
K
ム
.H
2
.t
.
(2 - 4)D2
ィ= K
い
/
n
(2 - 5)GNP
2
.
t
=
Y
2
t
+
D2
.
t
・
ρ
'
2
.
t
(2 - 6)R
2
ィ =K
2
.
t!(1+
(
1
+
g
2
.
.
t
-
n
+
2
)
+
(1+
g
2
.
t
-
n
+
2
)
(
1
+
g
2
.
.
t
-
n
d
+…
)
(2 -7)ρ2
.
t
=.1Jイ ーdht-J
(2 - 8)1
2
・t ニ ι .(Y
i
.
.
t
・ρ
2
寸+C.
Y
2
.
t
)
/
(
G
N
九寸 (2- 9)5
t
=(
Y
i
ィ
+
DJ
.
t
-
RJ
.t
.
-
R2
.
t
)
/
(
yi・t+
Y
2
t
!
P
2
.
t
)
(2-10)
K:
聞定資本,Y:
生産量,H
:
:
稼働率,1
:
:
投資,D:
減価償却積立金, R:更新投資(
g
:
固定資本の成長率), .1:需給比率,ρ
2
"価格C
労働 分 配 率 = 消 費 性 向 資 本 分 配 率 = 貯 蓄 率(
S
t:
:事後的な値),v
:
:
投資の 予想成長率,u1 :稼働率の反応係数, u2:投資の反応係数,α
:
産出係数,n
:
更新期間 以上の方程式体系では,まず第一に,ほぽ同じ関係式が二部門にわたってあ げられている。(1-1)式~(1-7)式, (2- 1)式~(2-7)式を参照。 次 に , 拙 稿 (3
)とは異なって,需給関係が,固定資本に対する需給と消費財 に対する需給に分けられ,それぞれが異なった関係式で与えられている。(1 - 8 )式と (2- 9)式を参照。そこでは,需給関係は次のように与えられて いる。まず,各部門の生産量は,Y+D=
GNP
で与えられるが,GNP
の分配 関係を考えてみると ,GNP
のうち ,D
が減価償却積立金として留保される。そ して ,GNP-D=Y
のうち,一部が労働者の賃金に,残りが資本家の利潤に分 配される。 Yの分配比率をC
i
とれにすると ,C
i
+
S
i
= 1となる。sY
は資本家 の取り分であり,資本家の消費を捨象するとすれば,そのままで資本家の蓄積 の大きさそれ故設備の増加分を示すこととなる。他方,cY
はそれだけでは労働 者の取り分でしかないが,労働者の貯蓄を捨象し,労働者の消費支出に特別の 遅れを想定しないとすれば,消費需要の大きさを示すこととなる。(この時点で 初めて Cは消費性向を示すこととなる)。かくして,各部門で同じ関係式(各96- 香川大学経済論叢 96 部門で 1~7 までの番号のついた式)が与えられているといっても,需給関係 の変化が各部門によって異なり,それによってそれぞれの部門の動きが決まっ てくるので,モデルは全体としてきわめて複雑な動きをすることとなる。 しかし根本的な違いはそこにあるのではない。先にもみたように,根本的な 違いは,一つには,固定資本と消費財の交換関係=価値関係を導入しなければ ならなくなったことである。 (2- 8)式を参照。もう一つは,部門間交換の制 約条件がつくことである。(2 -10)式参照。まず,前者の問題から考えよう。 先にも述べたように,固定資本生産部門では, (1-2)式と(1-8)式を除 くと,単位はすべて固定資本の単位で計算されている。ところが,消費財生産 部門では, (2-2) (2-9)式を除いて考えると, (2-4)式が消費財単位 であるのに対し, (2-1) (2-3) (2-5) (2-7)式がいずれも固定資 本単位である。そして,問題は (2-1)式である。式全体は固定資本単位で あるが,そこに含まれる五は, (2-4)式から計算されるものであり,それ 故消費財単位である。したがって,その部分は,固定資本と消費財との単位聞 での交換比率を導入することによって,固定資本単位に還元されなければなら ない。いま,
ρ
が交換比率を示すとすると,この交換比率はどのように決まるの か。もちろん,均衡的な交換比率を考えるなら,価値か生産価格で与えられる べきであろう。しかしわれわれの体系は,たとえば賃金と利潤との対抗関係を 入れるようなモデルにはなっておらず,それ故価値や生産価格を説明するモデ ルにはなっていない。(もし賃金と利潤の対抗関係を入れ,投資がそうして決 まってくる利潤率の関数であるとするなら,われわれのモデル自体が過剰決定 の体系になるであろう)。その上,たとえ賃金と利潤の対抗関係を与えるとして も,問題となるのは均衡価格ではなし市場で変動する交換比率でなければな らない。 そこで,ここでは交換比率が前期の両部門の需給比率の比に比例すると想定 しよう。 (2- 8)式を参照。ρ
は交換比率であるから,たとえば労働手段l単 位が1,000円で消費財l単位が500円とすれば,労働手段1単位=消費財1単 位x2
であり,ρ2=2
となる。いま消費財の需給が逼迫して,消費財1
単位が97 市場価格の産業循環的変動(IV) -97
1
,0
0
0
円になったとすれば,P
2
=
1
となる。こうなると,消費財単位を労働手段 単位に還元するには,前者では消費財2単位が固定資本1単位に等しく,後者 では消費財l
単位が固定資本1
単位に等しいから,消費財単位をh
で割ること によって,固定資本単位に還元され,逆に固定資本単位に必をかけることに よって,消費財単位に還元されることとなる。いうまでもなく,われわれのモ デルの特徴は,資本家のさまざまな決定が需給の変化=市場価格の変化に対応 するというものである。それは上の定式でいえば,まず, (1-8)式や (2- 9) 式に表現され,それに影響される形で, (1-2) (1-3)式や (2-2) (2 - 3)式が決まってくるという形になっている。しかし,こうした各部門毎の 需給変動=市場価格変動と,いま与えた部門間の相対価格変動とは区別されな ければならない。各部門毎の需給変動が各部門の稼働率や投資決定に影響を与 えるのに対し,部門聞の相対価格変動は部門間の資本移動を作り出すこととな る。たとえば,P
2
が高ければ,固定資本生産部門の方が有利であるから ,K
自 体が消費財生産部門から固定資本生産部門に移動するというように想定すれば よい。しかし,ここでは,そのような移動は取り入れることはしないで,交換 関係の変化(相対価格の変化)を通して,部門間の成長に差が発生するという ことにとどめようoP
2
が高ければ, (2-1)式から,消費財部門の設備の増加 が固定資本部門と比較して鈍化することとなる。したがって,これも資本の部 門間移動といえないこともないが,そういったとしても,その移動はもっとも マイルドなものとすることとなる。というのは,われわれの対象はあくまでも 産業循環過程であるから,もっと長期的に発生するような資本の部門間移動(た とえば,産業構造の変化による資本の部門間移動)はとりあげる必要はないと 考えるからである。 次にもう一つの点,即ち,部門間の交換関係の制約について考えてみよう。 あらかじめ,拙稿(3J
のモデル(本稿で改めて示した(1)---(8)の方程式)の場 合の処理を確認しておこう。そこでは,生産量は(4)+(5)で与えられるが,この うち ,sY+D
が投資財供給を示すこととなる。他方需要量では,消費需要は明 示的には与えられていないが,投資需要は(
3
)
式で,更新投資は(7)式で与えられ-98ー 香川大学経済論叢 98 ている。そこで,投資財への需給に限定して考えてみると,拙稿(
3
)では, 需要が供給を上回ろうと下回ろうと,それは市場価格の変化を通して調整され, 結局sY+D
の供給量が設置されると想定していることになる。ただし,このう ちR
に相当する部分は従来の設備の更新であるから,設備の増加にはならず, それ故(1)式の設備増加を示すのは,sY+D-R
ということとなる。では,本稿 の固定資本の場合も,これと同じ関係が想定できるだろうか。ここでも,(1 -4)式や(1-5
)
式から供給される量が制約式となって, (1-1)式や(2
-1)式が成立しなければならない。ただし, ここでは部門分割しているので, いわゆる再生産表式的な部門間関係が背後で働くこととなる。つまり, この場 合 の ( 1 -4
)
式は, (先の(
4
)
式のようにsY
というのではなく)すべてが固定 資本の供給を意味する。したがって(1-4
) 式と ( 1 -5
)
式の合計は,他 の部門の固定資本への需要をもまかなわなければならない。したがって,ここ では先の定式をそのまま使うわけにはいかないのである。ではどのように考え たらよいのか。 この場合も,生産されたものは市場の調整機能を通して清算さ れるとしよう。 そして, それは当然価格変化によることになるし, その価格変 化は部門内の価格変化と部門間の相対価格の変化を統合したものとなろうが, ここでは,その価格変化の結果調整される SやCでその動きを表すこととしょ う。したがって, このモデルではSやCは事前的な値と事後的な値とが区別さ れるべきであり,事後的なSやCは,S
t
,C
t
という形で変数として設定しておこつ
。
また, それは調整の結果成立するものであり, それ故必ずしもS
t
+
C
t
=1
とはならない。かくして,左辺に供給量を,右辺に実際に配置されることにな る設備の大きさを与えるとすると,次の式が与えられる。Y
i
.
t
+
D
l
・t
=s
t
Y
i
.t+R
J.t+
S
t
・
Y;.
d
P
z
・t+Rz
叶 上にも述べたように,拙稿(3 )では,左辺の Yの一部が投資財であったが, ここではY
のすべてが固定資本であるからSがかけられていなし〉。そして,そ れに対応して, この式では右辺には他部門への固定資本へ配置も組み入れられ ている。こうして計算されたれにY
をかけた部分が,新しく増加する資本部分 となる ((2-10), (1-1), (2-1)式参照)。なお,この式を拙稿(3 )99 市場価格の産業循環的変動(IV) -.99-のモデ、ノレに適用すれば次のようになるから,同じ扱いであることが確認できる。
s
Y;, t+D H
=
StY;寸+ R H→ StY;"t=
s
.
Y;"t十Dl
ィ- RH では残りの消費財部門についてはどうであろうか。固定資本部門については, 事前的な需給不一致に対し,事後的なStが変化することによって対応してい た。供給が需要を上回れば,価格低下により,予定以上の設備が設置されるこ とになるし,逆に需要が供給を上回れば,生産された以上の固定資本は利用で きないから,予定以下の設備しか設置できないこととなる。消費財部門につい ても同様な問題が発生する。供給が需要を上回れば,労働者の実質消費が上昇 し,逆は逆となる。ただし,供給が需要を上回る場合はいうまでもなしたと え需要が供給を上回って,消費財の不足が生じても(それによって労働能力の 維持が不可能になるという問題は起こりうるが),それはわれわれの産業循環の 構成要素にはなっていない。したがってれと同様にして ,Ctを与えることもで きるが,そのように与えたとしてものの変化がモデルの動きに影響を与えると いうことはないので,ここでは省略することができる。 以上から明らかなように,われわれが考える部門間の制約条件は,各部門毎 に大きく異なって扱われるものとなる。ところでマルクスの再生産表式でも, 部門聞の交換関係が強調されている。教科書的に示されるのは,単純再生産なら,
IV+IM
=
I
I
C
であり,拡大再生産なら,IV
+
IMK
+
IMV
=
IIC+ IIMC
で ある。しかし,これらの式は,たとえば単純再生産なら,IW'
=IC+IIC(
また は,I
I
W
'
=
IV +IM
十I
I
V+IIM)
から導かれているのであり,そうした式の方 が全体を表現している限りでは正確であるから,それで考えた方がよい。その 場合,IW'
は第I
部門の供給を示し,IC+IIC
は第I
部門への需要を示してい る。しかし,再生産表式は需要と供給に分けたものではないから,第I
部門で 需要が供給を上回れば,逆に第I
I
部門で供給が需要を上回ることとなる。第I
部門の供給<需要を,IW'<IC+IIC
で示し,第I
I
部門の供給<需要を,IIW'<
IV
+IM+IIV
+IIM
で示すとしよう。しかし,両方にW'
=C+V+M
を代入す ると,前者からは,IV+IM<IIC
が,後者からはIIC<IV+IM
が導かれ,結局 二つの式は両立しないこととなる。したがって,このままでは両部門ともに需100- 香川大学経済論叢 100 要が供給を上回るというような局面を想定することはできない。そこから,道 は二つに別れる。一つは,実現論を受け継ぐ多くの論者がとった道で,それは, く部門間の需給不一致は価格調整メカニズムによって調整される〉→くでは, 需給一致状態に問題はないのか〉→く問題は,需給一致状態で進行する部門間 の成長率の違い,即ち不均等的発展経路にある〉→くかくして,この不均等発 展経路が順調に進行しえない理由をどこかに設定する〉という形に議論を展開 することであった。富塚理論は,部門間比率に一定の技術的な制約があるとし たが,これは一つの典型であったといってよい。しかし,拙稿(1)で批判し たように,そうした議論は数多くの貴重な分析を作り出したりはしたが,最終 的には一井村理論がその集大成であろう一実現不能を説明する論理を構築でき なかったのである。 もう一つがわれわれがとった道で,それは,両部門で需要が供給を上回るよ うな局面が設定できるように,新たな分析道具を用意することであった。そし てそのためには,マルクスの再生産表式が前提する
C+V+M
=W'
という等 式を外さなければならない。つまり,生産するのにかかったコスト(プラス剰 余価値または均等利潤)がそのまま販売価格になるわけではなく,販売価格は その部門の需給関係によって決まるという関係を新たに導入しなければならな いのである。それが,われわれのモデル分析、であった。本稿は,そうしたモデ ル分析の延長上に部門分割を導入したので,マルクスの部門間交換関係と類似 してはいるが,根本的には異なる関係を設定することとなった。それが(2
-10)
式である。 III.いくつかの仮定と初期状態の設定 さて,以上のように構成したモデルを動かす前に,パラメーターや初期値に ついて,いくつかの仮定をしておこう。まず,パラメーターについてであるが, パラメーターには,資本家の行動に関するものと技術的なものとがある。資本 家の行動に関するものとしては,s
(
s
=
1-c
であるから,これは分配関係を示 すことともなる), ul,u2
,v
があるが,ここでは各部門の資本家の行動は同じ101 市場価格の産業循環的変動(IV) -101 ものとするので,これらの値はすべての部門で同じとなる。したがって,これ らのパラメーターを動かしてシミュレーションをする時には,各部門の資本家 は共通に動くものと想定することとなる。他方,技術的なものとしては,それ ぞれの部門の αとηの値がある。これに対して,初期値には,
I
i
,Hi
の初期値 とそれぞれの部門の過去の資本の成長率があり,もう一つKの初期値がある。 Kの初期値は全体の大きさを決めることになるから,たとえば固定資本部門 (K1,t)を基準として,1
0
0
という数値を設定しておけばよい。そうしておいて, 消費財部門のKの初期値を適当に与え,それを動かしてシミュレーションして みればよいのである。各部門のK
を決めるということは,各部門の生産量を決 めるということであり,部門間の生産量比率を与えることである。もし富塚の ように,部門間比率が生産技術的な関連によって与えられるとするなら,これ を任意に与えるということもできなくなるが,われわれはたとえ均衡蓄積軌道 の上でも,各部門の蓄積率に応じて,部門間比率は異ならざるをえないと考え ているので,このような扱いを選択することとなる。 拙稿(2) (3)と同様に分析するなら,まず均衡経路を与えるべきであろう。 しかし,これだけ複雑な体系になると,簡単に均衡経路をみつけることはでき ないだろう。そこでとりあえず,拙稿(3
)と同じような任意な点(といって も,それは不況期の状況を表すものであった)から出発させてみよう。動かし てみるとすぐわかることであるが,このモデルでは,一方で r計算結果がオー ノTーフローしました」という表示が多くでる。こうなると, Quick BASICでは それ以上プログラムが動かなくなる。「オーバーフロー」の箇所は,固定資本部 門の投資決定の方程式((1-3)式)であるから,その場合は,固定資本部門 を中心として爆発的な発散過程が生じていることになる?他方で,発散しない で1
0
0
期の最後までプログラムが動いた場合には,.
1
1=
1
, Jz=
1
の均衡経路 に収束していくのである。資本家の予想投資成長率(
v
)
を各部門とも均等に想 定しているが,K.Y・
Iの成長率はどの部門もそのUに等しいレベノレに収数し (3) このことは,部門聞の調整過程が必ず均衡過程に収飲することを保証するものではない ことを示している。そしてそれは,生産価格論の問題としては興味ある問題である。102ー 香川大学経済論叢 102 ていくのである。但し,その場合の
H
i
のレベルは,(1ではなく)vの値に比 例した水準に落ち着くこととなる。 要するに,どちらにプログラムが動くにせよ,拙稿(2J (3)のような周期 的な循環過程とは異質な過程となることは明らかである。この理由を次のよう に考えることができる。ここでは部門分割をしているので,部門間関係が複雑 に絡んでいるはずである。しかし,部門聞の初期条件(特にKIとK2の比率) は全く任意なところから出発しているから,部門間関係から規定されたものか らは大きく離れたところ,即ち均衡状態から大きく離れたところから出発する 可能性が大きい。たとえば,]1の分子のRI+品と分母のGNHを比較すると, 前者が大きい可能性がある。そして, .!Jの分子には更に1
1+1
2が加わるから, どうしても ]1の拡大→L
の爆発的な拡大((1-3)
式)→「オーパーフロー」 を生みやすいのである。しかし他方で rオーバーフロー」しないで,不均衡の 調整過程が始まるとどうなるか。!Jの拡大は, 11の拡大だけでなく ,HIの拡大 → yiの拡大((1-2) (1-4) 式)をも生み出すこととなる。ところが,ん をみればわかるように ,Yiはんの分子には入るが,分母には入らない。そこで, 少し遅れてではあるが,Yiの拡大はんの拡大を通して,1
2の拡大と H2→ 五 の 拡大 ((2-3) 式と (2-2) (2-4) 式)をもたらすこととなる。ところ が,Yiの拡大はいずれんの分母を大きくする(供給が大となる)から,固定資 本部門の需給比率(!J)の逆転をもたらすこととなる。しかし,固定資本部門に おける需給比率の逆転は,HIの縮小→日の縮小→んの縮小→五の縮小をもた らし,いずれ消費財部門においても逆転を生むこととなる。こうして緩やかな 波動を繰り返しながら ,(vの値が決める)あるレベルに最終的には収赦してい くこととなる。 以上のように rオーパーフロー」するにせよ,不均衡調整過程が作用するに せよ,こうしたメカニズムは,産業循環過程を一部表現しているものではある が,少なくとも純粋な形では表現していない。というのは,われわれがいかに 初期投資や初期稼働率や資本の過去の成長率を低くして不況期を前提しようと しても,たとえば与えられたKIと品から計算される部門間不均衡がきわめて103 市場価格の産業循環的変動(IV) -103ー 大きいと,不況期として最初に与えた初期条件はどこかに吹き飛んでしまうか らである。そこで,われわれは,次のような手順で産業循環的な調整過程を分 析する前提条件を作り出すこととしよう。まず,任意な状態から出発して,体 系を収数させる。その際,われわれは産業循環論を不況期から出発させるから, できれば低い水準に収散させるのが望ましい。その上で,この不況状態から, 数期にわたって活発な投資活動が発生することを前提する。これは外生的に与 えられると考えればよい。好況過程の開始を告げるものとして,新投資・新産 業の拡大を前提することは,すでに確立された議論であるといってよいからで ある。 このような手順にしたがって,まず出発条件を各部門とも拙稿(3 )とほぼ 同様に設定したのが, (本稿の最後に掲載した)プログラムである。この結果は 図1に示される。拙稿(3 )では,v
=
0,.2であったが,図lではv=
0,.15で ある。そこで,今度はUをO
叶1
5
ではなく,不況期に収散させるために,0
,,0
5
に した結果が図2
である。図2
に明らかなように,1
0
0
期後の収飲した水準では, Yの 成 鳥 居者号環モデル一二部門分割の場合 20% "":,==, 10%0
,0
t 綜:固定資本部門黄:消費財部門104 r n u r n け v r 円け V F h J v r n υ r n u n H U n H U n H u n H u n H u n H u n H U n H u n H U n H U 4 1 4 4 R J V 円 ー の O 円 I " ・ " " ・ ・ 。 。 。 d n u n u a 4 " " “ “ ・ ・ n u n u n u n u n u n u ・ ---qυ A x v n H U 凋 川 崎 , 4 a l A U u v a 刈 守 n H u n H U 4 1 A 4 1 A 仙 ハ ソ ム n u a M 峠 J4 ・ 0 υ a n u 寸 = = = = = = n u n U η I a 斗 a q a 斗 4 I 1 9 4 1 4 、 J t 1 f 、 J Z 、 J = = = = n H U 円 , O 4 1 A 4 1 A n H U n H U n H u n H u n H u n H u 、 、 , e、 s J 、 , r 、 、 , , -e i A n H u n H u n H u n H u n H u n H U n H u n H u n H u n H u 、 、 / = = = = = = 4 t 企 4 1 A 4 1 A 4 1 A 4 1 A 4 1 A n H u n H u n H u n H u n H U
、
J 1 E J 1 J I F -r I ' r k r k r -, r九 J 1 J E、
1 L T i t i t i n u nunununununu121212{ ﹁ } l l 1 n u n u n u n u n u n U M h M A T i v i υ T V I a l ゐ ハ L41 ハ 〆 ﹄ J、
4 t 1 ・ 4 B ' s ・ 4 B A 4 1 A 4 1 A 4 1 A M K H H υ K H H y e -T ﹄ 企 U V E U V E H H H H H H E E U, , v β ¥ υ f , 、 J t p ー 、 , 目 、 、 J I 、 / 弘 、 4 1 A A J ' h 4 1 A n / ﹄ 4 1 A ハ ノ ' ﹄ v n v n H T A T i v -v ' 香川大学経済論叢言
語
E景モデjレ一二部門分割の場合 -104一Y
の成品率 20%1
0
%
t 責:消費財部門 A ロ 場る の 走 割を 分路 門経 却即側 一 一 均 一 、 り レ か デ 初 モ 国 最 環 循 田 3 業 肌 図 産 怯 綿:固定資本部門 Yの 成 長0
,0
20% 10% t 黄:消費財部門 緑:固定資本部門 日 ,0
105 市場価格の産業循環的変動(IV) 105-図
4
Yの成長率=糟環認証言書思主戦存会場合
20% 10%0
,0
t 緑:国定資本部門黄:消費財部門 Vの成長率署長捜鳴隔壁思議製花験場合
20% 10%0
,0
t 緑:固定資本部門黄:消費財部門-106- 香川大学経済論叢 106
K
1:K
2=
1
0
0
2
8
,,1 7
7
0
0
,,4
であり,1
1:ん =4
4
4
,,5
:
4
4
1.7
で あ り ,H
10
,,3
0
,H
2 =030
である。そこで,K
;
.
1
;
.
H
,の初期値を1
0
0
期後の値に入れ換 えてプログラムを走らせたのが図3であり,更に初期投資を活発にした場合の 動きを示したのが図4である。初期投資は1期だけでなく,数期間続くとし, その対前期増加率を10%
とした。但し,この図4
では,不況期を想定するため のプログラムであるから ,vが0
,,0
5
のままである。しかし,初期投資が活発化 するとすれば,当然資本家の予想投資成長率も上昇しなければならない。そこ で,v
をOゎ0
8
に上昇させたのが図5
であり,これを以下の分析の基準とするこ ととしたい。I
V
.
二部門モデルでの産業循環過程 さて,産業循環過程がどのように進行するかについては,一般的な部門間不 均衡調整過程をみるなかから,既にその概要を述べた。しかし,ここでは図5 を数値で表したもの(表-1
と表2
)を使いながら,もう一度確認しておこ う。まず,1
1+1
2がしばらく拡大し(ここでは7
期と8
期に10%
成長が続い たとしている),それに伴って, ]1の拡大→L
の一層の拡大とん→H1→ yiの拡大 がもたらされ,固定資本部門での拡大が先行することとなる。好況過程の開始 である。われわれのモデル構成では,消費は生産量に依存し,生産量と消費の 聞に何の遅れも想定していないから,生産量が拡大しなければ消費の拡大はな い。そして,生産量は稼働率に依存し,稼働率は需給比率に依存し,需給比率 は投資に変化がない限り動かない。したがって,消費財部門から好況過程が出 現することはありえないのであり,固定資本部門の拡大から好況過程が始まる こととなる。続いて,消費財部門に拡大が波及する。それは,固定資本部門の 拡大 (Yiの拡大)が労働者の消費需要の拡大をもたらし,消費財・供給にとりあ えず変化がない限り,んの拡大を作り出すからである。んの拡大は, 12の拡大 とH2→おの拡大をもたらし,次第に消費財部門を活況に導いていくこととな る。こうして,好況過程が全面的に展開することとなる。なお,このケースで 拡大過程をみる限り,投資(
1
1,12)の拡大が生産量(Yi, お)の拡大を上回る形107 市場価格の産業循環的変動(IV) -107-0043084048247901222108639504703578013581494063109901357025814680234 A V A υ n v ' ム 。 , U 9 H q u 凋 僧 A -d 情 " b F D R U R u a υ a u 侭 ν 侭 U F O 氏 v a u 民 μ V R U R U A 舗 2 8 噌 必 唱 。 υ 9 -9 ・ ' A A V Q u 。 。 。 。 勾 S R U F b 必 品 τ n “ 司 令 J V 。 , 旬 。 , u q ι ' A ' A 唾 ' a y a A V A v -企 噌 A ' A ' A 唱A 。 6 q ' U 9 旬 。 , uの o q d v 。 o q d v s 唯 凋 鍋 z d -4 - τ ' A ' A ' ム ' A 唱A 唱 A ' A ‘ A ' A ' A ' A ' A ' A ' A ' E A -‘ A -A 唱 A ' A 、 A 唱A 唱A 1 ‘ ・ 4 ι 晶 、 A 胃A 唱ム守 A ‘ A ' A ' A A V A v n v ハ V A V A V A V A V A V A v n v ハ V A V A V A υ A V A V A V A V A v n v n v A V A V A V A V A V A υ n v A V A V A V A V A V A V t 吋 、 山 ( " . 1 i " 凶 t 山 わ t 刊 ! U t 引 h " 山 1 l 刊 れ t 刊 引 H . 1 引 O } I h 、 " わ い l ! " " 、 = 帽 = -- = . = = = = = - = ' = = = = = -- = - = = = -= -= = = = = = z = = -= -= = " = = -= e 2 = 2 = - = - = = = -a = - = = = - = - = - = " = = = = = = = = = = = = = -= -= = a = -= ) ﹀ ﹀ ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ) ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ) ﹀ ﹀ ﹀ ) ﹀ } ﹀ ) ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ } ﹀ ﹀ ) } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ) ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ } ) ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ } } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ 7 。 。 9 0 1 2 令 dV4567803012qω45678901234567 。 。 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 3 0 1 2 q U 4 R ν a v 7 8 の V 0 1 2 3 4 " b a v 7 。 。 。 d o -2 令 u - A 唱A 唱 A ' E a 噌 A ' A ' A ' A ' A -i q ' u q , M勺 4 9 “ 9 -9 u 勺 , M q ' 白 。 , u q & 内 d 向 。 向 。 勺 d w q d v 伺 d 内 d q J V 何 d q u d 常 泊 情 泊 晶 Z A “ z d “ z a 噌 A 晶 Z A -n 噌 必 “ 自 R b R U F b 民 ω F b a u 同 b p b 良 川 W F h d a u a u a u a u a u a H v a v a u a u a u 今 , ヴ S 守 , 守 , ( ( { ︿ ( ︿ { ︿ ( ( { ︿ { ( { ︿ ︿ ︿ { ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ( { ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ( { { ︿ ( ︿ ︿ ︿ ( ( ︿ { { ︿ ︿ { { ︿ ︿ { ︿ ︿ { ︿ ︿ { ︿ ︿ ( ︿ ( { ︿ { ( 。 4 q , - 9 " の 4 9 - n 4 n 4 9 M q ' M q 4 ラ - 9 M n , b 内 L n 4 9 M n r -内 4 q L 9 M 内 ' b n , 島 内 4 q ' u の 4 う b n 4 9 旬 。 4 9 u 内 4 9 u n 4 n 4 9 白 内 ' U の 4 9 -9 ・ 。 , b 内 ' ﹄ 内 4 9 ・ の , “ 内 6 9 u q L 9 U 9 旬 。 , U 内 , b。 , M の 4 9 M q 4 の 4 。 , - の ' u の4 9 M q L 。 4 内 , b n L 9 ・ 内 ' u q L I11111111111111111111111111III-IIll--I111111111II11111111111111111I II1III1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111 , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , . , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , . , , , , . 008913460002580357900098517159146032617321124703691355654319741963198 A V A V A V A v -A ' A ' A -1 -命 令 & 9 U 9 u ヲ M令 υ 向 。 q d q d 向 。 a 噌 a噌 A 噌 q u q d q o q u 勺 ゐ 。 , U 1 a A V A V A V 。 。 勾 ' η ' h b a H V " b F O R U 声 。 民 ω F O R U V F h d a u 食 υ a u a u マ ' 勾 , 守 ' 勾 , w , ヴ , 勾 ' " ' " ' a u a u a v a u v H b F h d 医 d v p b a 宅 凋 噌 ' A ' A ' E A 噌 i ' A -A 唱 A ' A 唱A ' i ' A ' i ' A ' A 唱a ' A ' A 司 ム - A ' A 唱 A 司 A -A ' A ' A 噌 A τ ム 唱 A ' A 唱 A A U A U ハ v n V A V A V A V A V A V A U A U A V A V A V A V A V A U A U A U A V A V A U A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V A V " 1 υ U 制 H t u t -n j t 川 内 h h p 川 1 h ・ t 1 ω ド t わ ゆ 1 " " z = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = -2 2 = = = = = = = = = = = = = = = = = = = 2 = = = = z = = = = = = = = = = = = = = = = = = ﹀ ) ﹀ } ﹀ } ﹀ } ﹀ } ﹀ ﹀ } ) ﹀ } ﹀ ﹀ } } } } ﹀ ﹀ ﹀ ) ) ﹀ ﹀ ) ﹀ } } ) ) ﹀ ﹀ ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ ) } ﹀ ﹀ ﹀ } } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ 巧 , 。 。 n g A V 胃 A 9 -n d d“ z p h u a u ヴ , 。 。 n w d A U ' A 9 u q u A -民 J V 角 b ? , 。 。 。 3 A V ' A q ' u n o a 常 良 u v a u n ' Q u n 3 A V ' A 。 , - q U 4 竺良川 v a v -J 。 。 の 習 の V 唱 A。 , - q d d 品 官 民 J V 氏 U V 7 ・ 。 。 n ヨ A V 唱 A 勺 ゐ 。 O A -F b a v 勾 , 。 。 0 3 A V ' A 。 , u n d 1111111111222222222233333333334444444444555555555566666666667777 ( { ︿ ( ︿ { ︿ ( ︿ ︿ { ( ( { { ( ︿ { ︿ ( ︿ ︿ { ( ( { { ( ( ︿ ︿ ( ( ︿ ︿ ( ︿ ︿ ︿ ︿ { ︿ ︿ ︿ ︿ ( ︿ ︿ ︿ ( ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ ︿ 1111111111111111111111111111111111111111
-108ー 香川大学経済論叢 108 56778901247925926037036925 4 4 4 4 刈 噌 4 5 5 5 5 5 5 6 6 a u 7 7 0 0 8 0 。 0 3 9 9 9 0 0 A υ A υ A V A υ A V ︽ υ ︽ υ ︽ U A υ ハ U A υ A υ ︽ υ A U A H V ︽ V A V A V A υ A υ A υ A U A υ A υ ' i ' A h h t 凶 H H H } } l t t 1 ! 1 t H H 引 t わ - = = -= -= - = 白 = = = = = = = = = - = = -z = - = 凶 = -= -= = = = -= ' ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ ) } ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ } ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ } ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ ﹀ } 4 5 s 7 8 の 9 窃 ハ 0 V 1 2 3 4 5 6 7 。 8 。 0 9 窃 0 1 2 令 3 υ 4 5 a 6 υ 7 8 9 句 , ヴ , ヴ , 守 , 円 , , , 白 6 。 。 白 K 6 u 。 。 a 。 。 。 。 。 。 。 白 。 。 。 n 叫 v u 内 ヨ n 司 v 4 ︽ u 切 d の v ︽ u 習 d ︽ v ︽ u 習 J ︽ u 習 d n w ヨ d ︿ ( ︿ ︿ ︿ { { ( { ( ( { ( ( ( ︿ { { ︿ { { ︿ ( ︿ ︿ { 9 u 。 4 9 -9 旬 。 , - 9 制 内 , 旬 。 ι η L n F H 9 u q ' 旬 。 , “ 内 L 。 , -。 4 9 M q 4 9 u q ' h 内 4 9 M 9 u n 4 q 4 9 “ 111111IIII11111III1IIIlli- -III11111IIIll--III-IIIII-,.,.,,,,,,,,,,.,,,,,,,,,.,, 勾 , 勾 ' 勾 , 巧 , 。 。 の V ' A の L a “ 1 a u 。 。 。 ヨ 噌 ι B ・ 9 M A “ 官 民 υ a u η ' n v A V ' A の o d 句 £ U 。 。 A V 44444455555566666667777778 A V A V A V A υ A υ A υ ︽ υ A U A υ A U A V A V A V A V A υ A υ A V A V A υ A V A V A U A V A υ A V A V 刊 " ! 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109 市場価格の産業循環的変動(IV) -109-9 1 3 5 6 7 8 9 0 0 0 0 0 0 9 9 8 7 6 6 5 4 3 3 2 1 1 0 0 0 0 0 9 9 9 9 8 8 7 7 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 5 6 7 0 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 A V A U A υ ハ U A υ A V A υ ︽ υ A U A V A υ A V A U︽ υ ︽ υ A υ A u n υ A υ A V A υ A υ ︽υ n υ ︽ U A υ A V A U A υ A υ A υ A υ A U ︽ υ A υ ︽ V ハ V A υ ︽ υ ︽ υ A V A V A V A V A υ ハ U A V A V ︽ υ A U A υ ︽ υ ︽ V A υ A υ b 1 1 ・ “ ! ・ 刷 。 川 町 わ { 刷 1 “ “ h ! ・ ゆ れ t n 引 川 1 h 司 h 川 ! リ ー ド 制
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マイナスR
が拡大し(本稿では,D
マイナスR
は直接示されないが,-110ー 香川大学経済論叢 110 その代わり Stが拡大する),その分供給拡大が加速化することとなる。とはい え,需要(11)がそれ以上の率で上昇すれば,需給比率の逆転=過剰生産の発現 は起こらない。その代わり,発散過程が生じ,プログラム上は「計算結果がオー ノてーフローしました」ということになる。そうした発散過程が現実的であると は考えにくいが,理論的には成立しうるであろう。他方,消費財部門も,固定 資本部門と同様な理由で供給拡大が加速化していくから,それだけで消費財部 門の需給比率の逆転は起こりうる。表
-2
をみると,このケースではんは五よ り早く低下傾向を示しているから,消費財部門単独での需給比率の逆転が発生 しているかもしれない。しかし,たとえ消費財部門単独で逆転が発生しなくて も,Yiの低下があれば, (固定資本部門の労働者iの消費需要が減少し,他方では 消費財部門の供給にとりあえず変化が起こらないから)それだけでも消費財部 門の需給逆転を引き起こすこととなる。まさに,過剰生産が第一部門から第二 部門へ波及する過程であり,好況過程が第一部門から第二部門に波及するのと 同じである。 このように,一度過剰生産が発現した後は,表ーし表-2
からも明らかな ように,急激な低下局面は現れてこない。むしろ緩やかに波動を繰り返しなが ら,(
v
の値が決める)あるレベルに最終的に収赦していくこととなる。その意 味では,モデ1レの動きは産業循環的な様相を正確に示すものではない。しかし ながら,まずく急激な低下局面が現れない〉という点についていえば,投資関 数等を産業循環の局面毎に変化させれば(特に,ここではUを0..8のままにし ているが,もしこの値を変化させるとすれば),急激な下降局面を与えることが できるし,それが恐慌局面で(とりわけ信用恐慌が勃発する局面で)現実的に 起こることである。そしてそのことはすでに拙稿(3 )でみた通りであるから, ここで繰り返す必要はないだろう。もちろん本稿のモデルでも,後に述べるよ うにパラメーターや初期値を変化させてシミュレーションを行うと,より急激 な低下局面を作り出すことは可能である。もう一つの特徴であるく緩やかな波 動を繰り返しながら,あるレベルに収赦していく〉点についていえば,この点 は明らかに拙稿(3 )とは異なる。この点は,実は拙稿(3 )のモデルと本稿111 市場価格の産業循環的変動 ([V) -111-のモデルの違いを端的に表現しているものである。拙稿 C3 )は,産業循環過 程を強く内在化させたモデルであり,恐慌期と不況期の後に回復過程が急速に 始まるのも,そうしたメカニズムが内在化されていたからであった。数学的な 表現でいえば,拙稿C3
J
でも,パラメーターや初期値のとり方次第では発散 する場合がないわけではなかったが,大きくいえば,かなり広い範囲内で安定 的な運動を示していたし,その運動もかなり循環的な要素の強いものであった。 ところが本稿のモデルでは,任意のところから出発すると iオーバーフロー」 する場合が多かった。それは,任意のところから出発すると,部門間の不均衡 が大きく存在しうるからであるが,他方で「オーバーフロー」しないと,かな り強力に収放するメカニズムが作用している。数学的な表現でいえば,KlとKミ
の関係がある範囲内にある場合,体系はUに規定された均衡値に収散する。さ もないと,体系は発散してしまう。しかも,たとえKlとf込がある範囲内にあっ ても ,vがある範囲内にある場合のみ,体系は均衡値に収散するのであって,そ の範囲をこえれば発散してしまうのである。そして,それ以外のパラメーター や初期値についても同様に,それがある範囲内にある場合のみ収赦し,それを こえると発散するのである。われわれの分析では,体系が収数メカニズムが作 用している範囲内にあることを前提にし,そこに撹乱要因(初期投資の活発化) を与えるという形で産業循環過程を考えようとしている。そこで恐慌期と不況 期の後も,収数メカニズムが強力に作用するため,そのままでは回復過程は始 まらないこととなる。もちろん,再び活発な初期投資が発生すれば回復過程が 始まるということになるが,途中から初期投資が再び活発化するというモデル の構成はなかなか困難であるから,ここではそうした動きは省略しである。し たがって本稿では,くまず,不況期を出発点にし,そこから好況過程が発生し, 一定期間が終了すると,過剰生産が露呈し,恐慌局面を迎えることになる〉と ころまでに分析を限定することとなる。なお,こうした一連の変化のなかで, 部門間の変化を伝えるのに大きな役割をするのが,需給比率げ)の変化→稼働 率 (H) の変化→生産量(Y) の変化という流れである。それ故,この変化が 急に生ずると,当然動きがみえにくくなる。そこで,稼働率の変化を示すパラ-112- 香川大学経済論議 112 メーター
(
u
l)を最初から小さくしている。u
l
の変化自体は,以下でシミュレー ション分析することになるが,基準となるプログラム(図4と図 5のプログラ ム)にあらかじめ小さい値を挿入しておいたのである。L
パラメーターの変化ーシミュレーション・その1
一 シミュレーションの結果は,拙稿 C3 )と大きく異なるところはない。そこ で本稿では簡単にまとめだけを記述しておこう。(本稿で掲載しない理由は,他 に,プログラム自体が大きいし,ほとんどが繰り返しであるからである。また, 作成した図は二部門分割であるから,カラー表示でないと読み取れないからで もある)。第一は,vの変化である。 Uの変化については,既に検討済みであり, それは基本的に産業循環的変動の中心ラインを決めていくものである。即ち, Uを低下させていけば,累積的な下降過程が始まる。といっても,投資がマイナ スになることはないと想定しているので,累積的な下降過程もどこかで反転が 発生し,その後低い水準に収赦していくこととなる。逆に ,vを上昇させていけ ば,累積的に上昇し,このケースでは Uがあるレベルを越えると,上方への発 散過程が生ずることとなる。図は省略するが,先の図4と図 5をl比較すればお およそ理解できるだろう。図4では,v=
0..05であるから,固定資本部門は 3 期上昇過程が続くと,もう下降過程に入る。ところが図5では,v=
0.08とし ているので,固定資本部門でもほぽ2
0
期にわたって,好況過程が持続するので ある。その分中心ラインも上昇し,振幅も大きくなっている。なお,その際次 の点は注意しておいた方がよし)0Vの変化は中心ラインを上下に変化させ,それ に伴って振幅も変化させるが,周期自体はあまり変化しない。したがって ,vを 高めていくと,好況過程の期聞が長くなるが,周期自体はあまり変化しないの で,恐慌過程が逆に短くかっ急激な局面となる。次は,u
l
とu
2
の変化である。u
l
を上昇させていくと,産業循環の振幅と周期も小さくなる方に作用し ,u
2
を上昇させていくと,逆に産業循環の振幅と周期を拡大する方に作用する。つ まり,生産量決定(稼働率決定)の反応係数を大きくすると,変動を小さくす るように作用し,逆に投資決定の反応係数を大きくすると,変動をむしろ拡大 するように作用するのである。なお,u
2
が大きくなり振幅が大きくなると,そ113 市場価格の産業循環的変動(IV) 113-の場合も周期はあまり変化しないから,結局それだけ急激な恐慌局面を迎える こととなる。そして,以上のv,u1, u2の特徴は,拙稿(2) (3)で既に確認 済みのことである。 次に,パラメーターCとαについてみてみよう。拙稿(2) (3)ではCでは なく ,
s
の変化でみていたが,どちらでみても同じことであるoCを上昇させて いくと,振幅が大きくなり ,a
を上昇させていくと振幅が小さくなる。拙稿(3
)
ではSでみており,その場合はSを上昇させていくと,振幅が小さくなってい たから,結果としては同じである。いずれも供給圧力に影響し,このような結 果がでてくるのである。 2.. 初期値の変化ーシミュレーション・その2一 まず,初期投資を変化させてみよう。第6期の初期投資は一定にして,第 7 期と第8期の投資増加率を 1 %から 20%まで変化させてみたが,増加率を高め れば,周期が短くなれ逆に次第に振幅が大きくなる。他方,初期の稼働率を 高めていくと,振幅が小さくなる。これはそれだけ供給圧力が大となって,好 況過程の開始を妨げることとなるからであろう。拙稿(3 )では,初期値のな かでは,初期投資だけがその後の変動に大きな影響を与えるが,それ以外は大 体グラフが左右にずれるだけであった。しかし,本稿の分析では,初期の稼働 率等もそれなりに影響を与えている。その分,本稿のモデルが激しく動くモデ ルになっているといってよいかもしれない。 なお,これ以外に更新期聞を変化させたり,生産能力化の遅れを大きくとっ たりという分析が必要である。また,資本家の行動様式を産業循環の局面毎に 変えてみるということも必要である。しかし,その変化は拙稿(3 )と基本的 に変わらないので本稿では省略することとしたい。V
.
結語 恐慌・産業循環論をパソコンを使ってシミュレーション分析するという試み は,本稿をもって一応完結することとなった。本来なら,こうした分析道具が 現実の恐慌・産業循環の分析にどこまで役立つかが試されねばならない。理論-114- 香川大学経済論叢 114 的なシミュレーションであるから,次元や期間のとり方はかなり恋意的であり, それ故すぐさま実証的な分析に接続するものでもないだろう。しかしわれわれ も,いずれ試みたいと考えている。 ただ,われわれのモデルの動きは,v (資本家の予想投資成長率)に大きく依 存している。そして繰り返し説明したように,このU自体はモテゃルのなかから 与えられるものではなく,社会がおかれた制度的要因によって決まるものであ る。そして,制度的要因によって決まるということは,どこかにあいまいなと ころを残すこととなる。たとえば戦後日本では,-戦後性と後進性」という要因 が作用し,それが高いUをもたらし,結果的には高度成長を生んでいったとい うことはいえるであろう。しかし「戦後性と後進'性」があればどこでも高度成 長が実現するわけでもない。そこには,それ以外の社会制度的な要因が作用し ているのであり,それを全部叙述することは容易でトはない。その意味では,わ れわれのモデルを実証的な分析に接合するとしても,それは自ら限界があるこ とになる。