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大津市に於ける家族

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(1)

大津市に於ける家族

土 屋 貞 蔵 目,o団”巨臨マ鵠密貯O匿錫 目Φ営。目ロ。琴慧闇” 126  此の大津市に於ける家族の調査は、旧大津市を産業の性格や職業の種 類、地理的関係を考慮し或程度整理し、その人口比によりサンプルを割 当て、無作為抽出法により抽出しそのサンプルによってその家族を調査 した。  該当家族は旧大津二七六、膳所九四で計三七〇であるが、調査可能数 は旧大津二二五、膳所七二計二九四である。  調査の方法は個別的面接法である。  此調査は費用其他の関係でサンプル数の少い事は否めない。  調査期間は昭和三十一年八月二十四日より同年九月二口迄の十日間で ある。  此調査には滋賀大学学芸学部学生三十余名が参加し、社会学研究室の 学生が整理集計を担当した。  尚説朋に於て大津とあるは旧大津であり、旧大津とあるは旧大津か ら膳所を除いたものである。旧大津を旧大津︵除膳所︶と膳所に分け 両方を比較の形で説明しているが、之は便宜的のもので、サンプルの関 係から云えばあく迄一本に大津として纏めるのが良い事はいうまでもな い。 1 2 3 4 5 6 7 8

附9

1 2 3  目  次 親の子供えの畑期待

妻の結婚観

理想の夫の基準 妻の家庭に於ける価値態度 妻のみた夫の態度 妻 の 心配事 夫の妻に対する希望 職業に対する夫の満足感

夫の仕事観

録 余暇利用の態度 財      産

夫の出身地

1 親の子供えの期待  誰でも親は子供の立派に成長し、一人前に独立する事を望むものであ る。併し、現実には親の子供に対する依存乃至期待にも様々なものがあ る。それでは大津の主婦はどんな状況であろうか、それを示したものが

一49一

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125 大津市に於ける家族(土屋) 次の問題である。   問 題 ︵主婦に対して︶  あなたは上の子供さんにどの様に期待していられますか、 尤も適当なものを選んで下さい。

㈹㈲㈲⇔⇔←う答㈲⇔◎e

無D.K. 次の中から 子供だけが頼りだ。 子供に早く稼いで援助して貰いたい。 子供には家名を傷けない様になって貰いたい。 たとえ長くかかっても子供は一人前に独立して貰いたい。 旧大津  九%  四% 二二% 六〇%  ○・四%  五% 膳所 七% 一三% ︸四% 六〇% ○%  六%  ⇔㈲が比較的生活の安定している上流、中流家庭に於いて多く答え られている。  それに対して⇔は生活が安定せず、子供に義務教育が済めば、すぐ現 在の不足勝な家計を援助して貰わなければ困るといった家庭に多い。  eに於いては、それ以外に老人家庭に於いて子供だけを頼りにし、又 比較的、不幸な立場の多い母子家庭にも見られる。又或る程度生活の安 定はあっても精神的な面で夫を信頼できず、子供の成長だけを頼りに生 活している人もある。  要するに0⇔は精神的にも物質的にも子供によりかかろうとする態 勢で、子供への依存度が高い。又これらは子供の立場よりも親の現在の 立場が中心となって居り、之を分けると生活的な依存度は大津四%、膳 所=二%、精神的な依存度、大津九%、膳所七%で、計大津=二%、膳 所二〇%の人は、子供に対する依存度は高い。  ⇔飼は子供を中心に親が現在の犠牲を払っても子供の将来の為に辛. 抱して行く余力が見られるのに対して、特に⇔の子供の将来の為の犠牲 を払えない現在だけの生活に一杯である、と云った生活との対比がみら れ、膳所の貧困を物語っている。この子供中心の考え方について⇔は、 子供に立派になって貰いたいが、⑭があくまで子供を中心に考えている のに対して、これはあくまで家を中心にみる傾向がある。  この考え方は、大きな商売をやっている家や、古い家名を尊ぶ家屋乃 至は家の観念の強い家庭に見られるもので、古い家の多い膳所一四%よ りも旧大津二二%みられるのは、古い住宅の町膳所よりも、商業の町大 津の家の観念を示すものであろう。  e◎が親中心の考え方で、全く子供に依存的であるのに対して、日 ㈲は、子供を中心にする考え方である。親は、現在の犠牲を払っても子 供の将来の為に自ら辛抱して子供を伸ばさんとする全力乃至態度がみら れる。この考え方は大津も膳所も同じ六〇%の高率を示している。然し この内、⑭の家中心主義は見逃がすことが出来ない。  尚、以上の問題については、年齢層、階層、職業に就いて更に詳しい 分析を行うべきであるが、項を改めて行う予定である。  ︵註︶ 尚、夫に対しても同じ質問を行ったが次の様な答を得た。

因㈲㈲⇔⇔o答

無D.K. 旧大津 一三%  六% 二一% 五六%  ○%  四% 膳所  八% 一六% 一二% 五二%  ○% 一二%  之に依れば、夫の方が妻よりも子供への依存度が僅かに高く、子供中 心、家中心の考え方は妻より僅かに低い結果が出たが、この事は尚調査 の方法等調査技術にも検討を要する問題もあるので単に比較の意味で掲 げて置く。

一50一

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57

9 1 号 7 第 要 紀 大 滋 124

2妻の結婚観

 ωo。芭]≦oび臣qの観点から云えば、男子の社会的地位は職業によって 決まる所が多く結婚によって影響をうける所は女性に較べると比較的少 ない。女子にとって結婚は、その地位を巷⇔巳匹。嶺口する許りでなく、 その影響は少からざるものがある。一般的に云うと、結婚は、女子にと っては、終着点乃至運ものと考えられているが、寧ろこれを出発点とし て夫婦によって協力して建設すべきものである。というのが現代め結婚 観の雛勢であると云われている。  扱、大津に於ける主婦は結婚について、どういう考えをもっているで あろうか。  之を単に希望や期待やこうあるべきであるという様な理想型でなく、 自分の体験を通して語って貰おう。   問︵主婦に対して︶  女は結婚が就職だと云いますが、次の中から最も適当だと思われるも のを選んで下さい。

⇔◎e隣国㈱⇔⇔e

妻は夫次第だ。 夫の成功は妻の手にある。 夫の成功は妻にも責任がある。 妻も一人でやれる。 すべては運だ、なる様にしかならない。  旧大津 ここ・○% 二六・○% 三七・五% 三・五% 一七・二%  丁九%

 膳所

 七・六% 三七・五% 三九・○%  六・三% 一五・六%   ○%  ㈹    二・八%    六・三%  田すべては運だ、なる様にしか・ならないは、結婚生活に失敗したか、 自分の結婚生活は運が悪かったが、どうにもならないという立場で、夫 婦協力して、積極的に切り拓いて行くという態度は見られない。諦めと 悲しみの絶望の声もみられる。之は大津一七・二%に対して、膳所一五・ 六%である。世の中には、こういう女性が一六%乃至一七%位いる事を 示している。之は年齢にも関係がある。  画の妻も一人でやって行けるという立場は、たとえ夫に頼らなくても 田人でやって行けるというので、現在一人でやって居り、しかもそれに 自信のある事を示している。この中には結婚生活に不運だが、妻の手で 雄々しく一人でやっているものも含まれる。旧大津三・五%に対して、 膳所は六・三%である。従って妻が独力でやって居るのは之以上の訳で ある。  eの妻は夫次第だ、は妻は夫に依存する考え方が強く結婚は就職だと [       51 する考え方で結婚を万事運だとする。       ﹁  併し、国の﹁運だ、なる様にしかならない﹂では、自分の結婚に対し て、諦観的で悲観的乃至絶望的であり、打ちのめされているのに対して eでは、未だ、結婚生活の否定はみられない。これは結婚は運だという 考え方で結婚生活に於ける妻の行動性乃至は協力性がみられず妻は夫に 完全に従属している。大津二二%に対して、膳所は七、六%である。而し て大津にこの考え方の多いのは、大津の商業的な性格よりして、事業に, 運、不運が多く、従って結婚の運、不運を物語らしめるものであり、膳 所にこの考え方の少いのは、膳所のサラリーマン工員が社会的様子︵ω守 。芭訂象2︶を着実に一歩一歩歩むので運不運を余り考えないものとも 考えられる。  ⇔日は、結婚を運乃至は終着点とはみないで之を出発点として夫婦 の協力によって建設せらるべきものであるということである。旧大津に 於いては六三・二%に対して膳所は七六・五%である。膳所の方が協力度

(4)

123 大津市に於ける家族(土屋) が高く大津に於いては運、不運を云う傾向が強い。  以上は前述の如く、単に理想、希望や期待でなく、 体験を通した言葉である事に注意すべきである。  尚年齢層についても詳しく分析すべきである。 3 理想の夫の基準 婦人の結婚生活の 結婚の場合、婦人が夫を選ぶ時、何を規準としてきめるであろうか、 この問題について次の七項目について調べてみた。   問 ︵主婦に対して︶  女性が夫を選ぶ場合、次の煙いずれをあなたは選ばれますか。 Qo e eeg tro pt a e e

D.人家母性音量収

K.物柄歴質業 入

 旧大津 一一・七% 二〇・五%  ○・五% 二八・四%  五・二%  三・七% 七〇・二%  三・四%

 膳所

一六・七% 二三・七%  六・○% 三五・九% 一四・○%  四・六% 六七・二%  五・○%  ︵但し、各項目を一〇〇%とする︶  現在でも古い農村では家柄、、財産といったものが重要視され、人物、 性質、腕といった人間の内面的な問題は第二義的に考えられている所も 多い。.併し、旧大津市に於いても、膳所に於いても、この表でみられる 通り家柄とか、財産といった外面的なものは第二義的と考えられ、人物 や性質、腕、と云った内面的な人間性が夫を選ぶ第一の指標と考えられ ている。  即ち、㈹の人物は旧大津に於いては七〇%、膳所に於いては六七%、 性質は旧大津は二八・四%、膳所は三五・九%と高率で、人間性が問題と なっている。  次に選ばれるものは口の腕で、旧大津に於いては二〇・五%、膳所に 於いては二三・七%である。  続いてeの収入になって居り、旧大津は一一・七%、膳所一六・七% である。  収入や腕よりも人間性が重視されるのは、結婚生活に於いては人間性 が最も重要である事を物語るものであろう。  次いで㈲の学歴は、旧大津五%、膳所一四%と膳所に高いのは膳所        , が大津の商業町に比べて古い城下町の性格を示すものであろう。  家柄とか、財産というものは、都会に於いては余り問題になっていな い。  然し、結婚は通常同程度の階層に於いて行われるものである。従って 同程度の者を対象として考えて居り、人々は同等のレベル乃至はあわよ       一 くば上へと希望するもので︵qb毒霞山ヨ。げ農昌︶あることは云うまでもな       52 く、その立場に於いて人間性が第一に問題になるという事である。       ⋮  婦人の結婚に於ける理想の夫についての考えには、現在の単なる希望 や意見でなくて自分の結婚の反省、批判が強く示惑れている様に思われ る。 4 妻の家庭に於ける価値態度  以上は妻の結婚観や理想の夫を各人の体験から語らしめたものである が、夫婦の共同生活はどの様な形で行われているのであろうか、そこで 妻の家庭に於ける価値態度から観察しよう。   問︵主婦に対して︶  あなたは家に於いて次の中でどれが一番大事だと思われますか。          .   旧大津     膳所

難興る献身垂脱輪% 一謙辞六野

(5)

1 957

号 7 第

滋大紀要

122  ⇔ 妻の腕︵共稼ぎ︶    七・五%       六・○%  ㈲ 夫の相談相手    五二・七%      二八・九%  国  ︵DK︶         囚←血%         六・○%  e⇔の辛抱と、夫に対する献身は、古来、日本の妻の理想と考・κら れて来たものでいずれも家庭婦人として自己否定的で従属的な態度であ る。・合計旧大津四︸%に対し、膳所は六︸。/ρで、膳所は遙かに高くなっ ている。  之を内容的に分けると、e辛抱は、家の為、子供の為に忍従するとい ふもので、特に日本の農村に於いてはこの形が多く、たとえ生活は或る 程度豊かであっても、家や舅、姑の下に自己を殺して耐え忍ぶという受 動的な立場である。  併し、大津に於いては、親子の同居は農村よりも少く、今度、調査し た所に依れば大津三二%、膳所二七%と比較的少くなって居り、従って 親子関係の問題も農村よりは、件数も少いと考えられる。  寧ろ、辛抱が大切だと考えられている家庭は下層の方に多く、子供も 多くかかえて居り、又主婦も特別な技術を持たないので家計の為に、積 極的な活動も充分出来ず、夫の少い収入をやりくりして只、辛抱によっ てからくも生活を耐え抜いて行く様相がみられる。  この様な婦人は大津一九%、膳所三六%と膳所に非常に高いのは、旧 大津の商人の多いのに比べて膳所ではサラリーマン、工員を含め、膳所 の生活の貧しさを示すものであり、又門構えだけの没落する土塀の家が 辛くも辛抱によって持ちこたえられている状況を物語るものでもあろ う。  ⇔の夫に対する献身は、eの忍従に比べて、妻の夫に対する積極性 がみられるが、併し、夫に対して飽くまで従属的な態度である事は云う までもない。これは大津二二・三%に対し、膳所二五%である。  ⇔の妻の腕は、単に家庭の婦人としてではなく、家書は外に出て直接 家計に大いに貢献している事を物語るものである。之は大津七・五%、 膳所六%である。  ㈲夫の相談相手は、妻は単なる家庭の婦人として子供を養育し、家事 に専念するだけでなく、進んで夫の相談相手となるもので、之は従来の 良妻賢母より一歩進んだ夫婦の協力態勢を示すものである。  之は大津に五二・七%、膳所に二八・九%みられ、大津に之の多いのは 辛抱が膳所に多いのとよい対象をなしている。この事は大津の開放性、 膳所の閉塞性を示し、大津の商業的性格を示すものであろう。 5 妻のみた夫の態度  次に大津では妻に対して夫はどんな態度をとっているであろうか。之 を妻の眼から眺めてみよう。   問 ︵妻に対して︶  あなたの御主人は次の内、どれに当りますか。

pm pm) eoegeee

仕事の事は妻に話したがらぬ。 仕事の事をよく妻に相談する。 妻は家事さえよくすればよい。    旧大津   二〇・八%−   三九・二%   二七・一%− 無記九・五% nK 一・七% 48 % 膳所 三九.四%−% 二七・七% 二三・七%− 一八・八% 63.1  e⇔古来日本の考えでは夫は専ら外で仕事をし、妻は家で子供を養 育し、家事を滞りなくやればよい。夫の仕事については、妻の関与すべ き事ではなく、叉夫は仕事について妻に知らすべきものでもない。  夫が仕事から帰れば妻は、お茶だ、御飯だとサービスし、夫の疲れを 癒し、家庭は専ら休息慰安の場所であるとする。まして家に閉じこもる 妻にあっては夫の仕事は別の世界であり、叉夫にとっては、妻は唯、家

一53一

(6)

121・ 大津市に於ける家族(土屋) 事さえよくすればよいとする。これは合計旧大津四八%、膳所六三・一 %であり、之が妻からみた夫の態度である。  尚、近代に於ける職場と家庭との分離及び近代労働の人間阻外は益々 労働を苦役とせしめ、且つ労働を単なる生計の手段とする傾向があり、 従って家庭は専ら労働からの開放による慰安の場所と考える様になる事 は当然である。       6 妻の心配事  大津の主婦は日常どのような事に関心を持ち、叉どの様な事に気を遣 い心配しているであろうか。それを示すものが次の問題である。   問 ︵主婦に対して︶  あなたの平生気になる事、叉心配事は何ですか。次の中から選んで下 さい。

㊨薗⇔(⇒㊨㈲㈹㈹㈲㈲⑳国⇔e

職 業 近所づきあい 子 供 衣 食 住 将 来 仕事の期限 借 金 親子関係 親類関係 金 収 入

健康

 旧大津  七・○%  二・五% 四三・O%  丁五%  三・五%  五・○% 一〇・○%  一・○%  一・○% 四・○%  一・○% 八・五%  六・五% 三丁○% 膳所  三・三%  三・三% 三五・○% ○・○% 一一・○%  六・七% 一六・七%  三・三% 五・○%  一・七%  〇  一・七%  六・七% 五三・三%  ㊨ 他人の裏切り   ○・五%     一・七%  鱒 心配事なし    六・五%     五・○%     ︵但し各項目を一〇〇%とする︶  大津の婦人が毎日気を使い、又心配する事は家族の健康や子供の事で ある。  子供については旧大津四三%、膳所三五%、又夫や家族の健康につい ても旧大津一一=%、膳所五三%と多数の妻が毎日気を使い或は心配して いる。  次に生活の将来について不安を感じている主婦が旧大津一〇%、膳所 一六・七%もあり、膳所の婦人の生活不安を感じている者の多い事を物 語っている。此の事は膳所に於いて食一一%、借金五・○%と日々の生 活に事欠く者のある事と表裏をなしている。  大津では之とは対照的に生活不安を感ずる者もあるが、むしろ商売上 の金八・五%や、職業の不安定七・○%を心醍している。  叉親類関係親子関係を心配している者も僅に見られる。之は大津の方 に多い。  尚収入を心配している者は旧大津、膳所共六・五%位である。      7 夫の妻に対ナる希望  大津の夫はそれぞれ自分の妻が夫に対して如何なる態度をとる事を望 んでいるであろうか。   問 ︵夫に対して︶  あなたはあなたの奥さんに対して、次の内どれを望まれますか。

pa) eee

夫に対する献身。 辛 抱。 妻はただ家事に専心すればよい。 夫の話相手。 夫の仕事の悪口を云わない。

一54一

(7)

7 5 9 1 号 7 第 要

滋大紀

120

⑳N⇔e答

   二一・三%    二〇・六%    一二・一%    一一ゴ丁山田%     旧大津 夫の相談相手。     四・五%     五・三%

 膳所

一六・一二% 二一・三% 一点ハ←二%  八・二%  一・六% 三丁一%  多くの膳所の夫が妻に夫の相談相手になる事を望むのに対して、膳所 の妻が﹁妻の家庭に於ける価値態度﹂の答に於て多くが夫の相談相手に なるよりも家庭婦人としてただ夫に仕える事を大事とし、特に辛抱を第 一と選んだのと全く対照的である。即ち膳所の婦人は家庭婦人として夫 に仕える事を第一としているが、膳所の夫は妻がもう一歩前進して自分 の相手になる事を望んでいるとも考えられる。然し夫の行動と希望には ぴ貯ωがある。  之に対して大津の夫は、妻に夫の相談相手になる事を望む者は膳所の 夫の三九%に較べて遙かに低く二六・六%で︵尚詳しく云えば大津の夫 は妻に相談相手を望む者は僅に五・三%で二一・三%は話相手程度である 事を望んでいる︶ある。大津の﹁妻の家庭に於ける価値態度﹂の答では 妻が夫の相談相手になる事を最も大切だと考えている者が五二%もあ り、妻がそのような態晦をとる、大津の夫は面談相手はもう真つ平だせ いぜい話相手位でいて、第一に夫に対する献身、続いて辛抱、或は口出 しせずに唯家事に専心して呉れという希望を持つようになるとも考えら れる。  要するに大津の夫の半分以上は妻に対して辛抱、献身と云ったものを 希望し、又妻は唯家事をやってくれれば良いのだと考えている。中でも 旧大津に於ては夫は夫に対する献身、家事えの専心を望み、辛抱は低い。 膳所の夫は妻に第一に辛抱を望み、次いで夫への献身、家事えの専心を 望んでいる。この反面旧大津では話相手を望むのに対して膳所の夫は妻 に相談相手を望んでいる。  旧大津の夫と旧膳所の夫との妻に対する希望の差異は、旧大津の商業 的性格と膳所の住宅地区の性格を背景とした職業や階層の家族の分析が 更に加えられなければならない。 8 職業に対する夫の満足感  ⑦ 現在大津の夫は、それぞれ自分の職粟にどの程度意義をみつけ、 或は生甲斐を感じて働いているのであろうか。  特に戦後の社会経済の変動は各自の職場をかえさせ、叉生計の為に不 満な職を選ばせているかも知れない。それに対する答は次の問題で解答 されるであろう。  間 もしあなたに幸運が来て、一生気持よく暮せるだけの財産が手に 入ったとしたら、今の職業をお続けですか。  答  e 続ける  ⇔ 続けたくない  ⇔ 続けない

⑳n K

 人々は、夫々、 る。 ろうか。  ︵但し、此の答は いは、 扱う事とする。︶

 0

%と相当高率である。  叉、⇔ 旧大津   六九%“   =一%   =二%    六% 膳所  七六%  一六%   四%   四%       毎日、 一定の職業に従事して働いているのが普通であ 併し職業に意義を見出し、亙る程度満足感を持って働いているであ       e続けるは満足しているとなし、 ⇔続けたくな 一部不満であり、 ⇔続けないを完全に不満であると見倣して取 大津に於いて凍る程度溝足して働いている人が六九%、膳所七六 の一部不満を持つ人は、旧大津一二%、膳所一六%、⇔の完

一55一

(8)

119 大津市に於げる家族(土屋) 全に不満な人は大津=二%、膳所四%である。  不満な人は⇔プラス、 ⇔旧大津二五%、膳所二〇%となり、旧大 津が膳所より満足度が少い。  ㊥ 次に前記の問題についてその職業を続けるというものについて、 積極的立場と消極的立場を調べてみると次のようなものである。  問 若し、前の場合、職業を続けられるのでしたらその理由を次の中 から選んで下さい。 (di oo eg fu) eg eD op) ee e e        り 今の仕事に野口を感じる。 今の仕事に興味を感じる。 今の仕事に生甲斐を持つ。 仕事に自尊心を持つ。 仲間がよい。 怠者になりたくない。 仕事をしないと具合が悪い。 習 慣 其の他

n K

旧大津 一四% 二二% 一六%  八%  二%  三%  八% 四%  二% 二〇%  膳所 三〇% 二八%  五% 一〇%  ○  八%  〇 一〇%  〇 一〇%  .eから㈱までは職業を続ける場合の職業に対する積極的な態度であ り、㈲⋮㊨までは、職業を続ける場合の職業についての消極的な態度で ある。  従って、仕事を続ける人を一〇〇%とすれば、e一㈲までは旧大津六 〇%、膳所七三%の人が積極的に仕事に意義を見出して居り、平目大津 三九%、膳所二八%の人が消極的な態度で仕事を続けるのである。  大津と膳所とを比較して、やはり膳所に現在の職業に満足する人の割 合の高いのは、工員とサラリーマンが多いからであろう。  膳所に比べて大津に比較的満足する人が少いのは、大津が商業的性格 を持ち、仕事にd℃垂訓Uo≦昌があるからであろう。  尚、職業、職種並びに産業の形態や階層の分析は将来もつと詳しく行 われるであろう。

9 夫の仕事観

 一般に女は家庭に止まり、男は世の中に出て仕事をするものと考えら れている。即ち男性は世の中の生存競争に乗り出して、自分の腕で自分 の道を切開いて行く所に人生の意義があると考えられている。  併しながら世の中の競争社会は、人々を様々な状況に置いている。従 って男の仕事に対する考え方も様々である。それを示すものは次の問題 である。  問 男は仕事を通じて、その仕事に人生の意義を認めるものだと云い ますが、次の中からあなたに最も適当するものを選んで下さい。       ◎

D.㈲⇔⇔←う答⑭⇔〔⇒←)

K. すべては社会機構が悪いのだ。 世の中はなる様にしかならない。 世の中は運だ。三連を掴みたい。 男は仕事だ。  旧大津 四三・○% 一六・五% 一五・○%  九・九% 一五・○%  eの﹁男は仕事だ﹂は旧大津四三%、         半分近くの 男がこういう考え方をもつている。       生存競争の 中で自分の腕で、自分の道を切開いて行くものだという考え方で、現 状を肯定する自主的積極的な態度がみられる。そこには社会機構の批判 や、現状に対する悲観的な空気はみられない。  ⇔の﹁世の中は運だ、幸連を掴みたい﹂は現状は肯定するが、人生を  膳所 四六・○% 二五・九% 一二・九% 三・七% =・○%     膳所四六%であり、   之は男は世の中に出て、

一56一

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1957

号 7 第

滋大紀要

118 運ものと考え、eの積極性、自主性に比べて、万事僥幸を侯つ態度で旧 大津一七%、膳所二六%と住宅地区に高いのは、生活の安定と相思って 甘い僅かの人生観を描き、ωo。邑ピ薮山鍵の一歩々々の中に優く淡いホ ワイトカラーの夢をみているものも相当いると考えられる。  ⇔﹁世の中はなる様にしかならない﹂はいくら働いてもなる様にしか ならないと云った諦観的な考え方で、そこには仕事に対する積極性、自 主性はみられない。この種の人間は旧大津一五%、膳所二二%である。  ここには世の中に対するレジスタンスや批判的精神は見出されないp  この考え方は下層の者に多く、失敗したものや、老人にも多くみられ る。  ⑭﹁すべて祉会機構がわるいのだ﹂は祉会に対する批判がみられる。 旧大津一〇%、膳所四%を示し、批判的精神が比較的高いとみられる住 宅地膳所に低く、商業の町、旧大津に高いのは注目すべき現象であろう。  この事は商業の町、旧大津の生活が直接、社会経済の変転と日々密接 な連がりをもち、日々の経済活動が、そのまま彼等の生活に直結してひ びいている事を物語り、之に反してサラリーマンや工員の町、膳所は労 働組合などの発達や批判的精神にも拘らず、現実の生活としては繋る程 度、防波堤の中にあるので、直接に彼等の生活に実感としては強く響か ず、イデオ戸主ーとしての分配についての批判精神である事を示してい ると云えよう。 附  録  1 余暇利用の態度  大津に於ける余暇の利用に就いて次の如く尋ねてみた。   問 ︵夫及妻に対して︶別々に  もし、一日にもう二時間余分の自由な時間があったらあなたは、 してすごしたいですか。  此の答を七つの項目に分けると次の様になる。︵%︶ どう Gl O ⑳          旧 大 津          男      女 休息、睡眠   三三・二  二五・四 家事     四・八  二二・四 一家団樂    二三・二  一六・○  ︵子供と遊ぶ、家族と一緒にラジオを聞く、 仕事をする    三・六   七.三  ︵稼ぐ、内職する︶ 勉強する    一一・二  一〇・○  ︵習いに行くも含む︶ 外出     一〇・四   六・五  ︵訪問、映画等の娯楽も含む︶ 咄読ィを駒工む     一一二・山ハ   一一〇・○   膳  所   男     女  三三・三  二八   六・六  一八  二〇・〇  二三 家族とすごす等︶  一〇・〇   九 五・○ 一〇・○ =二・三 五 七 一〇  此等の答の分析は各人の職業活動とも関連するが余暇活動の差異のみ ならず、余暇利用に対する個々人の態度を反映する。  ④ 男子に就いて  e余暇の利用の希望に就いては、旧大津、膳所共に﹁休息﹂﹁睡眠﹂を 望むものが最も多く、夫々三三%以上もある。  それに続いて⇔﹁⋮家団攣ごが二三%、二〇%になっている。  次いで、㈹﹁読書﹂の=二%、㈹﹁外出﹂一〇%と殆ど大差がない。  只旧大津に於いては、㈲﹁勉強﹂は=%で、膳所は五%と低くなっ ていて膳所の消極性を示している。  ㈲﹁仕事をする﹂は旧大津三・六%で、膳所が一〇%と膳所が高く、 膳所の生活に於ける余裕のなさを示している。  Oの家事は、旧大津四・八%、膳所六・六%と低い。  Oの休息、睡眠を求めるものの多い事は、生活に軋る程度、時間的余 裕の無い事を示している。  次に、 一家団樂を望むものの多い事も仕事や勤務の時間が忙しくて、 家庭で寛ぐ時間の少い事を示している。

一57一

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. 117 大津市一に於ける寡一族(土屋)  読物を読むは積極的な利用では一番高い。  ㈲ 女子に就いて  女子の余暇の利用希望に就いては、e﹁休息﹂ ﹁睡眠﹂が最も高く、 旧大津二五・四%、膳所二八%である。  ⇔﹁家事﹂は旧大津=二・四%、膳所一八%と高く、余分の余暇の希 望に尚、家事を希望する者の多い事は或る程度、家事に追われている事 を示し、膳所の尚、旧大津より高い事は膳所の家庭的なる事を示すもの である。  爲﹁一家団簗﹂では、大津が一六%、.膳所が二三%と膳所に高いのは 膳所に勤務者、工員が多く、労働時間が長い事を意味し、夫との一家団 ・簗を望むものであろう。  ㈲﹁仕事をする﹂に就いては、旧大津七・三%、膳所九%は内職を希 望している女性の存在を示している。然し現実には之以上の主婦が内職 して居り、余分の余暇があったとしても尚之だけの主婦が内職を望まざ るを得ないのである。  国﹁勉強する﹂は旧大津一〇%、膳所五%で、旧大津の方が積極的で ある。  ㈹﹁外出する﹂は旧大津六五%、膳所七%であって余り、外出を希望 するものは少い。然し昼間に外出しているので男より少いのであろう。  ㈹﹁読物を読む﹂は、旧大津二〇%、膳所一〇%で大津の方が積極的 である。       .  旧大津の主婦は膳所と同じく休息を第一に望むが、次に読物を読む、 一家団簗、家事、勉強、仕事外出の順で膳所は休息睡眠に次いで一家団 攣家事と家庭的なるものを望み、次いで読物を読む、仕事の順で、旧大 津では読物を読むが高いのに膳所では割合低くなって居り、個人の自由 を求める面が遅れている。又、内職の面は旧大津よりも望む者が多い。 次いで外出、勉強となって居り、勉強を望む者は眠大津よりも低く消極 的である。  要するに男子も女子も休息、睡眠及び一家団簗を望んで居り、次いで 読物を読む時間を求めている。次ぎに旧大津では男女共に勉強する、膳 所では男女共に内職をするに特徴があらわれて居り、男子は共に女子よ りも外出を求める。  一般に女子は余分の時間があっても尚家事の時間を求める所にその特 徴がある。  尚、別に各自の余暇利用の状況を詳しく調査している。スポーツに就 いても詳しく調べたが之は別の機会に譲ろう。

   2 財

訓階旧大津

冷蔵庫  二二・四 聖  作  九・五 家    四五・八 三  地  三七・五 株  券 二〇・四 幅脳 @ 話   一穴・六

風呂三丁○

ミシン 五七・五      農村、 産 膳所

=二

一二・五 五六・九 四七・ニ ニ○・八  九・四 三三・三 六八・○

蓼詫ξ季隷

OOOOOOIO

五一二二四五

五五三三四五

〇〇〇〇〇〇

五九  二九九

九三三一一一

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一九九

〇〇六五四七

〇〇〇〇〇〇

一金

三沢

6

 岡

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 岩

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 村農

V

  ︵東京、金沢、   岡山、岩手は日本社会学会の一九五五年の調査による︶  家土地、家作については、膳所が古い城下町、住宅地として旧大津よ りも所有率は高く城下町の金沢と類似し、所有率は膳所、金沢、旧大津 の順である。  岡山、岩手の農村に於いては家土地の所有は九〇%を超えているが、 之は農村に於いては家、土地を九〇%以上所有している事を示すもので ある。  東京では家の所有率が他の中、小都市よりも高い。東京の土地の所有 率が低いのは、土地が一部の大地主に所有されているので借地が多く住 宅の場合に於ける土地の事情は、家と土地を共に所有する京都等とは三

一58一

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957

− ’ 号 7 第 要 紀 大 滋 116 つている。  ︵東京に於いては、借地の場合が多く従って比較的土地を広くとるが 京都等では土地を買ってそこに家を建てる場合が多いので地所は比較的 狭い。︶  風呂は農村に於いては九〇%もあるが、都市に於いては三〇%程度で ある。東京、大津、膳所とも殆ど変りがないが膳所が一寸高い。叉、金 沢が一五%と低いのは、石川県の風呂屋と云われる様に風呂屋の出身地 が能登であるので金沢に於いては公衆風呂が発達している関係である。  株券は東京二七%、金沢二三%、膳所二〇・八%、旧大津二〇・四%の 順であるが、農村岩手一五%は注目すべきである。  次にミシンについては膳所六八%、旧大津五七・五%、金沢五五%、 東京五二%の順で膳所が非常に高い。ミシンは家庭必需品で、結婚の道 具とも考えられて居り、家庭に於ける実用面の利用度も高く、中小都市 に多く、且つ住宅地に多いのは家庭に於ける自給自足乃至は実用面の利 用が充実している事を示すものである。その意味では膳所はすぐれて家 庭的であると云える。又、岡山の農村に於いて五九%と高く、岩手の農 村では三〇%となっているが、此の事は農村の経済力のレベルの差を示 すもので、必ずしも農村に於いては実用度を示すものとは云えない。  次に冷蔵庫は東京二七%、大津二二・四%、金沢一三%、膳所一一二 %、岡山の農村五%、岩手二%の順である。  之は主として文化程度及び生活程度を示すもので、東京に次いで大津 が高いことを示している。之は旧大津が商業的性格を持っている事にも よる。  膳所が旧大津よりも遙かに低く金沢よりも低いのは、生活の実用面で は冷.蔵庫を余り必要としない生活程度を示しているp  電話は金沢二三%、東京二一%、旧大津一六・六%、膳所九・四%、岩 手の農村六%、岡山農村三%となっている。  電話は文化程度、生活程度経済活動の指標ともなり、この点旧大津は 他の都市に比べて経済活動も低調で一六・六%と低いのも大津が京都の 経済圏の中にあるからである。膳所に於いて電話の所有度が更に低いの は、住宅町として電話を余り必要としない程度の家庭生活を営んでいる 事を示している。  要するに膳所は、古い城下町の住宅地として家、土地、家作、風呂に 於いては旧大津より所有率も高く、又、家庭に於ける実用度の高い、ミシ ンも多い。  併し、電話、冷蔵庫に於いては大津よりも遙かに低く、住宅町、膳所 の丈化程度、生活程度は電話と冷蔵庫の所有度に於いて限度を示してい る。

3夫の出生地

夫の父の出生地 ︵前世代︶      同市町村 旧 大 津 膳   所 東   京 金   沢 全国市平均 岡山の農村 岩手の農村  ︵東京、金沢、 四七% 四八〃 =ニク 三六〃 三六〃 七ニク 七ニク      岡山の農村、 の調査による︶ 同府県 二四% 二六〃  六ク 四一ク 三一〃 二一〃 二四〃 他府県 二七% 二五〃 八○〃 二一〃 三二〃  七〃  四〃 岩手の農村については一九五五年の日本社会学会  前世代︵夫の父の代︶に於ては大津は他都市に較べて同市出身者が非 常に多く、他府県からの移動の比較的少い事を示している。  即ち旧大津、膳所では同市出身者は四七%、四八%と断然高く、全国 市平均の同市出身者は三六%である。叉、他府県出身者は旧大津、膳所 では二七%、二五%と全国市平均三二%より低い、前世代に於ては東京 .T 59 一

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115 大津市に於ける家族(土屋) では約八○%が他府県出身者であって後述の現世代に於て他府県出身者 が減じている事は大津と逆である。  農村に於ては七〇%までが同村出身者で、約二〇%が隣接市町村とな り、他府県出身者は四乃至七%となっているのは農村の封鎖性を示すも のである。 夫の出生地 旧 大 津

膳  所

東   京 金   沢 全国市平均

岡山農村

岩手農村

︵東京、金沢、 同市町村  四〇%  四四〃  三ニク  四九〃  四九〃  七四ク  七ニク 同府県 二六% 三〇ク 一一ク 三ニク ニ五〃 一四ク ニ一〃 他府県 三四% 二六ク 五七ク 一九ク ニ五〃 一ニク  七ク        岡山の農村、岩手の農村については一九五五年の日本社会学会   の調査による︶  現世代の夫については旧大津、膳所とも、同市出身者は全国市平均よ りも低く、他府県出身者は高くなっている。  即ち大津では前世代よりも現世代の方が人口流動も盛んで同市出身者 も減り、他府県出身者が増えている。然し膳所は大津よりも封鎖性が強 い。  人口移動は男子については東京及び全国市の平均は現世代より一代前 の前世代の方が他府県出身者の率が高いが、旧大津膳所では一世代ずれ て、現世代の方が前世代よりも他府県出身者の度も高く、同市出身者の 度も低い。  此の現象は、現世代に石山地帯を中心とする大津の産業が拡大した事 や、京都、大阪との交通が一層頻繁になった事と緊密な関係がある。

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