こどもに多い感染症編
麻しん(はしか) 風しん(三日はしか) 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス) 水痘(水ぼうそう) 突発性発しん 咽頭結膜熱(プール熱) ヘルパンギーナ 手足口病 伝染性紅斑(りんご病) 溶連菌感染症 インフルエンザ ノロウイルスによる感染性胃腸炎病気の説明とホームケア
麻しん(はしか)について
☆麻しんってどんな病気? 麻しんウイルスによる感染症で、子ど ものかかる感染症の中でも重いもので す。「三日はしか」は風しんのことで、 別の病気です。 ☆家庭でのケアのポイント 肺炎や脳炎を合併することがあるの で、症状の経過に注意しましょう。 ・熱が高いときは、衣類やふとんで暖 めすぎないようにしましょう。 ・いやがらないようならば、氷まくら などを使いましょう。 ・水分補給をまめに行いましょう。 ☆治療と受診のポイント 麻しんウイルスにきく特効薬はあり ません。症状をやわらげるための治療 を行います。指示された日にきちんと 受診しましょう。次のようなときは直 ちに受診してください。 ・全身状態が悪いとき ・耳を痛がるとき ・呼吸が苦しそうなとき ・発疹が出てから4日目以降も熱が続 くとき ・意識がはっきりしないとき ☆どのような症状ですか? はじめは、鼻水やせき、38℃位の発 熱など風邪のような症状が出ます。目や にが出たり、目が赤くなることもありま す。口の中のほほの内側の粘膜に白い斑 点(コプリック斑)が出ます。 3~5日後に、赤い発疹が出ます。耳 の後ろ、首、顔から始まり、全身にひろ がります。熱も高くなります。 発熱は1週間くらい続きます。発疹 は、茶色くなってしばらくあとが残りま す。 中耳炎、肺炎、脳炎などの合併症をお こし、重症になる場合があります。 ☆予防するにはどうしたらよいですか? 予防には予防接種が重要です。 また、麻しんにかかった人と接触して すぐの場合、麻しんワクチンやガンマグ ロブリンの注射を受けると発病を防ぐ ことができる場合があります。 ☆予防接種を受けましょう! 1歳の誕生日プレゼントに予防接種を! 平成 18 年4月から、麻しん風しん混合ワクチンを使用した2回接種となりました。 第1期は1歳~2歳未満ですが、1歳になったらできるだけ早く接種を受けましょう。 第2期は5~7歳で、小学校就学前の1年の間(入学1年前の4月1日~入学する年の 3月 31 日)に接種を受けます。 平成 20 年4月1日から平成 25 年3月 31 日までの5年間は、第3期(中学1年生相 当)、第4期(高校3年生相当)が接種対象者に追加されます。 ☆どのように感染するのですか? 空気中の麻しんウイルスを吸い込む ことによる感染(空気感染)や、せき などのしぶきによる飛沫感染でおこり ます。感染力が大変強い病気です。 潜伏期間は10~12日です。どのように感染するのですか? せきやくしゃみなどのしぶきの中に いる風しんウイルスが鼻やのどにはい ることで感染します。(飛沫感染といい ます。) 潜伏期間は14~21日です。
風しん(三日はしか)
風しんってどんな病気? 風しんウイルスによる感染症です。 3~4日で治ることが多いので、「三日 はしか」とも呼ばれますが、「はしか(麻 しん)」とは別の病気です。 家庭でのケアのポイント 軽症で治ることが多いですが、症状の 経過に気をつけましょう。 ・熱が高いときは、衣類やふとんで暖 めすぎないようにしましょう。 ・水分補給をまめに行いましょう。 ・発疹は多少かゆいことがありますの で、強くかかないようにしましょ 治療と受診のポイント 風しんウイルスにきく特効薬はありませ ん。かゆみ止めなど、症状をやわらげる ための治療を行います。次のようなとき は直ちに受診してください。 ・全身状態が悪いとき 【先天性風しん症候群】 妊娠初期の方が感染した場合、胎児に 難聴や白内障、先天性心疾患がみられ ることがあります。 妊娠20週までの方は注意する必要が あります。 ふつうは軽症で治りますが、まれに、 脳炎や紫斑病などの合併症がみられる ことがあります。 どのような症状ですか? 発熱、発疹、リンパ節の腫れの3つの 症状が特徴的です。 赤くて小さな発疹が顔・首からからだ や四肢にひろがります。リンパ節の腫 れは、特に耳の後ろや首で目立ちます。 成人では関節痛がみられることがあり ます。 熱がなかったり症状がはっきりしない 場合もあります。 ・熱が3日以上続くとき 予防するにはどうしたらよいですか? 予防には予防接種が重要です。 子どもの定期接種の他に、これから妊 娠する予定のある方も、妊娠前に接種 を受けておくことが大切です。 予防接種を受けましょう! 定期の予防接種は、平成 18 年4月から、麻しん風しん混合ワクチンの2回接種となり ました。(第1期:1~2歳、第2期:5~7歳で小学校就学前の1年間) 大人の方で過去に風しんにかかったかどうかわからない方は、風しん抗体価の検査を受 けて、抗体がない場合に予防接種を受けることをお勧めします。(自費扱いになります。)どのように感染するのですか? 患者と直接接触したり(接触感染)、せ きや鼻水などのしぶきの中にいるウイ ルスが鼻やのどにはいること(飛沫感 染)で感染します。潜伏期間は約2週間 です。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス)
流行性耳下腺炎ってどんな病気? ムンプスウイルスによる感染症です。 耳の下(耳下腺)が腫れて痛がります。 耳下腺炎は他のウイルスや細菌で起こ ることもありますので、すべてがムン プスとはかぎりません。 家庭でのケアのポイント 髄膜炎をおこすことがありますので、 症状の経過に注意します。 ・痛みが強くなるので、すっぱいもの やよくかまなくてはならない食べ 物は避けましょう。 ・痛みが強いときは、ぬれタオルなど で冷やしてあげましょう。 ・腫れがひくまで、登校・登園はやめ ましょう。 治療と受診のポイント 熱や痛みをやわらげる薬を用います。 次のようなときはすぐ受診しましょう。 ・頭痛があるとき ・嘔吐するとき ・熱が5日以上続くとき ・1週間経っても腫れがひかないとき ・腫れが赤くなったとき ・高熱が続く。 予防するにはどうしたらよいですか? おたふくかぜワクチンがあります。 予防接種について 生後1歳以上でおたふくかぜにかかったことのない方について、ワクチン接種ができま す。任意接種(自費扱い)となります。 ワクチンの発病防止効果は90%以上とされています。 症状が出ない場合もあります。 子どもで最も気をつけなければならな い合併症は、髄膜炎・髄膜脳炎です。 1~3%の割合でみられます。 【髄膜炎の症状】 ・頭を痛がる。 ・吐き気や嘔吐がある。 どのような症状ですか? 耳下腺や顎下腺などの唾液腺の腫れと 痛みをおこします。耳下腺は下あごの 耳の下のあたりが腫れます。腫れは片 方の場合もあります。 38℃程度の発熱が2~3日みられる ことがあります。 成人では精巣炎をおこすことがありま すが、不妊の原因となることは少ない とされています。水痘(水ぼうそう)
どのように感染するのですか? 患者と直接接触したり(接触感染)、 水疱やせきや鼻水などのしぶきの中に いるウイルスが鼻やのどにはいること (飛沫感染)で感染します。潜伏期間 は10~20日(通常14日)です。 水痘ってどんな病気? 水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で す。かゆい水疱(みずぶくれ)ができて、 かさぶたになって治ります。 感染力が大変強い病気です。 家庭でのケアのポイント ひっかいて水疱をつぶさないように しましょう。 ・つめを丸く切る。 ・包帯や衣類で水疱を被ってひっかか ないようにする。 ・すべての発疹がかさぶたになるま で、外出・登校・登園はやめます。 治療と受診のポイント 症状が出て3日以内ならば、抗ウイルス 剤(アシクロビル)の効果があるとされ ています。また、かゆみを抑える飲み薬 や塗り薬、化膿した場合は抗生物質を用 いることもあります。 高熱が続いたり、発疹が化膿したとき は、早めに受診しましょう。 予防するにはどうしたらよいですか? 水痘ワクチンがあります。 水痘患者との接触後3日以内に水痘ワ クチンを接種すれば発病予防や症状の 軽減ができるとされています。 予防接種について 生後1歳以上で水痘にかかったことのない方について、ワクチン接種ができます。1歳 未満でもかかりつけ医と相談の上、接種することができます。任意接種(自費扱い)と なります。ワクチンの発病防止効果は70~80%ですが、かかっても発疹の数が少な く、軽症ですむとされています。 帯状疱疹とは? 水痘にかかった後、ウイルスは長 い間神経に潜んでいます。からだ の抵抗力が落ちたりすると、帯状 疱疹として発病します。 ふつうは1週間程度で治りますが、ま れに、脳炎などの合併症がみられるこ とがあります。 どのような症状ですか? はじめに赤い小さな発疹が出て、全身 にひろがります。発疹は、赤い発疹→ みずぶくれ→かさぶたとなって治りま す。口の中や頭部にもできます。かゆ みが強く、ひっかくと化膿することが あります。 38~39℃の発熱が1~3日間みら れますが、微熱程度のこともあります。どのように感染するのですか? 唾液などの中にいるウイルスが鼻や のどにはいることで感染するとされて います。潜伏期間は約10日間です。
突発性発しん
突発性発しんってどんな病気? ヒトヘルペスウイルス6型及び7型に よる感染症です。 生後4か月から1歳までの子どもがよ くかかり、生まれてから初めての発熱 である場合が多いです。突然の高熱が 出て、熱が下がるとともに発疹が出ま す。 家庭でのケアのポイント 生まれてから初めての高熱であるこ とが多いですが、あわてずに対応しま しょう。 ・衣類やふとんで暖めすぎないように しましょう。 ・いやがらないようならば、濡れタオ ルなどで冷やしてあげましょう。 ・水分補給に気をつけましょう。 治療と受診のポイント 特別な治療はなく、症状に応じた治療を 行います。 次のようなときはすぐ受診しましょう。 ・けいれんしたとき ・熱が5日以上続くとき ・水分を取らず、元気のないとき 熱 性け いれん を起 こす場 合が あるほ か、まれに脳炎をおこします。 【ポイント】 はじめは高熱だけなので、突発性発し んかどうかわかりません。 乳児期の発熱は、髄膜炎や敗血症など の重大な病気の場合もありますので、 必ず受診しましょう。 予防するにはどうしたらよいですか? ワクチンはありません。 突然、38~39℃の高熱が出て、3 ~4日続いた後、熱が下がるのととも に全身に発疹が出ます。発疹は小さな 赤い発疹で、かゆみはなく、1~数日 で消えます。 鼻水などの風邪症状はほとんどありま せん。便がゆるくなることもあります。 熱が高いわりには元気なことが多いで す。 どのような症状ですか? 突発性発疹は2度かかるの? 突発性発疹の原因ウイルスとしては、ヒトヘルペスウイルス6型と7型があります。 母体からの免疫が弱くなってくる生後6か月頃からかかりますが、7型は6型よりも後 に感染するため、2度目の突発性発疹として現れることがあります。咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱ってどんな病気? アデノウイルスによる感染症です。発 熱、のどの痛み、結膜炎などがでます。 夏に多い病気で、プールを介して流行 することが多いので、プール熱とも呼 ばれています。 感染力の強い病気です。 家庭でのケアのポイント ・熱が高いときは、衣類やふとんで暖 めすぎない。 ・水分補給に気をつける。 ・のどが痛いので、口当たりのよい食 べ物にする。 治療と受診のポイント 熱やのどの痛みをやわらげる治療をお こないます。次のような場合は、すぐ 受診しましょう。 ・水分をあまりとらないとき ・高熱が3日以上続くとき ・元気がなく、ぐったりしているとき 【ポイント】 症状は3~5日間でよくなりますが、治 った後もウイルスが排出されますので、 注意する必要があります。 ・のどには発症後7~14日間、便には 30日間ウイルスが排出されます。 予防するにはどうしたらよいですか? ・ハンカチ・タオルの貸し借りはやめましょう。 ・トイレの後、外遊び後、食事の前は石けんで手をよく洗いましょう。 ・プールのときは健康状態に気をつけ、体調が悪いときは無理をせず見学しましょう。 ・プール前後にはからだをよく洗い、プール後は目もよく洗い、うがいもしましょう。 ・プールの水を適切に管理しましょう。 どのように感染するのですか? 鼻水、目やに、便などの中にいるウイ ルスが鼻、のどや眼にはいることで感染 するとされています。 潜伏期間は5~10日間です。 家庭のプールは、水道水を使い、オーバーフローさせながら使用しましょう。 幼稚園等のプールは、塩素剤等で消毒し、残留塩素濃度をチェックしながら 使用する必要があります。 頭痛、吐き気、腹痛、下痢をおこすこと もあります。 どのような症状ですか? 38~39℃以上の発熱が4、5日続き、 のどの痛みと眼の充血、痛み、目やにな どがみられます。ふつう、目の症状は片 側から始まり、もう一方にもでます。ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナってどんな病気? 主にコクサッキーAウイルスによる感 染症です。 38℃以上の発熱、のどの痛みがでま す。 夏に流行することが多く、感染力の強 い病気です。 家庭でのケアのポイント まれに、髄膜炎や急性心筋炎などをおこ すことがあります。 【ポイント】 症状は3~5日間でよくなりますが、治 った後もウイルスが排出されますので、 注意する必要があります。のどには発症 後7日間、便には2~4週間、ウイルス が排出されます。 どのように感染するのですか? 鼻水、目やに、便などの中にいるウイ ルスが鼻、のどや眼にはいることで感 染します。 潜伏期間は3~5日間です。 破れて潰瘍になり痛みます。痛みのため に、食べ物や水分がとれなくなることも あります。 どのような症状ですか? 38~39℃以上の発熱が2~3日続き ます。のどの奥に小さな水ぶくれができ ・熱が高いときは、衣類やふとんで暖 めすぎない。 ・水分補給に気をつける。 ・のどが痛いので、口当たりのよい飲 み込みやすい食べ物にする。 治療と受診のポイント 熱やのどの痛みをやわらげる治療をお こないます。次のような場合は、すぐ 受診しましょう。 ・水分をあまりとらないとき ・高熱が3日以上続くとき ・元気がなく、ぐったりしているとき ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★どうしたらいいの?
けいれんを起こしたとき
①あわてない。 ②口の中に指や物を入れない。 ③横向きに寝かせる。 ④吐いたものがのどにつまらないようにする。 ⑤けいれんの様子をよく観察して、10分以上続くときはすぐ受診する。☆
ひとことメモ
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熱性けいれん
熱が急に高くなるときに、ひきつけを起こすことがあります。ふつうは単純型と呼ば れる良性のタイプで、生後6か月から6歳までの子どもに多いです。一度引きつけた子 どもの約半数は、また起こすことがあります。あわてないで大丈夫!手足口病
手足口病ってどんな病気? コクサッキーA16型ウイルスやエン テロウイルス71型などによる感染症 です。 手のひら、足のうら、口の中に小さな 水ぶくれができます。 家庭でのケアのポイント ・熱が高いときは、衣類やふとんで暖 めすぎない。 ・水分補給に気をつける。 ・のどが痛いので、口当たりのよい飲 み込みやすい食べ物にする。 【ポイント】 症状は3~5日間で自然によくなります が、治った後もウイルスが排出されます ので、注意する必要があります。 ・のどには発症後7日間、便には2~4 週間ウイルスが排出されます。 どのように感染するのですか? 鼻水、目やに、便などの中にいるウイ ルスが鼻、のどや眼にはいることで感 染します。 潜伏期間は3~5日間です。 どのような症状ですか? 手のひら、足のうら、口の中に小さな水 ぶくれができます。おしりや膝にできる こともあります。熱がでることもありま す。口の中の水ぶくれが痛く、痛みのた めに、食べ物や水分がとれなくなること もあります。まれに、髄膜炎などをおこ すことがあります。 治療と受診のポイント 熱やのどの痛みをやわらげる治療をお こないます。次のような場合は、すぐ 受診しましょう。 ・水分をあまりとらないとき ・高熱が3日以上続くとき ・元気がなく、ぐったりしているとき ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 手足口病などの際も、熱がないからと軽く見ないで、はじめは、なるべく安静を保ちま しょう。また、けいれんをおこす、うとうとぐったりしている、高熱が続く、水分が十 分とれないときは、すぐ受診しましょう。☆
ひとことメモ
☆
無菌性髄膜炎
おたふくかぜや夏かぜのウイルスが原因で、まれに髄膜炎をおこすことがあります。 熱が出て、頭がとても痛くなり、何度も吐きます。意識がなくなったり、けいれんをお こすなどの激しい症状は、ふつうはありません。入院して治療することが基本です。 後遺症が残ることはほとんどありません。ポイント
どのように感染するのですか? 鼻水やくしゃみなどの中にいるウイル スが鼻やのどにはいることで感染する とされています。 潜伏期間は7~18日間です。
伝染性紅斑(りんご病)
伝染性紅斑ってどんな病気? ヒトパルボウイルスB19による感染 症です。 ほほが、りんごのように赤くなるため、 りんご病とよばれています。 発症前の時期の感染力が最も強く、発 疹がでてからの感染性は、ほとんどな いとされています。 家庭でのケアのポイント 熱がなければいつもの通りの生活で かまいません。 次のような場合、かゆみが強くなった り発疹が長引くことがありますので、 気をつけましょう。 【さけたいこと】 ・暑いお風呂に長くはいる。 ・運動でからだがほてる。 ・日光に長くあたる。 治療と受診のポイント 特別な治療はなく、かゆみどめなど症状 に応じた治療を行います。 次のようなときはすぐ受診しましょう。 ・高い熱がでたとき ・元気がなくなってきたとき ・かゆみが強くなったとき 発疹が出る前に微熱がみられることが あります。 成 人で は膝や 腰の 関節痛 もみ られま す。(特に成人女性で多くみられます。) 【ポイント】 ほほが赤くなるなどの症状が出た時に は、すでにうつる時期を過ぎているの で、原則として学校等をお休みする必 要はありません。 予防するにはどうしたらよいですか? ワクチンはありません。 どのような症状ですか? 顔 の両 ほほに 赤み の強い 紅斑 が出ま す。からだや四肢にも、レース模様の 赤い発疹が左右対称に出ます。かゆみ があります。 発疹は7~10日間で消えますが、温 度や日光の影響で再び出現することも あります。 妊婦とパルボウイルス感染について 妊娠中にパルボウイルスに感染すると、胎児に貧血が起こり、胎児水腫や流・死産をお こすことがあります。溶連菌感染症
溶連菌感染症ってどんな病気? 溶連菌(溶血性レンサ球菌)による感 染症です。発熱、のどの痛み、発疹な どがでます。 腎炎などの合併症をおこすことがある ので、抗生物質を約2週間のみます。 感染力の強い病気です。 家庭でのケアのポイント のどの痛みが強いときは、食べ物は口 当たりのよいものにしましょう。 感染力が強いので、きょうだいにうつ ることがあります。そのため、家族も のどの検査をして、薬を飲む場合があ ります。 治療と受診のポイント のどに溶連菌がいるかどうかは、簡易 キットによる検査で10分間くらいで わかります。 治療は抗生物質を10~14日間飲み ます。薬を飲むと1~2日で熱も下が り、のどの痛みもなくなります。しか し、薬を途中でやめると、再発したり、 腎炎などの合併症をおこすことがあり ますので、指示通りに最後まで飲みき ることが大切です。 どのような症状ですか? 38℃以上の発熱とのどの痛みが出現し ます。吐き気や嘔吐、腹痛がみられるこ ともあります。 小さな赤い発疹が首や胸から体や四肢に ひろがります。顔の発疹はくちびるの周 囲には出ず、口の周りが白っぽくみえま す。舌は赤くぶつぶつしてイチゴのよう になります(イチゴ舌といいます)。 合併症としては、腎炎、リウマチ熱、リ ウマチ性心疾患があります。 レンサ球菌感染後におこる病気について レンサ球菌による扁桃炎などにかかってから、2週間くらいたってから腎炎などの病 気を起こすことがあります。 ・急性糸球体腎炎:血尿、尿量が少なくなる、手足や顔がむくむなど ・リウマチ熱:心雑音、心拡大、関節炎、発疹など 先行する症状がはっきりせず、血尿などで気づくこともあります。 このような病気を予防するために、溶連菌による扁桃炎等の場合は、医師に指示され たとおりきちんと薬を飲ませましょう。 どのように感染するのですか? 鼻水やくしゃみなどの中にいる菌が 鼻やのどにはいることで感染するとさ れています。食品を介する感染を起こ すこともあります。 潜伏期間は1~3日間です。どのように感染するのですか? 患者のくしゃみやせきのしぶきによっ てうつる飛沫感染が主な経路です。 潜伏期間は1~5日(平均3日)です。