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2010年度NIMS賞受賞者決定

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Academic year: 2021

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同時発表: 筑波研究学園都市記者会(資料配布) 文部科学記者会(資料配布) 科学記者会(資料配布) 1

2010年度 NIMS 賞受賞者決定

NIMSコンファレンスにて授与式・受賞記念講演が行われる

平成 22 年6 月 14日

独立行政法人物質・材料研究機構

概 要

独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝(以下、NIMS))は、今年度の

NIMS 賞の受賞者を決定いたしました。7月に開催される NIMS コンファレンスにおいて

賞の授与式、並びに受賞記念講演が行われます。

NIMS 賞は、物質・材料に関わる科学技術において過去十年間程度の間に飛躍的な進歩

を成し遂げた個人、もしくはグループに授与されます。選考は、毎年テーマを決め、そ

のテーマに沿った、世界各国のトップ科学者から候補者の推薦を受け、中立有識者で構

成された委員会により厳正に選考されます。

本年度の NIMS 賞、ならびにコンファレンスのテーマは、

「ナノ材料科学の挑戦‐環境・

エネルギー問題の解決に向けて‐」です。

このテーマのもと、環境・エネルギー分野で画期的な成果を上げた研究者または研究

グループが本年度の NIMS 賞受賞者の対象となりました。

NIMS コンファレンスでは、NIMS 賞を物質・材料科学研究に従事される研究者が獲得し

たいと励むにふさわしい権威ある国際賞に育てていくため、賞として記念のメダルを授

与、NIMS コンファレンス内で受賞者を招へいし、受賞記念講演をおこないます。

別添の文書に、2010 年度 NIMS 賞の受賞者のお名前と業績を記します。

■NIMS コンファレンス概要

日程:7 月 12 日~14 日(NIMS 賞授賞式、受賞記念講演は12日)

場所:つくば国際会議場(エポカルつくば)

http://www.nims.go.jp/nimsconf/2010/

本件に関する問合せ先:

独立行政法人物質・材料研究機構

企画部 国際室

TEL:029-860-4334 FAX:029-859-2049

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2010 年 NIMS 賞受賞者

賞 者 :Jean Marie Tarascon(フランス Picardie Jules Verne 大学教授 )

績 タイトル :リチウムイオン電池の容量、寿命、安全性の改善

業績・授賞理由:

ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの機器の登場は、現代の人々の行動様式を大き く変革させることとなったが、これらの製品に現在ほぼ例外なく使われているリチウムイオン 2 次 電池なくしては、ここまでの高性能化と普及は望めなかったであろう。また現在研究が急速に発展 しつつある電気自動車においても、市販済み、もしくは実用に供される時期が近いとされる製品の 多くがリチウムイオン 2 次電池をエネルギー源としている。二酸化炭素や有毒な排気ガスなどの放 出を抑制し、持続可能な社会を作り上げていく上でリチウムイオン 2 次電池は欠くことのできない 製品となっている。一方で岩塩や海水中に豊富に存在する元素であるリチウムを利用した 2 次電池 は、資源問題という視点からも極めて優れており、太陽光発電や風力発電の平準化などの大規模施 設にも利用可能な資源的有利性を持ち合わせている。 非常に反応性の高いリチウムを用いた製品が広く民生用に使われるようになるためには、多くの 課題を乗り越える必要があった。リチウムイオン 2 次電池の基本的概念は米国の Goodenough 氏らに よって提唱、発展がされてきており、彼らの貢献は極めて大きいと言える。しかしながら、Tarascon 氏らにより、材料をはじめとする様々な改善が成し遂げられたことが実用化への鍵となった。 Tarascon 氏の大きな業績の一つは、コンバージョン電極を用いたリチウムイオン 2 次電池の提唱 と開発である。それまで、電池内のリチウムイオンの貯蔵は主として電極の結晶の隙間にイオンが 進入するインターカレーションと呼ばれる現象により達成されてきた。Tarascon 氏の開発したコン バージョン電極は、電極材料をナノ粒子化することで金属酸化物とリチウムが金属とリチウム酸化 物に変化する反応をその逆反応も含め双方向に行うことに成功したものであり、新たな概念の高容 量電極となった。また、現在実用化されているリチウムイオン 2 次電池には主としてコバルト系正 極が用いられているが、次世代材料として Tarascon 氏らの開発したマンガン系正極の実用化が始ま っており、今後の更なるリチウムイオン 2 次電池の発展につながる業績もある。 加えて、Tarascon 氏らはリチウムイオン 2 次電池のパッケージ商品としての安全性や信頼性に関 する体系化を行い、実用化に不可欠な問題の解決に対しても大きな貢献を成し遂げている。 またこれ以外にもカーボン系負極材料の開発や、小型軽量電池として実用化されているリチウム イオンポリマー電池の創案、平板型リチウムイオン 2 次電池の製造プロセス開発などにも深く関わ っており、この分野における功績も多大である。 このように、Tarascon 氏は実用化され多大な市場規模に発展するに至ったリチウムイオン 2 次電 池の開発に、非常に大きな貢献をしており、その多くが材料科学的アプローチにより達成されたも のである。 ここに、物質・材料研究機構は NIMS コンファレンス開催の機会に、リチウムイオン電池の容量、 寿命、安全性の改善に大きく寄与したTarascon 氏の功績をNIMS 賞の授与により称えるものである。

参照

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