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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 世界の主要柑橘類 田中, 長三郎九州帝國大學農學部園藝學教室 出版情報 : 九州帝國大學農學部學藝雜誌. 1 (1), pp

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

世界の主要柑橘類

田中, 長三郎

九州帝國大學農學部園藝學教室

https://doi.org/10.15017/20714

出版情報:九州帝國大學農學部學藝雜誌. 1 (1), pp.20-32, 1924-12. 九州帝國大學農學部

バージョン:

権利関係:

(2)

類)

(大 正 十 三 年 六 月 三 十 日 受 領)

世 界 の柑 橘 類 は其 調 査 未 だ 完か らす 。彼 のPrunus(サ

ク ラ属)に 於 け るWnlsoN及

三 好 の 功

蹟,Pyrus(梨 圏)に 於 け るDECAiSNE及REHDERの 事 業,Rhododendron(シ ヤ ク ナ ゲ属)に 於 け る 」.G.Millaisの 事 蹟,Iris(ハ ナ シ ヤ ブ 鵬)に 於 け るW,R,DyKESの 大 業,CactUs(シ ヤ ポ テ ン 闘)

に 於 け るRoSE及Griffithの貢献,NymPhrei(ス ヰ レ ン驕)に 於 け るH.S.CoNArdの 大 著,

Rosa(薔

薇属)に 於 け るEllen Willmottの功労

等 膏 に 園 藝 學 上 非 常 の 頂値 を賓 した るの み

な らす,植 物 分 類 上 各 々epochを

持 來 せ る もの と稻 し て不 可 な し。 之 に封 し柑 橘 に 於 て は

A.Risso&A.Poiteauの 大 著Histoire et Culture des Orangers(1872年 版)を 以 で 大 成 ぜ る の

観 あ る も,是 鰍 羅 巴 に於 け る毬 類 の 列 學 に過 ぎ す して,未 だ 世 界 の柑 橘 を網 羅 せ り と表 ふ に 足

らす 。 近 年WALTERT.SWINGLEの 研 究 を以 っ て 漸 く柑 橘 廃 近 縁 種 類 の 關 係 稻 明 瞭 と な りた

る も,柑 橘其 者 の全 世 界 に渉 れ る研 究 に 至 りて は猴 考 究 を重 ぬ るの 要 あ る な り。 鼓 に著 者 が

第 一 同環 球探 査 の結 果 よ り得 た る一 二要 項 を挙げ て此欠 を補 は ん とす 。

今 試 み にSwlNGLE最 後 の 著 述 な るBAilEy著StandardCyclopediaofHorticulture vol.2.1922

年 版P.78{)-781に 學 ぐ る 所 の 種 類 を 窺 ふ に.凡 そ 次 の 十 二 種 あ り。

1. Citrus M2edica LINN. ...

2. Citrus limonia OSBECS • • •

3. Citrus aurantifolia SWINGLE

4. Citrus grandis OSBECK • • •

5. Citrus Aurantium LINN. •

6. Citrus sinensis OSBECE • • •

7. Citrus nobilis LOVE. ...

8. Citrus mitis BLANCO ...

9. Citrus ichangensis SWINDLE

10. Citrus bergamia Rnuo...

11. Citrus histris DO. ...

12. Citrus taitensis Rirso...

Citron Lemon Lime

Pummelo~Shaddcol~

1 Grapefruit

Sour orange

Sweet orange

Ring orange

Mandarin •& ;Tangerine

Unshiu

Calamondin

Iohang lemon

Bergamot orange

Otaheite orange

《1)九 州帝 國 大學 園 発學 教室 寄 與 第二 。大 正十 三 年 三 月六 日第壼 同 西 部農學 會席 上 講 演 。

(3)

右 の 内9ま

で は確 定 せ る もの,其 絵 は調 査 不 充 分 に して確 定 し難 き もの な り。 今 上 記 の 各

種 に就 き て其 の 性状 を明 か に し其 の 名樗 の當 否 を論 じ更 に 著 者 の 調 査 せ る結 果 明 か に す る事

を得 た る重 要 毬類 の性 質 名 稻 産地 等 を追 加 し,此 方 面 の 智識 に 多 少 の寄 與 を加 へ ん と欲 す 。

1.

Citrus

Mediae LINN.

本 種 は 柑 橘属 の(t表 者(type)に

して,Citrusの 名 はCedro即Citronよ

り來 る。

果 實 は大 形 に して乳 頭 あ り,外 皮 極 め て 厚 く色 淡 く其 質 極 めて 堅 し。 肉 最 も淡 色 に して 白

色 に近 く質 極 め て締 る。 種 子 の内 被 は濃 紫 色 な り。

葉 は常 に長 楕 圓 に して両 端 丸 く鋸 歯 あ り,質 薄 し。葉 柄 甚短 く翼 を欠く 。 花 は大 形 帯 紫 色

に して至 る所 無 毛 。花絲 は分 離 し満 は甚 だ 長 し。

LINNAEUsは

疑 もな く此 柑 橘 類 中最 も早 く欧州 に知 られ た るCitronを

交 献 に見,之 を其 の

古 名Median aPPle(即 紀 元 前 三 世 紀Theophrastusが

附 した る ま まの 名 稻Medica)を

探 りて

種 名 と爲 した るな り。然 る にLINNAEUBは

事 實 眞 正 のCitronの 標 本 を有 せ す,誤 てSweetorange

の 腸葉 を之 に 充 て た る事 今 次 始 め て知 る所 と なれ り。 其 の 詳細 は 他 日詮 述 す る所 あ るべ し。

2.

Citrus

limonia

OSBEca

LemonはCitron・ に 次 で 夙 く蹴 洲 に 入 れ り。 其 の 原 産 地 は 馬 來 な り。 ◎

果 實 は小 形 に して乳 頭 あ り,外 皮 梢 厚 く色 淡 く質 弾 性 に富 む肉 は淡 黄 色 透 明 に し て 多 汁 多

酸 な り。 毬 子の 内 被 は 頂端 の み薔 薇色 を呈 す 。

葉 は尖 卵形 多 少菱 形 を 呈 し両端 尖 る鋸 幽 あ り質 厚 し。 翼 葉 を嵌 く。 花 は中 形 帯 紫 色 に して

至 る所 無 毛 。 花 綜 は 分離 し綺 長 し。

OsBECkの

記 した るLem.ひllは 廣 東 産 晶 に して其 の明 記す る如 く現 在 同地 に 普通 な るNing

mung檸様に し て 所 謂Lein・nに 非 ざ る 事 明 か な り,而 し て 今 次 探 査 の 結 果 廣 東 に はLemon

C

を 産 せ ざ るが 故Lem・nの 名 稻 と し て は 上 記 の 學 名 は 不 當 な り。 眞 正 のLem・nはL・NNAEUB 之 をMedicaの 憂 種 と し て 取 扱 ひ 稚 を 認 め す,MiLLER(1768)に 至 り 初 め て 之 を 一 毬 と し て Limonvulgarisと 呼 べ り。 然 れ 共 今 之 を 執 り てCitrusvulgarisと 呼 ぶ 事 不 可 能 な り,何 と な れ ばCitrusvulyarisの 名R・s9・ が1813年0.」 襯 η伽7π即 代 々 類 の 學 名 と し て採用 せ しが 故 な り。 即 之 に 次 ぐ最 薔 名CitrusLimonBURM,をEuropeanLemonの 學 名 と し て 呼 ぶ べ き な り。

3.

Citrus aurantifo'ia

SWINGLE

(4)

伽 る に 過 ぎ ざ り き 。 西Ceylon島 よ り東Philippineに 至 る 間 に 野 生 す る 飲 料 ・藥 料 用 重 要熱 帯 植 物 な り。 果 實 は 小 形 に し て 乳 頭 の 痕 跡 あ り,外 皮 極 め て 薄 く色 淡 く質 弾 性 に 富 む 。 肉 淡 緑 黄 色 に し て 細 か く半透明 に し て 多 汁 多 酸 な り。 種 子 の 内 破 は 頂 端 の み 薔 薇 色 を 呈 す 。 葉 は 楕 圓 状 卵 形 に し て両 端 鈍 く質 薄 く,翼 葉 小 な れ ど も顯 著 な り。 花 は 小 形 白 色,Hの 表 面 細 毛 あ り,花絲 は 短 く分 離 し騎 甚 だ 長 し。 1777年 版CHRISTMANN編LINNAEUSのSpeciesPlantarum課 書 に 工伽o伽 僻 α吻b廊 と あ る をSwiNgLEは 採 り て正 名 と した る な り。 然 れ ど も之 よ り 先BURMANN弟 が1768年Citrus Limonの 名 稻 を発表 した るが,共 の 引 用 す る 著 者 中B田MA㎜ 兄 著ThesaurusZeylanicus, BUMPEW8のHerbariumAmboinense vol.pl.29等 は 全 然 疑 も な くLimeを 示 す も の た る に,

一 方LinnaeusのCitrus medica βLimon及 其 引用 す る 所 のBAUhinusのMalus limonia acila等 明 にLemonを 示 す も の を 混 同 せ る 故,今 之 を 探 り て 本 種 の 名 稻 と な す 事 を得 ざ る は 當 然 な

り。 但Linnaeusの 標 本 を 験 す る にLemonの 外 にLimeの 標 本 二 あ り,共 の 一 に はCey1on名 Dehiを 記 し,BurMANN兄 の 前 著 等 を 引 用 し 正 當 の 鑑 定 を下 せ る に 係 ら す,自 著1747年 版

Flora Zeylanica にLimeを 學 用 ぜ ざ る の み か,LINNAEUSの 執 れ の 著 述 を 見 る も 之 に 論 及 せ る

も の な し,即 考 ふ る にLn鴨EU臼 は 之 を 論 す るの 蓬 あ ら ざ り しか,或 はBURMANN弟 の 如 く Lemonと 同 一 視 した る か 敦 れ か な り。 而 も其 の 敦 な るか 今 鼓 に 断 じ 難 し 。

4.

Citrus grandis OSBECK

S haddock即 文 且 は 蘭 人 の 所 謂Pompelmoesに し て 馬 來 の 原 産 な り。 果 實 は 大 形 に し て 丸 く外 皮 極 め て 厚 く色 淡 く質 柔 軟 に し て 弾 性 弱 し。 肉 白 色3Zは 桃 色 を帯 び 極 め て 粗 く不 透 明 に して 汁 乏 し 。 種 子 は 極 大 形 襖 形 を な し 多 稜,内 被 の 頂 端 は 褐 色 を帯 ぶ 。 葉 は 大 形 卵 形 に し て両 端 鈍,質 極 め て 厚 し。 花 は 大 形 白 色 に し て 至 る 所 有 毛 な り,花 綜 は 一 部 合.・ は 長 か ら70 Shaddockの 標 本 はLinnaeusの 標 本 に 存 す る も,初 め は之 を 代 々 の変 種 と 認 め,1767年 に 至 りて 猫 立 種Citrusdecumanusと せ り。 然 れ ど も 之 よ り先 共 の 高 弟(油ECKは 支Iv之 を見, ユ757年 版 跳gbokδfwo畑nOsthldi嘘R鋤 にCi'rusyrayedisの 名 を下 せ る をSWINDLE採用 せ り。 然 る にB礪Mム 梱 の 箸 せ るHerも8riu皿A瓢 馬hense目 録 上 の 名 稻 を探 り てCitrusmaximaと な す

(5)

即 今 日文 且類 の 學 名 と し てCitrusgrandisを 用 うる もの とCitrus maximaを

用 うる もの と二 派

あ る所以 な り。 考 ふ る にRumphiusの

交 且圖 詮 は明 確 に して疑 問 の饒 地 な き を以 て之 を指 摘

ぜ る もの は 假 令nomennudumな

りと も採用 し て 可 な る事,多 くのnew eombination學

名 に

記 相 文 を歓 くを許 す と等 し。 即maximaの

名 を 取 りて文 且 類 の 名 禰 とす る を可 と す。

Grapefruitと 稻 す る 米 國 品 は 植物 學上 交 且 と琶 別 す るを得 ざ るを以 て 同 種 と す。 丈 且中に

も梨 形 の もの 扁 形 め もの紅 肉 白肉 其 他 種 々の 品 種 あれ どtypeはgrandis,maxima敦

れ に す る

も馬 來系 統 の 球 形 品 な り。

5.

Citrus

Aurantium

LINN.

Orange即ArabのNaranj,西 班 牙 のNarangitaは 共 に 代 々 の 類(Sour orange)に し て,近 時 Sweetorf-ngeの 経 濟 的 稜 展 と共 にOrangeの 名 はSweetorangeの 略 名 と な りた る な り。

果 實 は 中 形 に し て 丸 く外 皮 密 着 し 濃 色,質 梢 脆 し 。 肉 濃 黄 色 稽 細 か く多 汁 に し て 酸 味 中 強, 透 明 な り。 種 子 は 中 形 に し て 租 多 稜,内 被 の 色 は 頂 端 淡 褐 色 な り。 葉 は 中 形 に し て 長 卵 形 尖 頭,翼 葉 稻 大 な り,質 中 厚,花 は 中 形 白 色 に し てE'一筒 の 外 部 有 毛 な り。 花 綜 は 甚 し く分 離 せ す,莉 短 し 。 Linnaeus の 記 述 は よ く其 の 標 本 と 合 致 し判 然 共 のS・ 電 ・・㎜geた る事 を 詮 す る も,後 世 α α脚 伽mの 名 をSwee七 ・rnngeに 充 て た る故 甚 だ し く 名 欝 の 混 雑 を來 せ り 。 日本 の 座 代 々 はSieboldが1830年Citrus daidaiの 名 を 與 へ た る に 始 り,早 田 氏 之 に 從 ふ も,日 本 毬 の 座 代 々 は 欧 羅 巴 及Africeに て 比 較 せ る結 果s欧 洲 毬 即Auranliumと 植 物 學 上 種 の区 別 な き を知 れ り 。 元 來Sour・rごmgeは 印 度 北 部 の 原 産 に し て,支 那,Ceylon,馬 來 に は 眞 正 のSouKm・1琴e

を 産 ぜ す,世 上 辮 ふ る 所 の 読 改 訂 を 要 す 。

6.

Citrus

sinensis

OSBEOK

SWeet・f細geは 支 那 に 其 産 最 多 く,其 の 欧 洲 に 入 りた る 径 路 又 明 か な る が 故 に此 の 名 あ り。 果 實 は 前 種 と 相 似 た る も,外 皮 の 油 胞 瓢 極 め て 多数 に し て 芳 香 あ る の 差 あ り。 果 肉 遙 に 細 か く貧 酸 多 甘 芳 香 最 強 し 。 種 ア も稜 少 く色 淡 く内 破 頂 端 淡 桃 色 の 差 あ り。

葉 は 中 形 長 卵 形 尖 頭 な る も翼 葉 小,花 も亦 相 似 た れ ど 募 筒 の 外 面 に 毛 な し 。

L頂MEusは 本 種 をS・ur・T^,llg?即CitrtcsAurantiumの変 種 と し て 記 述 ぜ る も,OsBEC$は 其 支 那 族 行 の 結 果 獅 立 の 種 と な せ り。

L、NNAEUBの 標 本 はOsbeckよ り得 た る もの に 非 す,誤 て 之 を7YICCIiCLEの 位 置 に 据 え た り 。 支 那 に 於 て は 之 を橙chlδ 昭 と 種 し 南 方 産 あ る の み,本 草 を 按 す る も橘 柑 が 本 経両 雅 等 に 現

(6)

は る1に 反 し燈 は古 書 に 見 え す,宋 代 開賓 本 草(973年)以

後 始 め て 之 を記 す を以 て野 生 鍾 に

は非 ざ る な り。HookeR(子)のuaを

見 る に 印度 の 北 部 に之 を産 し,馬 來 共 他 の 地 に於 て は

輸入

品 な り、本 邦 に於 て も亦 唐 蜜柑 の 名 あ る如 く輸 入 晶 な り,墓 縄 の 雪 柑 亦 然 り。

7.

Citrus

nobilis

Loui .

LoUREIRoの 交 趾 支 那 植 物 志(1790版)のnobilis原 記 交 に 外 皮 厚 く凸 凹 し,骨 く し て 食 し 得 と云 ふ 事 今 日 のSiam産Kingorangeに 當 る 故,Swingleはnobilisのtype即kingorange な り と 考 定 す 。 但 原 著 に 葉 無 翼 と記 す を以 て 小 蜜 柑 の 類 な り と し,後 世 の 學 家 は 欧 洲 に 普 通 な るMandarinを 総 隅 し てnobilisと 呼 べ り。 1考 ふ るに 我 が 九 年 母 はkingorangeと 同種 に し て,馬 來 牛 島 に も 其 薄 皮 品 あ り,恨 令 Loureiro のtypespecimenは 亡 逸 し今 存 せ す と難,敦 れ もnobilisに 充 つ る は 至 當 な り。 果 實 は 中 形 扁 形,外 皮 濃 色 梢 密 着 し 。 質 堅 けれ ど も 脆 し 。 肉 濃 黄 色,粗 く 多 汁 貧 酸 甘 味 あ り透 明 な り。種 子 は 著 し く尖 り嚇 長 く,内 被 の 色 は 頂 瑠 淡 褐 な り,胚 は 淡 色 に し て 少 数 な り。 P葉 は 中 形 卵 形 に し て 尖 瑞 鈍 く翼 廣 く し て 短 ,董 質 厚 し 。 花 は 中 形 白 色 に し て 辮 片 著 し く外 反 し,藁 筒 表 面 に 毛 な く,花絲 は 多 く合 一 し莉 短 し。 敵 洲 に 去 ふMandarinは 墓 薦 の 元 雰 柑 と 等 し く,南 清 の 四 海 柑 最 も 之 に 近 し,元 來 實 生 の 種 類 に し て我 が 貧 弱 な る 小 蜜 柑 に 比 し 極 め て=豊富,優 に 温 州 蜜 柑 の 量 を磨 す 。 九 年 母King と大 差 あ り,葉 小 形 に し て両 端 尖 り翼 な し,枝 條 繊 細 に し て 叢 状 を な す ◎ 花 は 小 に し て 白 色 辮 片 は 外 反 せ す 花 綜 の 筒 は 著 し く合 一 し短 く,約 甚 小 な り。 果 實 はnobilisに 比 し て 外 皮 著 し く薄 く容 易 に 剥 離 し,肉 は 多 汁 な ら ざれ ど も 多 肉 に し て 甘 味 著 し く 弧 し 。 種 子 は 丸 く,胚 は 緑 色 に し て 多 数 あ り。 是TEx・REが1840年Citrusdeliciosaと 粥 せ る も の に し て 其 のtype tree猴Napoli植 物 園 に 存 す,nobilisと は 裁 然PP別 し 得 る の 形 態 を 具 へ,Swfx(rLEの 如 く 之

をCitrus=nobili,svier.吻Zε伽3α と 呼 ぶ の 理 由 存 せ ざ る な り。 支 那 に 於 て 柑K・nと 構 す る は 概 ね

ヘ ウ ヂ

此 類 に して,橘Chaと

籔 ふ は 小 形 の類 即 我 が 小 蜜 柑,柑J',等

の 総両 な り',前者 を 白人 は

Ma漁ri恥r,田geと

呼 び後 者 をCoolie orangeと

稻 す,蓋 し後 者 は 木 奴 と稻 し苦 力 ・r:nngeの

営 る,果 實 の 諸 性 質 前 二 者 と甚 だ 異 るの み な らす 花 葉 椙似 た るが 如 くに し て 皆 等 しか らす,

多 くの 裁 然 た る 植 物 學 種 を 含 む事 ,温 州蜜柑,Tangerine,八 代,周 次蜜柑等 皆 各 蛎 蜀立種 の

債 値 あ るに匹 敵 す 。 温 州 蜜 柑 は 九 年 母 に類 似 す る も葉 長 大 に して翼 葉 な く花 辮 九 年母 の如 く

外 反 せ す,=果實 は 外 皮 九年 母 よ り薄 く軟 く,果 肉 は更 に一層 濃 色 に して 質 最 も細 か く,多 肉

に して甘 味 最 豊 富 な りO無 核 果(Parthenocarpicfruit)な

れ ど も 種 子 あ らば 丸 く嚇 な く 藤 は

(7)

淡 緑 色 に し て多数 あ り。 由 來 無 性 的 繁 殖 を 以 て の み 増 殖 す る 植 物 は 其 の 野 生状態 不 明 な る 理 由 の 下 に 或 は 雑 種 な る か の 疑 を 設 け 、 或 は 概 観 的 性 質 の 漸 遷 し て 限 界 な き 故 を 以 て 種 と 認 めす,或 る 代 表 的 のtype をspeciesと 假 定 し 他 を共 の変 種 を 以 て 呼 ぶ 事,typeconception明 瞭 な る 學 者 間 に も一 種 の 慣 例 を な せ り。 即Cilrusnobilisvar.deliciosa;Citrus nobilisvar.unshiuと 云 ふ が 如 し。然 れ ど も 深 く考 ふ る に 斯 の 如 く假 定 せ られ た る 毬(例 へ ば 励 ε1乞の は 決 し て 野 生 晶 に 非 す,又 雑 腫 な "りや 否 や の 疑 問 も解 決 し得 ざ る な り 。 若 しdeliciosaの 如 き を 種 と 呼 ぶ の 債 値 な し とせ ば 前 者 も亦 種 と 稻 す る の 理 由 な り け ん ・若L唯 ≧classica1の 故 を 以 て す る な ら ばdelicioscaの 名 の 如 き 今 日 よ り見 ば 優 に 存 綾 の 債 値 あ る な り 。 抑 も右 の 如 き 意 義 に 於 てvarietyを 設 くる 事 の 合 理 的 な りや 否 や 頗 る 疑 ふ べ く,若 しLinnaeusの変 種 を 許 容 せ し原 意 に 從 へ ば(Philosophia botanica 1751,p・100)交 趾 支 那 固 有 植 物 と伊 太 利(或 は 支 那)の 植 物 と 日本 固 有 の 植 物 とが .Gausa accidentaliに よ りmutateせ り と 稻 せ ざ る を 得 ず,是 到 底 吾 入 の 肯 定 を得 る 事 能 は ざ る

な り。 最 後 に 是 等 各 毬 は 性 質 漸 遷 し 種 を 分 つ 事 不 可 能 な り と 云 ふ 者 あ ら ん も,上 記 の 如 く nobilisとdeliciosaと を 合 せ る は 性 質 の 類 似 に 基 く と云 ふ 事 を 得 す,他 の 各 員 も形 態 學 的 比 較 研 究 著 し く 共 の 度 を進 む る時 は,釜 よ多 くの 戴 然 た るa別 を 認 容 せ ざ る を 得 す,往 時 形 態 學 的 研 究 低 潮 の 時 代 に 於 て は 或 は 亘 大 果 種 文 且 を柑 橘 の 一 種 と し他 を 皆 別 の 一 種 とせ る如 き (BucHANAN-HAMiLToN),又 乳 頭 あ る果 類(Lemon,Citron,Lime等)を 球 形 果 類Sweetoraige,Sour

o range,交 且 等)と 分 て る如 き(LINNAEUS),極 め て 粗 放 の 分 類 法 あ り,今 或 は 之 に 倣 ひ 上 記 の 各 類 は 比 較 的 容 易 に 剥 離 す る 外 皮 を 有 す る 事 を以 て 他 の 全 類 と 分 ち,或 は 花 梗 上 一 個 の 花 を着 く る の 理 由 を以 て 花 梗 上 二 花 以 上 あ る 他 の 諸 類 と 分 つ 如 き 観 念 を 許 さ ば,之 即rにr人 聞 以 外 の 者 皆 畜 生 』 と云 ふ 如 き を 分 類 の 本 義 と せ る 識 を 冤 れ ざ る は 勿 論,性 質 を 分 解 し て 生 物 のqla位 を定 む る を 目的 とせ る 命 名 學 の 大 義 に 反 す,叉 實 際 研 究 の 結 果 差 異 の 明 か な る も の を果 の 扁 形 性,花 の 孤 猫 性,果 皮 の 剥 離 性 等 の 如 き 概 括 的 類 同 を 以 て 種 に 合 一 す る 時 は,鍾 憾 適 當 な るtypeを 以 て 代 表 せ ら れ ざ る 可 か ら ざ る の 原 理 に 反 し 多 くの 異 品 を 含 み2)終 に 停

止 す る 所 を 知 らす,speG三esは単位 に 非 す し て 一 のgroupた る に 至 る も の な り,即BoNAVIA,' 'ENGLER ,GuiLLAUMIN等 皆 此 弊 に 陥 り絡 に 牧 拾 す る 所 を 知 ら す,MERRILL,SwiNGLE等 亦 危 し 。 9鼓 を 以 て 著 者 は 植 物 の 種 は 共 の 原 由 如 何 の 想 像 を捨 て植 物 繁 殖 如 何 の 別 を 間 は す 且 つ 漸 遷 形

質 論 の 如 き 不 完 全 な るgr・up.ugの 方 法 に 擦 ら す,嚴 格 に 形 態 學 的 性 質 の 戴 然 た るpp別 に の

(8)

み 基 準 して之 を分 ち,飽 くまでtypeconceptionに

從 ひ て記 載 命 名 す る事 最 も合 理 的 に し て種

決 定 の 本來 の 目的 に合 す る もの と断 定 す る もの な り。此 の 故 を以 て 野 生種 た る と栽培 種 た る

との 別 の如 きは 本 來植 物 學 種 の 債 値,用 途 の上 に何 等 存立 の 理 由な き も 之 を形式 に 於 て 分 つ

を便利 とす るな らば,野 生 種 に 封 して は 著 者 の 署名 を附 し栽 培 種 には 之 に代 ふ るにHG.1't.

(Hortulanorumの

略字)の 字 を附 す る を可 とすOZ)因 に云 ふ著 者 の確 信 す る所 は 此 の 如 き観

念 並 に 方 法 を以 て栽 培 種 を取 扱 ふ事 は 園藝 植 物 の 分 類 を完 成 す る 唯0の 道 に て・今 日世 界 の

大 家 が 園 藝 植物 を分 類 し 成数 した りし事 稀 な るは,此 の 考 慮 を 歓 け るに 基 す と樗 し て過 言 に

非 ざ る可 し,分 類 學 中難 中の 難 た る柑 橘 腐,殊 に 所 謂nobilisgroupの

適切 な る解 説 決 定 は・

のpruicipleを 肯 定 す るに非 ざ れ ば,到 底 不 可 能 な る事 既 に之 を論 ぜ る所 な り(TANAKAinJourn

Hered.vol.8,p.249,1922.)a

8.

Citrus

mitis

BLANCO

Philippineに 普通 な る柑 橘 に し て馬 來Java,南

清kyもi栽培 せ ら る。墓 鵜 に て は 月稽3ζは四

季桔 と稻 し,日 本 内地 に ℃ は唐 金柑 又 は 四季 成 金柑 の 名 の下 に栽 植 あ り。

果 實 は 甚 小 形 に して 微 に 扁形 を な し外 皮 薄 く柔 く 質稻 弾性 あ り,濃 色 な り。 肉 は 黄 色 稽 強

く極 て柔 く多 汁 多 酸 。種子 は 中 形 に し て卵 状稜 な く内被 の頂 端 は薔 蔽色 ・胚 濃 緑 色 な り。

葉 は小 形 倒 卵形 に して厚 く葉 柄 長 く 翼 殆 ど歓 如 す。花 は 白色 小形 に して無 毛・花 絲 は消長

な る も稻 合 一 し ・

・7極

めて 小 な りo、

比 島 に て はCalamondinと

稻 しBlancoが1837年

初 め て上 記 の 學 名 を以 て記 読 ぜ り。 然 る

に 且鵬 蹴恐

が]842年

襲 表せ しCitruslimonellus var.amblycarpaの 標 本 を験 せ るに ・之 と同

毬 な る を知 れ り,右 はRumphiusの

記 述 な し。故 に蘭 領 印度 は近 年の 楡 入 な るべ し。

9.

Citrus icliangensis SWINGLE

揚 子 江 の沿岸 宣 昌Ichang附

近 原 産 の 新 種 に してSwingleが1913年発表

の もの な り。

果 實 は 小形(大 形 の もの は正 種 に非 ざ る事 後 に認 む る所 とな る)外 皮 稻 厚 く淡 色 〔肉 多汁

多酸 〕,種子Citrus禺

中最 大 に し て長 卵 形 梢 扁 く稜 な く龍 骨 あ り。

樹 は多 刺 に して 葉 は 狭 く葉 面 と同 大 の翼 あ り尖 端 明瞭 に漸 尖 す裏 面 の 葉腿 は不 明 に して其

歎 多 し。 花 は 大 形,葉 腋 に 翠 生 し硬 極 め て短,花 冠 は 充分 開 張 せ す,白 色,花 孫合 一 し ・

・J小

り。

但 栽 培 品 に して 其 の雑 種fi:るの 特 質 明か な る もの及 人工 雑種 に謝 して命 名な 下 す事 に推 構 ぜず

(9)

本 毬 は ユ ズ に最 も近 く産 地 も亦 遠 隔 な らす。Swingleは 印度kahsin産

の 品,即HooeSFr(子)

が 共 の標 本 上Citrus latipesと 記 せ る を 本腫 の亜 種 と な した れ ど も,Khasia産

品 と 稻 せ る も

の に は明 に 二 踵あ り,一 は0伽8伽

α(脚伽α に て他 は0.ichangensis其

者 な り,即 別 に 亜 種 の

存 す るな く前 者 を混 同ぜ るな り。

10.

Citrus

bergamia

Risso

Bergamotorangeは

伊 太 利 に=普通 な る栽培品 に して 東 洋 に 共 産 を 見 す,恐 ら く 雑 種 な らん

も其 依 て來 る所 を知 ら ざ る な り。

果 實 は 中形 丸形 なれ ど も頂 端 尖 りあ り,外 皮薄 く 弾 性 に 富 み 色 淡,肉 帯緑 黄 色 に して締 り

至 つ て緻 密 な り。 種 子内 被 の 色 は濃 褐 色 な り。

葉 は大 形 長 卵形 鋸 歯 少 な く狭 き翼 葉 あ り。 花 は大 形 白色 に して無 毛 花 懸 は分 離 し約 長 し。

本 種 はRlsso始

め てCitrusdimettabsrgamiaと して1813年発表せ

るが,後1822年Risso及

Poteau

共 著 の本 にCitrus bergamiaと 改 稻 せ しな り。SWINgLEがRissoの

み を 著 者 とせ る事

は 誤 な り。

H.

Citrus

histrix

DC.

A.1'.DECaNDoLLEが1813年Montpellier植 物 園 栽 培 品 の 花 實 な き 植 物 に 就 き て 記 載 命 名 せ る に 初 ま る 。 而 し てHooKer(子)は 同 園 よ り取 た る 腸 葉 を 見 印 度 産 のCitrus latipesと 同 一 な るべ し と鑑 定 せ り。 然 れ ど もDECaNDollEの 引 用 せ る 所 のRUMPHiusのLimoferusは 馬 來 名Swangiと 稻 しlatipesと 同 一 に 非 す,Swangiの 標 本 は 著 者 之 を採集 し前 記Montpellierの 標 本 も 之 を見,且 欧 羅 巴 各 地 植 物 園 に 栽 培 す る 所 謂histrixの 實 物 を験 し,敦 れ も皆 同 一 物 な る を認 め,下 の 如 き 記 載 を 下 す 事 を 得 た り。  

果 實 は小 形 丸形 な れ ど も往k突

閏 す表 面 疵 状 を呈 し淡 色 皮厚 く質 稽 脆 く特 異 の 烈 香 あ

り。 肉 は 粒 状 をな し質 微 細 に し て緑 色 を呈 し透 明 多酸 な り。種 子 は 小 さ く甚 だ 長 形 に し て塵

扁 し,内 被 の 色 は 淡桃 色 に して薄 し。

葉 は 中 形,楕 圓 を な し同 形 同大 の翼 あ り,共 に両端 丸 く,質 厚 し,縁 凌 少 し く捲 曲す 。 花 は

極 め て小 形 外 面 微紅 色,無 毛 。花 綜 は稻 合 し,約長 し。

BLANCO(1837)のCitrustorosaHAsskarl,(1342)の1圃

α丑鵬pゐ伽MIQUEL(185の

の 傭 欄

R卿 面 皆 同 一物 に して 本 種 に 他 な らず 。Ceylon,馬 來,Philippine等 に廣 く分 布 すれ ど も廣 東

省(海

南 島)墓 灘 等 に其 の 産 な し。本 種 に 類 似 す る植 物 に し大 形 の托 状 な ら ざる果 と大 形 に

し て薄 く縁 邊 捲 曲 ぜ ざ る多 少漸 尖 す る葉 を 有 す る品 を も今 日等 し くCitrushistrixの 名 を以 て

(10)

呼 べ ど も,後 者 は 嚴 にPA別 す る こ と を 要 す 。Citrus"nzacropterctの 條 参 照 。

12.

Citrus tahitensis Risso

Otnhdite・xangeは 太 平 洋 中 のTahiti島 の 原 産 な り と云 ふ 。Riss・ 及P・1TEAU1822年 初 め て0伽8ω 蜴 観%㎜v蹴 伽 膨 θη8θを稜 表 した る も,S`VINGLEの 用 う るCitrustaitenseは 唯RI8s・ の 階 葉 上 之 を 見 る の み に し て 出 版 ぜ ら れ し事 な し 。1884に 至 りSAVASTAN・ が 襲 表 せ るCitrus otaitensisを 以 て 最 初 の 種 名 と な す べ き な り。 観 賞 用 と し て1k植 す 。 下 の 記 文 はAlge・ia 産 品 に 基 け り。 果 實 は 小 形 に し て 丸 く微 に 凸 凹 あ り,小 乳 頭 を 有 し 濃 色 な り外 皮 質 脆 し。 肉 は 濃 色 酸 味 な し 軟 く質 細 か な り。 種 子不 全 の もの 多 し。 葉 は 長 楕 圓 形 に し て両 端 租 鋭,鋸 歯 あ り。 花 は 軍 生 し帯 紫 色,Lem・nに 似 て 甚 だ 小 な り 。 本 種 は 比 較 研 究 の 結 果 廣 東 産 檸 檬 と 同 種 な り と 決 定 せ り・ 印 度 産 悶t七nornng・(・itrus 皿 伽B。NAいafined.=Citrusaurantiumsubsp.協 α伽ENGL)は 是 に 最 も近 似 す る 種 な る を 知 る 。 以 上 列 學 せ る 所 に よ りSwエNGLF氏1922年 の 柑 橘 種 名 を校 訂 す れ ば 次 の 如 し SwINgLE氏 原 名

1. Citrus Medial LiNN.

2. Citrus limonia OSBECK

3. Citrus aurantifolia SWINGLE

4. Citrus grandis OSBECK

5. Citrus Aurantium LINN.

6. Citrus sinensis OSBECK

7. Citrus nobilis LOUR.

8. Citrus mitis BLANCO

9. Citrus ichangensis SWINGLE

10. Citrus bergamia Risso

11. Citrus taitensis Rlsso

12. Citrus histrix DC.

校 訂

decapitalize M.

C. Limon BURM.

C. maxima (J. BURMANN) MERRILL

excl.(C,. C. unshiu Hort. etc. etc. de/iciosa TEN.

excl. subsp. latipes SWINGLE

authority emended-Risso et P0ITEAU C. limonia OSBECB

ercl. large leaf types

Citron

Lemon (European)

Lime

pummelo ( Shaddoek Grapefruit

Sour orange

Sweet orange

King orange : Kunembo

Calam.ondin : T$kinl~,Ln Iohang lemon

Bergamot orange Otaheite orange

Swangi orange n. nom.

以 上 の外 今 月 まで 充分 知 られ ざ る種及 薪 種 と 認 むべ き もの二 三 あ り,左 に共 の 最 も明瞭 な

る もの を記 設 せ ん と欲 す 。

1.

Citrus

macroptera

MONT.

『P

apua,Fiji,New Caledonia等 のMelanesia諸 島,馬 來 の:t,Philippine等 に 普 通 な る 植 '物 に し て 今 日 ま で 全 然S

(11)

文 の 示 す 如 く猫 立 鍾 と し て 分 立 す る の 適 當 な る 事 を 推 構 す 。 果 實 は 中 の 大,丸 形 平 旦 に し て 油 黙 細 か く 皮 梢 厚 く密,淡 色 な り 肉 は 無 色 に し て 質 細 か く. 粒 状 を な す 酸 味 強 し 。 種 子 は 中 形 に し て 長 方 形 扁 『二,内 被 の 色 は 淡 褐 な り。 葉 は大 形 同 大 の 翼 葉 あ り尖 端 漸 尖 し 周 縁 鋸 歯 あ れ ど 捲 曲 せ す,質 薄 し 。 葉 脈 は 裏 面 に 明 瞭 な り。 花 は 小 形 殆 ど 無 柄,微 紅 色 を帯 ぶ,花 絲 は 分 離 し綺 慶 し。 比 島 産TypeはCabuyaoと 稻 す 。 MoNtrouzier1860年Art島 産品 よ り命 名 す 。 共 後1895年KooRDERsはCelebes産 品 に 依 のCitruscelebicaと 命 じ た る が1901-2年BAILEYは 別 にNewGuiuia産 品 にCitruspapuanaの 名 を 下 せ り,著 者 夫 等 の標品 を比 較 す る に 皆 同 一種 な る を知 れ り。Philippineに 於 て は 全 然 α撫81躍 痂 と区 別 を設 け す と 難 も 之 研 究 の 不 備 に 基 く も の に し て 改 訂 を 要 す る な り。 本 種 に 極 め て 類 す る もの に 長 形 の 果 實 を有 す る もの あ り,猫 類 似 の 品 多 け れ ど も 蝕 に 細 論 を 省 く。 本 種 はJavaに 産 せ す 。

2.

Citrus

limonia

OsBBCic

ぐ)SBECBの記 した る廣 東産 品 檸檬 はLemonと

大 差 あ る 事 既 述 の如 く,且 共 性 質Otaheiteorange

と一 致 す る事 前 掲 の 如 し。唯 廣 東 産 品 紅 檸 檬Huugningmungは

外 皮 薄 く表 面 殆 ど綾

凸 凹 な く肉 酸味 強 きの 差 あ るの み。 慶 東 に は 叉 白 檸 檬Pakningmungあ

れ ど も花 葉 の性 質

全 く前 者 と同 一 な り。

早 田氏 が新 種 な りと してCitrusdepressaの 名 の 下 に記 され し 墓 灘 産 品 を槍 す る に紅 檸 檬 と

同 一 な る を見 る,恐 ら く壼 灘 人が 廣 東 よ り輸入せ し もの な らん 。

HooKER(子)が

印 度 の 野 生 品 な りと して 記 せ る標 品 に 同 一 の もの あ り蓋 し 印度 東部 の 原 産

な るべ し。Hooker採

品 はKhattaの

名 欝 の 下4一來 る もの な りや 明 な らざれ ど も著 者 の 見 た る

Khatta

は花 葉 の性 質酷 以 す る も 果 實 粗 皮 に して 厚 く,肉 も亦 等 しか らざ りき。 本 柑 橘 は宋

代 の 書 嶺 外 代答 に黎朦 子 或 云 自南蕃 來 と記 す如 く明 に輸 入 晶 な り。 眞 正 のLe皿

・uは 別 に近

時 拉 門 の名 の 下 に呼 び て決 し てLi-mung,Ni-mungの

如 きi音

な し,i昔 あ るは 馬 京に 於 け る

Limau,Limu,himm,Lim。

等 よ り來 るを示 す 。即 別 に是 等 を語 原 とす るLemon,Lumin等

更 に嬉 じ て檸 檬,黎 檬 とな りた りと考 ふ るは 本未 を誤 る義 な りと知 るべ し。

3.

Citrus

limen

Risso

Rissoの 記 す 所 は 伊,佛,Tanis,Algeriaし 等 に 普 通 な るLumia'を 示 し 決 し て 眞 正 のLimon doueC'(Sweetlemon)と 稻 す るLemonの 無 酸品 に 非 す 。 其 の 來 由 は 不 明 な れ ど も東 亜 に は 産

(12)

な き を以 て或 は難 種 な るや も計 られす,但 共 性 質Lemonと区

別明 瞭 な る もの を以 て 種 の 取

扱 をなす を至 當 となす 。

果 は 小形 淡 色 に し て丸 く,頂 端 大 な る乳 頭 あ り,皮薄 く弾 性 あ り,肉 は淡 色 多汁 に し て甘 しo

種 子 は細 長 尖 り,内 被 の色 は淡 桃 な り。

葉 は極 めてLemonに

類 すれ ど も正楕 圓 をな し尖 卵形 な らす両 端漸 尖 せ す 花 もLelYIJIIに

類 し帯 紫 色 な り。

R㎎goは 後 本種 をCilruslumiaと

改 構 したれ ど も其 の 理 由 な し。多 くの著 者 はr,.limettaを

.

以 てLimeに

充 つ れ ど も正 しか らす 。本 種 は或 はBijoulime叉Chinotto(同

名 異 品 あ り)の

俗 名 を以 て知 ら るれ どLumiaと

稻 す る方 普 偏 的 な り。

4. Citrus ,junos (SIEB.) TANAKA

ユ ズの 支 那 甘 粛 省 に 産 す る事 著 者1922年

に稜 表 した る も,之 よ り数 年 前PELTIERは

著 者

の 獲 見 を印 刷 物 に報 ぜ り。其 後J.A.souLIEが

西 藏 よ り採集 せ る標 本 を瞼 し其 の 分 布 を知 れ

る を以 て多 年 襲 表 を見 合 せ た る新 名 の 下 に本 鍾 を記 蓮 す る事 を得 た り。

果 は 中形,扁 形 に して頂 端 少 し く凸 田 す,淡 色 に し て外 皮 質 甚脆 く佳 香 あ り。 肉 は淡 色,極

め て柔 軟 に し て多 汗 な る も速 に 消失 す 。種 子 は大 形 『卑

滑 に して 龍 骨秀 で内 被 の 色 は頂 端 帯 紅

色 な り。

葉 は 卵 形 に して 漸 尖 し翼 大 な り,質 薄 し 。花 は 中形葉 腋 に軍生 し 梗極 め て短 か し,花 冠 開

張 せ す 微 に紫 色 を帯 ぶ,花 懸 は合 一 し満 は短 し。

一般 性 質Citrusichangensisに 最 も近 し

。 漢 書 橘 柚 は最 も古 く知 らるれ ど柚 の 名 次 第 に変 化

して文 且 の稻 呼 となれ る事 白井 先生 の 読 か るi如

し。之 を本 邦 に 傳 へ た るは朝 鮮 よ りせ る も

の な る可 く現 に朝 鮮 に之 を産 す る を確 め得 た り。或 は入 唐 の僧 之 を原 産 地 よ り得 た る疑 な し

とせ す ・柚 味 噌 は本 朝 食 鑑 の 云 ふ如 く奈 良信 院 の 名産 に して 灘 家 の 柚 を愛 す るは其 の 秘 結 作

用 よh坐 輝 を便 す るが 故 な りと南 方氏 著 者 に 教 ふ 。m理

あ りとす べ し。

Citrusjunosの 名 構 は 素SieBoLDが

日 本採集

標 本 上 に記 せ る も の に して1830年

α蜘8

medicsvar.卿08と

して 出 版せ り。 而 してxsox年

牧 野 氏 は詳 細 な る記 文 を附 してCitrus

Aurantium subsp junos

の 名 鶴 の 下 に記 せ る も其 の 原 産 地 明 瞭 せ る今 日S廻B・LAのtypeに

りて新 種 の 記 読 を嚢 表 す る を適 當 と信 じ氏 が 本 邦 渡來 百年 を紀 念 して本 種 を稜 表 せ る な り。

(大 正 十三 年 四 月刊 行.シ

ー ボ ル ト先 生渡 來 百 年紀 念 論 丈 集 中節P・58-69参

照)。

(13)

5.

Citrus tackilana (MAKIN0) TANAKA

n. sp.

タチ バ ナ は我 國 内地 唯 一 の 野 生 柑 橘 に して,其 分 布薩 摩大 隅 日向 土 佐 紀 伊 皆 海 岸 線 に沼 ひ

て天 生 す 。 高 知 縣 安藝 郡 津 呂村 の タ チ バ ナ野 生 林 は 史蹟 名 勝 天 然 記 念物 と して指 定 せ られ た

り。

果 は小形 に て 扁 球 形 ・淡 色平滑 ・果 頂 凹 入 す 。果 皮 は綾 く 靡 薄 に して脆 し。 開 は 淡 色 透明

に して多 汁多 酸 。 種 子 は平滑 内 被の 色 は黄 色 に近 し。

葉 は 小 形 に して梢 廣 く正 楕 圓 に 近 く頂 端 微 に漸 尖 す,翼 葉 殆 と な し。 花 は 小形 白色 に し て

葛 筒 の下 部 膨 れ 裂 片切 淺 し。花rY,は稽 合0し 満 は短 し。

Typ・ 産 地=宮 崎 縣 南 那 珂 郡 市 木 村 山 林 .(明治 四十三年 著者採集)複Type産

地:長 崎 市 中

川 町 栽 培(大 正 十二 年 五 月著 者採集)。

天 然 林 中 に於 ては 小 さ き喬木 状 を 呈 し枝 條 正 し く開 張 す。 栽 培 品 は 美 しき牛 球 形 を なす 。

枝 は 小刺 あ り,細 けれ ど も叢 生 せ す。 果 は美 しき 鮮 黄色 を呈 し過 熟 の 時 は燈 色 をな し肉 團 と

果 皮 と分 離 す。

本 種 は1896年

牧 野 氏 二

始 め てCitrus Aurantium? var.Tachibanaと して 記設 せ り,但 伊藤 松 村

氏 の1900年

版 琉 球 植 物 誌 に 載 す る所 のCitrusnobilisv瓢

血c励 α

㎜ は全 然 別 種 な り,叉 ・

村氏 は両 氏 のC.nobilisvnr.spontaneaを

本 毬 に充 つ る も琉 球 には別 に スヰ カサ ー と稻 す る野

生 柑 橘 あ リタチ バ ナ と等 しか らす ρ共 の 研 究 は後 報 すべ し。 タチ バ ナ は記 紀 萬 葉 の 記 す 所 に

して 田 道 間 守遠 征 以前 既 に 本 邦 に存 在ぜ し事 明 な り,就 祉 宮殿 に は 櫻 と共 に妹 く可 か らざ る'

樹 な る事 人 の 知 る所 な り。

以 上 述 ぶ る 所 の 柑 橘 各 種 は 今 日Citrus属 の 大 宗 に し て,猫 二 三 未 探 楡 地 の 産 品 明 瞭 と な ら ば 種 の 増 加 勿 論 な り 。 叉 所 謂nobidisgr)upのsplittingに よ り 多 激 の9為rdepspeGie$を 出 す 事 亦 論 な し 。 以 上 の 外 カ ラ タ チ(ゲ ズ 又 キ コ ク)は 今 日Poncirusに 牧 め 金 柑 類 の 四 種 は 砺 伽紹伽 圏 に 分 離 し,濠 洲 産DesertQumquatの 四 種 叉Microcitrus属 に 容 る 。 (大 正 十 三 年 六 月 補 正)

(14)

PRINCIPAL

SPECIES

OF

CITRUS

FRUITS

OF THE

WORLD

Resuna4

Tyozaburo

TANAKA

1. Twelve species of Citrus described by SWINaLE in 1922 were redescribed here, as the result

of the field survey °inducted in the Orient and Europe, as well as from the study in the important herbariums of b)th East and West. A few revisions of the names were proposed.

To this list, five hitherto imperfectly known species were added, among which one is new. 2. The greatest ambiguity and weakness of the taxonomy of the genus Citrus so far advanced,

were here attributt3d to the lask of thoroughness in the type conception, allowing too liberal presumption for the origin of type and for the analysis of the distinguishing

characters to which the feasibility of species segregation is solely dependent.

3. It was strongly suggested in this paper, that every type, whatever occurring wild or

cultivated, should be observed critically as it is in the actual state, without regards of its origin by seeding or by grafting: Characters whioh are unique and specific are the

only accessible basis of species determination, and from this point of view, segregation of types of so called " nobilis group " were proposed, as evidenced by the case 'of C. nobilis,

C. deliciosa, and C. unshiu. Equal treatment of wild and garden species was therefore highly recommended under such circumstances.

4. It was also proposed that the garden species thus brought to the rank of the wild species should be named without authority, substituting the term " Hortulanorum " in

its stead, as instanced by the name C. unshiu Hort. It was however not recommended

to name any definite or presumable hybrid occurring cultivated in the gardens.

5. The concluding scheme of classification of the known Citrus species is shown in the following table :

1. Citrus medial LINN. ...Citron

2. Citrus Limon BURN. ...European

lemon

3. Citrus aurantifolia SWINGLE...Lime

4. Citrus maxima (BURM.) MERRILL...Pummelo

5. Citrus Aurantium LINN...•...Sour

orange

6. Citrus sinensis OsBECK ...Sweet

orange

7. Citrus nobilis LOUR. ...King

orange : Kunembo

8. Citrus deliciosa TEN. ...Mediterranean

mandarin

9. Citrus unshiu HORT. ...Satsuma

orange : Unshu mikan

10. Citrus mitis BLANCO. ...Calamondin

: Tokinkan

11. Citrus ichangensis SWINGLE. ... ...

Ichang lemon

12. Citrus berg amia Risso & POITEAU ...Bergamot

orange

13. Citrus histrix DC...Swangi

orange n. nom.

14. Citrus macroptera MONT. ...Cabuyao

orange n. nom.

15. Citrus limonia OSBECK ...Canton

lemon n. nom.: Ning

mung : Otaheite orange :

Hirami

lemon

16. Citrus limetta Rlsso ...Lumia

17. Citrus junos (SIEB.) TANAKA...•Yuzu

: Kansu orange

18. Citrus tachibana (MAE.INO)

TANAKA,

n. sp.

• • • . • • • • Tachibana

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