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第2学年 公民科(政治・経済)学習指導案
日 時 平成28年◯月◯日(◯)第◯校時 対 象 第2学年自由選択 ◯名 学校名 東京都立◯◯高等学校 会 場 教室 1 単元名 金融のしくみと機能 (東京書籍『政治・経済』 東京法令出版『政治・経済資料 2015』) 2 単元の目標 ・ 金融機関、とりわけ、市中銀行が私たちの生活へ果たす役割を理解する。 ・ 金融政策の手段の概要について、説明できる。 ・ クレジットやローンを利用する上での自己責任や注意点をつかむ。 3 単元の評価規準 ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断・表現 ウ 資料活用の技能 エ 知識・理解 ① 金融機関の働きにつ いて関心を高め、金 融機関の役割につい て客観的に捉えよう としている。 ① 金 融 機 関 が 私 た ち の 生 活 や 景 気 変 動 に 与 え る 影 響 に つ い て 多 角 的 に 考 察 し、それを表現して いる。 ② 今 日 の 金 融 機 関 に 関 す る 課 題 を 見 い だし、その対策を多 面的・多角的に考察 し、表現している。 ① 金融機関を取り巻く 現状、課題に関する 諸資料を様々なメデ ィアを通して収集し ている。 ① 金融市場の仕組みや 中央銀行の役割や金融政 策 の 目 的 と 手 段 を 理 解 し、これらが消費や貯蓄 という私たちの生活や景 気変動に大きな役割を果 た し て い る こ と を 理 解 し、その知識を身に付け ている。 ② ローンやクレジット など日常生活におけ る金融の役割、融資に おける自己責任の原 則や契約の重要性に ついて理解している。2 4 指導観 (1) 単元観 高等学校学習指導要領第2章第3節 公民第2款 第3政治・経済 2 内容(2)現代の経済 に は以下のように記述されている。 現代の日本経済及び世界経済の動向について関心を高め、日本経済のグローバル化をはじめと する経済生活の変化、現代経済の仕組みや機能について理解させるとともに、その特質を把握さ せ、経済についての基本的な見方や考え方を身に付けさせる。 ア 現代経済の仕組みと特質 経済活動の意義、国民経済における家計、企業、政府の役割、市場経済の機能と限界、物価 の動き、経済成長と景気変動、財政の仕組みと働き及び租税の意義と役割、金融の仕組みと働 きについて理解させ、現代経済の特質について把握させ、経済活動の在り方と福祉の向上との 関連を考察させる。 本単元では、金融機関の仕組みをつかみ、金融機関と私たちの生活に、さらには景気変動に大 きな影響を与えていることに気付かせ、考察させることを重視する。今日の高校生も金融機関の うち、市中銀行を利用している生徒は多いが、預金や為替程度の利用である。しかし、4年制大 学や短期大学をはじめ、高等学校卒業後に進学した際、奨学金を利用する生徒もいれば、将来、 証券会社を介した投資、住宅ローンや自動車ローンといった様々な融資を利用する生徒もいる。 しかし、投資や融資に関する知識を有しないまま卒業を迎える生徒も多い。それゆえ、投資や 融資に関するトラブルの例がマスメディアに取り上げられることが多く、それらの知識を理解さ せることは重要である。本単元は家庭科や総合的な学習の時間でも取り上げられる単元でもあり、 高等学校学習指導要領解説公民編では、「クレジットやローンなど日常生活の中での金融の役割、 貸し手及び借り手の自己責任の原則や契約の重要性については、具体的に理解させるようにす る」と書かれており、実社会の例を示しながら授業を展開していく。 また、金融政策の学習においては、私たちの生活とはなじみが薄く、実態をつかみにくいと感 じている生徒も少なからずいる。そのため、金融政策の概要のみならず、金融政策が行われた際 の新聞記事を提示し、金融機関の金利がいかに変化したのか、該当年度の経済指標にどのような 影響を与えたのか、関係資料を提示することをはじめ、金融政策が私たちの生活に与える影響を 詳しく説明し、最新の金融機関の動向を生徒に対して、より身近な教材として実感できるように 授業を展開していく。 (2) 教材観 指導に当たっては、単元を通して、生徒にとって身近な事例を提示し、生徒の生活と関連が深 いことを意識させながら授業を進めていく。授業の際、必ずプリントを1枚配布している。教科 書、資料集に掲載されていないものの、授業で使用する資料を掲載するプリントのみならず、「本 時で分かったこと」をまとめさせること、また、「意見、感想」の記入欄を設けている。このプ リントは毎回の授業終了後、回収し、授業者が読み込み、意見や感想に対するコメントを記入し たうえで、次回、生徒に返却している。プリントを回収し、生徒の記述事項に目を通すことで生 徒理解を深めたり、生徒が授業者のコメントで自信を付け、少しずつ自分の意見を発言しようと する姿が見られたりするという効果現れているため、プリント学習を導入している。 また、ICT機器は書画カメラを適宜利用し、教科書や資料集、プリントで生徒が着目すべき 点を投影しながら解説している。とりわけ、グラフや図表の資料の見方や読み取りが分からない
3 という生徒の意見が多いため、資料を読み取る際の着目点を説明・指示することで、資料を基に 考えさせて、生徒に論理的な意見をもたせることを意図している。さらに、多角的な視点をもっ て資料を読み取るように指導し、その指導が思考力・判断力・表現力の育成となるように指導す る。生徒の思考の一翼を担うよう、様々な角度からの意見や考察を促す資料を授業で取り上げ、 それらの資料を比較・検討し、生徒自身が自らの意見として、まとめることができるように資料 選定・活用を図っていく。 5 年間指導計画における位置付け 2単位科目のため、年間70時間の配当となっている。1学期から2学期期末考査までは政治分野 の単元を学習してきた。2学期期末考査後から経済分野の単元の学習を行っている。2学期期末考査 後からの配当時間は以下の通りである。 月 単元内容(学習内容) 配当時間 2学期 12 現代の資本主義経済 ・資本主義体制の成立と発展 ・現代経済の特質 2時間 3学期 1 現代経済のしくみ ・経済主体と経済の循環 ・生産のしくみと企業 ・市場経済の機能と限界 ・国民所得と経済成長 6時間 2 ・金融のしくみと機能 ・財政のしくみと機能 日本経済の発展と産業構造の変化 ・経済再建から高度成長へ 8時間 6 単元の指導計画と評価計画 (4時間扱い) 学習目標 学習内容・学習活動 評価規準・(評価方法) 第1時 ・私たちの生活と金融 機 関 と の 関 わ り を 振り返り、金融機関 の 役 割 に 関 心 を も つ。 ・日本銀行の役割が分 かる。 【金融のしくみ】 導 入:日常生活における金融機関と の関わりについて確認する。 展 開:貨幣及び日本銀行の役割を知 る。また、市中銀行と日本銀 行との関わりをまとめ、金融 機関が私たちの生活に与える 影響を理解する。 まとめ:本時を振り返り、金融機関が 預金と融資をする間接金融の 在り方をまとめる。 ア‐金融機関の役割につ いて関心をもち、意 欲的に授業に参加し ている。 (ワークシート) エ‐①日本銀行の役割に ついて理解できて いる。 (ワークシート) 第2時 (本時) ・金融機関が融資する際 にどのような点を重視 【融資を受けるうえでの留意点】 導 入:市中銀行の役割を振り返る。 イ‐①融資する際に考察 する点を多面的・多
4 するか、考察し、グル ー プ の 意 見 を ま と め る。 ・ローンやクレジット を 利 用 す る 際 の 着 目 点 に 関 す る 知 識 を身に付ける。 展 開:銀行員になったと仮定し、顧 客から融資を申し込まれた場 合、融資が可能か、また、融 資の優先順位について考察す る。 まとめ:授業の振り返り、融資の可否 を決定する際、その際の留意 点をまとめる。また、ローン やクレジットを利用する際の 注意点をまとめる。 角 的 に 捉 え 、 説 明 できる。 (観察・ワークシー ト) エ‐②ローンやクレジッ トを利用する際に 着目する点に関す る知識を身に付け ている。 ( 観 察 ・ ワ ー ク シ ート) 第3時 ・金融政策の目的と手 段を理解し、金利や 景 気 変 動 に 大 き な 役 割 を 果 た し て い ることをつかむ。 ・金融政策の統計の特 徴を読み取る。 【金融政策と金融の自由化】 導 入:金利が私たちの生活に与える 影響を考える。 展 開:金融政策の手段について知り、 そ れ ぞ れ の 政 策 の 実 施 に よ り、金融機関の金利がどのよ うに変化するか、確認する。 また、金融政策がローンの金 利を上下させることを読み取 り、また、それが私たちの生 活にどのような影響を与える か、理解する。 まとめ:授業を振り返り、2000年 代初頭のゼロ金利政策が与え た影響をまとめる。 エ‐①金融政策について 理解している。 (ワークシート) ウ‐①金融政策の統計を 読み取り、その特徴 を読み取ることがで きる。 (観察、ワークシー ト) 第4時 ・バブル経済の崩壊に より、金融機関が巨 額 の 不 良 債 権 を 抱 え る 原 因 に つ い て 理解し、今日の金融 機 関 を め ぐ る 課 題 の対策を考察する。 【金融をめぐる環境の変化】 導 入:バブル崩壊後の金融機関の破 綻があったこと、金融機関を めぐる問題点を把握する。 展 開:金融の自由化が行われたこと、 海外の金融機関との関わりが 強くなってきたことを知る。 また、ペイオフ解禁や量的緩 和が私たちの生活に与える影 響について、考察する。 まとめ:授業を振り返り、金融機関と のよりよい関わりについてま とめる。 イ‐②金融機関をめぐる 課題の対策を考察 している。 (ワークシート)
5 7 指導に当たって (1)書画カメラを用いて、資料の着目点をスクリーンに映しながら丁寧に説明する。 (2)プリントは毎回の授業終了後提出できるよう、意見や説明をまとめる時間を確保する。 (3)グループ学習では、主体的に意見を発表させるため、一人一人が発表する時間を設ける。 8 本 時 (全4時間中の第2時間目) (1)本時の目標 ・金融機関が融資する際にどのような点を重視するか、考察し、グループの意見をまとめる。 ・ローンやクレジットを利用する際の着目点に関する知識を身に付ける。 (2)本時の展開 学習内容・学習活動 指導上の留意点 評価規準 導入 7分 ・出席確認 ・既習事項を復習する。 ・バブル崩壊後、金融機関が貸し 渋りを行ったことが社会問題と なったことをつかむ。 ・本時のねらいを把握する。 ・預金と融資、利子の関係につ いて、生徒に発言させる。 ・貸し渋りに関するグラフを提 示し、貸し渋りの概要を端的 に説明する。 展開 35 分 ・自分の意見を考える。 ・グループ(1班3、4名、計4 グループ)に分かれ、グループ 毎に机をまとめ、意見をまとめ る。 ・ワークシートを配布する。 ・他の人と相談せず、自分の意 見をワークシートに記入する よう、指示する。 ・グループ協議の手順を説明 し、手順に沿って話し合うよ う、指示を出す。 1.それぞれのグループで順番 を決める。 2.一人一人の優先順位や理由 を発表する。 3.グループ毎に意見をまとめ る。 ・机間指導を行う。 イ‐①融資する際に考 察する点を多面 的・多角的に捉え、 説明できる。 (観察・ワークシート) あなたは ㈱ 若葉銀行の融資課に勤務する銀行員だったとします。 あなたは次の4人から融資をお願いされたとき、誰に融資できますか。 その可否を考えましょう。また、融資の優先順位や融資を受ける際の着 目点を考えてみよう。 融資の業務を行う際の注意点を考えよう。
6 ・各グループ協議の結果、金融機 関が融資する際のポイント、顧 客としてローンを受ける際の着 目点を発表する。 ・バブル崩壊後に金融機関を取り 巻く問題が起こった背景とその 対策、ローンやクレジットを利 用する際の着目点をつかむ。 ・発言内容を板書する。 ・以下の点を説明する。 1 提示した銀行が株式会社 であることを再提示し、返 済が見込めない顧客には 融資できないこと。 2 自分であればローンを受 ける際には所得に対する 返済比率、連帯債務者の有 無といったことに着目す ること。 3 バブル期には積極融資を 行ったこと、その結果、不 良債権が発生したため、貸 し渋りが発生したこと。 エ‐②ローンやクレジ ットを利用する際 に着目する点に関 する知識を身に付 けている。 (観察・ワークシート) まとめ 8 分 ・授業を振り返り、プリントに所 謂、「貸し渋り」が多発した原 因や本時の感想等を記入する。 ・貸し渋りが多発した原因につ いて、授業を振り返り、ワー クシートに記入するよう、指 示する。 (3)板書計画 融資を行ってみよう。 ~金融機関を取り巻く問題の背景を考 察する~ ○各グループの協議結果 (融資の優先順位) 支店 A B C D 福井 野中 夏目 樋田 備考 金融機関の融資=利潤を増やす バブル期・・・積極融資 →バブル崩壊後 ・・・不良債権金融機関の 破綻の発生 <金融機関の対策> 貸し渋り、貸しはがしの発生 ロ ー ン や ク レジ ッ トを 利用する際の注意点 ・所得に対する返済比率 ・連帯債務者の有無