生活情報活用とデジタルコミュニケーションリテラシーに関する考察
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第4 8巻 第1号. 平成9 年8月 Aug t s t j ,1997. lof Hokka i IC)Vo ido Un ivers i i I Jou工na l tyofEducat on l on (Sect ‐48 ‐ , No. 生活情報活用 とデジタルコミ ュ ニケー ショ ンリテラシーに関する考察. 菅宮. 健*・ 今. 尚之**. * 0 7 0北海道旭川市 北海道教育大学旭川校家政教育講座家庭教室 * * 7 0 0北海道旭川市 北海道教育大学旭川校生涯教育講座生活情報教室. Considerat ion Concerning Re lat ions Between. Li f e lnforlnation Using and. Dig i I Com munications Literacy ta. Ken SUGAN I IYA*・Naoyuki KON** *Home Economi ikawa Campus iver i i tyofEducat cs Laborato s on 1y,Asah , Hokkaido Un , As司h H ikawa k k i 〇 〇 d 7 , o a o , **Co皿r f ion ikawa campus ido Umver i i ty ofEducat seofLi -Long Educat e s on ,Asah , Hokka , Asah ikawa ido , Hokka ,070. luencedbyinfon・ f ionizat Thehomel i ionofロ : l iety‐ Therefore i l eisinf at esoc snecessarythat , ti ly the character i ic of digi tal con=nunicat ions syste i st understand correct ]n which i st lnewise and ial ly asynchronous ly,andto havetheindependent ly abi l i lect andto di ty tojudge spat spatch of ,tose informat ion‐ Thi iderat ion i i feinformat ion environ叢nent he prob1em of1 s cons s an arrangement oft ions‐ ing ofdigi tef ta1col l l lnunicat whichinvi rom us. As a re iderat tofcons ion,thel i feinformat ion su1. l i teracyisnotonlyt ionandt heequipmentoperat コ モ ーeinformat ionconsumpt ionbuttheabi l i iesthatcan t be di ion and can be doing mL ions‐ ly coll spatchinginfornnat l lnunicat utual. 1. は. じ. め. に. 今日の社会の情報化は急速な進展を見せており, 家庭生活にもさまざまな影 影響を与えている. このような 環境の中で, 生活をより良いものとするためには, 家庭を構成し地域を構成する個々人が情報を主体的に判 断, 選択し, 自らも情報発信の担い手として情報を活用できる能力を身に付けることが重要である. 特にデジタルメディ アシステムは従来のマスメディ アと異なり, 双方向性を強く持ち, 個人が不特定多数 を相手に情報を発信できるという性格を持つ. また, 時間的・空間的に非同期的なコミュニケーションを行 う こ とが でき る という 特徴 も 持つ. こ のた め, そ の 特質 を理 解 し生 活 に活用 する か否か によ っ て 生活 の 質 , はもち ろ ん, 地域 の 発展 にも 差異 が 生 じか ねな い現状 とな っ てき た . さ らに, 近 年 のコ ン ピ ュ ータ の小型 化, パ ーソ ナ ル化 に とも ない電 子メ ール な どの デ ジタ ルメ ディ ア によ. るコミュニケーショ ン手段が一般化しつつある. 特に糸濫織規模の大きな企業では電子メールシステムをはじ めイ ントラ ネ ッ トな どの デ ジ タ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ン シス テ ム を 積 極 的 に 導 入 し 日 常 業 務 に活 用 す る 事 , )が増 えてき ている また 個 人 の 日常 生活 でも パ ソコ ン通信 の各 種 サー ビス やイ ンタ ーネ ッ ト での 電 子 例1 , .. メール交換により, 生活に必要な情報をはじめ教養や趣味に関連する情報を交換しあい, 日常生活をより豊 か なも の と して いる 事例 も 数多く 見 受 けら れる よう にな っ て きた. (19).
(3) . 菅宮 冒呂. 20. ・っ 健・今. 尚之 尚之. このよう に 一般化 しつ つ ある デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンシス テム 利 用 ではある が, ① 高 額 な機械 が必要 である こ と. ②機器 操 作や電 子メ ー ルの送 受信 にリ テ ラ シー が必 要 な こ と. ③コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンを行 いた い相 手 が必ず しも 電子メ ー ル な どデジタ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンシス テム を利 用 して い ない な どの理 由か ら活 用 して いる の は極く 一部 の人たち であり,日常 の 生活情 報活用 に は余り用 い ら れて い ない という 指 摘も多 い. しか し, デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンシステム が 組織 の在り 方 を変えつつ ある なか で, そ れ らが個々 人 の家. 庭生活環境に浸透したときには, より直接的に我々の生活に影響を与えるものと想像される. かつて, 自動車 の普 及 では自動車運 転 のリ テ ラ シー の有無 が 「交 通弱 者」 という 現 象 を生 じさせ た. この 例 か らする と デジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンにか かわる リテ ラ シー の無さ が 「情 報弱 者」 を生ま ない とも 限ら. ない. また 「情報弱者」 の存在は個人の家庭生活だけではなく, 個人が生活する地域の活性化にも影響を与 える ことと なろう. 生活情 報の活用 にお いて, デジタ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンにかかわ るリ テ ラ シー 教育 を行 う こ とは, まさ に今日 的な課題 である. 本稿 は, デジタ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンのリ テラ シー を保有 して いる 大 学 生 を実例 と した, 日常生 活 にお け. る デジタルコミュニケーショ ンの利用意識調査を通して, 現在の生活 青報環境が抱える問題点を整理し, 生 活情報の活用に必要な能力は情報へのアクセスを確実にする,機器操作や適切な情報消費能力だけではなく, 自 らが情 報 を発信 し相 互 にコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンを行う 能力 をも 含 む, 総 合 的 なデ ジ タ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン. リテラシーであり, 生活情報教育はその点にこそ力点を置く必要があることを述べ, 将来におけるデジタル コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンにか かわ るリ テラ シー教 育 の在り 方 を考察 する もの である.. 2. 大 学生 を事例 と した デジタルメ デ ィ アの利用 意 識. ( 1 ) 調査・分析の概要 ( a ) 調査と分析の目的 コ ンピ ュ ータリ テラ シー を保有 して いる 大学 生 を対象 と して, 日常 生活 にお ける コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンの 実 )より 特 に電 子メ ールや Wor ld Wide Web な どの デ ジ 態 と, デジタ ルメ ディ ア の利 用 意識 を調 査 した 結果2 , タ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンシス テム の利 用意 識 につ いて調 査・ 分析 を行 っ た.. b ( ) 調査対象および調査方法 本調査は, 小樽商科大学においてデータ構造論を中心にコンピュータ プログラミング手法を学習するソフ トウェア科学1 1の講義を受講している学生を対象としたものである. 講義と演習がペアとなっており工学系 の講義に近い形態が採用され, 選択する学生の多くはコンピュータや情報工学に関心が高い. また, 演習の 課題提出に電子メールの使用 が義務づけられており, 講義中に学内ネッ トワークの BBSシステム の利用方 ) なお 調 査 は プリコ ー ド式 (一 部 自 由記述) のア ンケー ト用紙 を講義 中 に配 法 につ い て説 明 を受 けて いる3 , .. 2名) 付し, その場で記入してもらい回収した. 回答者は90名である (男子学生48名, 女子学生4 . 2 ( ) 調査・分析結果 a ( ) 情報環境としての情報機器所有 情報機器の保有について複数回答の結果を集計したものが図1である. 図において電話の保有率は女子学 生が男子学生の2倍を超えている.これは自宅外から通学する女子学生全てが電話を保有しているのに対し, 男子学生の場合は自宅外から通学している場合でも必ずしも電話を保有していないことも影響している. さ 8%で 0%を超しているものの自宅外から通学している学生が2 らに,自分専用の電話を保有している割合は6 (2 0).
(4) . 生活情報活用とデジタルコミュニケーショ ンリテラシーに関する考察. 21. 1情報機器の保有割合1. 圏男 □女 □ 全体. 電話. F!駅. 携帯電話 ポケベル. ビデオ. パソコン. 図1 情報環境としての情報機器の保有割合 あることから, 自宅から通学している学生における自分専用電話の保有率が高いことがわかる. また最近流 行の携帯電話については男女とも20%近くが保有しており, ポケッ トベルについては女子学生の保有率は男 子学生のほぼ3倍の25%となっている. これらの結果より女子学生は電話などの保有に対し積極的な面を 持 っ て いる とも言 えよう.. また, ビデオについては男女とも7 0%の学生が保有しており, 映像メディ アを時間と非同期的に利用する こ とが一 般 的 とな っ て いる も の と思わ れる. さ ら に, パ ソ コ ンの保 有 率 は男 女 とも に40% と半 数 に満 た な い も の の 比 較 的高 い 保 有 率 の 回答 が 得 ら れ. た. これは情報工学系の講義を選択している学生が調査対象となっているため, 自分専用のコンピュータ所 持 に高 い 関心 が 向 け られて いる 結 果 である と考 え られる. しか し, パ ソコ ン通信やイ ンタ ーネ ッ トへの 加入 率 は, 男 女 とも 同傾向 を示 しい ず れも 10%未 満 と低 い値 を示 した. また 加入 の 動機 と して は 「パ ソコ ンを購 入 した らサー ビス で付 いてきた」 とする もの が多く, 主 体 的 に加入 した という 回答 は得ら れず, コ ンピ ュ ー タ を用 いた ディ ジ タ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンへの積極 的 な関心 が低 い こ とがわ かる. b ( ) 電 子メ ー ル な どの デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンに対 する 意識 デ ジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンに対する 意 識 と して, パ ソコ ン通信 によるコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンへ のイ メ ー ジ. に関する選択肢を複数選択で回答した結果が図2である. 時間や場所に制限されないを選択する回答が全体 で56% と最も多 か っ た. 特 に パ ソコ ン通信 の 会員 とな っ て いる 女子 学 生 の選 択率 は75% を超 え極め て高い.. デジタルコミュニケーショ ンが持つ, 時間と空間の非同期性という特質が理解され, 評価されていると言え る. しかし, 記録性については全体で38%の選択率と余り高くないのは記録性を重要視する種類の情報交換 の経験が少ないためではないかと思われる. さらに, 最先端で格好が良いことを選択した学生は全体で1 6% 程であるのに対し, マニア的で不愉快を選択した学生は8%とデジタルコミュニケーショ ンが好意的に評価 されている傾向も見られる. 特にパソコン通信の会員となっている女子学生は最先端で格好が良いことの選 択率が25%と高い. このように好意的な意識を持つ一方で, 文字にすることが面倒であることを選択した割 合率は全体で30%程あり, 機械を使うので不便であるという回答も全体で1 5%ほどあった‐ この結果より学 生 は手 軽 なコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン手 段 を望 む傾 向がある とも 言 えよう しか し, パ ソコ ン通 信の 会員 とな っ て .. いる女子学生は文字にすることに対する抵抗が全く無いことや全体として好意的な評価を行っている傾向が ある. 他方男子学生ではパソコン通信の会員であっても平均的な評価傾向であり, 男女間で取り組みに対す (21).
(5) . 菅宮. 22. 健・今. 尚之. パソコン通信によるコミュニケーションに対する意識. 園男 圏 パン通男. わからない. □女 圏 パン通女 文字にするのが面倒. □ 全体. マニア的. 割合. 機械を使うので不便. 最先端. 記録が残りよい 」 1. 時間,場所に制限されない 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. 割合 図2. パ ソコ ン通信などデジタルメ ディ アによるコミュニケーショ ンに対する意識. )による と FAX や 郵便 る 姿勢 に差 がある と考 え ら れる. 特 に, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン手 段 について 尋ねた 結果4 による コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンは女子 学 生の選 択率 が極 めて 高く, 男 女 間 で文 字 による コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンに対. する意識に差があるものと思われる. ( c ) デ ジタ ルメ ディ ア と して の Wor ld Wide We b上のホームページの利用実態 i) ホ ーム ペ ー ジ 閲 覧の頻 度 イ ンタ ーネ ッ ト ブ. ム を支 えて いる と言わ れる Wor ld Wide We b上のホームページは, 情報の収集や自. ら の情 報発信 のメ ディ ア と して注 目を集 めて いる. 調 査対象者 にお いて, ホ ームペ ー ジ を閲 覧 した こ とがあ. ると答えた割合は全体の66.7%であり, 男子学生は70 ‐8%, 女子学生は61 ‐9%となった. さらに閲覧の頻度 について男女別に集計した結果を図3 に示 す. ホームページの閲覧者は男子学生の方が高く, その閲覧頻度は週に1~2度程度が男子学生のほぼ半分で ある. 一方, 女子学生は男子学生よりも閲覧者の割合が1 0%ほど低いが週に5回以上閲覧する学生が46%と ほぼ半数である. 男子学生はそのほとんどが大学の実習室からのアクセスであるのに対し, 女子学生は自宅 か らアクセ ス する 回答も多く, 女 子学 生 はホ ーム ペ ー ジを日 常 的な情 報源 と して利 用 して いる と思わ れる. i i) ホ ーム ペ ー ジ の 閲 覧目 的. 調査対象者のホームページの閲覧目的を図4に示す. 男女とも娯楽を挙げる割合が一番高くなった. ホー ム ペ ー ジによ っ て 提供さ れる 情 報が, マスメ ディ ア によ っ て 流さ れる 情 報 と同 じよう に消 費さ れて いる 傾 向. を示すものといえよう. また, 2番目に選択された目的は情報の収集である. これは, 男女間で約1 0%ほど 差が見られ, 男子学生の方が高い選択率となった. さらに, 女子学生は周囲での話題性から閲覧する目的も (2 2).
(6) . 生活情報活用とデジタルコミュニケーションリテラシーに関する考察. 合計 灘轍. i豪 気2 3 すき-,. 28. 女 ・ きき三郷キキきざ ミ. 0. 10. 20. 30. 23. 4 6. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. 割合(%). 図3. ホームペ ージの閲覧頻度. 圏 情報収集 圏 娯楽 E 周りで話題. 圏 友人が鞭所有 圏 クラブなどの連絡 □ その他. 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. 割合(%). 図4. ホームペ ージの閲覧目的. 約1 6%ほど選択しており, 男子学生との意識差が現れている また クラブなどの連絡で閲覧することを選 , . ん だ 学 生 はお らず, 草の 根 的なメ ディ ア と しての 特 質 は活 かさ れて いない こ ともわ か っ た . i i i ) ホ ーム ペ ー ジ の所 有 意識. 調査対象者にホームページの所有希望を尋ねた結果を図5に示す ホームページを持ちたいという 回答は . 男 女 とも 約25% ほ どであり, ホ ーム ペ ー ジ の 閲覧 はする が 自 らが情 報 を発信 する こ とに は関心 が ない ま , , た はた め らい を持 っ て いる こ とが伺 える さ ら に ホ ーム ペ ー ジ の 所 持 につ いて 尋 ねた フリ ーア ンサー にお . , いて, 人 に伝 える 情 報 が ない, メ ッ セ ー ジ を持 っ て い ない な ど 情 報 の生産 に起 因 する も のや ホ ーム ペ ー , ,. ジを持ちたいが何を書いてよいかわからないという 目的設定の困難さを指摘するもの さらには作成方法が , わからないなどという技術的な困難さを指摘する回答が多かった . ( 3 ) コ ン ピュ ータ リ テ ラ シー を持 つ 大 学生 の デジタルメ デ ィ ア の利用 傾 向 コ ンピ ュ ータ リ テラ シー をも つ 大学 生 の 実生活 にお ける コ ミ ュ ニ ケー ショ ンは 大 学 内の 友人 ・知 人 を主 , とするた め 空 間 的に極 めて 狭 い という 特 徴 を持 つ このた め 実 際 には電 子メ ールや 学 内 LAN によ る BBS , . ) こ れ は個 人 でイ ンタ ーネ ッ トサ ー ビス や パ ソ コ ン通信 に加 入 して い る シス テム の利 用 はさ ほ ど高 く な い5 . (2 3).
(7) . 菅宮. 24. 健・今. 尚之. 50. 90. 100. 割合(%). L ロ 持ちた陀, 思う 図5. 圃持ちた畦思わない 霊. ホームページの所有意識. 率 が低 い こ と と,外部 か ら学 内の LAN に接続することを禁じているために,登校し利用することが前提とな り, 電子メ ー ル な どデジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンシス テ ム が 持つメ リ ッ トを充 分 に活 か しき れて い ないた め であ ろう. しか しなが ら, その利 用 につ いて は高 い関心 とメ ディ ア の 持つ 本 質 が理 解さ れて おり, 環境 の 整 備 によ っ て利用 は延 びる もの と思 わ れる. 特 に 女子 学 生 で は郵 便, FAX な ど書 き文 字 に よる コ ミ ュ ニ ケ -. ショ ンの選択率が高いことからも電子メール利用者として今後大きな割合を占めるものと思われる. また, ホームページの利用 は情報入手や娯楽な ど情報の消費に偏っており, クラ ブやサークルな ど小集団 にお ける 連絡や 情 報の共有 手 段 と して用 い られて い なか っ た. さ らに, 自分 の ホ ーム ペ ー ジ の所有 につ いて. も高い関心は寄せられなかった. 情報化社会において は情報を主体的に判断, 選択することも重要であるが, 自らも情報発信の担い手として情報を共有し, 活用できる能力 を身に付けることはより重要なことである. ホームページの所有に対し関心が低いことは, 情報収集についてのみ関心が持たれ, 収集した情報の処理や 再生産, あるいは自らが情報の生産者となるべきことへの関心の低さと, 主体的に情報を発信する ことに関 る教育機会の無さが影響しているもの と考えられる. 今後, 生活情報の活用リテラシー教育では, この点に も充分配慮が必要であろう. 3.. 生活情報環境が抱える問題点. ( 1 ) 情報量の増 大と貧困な生活情報環境 1 8ワー ドと膨 )によ る と, 1993(平成 5)年時点 で日本 にお ける 情 報供 給量 は10 郵 政省 の 情報 流 通セ ンサス6. 大なものとなり, 選択可能情報量に比 べ情報消費量の伸 びが小さく, 実際の消費を上回って情報の選択が可 能 にな っ て いる という. す なわち, 情 報の 生産 が消 費 を上 回り 供 給 過多 とも い える 状 態 とな っ て いる の であ る. さ らに1995 年 中期 か らのイ ンタ ーネ ッ ト ブーム をは じめ,1996 年末 に はデ ジタ ル衛 星 放送 によ る 多 チ ャ. ンネル放送が始まるなど, 毎年のように新しいメ ディ アが開発, 一般化され, その結果として情報源は増加 し我々が生活の場において選択可能な情報量はますます増大の一途をたどっている. このように情報源が増加し, 選択可能な情報量が増大していることにより, 我々は必要とする情報をたや すく入手 し生活に活用できる情報環境を手に入れつつあるように思われる. しかし, 各種のセンサス などで 示される数字やマスコミで報道されるほど, 情報化の恩恵を受けている実感を伴わないのが実際である. こ (2 4).
(8) . ニ ー ソヨ ン プ フ シー にーE - 生活情報活用とデジタルコミ プ ジ ノレコ ミ ュ ユニケーシ ョ ンリテラシーに関する考察. 25. の社会的現象はニ ューメディ アが ブームとなり情報化社会のばら色の未来像が喧伝された1 980年代にもす でに経 験 してきた こと である.. 198 0年代においては情報処理機器や通信技術が, データ量の多いマルチメディ ア情報を伝えるに必要な処 理能力を持っていないなどの技術的側面, さらにはさまざまな制度, 規制などの周辺環境が未整備であった こ と な ども あ り, ニ ュ ーメ ディ ア の 一般 家 庭 への 普及 は失 敗 した といわ れている. 例 え ばキ ャ プ テ ンシス テ ム は生 活情 報 を伝 える ニ ュ ーメ ディ ア と して期 待 が 高 か っ た がそ の 普 及 は全く 進ま なか っ た しか し, フラ . ンス で は日本 の キ ャ プ テ ン と ほ ぼ同 じ機 能 を持 つ ミ ニ テ ル シス テ ム を 国 内 で普 及 さ せ る こ と に成 功 して い る. 現在, フラ ンス で は生活 情 報の引 き 出 しの ほか, 各 種 チケ ッ ト類 の予 約や 個々 人 のコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン にも活用 さ れて いる という. この成 功 は文 化 の違 い, 生 活の 様態 の 違 いも あろう がよ り 詳細 に分析 する 必 要 があ ろう. フラ ンス の ある 社会学 者 は,1980 年代 の 日本 にお ける ニ ュ ーメ ディ ア環境 の 導入 にお いて 次のよう な 発言 を している. 「日本 にお いて, ケー ブ ル・テ レ ビや1NS な どの 情 報技 術 は, 人々 のコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンを活 発. にし連帯をもたらすものではなく, 産業発展に寄与するという点からのみ考えられている. 世界中で使われ ている ニ ュ ーメ ディ アの ほ とん どを生産 して いる この 国 が, かく もメ ディ ア を貧 しい 仕 方 で しか利 用 でき て ) ここ での指 摘 はまさ に情 報化 社会 と言わ れる 現在 に 生活 する 我々 に投 げ掛 い ないの はな ぜ 何 だろう か」と7 . けら れた も の とも い えよう. 1980 年代 の 日本 では新 しいメ ディ ア を産 業 に偏 らせ, 生 活者 の視点 か ら必 要 な. 情報を提供することや生活情報の取り扱いに関する教育が不十分であり, ニューメディ アが根付かなかった 一 因 とも な っ た と考 え られる. 現在, ディ ジタ ルメ ディ ア を軸 に社会 の情 報化 が 急速 に進展 して いる. そ の こ とによ っ て形成さ れる 社 会 を, 生活者 に と っ て 価値 ある もの とする た め に はデ ジタ ルメ ディ ア, 特 にそ れ によ っ て 実 現さ れる デジタ ル. コミュニケーショ ンシステムが持つ特質と生活環境への影響を理解し 「豊か」 に利用する力が, 個々人に要 求さ れて いる とい えよう.. 2 ( ) 受信専用化しつつあるデジタルメディアの問題 現 在, 新 た なメ ディ ア によ っ て供 給さ れ, 流 通する 情 報量 の増 大 と, 通信技 術の 進歩, コ ンピ ュ ータ のよ. り一層のパーソナル化は, 生活情報の入手機会を増大させている. 例えば,19 96年後半から発売されたイ ン タ ーネ ッ トに接続 し Wor ld wide Web 上 の ホーム ペ ー ジ を ブラ ウ ジ ング できるテ レ ビ受信 機 は, 特に難 し. い操作も必要ないことから, 価格の低廉化が進めばより一層の普及を見るであろう. その結果より多くの人 がイ ンタ ーネ ッ ト上 で流 通 して いる 情 報 へアク セス する こ とが 可能 となり そ の恩恵 を受 ける ことと なろう , . しか し, そ の 一 方 では家 庭 生活 にお いて, 情 報 を消 費する こ とだ けに専 念 して しまう こ とにも なり か ね ない 危 険性 を持 っ て いる. デジタ ルメ ディ ア によ っ て もた らさ れる デジタ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンの大き な 特徴 と して 双 方 向性 が指 摘. できる. しかし, 現状の方向では商業ベースに乗せられた情報の消費のみが特化し, 双方向性と非同期性を 持 っ たコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン特性 を生 か した 活用 がな さ れ ない 恐 れが存在 する 今 日 我々 はイ ンタ ーネ ッ ト , .. などに代表される双方向性のメディ アを手に入れた. このメディ アは従来のものと比較し 個人が不特定多 , 数 と空 間, 時 間 を越 えて 容易 にコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンを可能 とする シス テム である こ れ らが今後 どのよう な .. 方向性で発展して行くかは生活情報の活用を考える上で極めて重要である . この点に関しては非常に興味深い示唆がある. 『 1 20年代の大衆消費社会の到来と相まって, イ ンタラク 9 テ ィ ブな 「ワイ ヤ レス」 は, あ えて 一 方 向的 な受信 専用機 である 「ラ ジオ」 へ とそ の様態 を転 換 して しま っ た の である. アマ チ ュ ア 無線家 の若 者たち は, そ の こ とに多 い に失望 していく 一 方 で 操 作 が簡 単 に な っ , . (25).
(9) . 菅宮 宮呂. 26. .つ 健・今. 尚之 ロ. たメ ディ ア を手 に入 れる こ と, そ れか ら聞こ えてく るさ ま ざま なエ ンタ ーテイ メ ントに, 大衆 は熱 狂 的に関 }こ れ は いま か ら7 0年以上前にラジオ無線が一般化されたときの現 )』8 心 を示すよう になる.(水 越伸,1996 ,. 0年以上も過去の社会現象がそのまま現在にも通用出来るというものであり, 例え 象である. 水越の指摘は7 ばイ ンタ ーネ ッ トで流通 する 情 報 が同 じ轍 を踏 ま ない とも 限ら ない. イ ンタ ーネ ッ トへの 接続機 能 を持 っ た. テレビ受信機はまさ に 「受信専用機」 である. もちろん電子メールの送信機能やあらかじめ用意されたひな 型 へ の データ の送 信 によ り コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は可 能 で あ る. しか しそ れ は双 方 向 に 情 報 を交 換 しあ う コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンよ り も, 通信販 売 な どへの対 応 であり, 自らの情 報 発信 をする た めの 機能 という もの でも. 9 ない. 現在, NTT が1 97年より一部地域で実用化し全国的に展開を予定する OCN(open Comrnunication Ne twork) サー ビス のう ち, 一 般家 庭 を対 象 と した サ ー ビス は情 報の消 費 をタ ーゲ ッ トに した 接続 サー ビス ) と言 え, そ こ を舞台 に情 報 を発信する た めの サー ビス は付加さ れてい ない9 .. さらに, 情報教育に対しては, 情報消費者として情報洪水とも言われている現代を乗りきるスキルを身に 付 ける こ とに高 い関心 が置 か れて いる.こ の よう なウ ェイ トの か か っ た 関心 が引き 起 こす 問題 点 につ いて は,. 視聴覚教育についてなされた次のような指摘からアナロジカルに解答を導くことが可能であろう. 『い まの視 聴 覚教 育 は コ ミ ュ ニケイ シ ョ ンの受信 人 を養成 す る こ と しか でき ない という 欠 点 を持 つ 映 , . ,. 画の見方, 使い方を教える だけで, 映画の作り方, 表現方法を全く教えることができない, という短所を持 つ. 視聴覚教育を受けた生徒達は, いわば受信専用電話みたいなもので, 人の言うことはわかる が, こっち か ら言う こ と はでき ない という 片ち ん ばな立 場 にお か れて いる. 文 字 につ いて は 「読 む」 こ と と同時 に 「書 o ) )』l く」こ とを教 える の に, 映像 につ いて は「書 き 方」を教 えない という の は片手 落ち で はない か.(加藤,1958. 加藤が指摘する 「書き方」 の教育の欠落は情報教育への警鐘でもある. 加藤が指摘するように受信専用ない し受信に特化したシステムが一般化し,その双方向性の特質が生かされなければ,大量に製造されるエンター テイ ンメント性の高い情報を大衆が消費する構図が再現するとも限らない. 先の大学生を対象とした調査で も, 例 え ばホ ーム ペ ー ジ の 閲覧 目 的に娯楽 が高 い割 合 を示 した の は, そ のよう な こ との現 れとも いえよう.. このことは従来の物的な大量消費社会における消費行動の延長に過ぎず, そのような情報化の結果, 我々の 生活 が豊 か に なる とは必 ず しも言 えない.. 4. 生活情報活用における情報消費と情報生産. 1 ( ) オポチ ュ ニ テ ィ ・ ウ ェ ブ と して の デジタルメ デ ィ ア イ ンタ ーネ ッ トをは じめ とするネ ッ トワーク で流通する 情 報コ ンテ ンツ の中 で, 不特定多 数 を相 手 と した も の はアマ チ ュ ア によ っ て 支 え られて いる とい えよう. また, イ ンタ ーネ ッ トを通 して相 互交 換さ れる 電子 メ ー ルな どの多く も個々 人 の情 報 交換 に使 わ れて いる と考 え られる. 1 ) 彼 の構想 した オ ポ オ ース トリ ア の思想 家イ ヴァ ン・イ リイ チ は 「オ ポチ ュ ニテ ィ・ウ ェ ブ」 を構想 した1 . チ ュ ニテ ィ ・ ウ ェ ブは, たく さ んの人 たち が情 報ネ ッ トワ ーク によ っ て 結 び つき, お互 い に各 自が保 有する. 知識やノウハウを交換しあうものである. イリイチ自身の思想は義務教育の廃止も視座に入れたかなり先鋭 的 なもの で各 種の批判 が 存在 する.しか し,現在 のイ ンタ ーネ ッ ト上 でのメ ーリ ン グリス トやニ ュ ース グルー プの活動, さ ら には パ ソコ ン通信 の 電子会 議上 でのコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンによ っ て なさ れる 情 報交 換の在り 方 を見 る な ら ば, まさ にイ リイ チ が構想 したオ ポチ ュ ニティ ・ ウ ェ ブ の 一 部 機能 が実現 して いる. そ こ では,. 善意の情報発信者がボランティ アで彼ら自身が保有するノウハウ, 知識を提供しているのである. もちろん デジタ ル な電 子ネ ッ トワ ーク を用 いる こ とによ り, 時間 と空 間の非 同期 性 を実 現 して いる の である. (26).
(10) . 」青 生活情報活用とデジタルコミ ニ ー ショ ンリテラシーに関する考察 ン テ ラ シ ー に ‐ る -〉 プ ジ ノレコ ミユ ュニケーシ 不. 27. イ ンタ ーネ ッ トや パ ソコ ン通信 の未利 用者 が 抱く 疑 問 の 一 つ に デ ジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンか ら 「本 当 , に必 要 な情 報 が得 ら れる の か」 という も の があ る そ れ らに対 する 回 答 は非常 にあ いまい なもの とな ら ざる . を得 ない. しか し, 現在 の デジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンシス テム 上 で流通 して いる 情 報の多く が オ ポチ ュ , ニテ ィ ・ウ ェ ブ のよう な形 である 限り, 情 報 を器用 に消 費する こ と を考 えて ばか り いて は双 方 向 的 なコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンは成 立せ ず, 情 報交換 環境 そ のも の がい つ の 間 にか消 滅 して しまう シナリオ も考 え られる 生 . 活者 に と っ て等 身大 な情 報 が デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンシス テム で供 給 流通さ れる た め に はオ ポチ ュ ニ , テ ィ ・ ウ ェ ブ構想 に見 ら れる よう な, 善 意の情 報提供 ボラ ンテ ィ ア との 双方 向のコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンが不 可. 欠である. そのためには利用者一人ひとりが, 自らも悩 みやノウハウなどの情報を発信できる力を身に付け る 必 要 があ る. ( 2 ) デジタ ル コミ ュ ニケ ー シ ョ ンリ テラ シー 教育 の 方向性. 現在, 日本の小・中・高等学校での学校教育における情報教育では分散型カリキュラムが採用され 情報 , 科学の内容を分散化し各教科科目の中で総合的に扱うことが行われている . 現行の学習指導要領より学校教育 で取り組まれている情報教育の目的を整理すると①情報の判断 選択 , , 整理, 処理能力および新たな情報の創造, 伝達能力の育成. ②情報化の特質, 情報化の社会や人間に対する 影響の理解.③情報の重要性の認識,情報に対する責任感.④情報科学の基礎および情報手段(特にコンピュー タ) の特徴の理解, 操作能力の習得の4点となる. 特に④については中学校 では技術家庭科 高等学校では , 2 ) 家 庭 科教 育 に強く 求 め られて いる1 .. しかしながら, 現在の情報教育に対しては, コンピュータ操作の習得にのみに強い関心が持たれがちであ 3 ) る1 . この傾向は,社会の情報化が進展する中で,よりよい生活のために機器操作が必要不可欠 であるという 認識よ り も, 就 職 のた め と して 認識さ れる こ とが多 い 最近 にな っ て幼児 向 けのコ ンピ ュ ータス ク ー ルも 登 .. 場している. 幼児, 児童向けの英会話教室が必ずしも, 英会話や英語圏の文化理解を目指したものでないこ とか らも伺 い知 る ことが できよう ロ バ ー ト・ハ ッ チ ンス(Hut ins )は, 『学習 社 会』 (TheLearning ch . ,R‐M‐ 『 Soc i ty e , 1968 年) の なか で 教 育本 来 の 目 的 は 「人々 を聡 明 にする」 「人 間性の 完成 を図る」 もの であり,. 個人が社会移動するためのルートや手段という 「没人間的, 非人間的および反人間的」 なものではなく 教 , 育はその本来の在り方へ転換すべきことが2 1世紀への現行 宅教育の課題である』と指摘した. すなわち, 現在 の大量消費を前提とした工業化社会においては, 教育システムは個人が社会移動する手段と見なされ高い学 歴を身に付けることに重点がおかれており, 現在学校教育に望まれている情報教育もその延長で認識されて いることがほとんどである. この結果, 日常生活において無意識に行われている情報処理プロセス について 理解させる教育の場が少なく, コンピュータの操作教育のみに関心が払われているといえよう . さ て, イ リイ チ の指 摘 でも 理解さ れる よう に デジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンシス テム を利 用 して 生 活情 報 を. 活用するためには, 新たな情報の創造や伝達能力 の育成が重要となる それはまた操作能力と表裏一体とな . る も の である. 現在の 日本 の情 報教 育 は分散型カ リ キ ュ ラム である が コ ンピ ュ ータ リ テ ラ シー を学習 する , 時に デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンに 関するリ テ ラ シー も 同時 に学 ぶ べき であろう そ こ では情 報 を消 費 して . 再 生産 する 能力 や 伝 達 する 能力 が養成さ れる ととも に そ の こ とを 合理 的に行う た め にコ ンピ ュ ータ を中核 , と した シス テム が ある こ とを十 分 に理 解さ せ る よう 指 導する ことが必 要 である 現実 のカ リ キ ュ ラム の 中 で . こ の こ とが 可能 な教 科 は限 られる が, そのう ち 家 庭 科教 育 こそふさ わ しい も の とい えよう このよう に今後 .. 我々が持つべきリテラシーについての正しい認識と理解は, むしろ児童・生徒を持つ父母達こそ持つべきも のであり, 生涯学習の場などで十分な理解がなさ れるべきである.. (27).
(11) . 菅宮. 28. 健・今. 尚之. ( 3 ) デジタ ル コミ ュ ニケ ー シ ョ ンメ デ ィ ア と して の電子メ ール の利用 社 会の情 報化 ととも に 日常 生活 において も デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンは普 及 の 一 途 をた どっ て いる. マ ld Wide Web はもち ろ んイ ンタ ーネ ッ ト上 でのメ ー ル交 換 スコ ミ で取り 上 げら れる こ とが非常 に多 い Wor や 既 存 の パ ソコ ン通 信 ネ ッ トワーク の利 用 者 も 増 えて き て いる. 1996年 1月 現在 大 手 パ ソ コ ン通 信 ネ ッ ト ワ ーク の会 員 はあわ せ て 約 400 万 人 を超 える に至 っ た. ま た NIFTY‐Serve を例 にす れ ば1996 年 1月 の月. 5万通の3倍強とい 間電子メール交換数は約290万通となっている.これは一年前の同期間における通数約9 4 } この 通 数 は会員 数 が140万 人の パ ソコ ン通 信ネ ッ ト単 独の 数 字 であり,他の パ ソコ ン通信 う 急成 長 である1 . サ ー ビスさ らに はイ ンタ ーネ ッ トで交換さ れるメ ー ル通 数 は膨大 な もの とい えよう. このよう に数の上 では極 めて 普 及 して いる かのよう に思 える デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー ショ ンである がそ の利 5 )で 用 はま だ一部 に偏 っ て いる と言 わ ざる を得 ない. イ ン プレス 社 によるイ ンタ ーネ ッ ト利 用者 の実 態調 査1. は男性が9割を占め, 女性は1割に満たない結果が示されている. さらに利用者の年齢分布では男性では30 5歳未満の利用 がもっ とも多く全体の3割を占めておりその前後で7割を占めるに至っている.一方 歳以上3 女性では25歳以上30歳未満での利用がもっ とも多く4割を占めている. また職種としては技術系の会社員 や 理 科系 の学生 で全体 の5割 を占めて いる. この結 果 か ら明 らか なよう に, 現 在 デジタ ルコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ン手 段 を利 用 して いる層 はか なり 偏り が大 き い とい えよう. しか し, 先 ほ どの NIFTY-Serve での電 子メ ー ル交 換 通 数 の 伸 びが 示 す よ う に, デ ジタ ルコ ミ ュ ニ ケ -. ショ ン抜きに生活情報の入手・活用を考えられない現状が存在すると言え, 今後より幅広い階層での利用 が 考えられる. 特に, 情報機器の基本操作に対する障壁がハード的あるいはソフト的に取り外され, 非同期的 に行 えるコ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンの 特質 が理 解さ れう る な ら ば, そ の利用 者 は急激 に増 加 する であろう. 先 の大. 学生を対象とした調査では, 電子メールの持つ特質はかなり高い割合で理解がなされていた. 電子メールを 5 )は比較的早い時期に訪れるものと思われる. このとき, 情報弱者が生まれ地 利用できる装置的環境の充実1 域の活力などに格差が生じないためにも, 情報通信環境 を整備することと同時にまず, 電子メールを用いた デジタ ルコ ミ ュ ニケ ー シ ョ ンに対 するリ テ ラ シー教育 を行う こ とが 急 が れよう.. 5. ま. と. め. ( ) コ ンピ ュ ータ リ テラ シー を保 有 して いる大 学生 は, デジタ ルコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンメ ディ ア と して の電 子 1 ld Wide Web 上 のホ ー メ ー ルの特 質 を正 しく 理 解 し,そ の利 用 に好 意 的 な意識 を持 っ て いる. しか し,Wor. ムページの利用については, 情報の受信が主で自ら情報を作りだすことには関心が持たれていない. ( 2 ) 社会の情報化によって消費しきれないほどの情報が流通しているが, 生活者としての我々は必ず しもそ の恩 恵 を受 けて いる という 意 識 に無 い.この こと は1980 年代 にニ ュ ーメ ディ ア が 喧伝さ れた とき と同 じ現. 象である. さらに, 技術発展により高性能な情報処理機器が個人でも入手可能となったが, それらは受信 専用 のメ ディ ア になり つつ ある. デジタ ルメ ディ ア の持つ 特質 を活 かさ ない, これらの望ま しく ない傾 向 を改 めるた め にも, デジタ ルメ ディ ア とそ れ によ っ て 実現さ れるコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンシス テム に対するリ テ ラ シー教育 が必要 である.. ( ) 生活情報を我々の日常生活において活用することは, 個々人の生活をより豊かにするだけではなく, 家 3 庭はもとより地域コミュニティ の在り方をも左右するものである. 草の根的な生活情報の発信 は, 個々人 の情報発信能力による部分が大きい. 生活情報活用リテラシーは機器操作や情報の収集, 判断能力のみな らず, 必要に応じた情報発信能力を包含するものと考えられる. (28).
(12) . 生活情報活用とデジタルコミュニケーショ ンリテラシーに関する考察. 29. 注 記 およ び文 献. lシステムが導入され, 電子メールを部内の諸 i 1) 例えば,JR北海道では関係法人の鉄道技術総合研究所で開発されたR-Ma 連絡から経理関係の発注案議まで広範に利用している. 2) 今 尚之:大学生を対象とした生活情報交換におけるデジタルコミュニケーションシステムの利用調査, 小樽商科大学言 語セ ンター広報第5号, 1997‐ 3. 3) 大学内のBBSの使用については講習会などが適時開催されており情報処理センターに利用申請をすればIDが発行され る‐ 現在 の を取 得 している学生 は全体の38% ほ どである.. 4) 今 尚之:大学生を対象とした生活情報交換におけるデジタルコミュニケーションシステムの利用調査, 小樽商科大学言 語セ ンター広報第5号, 1997‐3. 5) 今 尚之:大学生を対象とした生活情報交換におけるデジタルコミュニケーションシステムの利用調査, 小樽商科大学言 語セ ンター広報第5号, 1997‐3 6) 郵政省:情報セ ンサス 1994年 7) 伊藤守他:情報社会 とコ ミ ュ ニケーシ ョ ン, 福 村出版, 1995 年. 9 9 6年 8) 水越伸:「情報化とメディアの可能的様態の行方」 , メディアと情報化の社会学, 岩波書店, 1 9) 林, 米田:「マ ルチメ ディ アネ ッ トワーク の新展開」 , 計 画行政通巻47号, 日本計画行政学会, 1996年. 1 ) 水越伸:「情報化とメディアの可能的様態の行方」 9 9 6年 0 , メディアと情報化の社会学, 岩波書店, 1 1 1 ) 渋谷宏:パソコン教育不平等論, 中央公論社, 1 9 9 6年 12 ) 岡本俊雄編:「教師のための情報教育入 門講座. 高等学校編」 , パ ーソナルメ ディ ア, 1993‐7. 1 3 ) 今 尚之:「高校生を対象とした生活情報環境と情報化社会の認識に関する研究」 9 9 7年度研究発表会講演 ,日本家政学会1 概要集, 1977‐5 14 ) 日本イ ンターネ ッ ト協会:「イ ンターネ ッ ト白書’ 110~111 96」 , pp ‐ , 1996年6月, イ ンプレス 15 ) 日本イ ンターネ ッ ト協会:「イ ンターネ ッ ト白書’ 96」 76~99 , pp ‐ , 1996年6月, イ ンプレス 16 ) ハ ンディ タイ プの電子 メ ール端末の普及 によるものと想 像さ れる. 1997年初めに, 松 下電器 では電子メ ールの送受信およ び FAX 送信機能が付加さ れた PHS ハ ンディ ホ ンの販売を開始 した.また電子機器メ ーカ ーより販売さ れているいわゆる 電子手帳な どでもメ ールや FAX 機能 を搭載 している もの が主力 商品となっ てきた.. (29).
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