暑熱環境と住まいにおける健康
著者
松原 斎樹
著者別名
MATSUBARA Naoki
雑誌名
工業技術
巻
42
ページ
11-14
発行年
2020-02
URL
http://doi.org/10.34428/00011444
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja4.4 Solution Linkage Mobile(SLM) SLM は土木工事の施工会社や運搬業者向けのソリュ ーションで、スマートフォンなどのモバイル端末を活 用することで、施工現場を IoT 化するもの。お客さま の課題やその課題に応えるアイデアを基に、以下のよ うな実用的な機能のアプリケーションを開発した。 ① 施工現場の見える化 ② 施工現場の進捗管理 ③ 接近検知 例えば、ダンプの接近を重機のオペレータや現場の ガードマンに知らせる事で積込作業の準備ができ、ダ ンプ待ち時間の短縮や路上駐車の防止につながる。ダ ンプ接近を知らせるスマートフォン表示の例を図15 に示す。また、現場管理者に重機のアラーム情報や燃 料残量を知らせることで、作業の効率化ができる。さ らに、作業情報を自動集計して日報の作成ができるの で、手間のかかる日報作成作業を大幅に低減できる。 図15 ダンプ接近を知らせるスマートフォン表 示の例 4.5 ひたちなかデモサイト 日立建機 ICT 施工のデモンストレーションサイト で、2016年10月にオープンした。ひたちなかデ モサイトにおけるデモンストレーションの状況を図1 6に示す。その後、四国の香川県にも同様のデモサイ トをオープンした。 図16 デモンストレーションの例 5.おわりに 世界の露天掘り鉱山では、前述の操業効率の向上、 安全性の向上、コストの低減のためだけではなく、近 年は鉱山従事者の不足が深刻化しており、無人化、自 動化の要求が更に高まっている。また、土木建設現場 への i-Construction の導入も今後加速化が進むものと 予測される。このため、鉱山用ソリューションである ダンプトラック自律走行システムと、建設用ソリュー ションである情報化施工への要求はますます高まって 行くものと考えられるので、日立建機としては更にこ の分野に注力して、お客様の期待に応えていきたい。
暑熱環境と住まいにおける健康
A hot climate and the human health in residential buildings
松原斎樹* 柴田祥江* 1.はじめに 地球温暖化と都市のヒートアイランド現象の影響に より、我が国では猛暑日や熱帯夜の日数が増加している。 その結果、昨今の夏の室内環境は暑熱化している。8 月 に開催される 2020 東京オリンピックでは、アスリート の熱中症が危惧されるが、加えて競技場のスタッフや観 戦者、さらには自宅でテレビ観戦する市民にも熱中症発 症のリスクがある。暑熱環境における健康被害のリスク を低減するために必要な観点について、建築学および環 境心理学的な観点からお話したい。 2.暑熱環境による健康被害の発生 2.1 熱中症死亡者数の推移 暑熱による健康被害として熱中症がある。人口動態 統計によると熱中症による死亡者数は、 2010 年には 過去最高の1731 人にのぼった。暑熱障害年齢調整死 亡率と各都市の年間の最高気温、真夏日(日最高気温 30℃以上)日数の間には有意な正の相関が認められた (星ほか、2002)。また著しい高温を認めた年や猛暑 日(最高気温 35℃以上)、熱帯夜が多い年は暑熱障害が 増加している(図1)。 2.2 住まいにおける熱中症の発生実態 熱中症は、「炎天下で運動中の若者」や「労働現場で 成人男性」に発症するとされていたが、最近は、室内 の日常生活で、高齢者に多く発生している。 総務省消防庁の発表によると、熱中症で救急搬送さ れる人の約40%は住宅内で発生している(図 2)。ま た、夜間、深夜、早朝にも発生、睡眠中にも発生して いる。とくに、高齢者は重症例が多く見られる(図 3、図 4)。住まいの状況や住まい方と関わりが大きい と考えられる。 3.住まいと住まい方の工夫で熱中症対策 3.1 シェードの設置による効果の検証 住まいが暑くなる原因として、太陽からやってくる エネルギーが非常に大きい。1 平方メートルあたりの 図1 熱中症死亡者数の推移 死亡数は厚生労働省調査、猛暑日は気象庁 東京新聞大図解 2011.6.12 より改変 図2 熱中症発生場所消 防庁熱中症救急搬送状況 図3 夜間発生割合 東京都,2010 図4 年代別重症割合 消防庁熱中症による救急搬送状況
暑熱環壊と住享いに応ける鬱順
〗。はじめに 2. 暑墨環壊による憶讃蟹害の勢壁 2. 1 熱中症亮亡者蠍の蜻蓄 2000 1500 1000 500 60 -20 ・40 ・60 ・80 -100 00 0102 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 161718 ~ ● H• →9 ···~ ・=-と 匿〗 墨中奎死亡者鬱の罹蓄 死亡聾は露生労働省瞬査、醤暑l8]は気象庁 東京新聞大園解 2!011.IBJ. 12より改髪 ~ o ~ 住寧いに応ける懇字奎の甍生実鱈一
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A hot climate and the human health in residential buildings 松原斎樹 柴田祥江 4 2 0 8 6 4 2 0 3 3 3 2 2 2 2 2 A
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64.4 匿12 温度の皇える化の言蟄;鴛策の比較 叫.塁さ帽聾 (W 巳臼 T)による鶯策の実麓WBGT は気温、湿度、放射熱の 3 つを取り入れた温 度の指標で、熱中症の危険度を判断する数値であ る。日本生気象学会では、日常生活における熱中症 予防指針として、危険度を示している(表 1)。 また、一般には「暑さ指数」として、天気予報な どでも報道されているので、参考にして欲しい。 表1 日常生活における熱中症予防指針 5.おわりに 以上の要約として以下の箇条書きをまとめとする。 1) 日よけの工夫が特に重要! 2) 雨戸も活かそう! 3) 日よけは、南だけでなく、東、西、北面も注意! 4) 太陽高度が低い西日・朝日に、特に注意が必要! 5) エアコンは、我慢せずに使用しよう! 6) 扇風機も上手に併用をしよう! 7) 室内の温湿度を確認しよう! 8) 天井断熱、壁面断熱も効果(アルミホイル等) 9) 換気・通風では、温度差換気の活用を 10) 外気温が高い日中は窓を開けず、熱を室内に入れな い 11) 打ち水は夕方がベスト 最初にも述べたが、2020 年の東京オリンピックで は、観戦者、住宅内でテレビ観戦をする人も、暑熱環 境による熱中症リスクがある。是非、住まいと住まい 方の工夫で熱中症対策をしての観戦をお薦めする。 謝辞:これまでの調査に回答いただいた方々、講演に関する図表 作成に協力いただいた京都府立大学環境心理行動学研究室の皆様 に記して感謝いたします。 参考文献 1) 星秋夫, 稲葉裕(2002): 人口動態統計を利用した発生場所か らみた暑熱障害の死亡率. 日生気誌, 39: 37-46. 2) 梅干野晃:日射の遮蔽、(浦野良美編(1991):住宅のパッシ ブクーリング、41-56、 森北出版) 3) 柴田祥江, 北村恵理奈, 松原斎樹:高齢者の夏期室内温熱環 境の実態と熱中症対策意識―体感温度の認知(見える化)に よる行動変容の可能性―, 日本生気象学会雑誌, 55(1) , 33-50, 2018 4) 日本生気象学会:日常生活における熱中症予防指針 ver.3 http://seikishou.jp/pdf/news/shishin.pdf 参考HP 1) 厚生労働省熱中症関連情報 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou _iryou/kenkou/nettyuu/ 2) 環境省熱中症予防サイト http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/prev/index.htm 3) 総務庁消防庁熱中症情報 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html 4) 防ごう!!守ろ う!! 高齢者の 脱水 日本訪 問看護 振興財 団 http://www.jvnf.or.jp/top/dassui.pdf 5) 住まいと住まい方の工夫で熱中症対策 京都府立大学建築環 境工学(環境心理行動学)研究室 http://mat-lab5.com/?cat=18 暑熱環境と住まいにおける健康
A hot climate and the human health in residential buildings 松原斎樹 柴田祥江 参寄文献 39 温度基準 注意すべき 注意事項 (WBGT) 生活活動の目安 危険 高齢者においては安静状態でも発生する (31℃以上) すべての 危険性が大きい。外出はなるべく避け、 生活活動で 涼しい室内に移動する。 おこる危険性 厳重警戒 外出時は炎天下を避け、 (2831℃) 室内では室温の上昇に注意する。 竺戒 中程度以上の 運動や激しい作業をする際は (2528℃) 生活活動で 定期的に充分に休息を取り入れる。 おこる危険性 注意 強い生活 一般に危険性は少ないが激しい運動や (25℃未満) 活動でおこる 重労働時には発生する危険性がある。 危険性 参考HP