• 検索結果がありません。

太陽電池製造技術の開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "太陽電池製造技術の開発"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

特集

エネルギー新技術

U・D・C・[る21・383.51:523.9-75〕.002

太陽電池製造技術の開発

Developmentof

ProcessTechnolog帽Sfor

Solar

Cells

「サンシャイン計画+の一環として,新エネルギー総合開発機構では,太陽電池 の大量低廉生産技術の開発を推進しているが,これに関連して日立製作所が受託し て行なったセル製造技術の開発について紹介する。 太陽電池の性能や信頼性を維持した上で経済性の向上を図るため,イオン打込み 法による接合形成及び印刷・めっきによる電極形成を主要技術とする方式を採用し た。このセル製造技術に閲し,工程数低減,処理温度の低温度化,工程の連続化, セル特性の向上を中心に技術開発を行ない,年産250kW規模の連続自動生産設備を 設計・製作・据付・調整し,運転研究を行なっている。 l】

言 太陽電池を用いた太陽光発電は,無尽蔵にあるただの太陽 光エネルギーを,半導体の光電量子効果に基づき直接的に電 気エネルギーに変換するクリーンで環1竜上問題のない発電法 である。この太陽電池の応用は,最近ではソーラー電子式卓 上計算機として身近かなものとなったが,電力用として考え る場合には,既存の化石燃料などにより得られる電気エネル ギーに比べると,経済性の点で問題があり,世界各国で国家 プロジェクトとして研究開発が進められている。 我が国では通商産業省工業技術院「サンシャイン計画+グ)

斉藤

忠*

Tα血ざんiSαiJ∂

中谷光+雄**

仏土ざ址0〃α丘α加古 松熊邦浩*** g〝れiんfγ0〟α加点"mα 紙田 暢*** 仙み加∬αmわα 一環として,新エネルギー総合開発機構が推進母体とな-), 太陽電池パネル実験製作検証.,太陽光発電利用システムなど, 図ll)に示す実用化技術開発が進められている。 日立製作所では,昭和49年度から,「サンシャイン計画+に 参加し結晶形シリコン太陽電池の基礎研究2ト5)を行ない,昭 和55年度からはその成果をもとに,実用化技術開発に参加し 鋭意その開発を進めてきた。本報では日立製作所が受託して 行なっているイオン打込み法による接合形成と電極形成など の乾式セル製造技術の開発状況について紹介する。 テーマ名 年 次 (1982) ('83) ('84) ('85) ('86) ('87) ('88) ('89) ('gO) 昭57 58 59 80 61 62 63 64 85 太陽光発電システム実用化技術開発 1.低コストシリコン実験精製検証 2.太陽電池′くネル実験製作検証 3.アモルファス太陽電池の研究開発 4.太陽電池評価システムの研究開発 5.周辺技術の研究開発 6.太陽光発電利用システムの研究開発 (1)個人住宅用システムの研究開発 (2)集合住宅用システムの研究開発 (3)学校用システムの研究開発 (4)工場用システムの研究開発 7.集中形太陽光発電システムの研究開発 (1)分散乱発形太陽光発電システム (2)集中配置形太陽光発電システム 8.光線ハイブリッド形太陽光発電システムの研究開発 10t/年級 10.000kW/ 年親

N

旦00kW/年級 評 価 N N コスト エネルギー 析など M 分析 性能・信頼性・耐候性 基礎研究・連系・保守設備・制御方式試験研究 3kW $$Sヨ 20kW N 200kW

泣きH$ミ…ミ中天

100kW l

・べ…

200kW

m

1,000kW

塗塗さ迷退室志さ逆送≡喜郡軍需軍需粟雫

5kWt+25kWt

∞ミミ対

l

l

注:l 設計・運転研究,W調製作・建設 図l長期研究開発計画図(サンシャイン計画) 本表の「低コストシリコツ実験精製検証+及び「太陽電池パネル実験製作検証+によって.結晶形シリコン 太陽電池の研究開発が進められている。 * 日立製作所中央研究所工学博士 ** 日立製作所生産技術研究所 *** 日立製作所日立工場

(2)

96 日立評論 VOL.66 No.2(1984-2) リボン基板 キャスト基板 低コスト SOGシリコン 乾式pn接合 湿式pn接合 パネル組立 注:略語説明 SOG(脚注粛)参照) 図2 結晶形シリコン太陽電池製造技術開発の体系(サンシャイン 計画) 本体系に示す各工程が,それぞれの受託先で研究開発されている。 B

開発技術の概要

新エネルギー総合開発機構が推進している太陽電池製造技 術は,図2-)に示す各工程6)により構成されている。生産規 模は,年産500kWを目標とし,昭和58,59年の両年度で運転 研究を行なうように計画されている。その一貫ラインの一部 を構成するのが,日立製作所が受託し開発を進めている「乾 式pn接合工程+である。本工程では,製法の異なる2種類の 角形多結晶基根が使用されているが,その基板を用いて製造 するセルの平面図と断面図を図3に示す。太陽電池は,n+pと pp+の2種類の接合をもち,受光面倒は入射光の反射防止膜と ハニカム形の電極及び裏面電極から構成されている。日立製 作所では,性能や信頼性を椎持した形で経済性の向上を図る ため,イオン打込み法による高速pn接合形成技術,印刷とめ っき法を併用した電極形成技術を主要技術として採用した。 日

章素となるセル製造技術の開発

太陽電池の変換効率などの性能を左右する重要な因子は, 光照射で半導体の内部に形成された少数キャリヤのライフタ イムであるが,この値は高i見で基板処章里を行なうほど低下す る傾向がある。図4はその一例で,単結晶CZ(Czochralski) 基板及び多結晶キャスト基板とも熱処理温度が高くなるほど ライフタイムが低下している。太陽電池では,接合形成で高 i且を必要とし,従来法では850∼950℃のi温度が使用されてい たが,イオン打込み法の採用によって接合形成i温度を大幅に 下げることができた。匡ほは熱処理温度とセル特性の関係7) で,750℃近傍に一最適な熱処理子息度が存在することを見いだ し,従来法に比べ100∼200℃の低温化が実現した。この熱処 理では,基板裏面のp+層形成も同時に行なわれ,工程短縮だ けでなく製造に要するエネルギー消費量の低減にも寄与して いる。 しかし,通常のイオン打込み装置は高価で,かつ大量ウェ ーハ処理機能をもっていないため,太陽電池の性能/コスト比 に見合った打込み機の開発を進めた。本装置の概念図を図6 に示すが,マイクロ波イオン手原の採用で大電i充・長寿命化を 実現し,ドーズ量均一性の優れた回転円盤方式の打込み室を 2基装備するとともに,オートローダにより角形基板の高速 ローディングとアンローディングを図った。処理能力は,角 形基板で250kW/年を目標に設計製作されたものであるが, 現在運転研究によりその検証を行なっている。 太陽光の反射防止のため,受光面に透光性の良い,高屈折 ※)SOGはSolar Gradeの略称である。従来はCZ(Czochralski)法に よる単結晶基板が用いられていたが,低コスト化のためリボン結 晶法及びキャスティング結晶法による多結晶基板の研究,塗布拡 散による湿式pn接合の研究がされている。 10 受光面電極 (ハニカム形

シリコン〔

□94 l l ) l l (a)セル平面図(受光面)

廊光面

電極 0極 ∩+ P  ̄ ̄ ̄- ̄p十′ ̄ ̄ ̄  ̄ ㊥極 反射防止膜 イオン打込み層 Pn接合 裏面電極 (b)セル断面図 図3 太陽電池セル(角形)構造図 反射防止膜を透過した太陽光はシ リコン部で正孔と電子を発生させ,それぞれ㊥電極,⇔電極に集電され電力を 発生する。 0 0 0 5 0 (の、ニq†へ卜†小 ヽ ヽ ヽ ヽ ●----1 1--1 l l l 1 1 ● ヽ ヽ 熱処理時間5舟(Ar中)

、、ノ、、、、∴

′′・、・、、__-・ ヽ ′、

\V

′、

転志£二_、.

ヽ ′ ヽ ヽ ■ ヽ ヽ ∠ゝ 未熟処理600 650 700 750 800 850 9(氾 熱処王里温度(Oc) 0 キャスト基板(0.5∼3詑・Om) ロ キャスト基板(0.5∼3日・Om) ● CZ基板(3Q・Cm) t CZ基板(2記・Om,イオン打込みウニーハ) ム キャスト基板(0.5∼3記・Cm) x キャスト基板(0.5-3日・Cm) ▲ CZ基板(1.5n・Cm) 図4 熱処理温度とライフタイムの関係 ライフタイムが大きいと セル変換効率など特性が向上するので,低い熱処王里温度でライフタイムを極力 低下させない製作方法が望まLい。

(3)

率 効 換 変 (訳)併茶番糾 度 密 漁仙 電 絡 短 開放電圧 「、●

′⊥□\ロ\

0 白U (】U 3 2 2 650 700 750 800 850 900 一9U R) 0 > 0・56 し当 絆 肖 岩室 0.54 (N∈○\<∈)世軸横田渡瀬 温 度(Oc) 図5 熱処理温度とセル特性の関係 変換効率は750℃辺りで最大値 を示す。これは高温側ではライフタイム低下,低温側では素面p+層効果のため 変換効率が低下すると考えられる。 回転円盤 シリコン基板

告ツト

(===コD オートローダ 打込室 質量分離部

⊥「

真空排気系 マイクロ波イオン源 イオンビーム 電 源 制御部 図6 イオン打込み装置の概念図(側面) イオン源取分離部及び打 込室部から成る本体機構部と電源制御部,基板のオートローダを示す。 率の膜を形成するが,受光面電極がこの膜を貫通して形成で きる技術を開発した。これは反射防止膜材としてTi/Sn系の 金属錯体を塗布乾燥して,重合反応によr)形成した膜上にAg ペーストを印刷乾燥し,これらを同時焼成することによr)Ag 印刷電極を隕貫通形成する(Fired Through)もので,従来, 連続自動生産のあい路であった受光面電極形成のための反射 防止膜の窓開けと窓開け部への,精密なアライメント作業が 不要となった。 高効率・高信頼度の太陽電池の製作には,直列抵抗が小さ く,リード線との接着性を考慮して電極を形成することが重 要である。本工程の電極は,Ag印刷電極層,Niめっき層とは んだ層から構成されている。Ag印刷電極は,前述のように, 反射防止膜と同時焼成した一体構造となっている。コンタク ト抵抗を低減するためAgペースト材料と製造条件の検討を行 なった。ペースト材料としてはコンタクト抵抗に対するメタ ル添加効果を検討した結果,シリサイド形成メタルの有効性 太陽電池製造技術の開発 97 を見いだした。また,焼成雰囲気についても最適化を図るこ とにより,高いセル変換効率を得ることができた。 受光面電極パターンについては,直列抵抗と光影損失に関 する最適化計算を行ない,ハニカム形構造が面内電界分布の 均一化に寄与することを見いだし,その最適化設計を行なった。 以上の電極形成工程は,次の特長をもっている。

(1)反射防止膜の窓開けとアライメントが不要である。

(2)反射防止膜と電極の同時焼成で,工程数が低減できる。

(3)電極部での接合破壊が起きにくい。

達続自動生産ラインの開発

以上開発を進めてきた各要素となるセル製造技術を基に, 図7に示した太陽電池製造連続プロセスを開発した。当初の プロセスに比べると,昭和56,57両年度の研究により大幅な 工程数の低減及び連続自動化のあい路になっていた70ロセス の省略が図られたので,製造設備の連続自動化が可能となっ た。このプロセスでは熱処理が2回だけとなり,パターンの アラインメント工程が不要となっている。この製造プロセス を実現する連続自動生産設備を図8に示す。現在,本設備は

据付調整を終了し,運転研究を行なっている。同図中の④は

ウェーハの投入箇所で,矢印は工程の流れを示す。各工程は 連続接続されており,セルの連続自動生産が可能となってい る。運転研究でのSOG(Solar Grade)多結晶キャスト基板を 用いたセル試作結果では,94mm角の大きさで変換効率10%の 値が得られている(図9)。その外観を図10に示す。 以上述べた開発により,本工程は下記の優れた特長をもつ 製造方式である見通しが得られた。

(1)セルを高効率,低ばらつきで生産できる。

(2)セルを低温度熱処理で生産できる。

(3)セルを連続自動生産できる。

P形シリコン多結晶基板 イ オ ン 打 込 み Alペ ー スト 印刷 焼 成 (Ⅰ) 反射防止膜塗布 Agペースト印刷 焼 成 (Ⅰり Ni は ん だ け セ ル 特 性 検 図7 太陽電池製造プロセスエ程図(概要) 熱処理が2回だけでよ く,パターンのアライメントが不要となったことなど.エ程数が大幅に低減さ れたので連続自動生産が可能となった。 11

(4)

98 日立評論 VOL.66 No.2=984-2) 端面形成装置

S

Agペースト印刷装置 こ\

反射防止膜形成装置 焼成(Ⅰり装置 めっき装置 セル検査層別装置 こ\ ′ はんだ装置

図8 乾式pn接合工程設備烏観回 国中にウェ ーハ投入箇所を示すが,各装置は連続接続されており, セルの連続自動生産が可能となっている。 J∫。 出力ー電圧曲線 く やミ 2 固 電流一電圧曲線 Pm`‖.(んp、Vr叩) V。r 自動表面処理装置 ゝ ライフタイム受入検査装置 項)

焼成(T)装置

Alペースト印刷装置 角形ウェーハ用イオン打込装置 丸形ウ 注:→(工程を示す。) ④(ウェーハ投入) 8

言 本工程に関しては,基本生産技術の開発及び設備の設計・ 1,5 製作・据付・調整を完了し,現在運転研究中である。前述の ≧ ように,本工程は500kW/年の太陽電池製造ラインの一部であ 只 -),今後量産試作を通じて開発した技術の向上を図り,また, 1召 他の工程との調整を図りながら試作目標を検証する計画である。 本工程の技術開発は,通商産業省工業技術院「サンシャイ ン計画+の一環として新エネルギー総合開発機構からの委託 ・5 により行なわれたものであり,関係各位の御指導・御協力に 対し深く感謝する次第である。 0 .2 .4 .6 .8 1 電 圧(〉) 注:略語説明 ム+短絡電流),P。。エ(最大出力).v叩(最適動作電圧) Vor(開放電圧),J。。(最適動作電流) 図9 試作セルの光照射時の電流一電圧特性 測定条件は光照射AM l・5,川OmW/cm2.セル温度28℃である。 之¢ 図10 試作太陽電池セルの外観 94mm角形,SOG多結晶キャスト基板 を用いた試作セルを示す。セルの下部にみえる白い模様は結晶粒界である。 12 参考文献 1)広野:太陽光発電システムの研究開発,NEDO光発電シンポ ジウム'83,1∼4(昭58-6)

2)S.Minagawa,et al.:Fabricationand Characterizati。m。f

Solar Ce11s Usi叩Dendritic Silicon Thin FillnS Gr。Wn

On Alu血naceramic,12tbIEEE Photovoltaic Specialists

Conference,77∼飢(1976)

3)T・Saitob,etal∴ImpurityGetteringofPolycrystallin。fr。m

RefinedMetallurgical-GradeSilieon,IEEETrans.Electron

Devices,ED27,4,671-677(1980)

4)S・Matsubara et al.:Fabrication and Properties。fDif・

fused Solar Cells Using Solar Grade Silicon Prepared by a Fluidized-bed Reactor,Proceed.12th C。nference。n

Solidstate Devices Tokyo1980,J・J・A・P・,20,Suppl・20¶1,

297∼303(1981)

5)H.Itoh et al∴Characteristics of Silic。n S。1arCellsFab_

ricated by Non-Mass-AnalyzedIonImplantation,Proceed. Of3rd PbotovoltaicSpecialistsConferenceandEngineer-ing ConferenceinJapan1982,J・J・A・Pり2l,Suppl.2ト2, 7∼11(1982) 6)黒川,外:ⅠⅠ,結晶形太陽電池,電気学会雑誌,102,12, 16∼20(昭57-12) 7)中谷,外:低コストプロセスSi太陽電池(Ⅰり,第30回応用物 理学関係連合講演会予稿集,6-P-0-11(昭58-4)

参照

関連したドキュメント

医学部附属病院は1月10日,医療事故防止に 関する研修会の一環として,東京電力株式会社

Sungrow Power Supply Co., Ltd.は世界の太陽光発電事業向け、パワーコンディショ ナ、蓄電システム及びソリューション提案を提供しております。.

マンガン乾電池 アルカリ電池 酸化銀電池 リチウム電池

出典:総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 系統ワーキンググループ 第5回

分類 質問 回答 全般..

2000 年、キリバスにおいて Regional Energy Meeting (REM2000)が開催され、水素燃 料電池、太陽電池、風力発電、OTEC(海洋温度差発電)等の可能性について議論がなさ れた 2

学識経験者 小玉 祐一郎 神戸芸術工科大学 教授 学識経験者 小玉 祐 郎   神戸芸術工科大学  教授. 東京都

~自動車の環境・エネルギー対策として~.. 【ハイブリッド】 トランスミッション等に