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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化

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Academic year: 2021

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物性論研究2集13巻1号1963年(終刊号) ランダムな不純物による

Energy Spectrumの変化 京大理米沢富美子

In this paper, we investigate the method of evaluating the density of states D(E) of elections moving in the field of random potential. The formulations of the Green's function, diagram -matical representations and criterions with which to select some class of graphs, which have been so for developed by sevetal authors, are compared with and related to each other. We discuss the limitations and weak points and check the validity of the approxionations throgh those method. We calculate D(E) for the model with three-dimensional δ-function type potential.

§1.Introduction

最近、合金、液体金属、highly doped semiconductorなどに関連して、 rondom systemの問題が注目されはじめている。ポテンシヤルのランダムな配量 が電子の状態密度や電気伝導度にどの様な影響を与えるかについては、すでに多くの研究1) がなされており、そのいくつかはみるべき成果をおさめている。しかし全般的に言えば難 解すぎて、一次元の範囲では相当のところまで議論できても三次元になると複雑になって

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(16)米沢富美子 しまって、理想化された簡単なモデルによらねばならないというのが現状である。この論 文ではまずこれまでの数々のアプローチを比較検討し、それぞれのもつ限界をみきわめ、 実際の物質に応用する場合には今の段階ではどの近似が一番良いかを考えていきたい。最 後に三次元のモデルを“最も良い近似”で計算して予想されることを述べる。しかしそこ でも我々はモデルの枠内で定性的な分析に甘んじなければならない。 一次元のモデルで、不純物の電子構造への影響についての問題は、最初Jamesと Ginzbarg(2)によってとり上げられた。彼等は、A、B二種の原子がある決められた濃度 でランダムに分布している場合を考え、エネルギーEをもつ波動函数のnodeの数を電子 計算機に数えさせて、Eより小さいエネルギーをもつ状態の密度をきめた。彼等の結果は main bandの端からのstate densityのtail-offや、impurity band等

について、示唆的な知識を提供している。たまたまその頃、半導体に於ける比抵抗の異常 を説明するために、BuachとLabhart(3)、及びHung(4)によつて、独立に、不純物 伝導の概念が現象論的にも導入されていた。そのAigrsin(5)Schmidt(6)らの仕事 にひき続き、LaxとPhillips(7)は、一次元の関連空間にδ-function型のポテン シヤルが全くランダムに分布しているモデルを用いて、種々の濃度について状態密度を求 めている。彼等は、光学模型(optical model)-ランダムなポテンシヤルを 空間的にならして、平均のポテンシヤルが一様に分布していると考える近似-及 び、局所動揺模型(local density model)-光学模型を改良したもので、 空間的なポテンシヤルのゆらぎによる散乱を考慮に入れる、-による結果と、自分 達の結果を比較して次の様な結論を得た。すなわち、高密度側では光学模型が悪くない近 似として使えるが、低密度になると、状態密度が平均ポテンシヤルだけの大きさのずれよ りも、ずっと低エネルギー側に尾をひいており、じれは光学模型が適当でなくなり、局所 的なポテンシヤルのゆらぎが本質的にきいてくることを示している。FrischとL Loyd(8) はLaxとPhilipsの線に沿って、波動函数をもう少し数学的に詳しく検討している。 一方、最近では種々の多体問題のテクニックが、これら一連のnumerical method にとって代り、多く用いられるようになった。しかし、いかにもスマートなこの方法は、 そのきれいさに目をうばわれて、つい問題の本質を忘れ、数学的な遊戯に走りがちである ということに、我々は注意していなければならない。一次元のランダムな格子を多体問題 的に扱ったもののなかで、Edward(9)のPropagator methodを改良して用いた Klauder(10)の仕事が最も興味深い。なぜなら、彼が用いた一次元のランダムなるδ-函数型のポテンシヤルは、先にLaxとPhilipsが用いたのと全く同じモデルであり、 種々の近似による計算結果をLaxとPhilipsのnumericalな方法から求められた ものとくらべてみて、用いられた近似の良否を論じられるからである。 三次元の問題については、現在までに、余り多くのことはなされていない。一次元で得

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化(17)

られた一般論がそのままの形で三次元に拡張されうることはむしろまれである。例えば一 次元では簡単に解け、従って立ち入った議論ができるランダムなδ-函数型のポテンシ ヤルも、三次元的に拡張しようとすると、積分が発散するという困難にぶつかる。一次元 からのひき移しではなくて、初めから三次元的な発想から出発したものにNordheim(11)-Muto-Parmenter(13)らの、いわゆるvirtual crystal model路線がある。

virtual vrystal modelというのは、結晶の中の幾種類かのポテンシヤルを各々の 濃度比をweightに平均し、求められたaverage potentialが、完全に周期的 な格子の上に並んでいるモデルを、第零近似にとるものである。Muto,Pormenterら はNordheimによって提唱されたこのモデルからのdeviationを摂動論でとり扱い、 main bandのedgeからのばやけを得ている。しかし、これはあくまでも摂動が使 えるはんいでの話で、不純物のポテンシヤルが極く小さい場合にのみ正しい。しかも実際 の結晶に於ける不純物のポテンシヤルは摂動論でとりあつかいうるに充分なほど小さくは ないのである。摂動のsecond orderまで入れたPormenterの計算は、Klauder が最も悪い近似として示したものと全く等しい。

以上の方法はいづれもBloch的なextended wave functionをbaseにとった

ものである。これに対して、結晶中の不純物レベルの理論で、koster-Slater(14)が最 初に用いたWannier函数による展開がある。このlocakizeしたstateをbaseに とって、波動函数を第二量子化し、グリーン函数とグラフを用いて解く方法を作り出した のがMatsubara-Toyozawa(15)の不純物帯に関する理論である。彼等の方法はポテ ンシヤルの小さいところでは使えない。しかし、実験との比較や理論的な考慮から明らか なように、実際に必要なのはポテンシヤルの大きい範囲である。 §2ではEdward-Klauderの線のformalismをreview i. Eawardの 方法と、Klauderの方法との対応をみる。§3ではMatsubara-Toyozawa methodをreviewしMatsubara Toyozawa mothodと、Edward-Kluder

のformulationとの関係を調べる。§4では“一番良い近似”を用いて簡単なモデ ルについて状態密度を計算する。§5では次の段階への問題提起を行う。 §2.EdwardとKlauderの方法 この節ではEdwardの方法を簡単にreviewし、次にKlauderが改良したグ ラフを調べて、少し解釈を変え、計算にのせてみよう。 結晶の中のNi個の同一な不純物の位置をRn(n=1.2.・・・・・・、Nt)とする。不 純物の作るポテンシヤルをU(r-Rn)とすると、シュレーデインガー方程式は、

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(18)米沢富美子

[-h22m∀2+ΣnU(r-Rn)]φ(r)=Eφ(r)・・・・・・・(2-1)

となる。電子はnearly freeとし、Plane wave近似で第二量子化すると、 〓=〓0+〓1 =ΣKΕKaK*aK+ΣΣK´≠KV(K´-K)aK*aK・・・・(2-2) ここで V(K´-K)=ρ(K´-K)U(K´-K) ρ(K´-K)=NiΣn=1e-i(K´-K)Rn }・・・(2-3) U(K´-K)=∫U(r)e-i(K´-K)rdr ΕK=h2K22M+ρ(0)U(0) 不純物の位置は全くランダムであるから、Kohn-Luttnger(15)のconfiguration averageの方法が使える。ある函数下の平均〈F〉は 〈F〉=∫・・・・・∫dR1・・・dRNiF(R1,・・・・・,RNi)∫・・・・∫dR1・・・dRNi・・・・・・(2-4) で表わされる。故に全体績を1にとれば、

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (16) s 〈ρ(〓1)ρ(〓2)…ρ(〓zs)〉=N ∑δ(〓1+〓2)δ(〓3+〓4)…δ(〓2s-1+〓2s)〕 iperm s-1 +Ni ∑…… perm +Niδ(〓1+〓2+…+〓zs)…(2-5-1) s 〈ρ(〓1)ρ(〓2)…ρ(〓2s+1)〉=N ∑δ(〓1+〓2)δ(〓3+〓4)…δ(〓2s-1+〓2s+〓2s+1) iperm +…+Niδ(〓1+〓2+…+〓2s+1)…(2-5-2) 上の式で,∑というのは,〓1,〓2…,〓2s(又は〓2s+1)についての全て perm の置換の和を意味する。一方グリーン凾数を G(〓〓':E)=〈0|a〓1/E-〓a〓*|0〉 G(〓:E)≡G(〓〓:E) }……(2-6) G0(〓〓':E)=〈0|a〓1/E-〓a〓*|0〉 G0(〓:E)≡G0(〓〓:E) と定義すると,G(〓;E)は次の様に書き直すことができる。 G(〓:E)=G0(〓:E)+G02(〓:E)〔∑〈|υ(〓'-〓)|2〉G0(〓':E)〕 〓' +G02(〓:E)〔∑ ∑ 〈υ(〓-〓2)υ(〓2-〓1)υ(〓1-〓)〉G0(〓1:E)G0(〓2:E)〕 〓1〓2

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(20) 米沢富美子 +G02(〓:E)〔∑ ∑ ∑<υ(〓-〓3)υ(〓3-〓2)υ(〓2-〓1)υ(〓1-〓)・ 〓1〓2〓3 ・G0(〓1:E)G0(〓2:E)G0(〓3:E)〕 +… (2-7) (2-7)式をグラフで表すために,次の様な対応を定義する。 〓=G(〓:E) 〓 -=(G0(〓:E)} (2-8) 〓 X=Ni 〓=υ(q) 電子線〓は運動量〓を運び,相互作用〓は不純物が運動量〓を 電子に与える。又,X印は不純物を示し,ひとつのXにNiひとつが対応する。そうす ると(2-8)式は次のグラフによって表示できるのである。 〓=〓+〓 +〓

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (21) +{〓+〓 +〓+〓} +… (2-9) (2-9)式で〓以外の運動量をもつ電子線は,運動量についての和を行う。 相互作用が小さい場合,奇数次の項は,ひとつ前の偶数次の項に比べて省略することが できる。なぜなら(2-5)式よりわかるように,かかっているNiのべき数は等しく て,υがひとつ多いからである。即ち(2-8)の(b)のグラフが,(a)のグラフに対し て無視できるのである。υが小さいという条件の下でNiを大きくしてみると(f)が, (c),(d),(∈)に比べて無視されうる。第1ボルン近似をとり,電子がひとつの不純物と 相互作用している時には,他の不純物は関与しないと考えると,G(〓)として 〓=〓+〓+… =〓+〓 (2-10) のようなグラフだけ集めればよいことになり,G(〓)は,下の式に表わせる。

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(22) 米沢富美子 G(〓)=---G0-1(〓)-∑ }(2-11) ∑1=∑<|υ(〓'-〓)|2>G0(〓') 一つの式に出てくるエネルギーEは,全て同一のものであるから,〓後G(〓:E)のE は省略する。又(d)のようなグラフまでとり入れて,(e)のように相互作用を示す点線が交 叉しているものをはぶくと, 〓=〓+〓 {〓+〓}+… =〓+〓 (2-12) を集めることになり,G(〓)は次のようになる。 G(〓)=---G0-1(〓)-∑2 } (2-13) ∑2=∑<|υ(〓'-〓)|>G(〓') 〓' (ここで,(e)を(c),(d)にくらべて無視したのは根拠があるわけではない。(∈)のように

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (23) interaction lineが交叉したものを一部とり入れる試みは少しなされたが,(17)まだ はっきりした形には求められていない。) 一方,相互作用が大きい場合には,(2-)式の奇数次の項はその前の偶数次のもの に比べて無視することができず,したがって(b)のようなグラフも含めなければならない。 又(2-8)に示されるように,υのべきによる分類の仕方そのものがあやしくて,(f) は(c),(d),(e)とではなくて,(b)とくらべるべきものである。そして,この時(f)は(b) に対して無視できないのである。 Edwardはυの小さい場合についてのみformulateしており,彼の方法そのま までは相互作用の大きい場合に,適切なグラフを全部ひろうことができないのである。こ の点を改良したのがKlauderである。Klauderのグラフ表示は (2-14) が基本である。運動量〓1をもつた電子と,運動量〓1をもつた不純物とがvertex(Ⅰ) で相互作用し,それぞれ運動量〓2,〓2になる。それらが再びvertex(Ⅱ)で相互作用 し,運動量が〓3,〓3になる様子を,(2-14)のグラフは表わしている。いま運動量 保存の法則より, 〓1+〓1=〓2+〓2=〓3+〓3 (2-15) が成り立つ。従つて〓にはυ(〓1-〓2)≡υ(〓2-〓1)が 対応する。又,ひとつづきのimpurity lineに対して,Niが対応する。ひとつづ きというのは,最初電子の運動量が〓,不純物の運動量が零という状態からはじまって, 何度かの相互作用を通して運動量をやりとりし,最後に運動量の貸し借りがなくなって, 再びもとの状態にもどるまでの過程のことを指すのである。途中に出てくる電子線は,運

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(24) 米沢富美子 動量についての和を行う。EdwardとKlauderのグラフ表示の対応をもう少し詳 しく書くと,Fig.1の様になる,ただしFig.1で 〓≡〓 (2-16) 次にKlauderは一次元のδ-凾数型のポテンシヤル u(〓-〓n)=-V0δ(〓-〓n) (2-17) を使ってKlauderと同様のformulationをやつてみよう。(2-3)式より u(〓'-〓)=-V0∫δ(〓)e-ⅰ(〓'-〓)〓d〓=-V0 (2-18) であるから υ(0)=ρ(0)u(0)=-NiV0}(2-19) ∈〓=〓2〓2/2m-NiV0

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (25) Klaunder〓Edwards

Fig.1.Edward流のグラフ表示とKlauder流の グラフ表示との対応

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(26) 米沢富美子

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (27)

各々の場合のselg energy partは各グラフから簡単に求められる。 〓(1) G(〓)=G0(〓)=1/E-∈〓 (2-20) 〓(2) G(〓)=1/G0(〓)-1-∑2〓}(2-21) ∑2〓=∑〈|υ(〓'-〓)|2〉G0(〓')=NiV02∑G0(〓') 〓' 〓(3) G(〓)=1/G0(〓)-1-∑3〓}(2-22) ∑3〓=∑〈|υ(〓'-〓)|2〉G(〓')=NiV02∑G(〓') 〓 〓 〓(4) G(〓)=1/G0(〓)-1-K K=〓+〓〓+〓〓〓+… =Ni(V02D0-V03D02+V04D03+…)} =NiV02D0/1+V0D0 但し D0(E)=∑G0(〓:E) 〓 (2-23)

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(28) 米沢富美子 〓(5) G(〓)=---G0(〓)-1-K' K'=〓+〓〓+〓〓〓+…} =NiV02D/1+V0D 但し D(E)=∑G(K:E) 〓 (2-24) 近似〓(4)では,二体(電子と一個の不純物)の相互作用をυの全てのhigher order まで完全に入れていることになり,〓(5)は二体の相互作用をフルにとり入れた上に,三 体(電子二個と不純物)以上の相互作用も一部考えていることになる。この様にポテンシ ヤルの無限次のhigher orderまで余さずとりいれられるのがKlauderのグラフの 長所である。 エネルギーの凾数として,状態密度D(E)は次の様にグリーン凾数と関係づけられる。 (2-2)式のperturked Hamiltonian〓を対角化する様な直交交換 A〓=∑C〓〓a〓 (2-25) 〓 は必ず存在し,〓は 〓=∑E〓A〓*A〓 (2-26) 〓 と書きあらためることができる。したがってグリーン凾数は

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (29) G(〓K)=〈0|A〓K1E-〓A*〓K|0〉 =Σ〓PΣ〓P′C〓P〓KC〓P′〓K*〈0|A〓P1E-〓A*〓P′|0〉 =Σ〓P|C〓P〓K|21E-E〓P (2-27) ∴〓KG(〓K)=Σ〓P1E-E〓PΣ〓K|C〓P〓K|2 =Σ〓P1E-E〓P (2-28) e→+0の時 Σ〓KG(〓K:E+i∈)≡Σ〓KG(〓K:E+) =Σ〓P(P1E-E〓P-iπδ(E-E〓P) (2-29) したがって状態密度D(E)は D(E)=-1πlmΣ〓KG(〓K:E+) =-1πlm(D(E+)) (2-30) (2-30)式のG(〓K:E+)にKlauderの第1~第5近似により求められたグリー ン凾数を代入してD(E)を決め、

(16)

(30 米沢富美子 ρ(E)=2∫EE*D(E)dE (2-31) を計算して、エネルギーがEより小さいところにつまっている電子の状態密度を知るこ とができる。ここではE*はband edgeである。Klauderの一次元に対する計算結 果と、同じモデルを使ってnumerical methodで解いたFrischとLaoydの結 果がFig3で比較されている。(Niは、ある値にfixされている)この図から、まず 〓(2)や〓(4)の近似より、〓(3)や〓(5)の近似の方がずっと良いことがわかる。〓(2)や 〓(4)はいわゆる第一ボルン近似に相当するもので、〓(2)はポテンシャルの低いオーダーの ものだけとり、〓(4)はポテンシャルの高いオーダーまで全部含めていて、二体の相互作用 は完全に考慮されている。したがって、〓(2)→〓(4)のやり方で近似を進めてもあまり よくならないというのは、ポテンシャルのhigher orderをいくら入れても、二体の相互 作用しかとり入れないのは良くないことがわかる。すなわちNiがある程度大きい場合に はいわゆるボルン近似による取扱いは妥当でない。 Klauderの結果をみても、Niが大きくなるほど〓(2)や〓(4)exactな結果か かからはづれるのも大きくなっていることがわかる。これは、物理的に考えても予想される Fig.3.Klauderによる第1~第5近似の計算結果、FLと あるのはFrischとLloydによる計算である。

(17)

ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (31) ことである。結局、真空の中を走る裸の電子ではなくて、mediumの中を、何か屈折率 の様な形で、多体効果を感じ乍ら動く電子を考えなければならない。Klauderが“最 も良い近似”として示した第5近似と全く同じ近似を別のアプローチから求めたのが Matsubora-Toyozawaの方法である。 §3.Matsubara-Toyozawa methodと Edward-Klawder formalismとの対応 初めに、Matsubara-Toyozawa methodをランダムな三次元のδ-凾数型ポテン シャルに応用しながらreviewしてみよう。ハミルトニアンは(2-2)式と等しくなり、 〓=Σ〓K〓2〓K22mA*〓KA〓K-V0Σ〓KΣ〓K′Σne-i(〓K′-K)〓RnA*〓K′A〓K (3-1) となる。今度は第二項に〓K=〓K′の項も含まれている。G(〓K〓K′)の定義式(2-6)よ り、Gに対する連鎖方程式 G(〓K)=G0(〓K)-G0(〓K)V0ΣnΣ〓K′e-i(〓K′-〓K)〓RnG0(〓K′〓K) (3-2) G(〓K′〓K)=δ〓K′〓KG0(〓K)-G0(〓K′)V0ΣnΣ〓K′e-i(〓K′-〓K)〓RnG0(〓K′〓K) (3-3) を得る。いまFn(〓K)を Σ〓K′e-i(〓K′-〓K)〓RnG(〓K′〓K)≡Fn(〓K) (3-4)

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(32) 米沢富美子 と定義すると、これを使って(3-2),(3-3)は、次の様な簡単な形に書き直すこ とができる。 G(〓K)=G0(〓K)-V0G0(〓K)ΣnFn(〓K) (3-5) Fn(〓K)=G0(〓K)-V0ΣmΣ〓K′G0(〓K′)e-i(〓K-〓K′)(〓Rn-〓Rm)Fm(〓K) (3-6) (3-6)式の右辺第二項のmに対する和のうちで、m=nの項だけ和の外に出し、 Fn(〓K)に対する式を作ると、 Fn(〓K)=G0(〓K)1+V0Σ〓K′G0(〓K′)-α0V0Σm(≠n)W〓K(n-m)Fm(〓K)1+V0Σ〓K′G0(〓K′) (3-7) となる。ここでW〓K(n-m)は W〓K(n-m)≡Σ〓K′G0(〓K′)e-i(〓K-〓K′)(〓Rn-〓Rm) (3-8) と定義されるものである。(3-7)式をiterationで解いてFn(〓K)をFig4に示さ れるようなグラフ表示をもって記すことができる。n,m,l,‥‥‥は不純物の siteを示す。点〓Rnにある不純物にtrapされた原子が、点〓Rmにある不純物によるポ テンシャル場へとび移る過程を電子線〓nmをもって表わすことにする。又、empty vertex filled vertex, electron lineには、それぞれFig4の下に書いてある 式が対応する。

まず近似〓(a)として、Fig5に示された全てのグラフを集めることにしよう。これは 例えば〓を〓に比べて無視することであり、数学的に言えばNiが大き

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (33) Fig4.Fn(〓K)のグラフ表示

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(34)米沢富美子 では電子がmに移ってしまうと自分が前にnに居たことを全く忘れてしまう近似(電子 と1個の不純物だけを考える二体近似と仮に呼ぶ)であるのに対して、〓は電子 はmに居る時もnの影響を受けていて電子と2個の不純物を同時に考える三体の問題に なる。Niが大きくなるほど後者の重要性が増すのであるから、後者の様な多体効果を含 めたグラフを全然入れないというのは良い近似ではない。そこで近似をもう少し改良する ために二体相互作用は完全にとり入れた上で、多体効果な一部考慮したものを選ぼう。そ のためにFig5の各vertexをMatsubara-Toyogawa methodに従ってFig6の 様にre-normalizeしておいて、Fig7に示されているグラフを全部集めることにし よう。Fig7はFig5と同様の解釈をすればよいのであって、ただ各re-normalized vertexに対してξを対応させ、filled renormalized vertex 〓 はimpurity siteについてのsummationを行うことにする。

Fig6.vertexのrenormalization Fig7.近似*(b)

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (35) W〓K(〓R)のフーリエ変換W〓K(〓q)は W〓K(〓R)=Σ〓qW〓K(〓q)ei〓q〓R} (3-9) W〓K(〓q)=∫W〓K(〓R)e-i〓q〓Rd〓R=G0(〓K+〓q) と書ける。これを用いて〈Fn(〓K)〉を書きあらためると次の形になる。 〈Fn(〓K)〉=ξG0(〓K)1+V0Σ〓K′G0(〓K′)Σ∞ν=0〔-V01+V0Σ〓K′G0(〓K′)Niξ〕ν ×∫‥‥‥∫W〓K(〓Rn-〓R1)W〓K(〓R1-〓R2)‥‥W〓K(〓Rν-1-〓Rν)d〓R1‥〓Rν (3-10) ここで〈 〉は§2に示したとおり、ランダムなimpurity siteに対するconfiguration averageを行ったことを意味する。近似〓(a)というのはξ=1に相当している。ξは 一般には次に示される値をもつことがグラフからすぐに帰結される。 η≡1-1ξ =∞Σν=1〔-V01+V0Σ〓K′G0(〓K′)〕ν+1(Niξ)ν ×∫W〓K(〓R1-〓R2)‥‥W〓K(〓Rν-〓R)d〓R1‥‥d〓Rν (3-11)

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(36) 米沢富美子 (3-10)と(3-11)より簡単な計算の結果 〈Fn(〓K)〉=ξGo(〓K)1+V0Σ〓K′G0(〓K′)+NiV0ξGo(〓K) (3-12) η=1-1ξ =V01+V0Σ〓K′G0(〓K′)〔Σ〓K′G0(〓K′)-Σ〓K′G0(〓K)1+NiV0ξGo(〓K)1+V0Σ〓K′G(〓K′)〕 が得られる。(3-5)式に(3-12)を代入すればGに対する式として G(〓K)=1E-ε〓K-Σ+i∈} (3-14) Σ=-NiV0ξ1-V0Σ〓K′G0(〓K′) が求まる。一方(3-13)より 1-1ξ=1-1+V0Σ〓K′G(〓K′)1+V0Σ〓K′G0(〓K′) (3-15) 又は ξ1+V0Σ〓K′G(〓K′)=11+V0Σ〓K′G(〓K′) (3-15′)

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrumの変化 (37)

であるから、近似*(a)、*(b)に対してself energy part Σ(a),Σ(b)は次の様 に求められる。 Σ(a)=-NiV01+V0Σ〓K′G0(〓K′) (3-16) Σ(b)=-NiV01+V0Σ〓K′G(〓K′) (3-17) このΣ(a)とΣ(b)とは、おのおのKlauderの第4及び第5近似から得られたものと 全く一致する。以上のことから、Edward-Klauder流のformulationと Matsubara-Toyozawa流のグラフ表示と間に一対一の対応づけがあるはづであ り、実際Fig9,Fig10に示されるような過不足のない対応がつけられることがわかる のである。なお、Fig9,Fig10に於て〓と書かれているものは、Fig8によっ て定義されるものである。 Fig8 〓のdefinition

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(38) 米沢富美子

Fig9.Matsubara-Toyozawa methodとEdward representation の対応づけ

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-その1-ランダムな不純物によるEnergy Spectrum の変化 (39) Fig.10. Matsubara-Toyozawa method と

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の対応づけ-その2-(40) 米沢 富美子

この二つの方法はそれぞれ長所と短所があり、我々は扱っている問題の条件に応じて、 いづれを選ぶか決めることができる。 例えば二体相互作用をポテンシャルの全てのオーダ ーについてとり入れたいと思う場合には、先にも述べた如くEdward method はいた って不便である、一方Matsubara-Toyozawa method はまことに要求にかなってい る。そして、このpotential のhigher order まで考慮するという操作は相互作用が 強い場合にはぜひ必要なことである、実際ふつうの結晶中を運動する電子は強いポテンシ ャルを感じているのであるから、Matsubara-Toyozawa 流のformulation を用い なければならない。言い換えると、Matsubara-Toyozawa method はinteraction の弱い場合には向かないということである。この方法を出発点にとる限り、どの様に工夫 してみても、ポテンシャルのhigher order を無視した、低いオーダーのものだけを とるということは出来ないのである。しかもポテンシャルが小さい時には、ポテンシャル のhigher order までフルにとり入れることを考える前に、もっと重要な寄与をしてい るグラフをとり入れなければならない。 したがってポテンシャルが非常に小さい問題をと り扱うには、Edward のformalism に帰らなければならないのである。

一方、Parmenter の摂動論では例えば摂動のsecond order まで入れたものは、 Klauder の第2近似に相当している。又、もっとhigher order までとり入れても、 無限次のhigher order までとらない限り正しい近似にはならない。あとでも述べる如 く、摂動の無限次の項までとり入れることによって、量的な変化のみでなく、質的な変化 をもひきおこすからである。

最後に、Klauder 及びMatsubara-Toyozawaによる近似の妥当性について、 一言注意しておきたい。一次元に於いてKlauder の第5近似は、Frisch とLloyd のnumerical method によるexact な計算結果に最も近い一致をみせているこ とは、§2に述べた。一方、Matsubara-Toyozawa は、三次元でhydrogen-like なpotential をつかって、近似*(6) により不純物準位を計算し、実験結果との 満足な一致を得ている。これらのことから、実際の物資をとり扱う場合には、Matsubara -Toyozawa による近似*(6)、すなわちklauder の第5近似が今までのところ で扱いうる”最良の近似”であることが結論としていえるのである。 §4. 計算例 三次元のδ-函数型ポテンシャルをモデルとして、§2及び§3で最もよい近似とし てformulateされた(2-24), 又は(3-17) を用いていろいろのNi について state density を計算し、不純物の濃度Niと、エネルギースペクトルの関係を調

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ランダムな不純物によるEnergy Spectrum の変化 (41)

べる。三次元のδ-函数型のポテンシャルの問題での最大の難関は、 Σ=-NVo / 1+VoΣIK'G(IK') (4-1)

のIK'-summation を、IK'-積分におきかえると発散してしまうところにある。こ れは、ポテンシャルのフーリエ変換が

U(q)=∫u(Ir)e -iqIr dIr = -Vo (4-2)

となってconstant であることからもわかるように、δ-函数型ポテンシャルによっ て散乱される電子は全ての運動量を見境なく同じweight でとるということと、 nearly free の近似を使ったためにunperturbed なmain band は、IKが 大きくなるほどstate density が大きくなることの両方に由来するもので、band edge は不純物の濃度がどんなに小さくても、その影響により無限の彼方にまでのびる ことになる。もし、ポテンシャルがscreened coulomb type ならばu(Ir)は U(Ir)=-4πZe2/|Ir|exp(-α|Ir| (4-3)

であるから、

U(IK'-IK)=∫U(Ir)e -i(Ik'-IK)Ir dIr =-4πZe2/|IK'-IK|2 + α2 (4-4)

(28)

(42) 米沢 富美子

となる。screening radius である。|IK'-IK| の大きいところでは、U(IK'-IK) は小さくなり、運動量の差がαにくらべて大きいような状態への遷移はおさえられてい ることがわかる。したがって realistic なモデルを作るためには、IK- 積分にIK の大き いところで、ずっと小さくなる様なcut-off をおかねばならない。その様なcut-off 法として、 IK の小さいところ、したがってband edge の近くでは状態密度が√E に比 例し、あるIKの値、(例えば/-st ブリューアン域の端)以上のIKに対しては状態密 度が小さくなるようなfactor をかけることにし、screene Coulomb などの場合 の類推から、そのfactorとして、

f(IK)= IK* / IK2+IK*2 (4-5)

を選ぶことにする。E をfree electron 近似で決めると、 f(IK)dIK≡2πIK*2(2m/h2)√E dE / E+h2IK*2/2m (4-6)

となり、先の条件を満たしていることがわかる。但し、ここでunperturbed なmain band のbottom をエネルギーの原点にとった。これまでの仮定は問題の本質を何ら そこなうものではなく、damping factor の選び方やcut-off IK*のとり方によ り定量的な変化を受けるだけで定性的には変らない。

計算を見やすくするために変数を次の様にdimensionless にする。 Vo/a3≡h2Ko2/2m

E/Vo/a3≡ε Σ/Vo/a3≡σ

(29)

ランダムな不純物によるEnergy Spectrum の変化 (43) ΕIK / Vo/a3≡λ2 IK=λIK0 IK*=αIK0 ν2=σ-ε (4-7) a は長さの次元をもつ。(2-24)式より D(ε)=ΣIK G(IK) =1/(2π)3∫dIK/E-Eik-Σ × IK*2/IK2+IK*2 =-α2/4π(IK0a)3/Vo 1/ν+α (4-8) (4-7)の最初の式より明らかなように、パラメターa とKoはVoというひとつの 量を決めるために導入されたもので、実際にはa とKo との間に適当な関係を作って、 一方だけを変化させればよいのである。いま、簡単のために、 (Koa)3/4πα2≡1 (4-9) を選ぼう。Na3≡ρととれば、(4-8)を(4-1)に代入して

(30)

(44) 米沢 富美子 Σ=-ρVo/a3 / 1-1/ν+α=ρVo/a3 ∵σ=-ρ/1-X (4-10) X=ν+α (4-11) 一方、ν2=σ-εより (X-α)2=σ-ε (4-12) (4-10)と(4-12)を連立させて、Xについての式を求めると、 F(x)=ρx/x-1+(x-α)2=-ε (4-13)

実際に計算するためにパラメタa とαを決定しなければならない。いまa をlattice constant のorderにとり

a =10-8 cm (4-14)

とする。一方、simple cubic の結晶をとれば、第1ブリューアンゾーンの端を与える Kβは、

(31)

ランダムな不純物によるEnergy Spectrum の変化 (45) となる。 Fig.11はパラメタαを変えた時にβ/αが f(X)=1/1+X2 (4-16) というグラフのどこに落ちるかを示したもので、これは、damping factor として (4-5) を使った場合、1-st ブリュアン域はどこに来るかをαの函数として示す ものである。α≧1 の場合にはlocalized state は出ないことが(4-13)式より 言えるので、物理的に興味のあるのはα<1 の範囲である。今、α=1/2とと れば1-st ブリュアン域の外からの寄与は十分小さく、しかも1-st ブリュアン域内か らの寄与は適当にとり入れられていることになり、このcut-offはそれほど悪いもの では、ない。 ρ=0.01, 0.03, 0.0370, 0.04, 0.05 の5つの場合についての計算

の結果は、Fig.12, Fig.13 のようになった。各グラフの点線の部分はunpertubed main band である。Impurity band がmain band から孤立しているρ の範囲で、Impurity band の状態密度を積分したものは、1%の誤差で正しく規 格化されていることが数値的に確められた。 band ege を与えるε1,ε2,ε3と ρの関係は Fig.14 に示されている。ε1はρが非常に小さいところでは少し forbidden region に侵入するがρが少し大きくなると、ε1>0 となってしまう。

(32)
(33)
(34)

ランダムな不純物によるEnergy Spectrum の変化 (47) Fig.12

(35)

(48) 米沢富美子 Fig 13.

(36)

ランダムな不純物によるEnwrgy Spectrumの変化 (49) Fig 14.band edgeとρとの関係

(37)

(50) 米沢富募子 §5 今後の課題 今後やらねばならないこと.やりたいと思つていることを箇条書こきにしてみよう. (1)不純物濃度が小さい場合.isolated levelがひろがつてゆき、しかもatate densityを積分したものは大体ρに比例して増して行くことがわかつた。したがつて 濃度の小さいところでのこの近似は正しいわけである。一方、Niが大きいはんいで は、近似がそれ程たしからしいものであるかをもつと詳しく検討したい,二元合金を 例にとれば、最初格子点が全てA-atomで占められていて、完全な周期場を作つて いる金属Aの結晶の中に、B-metalを溶かし込んで合金を作り、B-metalの 濃度を増加させていつて、ついにはB-atomが全てのlattice pointを占め る様になる移り変りに対応してstate densityもpureな金属Bのbandに 次第に近づき、最後には一致しなければならない。実際そのような結論が得られるか どうか調べることは、それほど厄介な問題ではなさそうである。

(2)localized bandの中での、或いは、main bandにつながつたtailの中

での電気伝導度を目下計算中である。これがわかれば、不純物の濃度が決まつている時 Fermi-levelがどこに来るか.すなわちどのあたりのエネルギーに相当する conductivityがきいてくるかを知ることができる。これによりhighly doped semiconcuctorやsemi-metalの中の不純物によるconductivityへの寄 与を調べることができる.特に“今後発展する余地の残されている分野”として最近 注目され出したsemimetalのfieldからはランダムな格子、impurity conduction等に関連した問題が相当拾い出せるかもしれない, (3)半導体や半金属では特に言えることであるが、unperturbedな場合のmain bands間のgapが小さい時には、§4で使つたone band modelは正 しくなくて、両方のバンドからの影響を考慮したtwo-band-modelを考え なければならない。そのモデルによる一般的なdormulationを行い.簡単な仮 定でstate density及びconductivityを計算する予定である.また、合金の場 合、(1)で述べたようにエネルギー・スペクトルがバンドA→バンドBに移つて 行く様子を調べたい. (4)(2)~(3)の結果を前提としてやりたいことは.Tanuma(18)の実験によつて指摘 されたBiBb系合金(pureなBi及びSbは半金属)の電気伝導の異常を説明す ることである.BiSb合金系の電気伝導度はふつう二元合金の電気伝導について virtual crystal modelから、あるいは簡単な摂動論から期待されるところの ραX(1-X)

(38)

ランダムな不純物によるEnergy Sapectrumの変化 (51) (ρ;比抵抗.χ:濃度 0≦χ≦1) の形でχにdependせずに、これから相当deviateしている、これはpureな 場合にはそれぞれ小さいフェルミ・レベルをもつBiとCbが合金になつた場合、途中 組成でエネルギー・スペクトルが微妙に変化して電気伝導度に異常を与えるのではない かということは、Tanumaによつて予想きれていることであるが、理論的な解決は 残されている. 最後に、この問題を提起され、終始有益な助言を下さいました松原教授に、心から感 謝します.

(39)

(52) 米沢富美子 文献

(1)E.H.Kerner,Phys.Rev.95(1954),687. H.Matsuda,Prog.Theor.Phys.27(1962).811.

(2)H.M.James & A.S.Ginzbarg,JPhys.Chem,57(1953)840. (3)G.Busch and H.Labhard,Helv.Phys.Acta,19(1946)463. (4)C.S.Hung,Phys.Rev.79(1950)727.

(5)P.Aigraim,Phusica 20(1954)978, (6)H.Schmidt,Phys.Rev.105(1957),42.5 (7)M.Lax & J.C.Phillips,Phys.Rev.110(1958),41. (8)H.L.Frisch & S.P.Lloyd,Phs.Rev.120(1960),1175 (9)S.F.Edward,Phil,Mag,3(1958),1020. (10)R.KLauder,Ann,Phys,14.(1961),43 (11)L.Nardheim,Ann.α,Phys.9(1931)607;641. (12)T.Muto,Sci,Pap,Inst.Phys.Chem.Rev.(Tokyo),34(1938),377. (13)R.H.Parmenter,Phys,Rev,97(1955),587;89(1955),1759; 104(1956),22.

(14)G.F.Koster and J.C.Slater,Phys,Rev.95(1954);1167; 96(1954),1206.

(15)T.Matsubara and Y.Toyozawa,Prog.Theor.Phys.26(1961)739. (16)W.Kohn and J.M.Luttinger,Phys,Rev.108(1957),590 (17)S.F.Edward,Proc.Roy.Soc.267(1962),518 Y.Toyozawa,Prog.Theor.Phys.27(1962),89. (18)S.Tanuma,物性Vo12.(1961),118.

参照

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