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<教授就任講演>顎顔面と顎関節の関連性の検討(第175回山梨大学医学会例会) 利用統計を見る

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ii 第 175 回山梨大学医学会例会 日時:平成 24 年 11 月 12 日(月)午後 4 時∼ 5 時 会場:福利厚生棟多目的会議室

教授就任講演

顎顔面と顎関節の関連性の検討

上木 耕一郎

山梨大学医学部 歯科口腔外科

司会 有田  順教授

【要旨】顎顔面,咬合の異常を併せ持つ顎変形症と顎関節症の関連性は以前から報告されてきた。 しかしながら,そのメカニズムに関しての客観的な報告は少ない。変形性顎関節症に関しては, 滑液の生化学的解析が行われているが,マクロ的な形態変化を伴って顎関節の応力集中を軽減し た結果リモデリングという形で適応していく可能性が考えられる。顎変形症の場合,顎関節,咬 合を含め顎骨全体のマクロ的変化により,顎関節の応力集中を干渉した結果,その症状が軽度で ある症例も存在する。そこで,顎変形症における顎顔面と顎関節の関連性を形態学的,力学的に 解析し検討することを目的に研究を行った。下顎前突症例の関節円板組織における分類として, 関節円板前方転位 Anterior displacement の他に,従来の正常な位置の円板を Anterior type とし, これに下顎前突症患者特有の Fully covered type, Posterior type. を定義した。さらに,剛体ばね理 論による力学解析により,これら円板形態,位置が顎関節に加わる負荷の方向に一致する可能性 を見出した。また側面頭部 X 線規格写真を用いた顎顔面骨格形態の分類 Class I,II,III と,顎 関節に生じる負荷方向の傾向が力学的解析により示唆された。これらの所見は,過去の顎顔面形態, 咬合様式による顎関節症状の発現頻度に関する報告との整合性を示唆するものであった。軸位頭 部 X 線規格写真分析からの下顎頭長軸角についても,顎顔面形態との関連性があった。  特に顔面非対称症例(下顎偏位)に対する正面頭部 X 線規格写真を用いた 2 次元剛体ばね理論 による顎関節応力解析の結果から,顎関節の負荷の大きさ,角度の左右差が顎骨非対称に関連し ていることが示唆された。外科矯正手術により顎骨および咬合の改善と同時に,左右顎関節の応 力バランスの改善が行われ顎関節症状を緩和できると考えられた。

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