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知能ロボットの開発と製作(ライントレースロボットの製作) 利用統計を見る

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(1)

知能ロボットの開発と製作(ライントレースロボッ

トの製作)

著者

林 庄司

雑誌名

技術報告集

7 (2001年度)

ページ

45-48

発行年

2002-04

URL

http://hdl.handle.net/10098/7511

(2)

知能ロボットの開発と製作

(ライントレースロボットの製作)

第三技術室システム制御技術班 林庄司 1.はじめに 現在,ロボットと呼ばれるものには,産業用ロボットが広く工場や建設現場などで数多く使わ れている.その使用目的は塗装,溶接,搬送,組立てなどであって,決して SF ロボットのように万能 型ロボットではない, しかし,万能型ロボット(ここでは知能ロボットと呼ぶ)に対する社会の期待 は極めて高いのが現実である.ここでいう知能ロボットとは f 外界の状況に対して,自立的に反応す る,可動部分をもっ自動機械 J のことを言う.知能ロポットは産業用ロボットとは違い,信頼性(精 度の高い製品)コストという面については劣るが,どちらかというと人間に近い能力や感性,姿を持 っているという点が特徴である.最近はこのような知能ロポットが競う種々の大会が開催されており, 迷路を行く全日本マイクロマウス大会,ライントレース大会,ロボカップ大会などである.ここでの 競技大会では知能ロボットの技術や能力が激しく競われ、社会的にも高い人気を得ている. そこで今回は,ライントレースロボットを設計,製作することによって,メカトロニクス,エレク トロニクスの高度な技術を修得するとともに,知能の概念についても行ったので報告する. 2. 人工知能の概念 一般に「知能」といった場合,計算をする能力,判断・理解・推理する,学習する能力,創造する 能力などさまざまな能力が考えられる. このことはとりもなおさず,知能というものの本質が多種 多様な側面を持っていることを示しているものである. しかし残念ながら,まだ知能については現在 十分に解明されていないのが現状である.ここでは「人工知能」に限定して述べる. 従来,人工知 能においては知能を情報処理という観点からとちえ,これまで主として知覚,判断,理解,推理,学 習,記憶といったような認知機能を中心に行われてきた (1) r 考える機械」として,物体を認識し たり,自然言語(英語や日本語のような人聞が日常使用する言語)を理解したり,質疑応答をしたり, 問題を解いたり,学習によって自らその能力を高めたりすることができるようなシステムが想定さ れるわけである.つまり,人工知能へのアプローチは人間の知的活動のモデル化という観点で研究が 行われてきたが,知能は行動を通してとらえることができないということが明らかになってきた. またロボット工学において,ロボットの知能化を位置づけている. しかしロボットの知能化は必ず しも進展しておらず,形状や機構といったロボットの運動学,そして環境や作業対象物のソリッドモ デルなどの形状を入力すると,ロボットが障害物を回避して目的地に至る(作業を達成する)位置の 時系列が出力される程度までしか実現されていないのが現状である.しかし,ロボットの特性を限界 まで引き出すために,最近ロボットに作業や環境状態を学習する手法が採られ,その効果が期待され ている (2 )以上,知能ロボットについては,多面的にいろいろとアプローチがなされているが,今 回はライントレースロボットについて,以下に述べる.

(3)

ライントレ}スロボットの構成

2

.

Photo.

1 はライントレースロボットが白いライン上 を走行している様子を示したものである. は,床に貼った白いライン上をなぞって走るもので, ロボットがラインから外れそうになるとロボット前面 ロボット にあるセンサがそれを検知し,左右のタイヤの回転速 度を調節して,ライン上に引き戻す動作を行う. ためジグザグ走行になる場合もある. その 次に全体の構成 図を Fig. 1 に示す.白いラインを認識するためのセン ライン状況つまりラインが左右どちらにカー

Photo. 1

ライントレースロポットの外観図

θ

モータ駆動部 TD62M47001' 制御部 H8CPUポ』ド (3048F)

璽蒋

センサー部

盛時

騒や

ブしているか, か,緩いのかを判断し, 動を決定するための制御部,実際に左 右のモータを駆動する駆動部,車輪を 駆動する 2 つのモータ, CPU を駆動用の 9V バッテリとモータ駆動用の 3V パ サ部, またそれが急激なの ロボットの行 ッテリとから構成されている.基本動 センサから得られた信号情報を 作は, 制御部の H8CPU が処理・判断し,左右の モータの速度を制御して左折・右折や 直進・後退運動を繰り返し行い,走行する. 制御部

制御部は,

Photo

2 の H8 CPU ボードと Fig. 2 の1/ 0 ポートの回路から構成されている.

はボードの中央に目立製の H8/3048F CPU を搭載し,製作を行った AK ト H8CPU ボード(秋月電子通商

この CPU は 128KB の ROM (フラッシュ)

,

4

KB の RAM ,タイマー,

A/D.

D/A コンパータ, これらがワンチップの中に内蔵されているものである. I/O ポートは H8CPU

P4 (0"-' 3

)

F

i

g

.

1 ライントレースロボットの構成図

H8

CPU ボード

3

.

1

製)を用いた. 1/0 ポートなどから成り, ボードとの入出力を行うための回路であり, がモータ出力,

P8

(

0

"

-

'

3

)

が DIP スイッ

PB

チ入力,

PA

(2

,

4) が PWM 出力, (0"-'4) がセンサ入力である. 簡単のため H8/CN 1 側のみを示してあ また I!O ポートの回路図

F

i

g

.

2

-

46-H8

CPU ボード

Photo

2

(4)

3.2

センサ部 白いラインを検出するためのものである. センサ部は Fig. 3 のセンサ回路図に示されているようで, ラインの検出には赤外線センサを用 いた.赤外線センサは赤外線発光部 と受光部で構成され,発光に赤外線 L ED (TLN101A) ,受光に S6986 を用い た.センサ S6986 は光変調型なので蛍 光灯などの外乱光に強いという特徴 をもっている.赤外線センサはロボ ットの前面に 5 個並列に配置し,ラ イン幅 (3. 8"-"5.8cm) が変化して も,またラインの急激な変化に対し ても検出が可能なようになってい る.

3

.

3

モータ駆動部 モータ駆動部は Fig. 4 のモータ ドライブ回路図に示されているよ うに,専用のモータドライブ IC (T D62M4700F) , TTL (74LS03) と 4 個のトランジスタ (2SA1015) で構 成されている.モータドライブ IC はフル・ブリッジ IC を用いた.そ のためモータの正回転,逆回転を 簡単にコントローノレすることがで きる.またモータ速度を制御する ための PWM (Pluse Width Modulati

on) 信号は, H8CPU に内蔵された IT

U (Integrated Timer Unit) を使 用することで出力することができる. + E V G N D センす」 L センサ L ぜンザ制 官ノ軒民 せン叶 RR Fig.3 センサ回路図

?!??!!一回

31abE?2T 面画泊

モ -:;1 モ-:112 Fig.4 モータドライブ回路図 3.4 車体及び車輪部 車体は厚さ 5 mmのアクリル板を加工して作った.車輪は市販されている模型キット用(タミヤ)の スポーツタイヤセットとツインギヤモータセ ッ ト (ITEM 70097) を用いた.モータと車輪のギャー比 は 5 8 : 1 とした.また後輪は自由に動けるように小型キャスタ (ITEM 70144 タミヤ)を用いた. Photo. 1 からもわかるように,車体の上部には H8CPU ボードを含むロボットの制御部,センサ部,モ ータ駆動部,バッテリが取り付けられている.また車体下部には,左右車輪のモータを含むギヤボ クス,車輪部が組み込まれ,走行中において各部のパーツが,となりとの干渉や摩擦がないようにロ ボット全体が組み立てられている.

(5)

4.

ソフトウェアの構成 より速く正確にラインをトレースするためには,センサからの 情報を的確に捉え,状況を判断し行動を決定するソフトウェアを 構築する必要がある.

F

i

g

.

5 に動作のプログラムのフロチャート を示す.また動作のプログラムの開発は,パーソナルコンビュー タ (Iiyama V650JD4) によって C 言語を用いて行った.まずH8 , ITU などの初期設定を行い,次に初期入力データ (PWM,デューテ ィ比など)の読込み,センサによるライン状況の読込み,ロボッ トの行動の決定及び動作の実行を行い,走行させる. ロポットをより速く,安定に走行させるにはセンサからの情報 をどのように判断するかは大変難しい問題である.ライン状況に 応じて,特に急なカーブを曲がる場合,早過ぎてラインを飛び出 した場合あるいは車体が大きく傾いた場合などの問題が考えられ る.このような場合ロボットが非常に不安定になり,究極の場合 は走行が不能になる.これを解決する方法の 1 つはセンサからの 情報を増やしたり,学習機能を強化するなどソフトウェア面を工 夫する必要がある. 繰り返し

F

i

g

.

5

動作のフロチャート 4. まとめ 知能ロボットは産業用ロボットとは違い 3 信頼性(精度の高い製品)コストという面については劣 るが,どちらかというと人間に近い能力や感性,姿を持っているという点が特徴である. 今回の研修ではライントレースロボットを設計,製作することによって,目立製の H8/3048FCPUが ロボットのメカトロニクス,エレクトロニクスに及ぼす影響の 1 部分を修得するとともに,知能の概 念についても学習を行うことができた. ロボットに関してほんの一部分の技術の修得しかできなか ったが,ロボット全体の概念、を深めることができた. 5. 今後の課題 知能ロボットは今後ますます発展し,その機能も高いものになると思われる.今回は単純なライン トレースロボットを製作し,走行実験を行ったが,ロボットが外界センサ (CCD カメラなど)によっ て未知の障害物を発見し,それらを回避することができる学習機能を持ったロボットの開発をさらに 行う予定である.知能ロボットの開発技術は,大学における研究と学生の技術指導上有用なものであ る.今後さらに広範囲に知能ロボット全般にわたり理解を深め,一層の技術修得を計る必要がある. 参考文献

1

)太原育夫 人工知能の基礎

1

9

8

9

近代科学社

2

)白井良明 ロボット工学

1

9

9

9

オーム社

3

)荒屋虞二 人工知能概論

1

9

9

5

共立出版社 4) 藤沢幸穂 H8 マイコン完全マニュアル

2

0

0

1

オーム社

5

)誰にも作れる,学べる fAKI-H8/3048F超高性能マイコンボ}ド」製作集 秋月電子通商

参照

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