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Academic year: 2021

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はじめに

著者

河本 英夫

雑誌名

国際哲学研究

別冊11

ページ

3-3

発行年

2019-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00010760/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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3

はじめに

東洋大学国際哲学センター長

河本 英夫

2018 年 6 月 14 日に東大からの招聘で来日していたマルクス・ガブリエル氏を白山に お招きして、シンポジウムを企画した。要するに東大の出してくれた経費に便乗して、国 際哲学センターでも企画を実行したのである。そのさいのシンポの発表草稿やリライト 原稿さらにいくつかの論考を加えて、本別冊はでき上がっている。 メイヤスーやガブリエルの議論の基調となるのは、「偶然性」の扱いである。そしてそ れが知の形成にとってどのような場面で有効に機能していくのか、またどのようにして 知そのものの形成が開始されるのかをめぐって、多くの選択肢があり、可能性がある。 たとえば何かが偶然に出現するとき、その出現するものに主観性そのものが巻き込ま れていくのであれば、その何かを主観性が認識する、ということに留まることはできな い。このとき主観に対置されるかたちで「実在」を捉えることはできない。あるいは対象 が変化し続けていて、それの行き先も予期される結果も見通せないときにも、認識は対象 を捉えることはできない。ここに「新実在論」と呼ばれる広範な構想の可能性が出てくる。 無限の問題を扱うさいにも、主観性は主観性に留まることはできない。無限なものは、 どのような存在なのかという問いに、哲学の既存の道具立てで答えることは容易ではな い。あるいは環境は、そもそも認識の主体を取り巻いているのだから、それじたいは認識 の対象ではない。認識がそこで起きている場所は、認識の対象になりえないのである。 こうした問題を含めて、課題が山積している領域をあらためて明るみに出してくれた ことが彼らの成果でもある。多くの構想の可能性をもとめて、今回の別冊を編んでみるこ とにした。

参照

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