『新古今和歌集』四季部研究 : 雲を中心に(二〇〇三年度卒業論文要旨集)
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(2) ﹃新古今和歌集﹄. 四季部研究. 古典文学研究室. 鶴岡. −票を中心に−. 九〇八七. 浩明. の四季部の雲を取り上げ、雲の和歌の詠み方の特徴. 本研究では、従来あまり注目されることのなかった、﹃新古 今和歌集﹄ を明らかにし、更に、そこから四季部の傾向を見出すことを目 的としている。 研究方法は、雲を含む和歌の解釈と、以前の勅撰集の例歌と の比較が中心である。なお、﹁白雲﹂や﹁横雲﹂といった複合 語を含むが、﹁曇る﹂などの動詞は含めないことにした。 分析の結果、雲は、桜や郭公、雁、時雨など、その季節を代 表する歌語とともに詠まれることが多く、例えば、﹃新古今﹄ 以前にはなかった、もしくは注目されることのなかった、﹁雲 間の月﹂を秋や冬に詠むなどの新しい詠み方が模索されている ことがわかった。他にも、二四七番歌が、五月雨に直結する橘 の歌群にあり、五月雨歌群の中に五月雨が晴れた後に吹く風を 詠んだ歌があることから、従来は火葬の煙とされていた雲を、 五月雨を降らす雲であると解釈を改めた。これらのことから、 の多様な表現の原動力となってい. 要はどのような詠み方にも対応できる自由度の高い歌材として 捉えられており、﹃新古今﹄. るといえる。更に、春、夏、秋に次の季節を先取りする雲の歌 があること、春、秋、冬に雲の歌の季節ごとの最初と最後に対 比がみられることなど、四季部の配列に関する特徴が明らかに なった。. ー89−.
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