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読書のコミュニケーションツールとしての役割〜人間関係の築きの関係性に焦点をあてて〜

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Academic year: 2021

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読書のコミュニケーションツールとしての役割

人間関係の築きの関係性に焦点をあてて

人間教育専攻 幼年発達支援コース 大 坪 尚 貴 1研究目的 本研究では,学校における読書活動が,児童・ 生徒と耕市との人間関係づくりや,信頼関係づ くりのきっかけになっていると仮定し,その児 童・生徒と教師との人間関係づくりに読書がど のような役割を果たしているかという観点から 検討を進めた。読書の影響については,児童が 朝の読書で、出会った本によって自分が今まで、い かに我がままで,自分中心で自分勝手なことし かしていなかったことを知った, という人間形 成の側面において深い学びが得られたことや (大塚, 2001),本を通して子ども同士のコミュ ニケーションが増え,クラス全体が和やかにな り,いじめや不登校が消滅したといったような 生徒指導,学級づくりの観点からも効果的であ ることが報告されている(紀田, 2001)。このこ とから教師は,児童・生徒に本を紹介するだけ でなく,本を通しての児童・生徒とのコミュニ ケーションを豊かする中で人間形成面の育成に ついても意識しながら児童・生徒との関係づく りをしていくことが大切になると考えられる。 2 研究方法 調査対象:徳島県A市のB校謀後児童クラブ に在籍している小学校 1年生へる年生43名が 対象であった。 調査時期:調査時期は2017年 8月から 2017年 12月で、あった。 指 導 教 員 田 村 隆 宏 調査方法:児童クラブにおいて,読書の時間や, 自由時間での読書の様子,読書に関わる指導員 とのコミュニケーションの内容等を観察・言E録 した。 読書に期待される効果についての報告などは 多くあるが,人間関係づくりなどの心理的効果 を実副句に検討した研究が少なし、ことから,本 研究では,徳島県A市のB放蓄財麦児童クラブ での読書活動での児童の発言を記録し,人間関 係づくりの観点に焦点を当てて,分析,考察を 行った。 B放謝麦児童クラブは,毎月地元の図書館か ら70冊ずつ貸出を受けており,児童クラブと してもおよそ300冊程度の蔵書がある。また毎 日20分間の読書の時聞が設けられており,児 童たちは各々が好きな本を読んでいるため,身 近に本がたくさんある環境の児童クラブである。 3 結果と考察 今回調査した事例では,読書を通して,大き く6つの効果が見られた。 ①児童の興味・関心の理解 読書を通して,大阪と徳島の違いを尋ねてき たり,大阪の地減のことを詳しく知ろうとする 様子が見受けられたり,児童がことばの違いに 着目して,方言の違いも含めたことば遊びをし たりするととは,児童自身が地域・文化の違い を瑚卒するきっかけになると考えられる。この

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− 32 − ことから,読書は児童の心理的な成長を促すだ けでなく,児童同士のコミュニケーションのツ ールとしても重要な役割を果たしており,読書 をきっかけとしたコミュニケーションが生まれ ることが示唆されるであろう。 ②児童同士や児童と支援者の相互理撫 児童自身にあまり興味がなくても児童が慕っ ている他人の好きなことを,本を通して,知ろ うとする児童の様子が見受けられた。そうする ことによって,児童の他者理解が深まり,また, 読み手の児童は,今まで詳しくは知らなかった ことを少しでも知るきっかけになると考えられ る。 ③児童の本音の瑚卒 子ども自身が興味を持つ絵本を読むことで, 様々なコミュニケーションが生まれ,その中で, f野球上手くないんやけど,上手くなりたいん よな

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などといった日頃子ども自身の考えて いることや気持ちが自然に周囲の人に伝えられ ることで,周囲の人がその子どもを理解するこ とに繋がるということが考えられる。 ④児童の登場人物に対しての心情瑚手 絵に対する直張的な感想だけでなく,地元(学 校)で注意喚起された事柄に対して,絵本の内 容と関連付けて感じている様子や,絵本のスト ーリーにおいて,一見すると舶に落ちない登場 キャラクター“くまさん"の死に方を“くまさ ん"以外の動物も同じようにしたことに対して 疑問を投げかけ,考えていた。絵本を読むこと が,登場人物に対して,感情移入をすることで 他者に共感する気持ちを養うだけでなく,児童 と周囲の人との親癌な人間関係を築くきっかけ となってしもとし1うことが示唆されるであろう。 ⑤児童の幸福感の瑚平 いくつかの事例から,児童が「本をたくさん 勧めてくれる身近で,信頼できる大人」と認識 している人杭“本を読んでいて楽しそう"だか ら,その本は面白いに違いない,と児童が感じ たことが窺えた。ほとんど内容がわからないで あろう小説について,児童が笑顔で“楽しい" と感じている様子をみせたのは,児童と支援者 の間で本を通しての信頼関係ができていて,そ の人と同じ物を読んでいるという充実感と幸福 感によるものと推察される。 ⑥児童の自己肯定感や承認欲求の充足 児童が努力した結果を周囲の大人に見せたり, 話したりすることをきっかけにとして読書に関 する会話が始まることもあった。この場合,児 童は,周囲の大人に対し,

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頑張った結果だ、から, 見てほしいし,ほめてほししリと思っていると 考えられる。読書を通して,児童の承認獄求や, 税噴されたいとし、う思し、に対して,周囲の大人 が答えることも大切であると考えられる。この ように,読書をきっかけとしたコミュニケーシ ョンで,児童の自己肯定感,承認欲求などを満 たすことが示唆されるであろう。 いずれの場合も,本を媒介として,本の内容 に関連するものもあれば,本の中の一部の単語 や読んだ成果などの違いはあるものの,様々な コミュニケーションが生まれていることが王里解 できる。このことから,読書が児童同士や,児 童と支援者の聞におけるコミュニケーションツ ールとしての重要な役割を果たしていると言え るであろう。

参照

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