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58 山﨑晃司, 稲葉 修. ツキノワグマ斃死体の回収と剖検茨城県大子町の国道において,006 年 1 月 13 日夕刻に交通事故死したと推定されたツキノワグマ 1 個体を回収し, 茨城県自然博物館において体計測と同時に剖検を行った. また栃木県大田原市で有害捕獲された 1 個体のツキノワグマ情報に

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Academic year: 2021

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日本哺乳類学会

阿武隈山地南部(茨城県・福島県・栃木県)へのツキノワグマの

分布域拡大の可能性について

山﨑 晃司

1

, 稲葉  修

2 1茨城県自然博物館 2南相馬市立博物館 摘 要 ニホンツキノワグマの分布域の拡大が,東北地域など で認められている.阿武隈山地も例外ではなく,これま でに北部地域で分布が確認されている.今回,阿武隈山 地の南部地域においても,14 件のツキノワグマの生息情 報を得た.子連れのメスの目撃や,幼獣の死体確認があ ることから,同地への定着も示唆された.世紀に渡って 阿武隈山地南部でのツキノワグマの出現は途絶えていた ことから,同地での至急の生息状況の把握と,その結果 に基づく分布域管理が求められる. は じ め に

ニホンツキノワグマ Ursus thibetanus japonicus(以下, ツキノワグマと略)の分布域の年次変遷に関する全国規 模での調査は,1979 年と 2003 年に全国の 5 km メッシュ ごとでの生息の有無をまとめた報告が唯一のものである (日本野生生物研究センター 1980;環境省自然保護局生 物多様性センター 2004).その結果によると,2003 年 にはツキノワグマの生息区画率は,1979 年と比較して 33.1%から 38.8%と 5.7 ポイントの増加を示した.もっ とも生息区画率の増加が大きかった地域は東北地方で (10.1 ポイント増),1979 年には生息が確認できなかっ た福島県側の阿武隈山地の 3 区画においても,ツキノワ グマの出現が初認されたことは特筆すべき点であった. 阿武隈山地へのツキノワグマの出現情報は 1996 年に さかのぼり(稲葉 1998),1997 年には大舘町でオス成獣 の交通事故事例が報告されている(稲葉 1998).稲葉 (1998)はさらに,1996 ~ 1997 年の期間で主に阿武隈山 地北部地域での複数のツキノワグマ目撃情報をまとめて いる.これら情報のほとんどは,環境省自然保護局生物 多様性センター(2004)の結果には含まれていないが, 子連れの目撃情報などもあることから,1990 年代中頃に はすでに,阿武隈山地北部には複数のツキノワグマが定 着していた可能性が示唆される. 阿武隈山地の南端は,茨城県および栃木県に連なるが, この阿武隈山地の南部地域においても,1990 年代中頃か らツキノワグマの目撃情報が得られるようになり,さら に近年になり交通事故による斃死体や,出没個体の有害 捕獲事例も確認されるようになった.本論では,阿武隈 山地南部でのツキノワグマの確認情報を要約すると同時 に,こうした近年の本種のツキノワグマの分布域拡大傾 向についての管理対策上の課題についても検討したい. 調査地域と方法 調査対象範囲は阿武隈山地の南部地域としたが,ツキ ノワグマの移動に障壁となっていると想像される,磐越 自動車道路以南および東北自動車道路と常磐自動車道路 に挟まれた地域(茨城県,福島県,栃木県)とした. 1.ツキノワグマ生息情報の収集 下記による生息情報の収集を,1995 年から 2008 年に かけて随時実施した. 既存情報収集:これまでに阿武隈山地におけるツキノ ワグマの出没情報を,新聞記事や文献などから収集した. 聞き取り調査:通報があった場合や,既存情報収集に よって生息情報が得られた地点については,可能な限り 現地に赴いて関係者からの聞き取りを行った. なお,本論では,ツキノワグマの定着の有無までは判 断できなくても,目撃情報があった場所については暫定 的に「分布域」と定義した.

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2.ツキノワグマ斃死体の回収と剖検 茨城県大子町の国道において,2006 年 12 月 13 日夕刻 に交通事故死したと推定されたツキノワグマ 1 個体を回 収し,茨城県自然博物館において体計測と同時に剖検を 行った.また栃木県大田原市で有害捕獲された 1 個体の ツキノワグマ情報についての聞き取りを行い,計測記録 などを得た. 結     果 1.ツキノワグマ生息情報 1995年から2008年の期間に得られた阿武隈山地南部で のツキノワグマの生息情報は,合計 14 件であった(表 1). 生息情報には,後述する交通事故事例や有害捕獲事例も 含めた.それら情報地点を,環境省による同地域での 2003 年の分布域調査結果(環境省自然保護局生物多様性 センター 2004)と共に図 1 に示した.磐越自動車道路の すぐ北側にあたる福島県いわき市では,2003 年の時点で ツキノワグマの分布拡大域(3 区画)が確認されていた が(環境省自然保護局生物多様性センター 2004),今回 の情報収集により,磐越自動車道南側にもツキノワグマ 分布域が拡大していることが示された. なお,今回の調査期間には含まれなかったが,近世と 現代のツキノワグマ情報 2 例も得ることが出来た. 近世の事例は,茨城県大子町でのツキノワグマの捕獲 報告で,常陸物産誌・巻之二十一・獣之部(1818 年:文 政元年)に,同町の男体山において,1765 年(明和 2 年) に 9 尺(約 2.7 m)あまりのツキノワグマを鳥用の銃に より捕獲した記録が残っている(図 1 中 a).ツキノワグ マは久慈郡や多賀郡の山間部に出現するとされている が,奥山に分け入っても,ツキノワグマを見ることは希 であるとも記述されている. 現代での事例は,福島県塙町の八溝川源頭部近くの入 山国有林内において(緯度 36.944039,経度 140.309631: 図 1 中 b),1954 年 2 月 13 日に 60 ~ 68 kg(16 ~ 18 貫) のメスのツキノワグマを狩猟によりハンター 5 名でナラ 属(Quercus sp.)の樹洞で捕獲したものである(棚倉町 在住 金澤保友氏 私信).それまで塙町やその近辺でツ キノワグマが捕獲されたことはなく,またそれ以降もな かったということであるが,1950 年代初めに,キノコ狩 りの人がツキノワグマを目撃したという話があり,当該 ツキノワグマを捕獲した可能性について言及した. 2.ツキノワグマ交通事故死体 回収されたツキノワグマはメスの幼獣(推定 10 ~ 11ヶ 月齢)で,2006 年 12 月 14 日に,茨城県自然博物館にお いて計測と剖検を行った.体計測値を表 2 に示した.体 重 11.2 kg,全長 685 mm であった.皮下と腹腔には大量 表 1.阿武隈山地の南部地域で得られたツキノワグマ情報 年 月日 緯度 経度 県 地区 備考 情報源 通し番号 1995 不明 36.897661 140.311411 茨城 大子町 大久保線林道 足跡 聞き取り 1 1996 5 月 23 日 36.624936 140.613561 茨城 日立市 神峰鉱体 目撃(単独個体) 聞き取り 2 1999 不明 36.897733 140.304814 茨城 大子町碚石沢 平井養魚場 目撃・足跡 聞き取り 3 2000 不明 36.936653 140.266447 福島 棚倉町鹿ノ又 目撃(成獣とその仔 2 個体) 聞き取り 4 2006 2 月 4 日 36.940808 140.577844 茨城 北茨城市定波 足跡 聞き取り 5 6 月 26 日 37.106761 140.425250 福島 浅川町里白石関沢 足跡 新聞(福島民友)・ 聞き取り 6 6 月 26 日 37.266080 140.445181 福島 棚倉町山田 足跡 新聞(福島民報)・ 聞き取り 7 6 月 26 日 36.945644 140.512722 福島 塙町田代 足跡 新聞(福島民報)・ 聞き取り 8 6 月 13 日 37.154619 140.657139 福島 いわき市三和町上 市萱 目撃・足跡 新聞(福島民友) 9 11 月 6 日 36.876889 140.128111 栃木 大田原市堀之内 目撃 新聞・聞き取り 10 12 月 14 日 36.814039 140.368617 茨城 大子町川山  国道 118 号上 (0 才)メス交通事故斃死体 現認 11 2007 5 月 4 日 36.771210 140.453060 茨城 大子町小生瀬 足跡 聞き取り・現認 12 2008 4 月 21 日 36.876889 140.128111 栃木 大田原市鹿畑 目撃・養蜂場に 被害 聞き取り 13 5 月 7 日 36.854094 140.076294 栃木 大田原市鹿畑 有害捕獲個体オス 亜成獣 聞き取り 14

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の脂肪が蓄積していた.胃内に農作物や残飯などは認め られず,わずかに黒い液状の物体が確認されたのみで, 大腸内にはカマツカPourthiaea villosa種子が確認された. 3.ツキノワグマ有害捕獲個体 2008 年 4 月 21 日に,栃木県大田原市堀之内地区の養蜂 場にツキノワグマが出没し,設置された巣箱 14 箱の内, 4 箱を壊した.大田原市では有害捕獲用の罠 2 基を設置 したが捕獲は成功しなかった.5 月 6 日に,同市内鹿畑 地区のナシ園に隣接する養蜂場に再びクマが現れたた め,同日に有害捕獲罠を設置したところ,翌 7 日朝にツ キノワグマが捕獲された.オスの亜成獣で,捕獲関係者 による麻酔不動化後の体計測値は,体重 51 kg,全長 124 cm(尾長を含むかは不明),首囲 55 cm であった.こ の個体は捕殺されずに,民間のクマ飼育施設に搬送され た.歯根部セメント層を用いた齢査定は行っておらず, 正確な年齢は不明であった. 考     察 阿武隈山地南部でのツキノワグマの歴史的分布を再 現することは,今となっては困難である.しかし,常陸 物産誌での記述や,その中での大子町男体山での捕獲事 例からは,少なくとも約 200 年以前の近世頃までは,同 山地に分布していたことが確かめられた.ただし,常陸 物産誌での目撃事例が希であるとの記述や,捕獲事例も クマ撃ち猟師によるものではなく,鳥撃ち猟師が偶然捕 獲したことを伺わせることから,すでにこの時代にもツ キノワグマの生息密度は低かった可能性があった.また 福島県塙町での 1954 年のツキノワグマの捕獲事例も,同 地での初めてのツキノワグマ捕獲事例として記録され ていることから,近世以降現代まで,阿武隈山地南部で はツキノワグマの出現は極めて希であったことが示唆 された. 今回収集したツキノワグマの生息情報からは,環境省 自然保護局生物多様性センター(2004)の取りまとめで は,福島県側の阿武隈山地北側で認められただけであっ たクマの分布が,茨城県・栃木県側の阿武隈山地南端に も拡大していることが示された.また,それらの目撃事 例には,繁殖母体となり得るメス成獣(親子)の情報も 含まれていた.茨城県大子町での交通事故個体も,当年 生まれの幼獣で,通常この月齢時は母親と行動を共にし ているため,阿武隈山地南部でのメス成獣の存在を伺わ せた. 阿武隈山地南部へのツキノワグマの移入経路について は,捕獲個体などからの今後の遺伝的解析などを待つ必 要があるが,福島県側の阿武隈山地北部にまず福島県の 中央山地から分布が拡大し,その一部が南下して茨城県 図 1.阿武隈山地の南部地域で得られたツキノワグマ情報.丸印 は 1995 年以降に得られたツキノワグマの情報(情報番号は表 1 と対応).星印はツキノワグマの古い情報(a は 1818 年,b は 1954 年の情報).太実線は高速自動車道路,破線は県境を示す. 表 2.茨城県大子町で 2006 年 12 月 13 日に交通事故死したツキ ノワグマの計測値 標本登録番号 INM-1-000001(茨城県自然博物館) 性別 メス 齢級 幼獣 体重 11.2 kg 全長 685 mm 後足長ツメナシ 115 mm 尾長 30 mm 後足長ツメアリ 128 mm 首囲 320 mm 後掌長ツメナシ 90 mm 胸囲 420 mm 後掌長ツメアリ 105 mm 胴囲 490 mm 足底球 長 65 mm 腰囲 450 mm 足底球 幅 55 mm 頭囲 305 mm 掌球 長 60 mm 前肢長 200 mm 掌球 幅 55 mm 耳介長 内 80 mm 前掌長ツメナシ 80 mm 耳介長 外 80 mm 前掌長ツメアリ 90 mm 耳介長 幅 50 mm

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に達したことが考えられる.さらに,茨城県大子町の猟 師からの聞き取りでは,これまでのニホンジカ Cervus nippon の栃木県側から茨城県側への出現に関する経験か ら,ツキノワグマも隣接する栃木県方面から侵入をして いるのではないかという指摘があり(金澤 佑氏 私 信),こうした経路での移入も同時に起こっていた可能性 もある.こうした移入の先陣は,栃木県大田原市でのオ スの若齢個体の例が示すように,natal range からの分散 途中のオスが担っていた可能性もあったが,さらなる検 討が必要である.ツキノワグマの分散様式についての詳 細な報告はまだないが,アメリカクロクマ Ursus america-nus では,最近の分子生物学を用いた研究から,分散個体 が オ ス に 偏 っ て い る こ と が 確 か め ら れ て き て い る (Onorato et al. 2004;Costello et al. 2008).

阿武隈山地をはじめ,日本のいつくかの地域で起こっ ている最近のツキノワグマ分布域の拡大理由についての 明確な説明は,現時点ではなし得ない.しかし,ツキノ ワグマへの狩猟や有害捕獲による圧力の低減,中山間地 帯の過疎化高齢化による人間とツキノワグマを隔てる緩 衝帯としての機能喪失,人間生活空間周辺での取り残し 果実などの誘引物質の存在などが複合的に作用して(e.g.

Yamazaki 2004;Oi and Yamazaki 2006),ツキノワグマ分

布域の拡大を招来していた可能性があった.また,栃木 県の日光国立公園でツキノワグマに GPS 首輪を装着し ての研究結果からは,秋期の主要なエサ食物である堅果 類の不作年には,オスメス共に堅果豊作年の数倍から数 十倍の広い範囲を探餌に動き回ることが確かめられてい る(山﨑ほか 未発表データ).ツキノワグマは,エサ食 物の不足年にはこのような広範な土地利用を行うことに より,個々の生命の維持を担保している動物と考えられ る.こうした探餌のための長距離移動が最初のきっかけ となり,さらに移動先で前述のツキノワグマを取り巻く 社会的状況の変化などがツキノワグマの定着を許容する 背景にあることが,分布域の拡大を後押ししていた可能 性もあった.アメリカクロクマでの研究事例では,食物 の不足年には,個体間での排他的行動が活発になること が知られていると共に(Gilbert 1999),長距離を移動し て実りの良い土地を探すことが報告されている(e.g.

Garshelis and Pelton 1981;Rodgers 1987;Vaughan 2002;

Jones and Pelton 2003).また,アメリカとメキシコの国境

近くで行われたアメリカクロクマの研究事例では,干ば つ年にはクロクマは国境を挟んで長距離を移動し,移動 先にそのまま留まり新しい生息環境に定着することが報 告されている(Doan-Crider 2003). 今回の阿武隈山地南部でのツキノワグマの出現によっ て,同地が繁殖地としての恒常的な生息環境として捉え られるかについての判断には今しばらく時間が必要と考 えられた.しかしメスや幼獣の確認があることから,そ の可能性は高く,先見的なツキノワグマ管理体制の構築 が早急に求められる.特に阿武隈山地南部は,歴史的に はツキノワグマの分布の事実があったことが確かめられ たものの,地域住民や市町村役場は,世紀に渡ってツキ ノワグマとの付き合い方を経験しておらず,ツキノワグ マ管理についてはゼロからの出発となる点を考慮する必 要がある.福島県,栃木県については,行政区域全体で 見ればツキノワグマが分布しており,県レベルでの管理 施策には経験の蓄積があるといえるが,茨城県では管理 施策の実績がまったくない.まず早急に行わなければい けないことは,阿武隈山地南部でのツキノワグマ生息状 況のより詳細な把握と,それに基づく定着の程度の判断 であろう.その上で,今回の事例のように,歴史的な分 布はあったにせよ,極めて長い期間ツキノワグマの生息 が認められなかった地域へのツキノワグマの再出現にど のように対処するのか,地域住民との十分な合議を踏ま えた上で,適正な分布域管理という新しい対応が求めら れる. 謝     辞 茨城県大子町猟友会の金澤 佑氏と鈴木タケオ氏,茨 城県常陸太田市在住の益子伸一氏,茨城県大子町在住の 石井則雄氏,福島県棚倉町猟友会の高坂幸男氏,鈴木銃 砲火薬店の大谷裕一氏,福島県鳥獣保護員の金澤保友氏, 日立セメント株式会社遠藤昭一氏,栃木県自然環境課の 丸山哲也氏,大田原市役所農村整備課,独立行政法人森 林総合研究所の正木 隆氏からは目撃情報や死体回収で ご協力をいただいた.Texas A & M University の Diana

Doan-Crider博士にはアメリカクロクマの情報を提供い

ただいた.茨城県常総市在住の五木田悦郎氏には古文書 の読み下しでご指導いただいた.ここに謝意を表する.

引 用 文 献

Costello, C. M., Creel, S. R., Kalinowski, S. T., Vu, N. V. and Quigley, H. B. 2008. Sex-biased natal dispersal and inbreeding avoidance in American black bears as revealed by spatial genetic analyses. Molecular Ecology 17: 4713–4723.

Doan-Crider, D. L. 2003. Movements and spaciotemporal variation in relation to food productivity and distribution, and population dynamics of the Mexican black bear in the Serranias Del Burro, Coahuila, Mexico. Ph. D. thesis, Texas A&M University, Texas,

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104 pp.

Garshelis, D. L. and Pelton, M. R. 1981. Movements of black bears in the Great Smokey Mountains National Park. Journal of Wildlife Management 45: 912–925.

Gilbert, B. K. 1999. Opportunities for social learning in bears. In (O. B. Hilary and K. R. Gibson, eds.) Mammalian Social Learn-ing, Comparative and Ecological Perspective, pp.225–235. Cambridge University Press, Cambridge.

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Yamazaki, K. 2004. Recent bear-human conflicts in Japan. Inter-national Bear News 13(4): 16–17.

ABSTRACT

Possible expansion of Japanese black bear distribution in the southern part of the Abukuma Mts. (Ibaraki, Fukushima and Tochigi Prefectures), central part of Japan

Koji Yamazaki1,* and Osamu Inaba2

1Zoological Laboratory, Ibaraki Nature Museum 2Minamisoma City Museum

*E-mail: yamako@j.email.ne.jp

In recent years, expansion of Japanese black bear distribution has been confirmed in various parts of Honshu Island, particu-larly in the Tohoku region in Japan. The Abukuma Mts. is also not exceptional, with new distribution areas reported in their north. In this paper, we collected 14 cases of sighting and indirect information of bears in the southern Abukuma Mts. Because the data included a mother-cubs sighting and roadkill of a cub, we were suspicious that the bears have already become resident in the south-ern Abukuma Mts. Since bears have not occurred in the area over the last few decades, we urgently need to investigate the present status of the bear population in the Abukuma Mts., and should establish a range management plan with the consensus of the local people.

Key words: Abukuma Mts., Fukushima Prefecture, Ibaraki Prefecture, Tochigi Prefecture, Ursus thibetanus japonicus

受付日:2009 年 3 月 9 日,受理日:2009 年 5 月 26 日

著 者:山﨑晃司,〒306-0622 茨城県坂東市大崎700 茨城県自然博物館  yamako@j.email.ne.jp 稲葉 修,〒975-0051 福島県南相馬市原町区牛来字出口194 南相馬市立博物館

参照

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