疏菜類の栽培 におけるポ リエテ レンマルチの
利用に関す る基礎的研究
(第
3報
)露地 メ ロ ンお よび ナ スの生 長 にお よぼす影 響
辺 賢 二・ 佐 藤
(農 学 科 園 芸 学 研 究 室)
Fundamcntal Studies on Udization of Polyethylene
Film A/1ulch in GroⅥ ring ヽ/egctablcs III
Effect Of polyethylene mulch in thc ficld On the growth of
G%ιttηtt ηιどο
L,cultivar ShinhorO andぎ
θttηク陶 η′θηぎιηαL.
Kenji TANABE ttnd lchirO SATOH
(D″,″チη♂″ナ0デ Fr9ォゲじクヵク″9,デクす″′ゥ 9,F4g″ ゲじク″ク″診Tο″ο″ゲD物ゲυヮ″0妙)
C″ιク″ゲs物診乃 L, cultivar Shinhoro and Sο 力″″″ 筋♂乃″ξヮ″
, L, were grown in
£ield with or without treatment oE Polyethylene fil■ l mulch.
The dry matter both oF C″ οク物ゲs″ヮヵL.and Sο″″″物 脇♂乃ηg夕″,L, were pro―
moted by pOlyethylene fil■ l mulching treatment.
The treatment raised the RGR(relatiVe growth rate)On these plants in the early gro、ving stage from lay to about middle of June, and it decreased
in the latter growing stage from near the end o£ June to July.
NAR(net aSSimilation rate)on theSe plant was raised by polyethylene film mulching treatment in the early growing stage.
High NAR on these plants treated with Polyethylene film mulch was the cawse of high R(}R in the early growing period.
But, the mulching treatment in the latter growing period On these plants
from near the end of June to 」uly resulted in a decreased NAR and LAR
(leat area rate),and this decline was resPonsible for the fall in RGR mul― ched with Polyethylene film in the latter growing period.
The mulching treatment of Cク σ″″ゲs物♂乃 Lo in the period frOln the early to
about the middle of June typically increased the total dry matter per hill. 良Ь* 緒
言 プ ラステ ックフィル ムのマルチ ング処理に よ って もた らされ る作物 の種 々の反応 の中で
,最
も顕者にみ られ る 反応 は,生
長 の促進で あ る。 い うまでもな く作物の生長は,1/2質生産 と密接に関係 してい るが,既
往の文献か らは,マ
ルチング処理による 生長の促進について,物
質生産 の面か ら検討 されたもの は見受け られない。 鳥取大学農学部研究報告XXⅥ
*
砂丘利用研究施設1974
疏菜類の栽培におけるポ リエチ レンマルチの利用に関する基礎的研究 (第3報) 一方マルチ ング処理の作用点は土壌であり
,処
理によ って土壌中の種 々の生育環境要因が 変 化 す る。なかで も,地
温 と土壌水分の変化が著 しい(13)。 本試験は, この ような土壌環境の変化をもた らすマル チ ング処理に,露
地 メロンおよびナスの生長がいかに対 応す るかを調べ,
またNAR,LARぉ
よびRGRに
よる生長解析に よって,物
質生産面か ら,生
長に対す る マルチング効果に検討を加えようとして行なわかたもの である。 材料および方法 実験は1971年と1972年の5月∼ 8月 に,鳥
取大学農学 部砂丘利用研究施設の圃場において行 なわれた。 供試作物 として,夏
作果菜類の中か ら,伏
性の代表種 である露地メコ光(品種:新芳露)と,立
性の代表種で あるナスを用いた。 露地 メロンについては,1971年 5月 か ら8月 に かけ て,ポ
リエテ レンマルチ処理を施 した処理区と,無
処理 区を設けて栽培 した。 これについて,乾
物生産およびRGR(相
封生長率),NAR(純
同化率)に
およぼすポ リエチ レンマルチの影 響を調べた。すなわち巾1・5m,長
さ20m,畦
間lmの
平畦を 6条 設け, うち 3条 に厚 さ0,031n14,巾 1.8mの無 色透明ポ リエテ レンフィルムをマルチ ングした。肥料はaあ
た りN,P,Kを
それぞれ成分量で 3k9施 用 した。 5月 1日に,ハ
ウス内で播種育苗されたメロン苗を, 各区の畦の中央に株間80cmの間隔で定植 した。 一方ナスは,品
種長岡長ナスを用い60cmの平畦に透明 フィルムをマルチングしたマルチング処理区と,無
処理 区を設け,各
畦とも株間50cm,条 間30clllの 2条千鳥植 と し,60日 苗を5月 1日に定植 した。 植付後,露
地メロン,ナスのいづれについても,14∼ 20日ごとに両区の抜取 り調査を行ない,棄
面積 と根・ 茎 ・ 葉お よび果実の乾物重を測定 した。 次にマルチ ング処理が生長におよぼす影響を生育時期 別にみるために,巾 1,5m,長
さ20m,畦
間lmの
平畦 を 6条 設け,各
畦のマルチ ング期間を変え,そ
れぞれに おける露地 メロンの生長を調べた。マルチ ング期間は5 月1日∼ 5月15日, 5月 1日∼ 6月 1日, 5月 1日 ∼6 月17日, 5月 1日∼ 7月 1日, 5月 1日 ∼ 7月22日の5 段階 とし,さ らに無処理区を加えて合計 6区 とした。 それぞれの区について, 3月 上旬 まで収量調査を行な ったあと,堀
上げ調査を行ない乾物重を測定 した。 1972年においては,前
年 と同様にメロンとナスの生長 にお よぼすマルチング処理の響影を調べた。またマルチ ング処理 と根群の関係を明 らかにす るために, 8月 上旬 にメロンお よびナスの根を,株
元か ら10∼ 20cmごとに, また深 さ10Cnごとに堀上げて調査 した。 結果
1.マ
ルチ ング処理 と生長および根群分布 ポ リエチ レンマルチ処理が露地メロ ンおよびナスの生 長にお よぼす影響を,各
部位別 の乾/1b重で示す と第 1表 お よび第 2表 のとお りであった。Table l. Effect of polyethylene fil■ l mulch on the groM′ th of C夕θ″物ゲ∫物診乃 L. cultivar ShinhOro
Treatment
Dry matteT(D
Total Lcaf areastem length
Root Stem Lea£
FruitNumber
of leaves ControI Polyethylenemulched
27,0 39.0 118,8 183.1 149,2 278.1 570 1190 56 57 28,2rn 43.1 290.3dm2 522.6T2ble 2. Effect o£ Polyethylene film mulch on the growth of Sο ヵ″
"ヮ 効診ん″ξ診″α L.
Treatment Dry matter(g)
NumbeF TOtal
of leaves ste■ l length Leaf area
Root Leaf Fruit
Control Polyethylene
mulched
15.5 18.93 14.73 25.03 9.27 15,17 48.74 70,41 141 165 382.5cШ 496.5 63.38dm2 95.67露地 メロンについてみると
,無
処理区に比べてマルチ ング処理区の根お よび茎は約1・5倍,葉
は約1,9倍となっ てお り,さ らに果実においては2倍にも達 してい る。果 実をのぞいた地上部の各部位をみ ると,茎
よりも葉の方 が著 しい影響を受けてい ることが うかがわれ る。 ナスについてマルチ ングの影響をみると,処
理に よっ て根の生長は1,3倍,茎
は1.7倍,葉
は1,6倍とな り,ま た果実では1,4倍にな り,い
づれの部位でもマルチ ング 処理に よる生長促進が認め られた。豚地 メロンに比べ る と茎以外はやや促進の程度が低い傾 向にあった。 次に株あた りの乾物重の推移をみ ると第 1図 に示す とM ay M ayM ayJunJun.」 un.Jul.Jul.Jul.Jul. 1 15 22 1 5 17 1 8 22 28
GrOwing period
Fig l.Effect of polyethylene til■ l mulch On the
dry matter growth of C″ι夕″ゲs″彪乃L, cuhivar
ShinhorO,″
'SO′
,″ ″″″ 物 珍′Oηg珍″,L.
O POly・
mulched o COntrOl
―――C″σ夕胸″ゲs物グοL.―――Sοル″ク物 物プο,T夕″クL. お りである。露地 メロンにおいては
,マ
ルチング処理に より植付後15∼30日頃の生育初期における生長が著 しく 促進され ることが うかがわれ る。また 7月 上中旬の生育 後期に入 ると,無
処理区の生育が急速になるのに対 し, 処理区は生長のにぶ る傾 向にあった。 一方ナスにおいては,区
間における差はメロンほど顕 者にみ られなか ったが,処
理に より初期生育がわずかに 促進され ることが うかがわれた。 根の分布 とマルチ ング処理の関係をみ ると第 2図 のと お りである。蕗地メロンについて,根
の垂直分布をみる 二 。佐 藤 と,マ
ル チ ング処理 に より,各
層 とも根量 が増加す るが と くに0∼ 10Cmの地表部近 くに者 しく多 く分 布 してい た。 また水平分布 をみ ると,無
処理区では0∼20cmの 株 元 周辺 に多 く存在 し,そ
れ以上 に離れ る と 急 に少 くな る。 これ に対 しマル チ ング処理 区では株元か ら40cmの 付 近 まで の分布量 が多 く,またそれ以上 の位置で も無処理 区 よ りは るかに多い分布量 を示 していた。 ROOt dry weigilt(g)30 25 20 15 10 5 0 5 10 15 20 25 30
Distance from hin(cm)
40 30 20 10 0 20 40 60 80 100 120
Solanum mebngena L me10 L.
Fig. 2.Effect o£ Polyethylene film mulch on the
root distribution of Cクο夕″ゲs 物ヮ乃 L. cuhivar
Shinhoro and SO′″ 夕傷形η 物ワ乃夕ζ¢″,L.
― Poly. mulched― ― ― ―Control 同様にナスの根についてその垂直分布をみ ると
,マ
ル チ ング処理に より各層 とも根量の増加が認め られたが, メロンにおけるような大差はみ られなか った。 また水平 分布については,処
理に より株元 の部位に多 くなる傾向 にあったが,メ ロンに比べて,き
わめて少い増加程度で あった。2.
マルチング処理 とRGRお
ょびNAR
第 1図 に示され る生長曲線について生長解析を行ないRGR(相
対生長率:Relat e growth rⅢe)とNAR
(純同化率 :Net assimilatiOn rate)を 求め
,
それ らにおよぼすマルチング処理の影響を示すと第 3図 および 第4図の とお りで あ る。
RGRぉ
よびNARは
次式 に よ り求 めた。(10)。 1) 辺 ︵ 的 ︶ , ︻ ∞ も , ネ 俵 ↓ や o o ば 80 60 40 20 10 8 60 40 20 10 8 6 4 2 1 含 ︻︻ F \ ∞ ︶ H o ど s E ヽ ■ ∩ 0 10 20 30 ︵日 o ︶ ‘ a o ∩ ︵ 的 ︶ P F 留 O 善 Λ 角 ” ↓o o ∝ Cucumis melo L.疏菜類の栽培におけるポ リエテ レンマルチの利用に関する基礎的研究 (第3報
) 31
RGR= dl°
gew tt logeW2 10gewt
t2 tl:時間 (日)
Wl,W2it■ およびt2のときの乾物重 対数は自然対数
NAR= ± ど 王 望 二 些 geL■ × _IttΞ型 生_
tl,12:時間 (日) W■
,W2:tl,t2の
時点における乾物重Ll,L2:tl,t2の
時点における葉面積 対数は自然対数 ば り ∝ o 12May May
l 15 」un. Jul. J口1 17 1 22 まずRGRの
面か ら露地 メロンお よびナスの生長を解 析す ると,露
地 メロンにおいては,無
処理区は植付時か ら最終調査を行な った 7月22日に至 るまで,生
育期が進 むに伴 ってRGRの
増加 してゆ く傾 向が認め られた。 一方 マルチ ング処理区は,植
付直後か ら無処理区の2倍 以上のRGRを
示 し, 6月 1日か17日の頃に最も高い 値を示 した。 しか し以後は急速に減少 し, 7月 に入 ると 無処理区を大 きく下回った。 またナスについてみ ると, メロンにおいてみ られたほど顕者な差 はみ られなか った が, 5月 1日の植付時か ら6月中旬に至 る間は,マ
ルチ ング処理により,か
な りのRGRの
高 ま りがみ られた。 これ らの事か ら,夏
作の露地 メロンとナスにおけるマ ルチ ング処理は植付時か ら6月 上中旬の生育前期におけ る生長率を高めることが うかがわれた。 次 にNARに
よ る生 長 解 析 を 行 な う と 第4図の よ う に な る。 な おRGR=NAR×
LARな
る 関 係 式 が 成 立 つ た めRGRは
NARと LAR
の2要因 に 分 け て見 る こ とが で き る(6)。 そ こ でNARと
同 時 にLAR=
」 二:(L:葉
面 積,Wi全
乾 物 童)を
求 め た 。 Jun. 17Fig。 5, Effect of Polyethylene film mulch on
NAR and LAR with growth of O″ ιク筋ゲ
,効
グοL. cultivar Shinhoro.
○ :MuIChed with polyethylene film
O i COntrOl
一
NAR
――――LAR
Fig. 3. Effect of Polyethylene film mulch Onthe RGR with growth of the C″θクηゲs ttο L.
cultivar Shinhoro.
○:MulChed with Polyethylene film
O i COntrOI 0.14 0.12 0,10 0.08 0.06 0.04 0. -0.
Fig, 4, E£fect of Polyethylene fil■l mulch On the
RGR with growth of the働筋″ク″ ″グοセg珍″
,L.
○ :MulChed with Polvethylene film
● i COntrOl ︵ ぁ 、 0 \ 堵 o O O 串\ ∞ E ︶ 碇 く Z ︵ 的 ︼ o ど ヽ 日 ぁ H ↓ \ 指 じ ば く 爾 2 0 8 0 4 0
晦
︲ 5
館 O α Ju︲ 28 Ju 8 J un ︲9 M 2 0・u 8 60 40 ︵ ∞ 営 o こ s E ネ ︼ 可 \ 歯 呈 ば く ロ 八
′
″
′
`
, ″ ど Jun. 19Fig, 6. EfFect o£ Polyethylene film mulch
on NAR and LAR with growth of δο力″″″ 物″ο″g珍″
,L.
○:M,lChed with Polyethylene£il m
● i COntrOl 一
NAR
――――LAR
露地 メ ロ ンについ てみ ると,NARは
マル チ ング処理 に より著 しく高 め られ, と くに植付時か ら15∼30日後 の 生育初期 におけ るNARは
,
無処理 区の5∼ 2倍の値 を示 し,また 6月 中下旬 におい ては50%程度上昇 した。 しか し 7月 に入 るとマル チ ング処理 区 のNARは
急 速 に低下 し,無
処理区の方 が高い値 を示 していた。い っ ぱ ぅLARの
推移 をみ ると,
生育期 を通 じて無処理 区 の方がマル チ ング処理 区を上 回 る傾 向にあ り, 6月下旬 以降 は両 区にか な りの差 を認 めた。 こ浄 らの ことか ら,露
地 メ ロ ンにおい てみ られ る,マ
ルチ ング処理に よる前期 の生長促進 は,単
位乾物 あた り の葉面 積 に関係せず,同
化生産 の著 しい促進に基い てい ることが うか がわオtた。 ナスにおけ るNARと
マル チ ング処理 の 関係 をみる と 6月 中旬 まで は,50∼ 30%程度 の処理 に よる上昇 が認 め られた。 しか し露地 メロ ンに比べ ると,は
るか に低い 上昇程度 であ った。 またLARは
終始 マル チ ング処理 区が低 い値 を示 していた。 したが って,ナスにおい ても マル チ ング処理に よる前期 の生長促進 は,NARの
上昇 に基い てい ることが うかがわれ る。3.マ
ル チ ング処理期間 と生長 」4地メ ロ ンの生長 とマル チ ング処理期間の関係 を示す と第7図の とお りであ る。 まず根 の生長 につ い て み る と, 6月上旬 までのマルチ ングの 影 響 は きわ めて少 な く,無
処理 区に比べ て2∼3g増
加 す る程度で あ った。 しか しなが ら6月 中旬 までマル チ ング処理を続 けた場合 辺 賢 二・ 佐 藤Cont.l
Ⅱ Ⅲ ⅣV
Fig.7.Relation between treating times of Pol―vethylene Fihn mulch and drymatter growth
on(,ιvじク″ゲd物″οL, cultivar Shinhoro.
I : い正ulched fromMay l to h/1ay 15
11 : frow lay l to 」une l
III ; from ヽ江ay l to June 17
1ヽ「 : £rom may l to 」uly l
V : £
rom
【ay l to July 22 には,根
重の増加が顕著にみ られ, 6月 1日 までの処理 に比べて約50%も 増加 した。また この時期以降の処理効 果 は少な く, 6月 上中旬のみが特別に根の生長を促進 し ていた。次に地上部の生長にお よぼすマルチ ング処理期 間の影響をみると,茎
葉 ともに6月 1日までの処理に よ 15績14(
13ゴ 12召 11卜 10 sugar weight nunder ⅢⅣ
V
Fig.8. RelatiOn between treating time of Polye― thylene film mulch and fruit yields of
Cクι″糊ゲs物珍乃L, cultivar Shinhoro.
Cont.i no mulched
l : h41ulched from May
500 400 300 含 増 ド \ ∞ ︶ ︻ 。 ど 、 E ぁ ︻ ∩ ︵ ∴ ミ ↓ \ 指 υ O o 出 \ ¨ E ︶ ば く Z Ju︲ 28 ul 8 岬 2 2 ︻ ︻声 ︻ o a ∽ ︸ 一 ” 々 単 ↓ o , ∽ o テ ︼ 、 声 ︼ o ﹁ O や 日 声 Z 台 洋︻ 声 \ ∞ ︼ ︶ F の O 砦 ︼ 営 一 一 F 碗 ︻O 〓 , 一戸 年 ﹂
H
Ⅲ
Ⅳ
V
from May
frorn ヽこay from hlay froコn ヽray to hlay 15 to」une l to June 17 to July l to July 22 含 〓 F \ ∞ ︶ や F ∞ も , ぁ ︻ “ 席 や o o ば疏菜類の栽培におけるポ リエテ レンマルチの利用に関する基礎的研究 (第3報) る生長促進はほとんどみ られなか った。 しか し6月17日 まで処理を行なった場合には
,著
しい生長 促 進 が み ら れ,葉
においては約 2倍 の生長を示 した。 果実についてみると,第
8図 のようであリマルチ ング 期間が長 くなるにつれて,個
数,乾
物収量の増加 してゆ く傾 向がみ られた。 特に6月 1日か ら17日の間におけ る増 加 が著 しか っ た。果実の糖度は,処
理期間が7月 1日までの間は,処
理期間が長いほど高 くなる傾 向にあ り, 7月 下旬 まで処 理が続 け られ ると,処
理期間に伴 う増加 はみ られず,や
や減少す る傾向にあった。 これ らのことか ら, 6月 上中旬におけるマルチング処 理が,メ コンの乾物総生産量 な らびに収量の増加に最 も 強 く寄与 してい ることが うかがわれた。 考察 ポ リエテ レンフィルムのマルチング処理は
,露
地メロ ンお よびナスの生長を著 しく促進させる。促進の程度を 部位別にみると,露
地 メロンにおいては葉 な らびに果実 の生長が顕著に促進され,茎 ,根が これについてでいる。 またナスにおいては,茎
の生長が最も促進され,果
実, 葉が これについでいた。 しか し根は生長促進の程度が低 く,ま
た露地 メロンの根においてみ 跡れた促進程度に比 べても,は
るかにその程度が低か った。 マルチング処理によって変化する土壌環境の諸要因の 中で, 最も著 しい変化を示す要因は地温であ り(13), ま た一方門田によれば(7),ナスの生育適温はメロンのそれ よりも低い ことが認め られてい る。すなわちメロンの根 の最適温は34℃で適温域 は26∼ 36℃でぁ り,またナスで は最適温28℃,適
温域18∼ 34℃でぁり,さ らに最適温以 下10℃における生長の温度係数Q10は
,ナ
スにおいて 小 さ くメロンにおいてきわめて大きい。 したが ってこれ らのことか ら,根
群分布においても見 られ るように,メ ロンの根はマルチ ング処理の影響を強 く受け,一
方ナス の根 は鈍感に反応 したものと考えらみる。なお,マルチ ング処理によるメロンの根群分布の変化はKNAVELら
の結果 と(。】ほぼ一致するものであり,
根の 温 度 係 数Q10の
大 きい作物において,
マルチング処理の影響が 強 くみ られるものと思われ る。RARに
よる生長解析を行なうと,露
地メロンにおけ るマルチ ング処理は,植
付40日後の6月中旬 までの生育 前半の生長率を著 しく高めることが うかがえた。 またナ スについても,メ ロンと同様に,マルチ ング処理によっ て初期の生長率が高め られてい ることが認められた。 次にNARに
よる生長解析を行な うと,
葉 の同化能 率に対するマルチ ングの影響が明 らかに認め られた。 露地 メロンにおいては,無
処理の場合植付直後の同化 率 はきわめて少な く,以
後生育が進むにつれて上昇 して ゆ く。 これに対 してマルチ ング処理を施 した場合,植
付 直後か ら6月 下旬に至 るまでの純同化率は著 しく高めら れ る。 一方LARの
推移をみると,終
始マルチ ング処 理 区の値が低い傾向にあ り, とくに生育後期に入 るとか な り低い値を示 していた。RGRと NAR, LARの
間に はRGR=NAR×
LARな
る関係が成立つ ことか ら(1。)マ
ル チ ング処理 に よるメロンの生長促進 は,葉
の同化能率 が著 し く高 め ら 注 る ことに基 いてい る ことが うかがわれ,ま
た生育後期 に おけるRGRの
低下 はNARの
低下 に力日えて,LAR
の減少に原因す るもので あ った。 この ことは,ナ
スにつ いて見てもほぼ同様であった。 したが ってマルチ ング処 理によるメロン,ナ
スの乾物生長の促進は,ま
さに生育 前半における純同化率NARの
上 昇 に よってい ること が うかがわオtた。 根の活性 と葉の同化能率 との関係については,ま
だ十 分に明 らかにされ ていないが,地
温を高めることに よっ て生長が促進 され るとい う例はかな りみ られ る(つ(3ッ(6)。 また本結果な らびにマルチ ング処理に よる各種作物の収 量の増加が数多 く認められていること,(ワ)(4)(,,(8)(セ )ぉ よび作物に対す るマルチング処理の作用点は地下部の根 にあることな どか ら,マルチング処理は土壌環境 と くに 地温を介 して根を活性化させ,ひ
いては葉の同化能率を 高め,生
長を促進 させ るものと考え られ る。 次にマルチ ング処理期間に関連 して,処
理が総乾物生 産ならびに収量に最 も大 きな効果を示す時期を,露
地 メ ロンについて調査すると, 5月 下旬までの処理効果はき わめて小 さ く, 6月 上中旬の間において著 しい効果が認 め られた。 この時期は処理によってNARが
最 も高め られ る時期でもある。 したがって果実生産を 目的 とす る 露地 メロンの栽培において, 良 品 多 収をめざすために は, この時期のポ リエチ レンマルチ ングが特に重要な役 割をはたす ものと思われ る。 摘要
1.
ポ リエチ レンフィルムのマルチング処理に対する露 地 メロンおよびナスの生長反応をみると,メ ロンの方が ナスよりも著 しい生長促進を示 していた。 これはメロン の根の温度反応が大きく,ナスのそれは小さい ことに基 くもの と考え られた。二・ 佐
2.露
地メロンお よびナスの生長がマルチ ング処理によ って促進 され る一つの要因は,生
育前半におけるNAR
が処理によって高められ ることによっていることが認め られた。3.露
地 メロンの総乾物生産ならびに収量に最も大きな 影響をおよぼすマルチ ング処理の時期をみると, NAR
が最も高められる6月 上中旬であった。4.
以上のことより露地 メロンおよびナスの生長・ 収量 はマルチング処理によって著 しく促進され,特
に 6月 上 中旬におけるマルチ ング効果が高い ことが認め られたЬ 参 考 文 献1)Adams,J.E.:Agron.J.54,257(1962)
2)Adams,J.E.:Agron,J.62,785(1970)
3)BeauChamP,E.G.and D.H.Lathvell:Plant
and Soil. 26 224 (1967)4)CLARKSON,V. A. and WV. A. FRAZXER : PrOc.