科 目 詳 細
科目 教科及び教科の指導法に関する科目(中学、高等学校 理科) 施行規則に定める科目区分 化学 教員の免許状取得のための 必修科目/選択科目 選択必修科目 科目名 基礎化学I-b 英文科目名 Basic ChemistryI-b 開講期 前期 学年 1年 区分 専門教育科目 コース 必選 選択必修科目 単位 2単位 教員名ヨミ イクトク タロウ 教員名 幾徳 太郎 授業形態 単独 学修目標・学修内容 物質に対する基礎的理解を深めることを目的とし、大学が定めるところの教育目標の分類と しては(c)および(g)にあたる。高校では化学を履修していない場合もあるので、高校での学 習内容を確認した上で、原子の構造、元素の周期律をはじめ、物質のもつ物理的、化学的性 質に密接にかかわる化学結合や分子構造、気体の性質を取り扱い、関連する専門科目を学習 するのに有用な知識を与える。 学修成果 [1] 元素、原子の概念を理解し、モルおよび原子量に基づく計算ができ、原子構造と電子軌 道について説明できる。(c、g) [2] 化学結合の種類と分子や結晶の形成と構造について説明できる。(c、g) [3] 理想気体と気体分子運動論を理解し、分子の平均速度や状態方程式に基づいた計算がで きる。(c、g) 履修条件、他科目との関係 高校で化学を履修し、高校レベルの化学をかなり理解している学生を対象とする。 授業形式、形態 通常の講義形式で実施。特に座席指定はしないが、液晶プロジェクタ、OHP、ビデオ等を使用 する場合もあるのでなるべく前方に着席すること。 成績・評価 項目 割合(%) 項目詳細 試験 70 期末試験を実施(前期に学んだすべての範囲、試験後、 正答を解説する。) 小テスト 20 毎時限行う、前回の内容についてのテスト(試験後、 正答の説明をする。)レポート プレゼンテーション 成果 その他 10 課題や復習問題などの提出を課す。 備考 【評価対象と割合】 「到達目標」欄に挙げた[1]~[3]のすべてが必須学習項目として評価対象となる。各項目の 「評価方法と基準」はほぼ同じで、成績評価の重みは授業時数に比例して[1]が約 50%、[2] と[3]が約 25%となる。 【評価方法と基準】 「演習またはレポート」と「期末試験」の二つに大別する。「評価基準」は、[1]~[3]の全 項目について、演習・レポートの評価を 30%、期末試験の評価を 70%の配点割合とし、合計 点で 60%以上を合格とする。したがって、各項目毎の配点割合は、演習・レポートは[1]が 約 15%、[2]と「3」が 7.5%、期末試験は「1」が約 35%、「2」と[3]が約 18%となる。ただし、以上 の配点割合や実施方法は担当教員により異なることがある。また、期末試験は、特に達成度 が低いと見られる場合は、再試験を行うことがある。ただし、出席回数が2/3以上ない場 合は原則として単位を認めない。 課題、レポート提出 課題や復習問題などの提出を課すことがある。課題や復習問題は次の授業で提出する。なお、 提出された課題や復習問題は採点、添削したうえ、次の授業で返却する。 学修上のアドバイス 大学の化学と高校の化学で扱っている項目自体に大きな違いはない。大学で学ぶ化学の特 徴は、高校までの化学では覚えるしかなかった事項が、「なぜそうなるのか?」について一段 深い内容を教える点である。 そのため一見難しくてわからないという感覚を持ちがちだが、化学の極めて基本的な項目 を扱っているのに過ぎないので、そうした先入観にとらわれないようにして欲しい。内容は、 高校の化学や物理を学習していれば、十分に理解できるものである。諦めずに根気よく勉強 すれば、「暗記の化学」から「考える化学」に変わることで世界観も変わっていくであろう。 推薦図書にも挙げたように、最近では高校化学の内容を気楽に読める工夫をした本も多く 出版されている。高校での化学の理解に自信のない項目であっても、授業と並行しながら自 習していけば、大きく飛躍できるので頑張ってほしい。高校化学の基本も含め、自分で勉強 してもよくわからない場合は、担当教員に直接質問して欲しい。 教科書 書 名 化学通論 著者名 吉岡甲子郎著 出版社 裳華房 授業参考図書 ※授業の参考になる教員指定の図書 で、 図書館で閲覧や借りることができる 書 名 新しい高校化学の教科書 著者名 左巻健男(編著) 出版社 講談社 ブルーバックスのなかでも売れ行き好調な高校理科教科書シリーズの化学編。教科書とはい っても、「理系でも文系でもすべての高校生に読んでもらいたい」と銘打って、「化学を勉 強せずに工学部に入った大学生」向けに「読んで面白い」をモットーに書かれており、高校
化学の内容を気楽に読むことができる。 書 名 これだけはおさえたい化学 著者名 井口洋夫・木下寛・斎藤幸一 出版社 実教出版 高校の化学を復習しながら基本を押さえるのに適したテキスト。 書 名 【新版】元素ビジュアル図鑑 著者名 三井和博(監修) 出版社 洋泉社 元素単体や元素の含まれる鉱物を美しい写真で紹介しながら、宇宙での元素の形成過程電子 軌道、電子雲、電子と周期表との関係、および各元素の実用価値などを解説した、化学の入 門書としても使える図鑑。 履修上の注意 各担当教員が指示する。授業は第 1 回の内容からの積み上げになるので、第 1 週の授業から 出席すること。初期の授業を欠席した場合は、担当教員と相談して補習などの対策を取るこ と。 高校化学の基本や発展的内容と重なる部分も多いので、高校化学の範囲で対応する内容を 見直すだけでも十分であるから予習に努めること。新たに学んだ内容は繰り返すことで自然 と身につくので、重点的に復習すること。 下記の授業計画は標準的な例を示した。担当教員の方針や学生の理解度により講義する順 序や進度が変更になることがある。復習問題以外に、講義でも小テストや演習を行い、学生 の理解度をチェックしながら進める。 授業計画 回数 学修内容 学修課題 第 1 回 ガイダンスでは、人間生活の中での化学の役割に ついて言及し、今後の授業の進め方を伝える。高 校の化学系の科目で扱う物質の構成粒子や物質 量について理解状況を確認した上で、(1) 物質と 原子、元素 (2) 陽子、中性子、電子の性質、(3) 物質量と 原子量の概念ならびに原子構造の研究 (連続スペクトルと 原子スペクトル)について 現代の視点も加味して学習する。 事前学修 自分の学習計画を立て、原子の構造について調べ ておく。授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義で行った演習問題をもう一度回答しなおす。 課題が出された場合は、その解答を次の授業で提 出する。 第 2 回 高校化学で学ぶ原子の構造について、さらに(1) 黒体輻射、(2) 光電効果と光の二重性などの現象 や(3)水素原子のボーアモデルなどの仮説を通 して、(4)量子数と電子の軌道エネルギー、(5) 電子のエネルギーと光の輻射とが関係づけられ ることを学習する。 事前学修 原子の構造に関してあらかじめ調べておく。授業 の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。
第 3 回 電子の持つ性質のうち波動性を考慮した(1) 電 子の波動性と波動方程式で、量子力学の誕生につ いて概観し、それを基に(2)量子数と電子の軌 道の種類、(3)電子の軌道と電子雲、(4)電子雲 の種類と軌道名などを学習する。 事前学修 原子の構造に関する歴史的な実験および現在考 えられている原子構造について調べておく。授業 の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 4 回 多電子系について(1)pauli の排他原理と多電子 系の軌道のエネルギー準位を基に、高校の化学で 学ぶ電子配置や元素の性質が電子軌道と関係し ていることを(2)原子の電子配置と電子配置図、 (3)元素の周期律と電子の軌道を通して学習す る。 事前学修 電子軌道と電子配置について調べておく。授業の 進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 5 回 高校の化学の周期表で学ぶ(1)元素の種類と従来 の分類(典型元素、遷移元素、内部遷移元素など) について理解度を確認した上で、(2)電子の軌道 と電子ブロックによる分類との関係や 88 元素の 実用性および(3)元素の種類と人間生活での役 割を学習する。 事前学修 電子の軌道と原子の性質の周期性について調べ ておく。授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 6 回 融点や沸点の他に、イオン化結合や共有結合など の化学結合と関係の深い(1) 元素の性質(イオン 化ポテンシャル、電気陰性度、原子半径など)に 見られる周期性や(2)原子半径と元素の性質の 関係などにつて学習する。 事前学修 原子の性質の周期性と周期表について調べてお く。授業の進と周期表について調べておく。授業 の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 7 回 高校の化学で学ぶ元素といろいろな物質(単体、 化合物、混合物)、化学結合(イオン結合、共有 結合など)についての理解度を確認し、自然界に 存在する様々な物質の化学式とそれから求めら れえる式量や分子量について学習する。 事前学修 いろいろな物質と化学結合、いろいろな化学反応 について調べておく。授業の進行に応じて確認の 質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 8 回 第 1 回~第 7 回までの講義の補足と復習ならびに 演習 事前学修 第 1 回~第 7 回までに学んだ項目を復習してお く。授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 演習でできなかった問題をもう一度解答しなお す。 第 9 回 いろいろな化学反応(中和反応、酸化還元反応の ど):反応式の表記、反応前の物質と反応後にお ける物質量の関係、水溶液における反応式とモル 濃度について学習する。 事前学修 いろいろな化学反応式と物質量との関係につい て調べておく。授業の進行に応じて確認の質問を する。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。
第 10 回 化学結合(イオン結合、共有結合など)は既に高 校で学んでいるが、さらにイオン結合では(1) イ オン結晶の結晶構造、(2)イオン結合と格子エネ ルギー(ボルンハバーサイクルなど)について、 また、 共有結合や配位結合では、(1)共有結合と分子や 結晶の構造、(2)共有結合と分子軌道(結合性軌 道、半結合性軌道など)について学習する。 事前学修 イオン結合と共有結合の違いについて調べてお く。授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 11 回 配位結合における配位数や、錯イオンなどについ ては高校で学んでいるが、さらに:(3) 配位結合 と分子軌道、(4)結合エネルギーと物質の化学エ ネルギー、金属結合と金属結晶:(1)金属の性質 と自由電子、(2)金属結晶とブラベー格子などに ついて学習する。 事前学修 分子軌道と結合エネルギーについて調べておく。 授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 12 回 分子間結合:(1) 電気陰性度と分子分極、(2)極 性分子と無極性分子、(3)分子間力と分子結晶、 などの理解を確認した上で、結合力の原因となっ ている電気双極子や双極子モーメントによる引 力と距離との関係について学習する。 事前学修 分子間結合や結晶構造の種類について調べてお く。授業の進行に応じて確認の質問をする。 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 13 回 高校で学ぶ物質の3態と相の変化について、 (1) 気体、液体、固体の 3 つの状態と自由度と相律、 (2)温度による状態の変化につて学習する。ま た、気体では(1) ボイル・シャルルの法則 (2) 理想気体と理想気体の状態方程式などの理解度 を確認し、束一性と気体分子運動論の考え方につ いて学習する。 事前学修 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 14 回 気体:(4) 気体分子運動論(速度分布、分子の平 均速度)(5)気体の運動エネルギーと圧力、温度 の物理的意味、気体の温度と平均速度に関して学 習する。 事前学修 事後学修 講義の例題と類似した問題を練習しておく。課題 が出された場合は、その解答を次の授業で提出す る。 第 15 回 第1回~14 回までの講義の総まとめと期末試験 事前学修 第1回から 14 回までの講義で学んだ項目を復習 し、試験に備える。 事後学修 今後のために、試験でできなかったところを復習 する。 備考