790 【バイオメカニクス】
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6
8
.
陸 上 競技 選 手 に お け る
EMD
の種 目特 性
と性 差
○高瀬幸一 田口正公 諸宮一秋 (福岡大学)
高柳清美 (広島大学)
(目的】
EMD (
e
l
e
c
t
r
o
me
c
h
a
n
i
c
a
ld
e
l
a
y
)
は、筋の活動
様式、筋長、筋の活動 レベル、疲労などに影響 されると
ともに、筋の内部的には直列弾性要素や収縮要素及び筋
線維 タイプなどが関与するとされている。従 って
EMD
は、スポーツ種 目における運動特性の違いや男女によっ
て特異性があるものと考えられる。本研究は、男女の陸
上競技選手を対象 として、短距離選手、長距離選手、跳
躍選手における膝関節伸展 ・屈曲時の
EMD
を測定 し、種
目特性及び性差が見 られるかどうかを検討 した。
【方法】被検者は、大学陸上競技部 に所属 し日常的に
専門種 目の トレーニングを実施ている、短距誰、長距
離、跳躍の男女選手
61
名 を対象 とした。測定は
、KI
N-cOMIIIを使用 し、座位の姿勢にて腰部、上体部、大腿部
をシー トベル トで固定 し、膝関節伸展 ・屈 曲時における
EMD
を測定 した。その際、被検者の前方約
2
m
に直径
2
c
m
の赤ランプを置 き、最大随意努力の
I
s
o
me
t
r
i
c
収縮を行っ
た。被検筋は、伸展時は大腿直筋
(
RF
)
、屈曲時は大腿
二頭
姑 (
LH)
とし、表面賎電電極を貼付
LEMG
を導出 し
た。測定角度は、伸展 ・屈曲時とも膝関節の解剖学的完
全伸展位 をoo として
2
0・
4
0・
6
0・
8
0
0
の
4
段階 とし、刺
激開始から
RF、LH
の筋活動までの時間
(
P
MRT)
を求め
た
。EMD
は、光刺激開始か ら筋 トルク発生 までの時間
(
T良T)
と
p
MRT
との差分 とした。
[結果及び考察】種 日間の
EMD
は、伸展時において短
距粧、跳躍が長距掛 こ対 し有意
(
p<0
.
01
)
に短い借を示
した。 また、短距堆、跳躍は、男女 とも伸展時が屈曲時
よりEMDが短 く、長距離は男女 とも屈曲時
が$
O
oを除い
て短い傾向にあったCこれらは、短距離、跳躍が長距態
に対 し主働筋の強い、かつ速い
Ec
c
e
n
t
r
icな筋活動を利用
する頻度が多 く、またconccntriCな筋活動の筋出力 レベル
も高いことに起因 しているものと考えられた。屈曲時の
EMD
は、女子挑躍、女子長距散を除いて屈曲角度が小 さ
くなるほど短 くなる傾向にあ り、筋長が長 くなるに伴い
外部出力 までの時間が短いことが伺 われた。男女間の
EMDは、種 日間全体において伸展 ・屈曲時 とも男子が女
子に対 し有
患 (
p<0
.
0
5-p<
0.01)に短い億を示 した。こ
れは、男女間における絶対的な筋力億の差や、筋の内部
的な要因の相違が関与 しているのではないか と推察され
た。以上 より
、EMD
に種 目特性及び性差が見 られたこと
か ら、種 目問における運動特性 (スピー ド・パワー系、
待久系)及び日常の トレーニング様式の違いや、男女間
で
EMD
が異なって くることが判明 した。
EMD
種 目特性 性差