琿学 療 法 学
第30巻 第6号
335
〜
342頁 (2003年
)原
著
心 臓 外 科
手
術
後
の
肺 活
量
の
回
復
に
つ い
て
一
経 時 的
変
化
と イ
ンセ
ンテ ィ
ブ
ス パイ
ロメ
ー
タ
の効 果
*高 橋 哲
也
1)2〕奈
良
勲
2)有 薗 信
一
1>熊
丸 め ぐ
み
1)小 笠 原
マリ
コ・
ス エリ
ー D
安 達
仁
3)金 子
達 夫
4)大 島
茂
3)谷
口
興
一
3) 要 旨本 研 究の 目 的 は
,
心 臓外 科 手 術 後
の肺 活 量
(
SVC
)の経 時 的
回復 と
,
SVC
回復 関連 因 子 を 明
らか
にす
る こと と,
イン セ ンテ ィプス パ イロ メー
タの使 丿.
ll
がSVC
の 回 復 に 及 ぼ す 効 果 を 明 ら か に す るこ と である。
対 象
は胸 骨
正中 切 開 術
によ る 心臓
血管 外 科 手 術
を受
け た 患者
120
例 と し,
60
例 は 研 究⊥に.
他の60
例 は研 究
2
に参 加
し た、
、
研 究
1
で は,
心臓 外 科 手 術 後
にSVC
の経 時
的 囘復
を 連 口 測定
し,
SVC
同復 関
連 因 子 を検 討
し た。研 究
2
で は無 作 為 化
比較 対 照 試 験
を採 用
し,
インセ ン テ ィプスパ イロ メー
タを使
用 し た 群(
IS
群 ) と
しな
い群 (
C
群 )
に分 け
,
そ
の効 果 を比 較 し
た。手 術 後
1
日目
の平 均
SVC
値
は手 術 前
のSVC
値
の約
48
.
0
%
に低
下 し,
壬 術 後
1週 問
で72
.
1
%
,
手 術 後
2
週 間
で80,
6
%
,
手 術 後
3
週 間
で8
&5
%
と3
週 間
経
過 して も手
術前
の値
に 戻 らず
,
手
術前 値
との 問 に有
意 な差
を 認め た。
年
齢,手
術 状 況,手
術様 式
,性
別,喫
煙の有 無
な ど で はSVC
の同復 率
(%SVC
)
に は影響
し な かっ た が,
手
術前
のNYHA
の分 類 で は ク ラスH
とク ラ ス 皿 の間
に有
意 な 差 を認
め た。
ま た,
手 術 後
に起 立・
歩行
自 立 まで に要 し た日数 と手
術後
5
日以降
の%
SVC
との閲
に負
の相 関 関 係 を認
め た。研 究
2
ではIS
群
とC
群
の問
に%
SVC
の回 復
や呼 吸 器 合 併 症
発 症
に有 意 な差
は認
めず
,
イ
ン セ ンティブスパイ
ロ メー
タ の使 川 が
SVC
の回復
に及
ぼす 効 果
は認
め られ
な かっ た。
キー
ワー
ド心
臓外 科 手 術
,肺 活 量
, イン セ ンティ ブ スパ イロメー
タ は じ め に胸 骨
正中切 開術
に よる心臓 外 科 手 術 後
は創 部
の痛
みや胸 郭
可動 性
の低
ドに より呼 吸 機 能
が低
ドす
る。
また,
手
術後
は仰 臥 位
を 強い ら れ ること で機 能
的残 気
量 が低
下 し*
Recovery of VEtal Capacity afしer CardLac Surgery:Recovery
Trend and the Effectiveness of Incentive SplromeLry
1 ) 群 馬 県立心臓血管センタ
ー
心 臓リハ ビ リテー
ション室 〔〒371−
ooo4 群 潟 県前ntT1
]亀 泉 町 甲 3−
12 )TetSUya TakahaSh耻
,
RPT、
MSC「
Shin−
iChi iXrizono、
RPT、
/{egumiKumamaru
,
RPT,
Mariko Sucly Ogasawara,
RPT二Dn,
ision of ⊂:ard 且acRehabilitaLion
.
Gunma
PrefecturaL
Cardiovas〔:ular
CenteT
・
2)広 島大学 大学 院 医 学 系 棚 究 科 保 健 学 専 攻Isao Nara
,
RPT.
PhD HeaLth S⊂lence Major,
GraduaLe Schoelof
Mcd】cal
ScJence
,
Hiroshima
UnLvers且しv
3) 群馬 県立 心 臓 血管センタ
ー
循環器 内科HitoshL Adac li
,
MD,
Shigeru Oshlma.
MD,
Kc}uichi Taniguchi、
MD DL丶
・
lsKO【1 〔}[Cardielegy,
Gunma Prefectilra]Gnrdi{.
)vascularCenter4 ) 1司
・
d・
臓rrlt管 タト科Tatsuo Kaneko
,
MD・
Divislon of Cardlovascular Surgery,
GunmaPrefectura且CardiovascuLar Cen匸er
〔受付1
.
[ 2003年2月201r/」
受理1.
「 2003年5月171−
1〕 たり
1),
人1
:呼
吸器
装着
や麻 酔
な どの影 響
か ら呼
吸機 能
が 低 ドす
る 2)。し
かし
,
実 際
に心 臓 外 科 手 術 後
に どの程
度 呼 吸 機 能 が 低 下 す
るかを調
べ た先 行研 究
は少 な く
,
ま
た, そ れ ら先 行
研究
の ほ と ん どは1970 か ら1980
年
代
の 研究
で あ る3−
7)。
手
術後
の呼
吸 機 能の回復
と し て代 表
的 な報
告にAli
ら3)の報 告 が あ る。
Ali
ら は,
上 腹部 外 科
手 術
,
下 腹 部 外 科 予 術
,
開 胸 術 な
どの手 術 前 後
の肺 活 量
の変 化
を経 時 的
に測 定
しており
,
特
に開胸 術 後 (
A
−
C
バ イパ ス術
2
名
,
僧 帽 弁 置 換 術
3
名
,
僧 帽 弁
の交 連
.
切
開術
1
名
,
内 胸 動 脈 心 筋 内 移 植 手 術
[
ヴァインバー
グ法 ]
ユ名
)は肺 活 量
が約
40
%低
下 し,
その後
1週 閭で手 術 前
の約
80
% まで 回復
した と報 告
し てい る。
し か し,
Ali
ら の報 告
で は開 胸 術 後
の対 象 患 者 数
はわず
か7
例
であ り
,
さ らに開 胸 術 後
患者
全例
に24
時 問
以 ヒの手 術 後
人 工呼
吸 器管
理 が 行 わ れて い た。
19
.
90
年 代
に始 まっ た常
温開
心 術 は 従 来の低体
温手
術 に 比べ て,
冷 却
,
加
温の時 間
が省
け る た め に 体 外 循 環 時 間 が 短 縮 し,
ま た,
体 外
循環
か らの ウ イニ ング が容 易
で手 術 後
の呼
吸管
理 時 問 が 短 縮 されている
現 在
多
くのJ
合,
乎
術 後 可 及 的1〒L期 〔少 な く と も24
時 間 以 内) に人]二呼 吸 器 を 離 脱 する こと がで きるた め
,
Ali
らの 】F
“
!,1一
を現 在
の状 況
と単 純
に比 較 す
る ことは で
き
ない。
さら に近 年
,
心 臓外 科 乎術
で は,
通 常の胸
骨.
rL中 切 同{・
「1」.
で はあるが 人工心 肺 を使
用 し ない冠 動 脈バ イパス ィ
4j
OPCAB
〔off pump c〔,ronary arterybypass
grafL
surgery )や,
い わ ゆ る低
侵襲 外 科 手
術M
エcs
Cminimally
illvasivCI
c”
irdinc surgcry)
と よはれる よう
な
,
小
さい皮
.
.
ド切開
で人
工心 肺 装 置 を
Hl
いな
い 冠勁 脈
バイパ ス 術
MIDC
へB (
mlllimallyinvasive
direc
し coro−
llary artery
b
>,
pass.
) や 人.
.
1
.
レひ肺
装11耄は 用L・
1る が 小LJJ開
で の
弁
膜 症 な どの手
術 が行
わ れるよう
にな り,
以前
と は手 術
の身体
へ の侵 襲 度 合
いが 異 な
っ てい70,、 これら手 術
の低 侵 襲 化
や手 術 後 管 理
の進 雰
に よっ て,
手
1
[
∫後 早 期
か ら覚 凸⊥させ て も循
環 動態
を汝 定
させ る こ とが]1」.
能となっ たこ と か ら,
少 量フェ ン ダネス ト 〔大7
の鎮冂」泉を 使 用 し ないた めに手 鋪 後 覚 酎 が 早い }の 使 用 が一
般 的 と な り つ つ あ り8早
期韻
床 も 可 能に なっ て い る こと か ら も,
手 術 後
の叮 吸 機 能
の同 復
を現 有
の手 術 状 況 下
で島
「
価 す
る 必 要 性 が あるc近
年
,
手
補 後の管
理 が進
歩 し, 早期
離床
が定着
した こ と も あ り,
・
般 的 に 心 臓 外幵 手
術 後 は 人 工呼
吸 器 誰脱 後
の叮
吸器
/,
併
症の発 症 は 少 な く1・
)1,
,
その 後の リハ ビリテー
シ ョ ンを 妨 け
る ほ どの合 併 痒
には老 展
しな
い 1〔〕:qH lし
かし
,
欧 米
の ガ イ ドライン [Lt にも示
さ れてい る よう
に,
臨床
1’
IJに は未
だ に呼 吸 器合 併
症 予防
の た め に イ ン セ ンティブスバイロ メー
タが使
用 さ れてい る傾 向
にあ
る。 于 術 が呼
吸機
能へ 及 ぼ す影 響
は手 術
の術 式
に よっ て貝
な る2 :1 こ と か ら.
ガイ ドライン を採
川 す る か ど う か はf
’
術 式
によっ でP
重に岡断
さ れ るべ きで あ る,
ま た,
現在
まで,
イ ン セ ン ティブ スパ イロ メー
タ の使
用が,
手術 後
の叮 吸 機 能
に 及 ぼす 影
郷 につ い て1
「;人 を対 象
にし
て検 け
し た 研究
は なく
,
対 象
者の年 歯
I」や玖適 憾 戊
,
体組 成
,
手
術 後の リハ ビリテー
ショ ンな ど が 異 な る 欧 米の ガ イ ドラ インを その ま ま 受 け 入 れ る こ と は で き ない。
本 研 究
のEl
的は,
欧米
の ガ イ ドラインに倣っ た インセ ン テ ィブ スパ イロ メー
タ の使 用 が 心 贓 外 幵 千 術.
後の 呼 吸桟 能
の回復
に及
ぼす 影 響
につ い て検 討
す るこ と と し,
ま ずは,
心 臓 外科 手 術 後
の呼
吸機 能
の 回復
につ い て の基 本的特 徴
を把 揖 す
るため に,
心 臓外 利
.
9・
術 後に呼 吸 桟 能 〔肺 活 量
) を経 時 的
に計価
し,
肺 活
皐の 回復 関
.
連因
.
子の臨 床 的特 徴
を検
Ilj
した。
そ し て,
その後に無 作 為 化 比 校 対 照 試 験 を 用いて イン セ ンテ ィブスパ イロ メー
タの 使 川 が 心 臓外 利
手 術 後の呼 吸 機 能の 回 復 に 及 ほ す 効 呆 につ い て検 討 し た、
方
法
].
酬先
デ ザ イン 研 究 ⊥で は,
縦 断 捌 无 と して心 贓 外 科 手 術 後の 肺 活 量.
の 茄[T
」的 回復
を 連1
二[i・
jlll
定
し,
肺 活
量 回復 関
連因 子
を検 討
し たtt 研 究2
では無 作 為 化
比較 対 照 試験
を採 用
し,
イン セ ン テ ィブスパ イロ メー
タを使
用した 群 としない 群ド分
け
,
そ
の効 果 を比 較
,
倹
b・
J
した
、
2
.
ヌ」家
対 象
は 当 院 で胸 骨
.
lii「.
1
.
i LJ丿開
補 に よ る 心1
)ift [lll
コ
外 科 手
isltJ
’
を 受 け た 患者
と し た。
全 例1
寸機 手 術 者
で狭
心症 や心筋 梗
穴を急 性 発 症 し紮
忍手 術
にな
っ た症 例
や動 脈 内
バ ルー
ン パ ン ピン グやカ テコ ラ ミンが必 要 な
ほ ど不 安 走 な状 態
で 入 院 し,
集
中 治療
至で手
術 を待
っ ていた よう な 患 者は対象
に含
ま れ ていない。
ま た 対象
か らの除外 事
項 は 以 下の と お り と した。
手
術後
にIlmfll によ るシ ョ ッ クな ど 重 焦 な 心 合 併 疔 を 発 疔 し たJ
合.
24
町 問 以 上の長 期 人 工 呼 吸器 嬰 着
,
神 経 学 的
症状
の発現
,
何
ら かの理由
で予 補 後 再
開胸
を余 儀
なく
さ れ た場 合
。
ま
た,
手 術 前
か ら呼 吸 器疾
患 を有
したも
の,
中枢 神 経 障
吉を有
したも
の はあ
ら か じ め 除外
し た。
全
ての対 象 者
に は手
彳勧
「∫か ら,
木
研究
の 凵 由方 法
,
利 益,
リス ク な ど を 説 明 し同 意 を 得 た。
特 に于 術 前
の1,
兇明
で は,
当
1
’
で の档
:菅
らの研
究で,
手 術 後
の インセンテ ィ ブス パ イロ メー
タ を 川い た1
呼
吸 理学 療 法
で は呼
吸器 合 併
症 予防
に対
して早 期 離 床
に付 加 す
る効果
は少 な
い ことが 示 さ れ
てい る こ と,
ま
た,
欧 米
の ガ イ ドラ イン に は,
イ
ンセ ンテ ィブスパイ
ロメー
タ使 川
に関 す
る 記 述 か あ る もの の.
同ロ寺に 器 具 を 用いないで行 う
深呼
吸 は インセンテ ィブス パ イロ メー
ダ を 使 用 した と き と 「1
様
の呼
吸 器剞
li
丿下の改 善や予 防 功 渠 が あ る との 記 述 が あ る ことを説 明
に加
え た/
tイ]廾
究
1
の対 象
は心 灯
戯
lllL官外 科
r
一
術
を受 け
た患 者
60
例
で あ る一’
1
均年
齢65
.
5
±9
.
7
〔34
−
88
)歳
,
男 性
42
例,
女性
18
例,
冠動 脈
バ イパ ス術
29
例,
弁 置 換 何
26
例
,
心 房 中 隔欠損
閉鎖 術
4
例,
心 膜 」
り除 循
1例
であ
っ たtt冠
動 脈バ イパ ス術の う ち 人 1:心 肺 を 用い た場 合 (CABG
) は21
側,
人 [/心肺
を 用いない場 合 〔OPCAB
)
は8
例 で あっ た。
酬 究2
の 対 象 は 同 じ く 当 院で胸 骨 正 中 切 開 術 に よ る 心 臓ll1L
管 外 科 手 術 を受
け た 患 者60
例と したが,
2
例 は キ 日 ま で 人 工呼
吸 器 を 装着
し てい た ために 除外
し た。
し た が っ て,
伺1
尤
2
の対 象
は58
例
で.
平 均 年 齢
は66
.
9
±9
.
7
(30
−85
)
ll爻
,
男’
1
−
13
・
1
例,
女性
24
例で,
対
.
象
の内
訳は冠動 脈
バ イパ ス {1
亅26
例
.
t
[摺 換 術
25
例
,
その他
7
例であ
っ た。研 究
2
の対 象
は制究
1
の メj
家
と は違 う
対象
と した心 臓 外 科
手
術 後の肺 活
量の回復
につ い て337
圃
心 臓 外 科 手 術 後 患 者 60例 〔可能 な場 合)Ψ
tW
ΨΨ
Ψ
手 術前 工 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 上8 19 20 21國
て
コントロー
丿レ君羊(Control[C]群 )30伽」 特 別 な 呼 吸 理 学 療 法 は 行 わずに 通常の離 床プロ ク ラム の みΨ
・vcの 測 定 インセ ンティブスパ イロメー
タ群 (In⊂entlve Splrometer[IS]群)28 例 インセンティブ スパ イロメー
タを用 いた 深 呼 吸 10 回を 1日 2回 1時 間 お きの 自 主 深 呼 吸 練 習 (1日 合 計 で100回 を 目 標 ) 除 外 2例 翌 日 に 人工呼 吸 器 離 脱 したため (可 能 な場 合)黒
、 2 _、
,1
i
, _ _肱
_ 。誼
△
Is群の み インセンティブスパ イロメー
を用いた深 呼 吸 図1
研 究デザ イン3
.
手順
壬術
に先
立ち
,
診 療 録
より対 象 者
の年齢
,
性 別
,
身 長
,
体重
,
Body
Mass
Index
(
BMD
,
千術 前
のNYHA
の分
類 を 調
査
し,喫 煙
習慣
の有 無
は直 接 本
人か ら聴 取
し た。手
術後
は千術 記 録
か ら体 外 循 環 時 間
,
大 動 脈 遮 断 時 問
,
麻 酔 時
間,
麻 酔 終 了 か ら 人 工 呼 吸 器 離 脱 ま での 時 間,
出 血量
を調 査
し た。 ま た,
手術
か ら 起 立 ま での期間
,
歩 行開始 ま
で の期 間
,
病 棟 内 歩 行 自
立 ま での期 間
も調
査 し た。
病 棟 内歩 行 自
立時
とは循 環 器 病棟
内で200m
を 監視
な し で安 全
に歩 行 可 能
とな
っ た時 点
と定 義 し
た。呼 吸 機 能
の測 定
:当 院
で は過 度
の努 力
により狭 心 症 発
作
を誘
発す
る 恐 れ が あ る者
や 大動 脈 弁 狭
窄
症
の患 者
に は努 力 性
の呼
吸機
能検査
を施 行
してい ない。
そのた め呼
吸機 能
はslow vital capacity(
SVC )
(
ゆっく
り と深1
呼吸
で肺 容 量 を測 定す
るテ ス ト)
を採 用
し,
チェ ス ト社 製 電 子
スパイ
ロ メー
タ(
Chestgraph
HI
−
101
)
を用
い て測 定
し た。
手 術 前 訪 問 時
に は手 術 後
の測 定
やマ ウ スピー
ス に慣
れ ても
らう
た め に,
測 定 手 順 を十 分 説 明
し,
練 習 を課 し
た。心 臓 外 科 手 術 後
の リハ ビ リテー
シ ョ ン の進
め方
は当
院 独自
の心 臓外 科 千 術 後
プ ログ ラム で行
っ た 9)。
研
究
1
:通常
,手 術 後
ユ日 目 の朝
は ギャッチ ア ップ30
度のみ が 許 可 さ れて いるの で,
手
術後
ユ日 目のSVC
の 測 定のみ ギャ ッ チア ッ プ30
度の 肢 位で行
っ た。
また,
全
ての患 者
の意
識 レベ ルが清 明
であ
ること を確 認
し た。手 術 後
2
日目以 降
は手 術 前
と同様
に端 座 位
で行
っ た。手
術 後
のSVC
の測 定
で は十 分
に測 定 手順
を 理解
し てい る かを確 認
し た後
に,
数 回 安 静 吸 気
と呼 気
を繰 り返
し た後
に,
最 大 呼 気
と最 大 吸 気
をゆっく り
と完
全に行 う
テ ス ト を2
回行
い,
SVC
の最 高 値
を採 用
し た。
SVC
の測 定
は 手 術 後1
日 目 か ら1
週 間は毎
日行
い,
その後
は14
日後
と,
可 能 な場
合 は2
ユ日後 も
測定
し た。
各
回の測 定 値
は手
術前
のSVC
に対 す る割 合 (
%SVC
)
で示
し,
手 術 前
値
と 比較
し た。
ま た,
各
回の%SVC
と 年 齢,
BMI ,
体外 循 環 時 間
,
大 動 脈 遮 断 時 聞
,
麻 酔 時 間
,
麻 酔 終 ∫
か ら 人工呼
吸 器離 脱 ま
で の時 間
,
出
血量
との間
の相 関 関係
を検
討 した。
さ ら に, 冠動 脈
バ イパ ス術
のう ち人
工心 肺
を 用い た場 合
(
CABG
) と
用い ない場 合
(
OPCAB
) と
で%SVC
を 比 較 し た。
ま た,
男 女 間,
手 術 用 式 別,
喫煙
の有 無
,
手 術 前
のNYHA
分 類
の間
で%SvC
を 比較
し た。さ
らに,
各 回
の%
SVC
と起
立 まで の期 間
,
歩 行 開
始 ま
で の期 間
,
病棟 内 歩 行 自
立ま
で の期 間
との相 関 関 係
を検 討
し た。研 究
2
:手 術
に先 立 ち対 象 者 を
ランダム に2
群
のうち
の ひ とつに割
り当
て た。
コ ン トロ
ー
ル群(
C
群)
;特 別
な呼
吸 理学 療 法
は行
わず
に,
群馬 県
立 心臓
亅fu
管
セ ン ター
集 中 治 療
室 独自
の離 床
プロ グラム ]3)を行 う
。当 院
の離 床
プロ グ ラム は手 術 後
第
1
日目か
ら上ド肢
の自動 運 動
と受 動 座 位
が理 学 療 法
士ま
た は看 護 師
に よっ て行
わ れ る。受 動
座位
は ファー
ラー
位 を基 本 と
し,手 術 後 血 行 動 態
が安 定
し医 師
の許 可
があ
れ ば そ れ 以 上の ギャ ッチア ッ プが 可能
に な る。手術 後 第
2
日 目に心嚢
ドレー
ンが抜 去
され る と起
立 が許
可 され,
可能
であ
れば 集 中 治 療 室 内
で の歩 行
が許 可
さ れる。イ
ン セ ン ティ ブスパ イロ メー
タ群
(
IS
群 )
;手 術 前
より
理学 療 法
上が無 気 肺
予防
を 目 的に 14)インセ ン ティ ブ ス パ イロ メー
タ(
ボル ダ イン2500
,
Sherwood
Medical
)
を用
い た深 呼 吸
の指 導
を行
っ た。
インセ ン テ ィブス パ イ ロ メー
タを 用い た深 呼
吸練 習
はAmerican
Associatien
表1
実 測 肺 活 這 と肺 活量 回
復
率の変化 (n=
60) 実 測 肺 活 眞(リッ トル)肺 活 量 回 復 率 F (% ) 手 術 前
1
日 目 2日 目 3目目 4日円5
日 目6
「1
目7
[1
目 1・
t
日 円 21H 目〔11=
36)2
.
96
±0
、
69
1.
40± 0.
44* 1.
47± 0.
46* 1.
77
土0
.
59
* 1.
93
±0
.
60
* *2
.
04
±0
.
65
2
.
11 ± 0.
65**
2
、
13
±0
.
66
2.
38± 0.
69* 2.
62± 0.
81* 48.
0:
ヒ ⊥2.
650
.
0
±11
.
8
598
± 13,
9
65
.
3
± ⊥4
.
2
69.
2± 16.
0 72.
0:
ヒ 15.
3 72.
1± 14.
7 80.
6± 15.
4 88、
5
± 15、
2
表3 冠 動 脈バ イパ ス術の う ち人工心 肺を 用い た 場 合 〔CABG ) と人工心 肺 を用い ない 場 合 (OPCAB
) のi’
術 後 肺 活 量回復 率 (% )の比較 OPCABCABG
〔1/=
8
} (n=
21
)一
f・
Pt
∫f
麦lI−
1
目60
、
3
±13
.
4
41
.
8
± ⊥2
.
l
pく
0
、
Ol
手 術 後2日H
55
.
4
±7
、
3
手 術 後3H
目60
.
8
±13
.
4
丁≡稀『f
麦4
日 目67
.
O
±6
.
5 手 術 後5日 目 71.
9± 182 手術後6
日 目73
.
3
± 12.
0 丁三稀テ彳麦7冂 目 74.
6± 13、
81
:徊サf
麦14目目 822 ± 7,
0
48
.
6
± 1fi.
3
n.
s.
60
.
5
±14
.
O
n,
S,
646
土 16.
2 n.
s.
682 ± ]73 n.
s.
70.
8± 17.
8
n.
s.
696 ± 16.
6 n.
s.
81
.
3
± /5
.
4
11.
s.
値は平 均 値±標 準 偏 差.
* p<0
.
0001
(手 術 前値 との比較 ),
↑ 手術前肺 活 量 に 対 す る 割 合,
ns.
:not significant 〔有意 差 な し).
表2r一
術 後肺 活 量 回 復 率 (%)と年 齢,
BMI,
手 術 状 況 との相 関 関 係年
齢 BMI 体 外 循 環 時 間 大 動 脈 遮 断 時 間 麻 酔「「寺間 人工呼 吸 時間 出 血 量 手 術後
lH
日0
,
335
*−
0
.
304
*0
.
066T
’
彳荷f
麦2[]目 0.
236 手 術 後3日 目 O.
121 手 揮『蓄麦4n 目 0.
093 乎 術 後5日目一
〇.
020 手 術 後6
日目一
〇Dl2
手 術 後7
日日一
〇.
043
手術後
⊥4H
目0
ρ43
一
〇.
269 *−
0.
033−
0.
131−
0.
036−
0
.
093
−
〔},
146−
D.
⊥55−
0.
128−
0
.
133
−
0
.
127
−
0
.
088
−
0
.
206
−
0
.
100
−
0
、
223
0.
044−
0.
083−
0
.
047
−
Ol24
−
O
.
103−
0
.
082
−
0.
ユ31−
0.
tg7一
〇.
188−
0.
120−
0
.
Ol3
−
0
.
087
−
O
.
077
−
0
.
058
−
0.
052−
0.
106一
〇、
037
−
0
.
090
−
00670
、
057
0
.
057
−
0
.
004
0
.
006
−
0
.
08〔}−
0
.
D29
−
0
.
068
−
0
.
031
−
0.
182−
0.
e・t3−
O.
150−
0
.
044
−
〔}、
070
* pく
0
.
05
,
for
Respiratory
Care
(
AARC
)のガ イ ドライン 12)に沿
っ て行っ た
。
具体
的には 十分
な呼 気
のあ と,
ゆっく
り と吸 気 を
はじ
め,
最 大 吸 気 位
で3〜5
秒 間保 持 す
る ことを
ユ0
回行
っ た。
頻度
は1
時
間 お き に10 回ず
つ行う
必 要 が ある とさ れて い る が, 同 時 に 1日 に100 回 程 度 を 行う
こ と が 目標 と さ れ てい る た め,
午 前
中 は 理 学療 法
.
士 に よっ て,
午
後 は看
護 師の 監 視 下で各
10
回1
セ ッ トが 行 わ れ,
そ
の他
は1
日合 計
で100
回
をEi
標
に,
自
主的 な 深 呼 吸
が指 示 さ
れ,
深 呼 吸練 習
の状 況
は専 用
の記 録 用 紙
に記 載
し管
理し た。 イ ン セ ン テ ィブ スパ イロ メー
タ に よ る深呼 吸
練
習 は手 術 後 第
ユ日 目の朝
より手 術 後
ユ週間継 続
し た。肢 位
は基 本 的
に端 座 位
と し,
手術 後
1
日目
の み30
度
ギ ャ ッチア ッ プ位
で行
っ た。
離床
プログ ラムはコ ン トロー
ル群 に準
じて行っ た。
研
究
2
でのSVC
の測定
は手 術 前
,
手 術 後
7
日 「L
l4
日 目 に 行い,
%SVC
を算
出 した。
さら に,2
群
問の手
術 前SVC ,
年
齢,
身
長,
体 重
,
体 外 循
環時
間,
麻 酔 時
問,
抜 管 ま
での時 問
,
手術 後
7H目
と14
H
目
の%
SVC
,
呼 吸
.
器合 併
症の有 無
,
病 棟 内 歩 行 自
疏 まで の期 間
を 比較
し た。統 計 学 的手 法
:各 項 目間
の相 関 関係
はPearson
の相 関
分 析
を 用いて検 討
し た。実 測 肺 活
量の手 術 前
の値
と手 術
後
の値
の平 均 値
の比較
は,
対 応
のあ
る亡検 定
を用
い て検
討
した。 ま た,
各項 目
の平均 値
の群 間
比較
は対 応
の ない t検 定
を用
い て検 討
した。各 測 定 値
は平 均 値
±標 準 偏 差
で示
し,
危 険 率
5
%未 満 を も
っ て有 意 と
し た。
結
果
研 究
1
:実 測肺
活 量の手
術前 値
,
お よ び経 時
的変 化
と %SVC
の経 時 的 変化
を表
ユ に示 す
。
手 術 直 後 (
l
i
.
{目)
の平 均
SVCf
直
は手 術 前
のSVCf
直
の約
48
、
0
%
に低
下し
た。
そ
の後
は徐
々 に改 善 を認
め たも
の の,
手 術 後
1
週 間
で72
.
1
%,
手 術 後
2
週
間 で80
、
6
%,
手 術 後
3
週 問で88.
5
%と
3
週 間経 過
しても 手術 前
の値
に戻
らず
,
手 術 後
のSVC
はす
べ ての測 定 時
に おい て手 術 前 値
との間
に有
意 な差
を 認め た。
年
齢 と %SVC
の 問 に は 柑 関 関 係 を 認 め な かっ た。
ま た,
BMI
と %SVC
の問
にも相 関 関 係 を 認
めな
かっ たu さら に,
体 外 循
環 時 間や麻 酔
時 間 など の手 術 状
況 と%SVC
の間
にも相 関 関 係
は認
めな
かっ た(
表
2
)
。CABG
とOPCAB
とで%
SVC
を 比較 す
る と,
手 術 後
1
日}
−i
の みOPCAB
群で有
意に高値
を示
したが,
手
術後
2
凵目 以降
は両 者
の差
は認
め ら れな
かっ た(
表
3
)
。ま
た,
%
SVC
は男 女 間
,
手 術 用 式 別
,
喫
煙の有 無
で差 を認
め な か っ た が,
手 術 前
のNYHA
の分
類で は ク ラ ス 且とク ラ ス 皿 の間
に有 意
な 差 を認
め た(
表
4
)。・
方
,
%SVC
と心 臓外 科 手 術 後の肺 活 量の回復につ い て
339
表4
NYHA
の分 類に よ る手 術 後肺 活 量回復 率 (%) の比較表
5手術後 肺 活 量回復 率 (%)と手 術 後 起立
・
歩 行 自立に 要 し た 日 数 と の相関 関係NYHA
の分類 ク ラ ス H ク ラ ス 皿 (n=
39) (n=
21) 起 立 ま で 歩 行 開 始 ま で 歩行 自立まで 手 術 後1日 目 手 術 後2日 目 手 術 後3H 目 手 術 後4日目 手 術 後5
日 目 手 術 後6
日目 手 術 後7
日 目 手 術 後14日目 50.
0
± 12,
8
52.
4
±11
.
7
63.
8 ± 13.
2
68、
4 ± 14.
073
.
7
±14
,
3
74.
9
± 14.
975
.
9
±13
.
4
84
.
1± 13.
744
,
2
±11
.
8
p=
0
.
091
45
.
5
±10
.
9
p〈0
、
05
52.
4
±12
.
3
p<0
,
01
59.
7± 13.
3 p<0.
0561
ユ± 16.
2 p <0.
Ol 66.
5± 14、
7 p<0.
0564
.
9
± 14.
7
p<0
.
01
74.
2± 16.
7 p〈0.
05手
術後
1口 目 手 術 後2
日目 手 術 後3日 目 手 術 後4 日目 手 術 後5
日目 手 術 後6
日目 手 術 後7 日 目 手 術 後14 日 目0
.
006
−
0
.
081
−
O
.
156
−
0
.
308
*
−
0.
270−
0
.
336
*
−
0.
264−
0.
250−
0279
*−
0.
316*−
0
,
240−
0.
300*−
0287
*−
0
.
326
*−
0.
340*−
0
.
421* *0
.
172
0
.
Ol5
−
0
.
160
−
0.
240−
0
.
386
* *−
0.
297 *−
* *0
.
445
−
0
,
325
* * p<0
.
05
,
* *p<
0
.
01
.
起
立 まで の期 間
,
歩 行 開 始
まで の期 間
,
病 棟
内歩 行 自
立 ま で の期
間と
の間
に は,
部 分 的
に負
の相 関 関係 を認
め た(
表
5
)
。
研 究
2
:手 術 前SVC
や年
齢,
手
術 状 況 は 両群
間で差
を認
め な かっ た(
表
6
)
。
ま た,
手 術 後
7
日 目の%SVC
と手 術 後
14
日目の%SVC
は 両 群問
で有
意 な 差 は 認 め な か っ た(
表
6
)
。
呼
吸器 合 併
症 は,
C
群で0
例,
IS
群で1
例
(
無 気 肺 )
,
病 棟 内 歩 行 自
立ま
で の期 間
は,
C
群
で7
.
9
±3,
5H ,
IS
群
で7
.
4
±1
.
3
日で,
両 群 間
に有 意 な 差
は認め な かっ た。
考 察
L
心 臓 外 科 手術 後
の呼 吸 機 能
の経 時 的 変化
と関
連因 子
心 臓
血管 外 科 手 術 後
に どの程 度 呼
吸機 能
が低
f
し,
そ の後
どの よう
に 回復 す
るかにつ い て は,
1974
年
にAli
ら
3)によっ て初
め て報 告 され
て い る。Ali
ら
に よる と,
手 術 後
1
日目
は肺 活 量 が 約
42
% 低 下 し
,
そ
の後
1
週 間
で手 術 前
の約
85
%にま
で回復
した と報 告
してい る。 わ れ わ れの結
果 は,
手 術 後
1
日 目 は52
%低
下 し,1
週 間
で73
% に,
そ して85
%ま
で 回復 す
るの に3
週 間を 要
し て い た。Ali
らの対象
の平均 年 齢
は54.
0
歳 と
わ れわ
れの対
象
よ りユ0
歳 ほ ど若
い対
象
者
であ
る。
ま
た,
麻 酔 時 間
の平 均 時 間
は5
時 問
と わ れ わ れの結 果
より
も1
時 間
以 上 も短
かっ た。 し か し,
今 回
の結 果
か ら は,
年 齢
や麻 酔 時 間
と手 術 後 肺 活 量
回復 率
の間
に は相 関 関 係
を認
めてお らず
, 双方
の結
果 の違
いを年 齢
や麻 酔 時 間
か ら説 明 す
るこ と はでき
ない。
Ali
らの全 症 例
は手 術 後
にIntermittent
Positive
Pressure
Breathing
(IPPB
)
を 行 っ て お り,
IPPB
の使 用
が呼 吸 機 能
の回復
に影 響
を及
ぼ してい る 可能 性
は否 定
でき
ないが,
現 在
H
本
の集 中 治 療
室でIPPB
が使 用
され る こ とは ほとん ど なく
,
今
回の結 果
か ら はIPPB
の影 響
につ い て は言 及 す
ること はできな
い。ま
た,
過 去 に おいて もIPPB
の有 無
が呼
吸機 能
に 及ぼす 影 響
に つ い て検 討
し た報
告 は ない。
その他
,Jenkins
ら 7 >は 冠動 脈
バ イパ ス術
後
患 者
(
内
胸
動脈
使
用)
の手
術後
2
日 目 の肺 活
量の 回復
は手
術前 値
の36
%,
手
術後
4
日 目 は 手術 前 値
の56
%
と報 告 し
てい る。ま
た,
Braun
ら 4)は冠
動 脈
バイ
パス術 後 患 者
の手 術
2
週 間後
の肺 活 量 回復
は手
術 前 値
の約
66
% と報 告
し て い る。 わ れ わ れ の結 果
で は,
手 術 後
2
日 目 は手 術 前 値
の50.
0
%,
手 術 後
4
日 目 は手 術
前 値
の65
.
3
%,
手 術
2
週
間後
は乎 術 前 値
の80
.
6
% であ り
,
表6C 群とIS
群の各
項 目での比較C
群IS
群 有 意 差 手 術 前SVC
(リッ トル) 年 齢 (歳 ) BMI 体 外 循 環 時間 (分 ) 大 動 脈 遮 断 時 間 (分 ) 麻 酔 時 間 (分 ) 人工 呼 吸 時 間 (分 ) 出胤量 (mD 手 術 後7日 目の%SVC (%) 手 術 後14 日 目の%SVC (%) 病 棟 内 歩 行 自立までの期 間 (日) 2,
97
±O
.
91
65
.
1
±9
.
523
.
7
±6
.
8
106
.
6
±33
.
9
67
,
5±22
.
1324
.
0±86
,
1 241,
0
± 742359
.
5
± 240.
0
69.
9± 10.
8 79.
9± 9.
6 7.
9± 3.
5 2,
88
±0
.
85
66
.
9
±10
.
1
22,
9
± 2.
597
.
5
±19
.
4
54,
6
±20
.
4
3018
±62
.
7 270ユ ± ll2.
3
328
,
7
± ]79
.
0
72.
5± 15.
1 78.
3± 12.
7 7.
4± 1.
3 n.
S.
n.
S.
n.
s.
n.
S.
n.
s.
n.
S.
n.
s.
n.
S.
n.
S.
n.
S.
n.
S.
C
群 : コ ン トロー
ル群,
IS
群 インセンテ ィブス パ イロ メー
タ群,
SVC
:slow vital capaeity
,
BMI
:Body
Mass
Index
,
n.
s.
:not significant (有先の
報 告
に 比べ て回復 率
は良好
であ
っ た。 これ らの違
い を説
1
月す
る十分
な根 拠
はな
いが,
人種
や手
術後
の管
琿 方法
の違
い,
呼 吸 理 学 療 法
の術
.
前指 導
の有 無
な ど,
各
種
の因子 が 関 与
してい るも
のと
思 わ れ る。
本 研 究 は本 邦
で初 め て心 臓 外 科 手 術 後の呼 吸 機 能の 回 復 を経 時 的に連続 評
価
し た もの であり
,
本 研 究
か ら得
ら れ た肺 活 量
の経 時 的
な 回復 率
は,
邦 人 患 者
を対 象
に した場 合
の参 考値
を 示 し たも
の とい える。ま
た,
今
回の結
果 で注
目す
べ きこ と は,
手
術後 肺 活
量 回 復 率 (% ) と 乎 術 後の起 立・
歩 行 自立 まで に要 し た日 数 との問
に,
負
の相 関 関 係
を認
め たこ とであ
る。 これ は 手 術 後 に 起 立歩 行 能 力
の回復
が良
い (規 定
のADL
に到
達す
る期 間
が 短い)
症例
ほ ど,
肺 活 量
回復 率
が高
い ことを意 味 し
ている。心 臓 外 科 手術 後
は 可 及的
に 早期
か ら離床 を進
め,deconditioning
や呼 吸 器 合 併 症 を
防ぐ
必 要 が あ る7)。
今
阿の結 果
か ら は離 床
が進
む 症例
ほ ど,
呼 吸 機
能の同復
が よく
,
ひいては1
呼
吸器 合 併
症 を予 防 す
ること に もつ な がる可能 性
が ある と考
え られ る。事 実
,
研 究
2
で無 気 肺 を発 症 し
た ユ例
は,
ADL
の回復
が遅 く
,2
週 間後
にも約
52
% 程 し
か肺 活 量
が 回復
せず
,
病 棟 内 歩 行
が自
立 す る まで約2
週 間 を 要 し てい た。
し た がっ て,
心 臓外 科 千
術後
はADL
回復
が 遅い症 例 ほ ど,
呼
吸機 能
の 回復
に時 問 を 要 し,
そのよう
な 症 例には呼
吸器
合併
症予
防 のた めに も積 極
的にADL
改善
を 凵 的 と し た 理学 療 法
を行 う必 要性
を示 唆 し
て いる。ま
た,
今
同の結
果で は手 術 前
のNYHA
の分
類が クラ ス 田 であ
っ た群
で は手 術 後 肺 活 量
回復 率
(%〉
がクラスH
であ
っ た群
よ りも有 意
に低 値
を 示 し た。
う
っ 血性
心不
全 と な る と,
主 な 呼 吸 機 能の変 化 と して,
肺 活 量 や 全 肺容
量,
肺
拡散 能
,
肺
コ ン プライア ン ス の低
下 が認
め られ る15:〕。
特
に,
肺 活
量 や肺
コ ンプラ イア ン ス の低 下
は,
心不
全 を 起因
と し た肺 胞 内
のう
っ 血に より肺 内
の空気
が紐 織 問腔
の組 織 液
や血 液
に置 き換 わ
った結 果生
じるも
の で,
息 切
れの原
因と も な
っ ている 15)。
し た がっ て,
手
術前
か らNYHA
の分 類 が 高 く,
うっ 血 性 心不
全の息 切 れの症 状 が 重 度 な 症 例 で は,
手 術 後 に も その影
響 は 残存
し,
肺 活 量や肺 コ ンプライアン ス の改 善 を 制 限 し た と考
え ら れ た。2
.
イン セ ン テ ィブスパ イロ メー
タの効 果今
厠の研
究では,
インセ ンテ ィブス パ イロ メー
タ を 用 い た 深呼
吸 練 習 はAARC
の ガイ ドラ イン 12)に 従っ た。
AARC
の ガ イ ドラインに よ ると
,
インセ ンテ ィブス パ イロ メー
タ の使
用 頻度
は,端 座 位
を保
っ ている間は最低
でも
1
時 間 に5
呼
吸 か ら10
呼
吸 (10
に ユ00
呼 吸 ) と
さ れて い る が,
実 際
はこの 回数
のも
と に なっ て い る文
献
1618 }は 工970
年 代
の文 献
で,
対 象 も心 疾 患
で はない。
ま
た,
同 じガイ ドラ イン中
に は方 法
の限界
と して,
器
具 を 用い ない で行 う深 呼
吸 は イン セ ン テ ィブ スパ イロ メー
タを 使 用 し た と き と 同様
の呼
吸器 合 併
症の改 善
や 予防 効
果
が あ る との記 述
があ
る。し
た がっ て,
本
研究
で は,
午
前 中
は理 学 療 法
士 に よっ て,
午 後
は 看 護 師の監 視 ドで深呼 吸
を各
⊥0
回1
セ ッ ト行
い, その 他 はユ日合計
で100
回
を
[1
標
に自卞的
な 深呼
吸 を指 示 し,
深 呼
吸練 習
の状 況
を 専 用の記 録 用 紙 に 記 載 する という 方法
を とっ た。今
回の わ れ わ れの検 討
では,
手 術 後
の肺 活 量
の回復
や,
呼
吸器 合 併 症
の発 症
,
病 棟 内 歩行 自立 を指標
に し た場 合
に,
イン セ ン テ ィブ スパ イロメー
タを使 用 した深
呼
吸の練 習
の効 果
は認
め ら れ な かっ た。
AARC
の ガ イ ドラ イ ン 12}による と インセ ン テ ィ ブスパ イロ メー
タの適 応 は,
ヒ腹 部
や 胸部 外 科
術後
の無 気 肺
が発
症 しやす
い状 態
,
無
気
肺の存
在
,
四 肢麻 痺
や横 隔 膜 機 能
が低 下
し た拘 束 性 肺
障害
の存 在
と さ れ,
その 目的
で は,
吸 気 容 量
の増 加
,
吸
気 筋 能 力
の改 善
,
肺 過 膨 張
の正 常
パ ター
ン の冉構 築
な ど が挙 げ
ら れているが,
手 術 後
に吸 気 容 量 (
肺 活 量 )
そのも
のを増 加
させ る根
拠 やメ カニ ズ ムは 提 示 さ れて い な い。
確
か に,IS
群
で は その ほ と ん ど で 無気 肺
を含
む呼
吸 器合 併 症 を
発 症 しな かっ たこと を考
慮
す
る と,
インセ ンテ ィブスパイロ メー
タの もつ 目的 は 達 成 さ れ た もの と考
え ら れ る が,
C
群
でも呼 吸 器 合 併 症
が認
め られな か
っ たこ とか らイン セ ン テ ィブ スパ イロメー
タが効
果 的であ っ た とす
る ことは でき
ない。
心 臓 外 科 手 術 後
,
特
に胸 骨 正 中
切 開術
で手 術
が行
わ れ た場 合,
胸
郭 横 切 開 術 な ど と 違い,
創 痛 も少 な く,
ま た 現在
は鎮
痛 薬 に よ る 対 応 で 痛 み に よ り呼
吸 が 大 きく妨
げ ら れ るこ と は ない。
ま た,
早
期 か らADL
を 改善
し,
定
期 的 に 歩 行 を 行 うこ とで換 気 量 は 増 大 し,
胸 郭
拡張
を促
せ るこ と と な る。ADL
の拡 大
にSVC
が関連
してい る こ と は,
歩 行 な
どに よ る換 気
の増 大
がSVC
を増 加 さ
せ,
イ ン セ ン ティ ブ スパ イロ メー
タ の付 加 的 効
果はない こ とを
問接 的
に説
明 し てい るも
のと
思 わ れ る。
今
回の結
果で は イン セ ンテ ィブスパ イロ メー
タ が,
SVC
に及
ぼす 効 果
は示
さ れ な かっ た。
ま た,
呼
吸器 合
併 症予
防 につ い て も前
回の報 告
同様
.
一
定
の効 果
を認
め な かっ た。
しか し,
これ は一
一
度 無 気肺
を 発 症 して し まっ た 症例
に対 す
る イン セ ンテ ィブス パイロ メー
タの効 果
を否
定
す る もの で は ない た め,
無 気肺
を 発 症 してい る 症例
に 対 す る インセ ンテ ィブスパ イロ メー
タの効 果に関 して は今 後
の 更 な る研
究 が 必 要 と な る。
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