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「摂食・嚥下障害の早期発見と対策 〜多職種連携の重要性〜」

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(1)2014.06.30. 在宅医療研究事業完了報告書 【テーマ】摂食・嚥下障害の早期発見と対策. ~他職種連携の重要性~. 申請者:明石摂食嚥下障害対策委員会 副委員長. 沖垣壮一. 昨年7月に貴財団からの助成金交付決定の通知を受け、その後の明石市摂食嚥下障害対 策委員会(以後当委員会とする)にて立案・計画の上で先日実施した研修会について報告 する。 1 研修会の日時・場所・参加者 2014年5月24日(土)14時~17時. 明石市医師会館3Fにて開催した。. 参加者の総数は 83 名、うち看護師は 63 名と多くの参加者があった。 (プログラム参照) 2 研修会の内容 まず、当委員会副委員長の私から、当委員会にて実施している在宅摂食嚥下障害 患者への取り組みを紹介した。耳鼻咽喉科医や歯科医の往診依頼をする手順とその 結果を当委員会で討議した上で主治医へのフィードバックするシステムを説明した。 実際に看護師が該当する患者を発見した際にスムーズに検査や治療につなげられる ようとの趣旨であり、当委員会発足の目的のひとつでもある。 次に、摂食・嚥下障害看護認定看護師から神戸大学医学部附属病院における嚥下 障害患者に対する多職種連携と運用の実際について講演があった。 続いて、当委員会所属の歯科医から看護師がベッドサイドでできる簡便な嚥下障 害の評価方法についての講演があった。 講演の最後に、摂食・嚥下障害に積極的に取り組んでおられる病院勤務の耳鼻咽 喉科医による講演があり、症例の動画だけでなく、嚥下造影や内視鏡所見の動画等 を交えた具体的な症例を多数提示していただいた。 いずれの講演も看護師が実際に患者と向き合う際に参考になる有意義な講演であ ったと思われた。 最後に行われたシンポジウムでは、各パネリストから摂食・嚥下障害への取り組 みとして問題となっていることへの提言がなされた。摂食・嚥下障害患者にかかわ る際、多職種の連携が大事であることを再確認した。また、摂食・嚥下障害患者に 対して、歯科医が関与し貢献できる場面は多々あり、より積極的にかかわっていた だく事が必要であると述べられた。また、摂食嚥下障害患者には耳鼻咽喉科医が全 くかかわっていない現場が少なくないことが示された。しかし、何らかの形で耳鼻 1.

(2) 咽喉科医が検査・診断する機会があれば、その意義は非常に大きいと思われること が強調されていた。 (プログラム参照). 4 研修会を終えて 当委員会では在宅摂食嚥下障害患者を適切な治療につなげるネットワークを構築し、 運用してきたが、思ったように紹介患者が増えてこない状況であった。 そこで、現場で患者にかかわる看護師や介護士といった医療スタッフに対して摂食嚥 下障害の啓蒙・啓発活動をすることで患者の早期発見がなされ、より多くの患者さん のQOL向上につなげることができないかと考え、今回の研修会を行った。 その後のアンケートの集計結果によれば一定の効果はあったものと考えられた。今 後、他の職種に対しても同様な研修会開催を検討していきたい。. ※ この研修会は「公益法人 在宅医療助成勇美記念財団 」の助成受けて開催されました。. 2.

(3) 別紙「プログラム」. 講演会. 摂食・嚥下障害の早期発見と対策 ~多職種連携の重要性~ 日 会 講演1. 時:平成 26 年 5 月 24 日(土) 14 時 ~ 17 時 場:明石市医師会館 3 階 大ホール 当委員会の活動について おきがき耳鼻咽喉科. 耳鼻咽喉科医. 沖垣壮一氏. (明石摂食・嚥下対策委員会. 講演2. 摂食・嚥下障害おける多職種連携 神戸大学病院. 講演3. 看護師の立場から. 摂食・嚥下障害認定看護師. 休. 副委員長). 永濱郁代氏. 憩. 摂食・嚥下障害の簡便な評価方法 堀歯科医院. 歯科医師. 田中雅子氏. (明石摂食・嚥下対策委員会. 講演4. 摂食・嚥下障害における多職種連携 明石仁十病院. 委員). 耳鼻咽喉科医の立場から. 耳鼻咽喉科医. 小澤一之氏. シンポジウム 「摂食・嚥下障害に対する多職種連携」 座. 長. 明石摂食・嚥下対策委員会. 戸田和夫氏. 委員長. (戸田内科・リハビリテーション科 神経内科医) シンポジスト. 神戸大学病院. 摂食・嚥下障害認定看護師. 永濱郁代氏. 歯科医. 田中雅子氏. 耳鼻咽喉科医. 小澤一之氏. 堀歯科医院 明石仁十病院. ※ 当日は、会場外に口腔ケア用品、嚥下補助食品などの展示・実演を行います。 主催:明石摂食・嚥下障害対策委員会 共催:公益財団法人. 在宅医療助成 3. 勇美記念財団.

(4) 講演会. 看護師のための摂食・嚥下障害の早期発見と対策 ~多職種連携の重要性~. 日 時:. 平成26年5月24日(土) 14時 ~ 17時. 会 場:. 明石市医師会館 (明石市大久保町八木743-33) 3階 多目的ホール. 参 加 費:. 無 料. 定 員:. 150名 座長:戸田和夫氏 (戸田内科・リハビリテーション科). 講演1. 「当委員会の活動について」 おきがき耳鼻咽喉科. 耳鼻咽喉科医 沖垣壮一氏 (明石摂食・嚥下障害対策委員会 副委員長). 座長:片畠常代氏 (明石市医師会訪問看護ステーション). 講演2. 「摂食・嚥下障害における多職種連携 看護師の立場から」 神戸大学医学部附属病院. 摂食・嚥下障害認定看護師. 永濱郁代氏. ~ 休 憩 ~(30分) ※ 会場外で口腔ケア、嚥下補助食品、姿勢保持器具等の展示・実演を行います. 座長:山川達也氏 (山川歯科医院). 講演3. 「摂食・嚥下障害の簡便な評価方法」 堀歯科医院. 歯科医師 田中雅子氏 (明石摂食・嚥下障害対策委員会 委員). 座長:沖垣壮一氏 (おきがき耳鼻咽喉科). 講演4. 「摂食・嚥下障害における多職種連携 耳鼻咽喉科医の立場から」 明石仁十病院. 耳鼻咽喉科医. 小澤一之氏. シンポジウム 「摂食・嚥下障害における多職種連携」 座 長 シンポジスト. 戸田内科・リハビリテーション科 神経内科医 戸田和夫氏 (明石摂食・嚥下障害対策委員会 委員長) 神戸大学医学部附属病院 摂食・嚥下障害認定看護師 永濱郁代氏 堀歯科医院 歯科医師 田中雅子氏 明石仁十病院 耳鼻咽喉科医 小澤一之氏. ※. 会場へは公共交通機関をご利用の上お越しください。. 主催: 明石摂食・嚥下障害対策委員会 助成: 公益財団法人 在宅医療助成勇美記念財団.

(5) 同委員会の設立趣旨. 明石市摂食嚥下障害対策委員会 の取り組みについて. 同委員会副委員長 おきがき耳鼻咽喉科. 院長沖垣壮一. 同委員会の主な取り組み 1 介護士・看護士・医師・歯科 医師などへの啓蒙活動を通じて、 患者の早期発見につなげる。. 2 耳鼻咽喉科・歯科医師が往 診した結果を委員会の多職種 間で検討し、答申を出す。. 明石市では摂食嚥下障害患者、特に 在宅患者への対応が不十分になりが ちであることが課題となっている。 彼らのQOL改善のための活動を多 職種で連携し行っていくために同委 員会は設立された。. 嚥下障害患者の発生 患者の発見 主治医への連絡 主治医からの耳鼻咽喉科医 への紹介. 耳鼻科診療所へのカルテ受診 往診にて本人の診察・内視鏡検査 診察・検査の結果を主治医へ報告. 原則往診の翌週に行われる委員 会にて症例提示・カンファレン スを行い、委員会としての答申 を主治医にフィードバックし、 治療に役立ててもらう。. 1.

(6) 2014/5/21. 明石摂食・嚥下障害対策委員会. 認定看護師への道・・・ 日本国の看護師免許を有し、 免許取得後実務研修が通算5年以上ある (うち3年以上は認定看護師分野の実務研修). 摂食・嚥下障害における他職種連携 ~看護師の立場から~. 認定看護師教育機関(課程)修了(6か月・615時間以上). 認定審査(筆記試験). 2014年5月24日. 認定看護師認定証交付・登録. 神戸大学医学部附属病院 摂食嚥下障害看護認定看護師 永濱 郁代. 教育カリキュラム. 教育カリキュラム. 期待される能力①. 実践. 教科目及び内容. 時間数. 看護管理、リーダーシップ、文献検索・講読、 情報管理、看護倫理、指導、相談 等. 105. リハビリテーション総論、摂食・嚥下障害病態論、 摂食・嚥下機能評価論、摂食嚥下病態各論. 120. 専門科目. フィジカル・アセスメント論、摂食・嚥下訓練技術論、リスク マネジメント論、摂食・嚥下障害援助論. 165. 学内実習. 事例による看護課程演習 (脳血管疾患、頭頸部癌、神経・筋疾患、小児) 臨地実習で受け持った患者のケースレポート作成と プレゼンテーション. 臨地実習. 患者2事例(Ⅰ事例は脳血管障害患者)の評価・チームカン ファレンスに参加、訓練方法の決定、実施、評価 病棟看護師に対する摂食・嚥下障害看護に関する研修会 の企画. 総時間数.  摂食・嚥下訓練について、患者及び家族を指導すること ができる。  摂食・嚥下障害看護の実践を通して役割モデルを示し、 看護スタッフに対する具体的な指導ができる。  チーム医療としての摂食・嚥下リハビリテーションを推進 するための役割をとることができる。. 相談  摂食・嚥下障害に伴う看護ケアに対して、看護スタッフ の具体的な相談にのることができる。. 摂食・嚥下障害看護認定看護師・・・. 教育カリキュラム 内容. 専門基礎科目. 期待される能力②. 指導.  脳神経・筋骨格系フィジカル・アセスメント及び摂食・嚥 下機能評価法を用いて、摂食・嚥下機能を評価すること ができる。  摂食・嚥下障害の原因疾患に関する知識から、摂食・嚥 下障害の病態を理解することができる。  適切な摂食・嚥下訓練を選択することができ、安全に確 実に実施することができる。  呼吸状態、栄養状態、体液平衡状態について評価する ことができる。  リスク管理ができる。. 共通科目. 5年ごとに更新 (看護実践と自己研鑽の実績について書類審査). 60. • 特定年月 • 認定開始年月 • 現在教育施設数 (定員数). 2004年7月 2006年7月 3施設 愛知県看護協会 30 茨城県立医療大学 20 日本赤十字広島看護大学 30. • 2014年3月現在 登録者数. 全国 439名 兵庫県 15名. 兵庫県登録者施設. 180. 630. ・神戸市立医療センター中央市民病院 ・神戸大学医学部附属病院 ・宝塚リハビリテーション病院 ・社会保険神戸中央病院 ・神戸労災病院 言語聴覚士. 国家試験合格者. ・博由園 ・明和病院 ・市立伊丹病院 ・西脇市立西脇病院 他・・・・. 21994名 (2014年 3月末). 1.

(7) 2014/5/21. 当院での認定看護師としての業務②. 当院での認定看護師としての業務① <実践・相談> 病棟看護師・主治医からの嚥下評価依頼より. <指導> 患者及び家族指導. 脳卒中、神経・筋疾患、術後抜管後の患者 他 入院患者 (看護師又は医師が嚥 下障害ではと疑う患者)すべて が依頼の対象 (嚥下外来が間に合わない場合等も含む) (歯科口腔外科、耳鼻咽喉科術後は、STともう一人のCN が担当)  フィジカルアセスメント・スクリーニング検査実施 ⇒・間接訓練、直接訓練時の体位、食事形態、トロミ濃度、一口量の設定 ・高次脳機能障害・末梢脳神経(嚥下関連の)による障害の部位の判断 ・口腔内の状態、義歯等含め咀嚼力の評価 ・麻痺、拘縮等の姿勢の評価 呼吸状態の評価 ・栄養(脱水を含めた)評価、内服薬の影響等の確認  定期的評価で、食事形態、体位等の設定変更を行う  フィジカルアセスメントで評価しきれない患者・嚥下障害が重篤と疑われる患者 は嚥下外来へ それまでの間接訓練、誤嚥性肺炎予防等の指導  栄養相談、経腸栄養の種類、投与方法等.  在宅に向けて 食事介助方法、安全な食事形態、中止基準等. 看護師指導    . 院内勉強会実施(看護部主催) 摂食・嚥下、口腔ケア、栄養管理 各病棟での勉強会(希望病棟) 認定看護師課程 実習指導 院外からの短期研修受け入れ. 院外研修  他病院等からの依頼  兵庫県看護協会 訪問看護認定看護師教育課程 講義 <その他>  兵庫NST研究会 世話人  兵庫県プライマリ・ケア協議会地域ケア研究会(第3班班員) ・執筆. チーム医療としての関わり. 認定看護師の業務(活動)もさまざま・・・. PTのリハビリ 内容. 活動日:週1回~専従 (ほとんどの看護師が週1日程度) Or 認定看護師課程専任教員 活動内容:(病院の形態、看護部の方向性、考えによりさまざま) ・病棟業務がメイン(活動は時間外で) ・実践より学習会講師がメイン ・院外研修会, 執筆, 嚥下・栄養関連のデータ収集 (広報活動メイン). 管理栄養士の 栄養内容 DHの口腔ケア 方法. ・地域活動(認定看護師が集まり研修会の開催). 異常. 障害患者. 歯科医師による 口腔内治療・予防. ・「嚥下障害はないか?」観察と発見 ( 必要と判断すれば介入を依頼 ) ・ 他職種が行っている訓練やケアを看護に 生かせるよう関わる ・ リスク管理. 摂食・嚥下障害に影響する要因. 正常と異常の比較 正常. 内容. OTのリハビリ 内容. 看護師. ・管理者(病棟師長)業務がメイン. STのリハビリ. 摂食・嚥下. 原因疾患の影響 脳血管障害、神経、筋疾患、口腔・咽頭癌. . 摂食・嚥下障害. . 誤嚥性肺炎. . 窒息の危険性. . 栄養不良・脱水. . 口から食べられない. . 加齢現象. . 栄養不良・脱水 . 気管切開. 入院 経管栄養 の選択. 生命の危機. 長期化. 介護が困難. QOLの低下 経済的圧迫. 2.

(8) 2014/5/21. 高齢者の摂食・嚥下の特徴. 個人差が 大きい. ・味覚が変化する ・歯牙欠損や唾液腺の委縮に伴い、咀嚼機能が低下する ・舌の委縮、あるいは頬部などの嚥下諸器官の筋力減退 により食塊口腔内保持能力が低下する (口腔内で保持できなくなる) ・嚥下反射の惹起性が低下する (嚥下反射が起こりにくくなる) ・嚥下圧形成能力が低下することにより、咽頭クリアランス (飲み込みの力)が低下する ・安静時に喉頭が低位をとることにより、嚥下時の喉頭最 大挙上位が低下し、食道入口部の開大不全が起こる. 問診より. 薬剤の種類と商品名. 口腔内乾燥 摂食・嚥下障害 胃腸障害. 利尿薬 (ラシックス) 抗不整脈薬 (リスモダン) 降圧薬 (レニベース) 抗潰瘍薬 (コランチル) 抗ヒスタミン薬 (レスタミン・ピレチア) 抗パーキンソン薬 (シンメトレル・アーテン) 抗うつ薬 (トリプタノール・トフラニール) 抗精神病薬 (セレネース・コントミン・リスパダール) 鎮静薬 (レンドルミン・ホリゾン・ハルシオン) 抗生物質 副腎皮質ステロイド. 歯肉肥大. 抗痙攣薬 (アレビアチン) カルシウム拮抗薬 (アダラート・ペルジピン・ヘルベッサー) など. オーラルジスキネ ジア(不随運動). 抗精神病薬 (セレネース・ウインタミン) 抗パーキンソン薬 (シンメトレル). など. 味覚障害. 降圧薬 (レニベース) 非ステロイド系抗炎症薬 (ポンタール) 鎮静薬 (ホリゾン・ハルシオン) 抗うつ薬 (トリプタノール・トフラニール). など. など. 問診より. 摂食・嚥下障害関連の主訴  食べられない,飲み込めない.         . 嚥下機能に影響を与える薬剤 症状や状態. 食事中や後にむせや咳が多い よく咳が出る,睡眠中に咳き込む 食事時間が長くなった 食事の嗜好が変化した 食欲が低下した、摂取量が減少した のどの痛み、違和感や食物の残留感がある 食後に声がかすれる,ガラガラ声が出る よく熱が出る 体重が減った、元気が出ない(倦怠感がある). 問診より. その他関連する確認事項  拒食・嗜好・摂食の変化  脱水・低栄養の有無 (尿量及び回数・便の回数および性状・皮膚 の状態・体重減少等より確認)  薬物の使用(内容)  食事の摂取方法、量・時間  介護力  睡眠状態(昼夜逆転の有無). 摂食・嚥下障害に関連する病歴  肺炎の既往  窒息の既往  脳疾患の既往 (脳血管障害・脳腫瘍・脳炎・頭部外傷など)  神経筋疾患の既往 (パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、 重症筋無力症、多発性筋炎など)  気管切開、気管内挿管の既往  頚部、胸腹部の手術の既往、放射線治療の 既往. 病態把握のための観察ポイント(1) 顔面の対称性 *額のしわ *閉眼 *鼻唇溝 *口角下垂 *流涎 *口唇閉鎖 下顎運動 *開閉口(3.5横指) *偏位. 顔面の 知覚左右差 *額 *頬 *下顎 *口唇 口腔内知覚 *舌 *頬粘膜 喉頭の位置 (喉仏). 3.

(9) 2014/5/21. 病態把握のための観察ポイント(2) 舌の対象性 *偏位 *萎縮 *舌苔 *乾燥 *運動性. 歯牙 *欠損 *動揺 *義歯の適合性. 口腔内粘膜 *粘膜乾燥 *汚染 *潰瘍・出血. 軟口蓋・咽頭 *偏位 *咽頭反射 *嚥下反射 *咳そう反射. 障害部位からの先行期に影響する症状 前頭葉の障害 概念転換(柔軟な思考)障害 感情抑制障害 (脱抑制・易怒性) 情報の組織化障害 (注意障害・記憶障害) 言語の流暢性障害 (ブローカー失語) 意欲の障害(発動性・活動性) 側頭葉の障害 言語障害 (ウェルニッケ失語・健忘失語) 記憶障害 失読・失書 注意障害 (聴覚・視覚刺激の分析が困難) 攻撃性(大脳辺縁系の障害). 頭頂葉の障害 半側空間無視 着衣失行・構成失行 観念失行・観念運動失行 身体失認 失読・失書・計算不能. 観察ポイント. 考えられる主な病態と症状. 特定のもの(汁など)でむせる 食物の初めにむせる 食事の後半にむせる. 誤嚥,咽頭残留 誤嚥,不注意. 咳. 食事中,食後に咳が集中する. 誤嚥,咽頭残留,胃食道逆 流. 声. 食事中,食後に声が変化する. 誤嚥,咽頭残留. むせ. 体幹・頸部 *麻痺 *関節可動域 *筋緊張・弛緩. 食事時間 1食に30~45分以上かかる 摂食のペース 極端に早く頬張る. 誤嚥,咽頭残留,疲労,筋 力低下,胃食道逆流. 認知障害,取り込み障害, 送り込み障害など. 食欲. 途中から食欲がなくなる. 認知障害,誤嚥,咽頭残留, 体力低下. 疲労. 食事の途中から元気がない, 疲れる. 誤嚥,咽頭残留,体力低下. 栄養状態 内服内容. 摂食場面の観察ポイント ① 観察項目・症状 観察ポイント. 考えられる主な病態と症状. 食物の認識. ボーとする,きょろきょろする 食物の認知障害,注意散漫. 食器・食具 の使用. 口に到達する前にこぼす. 麻痺.失調.失行.失認. 食事内容. 特定のものを避けている. 口腔期・咽頭期・味覚の障害, 唾液分泌低下,口腔内疾患. 一口量が極端に多い. 癖.習慣.口腔内の知覚低下. 一口量. 後頭葉の障害 色名失認 物体失認 相貌失認 地誌的失認 視覚失認 両後頭葉が障害されると 全くみえない. 意識レベル 循環動態 呼吸状態 *呼吸回数 *リズム *SpO2 *痰 *咳嗽力 *呼吸音. 声 *構音 *発声 *嗄声 *開鼻声. 口からの こぼれ. 摂食場面の観察ポイント ② 観察項目・症状. 病態把握のための観察ポイント(3). 咀嚼. 嚥下障害が 起こるまで. こぼれてきちんと口に入って 取り込み障害,口唇・頬麻痺 いない. 下顎の上下運動だけで、回 旋運動がない 硬いものが噛めない. 咬筋の障害 う歯,義歯不適合,歯周病など. 長時間口にため込む 努力して嚥下している 上を向いて嚥下している. 口腔期・咽頭期の障害 送り込み障害. 摂食・嚥下障害の訓練方法 間接訓練(基礎的嚥下訓練) 食物を用いずに嚥下器官へ刺激や運動を加えること により嚥下機能の改善を図ることを目的とした訓練. 併用して訓練すると効果あり. 直接訓練(摂食訓練) 実際の食物を使い訓練をすることで 嚥下器官の筋力増強・協調性の改善 を図ることを目的とした訓練. 4.

(10) 2014/5/21. 咽頭期の問題と対応. 先行期の問題と対応 集中力の低下がある ①ボーとしている。居眠りを している ②食物を近づけても口を開 かない ③座位保持ができない. 認識障害. ①日中は可能な限り覚醒を促 す声をかける、 車いす散歩 ②口腔ケア ③口腔内 アイスマッサージ. 意識障害・ ④食事30分前後は座位にする、 運動機能障害 安楽枕で倒れないようにする. 口腔期の問題と対応 舌尖音(た・だ・な・ら)・奥舌 音(か・が)が不明瞭である 嚥下前にむせがある 舌の上下・左右・前後運動が できない 口腔内にいつまでも食物が 残る. ⑬メンデルスゾーン手技. 食物がなかなか飲み込 めない 嚥下中・後にむせがある 食後ガラガラ声に変わる. 咽頭クリアランスの低下. ⑭患側へ頚部回旋 ⑮咳をする練習. 食物や水分が鼻に逆流 する. 鼻咽腔閉鎖不全. ⑯ブローイング. 嗄声がある. 声門閉鎖不全. ⑰声門内転訓練. 食物がのどに引っかか る、または残る。. ⑩構音訓練 (た・だ・な・ら・か・が). 食道期の問題と対応. ⑪舌の運動 (自動的・他動的). 食物の逆流、嘔吐がある. ⑫頚部後屈位・ 体幹後屈位. 食物がつっかえる. 訓練を生活に定着させるために 栄養状態を整えて 筋力の低下を 1.口腔ケア・歯磨き 予防することが 2.義歯の装着 もっとも重要 3.覚醒を促す 4.離床を促す(抗重力位に近づける) 5.車いす乗車時などに、口や舌・首の体操をする 6.よく話し、よく触れる. 日々の何気ない事も嚥下訓練になる. 患者の摂食条件 間接訓練:口腔ケア・アイスマッサージ・ 舌運動・頚部可動域訓練 他 体位:ベッドアップ45度・頚部前屈(顎引き) 他 食事形態:嚥下食・半流動菜とろみ食 水分:0.5%とろみ茶(スプーン・ストロー等) 一口量:ティースプーン・嚥下用スプーン 代償嚥下:交互嚥下・複数回嚥下・息こらえ嚥下 嚥下後咳払いと空嚥下 等 その他注意:必ず見守り 10分間自力摂取その後介助で 等. 胸やけがある. 胃食道逆流. ⑱食事中・食後 2時間はファーラー位. 食道蠕動運動低下. 病棟看護師や 介護職の 行う嚥下訓練 嚥下機能の維持 誤嚥性肺炎の予防. 口腔ケア に組み込んだ間接訓練. 食事介助 代償性アプローチ 姿勢 増粘剤の使用等. 口腔ケアで 気になること. 不潔な口腔内. ①清掃不良. これで 食べるの?. ②唾液の減少. 歯垢(プラーク). 口腔内細菌が 増殖 ③口腔乾燥 酸素マスク使用中. 設定を守ることが大切です 設定の変更は評価を行ってから. 5.

(11) 2014/5/21. 口腔内乾燥から咽頭の乾燥へ. 咽頭の汚染. 喉頭ファイバーで観察. 喉頭蓋. 声門. 舌根. 藤島一郎著:目で見る嚥下障害,医歯薬出版,2006より抜粋. Nurse専科増刊 口腔ケア より抜粋. 姿勢で気に なること. 姿勢不良の多い現状. 良好なベッドアップの姿勢. 日頃から注意 して観察. 車いすやベッドで見られる. 座るのが苦痛 身体の筋肉の緊張が増加する 呼吸がしにくい 飲み込みもしにくくなる. 麻痺のある方に体が傾いている ケースが少なくありません。 麻痺側の口の中で咽頭、喉頭に 食べ物のかすがたまりやすくなり、 仙骨に圧やずれが生じ痛みが 誤嚥の危険も高くなります。 伴う. 姿勢及び良好な頚部の角度. • 楽に座っていられる • リラックスでき、筋肉の緊張を伴わない 呼吸が楽にできる 飲み込みもしやすい 仙骨にずれが少なくお尻が痛くない. 背上げ角度30度以上での摂食. 30度→45度→60度→90度の順で アイスノン使用. 普通の枕. 嚥下用枕(ごっくん枕). 姿勢が崩れが少ない 喉頭挙上筋群の力があまりいらない 上肢が動かしにくい 視覚的には、見にくい 顎が動かしにくい 頚部が後屈位しやすい. 食べ物は 咽頭後壁を 通過する。. 姿勢が崩れが少ない分、反応が受身的である. 6.

(12) 2014/5/21. 姿勢保持を持続するためには・・・. 背上げ角度60度以上での摂食. • 患者に合った車椅子を使用することが一番! しかし、実際は患者に合う車椅子が無い!! 車椅子のシートがたわんでいる。 *車椅子をタオル・クッションなどで補整する。 *高さが合わない場合はフットレストの使用ではなく、 足台を使用し、足関節の安定を保つ。 *PT・OTと患者の姿勢保持について相談する。. 視覚的には、見やすい 顎が動かしやすい 喉頭挙上筋群が動きやすい 上肢が動かしやすい 姿勢が崩れやすい. 一番大切なことは・・・. 食べ物は 咽頭前壁を 通過する。. • 姿勢が崩れたときに確実に修正する! 患者に正しい姿勢を覚えてもらうこと. 姿勢が崩れると、頚部・顔面に問題が生じる. 食事内容で 気になること. (旧)嚥下ピラミッド. 日本摂食嚥下リハ学会の食事基準 【旧嚥下ピラミッド対応】. レベル. 形態の内容. L0. 重度嚥下障害 スライス法で咽頭部を重みでス ムーズに通過するもの。ざらつき・付着性は全く ない。ゼラチン1.6%(濃度)ゼリー. L0. L1. 中等度嚥下障害 開始食のゼリーに加えスープ、 ジュース重湯などをゼラチンで固めたもの。スラ イス法でべたつき、ざらつきがなく粘膜にくっつき にくいもの。ゼラチン1.6%(濃度)ゼリー. L1-L2. L2. 中等度嚥下障害 開始食のゼリーに加えスープ、 ジュース重湯などをゼラチンで固めたもの。スラ イス法で嚥下食Ⅰよりべたつき、ざらつきがなく 粘膜にくっつきにくいもの。 ゼラチン1.6%(濃度)ゼリー+魚貝肉. j:ゼリー状 t:とろみ付液体. 0j. L3. 1j 0t 2-1 なめらかで均質. 2-2. L3. ミキサー食 ピューレ食 ペースト食. 不均質. L3. 軽度嚥下障害 嚥下食Ⅱに加えピューレ状態の 形態のものを追加する。舌で押したとき、砕けな いもの。水分にとろみを付ける. L4. 3. やわらか食 ソフト食 全粥、5分粥. L4. 主に咀嚼障害 水分を多く含むもの。軟らかく煮 たもの。細かすパサついたものは避ける。必要 ならばトロミを付ける. L4. 4. 軟菜食 移行食. ユニバーサルデザインフード. 交互嚥下によい. 増粘剤の濃度. 1%の増粘剤 2%の増粘剤. 重すぎて口内や咽 頭部に付着しその後 の誤嚥の元. 3%の増粘剤. 唾液が嚥下が できているなら 0.5%の増粘剤でも・・・ 増粘剤の濃度は一定にすることが 大切です. 7.

(13) 2014/5/21. スプーンの大きさの違い・介助方法 左:大スプーン すり切り10ml 右:小スプーン すり切り3ml すり切りでない場合は、大スプーン (カレースプーン)15ml程度になるので要注意. 摂食・嚥下障害がある場合 “食べる”ということは危険をともなう 今後、病気によりどのように生きていくのか どのタイミングまで食事を続けるか? その人にとって食べるということは・・・. QOL 食物を置く位置. 舌は出 さない. 舌の動きが悪い場合、口腔内に 入れられた食物が咽頭に スムーズに送られるように 舌背にきちんと置く. スプーンでの介助 前歯にすりつけたり、口を開けたまま おとし込むとその後の送り込みが うまく行かないため、口唇を閉じてもらい、 斜め上に向ってスプーンを抜く. 誤嚥性肺炎. リスク管理が必要 起りうるリスク.    . 誤嚥性肺炎 低栄養 脱水 廃用. 低栄養・脱水. ☺病気の進行とともに摂食・嚥下機能の低下する ☺病気の進行とともに全身状態も不安定となる ☺むせない誤嚥もある ☺不適切な食事介助 ☺不適切な食形態 適切な食事介助と口腔ケア 適切な食形態の選択 食事場面の観察 日常生活動作の観察 全身状態の観察. 維持のためにはリスクが伴う. が必要. 適切な食事介助 食事・水分摂取量の適切な判断 必要時、胃瘻の使用 定期的な栄養評価. が必要. 直接訓練の開始基準. 廃用. 直接訓練移行時の開始基準. ☺食事回数の減少にともなう嚥下関連筋の筋力低下 ☺不適切な判断による経口摂取中止 ☺必要以上のベッド臥床 ☺胃瘻からの栄養・水分注入のみ 適切な嚥下機能の判断 適切な栄養管理方法の選択 必要最低限の嚥下機能へのアプローチ. ☺摂食・嚥下機能の低下にともなう食事摂取量の低下 ☺全身状態不安定による耐久性の低下 ☺不適切な食事介助と不適切な判断. ①バイタルサイン・全身状態が安定していること ②リスク管理がしっかりなされていること ③意識が覚醒する時間がある(JCSⅠ桁) ④脳血管障害の進行がないこと ⑤嚥下反射を認めること ⑥十分な咳ができること. が必要 条件. ①②:間接訓練の絶対条件 ①~⑥:直接訓練の絶対条件. 8.

(14) 2014/5/21. 摂食訓練のステップアップの条件        . バイタルサイン・検査データの安定 誤嚥の徴候がない 基本的には 分泌物の減少と気道のクリアランス 1食につき(約30分 で) 7割程度の経口 低栄養状態がない 摂取量が認められ た場合 経口摂取量の拡大 経口摂取による疲労がない 本人や家族の経口摂取拡大の意思決定 フィジカルアセスメント、頸部聴診、全身状態を評価 してから食事形態を上げる 変更は1つずつ行っていく (食事形態・体位・トロミ濃度 等). 食事摂取の終了を判断するポイント. 直接訓練中止の基準 リスク管理 ①37度以上の発熱 症状が出る ↓ ②痰の性質変化 訓練方法の 再検討!! ③肺雑音などの異常所見 ④呼吸状態の変化 ⑤嚥下前後及び日常の異常な声質 ⑥炎症所見(WBC・CRP・血沈) ⑦体重減少 ※不顕性誤嚥もありうるこ ⑧患者自身の異常の訴え とを念頭に置く ⑨食事時間の延長. 認定看護師を活用していただくために・・・. 誤嚥性肺炎を予防するためにも・・・ ・食事に集中できる環境を作っているにもか かわらず、摂食に対する意欲が無くなる ・集中できなくなる ・食事中に疲労感を訴える ・介助者が見ていても疲労感が著しい ・傾眠傾向である ・1回の食事摂取が30分以上かかる. ・食事摂取の時間が経つにつれて、嚥下反射 が遅れてくる ・食事の後半むせがひどくなってくる 等. 「嚥下訓練」には継続と 地域・人との連携が 大切だと思っています. • 兵庫県看護協会ホームページ 「CNS/CN/看護管理者の活用」より • 日本看護協会ホームページ 摂食・嚥下障害看護認定看護師として 兵庫県では15名が施設名・氏名を公開。 兵庫県登録者施設 ・神戸市立医療センター中央市民病院 ・神戸大学医学部附属病院 ・宝塚リハビリテーション病院 ・社会保険神戸中央病院 ・神戸労災病院. ・博由園 ・明和病院 ・市立伊丹病院 ・西脇市立西脇病院 ・・・・他. 9.

(15) 摂食・嚥下障害に対する評価方法. 明石市歯科医師会 田中雅子. 評価前に整えておくべきこと. ★全身状態の安定 ★気道のクリアランス (喉や鼻の通りをよくする) ★胸郭の動きを強化し、咳反射を高めてお く ★覚醒を促し、認知機能を高める (視覚・聴覚・触覚情報). ★摂食・嚥下機能を病態や日常場面で把握 しておく ★口腔ケアと口腔周囲筋群の運動を行う (筋肉や関節の準備運動) ★唾液の分泌を良好にし、嚥下運動が誘発 できる口腔・咽頭・喉頭などの環境作り をしておく。(唾液や1ml程度の冷水で意 識的嚥下運動を練習しておく). 1.

(16) ★身体を起こし安定した姿勢を整える (30度~座位で個別により対応し、必要 時枕やテーブルなどで調整する) ★評価に必要な物品を整える (冷水、フードテスト用ゼリー、コップ 類、5mlシリンジ、ティースプーン、トロ ミ調整食品、聴診器、パルスオキシメー タ、おしぼりなど). 摂食・嚥下障害に対する評価方法. ★患者の状態に評価者は合わせる. ★全身状態などの観察と評価 ★摂食・嚥下機能評価 ★食事場面での観察と評価. ★ベッドサイドスクリーニング評価 • RSST(反復唾液嚥下テスト). ★VF(ビデオ嚥下造影検査). • MWST(改訂水のみテスト). ★VE(嚥下内視鏡検査). • FT(フードテスト). ★頸部聴診法. • 着色水テスト→気管カニューレ留置の場合. ★ベッドサイドスクリーニング評価. 参考資料 • NPO法人 口から食べる幸せを守る会 • NPO法人 摂食介護支援プロジェクト • 参考文献は、図や文を引用した時に、同じスラ イドに載せるのが良い。. 2.

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(24) 2014/6/25. 今日の Message 高齢者の人口割合. 嚥下障害 ー主役は、医師「以外」ー. ・嚥下障害は、今後大事な分野になっていく。 ・Ns. を含めた「医師以外の職種」が大活躍する分野である。. 明石仁十病院 内科・耳鼻咽喉科 小澤一之. ・ムセがないからといって、安心してはいけない。 怪しければなるだけVE ・ VF を行ってほしい!. 肺炎による死亡は増えている. 高齢者の人口割合 高齢者の人口割合. 平 成 23 年 、肺炎は脳卒中を抜いて 3 位 に。. 今 の 島 根 県 ・秋田県レベルに 全 国 が 成 る見 込 み ・・・. 平 成 23 年. 厚生労働省. よ り改変. 肺炎死のほとんどが 肺炎による死亡は 9.9% 65 歳以上の高齢者. 肺炎による死亡は全死因の 1割 肺炎による死亡は9.9%. ≧ 65. 平 成 23 年. 人口動態統計. 人口動態統計. 厚生労働省. よ り抜粋. 97% 平 成 23 年. 人口動態統計. 厚生労働省. よ り抜粋. 1.

(25) 2014/6/25. 加齢で腎機能は低下する 肺炎による死亡は 9.9%. 嚥下障害の疫学1 嚥下障害の疫学 厚 生 労 働 省 2011 年 度 老 人 保 健 事 業 摂 食 嚥 下 障 害 に係 る調査研究事業. • 対象機関 一般病棟. 2396 施設. 回復期リハ病棟. 725 施設. 医療療養病棟. 545 施設. 介護療養病棟 57 施設 老人健康保険施設 226 施設 124 施設. 特養. 嚥下障害の疫学 2 嚥下障害の疫学. 嚥下障害の施設別割合 嚥下障害の原因疾患 100. 多施設横断調査. 2009 年. 80 73.7. 60. 59.7. 58.7. • 対象機関 医療機関 老人健康保険施設. 45.3. 40 31.6. 訪問看護ステーション. 20. 13.6. • 計 2867 施設 50787 例. 0 一般. 回復期. 医療療養. 介護療養. 老健. 特養. 山脇正永. 総 合 リハビリテーション 37 巻 2 号 105 -109. 国 立 長 寿 医 療 研 究 センターによる報告書. 嚥下障害の有病率 嚥下障害の有病率. 嚥下障害の原因疾患 嚥下障害の原因疾患. 40%. 30% その 他 筋 委 縮 性側索 硬化症. 20%. 脊 髄 小 脳変性 症 10%. ア ル ツ ハ イマー病. 脳卒中 56.4%. パ ー キ ンソン病 0% 老健. 訪看. 病院 山脇正永. 総 合 リハビリテーション 37 巻 2 号 105 -109. 神経難病 合 計 10.6% 山脇正永. 総 合 リハビリテーション 37 巻 2 号 105 -109. 2.

(26) 2014/6/25. 73症例の提示 症例の提示. 嚥下内視鏡検査 VE の特徴 簡易総合機能評価法. ・侵襲性が低い ・簡単に繰り返し施行できる ・実際の食事がどのように嚥下されているか、 観察できる. 嚥下内視鏡検査 VE の特徴 簡易総合機能評価法. VE 3 の日常的な使い方 症例の提示あk. ・侵襲性が低い ・簡単に繰り返し施行できる ・実際の食事がどのように嚥下されているか、 観察できる. 「レベルを落とした食事」が有利、とは限らない。. 嚥下造影検査 VF の特徴 簡易総合機能評価法. 嚥下障害の 2 つの軸 簡易総合機能評価法 知覚低下. ・嚥下障害の検査ではゴールドスタンダード ・口腔機能や、誤嚥の有無を正確に診断可能 ・被曝する ・一定時間、補助なしで座れなければならない 筋力低下. 3.

(27) 2014/6/25. 先行期が障害された例 87 歳女性 簡易総合機能87評価法. 1 認知症. 嚥 下 障 害 といえば ST 、とは限らない一例。. 現病歴 2012 年 2 月 に誤 嚥 性 肺 炎 で三次救急病院に入院され、肺炎 軽 快 後 は ST の リハビリを8 日 間 行 い、全粥・5 分 菜 で退院。 2013 年 9 月 に 2 度 目 の 誤 嚥 性 肺 炎 をきたし、肺炎は軽快した ものの ST による一か月以上のリハビリにも関わらず 、流 動 食 を1- 2 口 程 度 しか摂取できず経鼻栄養の状態で、嚥下障害 の 精 査 加 療 とリハビリ継続目的で当院に転院。 リハビリにも拒否的。 既 往 歴 アルツハイマー型認知症. 先行期が障害された例 87 歳女性 簡易総合機能87評価法 転院後経過. 簡易総合機能87評価法 経 口 の カロリー量 経鼻. まず VEを施行。嚥 下 能 は ほ ぼ 正 常 で、認知症に伴う先行期の異常 により誤嚥を生じていると考察。 MMSE 8/30 点 。 OT を中心に 看 護 師 とPT ・ST も連携して認知症リハビリを開始。 転 院 時 は 流 動 食 であったが、食形態 up による誤嚥リスク増大はない と考えられ、逆に流 動 食 は 食 物 認 知 に不 利 と推定されたため、家族 に本 人 の 好 物 を持参してもらうなど方針を転換した。. OT ST VE. 14 日 目 に全 量 摂 取 できるようになり、経鼻栄養を終了。 20 日 目 頃 か らは食事量のバラつきもなくなり、食事量は安定し退 院。 肺炎発症. 認知症への薬物療法 簡易総合機能87評価法. 転院. OT 簡易総合機能87評価法 2006 年 に 240 単 位 / 日 。. が 設 定 されました。. 先 進 的 な 介 護 施 設 で 取 り組みが広がっています。. あ る灘区の老人健康保険施設 53 例 の 報 告 (MMSE に て 評 価 ). 4.

(28) 2014/6/25. 準備期が障害された例 簡易総合機能評価法72 歳 男性 現病歴 口 腔 内 の 食 物 残 留 と食事時のムセを主訴に、近医耳鼻咽喉科を 受 診 され、高度急性期病院の耳鼻咽喉科を紹介。 嚥 下 障 害 の 疑 いで精査加療目的に当院を紹介受診となった。. 2. 自 分 の 歯 は 数 年 前 か ら1 本 も無く、 義 歯 は 作 らずに生活 していた。 構 音 は 明 瞭 でない。 入 院 患 者 の 義 歯 を付けずに放っていませんか?. 準備期が障害された例 簡易総合機能評価法義歯作成後. 3 ACE 阻害剤. お薬 で治 す 嚥 下 障 害 。. 歯 科 に紹 介 の 上 で義歯を作り、音声訓練 を外来で指導。 喉 頭 挙 上 能 の 低 下 もあり、PT に頭 部 挙 上 訓 練 を依頼した。 3 ヶ月後、代償行為が無くなり、ムセも軽快。. ACE ACE阻害剤と嚥下 阻害剤と咳反射. ACE ACE阻害剤 阻害薬 • 1983 年 、降圧剤として®. • 嚥下運動の反射において 大脳基底核 延髄. ドーパミン サブスタンス P. が関与している. 嚥 下 障 害 の 患 者では、 ドーパミン・サブスタンスの P 合成 低下 が 嚥 下 反 射 や 咳 反射の 低下 に 関 連 している. • サ ブスタンスP の 分 解 酵 素 を阻害 し、 不 顕 性 誤 嚥 を減らす • 脳 血 管 障 害 の 患 者 でCa 拮 抗 薬 とACE 阻 害 薬 で 1/3 に減 少 (Sekizawa.K, Lancet. 1999). • 脳 卒 中 ガイドライン 2009 で慢性期脳梗塞において、 エビデ ンスレベル Ⅱ b 推 奨 度 グ レー ド C1. 5.

(29) 2014/6/25. 症例 3 75 歳男性. 症例 3 胸部 CT. 現病歴 2013 年 2 月 に咽 頭 違 和 感 で他院耳鼻咽喉科を初診。 嚥 下 障 害 を疑う唾液貯留を喉頭蓋谷に認め、炎症所見上昇 もあり、精査加療目的で当院を 3 月 5 日 に紹 介 受 診 。 既往歴 右 扁 桃 癌 で19 年 前 に CRT 治 療 後 ,胃 噴 門 部 癌 で内視鏡治療後 身体所見 身 長 167cm 体 重 50kg (?58kg ) 血 圧 81/49mmHg SpO2 90% (室内気) 呼 吸 数 20 回 / 分 生 活 歴 ロッククライミングが趣味. 症例 3 血液・生化学検査/喀痰検査. 症例 3 その後の経過. WBC CRP TP ALB ChE Pre -ALB. 9000 /µl 13.62 mg/dl 6.8 g/dl 3.2 g/dl 180 mg/dl 6.4 mg/dl. • 誤嚥性肺炎としてSBT/ABPC にて加療し軽快。. ADA 喀痰抗酸菌. 15.6 U/l 塗 沫 (−)培養(−) ×3回. 3 ACE 阻害剤の導入後の経過 ® レニベース(5mg )0.5 錠で導入。. • VE ・VF にて喉頭挙上能の低下や咳反射の 消失認められ、不顕性誤嚥が持続的に 生じていると考えられた。. ACE 阻害薬のメタアナリシス British Medical Journal. 2 カ月後に咳反射の改善を認めた。 その他 ® サラジェンやサリベートも処方。 ® 体重は 58?50?. 45?49kg と改善傾向。. プレアルブミン 6.4? 22.2 mg/dl アルブミン 3.2? 3.7g/dl. 6.

(30) 2014/6/25. ACE 阻害薬のメタアナリシス. 咳反射が無いと、スクリーニングに引っかからない. 発 表 2012 年 7 月 対 象 37 件 の 研 究 目 的 ACE 阻 害 剤 または ARB で肺炎リスクが減少するかを検討. 患者がむせた場合だけ、. ACE. が、 ARB は 低 下 させない。. 嚥下障害のスクリーニング検査 簡易総合機能評価法. Message 簡易総合機能評価法. SpO2 モニター. 1. 反復唾液飲みテスト. 30 秒 の 空 嚥 下 反 復 で、2 回 以 下 は 異 常. 2.. 30ml の 水 を5. ムセがなくても SpO2 が下がるようなら、 不顕性誤嚥を疑う必要があります。 VE VF で精査するのがオススメです。 3ml の 冷 水 を飲ませる. 3.. む せ なく嚥下し、呼吸変化と湿性嗄声なく、 追 加 嚥 下 運 動 が 30 秒 で 2 回 以 上. 4. 食物テスト. ティースプーン 1 む せ なく嚥下し、呼吸変化と湿性嗄声が なけれ ば 正 常. 間欠的口腔食道経管栄養法(OE 法). メリット ① 食 事 が 終 わ れ ば 抜 去 してチ ュ ー ブ フリーで生活 で きる。. 4 OE. ② 50ml/ 分 で 短 時 間 に て 投 与 を終了できる。 ③ チ ューブの嚥下運動自体が直接訓練の側面を持つ。. 代 替 栄 養 法 として、TPN. デ メリット ① 良 好 な コンプライアンスと、家族の協力が必要。 ② 本 人 、家族の手技習得にマンパワーが必要。. 7.

(31) 2014/6/25. 間欠的口腔食道経管栄養法(OE 法)の手順. 手順 ① 本 人 が 栄 養 チューブを胃内まで嚥下していく。50cm 程 度 。 ② スタッフか家族が胃泡音を聴取し、口腔内にとぐろを巻いていな い事 と発声が可能な事を確認。 ③ 15cm 程 度 ひきぬいて、チューブの先端を中部食道に置く 。. 症例 4 78 歳男性 現病歴 慢 性 心 房 細 動 で他院の循環器内科にて投薬加療を 受 けていた。1 年 前 か ら食事が食べづらい症状を自覚して おり、10kg の 体 重 減 少 をきたした。 嚥 下 障 害 の 精 査 加 療 目 的 に 2012 年 9 月 当 院 を紹介受診。 既往歴 心 房 細 動 、陳旧性心筋梗塞. ④ 経 管 栄 養 剤 を接続し、栄養する。 50ml/ 分 までの注入速度が可能である。. 身体所見 身 長 158cm. 体 重 44kg (?54kg ). 症例 4 のその後の経過 2012 年 9 月 嚥 下 リハビリテーションの教育入院を施行。 退 院 後 も月1-2 回 の 外 来 嚥 下 リハビリテーション を継続。 44kg の 体 重 は 4 カ月後に 50kg に改 善 していた。. 5 口蓋ミオクローヌス. 2013 年 8 月 に再 診 としたところ、 2 カ月で49.5?43.1kg と 体 重 減 少 をきたしていた。. 神 経 難 病 は 、やはり難しい。. OE 法 による栄養管理強化を目的に 8/7 再 入 院 。. 5 68 歳男性. 口蓋ミオクローヌス Guillan -Mollaret triangle (ギラン・モラレの三角) (小脳歯状核と反対側の赤核・下オリーブ核から成る三角) の 障 害 により生じる。. 現病歴 2012 年 10 月 24 日 脳 幹 ・小脳梗塞を発症 。10 月 26 日 に左 小 脳 出 血 を 発 症 し、内外減圧術を施行。 11 月 9 日 に再 度 両 側 小 脳 半 球 に出 血 をきたし、拡大内外減圧術を施行された。 12 月 19 日 にリハビリテー ション専門病院へ転院となった。 1 月 23 日 、4 月 3 日 に VF を施行されるも嚥下障害が強く、経口摂取は 困 難 であり、療養目的に 6 月 11 日 当 院 へ 転 院 となった。 既往歴. 経 鼻 栄 養 チューブを留置されている。. 8.

(32) 2014/6/25. 口蓋ミオクローヌスの動画. 6 月 11 日 に耳 鼻 咽 喉 科 紹 介 され、VEを施行。 神 経 内 科 にコンサルトした上で、 小 脳 出 血 性 梗 塞 に続 発 した口 蓋 ミオクローヌスと診断。 喉 頭 は 過 緊 張 も認め、言語聴覚士に音声訓練を中心としたリハビリ テーションを、理学療法士に頸部リラクゼーションを依頼。 ® リボトリール(クロナゼパム)開始。 その 後 、喉頭の過緊張は改善し発声機能は改善した。 しかし、不随意運動は ® アーテン(抗コリン系抗パーキンソン剤)、 ® ドパコール(L- Dopa )をtry するも、. びまん性食道痙攣 アカラシアと並び、食道運動異常症の代表的な疾患。 症 状 :嚥下障害 、胸痛. 6 食道期の嚥下障害 ・食道内圧検査では「 食 道 同 期 性 収 縮 波 」を検出する。 ・強皮症、アミロイドーシスなどの二次性食道機能異常を除外する 必 要 あり。 食 道 期 の 嚥 下 障 害 といえば「癌」、だけでもない。. 治療: カルシウム拮抗薬、亜硝酸薬、バルーン拡張、外科的筋層切開、 カウンセリング. 7 食道期の嚥下障害. 9.

(33) 2014/6/25. 症例 7 83 歳女性. 現病歴 2014 年 3 月 か ら続く嚥下困難感、嘔吐を主訴に受診。近医 耳 鼻 咽 喉 科 でVE を、近医消 化 器 内 科 でGIF め ず 、「精神的な症状でしょう」と説明を受けた。 しかし介護保険で関わっていたデイケアのスタッフが、食事介助 中 の 所 見 か ら嚥下障害の可能性を強く疑い、精査目的で 医 師 を通 さず直接紹介となった。. 食道アカラシア. ・有 病 率 は 10 万 人 に 1 人 と、稀な疾患である。 (ちなみに明石市の人口は 29 万 人 ) ・げっぷ、胸焼け、嘔吐、嚥下障害 ・治療法は確立していないが、腹腔鏡下での 食 道 平 滑 筋 切 断 術 や 内 視 鏡 下 バ ル ーン 拡 張 術 が 行 わ れ る。. 既往歴 特 になし. Message. Message. 看護師さん達にかかっています!. 嚥下障害は、見つけるのも治療するのも、 概ね医師では無い。 私 も病棟では看護師に嚥下障害の有無を尋ねていますが、 それ は きっと私だけではないはず … 。. 人口構成の推移 高齢者の人口割合. (総務省資料より作成). 80000. 2050 60000. 高齢化社会における嚥下障害診療の位置づけ. 40000. 1920. 20000. 1945. 0. -20000. -40000. -60000. -80000. -100000. 15-49. 14. 50-64. 65. 10.

(34) 2014/6/25. 人生五十年・・・ 高齢者の人口割合. 平均寿命が 50 歳を超えたのは、1947 年 高齢者の人口割合 90 80 70 60 50 40. 享 年 49 歳. 30 20 10 0. 日本は世界の先頭を駆ける実験国家 高齢者の人口割合. 日本社会は、人類史上初めての状況に。 高齢者の人口割合 80000. 15-49. 14. 50-64. 2050. 65. 60000. 40000. 1945. 1920. 20000. 中国. 韓国. 日本. 0. -20000. ・・・・. -40000. -60000. -80000. 生 殖 可 能 年 代 が 半 分 に。 社 会 全 体 の パ ラダイムシフトが必要。. -100000. 医療界でのパラダイムシフト、とは 高齢者の人口割合. 明石仁十(にんじゅう)病院. 1.50 歳 肺 癌 の 医 療 手術. • 病床数 149 床 治る. 50 歳 以 下 の 患 者 :治す 75 歳 以 上 の 患 者 :支える、ケア. 2.80 歳 肺 癌 の 医 療 手術. 事 実 、例えば誤嚥性肺炎のガイドライン的なものは、日本にしかありません。. 肺炎. ADL 低 下. ・・・. ?. 医療療養病棟. 29 床 20 床 52 床. 介護療養病棟. 48 床. 一 般 病 棟 (13:1 ). • 職員数 300 名 常勤医 7名 言 語 聴 覚 士 6名. この人類史上初めての社会的挑戦の上に、 嚥 下 障 害 の 診 療 は 位 置 づけられる。. • 診療科 内科・神経内科・耳鼻咽喉科 ・泌尿器科・呼吸器内科 糖尿病内科・外科・整形外科・リハビリテーション科. 11.

(35) 2014/6/25. 明石仁十病院の位置 明石仁十病院の位置. 外来診察表 VE VF の実績推移. 月 内科外来 耳 鼻 咽 喉科外 来. VE VF 嚥下摂食チーム. 火. ●. 水. 木. 金. 土. ● ●. ●. 5明石仁十病院の位置 年間、明石で勤務してみて…. 40. 30. VF VE. 20. ・各施設で看護師、ST、 断や指導を欠いたまま、各現場で孤軍奮闘しておられ る、と感じます。 ・病院内・外にこだわらず、耳鼻咽喉科医として各施設の スタッフの皆さんと連携していけたら、と考えています。. 10. 0. 摂食嚥下チーム 嚥下摂食チーム. 毎 週 月 曜 に他 施 設 の ST も含めて 摂 食 嚥 下 カンファレンスを 行 っています。. 摂食嚥下オープンカンファレンス 嚥下摂食チーム. 毎週月曜 16:45 ∼ 17:30 耳鼻咽喉科外来 診察室にて. 言語聴覚士からのコンサルト VE ・VF の供覧 基礎生理学・感染症学・解剖学・病理学・ 呼吸器内科学について、幅広く講義してます。. 12.

(36) 2014/6/25. まとめ ・OT による認知症リハ、 PT OE 法 、義歯作成や ACE 阻 害 薬 が 有 用 であった症例などについて例示した。 Ns. を含めた 多 職 種 の 協 力 が 不 可 欠 である。 ・食事介助を行う Ns. や ST 、ヘルパーといった現場のスタッフは、咳反 射 が 消 失 している例では嚥下障害をひっかけにくい事を知っておく必 要 が ある。 ・高齢化社会において、嚥下障害の診療はますます重要となる。 分 野 の 特 性 として をはじめとしたコメ ディカルの重要性が極めて高い。. 13.

(37) 講演会「看護師のための摂食・嚥下障害の早期発見と対策」 アンケート集計結果とその考察 明石摂食・嚥下障害対策委員会 萱澤成行 . アンケート調査の概要 講演会「看護師のための摂食・嚥下障害の早期発見と対策」の開催に合わせ、全参加者を. 対象にアンケート調査を行った。 【資料—1】アンケート調査の目的は、主たる参加者である 看護師に対して摂食・嚥下障害患者の発見スキル、摂食・嚥下障害患者への対応スキル、摂 食・嚥下障害患者の発見後の助言、相談等のシステムの有無、当委員会の認知度およびその 活用に関する調査である。 . アンケート回収率アンケートが回収できたのは参加者 83 名中 71 名分で、回収率は 85.5%であった。. . 参加者全体の属性 (n=71) . 職種. 参加者の職種の内訳は、看護師 60 名(84.5%)、ケアマネ・看護師 3 名(4.2%)、ヘルパ ー2 名(2.8%)、歯科医、言語聴覚士、作業療法士、介護支援専門員が各 1 名(1.4%)、無回 答 2 名(2.8%)であった。【グラフ-1】 . 勤務先. 参加者の勤務先は、訪問看護ステーション 28 名( 39.4%)、病院・診療所 24 名(33.8%)、 デイケア・デイサービス 8 名(11.3%)、老健特養 7 名(9.9%)、在宅介護支援センター・地 域包括支援センター1 名(1.4%)、その他 3 名(4.2%)であった。【グラフ-2】 . 看護師の属性(n=63) . 看護師の割合. 全アンケート中 63 名(88%)が看護師であった。 . 勤務先. 勤務先は病院・診療所 23 名(36.5%)訪問看護ステーション 25 名(39.7%)デイケア・ デイサービス 8 名(12.7%)老健・特養 6 名(9.5%)、その他 1 名(1.6%)であった。 【グ ラフ-3】 . 下位項目の検討 . 対象と方法 1.

(38) 以下の項目については今回の主な対象である看護師について検討した。また、業務内容や 勤務先の特性による摂食・嚥下障害患者とのかかわり方や対応の違いを調べるために、 63 名の看護師を「院内勤務群」 (病院・診療所の院内業務に従事している群)、 「訪問看護群」 (訪問看護業務に従事している群)、 「施設内勤務群」 (老人保健施設・介護施設の施設内看護 業務に従事している群)の3つに分けて検討した。なお、看護業務に従事していない 5 名は 対象から除外した。 3 群の内訳は院内勤務群 19 名(32.8%)、訪問看護群 26 名(44.8%)、施設内勤務群 13 名 (22.4%)で、平均経験年数はそれぞれ 18.2±9.6 年、14.8±8.8 年、20.3 年±11.6 年で、各 群間に有意差はみられなかった。 . 結果 . 摂食・嚥下障害患者とのかかわり(頻度)については、「多くかかわっている」 「よくかかわっている」を合わせた数は各群とも 50%を超えており、なかで も院内では 78.9%と高い割合を占めていた。【グラフ-4・5・6】. . 行ったことがある内容に関しては各群で一見して大きな差は見られなかった が、体操の項目では施設内勤務群で他の群に比べて多い傾向がみられ、食事介 助の項目では訪問看護群が他の群に比べて少ない傾向がみられた。 【グラフ-7】 どのような症状から摂食・嚥下障害を疑うか?という問いに関しては、3群と もに複数の所見から摂食嚥下障害を疑っているようであった。食欲、窒息、食 思変化の 3 つの項目については他の群に比べて訪問看護群では少ないように 見受けられた。【グラフ-8】. . 助言を求められる相談先の有無に関して、「ない」と答えたのは、院内勤務群 (31.6%)、訪問看護群 9 人(34.6%) 、施設内勤務群 11 人、 (84.6%)であり、 他の 2 群に比べて施設内勤務群では多かった。 【グラフ-9・10・11】. . 当委員会の知名度、認知度については院内勤務群 2 人(10.5%)、訪問看護群 8 人(30.8%)、施設内勤務群 3 人(23.1%)であった。 【グラフ-12・13・14】. . 今後、委員会に患者を紹介したいと答えたのは、院内勤務群 7 人(36.1%)、 訪 問看護群 16 人(61.5%) 、施設勤務群 7 人(53.8%)で、院内勤務群が目立っ て少なかった。【グラフ-15・16・17】 また、 「紹介したいが難しい」との回答も多く見られ、3 群とも 30%を超えて いた。その理由の具体的な回答は少なかったが、なかでも患者家族や主治医の 理解が得られないことが多く挙げられていた。. 2.

(39) . 考察 . 摂食・嚥下障害患者への対応および摂食嚥下障害を疑う症状については一見 して 3 群間で大きな差はみられず、おしなべてさまざまな症状による発見、 さまざまな対応を行っており、今回の対象については相応なスキルを持ち合 わせていると考えられた。訪問看護群では実際の食事場面での発見や対応が 他の群に比べて少ない傾向がみられた。これは在宅では病院や施設に比べて 役割分担が明確になっており、看護師が食事介助をしたり、食事場面に遭遇す る機会自体が少ないためではないかと考えられた。. . その一方で、実際に発見しても、相談・助言できる専門職やシステムがあるか どうかにつては 3 群間で隔たりがあった。特に施設内勤務群では相談相手が 目立って少ないという結果が得られた。居宅でマンツーマンでの対応を迫ら れる訪問看護群に比べて、施設勤務群は有利な環境にあるのではないかと考 えていたが、必ずしもそうではないということがわかった。. . また、委員会に患者を紹介したいかという問いに対して「したい」と答えた割 合は、院内勤務群 36.1%、訪問看護群 61.5%、施設勤務群 53.8%と院内勤務 群が他の 2 群に比べて最も低く、これは、院内勤務群では院内の人材や設備 が充実していることが反映されていると考えられた。. . また、 「紹介したいが難しい」との回答も 30%を超えており、患者家族や主治 医に向けての啓発の必要性あると考える。. . まとめ. 今回の結果から、摂食・嚥下障害の第一発見者としての看護師のスキルの高さがうかがえ たが、発見後の対応では、訪問看護群、施設内勤務群では勤務先内での対応が難しく、相談・ 助言窓口としての委員会の活用が望まれる。 今回の研修会の開催によって委員会の認知度は大いに高まり、また訪問看護群、施設内勤 務群ではともに 50%を超える看護師から今後委員会に患者を紹介したいという回答が得ら れたことから摂食・嚥下障害患者の早期発見-対応システム構築に役立つものであったと 考えられる。 他方で、患者家族や主治医の理解が得られないことが紹介を困難にする一因として挙げ られており、今後もさらなる啓発など理解を求める活動が必要であると考えられる。 最後に、今回、施設看護群、中でもデイケア・デイサービスにおいて、相談や助言を受け ることができず困っている実情が伺えた。今回のアンケートでは標本数が少ないため詳細 な検討はできなかったが、特に通所系介護サービスは訪問看護サービスと比べても比較的 早期から在宅者が利用していることも多く、同事業所の従業者が摂食・嚥下障害早期発見の 新たなチャンネルとなり得る可能性が考えられた。. 3.

(40) 資料—1 アンケート用紙 講演会 『看護師のための摂食・嚥下障害の早期発見と対策』 アンケート 今後の本会の活動に役立てるため、以下のアンケートにご協力ください。 1. あなたの職種・経験年数についてお教えください。. (. ) (. ) 年目. 2. あなたの勤務先についてお教えください □ 病院・診療所. □ 訪問看護ステーション. □ 在介支援センター・地域包括支援センター. □ デイケア・デイサーヒ゛ス. □ 老健・特養などの施設. □ その他. 3. あなたの業務についてお教えください. (. ). (複数回答可). □ 院内・施設内看護業務. □ 在宅・訪問看護業務. □ 管理業務. □ その他. □ ケアマネージメント. (. ). 4. 摂食・嚥下障害をお持ちの患者・利用者さんとの関わりについてお教えください。 □ 関わることが多い. □ よく関っている. □ 時々関っている. □ まれに関わることがある. □ ほとんど関ったことがない. □ その他. (. ). 5. 摂食・嚥下障害をお持ちの患者・利用者さんに対して行ったことのある内容にチェックを入れてください。 □ 簡単なスクリーニング検査、その他の検査. □ 嚥下体操や口腔のマッサージなど. □ 食事介助. □ 口腔ケアおよびその指導・助言. □ 食事訓練. □ ポジショニングおよびその指導・助言 □ その他. □ 食形態やトロミ等の指導・助言、栄養管理の指導・助言. (. ). 6. どのような症状から摂食・嚥下障害を疑いますか?. (複数回答可). (本人および家人からの聞き取りも含む) □ むせが多い. □ 痰が多い. □ 食事時間の延長. □ 食欲がない. □ 窒息. □ 口腔内が汚い. □ 体重減少. □ 食べ物の好みの変化. □ 流涎. □ 不明熱. 7. 摂食・嚥下障害が疑われる患者・利用者さんを発見した時、あなたの勤務先に適切な助言を 求められる専門職あるいは、システムがありますか? □ ない. □ ある. 具体的に. ※ある場合には具体的にお教えください. (. ). 8. 当委員会やその活動についてご存じでしたか? □ 知っていた. □ 名前は知っていた. □ 知らなかった. 9. 当委員会では主に市域の在宅患者さんを中心に摂食・嚥下状態の評価および対応に対する助言 を行っております。今後、もし摂食・嚥下障害が疑われる患者・利用者さんを発見された場合、 当委員会に主治医を通じて紹介していただけますか? またその理由をお聞かせください。 □ したい 理由. □ したいが難しい. □ したくない・する必要がない. (. ). 10.最後に今回の講演会に関するご意見・ご感想ならびに当委員会に対するご意見・ご要望がございましたら お教えください. 4.

(41) 21. 1 11 2. 看護師. 3. ケアマネ・看護師 ヘルパー 歯科医師 言語聴覚士 作業療法士 ケアマネ. 60. 無回答. グラフ—1 参加者全体の職種(n=71). 3. 6. 病院・診療所. 23. 8. 訪問看護S 在介・地域包括. 1. デイケア・デイサービス 老健特養 その他 25. グラフ—2 参加者全体の勤務先(n=71). 6 8. 1 23. 病院・診療所 訪問看護ステーション デイケア・デイサーヒ゛ス 老健・特養 その他. 25. グラフ—3 看護師の勤務先(n=63) 5.

(42) 2. 1 多い. 1. よく 時々. 2. まれに 13. ほとんど 無回答. グラフ—4 摂食・嚥下障害患者とのかかわり(頻度) 院内勤務群. 1 1 多い よく 時々 まれに ほとんど 無回答. 8. 10. 6. グラフ—5 摂食・嚥下障害患者とのかかわり(頻度) 訪問看護群. 多い 5. よく 6. 時々 まれに ほとん ど. 2. グラフ—6 摂食・嚥下障害患者とのかかわり(頻度) 施設内勤務群. 6.

(43) 院内勤務群 100%. 訪問看護群. 90%. 施設内勤務群. 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0%. グラフ—7 行ったことがある内容. 100%. 院内勤務群. 90%. 訪問看護群. 80%. 施設内勤務群. 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0%. グラフ—8 どのような症状から摂食・嚥下障害をうかがうか?. 7.

(44) 6 ない ある 無回答 13. グラフ—9. 助言を求められる相談先の有無. 院内勤務群. 3 9. ない ある 無回答. 14. グラフ—10 助言を求められる相談先の有無. 訪問看護群. 2 ない ある 無回答 11. グラフ—11 助言を求められる相談先の有無. 施設内勤務群. 8.

(45) 2 知っていた 4. 名前だけ 知らない 無回答. 13. グラフ—12. 委員会の存在や活動について. 院内勤務群. 1 8. 知っていた 名前だけ. 11. 知らない 無回答 6. グラフ—13 委員会の存在や活動について. 訪問看護群. 3 知っていた 名前だけ 知らない 8. 2. グラフ—14 委員会の存在や活動について. 無回答. 施設内勤務群. 9.

(46) 5. 7. したい 難しい. 0. したくない 無回答 7. グラフ—15. 委員会への患者の紹介. 院内勤務群. 2 したい 難しい. 8. したくない 16. グラフ—16 委員会への患者の紹介. 無回答. 訪問看護群. 2 したい 難しい 4. 7. グラフ—17 委員会への患者の紹介. したくない 無回答. 施設内勤務群. 10.

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参照

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