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組変え反応のBranching Ratio.
The Branching Ratio of the Exchange Reaction.松 本
四 彦
Masahiko, Matsumoto §1 まえがき 核反応において複合核の生成と崩壊は全く独 @ 立な過程である。このN.Bohrの仮定は極め て低エネルギーの実験を基礎にしてなされたも のであるが,今日も尚此仮定を否定するものは ない。核子が核と相互作用して核内に入りこみ 複合核をつくって後,或確率で崩壊してゆくも のであるか,或は表面で直接作用によって粒子 が叩き出されてゆくものか,叉は全くこれらと は別の過程で核反応が進行しているのか,それ ともこれ等が入り混っているものなのか未だ統 一された理論はないように思われる。他方,原 子核反応の実験は量だけでなく精密度も向上し 反応断面積,角分布,エネルギー分布も測定さ れるようになった。けれども此等の実験を再現 しようとする試みはいずれも複合核理論を用い る限り,崩壊過程は生成とは独立に起ると云う 立場を守っている。 従って反応断面積は複合核の生成断面積に特 定のchannelへ崩壊するBranching Ratioを 掛けて求められている。 多くの核反応のうち(nP)反応のような組変 え反応は比較的データーが少なかったがPaule, @ Clarkeの実験によって可成り系統的に種々の 元素によるYield Curveがつくられた。そのた めに(n,p)反応の断面積の変化や他の反応(例 えば(n, nP),(n,2n))との競争の状態がわか るようになった。叉,此結果は既に統計理論を 使って検討されて,重い核では理論値が実験値 の百分の一乃至干分の一にしかならない事が知 (g)@. られている。けれどもPaule, Clakeの実験は可 成り技術的な点で批判も多いようであるから, ここでは使う事を差控えて,それ以外の(n,p) 反応のデータ 一一 OP Yield Cqrveを使う151 tlこす る。 @,P)反応のYield Curveを再現する試み は原子核のエネルギー準位密度を仮定した蒸発 @ 理論にもとづいて計算されている。このやり方 ではエネルギー準位密度は断面積を求める式服)一碗ω血
t 瑞望∼為(G)w・(e,一∈)d∈ からわかるように互に打消しあって断面積には あまりきかないように思われる。むしろYield Curve eik(Q−valueの異る反応の競争によって変 化するように思われる。 一方複合核理論によるTransfer Cross Se()一 tionも同様な意味で複合核の生成の断面積に Branching Ratioを掛けて求められる。此様な @Barnching RatioはHauser及びFeshbachが
示したように透過度を計算して求めることがで きるけれども,そのような計算は容易でない。 (n,P)反応の競争過程を逆過程によって全部計 算するとして,出てゆく粒子が複合粒子(重陽 子やヘリウム)の場合,核子と同様に近似して よいかどうかと云う点にも疑問がある。ここで は核による中性子の弾性散乱の断面積を再現す @ る事に成功した光学ポテンシャルを使って反応 断面積を求める。(n,P)反応断面積測定のうち Yield Curveの完全に画かれている016(n, P) の場合について此反応断面積と比較してBran・ ching Ratioをきめよう。 §2 (n, p)反応のYield Curve。 (n, p)反応の断面積はPaulとClarkeによ つて多くの元素について測定されている。けれ ども此等は実験家の間で好ましくない批判があ るから取上げる事を控え,それ以外の測定され24 滋 大 紀 要 第 7 号 1 9 5 7 た結果を集め,第一・図のように整理した。これ @
はBarschallが3MeVまでの中性子エネルギ
ーによる弾性散乱のExcitation Functionを質 量数の順に並べて書いたのをまねて核反応の場 合にも作ってみたのである。ところが核反応の 場合には中性子を捕獲して後に陽子が出てゆく ような過程は,標的核が異ると反応の起るQ− Valveが皆異るから,弾性散乱の場合のように すべての質量数の異る核について,足並揃えて curveを並べる事はできない。 Yield Curve の立上り点が入射粒子のエネルギー一によって異 る。 Si28(n, p)は質量数だけのちがいのようにみえ るが,016はDouble Shellであるのに対し, Si28は陽子も中性子も共に1嬬〆2 Sho11をみたし ている。この差異がYield Curveの極大点と Thresholdとのエネルギー差にどんな関係をも つているかと云う事は全くわからない。或は殻 構造とは別に表面で叩き出されてくる核子を観 測しているのかも知れない。核反応の機構をし らべる上には反応の機構を仮定して計算を進め るより手がない。 2S 1 So 寡一圖 A‘鴇P)反撃 Y;eLa Cwrve避
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’ e¢s「 o ユ 年 ‘ 8 重。 ■■ 1辱 齢 le E,.‘恥の 第 一 図 第二圖 b ,O 第一図には(n,p)反応の測定された断面積 が示してある。ここで特に注目されるものは, Sδ28, Mg2「),016である。その他の元素は測定さ れたエネルギー範囲がせまく,Yield Curveに山ができていない。S、28は4MeVから8MeV
までと13MeVから8MeVまでの二つのエ
ネルギー領域について測定されていて,其等の 中間の領域では測定値がない。③⑨⑩Mg20’は12.5MeVから18MeVまでの測定値だけしか
ないが,13.5MeVの附近に極大ができている ようである。Si2sの断面積のうち12.5MeVと 8MeVの区間を内挿曲線でつなぐことにすると 016とSi28は似た形になる。 Mg25のThre.sholdは3MeVであるから3MeVと12.5MeV
の間で特別な変化がないとすれば,これもOl(s に似ていることになる。 Yield Curveが似ていると云うだけの理由で 両者の反応の機構が同一であると判断するのは早計である。016とSi28のThresholdを揃
えて書くと第二図のようになる。oi6(n, p)と 5許 第二図 立上りを揃えた場合のOle(np), Si2s(np), Yield curveの比較 §3 計算とBranching Ratio 複合核理論では入射粒子のエネルギーが複合 核のエネルギー準位に一致したときには大きな 吸収断面積を与え,エネルギー準位と次のエネ ルギー準位の中間のエネルギーで入射した粒子 は,遠方のエネルギー準位の影響によって散乱 される。だから入射粒子のエネルギーを或エネ ルギー区間にわたって平均した結果は,散乱断 @面積のgiant Resonanceを示す事になる。こ こで反応断面積についても平均されたものを得 るには,同様な方法で複素ポテンシャルによる 反応断面積を求めたらよい。 このような意味で原子核による中性子の弾性 散乱の断面積のエネルギー変化を最もよく:再現 できた複素ポテンシャルのパラメーターを使っ て反応断面積を計算する。 crr==Xrr充2(21十1):rl. l TtはPenetrabilityで組変え反応のBranching Ratio.(松本) 25 7ン=一一45㌧∫ω/{〔・一一∠ii一げ(の〕2十〔Sl一一デω〕2} Si == (nt’ (x) 一 ni (x)1’i (x) )xPi a,・=〔n/(X)nl(X)十ゐ(X)ゐノ(X)〕xP」 Pi =:(nt2(x) 十jij,2(x))一i ここでx=・ leR =O.2221∼〆:E, R;1.45×∠41/「) (10−13cm単位で測った), EはMeV単位で はかった入射粒子のエネルギーである。n!== dni(x)/dxの意味で7〃も同じ意味のi(X)の 微分である。ゴ」ω,n・(X)は,球調和函数であ る。弄は核内の波動函数を渥訪(Xo)にとったと きのLogarithmic Derivativeで⑦,(r)は夫 々虚数部,実数部の意昧である。入射粒子と核 @ との相互作用をF.P. W.のようにVe・=40MeV, W』1・2MeVにえらんで五嵩16,入射粒子のエ