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草原の維持に対する地元住民の意向に影響を与える要因 山梨県忍野村忍草区を対象として

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Ⅰ はじめに

「草原」は世界的に最も危機的な状況にある自然環 境の1つである(Hoekstra et al., 2005; Wesche et al., 2016)。ヨーロッパや日本の草原のほとんどは,草刈, 火入れ,放牧といった人間の管理によって維持されて きた半自然草原であるが,20世紀以降,これらの草原 は管理放棄や異なる土地利用(例えば,耕作地や植林 地への変換)によって著しく減少した(Dengler et al., 2014; Ushimaru et al., 2018)。日本を見ると,小椋 (2012)によると100年前の1920年頃は国土の約10%が 草原であったが,現在は1%程度であると推定されて いる。 日本の草原は絶滅が危惧される動植物の宝庫であ †連絡先 E-mail:[email protected]

論文

草原の維持に対する地元住民の意向に影響を与える要因

―山梨県忍野村忍草区を対象として―

藤野正也

*,**,†

,小笠原輝

,大脇 淳

* * 山梨県富士山科学研究所 **現所属:福島大学食農学類

Factors Associated with the Interest in a Grassland by Local Residents in Shibokusa District,

Oshino Village, Yamanashi Prefecture

FUJINO Masaya,

*,**,†

OGASAWARA Akira,

and OHWAKI Atsushi

* *Mount Fuji Research Institute, Yamanashi Prefectural Government, Fujiyoshida, Japan

**Present Affiliation:Faculty of Food and Agricultural Sciences, Fukushima University, Fukushima, Japan

本研究は草原の維持に対する地元住民の意向とそれに影響を与える要因を明らかにすることを目的に,現在も火入れに よる草原管理が行われている山梨県南都留郡忍野村忍草区の住民を調査対象として,同地区にある高座山の草原に対す る意識に関するアンケート調査を実施した。単純集計の結果,37.9%の住民が草原を現在も利用・管理しているまたは 過去に利用・管理した経験があると回答した。また,多くの住民にとって草原が大切であることが明らかになるととも に,草原維持への意向も強いことが明らかとなった。直接利用が少なくても,高座山を間接的に利用していることを住 民が認識しやすい状況にあることが影響していると考えられた。さらに,草原への関心度合いに影響を及ぼす要因を二 項ロジスティック回帰分析で分析したところ,忍草区で生まれた人の方が草原を大切に思う結果となった。この理由と して,地域への帰属意識が醸成される中で,高座山は先祖から引き継いだものであるという意識が醸成された可能性が 考えられた。また,草原の直接利用がなくなり,間接利用だけになる場合,草原を維持できると考える人が少なくなる ことも考えられた。 キーワード:草原,入会,火入れ,高座山,二項ロジスティック回帰分析

Local residents have traditionally managed semi-natural grasslands by mean of grazing, mowing, and prescribed burning. How-ever, over the last century, many semi-natural grasslands have been reduced or are no longer managed. The purpose of this study is to clarify the factors associated with the interest in grasslands by local residents. A questionnaire survey was conducted on resi-dents who lived in Shibokusa district, Oshino-village, Yamanashi Prefecture. Of the responresi-dents, 37.9% are currently use or man-age the grassland or have used or manman-aged it in the past. More than 80% of the respondents answered that the grassland was im-portant to them mainly as a cultural symbol, and their intention to continue its maintenance was strong. It was considered that the residents easily recognized that they indirectly used the grassland; thus it affected their interests even if their direct use was low. When analyzing factors affecting their intention to maintain the grassland using binomial logistic regression, we found that birth place was the most important factor. Just as the sense of belonging to the region was cultivated, the consciousness of the grassland as inherited from the ancestors was also cultivated. However, fewer people think that the grassland can be maintained in the fu-ture.

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り,秋の七草であるキキョウ,オミナエシ,ナデシコ (カワラナデシコ)などをはじめ,国および都道府県 レベルの絶滅危惧種が数多く生息している(須賀ら, 2012;Ohwaki, 2018)。このような状況の下,草原性 生物の保全に関する研究が生態学分野では盛んに行わ れている。そこでは,草刈や火入れ,放牧といった管 理作業の有無によって生物の生息数や種数,絶滅危惧 種の出現様式などにどのような違いが生じるかといっ た,人間の管理と生物のつながりに着目した研究が数 多く行われている(内藤・高橋,2002;Uchida and Ushimaru, 2014; Nagata and Ushimaru, 2016; Koyama et al., 2017; Ohwaki, 2019)。 一方で,社会科学分野の研究も多く行われている。 草 地 の 景 観(国 安,1998;矢 部 ら,1999;栗 原 ら, 2000;矢部,2001;猪瀬ら,2001),草地管理計画(小 路 ら,2004),草 地 管 理 と ボ ラ ン テ ィ ア(町 田 ら, 2014;鎮西ら,2017)などの他,文化財用の茅を生産 する小規模茅場の全国的な実態調査(田中ら,2017) が行われている。また,兵庫県神河町砥峰高原を対象 とした橋本・澤田(2016),兵庫県美方郡新温泉町上 山高原を対象とした内藤(2016)などが,管理体制の 調査を行った。小串・鎌田(2008)は国内10地区の草 原について管理実態の調査を行い,草原管理の社会シ ステムを類型化した。その結果,多くの場合,草原は 入会地もしくは共有地であり,関係住民(ないしそれ を支援する行政や団体等)によって管理が行われてい た。このため,草原管理をコモンズの視点から分析す る研究もある(飯國,2009)。 他方,草原の維持には住民の草原に対する意識が影 響すると考えられる。大久保(2002),小串(2009), 白川(2009),大西ら(2013)などが住民の意識調査 を行ったが,限られた関係者,特に草原に関わる中心 的な人物を対象とするに留まっている。現代の生活は 多様化しており,住民の草原に対する意識も多様性し ている可能性が考えられるが,明らかになっていな い。さらに,草原に対する意識がどのような要因に規 定されているかといった点は明らかになっていない。 本研究は草原の維持に対する地元住民の意向を明ら かにし,それに影響を与える要因を明らかにすること である。対象は現在でも火入れ管理が行われている草 原がある山梨県南都留郡忍野村忍草区の住民である。 忍草区を含む忍野村は現在も人口が増加傾向にあると 共に,草原管理(火入れ)は消防団が行っており,当 面の間,草原が管理されうる状況にある。また,草原 が住民の生活空間に近い,利用権の有無に関わらず利 用可能である,直接の利用がなくとも地元の祭りなど を通じて多くの住民に親しみのある存在になってい る,等の特徴がある。関係する地元住民が2,000人以 上おり,サンプルサイズが大きいことから統計的手法 による分析が可能である。そこで,忍草区住民を対象 にアンケート調査を行い,今後の管理の意向に影響を 与える要因を二項ロジスティック回帰分析により分析 した。さらに,外部からの人口流入が続いていること から,忍草区で生まれ育ったかどうかで意向に違いが あるかどうかを分析する。

Ⅱ 調査地の概要

1 地理的概要 忍野村は富士山の北麓にある村であり,1875年(明 治8年)に旧忍草村と旧内野村が合併して誕生した。 旧忍草村は現在では忍草区となっており,忍野村の西 側に位置し,尾根を越えると富士吉田市である。忍野 村は世界文化遺産の忍野八海を有する県内有数の観光 地であるが,ファナック社の本社工場があるととも に,自衛隊駐屯地もあり,人の移動が多い都市であ る。忍草区のみの人口動態は不明であるが,国勢調査 によると,忍野村の人口は1965年が5,631人,1990年 が7,968人,2015年が8,968人に増加している。1995年 から2000年にかけて3人減少したが,それ以外は増加 傾向である。山梨県全体では2000年をピークに減少傾 向であることとは対称的である。 富士山麓周辺には合計数千ha以上の草原が点在して おり,我が国有数の草原地帯である。そのうち,忍草 区が入会として利用してきた草原は2箇所ある。1つ は忍草区内にあり忍草区の中心部から約800mの距離 にある高座山(たかざすやま)である(図―1)。面 図― 1 忍野村立おしの図書館から見た 1 月の高座山 注:山腹の色の薄い部分が草原である。

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積は約22haで,標高約1,000mから約1,300mに位置す る。年間を通じて地元住民の利用があるが,ハイキン グコースにもなっており,外部からの来訪者の姿も多 い。毎年4月に火入れが行われる他,8月8日の夜に は忍野八海にちなんだ八海祭りが村内で催され,草原 の一部に火を入れて漢字の八の字を描く八文字焼が行 われている。 もう1つの草原は梨ヶ原と呼ばれる草原である。山 中湖村および富士吉田市にまたがる約1,900haの草原 である。梨ヶ原は江戸時代より多くの村が入り会った 土地であり,紛争の絶えない場所であった。元文元年 (1736年)に江戸幕府が出した裁許状により,忍草村 ほか11ヶ村の入会地として確立した(富士吉田市外二 ヶ村恩賜県有財産保護組合,2001:645-646)。現在は 大部分が陸上自衛隊北富士演習場となっているが,政 府が地元住民の入会慣行を尊重し,旧11ヶ村の各入会 組合員は年に90日程度の立ち入りが許されている。毎 年4月には入会権擁護のために旧11ヶ村の各入会組合 員による火入れが行われている。このように草原管理 という点では梨ヶ原は非常に複雑であることから,今 回は分析対象とはしなかった。なお,梨ヶ原における 入会権の論争については北条(1966),忍草母の会事 務局(2003)が詳しい。 2 高座山の利用形態および管理実態 高座山の草原は1910年(明治43年)に忍野村の所有 となったが,それ以降も忍草区が管理していたと考え られる。1967年(昭和42年)に制定された忍野村旧部 落有統合財産管理条例では,高座山の草原は忍草区の 永久全部収益権地(従来村議会議決によって永久で使 用収益を承認されていた土地)とされている。これの 主旨は,高座山の草原は,忍草区民は利用できるが, 忍野村民であっても旧内野村住民(内野区民)は利用 できない,ということである。現在の管理主体は,関 係者にヒアリングを行った限りでは忍草区である。管 理に関する取り決めなどは明文化されておらず,慣習 的に行われている。また,忍草区には10の地域(組) があり,各組の代表者と区長等の役員によって区会が 構成されている。高座山に関する意思決定はこの区会 で行われていると考えられる。 管理行為としては4月に行われる火入れのみであ る。住民総出で行うようなことはなく,忍草区住民で 結成された忍野村消防団第二分団が忍草区から依頼を 受けて実作業を担っている。費用は忍草区が負担して いる。第二分団は忍草区を担当し,第一分団は内野区 を担当している。消防団が火入れを行うようになった 経緯は不明であるが,古島(1949)に消防団が火入れ を行っているとの記述があり,70年以上の歴史があ る。第二分団は60人程度在籍し,人口が増えているこ とから,現時点で存続が危ぶまれるような事態には なっておらず,火入れの実施が危惧されるようなこと はない。 古島(1949)によると,高座山はカヤ山またはカヤ ノとも呼ばれており,屋根を葺くためのカヤの採取が 行われていた。カヤの採取は現在でも一部で行われて いる。ただし,地区内の茅葺き住宅は数件であり,こ れらに利用するためと言うよりは販売用に採取してい ると考えられる。古島(1949)によると,高座山の草 原は「講」によって利用場所が決められていたが,現 在ではそのような慣習は失われており,「講」の詳細 は不明である。利用権(または入会権)は明文化され たものがないため確定的な事は言えない。忍野村誕生 後も忍草区が管理してきたことを考えると,忍草区民 が利用権を有していると考えられる。しかし,忍草区 民であることの条件が,忍草区内に居住していること なのか,忍草区内に住民票を持っていることなのか, 先祖代々忍草区内に居住していることなのか,といっ たことまでは忍草区役員に尋ねても確認できなかっ た。一方で,高座山の草原は自動車が通行可能な道の 入口に関係者以外立ち入り禁止の看板があるものの, 入口が塞がれているわけではない。また,監視等が行 われているわけでもないため,利用権の有無に関わら ず,誰でも利用できる状態になっている。 なお,忍草区には忍草入会組合という団体が存在す る。これは梨ヶ原の入会権を主張するために1947年に 結成された団体である。当初は忍草区を忍草入会組合 と併称していたが,北富士演習場に関する闘争の影響 で,1974年には忍草入会組合から大量脱退があり,忍 草第二組合が結成された。現在は忍草第二組合が忍草 入会組合と称されている。現在の忍草入会組合員は忍 草区住民の一部ではあるが,忍草入会組合と高座山と の直接的なつながりはないと考えられる。

Ⅲ アンケート調査

1 調査概要 本研究で使用するデータは,忍草区の住民に対して 実施したアンケート調査により収集した。主な調査項 目は,山菜等の利用の有無や利用年代,対象となる草 原に対する愛着や心情,草原維持の意向であり,全17

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問である(表―1)。配布対象は,忍草区に在住の20歳以 上の個人とした。ただし,同区には世界有数の電気機 器メーカーであるファナック社の本社工場および宿舎 があるとともに,自衛隊北富士駐屯地および官舎があ る。これら宿舎および官舎の居住者は,草原との関係 性が希薄であることが想定されたことから除外した。 調査票は2018年1月に世帯単位で郵送による配布を 行い,3月31日を締切として郵送で回収を行った。忍 野村役場に協力を依頼し,送付先一覧の提供を受け た。配布対象は2,796名であったが,18通が住所不明 で返送されたため,母集団を2,778名とした。調査票 は623通を回収した(回収率22.4%)。同一人物が複数 の調査票に返答したと判断されるもの,1通の調査票 に対し複数の人物が回答したと判断されるもの,すべ ての問に無回答のものを無効回答と判断し,43通を除 外した。さらに,後述の二項ロジスティック回帰分析 に使用する設問が完全回答ではない103通を除外した。 この結果,有効 回 答 は477通 と な っ た(有 効 回 答 率 76.6%)。 回答者の性別は男性50.5%,女性49.5%であった。 忍草区での居住歴は,生まれてからずっと忍草区に居 住している者(以降,「生粋」)は31.7%,忍草区で生 まれ区外へ出てから戻ってきた者(以降,「Uターン」) は11.9%,忍草区外で生まれ忍草区へ引っ越してきた 者(以降,「移住」)は56.4%であった。なお,生粋と Uターンには,江戸時代以来この地に居住している家 系の者が含まれる一方,この地に無縁の両親が転勤で この地で暮らすようになってから生まれた者も含まれ る。移住には結婚によるもの,子供の時に家族で引っ 越したもの,転勤によるものなどが含まれる。平均年 齢は53.9歳であった。10歳ごとに区切った年齢構成を 回答者と住民全体(国勢調査)とで比較し,χ2検定 を行ったところ,5%水準で有意であった。さらに残 差分析を行ったところ,国勢調査と比べて回答者は5 %水準で20歳代が少なく,60歳代,70歳代が多かっ た。このため,本研究の分析にはサンプリングバイア スがあることに留意されたい。 2 解析手法 本研究では調査結果の単純集計を行うとともに,草 原における山菜採取経験と山菜採取以外の経験とのク ロス集計を行い,χ2検定を行った。また,草原への 関心度合いに影響を及ぼす要因を明らかにするため, 草原は大切かとの問に対する答えが「はい」の場合に 1,「いいえ」の場合に0となるダミー変数を設定し, これを目的変数とする二項ロジスティック回帰分析を 実施した。説明変数は年齢,性別(男性),職業(公 務員,会社員,自営業,農林業,観光業,パート・ア ルバイト,主婦・主夫),最終学歴(高等学校,専門 学校,高等専修学校,短期大学,大学,大学院),居 住歴(生粋,Uターン),草原の利用の種類と利用経 験の交差項([山菜,薬草,盆花,カヤ,まぐさ,火 入れ]×[今も行っている,今は行っていないが昔は 行った])である。変数の形式は,年齢は連続変数で, それ以外は該当すれば1,しなければ0となるダミー 変数である。推定は,最初はすべての説明変数を使用 し,偏回帰係数のP 値が最も大きなものを除外して次 の推定を行い,AICが最も小さくなるモデルを求め た。なお,偏回帰係数の信頼区間は90%とした。 さらに,草原が大切であると答えた回答者に追加的 に草原が大切な理由を複数回答で尋ね,選択肢ごとに 居住歴を集計し,Tukey-Kramer検定を行った。草原が 大切ではないと答えた回答者にも追加的にその理由を 複 数 回 答 で 尋 ね,選 択 肢 ご と に 居 住 歴 を 集 計 し, Tukey-Kramer検定を行った。なお,関係者への事前ヒ アリングにおいて,忍草区においては,草原の「利用 権」または「入会権」と言った場合,梨ヶ原について の権利を指すとの指摘があった。高座山と明記しても 誤解を生じる恐れが多分にあることから,利用権また は入会権に関する質問は行わなかった。

Ⅳ 結果

1 草原の利用状況 まずはアンケート調査の単純集計結果を示す。草原 の利用状況については,山菜採取,薬用植物採取など 7種類の利用目的に応じて「今も行っている」「昔は 行った」「利用経験なし」の3項目をそれぞれ選択さ せた。その結果,いずれかの目的で高座山へ今も行っ ている人は93名(19.5%),昔は行ったことがある人 は88名(18.4%)であった。目的別では,今も高座山 で山菜を採取している人は56名(11.7%),薬用植物 を採取している人は20名(4.2%),盆花を採取してい る人は24名(5.0%),カヤを採取している人は22名 (4.6%),まぐさを採取している人は6名(1.3%),火 入れ・草刈を行っている人は41名(8.6%),その他の 目的で行っている人は40名(8.4%)であった(図― 2)。昔は行ったことがある目的としては,山菜採取 は87名(18.2%),薬用植物採取は32名(6.7%),盆 花採取は34名(7.1%),カヤ採取は44名(9.2%),ま Journal of Forest Economics Vol.66 No.3 (2020)

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表― 1 質問事項 回答形式 選択肢 備考 問1 山菜の採取経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 薬用植物の採取経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 盆花の採取経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 カヤの採取経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 まぐさの採取経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 火入れ・草刈経験 択一 1.今も行っている 2.山菜の採取に行ったことはない 3.今は行っていないが昔は行った 問1 その他経験 択一 1.今も行っている 2.今は行っていないが昔は行った 問2 採取した山菜の種類 自由記述 問2 採取した薬用植物の種類 自由記述 問2 採取した盆花の種類 自由記述 問3 高座山の草原は大切か 択一 1.はい 2.いいえ 問4 大切な理由 複数 1.自分が住む地域社会を象徴する存在として重要だから 2.生活の糧が得られるから 3.様々な花が咲き,自然が豊かだから 4.草原の風景を見慣れているから 5.先祖代々引き継いできたから 6.農作物を作るのを助けてくれる益虫がいるから 7.その他 問3で1を回 答した人 問5 大切と思わない理由 複数 1.草原を利用する生活や文化に興味がないから 2.生活の役に立たないから 3.草原の花や自然に関心がないから 4.草原の風景に思い入れがないから 5.高座山の草原は自分に関係がないから 6.不快な虫や害虫がわくから 7.その他 問3で2を回 答した人 問6 1960年頃と比べた草原の様子 択一 1.良くなった 2.悪くなった 3.様子は変わっていない 4.わからない 問7 良くなった事項 複数 1.昔に比べて草原に木が混じり,草が繁茂するようになった 2.草花が増えた 3.ハイキングなど,様々な目的で集落以外の人が来るようになった 4.その他 問6で1を回 答した人 問8 悪くなった事項 複数 1.昔に比べて草原に木が混じり,草が繁茂するようになった 2.野生鳥獣が増えて人や農作物に被害がでるようになった 3.草花が減った 4.ハイキングなど,様々な目的で集落以外の人が来るようになった 5.昔の懐かしい状態ではなくなった 6.その他 問6で2を回 答した人 問9 高座山の草原を維持したいか 択一 1.思う 2.思わない 問10 30年後の高座山の草原の管理 を継続できると思うか 択一 1.思う2.思わない 問11 思う理由 複数 1.多くの人が高座山の草原はこの地域の文化として重要と考えているから 2.将来の担い手がいるから 3.管理資金があるから 4.山菜,カヤ,薬草など,様々な用途で草原が必要だから 5.先祖代々維持してきたため,次世代も草原の維持は義務と感じているから 6.草花や生き物を維持したいから 7.その他 問10で1を回 答した人 問12 思わない理由 複数 1.多くの人は高座山の草原を文化的に重要と考えていないから 2.将来の担い手がいないから 3.管理資金がないから 4.かつて採取していた山菜,カヤ,薬草などは不要だから 5.他の用途に用いたいから 6.その他 問10で2を回 答した人 問13 今後も管理する方策 複数 1.地域の文化の一部として,草原の重要性を次世代の住民に伝える 2.管理の担い手不足を解消する 3.管理資金の助成を受ける 4.観光での活用など,草原の新たな価値を見出す 5.どうやっても無理だと思う 6.その他 問10で2を回 答した人 問14 性別 択一 1.男 2.女 問14 年齢 自由記述 問15 居住歴 択一 1.忍草区で生まれ,地区外に居住したことはない 2.忍草区で生まれ,地区外に住んでいたことがある 3.別の場所で生まれた 問16 職業 択一 1.公務員 2.会社員 3.自営業 4.農林業 5.観光業(不定期のガイド含む) 6.パート・アルバイト 7.主婦・主夫 8.無職 9.その他 問17 最終学歴 択一 1.中学校 2.高等学校 3.専門学校 4.高等専修学校 5.短期大学 6.大学 7.大学院 8.その他 9.答えられない

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ࢃ ࡌ ࡀ ख ༂ ૴ ࡀ ख ຏ ՘ ࡀ ख Ω Ϣ ࡀ ख Ή ͛ ͠ ࡀ ख Ւ ೘ ʀ ૴ נ ͨ ͹ ଠ ࠕ΍ߨ͚ ੴͺߨͮͪ ぐさ採取は15名(3.1%),火入れ・草刈は54名(11.3%) であった。昔は行っていたという人を含めると,山菜 は143名(30.0%)となり,最も多かった。 今も山菜を採取している人および昔は山菜を採取し た人に,採取した山菜の種類を尋ねたところ,最も採 取されていた植物はワラビ(109名)で,ウド(43名), フキ・フキノトウ(フキ34名,フキノトウ2名)が続 いた。薬用植物は,ゲンノショウコ(16名),ワレモ コウ(ダスマ含む。14名)が多く利用されていた。盆 花の種類を尋ねたところ,種を特定できる植物として はキキョウ(16名)とオミナエシ(14名)が多かった。 また,オニユリ,クルマユリ,ユリ,ヤマユリといっ たユリの仲間を記述した人が22名いた。その他の目的 で行った人に目的を尋ねたところ,多かったのは,ハ イキング・登山(27名),健康維持のためのウォーキ ングなどの運動(8名),写真撮影(6名)であった。 2 草原の重要性 高座山への関心度合いを明らかにするため,草原は 大 切 か ど う か を 尋 ね た と こ ろ,「は い」は420名 (88.1%),「いいえ」は57名(11.9%)であった。「は い」と答えた420名に草原を大切だと感じる理由を複 数回答で尋ねたところ,「自分が住む地域社会の象徴 として重要」が298名(420名のうち,71.6%)と最も 多 く,次 い で「こ の 風 景 を 見 慣 れ て い る」が241名 (57.9%),「様々な 花 が 咲 き,自 然 が 豊 か」が231名 (55.5%),「先 祖 代 々 引 き 継 い で い る」が151名 (36.3%)となった。少ない回答としては「農作物の 益虫が生息」が32名(7.7%),「生活の糧を得られる」 が51名(12.3%)であった(4名は無回答)。 一方,「いいえ」と答えた57名に草原を大切と感じ ない理由を複数回答で尋ねたところ,「草原の花や自 然に関心がない」が24名(42.1%),「草原の風景に思 い入れがない」(11名:19.3%)など,高座山への関 心の薄さが挙げられた。 3 草原の今後 草原の将来性を明らかにするため,高座山の草原を 維持する事への意向を尋ねたところ,「高座山の草原 を維持したい」と思う人は438名(93.2%),そう思わ ない人は32名(6.8%)となった。しかし,30年後も 高座山の草原を維持できると思うかどうかを尋ねたと ころ,「できる」との回答は340名(72.3%)であり,119 名(25.3%)は「草原の維持は難しい」と回答した(11 名は無回答)。「30年後も維持できると思う」と回答し た理由を複数回答で尋ねたところ,「多くの人がこの 地域の文化として重要と考えている」が249名(73.2%) と最も多く,「先祖代々維持してきて,次世代もその 維持が義務と感じている」(169名:49.7%),「草花や 生き物を維持したい」(167名:49.1%)が続いた。 一方,30年後の維持は困難だと思う理由として最も 多 か っ た の は,「将 来 の 担 い 手 が い な い」で69名 (58.0%)であり,「多くの人は高座山の草原を文化的 に重要と考えていない」(41名:34.5%),「管理資金 がない」(22名:18.5%),「かつて採取していた山菜, カヤ,薬草などは不要」(19名:16.0%)といった理 由が続いた。続けて,30年後の維持は困難と答えた人 に対し,どうすれば今後も維持できるかどうか複数回 答で尋ねたところ,「観光での活用など,草原の新た な価値を見出す」(51名:42.9%),「管理の担い手不 足を解消する」(50名:42.0%),「地域文化の一部と してその重要性を次世代に伝える」(43名:36.1%) といった回答が多かった。 4 分析 1 :草原利用目的別山菜採取経験率 草原の利用目的としては山菜採取が最も多く,山菜 採取経験者(今も採取または昔に採取)は全体の30% であった。そこで,山菜採取と山菜採取以外の目的と のクロス集計を行った(図―3)。薬草採取経験者の 98%,盆 花 採 取 経 験 者 の100%,カ ヤ 採 取 経 験 者 の 92%,ま ぐ さ 採 取 経 験 者 の100%,火 入 れ 経 験 者 の 66%が山菜採取経験者であった。一方で,薬草採取未 経験者の22%,盆花採取未経験者の20%,カヤ採取未 経験者の20%,まぐさ採取未経験者の27%,火入れ・ 草刈り未経験者の21%が山菜採取経験者であった。そ こで,各利用目的の経験有無と山菜採取経験の有無が 独立かどうかをFisherの正確検定を用いて検定した(両 側検定)。その結果,いずれの利用目的も1%水準で 独立であるとの帰無仮説が棄却された。この結果,各 図― 2 草原への目的別経験率

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0% 20% 40% 60% 80% 100% ࢃࡌ͍Ε ࢃࡌ͵͢ 利用目的の経験者は未経験者よりも山菜採取経験が多 いといえる。このため,草原利用者は山菜だけでなく 様々な資源を利用してきたと考えられる。 さ ら に,居 住 歴 別 に 草 原 利 用 の 回 答 率 に 対 し て Tukey-Kramer法による多重比較検定を行ったところ, いずれの利用目的においても移住よりも生粋の方が有 意に回答率が高かった(図―4)。Uターンは利用目 的により生粋と差があるものもあれば,移住と差があ るものもあり,一概に傾向があるとはいえなかった。 5 分析 2 :草原への関心度合いに影響を及ぼす要因 表―2は,草原は大切かとの問に対する答えを目的 変数とする二項ロジスティック回帰分析の結果のう ち,AIC最小モデルの結果を示したものである。有意 となった説明変数は,「男性」,「居住歴_生粋」,「居住 歴_Uターン」,「最終学歴_高等学校」,「最終学歴_大 学院」「山菜_今も」,「盆花_今も」,「カヤ_昔は」であ る。ただし,これらの係数の90%信頼区間をみると, 「カヤ_昔は」,「最終学歴_大学院」はゼロを含んでい る。このため,これらの変数は偏回帰係数の大きさが ゼロである可能性を否定できない。つまり,説明変数 として有意なものは「男性」,「居住歴_生粋」,「居住 歴_Uターン」,「最終学歴_高等学校」,「山菜_今も」, 「盆花_今も」の6個である。 居住歴は生粋,Uターンともに正であり,忍草区で 生まれた人の方が草原を大切に思う結果となった。最 終学歴は高等学校のみ正で有意となった。これは多く の研究で,高学歴であるほど環境問題に関心を示す傾 向があること(Gifford and Nilsson, 2014)と一致しな い結果といえる。年齢や出身との関連も考えられる が,最終学歴が高等学校の場合の平均年齢は56歳,そ れ以外の最終学歴の平均年齢は52歳であり,差はな い。出身も高等学校の場合の忍草生まれは53%,それ 以外の最終学歴の場合は60%であり,最終学歴が高等 学校であることに特徴は見られない。このため,最終 学歴は高等学校のみ正で有意となった理由は不明であ る。性別は男性が負で有意となった。女性の方が男性 よりも環境問題に関して関心を示す傾向があること (Xiao and McCright, 2015)に起因していると考えられ る。草原の利用は,今も山菜採取を行っていれば正で 有意となった。一方,盆花採取を今も行っていると負 で有意となった。今も山菜採取を行っている56人中3 人が草原を大切に思わないと回答し,この3人のうち 2人は今も盆花採取を行っていた。これが統計学的に 影響した可能性が考えられる。 さらに,草原が大切であると答えた回答者に追加的 に草原が大切な理由を複数回答で尋ね,選択肢ごとに 居住歴を集計 し,Tukey-Kramer検 定 を 行 っ た(図― 5)。この結果,「地域の象徴」は生粋と移住との間で 有意に差があった(P <0.05)があり,生粋とUター ンとの間で有意に差があった(P <0.10)が,Uター 図― 3 利用目的の経験別にみた山菜経験者の比率 注:1)「山菜あり」は山菜採取経験(今も行っている,また は昔は行った)がある者を意味し,「山菜なし」は山 菜採取経験がない者を意味する。他の利用目的につい ても同様の標記である。 2)「薬草あり」の黒棒は,薬草採取経験者のうち,山菜 採取経験者の比率を示したものである。「薬草あり」 の白棒は薬草採取経験者のうち,山菜採取経験がない 者の比率を示したものである。 図― 4 居住履歴別草原利用の回答率 注:1)図中の*****はTukey-Kramer法による多重比較検 定の結果,それぞれ1%水準,5%水準,10%水準で有 意に差があることを意味する。 2)サンプルは草原を大切に思うかとの問に「はい」と答え た回答者438人で あ る。サ ン プ ル 数 は 生 粋 は142人,U ターンは53人,移住は221人である(無回答は22)。 表― 2 推定結果 説明変数 係数 標準 誤差 P値 90%信頼区間 上限 下限 男性 −0.61 0.31 0.05 −1.13 −0.10 山菜_今も 1.67 0.87 0.05 0.24 3.09 盆花_今も −1.68 0.90 0.06 −3.17 −0.19 カヤ_昔は 1.40 1.05 0.18 −0.33 3.12 居住歴_生粋 0.87 0.41 0.04 0.19 1.55 居住歴_Uターン 1.02 0.56 0.07 0.09 1.94 最終学歴_高等学校 0.83 0.33 0.01 0.28 1.38 最終学歴_大学院 −0.83 0.56 0.14 −1.75 0.10 定数項 1.63 0.25 0.00 1.21 2.05 注:N=477,AIC=331.66,疑似相関係数=0.102。

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ンと移住との間では10%水準で差はなかった。「生活 の糧」「見慣れている」「益虫がいる」は居住歴による 差はなかった(P >0.10)。「自然豊か」は生粋とUター ンとの間に差はなかった(P >0.10)が,生粋と移住 の間では5%水準で差があった。「先祖から引き継い だ」は生粋とUターンとの間に差はなく(P >0.10), 生粋と移住,Uターンと移住の間で有意に差があった (P<0.01)。このため,忍草区生まれの生粋やUター ンは「先祖から引き継いだ」という理由が特徴的であ り,区外生まれの移住者は「自然が豊か」という理由 が特徴的と言える。 また,草原を大切に思う理由として「地域の象徴」 を選択した回答者の平均年齢は生粋が59.9歳,Uター ンが50.1歳,移住者が55.5歳で,これを選択しなかっ た回答者の平均年齢は,それぞれ45.4,50.3,49.4歳 であった。選択した回答者としなかった回答者の平均 年齢をt検定により比較したところ,生粋と移住者1 %水準で差があり,Uターンでは10%水準でも棄却さ れた。このため,生粋と移住者ではそれぞれの中で比 較的高齢者の方が「地域の象徴」を選択したと言える。 同様に,草原が大切ではないと答えた回答者に,追 加的に草原が大切ではない理由を複数回答で尋ね,選 択肢ごとに居住歴を集計し,Tukey-Kramer検定を行っ た。「草原の風景に思い入れがない」は生粋とUター ン(P <0.05),生 粋 と 移 住(P <0.01)の 間 で 有 意 に差があったが,それ以外は有意な差はなかった。

Ⅴ 考察:草原の維持に対する地元住民の意

向に影響を与える要因

高座山の草原は今も忍草区の消防団が実施する火入 れによって維持されているが,山菜,薬草,盆花,カ ヤの採取といった草原の利用は,過去に比べると現在 ではかなり減少していた。しかし,草原を利用する住 民が減少しているにもかかわらず,多くの住民は草原 を維持したいと考えていた。さらに,草原を大切に思 う理由として最も多いのは地域の象徴という回答で あった。また,見慣れているとの回答も比較的多かっ た。その要因は,自分が直接利用することはなくても 普段から高座山を目にすることがあると共に,地域を 挙げての祭りにおいて八文字焼きが実施されることが 影響していると考えられる。つまり,直接利用が少な くても,高座山を間接的に利用していることを住民が 認識しやすい状況にあることが,草原を維持したいと いう意向に影響していると考えられる。 一方,二項ロジスティック回帰分析から,忍草区で 生まれた人の方が移住者よりも草原を大切に思う結果 となった。忍草生まれかどうかで草原を大切に思う理 由に違いがあったが,移住者のみが少なかったものは 「先祖から引き継いだ」だけであった。忍草生まれの 場合,両親や祖父母などが忍草に住んでいて,子供の 時に家庭の中で高座山の話が出てきた可能性はある。 地域への帰属意識が醸成される中で,高座山は先祖か ら引き継いだものであるという意識が醸成された可能 性が考えられる。 また,現在も草原を生業として利用している人は少 なく,その大半は60代以上である。昔ながらに草原を 直接利用する文化はいずれ消滅する可能性は否定でき ない。また,遠足など学校行事での利用は限定的にし か行われておらず,子供が高座山へ行く機会はますま す少なくなっている。草原を大切に思う理由としては 直接利用の影響は少ない。しかし,多くの人が草原が 今後も維持できると考え,その理由として多くの人が 草原をこの地域の文化として重要と考えていることを 挙げた。草原の直接利用がなくなり,間接利用だけに なると,地域の文化という点では大きく変わるといえ る。その時には,草原を維持できると考える人が少な くなることも考えられる。

Ⅵ まとめ

本研究は草原の維持に対する地元住民の意向とそれ に影響を与える要因を明らかにすることを目的に,山 梨県南都留郡忍野村忍草区の住民を調査対象として, 同地区にある高座山の草原に対する意識についてアン ケート調査を実施した。単純集計の結果,37.9%の住 民が草原を現在も利用・管理しているまたは過去に利 用・管理した経験があると回答した。なかでも回答者 図― 5 草原を大切に思う理由の回答率 注:1)図中の*** ,** ,* はTukey-Kramer法による多重比較検 定の結果,それぞれ1%水準,5%水準,10%水準で 有意に差があることを意味する。 2)サンプルは草原を大切に思うかとの問に「はい」と答 えた回答者438人である。サンプル数は生粋は142人, Uターンは53人,移住は221人である(無回答は22)。

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の30%が山菜採取を経験するとともに,薬草やカヤ採 取経験者の大半が山菜採取経験者でもあり,草原利用 者は山菜だけでなく様々な資源を利用してきたと考え られた。また,多くの住民にとって草原が大切である ことが明らかになるとともに,草原維持への意向も強 いことが明らかとなった。直接利用が少なくても,高 座山を間接的に利用していることを住民が認識しやす い状況にあることが,草原を維持したいという意向に 影響していると考えられた。さらに,草原への関心度 合いに影響を及ぼす要因を二項ロジスティック回帰分 析で分析したところ,忍草区で生まれた人の方が草原 を大切に思う結果となった。この理由として,地域へ の帰属意識が醸成される中で,高座山は先祖から引き 継いだものであるという意識が醸成された可能性が考 えられた。また,現在も草原を生業として利用してい る人の大半は60代以上であることから,草原の直接利 用がなくなり,間接利用だけになる場合,草原を維持 できると考える人が少なくなることも考えられた。 謝辞 本研究実施にあたり,忍草区ならびに忍野村役場の 協力を得た。ここに謝意を表する。 引用文献 鎮西諒地,松本邦彦,澤木昌典「草地維持管理活動へのボラ ンティア参加の現状とその効果」『日本都市計画学会関西 支部研究発表会講演概要集』Vol. 15,2017年,9∼12頁 Dengler, J., Janis ^

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