力量の判断について
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(2) . 第 11 巻. .. 第1号 C. ・北海道学芸大学紀要 (第二部). 5年8月 昭和3. 力 量 の 判 断 に つ い て. 見. 須. 紀. 芳. 北海道学芸大学旭川分校体育研究室. i S口M[: on the ]udg汀 Yoshi l ent of Strength nor. ま. え. が. き. ぬかるみを歩く ときの足の運 びや, 凹地に足を踏み入 れたとき 急速に下肢伸展筋が緊張するな. ど, ほ と ん ど 反射・的 に 行 わ れ る も の か ら, 「手 ご た え」 と か, 「の れ ん の 腕 押 し」 と か 言 わ れ る よ. うな, 意識的にその適否が判断されるものま で, 日常生活には, 力覚にもとづく抵抗感や, 運動 的知覚に支配される行動が多い. とくに体育運動やス ポーツの練習では, この力感覚にもとづく 動作の判断, 認知が肝要である. もう少し強くとか, もう少し弱く, 或は, 今の半分位などと,. 力の 出 し加減が動作の巧拙 を左右するものである. ) 1 を行い, その結果を報告した.1 このことに関連 して, 阿部は, 「力量の見積りに関する研究‐ すなわち, 手で自動秤 を圧すことによって得られる上肢に作用する所定の力 (自動秤に重量とし ) の去の か 等しい か 2倍の力といぅ場合の物理的量と心理的量 との対応 関係に て記録される. ついて述 べている. これは, 力として意識される抵抗感, 及びそれの記憶, も しくは判断の正否の問 題である, 筆者は, 阿部の測定法に多少の変更を加え, 主として握力の場合に ついて実験を行い, 2 ,3 の 結果を得たので報 告する.. 法. 方. 被験者. 北海道学芸大学旭川分校体育 専攻生10名. 測定期. 昭和34年11月~12月. 測定法 〔測定器具〕. ス メ ド レ← 握 力 計. 置〕 握力計の握梓が縦になるように, 握力計を吊懸式に固定し, 被験者の肩の高 さに 応じて, 上下に移動で きるように した. 被験者が握力計の指針を明瞭に読みとることができるよ 0に合わせ, 3秒毎に ベルが うに, 握力計の 前に大きな鏡を置いた. 叉メトロノ ームを, 1分間6 鳴るように して, 装置の近くに置いた. 測定室の温度を できるだけ一定に保つよう採暖に注意し 〔装. た, 室 温 は1ooC~12oC であった.. 〔測定方法〕 被験者は, 腕を肩の高さに水平に 挙げ, 握力 計を操作 した. 標準刺激量が与えら れると, 被験者は, 鏡に写った指針を見ながら握力計を握り, 与えられた標準量だけの力を発揮 一 42 一.
(3) . 力 量 の 判 断 に つ い て. した. 実験者は, 指針が標準量を正しく指して いるかどうかを確認した 標準刺激量は , , でたら めの順序に並べ られたカー ドによって 比較運動を行う毎に与えられた 標準運動は , . , メトロノ ーム のベ ルの合図で始められ 標準刺激量を確認 した後 実験者は 直ちに握力 計の , 指針を0に , , もどし, 被験者に比較刺激量 (標準量の青 1 2 倍) を通告した 被験者は 標準運動 を行 って , , . , から3 秒後のベ ルの合図で 今度は 目を閉じて比較運動を 行った その結果は 被験者に知 , ら , . . , されなかった, 標準運動も,.比較運動も常に同一速度で握樺を握るよう 被験者に努力させた . 所定の標準刺激量は, 2鯉から2塑間隔で 被験者の 可能な範囲まで とした 測定は , . , 左右両 手につき, 午前 (8時~i o時), 午後 (3時~5 納 , の2回, 標準量の★, 及び, 等量 2倍の三 , つの場合について, 夫々3回宛行った.. 結果と考 察 3回の測定値の平均を個人の成績とし 誤差は 比較量に 対する百分率で表 わした , 1~4表) , ( , それによ り, 次の結果を得た. 第 1 表 : 左 手、 午 前 の 成 績 S. S.. C. S,. 去. k 2 g .1.52 ・4 2.75 6 8 lo 12 14 16 18 20. 3,84 . 7 5.1 5.73 7 .07 7 .83. 8.50 9 .25 10 .33. D .OJ52 0.75 0 .84 1 .17 0 ,73 1.07 0.83 0 .50 0.25 0 .33. E % 52 .O 37 .5. 28 .O 29 .3 14 ,6 17 .8. I 2.27 4.33. 6.33. 8 .12 9.47. 11 ,93 11 ・ 9 1 3 . .23 6,3 r15.43 2.8 3.3. 16.77. 19,74. D 0 .27 0 .33 0.33 0 .12 ‐0,53 ‐0 .07 -0.77 ‐0 .57 州1‘23 -0 .26. / B %. 2. P. 13 .5. 4,50 0.50 8 7 8 0 : .3 r 8 , .78 5 .5 12.85 ’0.86 1 1 .5 17 .00 .00. ‐5.3 ‐6,O ‐5 .5. 21 .24. 1.24. B % 12.5 9.8. 7.2 r 6.3 6.2. ー3.6 ‐7 .1 ‐1 .3. 第 2 表: 右 手、 午 前 の 成 績 S. S. k 2g 4 6 8 lo 12 14 16 18 20. C. S.. 去 1.55 3 ,15 4.02 5,01 5.67 7 .35. 7.62 8.77 8.87. 11.08. D 0.55 1 ,15 1 .02. 1,02 0 ,33 1 ,35. 0 .62 0 ,77 -0.13 1.08. B % 55.O 57,5 34.O 25,5 6 .6. 22.5. 8 .9 9.6 ー1.4 1.I. I 2.47 4.28 6.13 7 ,83. 9 .82 11 ,13 12.93. 15.17 16.83. 18.87. D 0.47 0 .28 0.13 ‐0,17 ‐0.18 ‐0.87 -1.07 ‐0 .83 -1 ・17 -1,13. 一 43 一. E %. 2. 23 .5 7.0. 4.09 9 .03. 0 ,09 1 .03. 18 .92. 0 .75 ‐0 .32 ‐1.08. 2,2 -2.1 ‐1 .8. -7 .3 -7 .6 -5 ,2 -6.5 ‐5 .7. 12.75 15 .68. D. E % 2 .3 12.9 6.3 ‐2 ,O ‐5.4.
(4) . 須. 芳. 見. 紀. 第 3 表: 左 手, 午 後 の 成 績 C. S.. k 2g 4 6 8 10 12 14 16 18 20. 去. D. B %. I. D. E %. 2. D. B %. 1.26 2.87. 0.26 0.87. 26.O. 2 .58 4.32. 0.58 0.32. 29 .O. 4.75 8 .98. 0.75 0.98. 18 .8. 3 ,87 5 .12 6.00 7.53. 0.87 1 .12 1 ・00 1 .53. 48,5 29 .O 28 .O 20 .O 25 .5. 6.62 8 ,35. 10・17 12 ,27. 8.18 9 .00. 1.18 1 ・00. 18 .9 12 .5. 13.90. 10・00 10.13. 1・00 0 .13. 1.3. 19,62. 11.I. 16 .32 17 .62. 0.62 0.35 0,17 0 .27 柵0,10 0.32 ‐0 ,38 -0 .38. 8.O 10.3 4,4 1・7. 12.47 16 .73 22 .37. 0.47 0.73 2.37. 12 .3 3,9. 4 .6 l l r.9. 2.3 ‐0・7 2.O ‐2 .1 榊. ・9. 第 4 表: 右 手, 午 後 の 成 績 C. S.. k 2g 4 16 8 . 10 12 14 16 18 20. i. D. 日 %. 1.35 2.65. 0 ′35 0.65 0.97. 35.O 32.5. 3 .97 5.02 6 .27 6.90. 、8 .18 8 .50 9 .60 10.56. 32 .3. 1 .02 1.27. 25 .5 25.4. 0.90 1 .18. 15 .O. 0 .50 0.60. 0.56. 16.9 6 .3 6.7 5.6. 1. 比較量を標準量の青とした場合. I 2.38 4.35 .6 33 . 8.35 9 .43 10.98 13 .35 15 .77 17.28 19.68. D 0.38 0.35 OJ33 0.35 ‐0.57 ‐1 ,02 ‐0.65 ‐0.23 ‐0.72 -0.32. E %. 2. 19 .O 8 ,8. 4.35. 5 ,5 4.4 榊5 .7 8 ‐ .5. 8.75 12.23 16.41 19.85. D. E %. 0.35 0 .75. 8.8 9 .4. 0.23 0‘41. 1.9 2.6. -0.15. -0.8. ‐4 .6 -1 .4 ‐4 .O ‐1 .6. 図1に示されたように, いずれの場合 も, 標準量の大 きさに関係なく, 誤差は(+)の値であっ た. これは, 標準量の を とい けフの判断では, その力が’ 常に過 少評価 されたことを 示 し てし、 る. したがって, 標準量の と判断された力は, 常に標準量のす という物理的量以上の量とな っ す て現われたのである. 誤差の量は, 標準量が小 さいときほど大 きく, 標準量が大きくなるに したがって小さくなる傾 向を示 した, %に亘って 誤差の量や型には, 相当の個人差 が認められた. 誤差量の 範囲は,120%から(一)23 みで, 他は, 大 いた. けれども, このような極端に 大きい誤差 は, , す べての測定中1例あったの 0~60%程度で(-)の誤差を示すものは僅少 であった, きくて5 . 型 そ 誤差曲線の型は, 第1図の ような, 標準量が大 きくなるにつれて誤差 の 小さく なる減少 , 増加型1, の 反対の増加型, 及び不定型 の三つに類別できた.午前の 右手の結果 では, 減少型6, 1は同一人で 不定型3が認められた, この結果 と午後の右手の結果 とを照合したところ, 増加型, なく減 蝕ま変化 他の あり, 減少型6のうちiは, 増加~減少の山型 を示 し, 1は不定型 となり,.
(5) . 力 量 の 判 断 に つ い て. のめ. 20. ・ o ・ ′、 、 、 、. 、o ′ 、 ′. 誤 十10. L,H,p .m.. O. H R ・套 ミ茎 ・Pm ・ 亡; / -- ‐. ・ ′ ′ } △ ‘. O. /. 差--○. R,H. ロ .m・ LH.a .m,. 2. 4. 6. 8. 標. 10 12. 準. 14. 16. 18. 2O KS. 量. 第 1 図: 標準量の壱の場合の誤差 少型を示した, 不定型3のうち, 2は減少型に変化 した. 叉, 午前の左手の結果との対照におい ては, 増加型の 1は, 減少型となっており, 減少型6のうち3が不定型, 不定型3のうち2が減 少型となっていた. 個人的に詳細にみれば, 午前・午後, 左手・右手によって, それぞれ誤差量. はちがい, 型も一定である とは限らない. しかし, 全般的には, 図のような減少型となる傾向が 明らかであった, 以上のような二つの傾向, すなわち, 誤差は常に(+)の値を示すこと, 及び, 標準量の増大と ノ の結果と同様であった. ともに誤差の割合が小さくなるという傾向は, 筆者が別に行った実験2. (第4図 A~B 参照) 叉, 前述 した阿部の報告とも一致している. 標準量の小さいときに誤差が大きいということは, 2鯉,4庭という小さい力, 小さい抵抗を,. スメ ドレー握力計で測定することに無理があることに加えて, 小さい抵抗, 及びその半分という より小さい抵抗の弁別の困難に基因 しているものと思われる.. =. 比較量を標準量と等しく した場合 第2図を見ると,左手午後の場合を除いて,標準量の8鯉~10鯉の点で誤差が(十)(一)交叉して いる, これは, 標準量の小さいときには, それと等しいという心理的力量が, 実際には物理量を. 越えており, 標準量が大きくなるにしたがって, それと等しいという心理的力量が, 物理量に達 しないことを示している. 標準量の小さい場合は, 比較量を標準量の ★ と した場合と同様に, 標 準量と等しい力の判断における過少評価の結果 であり, 標準量の増大した場合は, 過大評価が行 われることの結果である.. 誤差の量や型には, 前と同様, 個人的差異がある. 誤差の範囲は83%から(-)31%に亘ってい 0%から(一)10%の範囲に たが, このような例は, すべての測定のうち2例に過 ぎず, 他は概ね2 止っていた. 誤差量が標準量の小さいと きに大きいということは, 前の場合と同様であった. 誤差曲線は, 図のような(+)(-)交叉型, 0を中心と したジグザグ型, 僅かな(十)のみの誤差 一 45 「.
(6) . 須. △. 見. 芳. 紀. も. /. L H ,P , ,m. △ - ---. 差 -to ・m, P. 標. 準. HAm・L H R . , A.m・. 量. 第 2 図 : 標準量と等量の場合の誤差 を示 しながら動揺する型, 及び, 僅かな(-)のみの誤 差を示 しながら動揺する型の4型に類別で. きた. このうち交叉型と, ジグザグ型が大半を占め, ジグザグ型でも標準量が8鯉~10鯉以下の 場合の誤差は殆ん ど(+)であった.. 以上のことから, 標準量と等しい力量の判 断では, 標準量が大きくな るにつれて 誤差が (十) , から(一)になる傾向のあること, 誤差量は, 前の場合に比して大きくなく 割合に正しい判断が , 可 能 で あ る と い う こ と が で き る,. ) それ以外の特別な現 象はない3 阿部は, 等価判断では, 中心的傾向がみられる と述べ1 iと云 , っている. けれ ども筆者の場合には, 前述のように, 標準量の小さい場合に誤差が(+)であり , 標準量の増大につれて (-)になるという傾向が著しかった.. 阿部は叉, 個人的な観察において, 「心理量がどの標準量の場合も明瞭に物理 量 を 越 え る も の, 及びそれと反対に物理量 に達しないものという, はっきりした個人差があって 個人の性格 , )と述べている このことについては 筆者の場合 それ程 はっきりした個 の一端が窺える」3 . , , , 人差は認められなかった. 誤差が(十)のみ, 叉は, (-)のみという例は測定中にはあったが 必 , 30. 20 課 十10 O. 差 」10 20. 30. 2. 4. 6. g. lo. ?2. 14. 16. 標 準 量 第 8 図 : 標準量の2倍の場合の誤差 - 46 一. 18. 20 K s.
(7) . 力 量 の 判 断 に つ い て. ずしも同一人ではなかった. 以上のような傾向は, 1項でも述べた筆者が別に行った諸測定にも認められた.. l i l. 比較量を標準量の2倍とした場合 この場合は, 測定法の関係から, 測定範囲がとくに狭く, 特別な傾向を見出すことができなか. ま, この場合の誤差は, 常に, (-) となっている. この った. すでに引用した阿部の報告によれも ことから, 阿部 は 比較量を標準量の2倍に は;場合は, 青 とした場合の全く逆の現象 す なわ. ち, 心理的量は, その判断における過大視の結果物理量に達しない傾向をもっと述べている, こ れに対し, 本実験では, そのような傾向はみられなかった. 前項でも述べた筆者が別に行 った実 験では, 大学生の握力, 背筋力, 中学生の圧す力の判断の場合, 誤差が(-)になる傾向を見 せ,. 大学生の圧す力, 中学生の握力の判断の場合にはこの傾向は見られなかった, 総体的に2倍量の判断は ず の判断に比して誤差は小さく, 等量判断の場合に類似してし、ると. 思われる. (第4図参照) 叉, 標準量の小さいときに誤差が大きいということは前二項の場合と同 様であった, 以上三つの場合を通じて- 標準量が小さいときには誤差は大きく, その値は, (十) であるとい. ギ ‐. xー 0 ′0、 /o′ \ 。. 2” ″. 。. △′. . 2 4 6 6 101 21 22 43 41 02 4262 6K 61 830323 62 9 ,一s5,. 第4-A図 : 握力計による力量判断の誤差. 〔大学生.男.利手〕. E . I. 前 卸 和. . o- ★ 倍量 △‐ 1″″. 30. ′〃 Xー 2 ′. +l - o l. 2. 8 0 22 2. 8. SS F ・′ K. ,. 第4‐B図 : 握力計による力量判断の誤差 〔中学生. 男. 利手〕. 一 47 一.
(8) . 須. 見. 芳. 紀. Fー ‘. o- お 量. ; 』 。\ : 。一。一。-。 メ. . Xー2〃〃. 6 0り. 0 ー 2 O0 10 OT 000 1 0 80 s. 200 40O 60 -S ‐ 第4-C図 : 圧する力の判断の誤差 〔大学生. 男. 荊手〕 E.. o一 ★倍量 △-- ’″ ′ X-- 2 ″ ″. o\ 。〆o-o-o\。〆o-o-o\o △-△. x\. S o oog 一s o l o 0 4 0 0 7 0 80 . . 0 0 60 ‐ 00 5 0 3O O 4 o0 20 i 第4-D図 : 圧する力の判断の誤差 〔中学生. 男. 利手〕 E .. o △ . +l. 夢音量. ′ ] ″′ . 0 ノ ”-。 \ /\ 、 /0\ 。、 。 。、 八 。- ~ 。 。 -。. -l. -s 0K 0 ′ 54 05 5303 5606570ワ5808540q51 8 ,s. 0455 02 52 5 101 第4-回図 : 背筋力計による力量判断の誤差 〔大学生. 男.〕. うことが明らかとなった, 小さい力量の判断の困難さは, 1項で述べた理由に 基 く と 思 わ れ る が, それがいつも過少視とい う現象を伴っているということは注意すべき事柄であろう. 叉, 標 準量が, 各自のマキシマムに近い量であるとき, それに対する各種の力の判断が, 比較的容易で. あるという傾向も見逃し得ない. 過大視の傾向を判断の困難さによ ま, 音 の判断力における過少視や, 2倍の判断におけるラ 阿部o る も の と し な い で, 一 種の 錯 覚 であ る と 考 え て い る・ i. の判断の場合は, 筆者の場合もたしか にそのように考えられる節があった, 午前・午後・左右両手の各3回の測定でも, (-) の誤差を 一 48 「.
(9) . 力 量 の 判 断 に つ い て. 示したものは数例に過ぎなかったし, 別に行った測定でも殆んどなかった 判断の困難にその原 . 因があるとするな らば, 過少視や過大視がでたらめに行われ 一定の傾向が示されることはないも の と 思 わ れ る.. 有意運動知覚におけるこのような現象は, 腕の内・外向運動にも見られるところである (ロエ . ブ現象) ロエ ブ現象は, 運動知覚の再現における 後続運動の錯誤現象で その錯誤が常に 過大 , , 視されること によるのであるが, 力量判断における等量 判断の場合 或る程度の力 の知覚を境と , して (本実験では8鯉~1ok g) それより小さい力と等しい力を再現する ときの判断の仕方と, そ れより大きい 力と等しい力を 再現するときの判断の仕方が 異なるということは興味あることであ る.・し か し, こ の こ と は, 更 に多 く の 実 験 を 重 ね 検 討 す る 必 要 が あ る .. このような, 力量判断における錯誤の傾向が, 運動の技術を習得する場合 障碍となる もので , あるならば, 運動の練習や 掴 む ま, ÷ の判断, 等量判断, 2倍の判断に示されたような 錯誤の ,. 特質を考慮に入れて 行われることが望まれる. 要. 約. 1) 握力計を用いて, 所定の標準量の★.等量.2倍の力の判断を行わせ その正否 を 検 討 し , た.. 2) 言の力の判断では, 標準量をどのように変えても, 過少評価の傾向が顕著であり 且 つ 標 , , 準量が大きくなるにしたがって, 誤差は小さく なり, 誤差の曲線は 減少型が一般 的 で あ っ , た,. ) 等量判断では, 標準量が小さい場合に過少評価, 標準量が増大すると過大評 価 の 傾 向 を 示 3 , し, 誤差の曲線をも 交叉型になった・ 尚 ず の判断に比して, 誤差は少 か、 . ) 2倍の判断では, とくべっの傾向を見出すことはできなかった. しかし 別に行った実験か 4 , らは, 阿部と同様に, 音 の場合と逆の現象, すなわち, 過大評価の傾向 も見られた. 5) 三つの場合を通じて, 標準量の小さいときの各種の判断は困難で, 誤差も大きく 過少評価 , される傾向が著しいことを知った. 叉, 標準量が各自のマキシマムに近い量である場合 判断 , は比較的容易であることが認められた. 上のような力の判断における一定の傾向は, 判断の困難のみによら ず 一種の錯覚と 思われ ,. る 節 が あ る.. 註 1 ) 阿部俊造 : 力量の見積りに関する実験的研究体育学研究 Vol .2 No .1 (1956) 2) 須見芳紀 : 握力における力量の判断 大学生男子12名, 中学生男子26名) 及び 背筋力(大学生男子12 , 名), 圧する力 (大学生男子12名, 中学生男子24名) における力量判断の実験 1956~1958) 未発表 3) 阿部俊造 : 力の見積り, 新体育 Vol .23 No .6 (1958). 9一 -4.
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