油中リヒテンベルグ図形に就ての一考察
金
丸
春
雄(昭和40年8月31日受理)
One Consideration of Lichtenberg's Figure
in a Transformer Oil
HaruoKanamaru
Synopsis
On studying the break down mechanisum and the phen(宜nen6n of loweぎinsulation in 二1iquid insulagor, Such as transformer oil;Lichtenberg’s Figure in a oi! is applied. HowevCr ←the figure, which is got dy keeping of constant supplying on a oil and power source definit, ’is not always stable, then I think that there is a problem in takeing the photograph of the figure for getting the correct result by treating many figures statistically. This reports was compared and examined in the figure, which was gotten in single oil pot and a multiple oil pot.1.緒
言 従来変圧器油を初めとし,各種の炭化水素系絶縁油, 域は有機性絶縁油等液体絶縁物の破壊機構の研究,及 び劣化の究明等に当り油中リヒテンベルグ図形(Li− ・chtenberg’s figufe in a oil)が応用されることは周 知の通りである。即ち平板電極と針状電極との問に写 真乾板をはさみ試料油中に浸して所定の電圧を印加す る。写真乾板上に発生する沿面コロナの状態が残留電 荷となって現像後写真乾板上に一種の図形を画くもの である。ζれを気中に於けるリヒテンベノレグ図形に対 し油中リヒテンベノレグ図形と呼ぶ。 此の油中リヒテンベルグ図形は試料たる絶縁油の構 成分子,介在物,水分,及び吸蔵ガス等に関係する所 謂絶縁劣化に直接関係する化学的因子の外に油温,及 び電源の状態例へば直流,交流,高周波,衝撃等の 別,又は印加方法と印加時間等是等物理的な原因に依 って相異する。 即ち印加電圧の波頭,波尾の状態如何に依って図形 の形態は変化するものも一つの例である。其の他以上 の原因以外に依って生ずる漂浮誤差とも云ふべきもの が現われ全一資料,同一状態にて得たる資料に就ても 全く同一図形ではあり得ないものである。油中コロナ 研究を遂行するに際し,実験上分離又は除去する事の 出来ない斯様な原因に因る図形の不安定さは無規出来 ないのみならず場合によっては数多くの実験を行って 得た図形がかえって資料としての正確さを失ふ場合す ら考へられるものである。 戴に於て実験資料のとり方とその整理の方法に問題 があるように窺える。筆者は先に液体絶縁物中の液温 と放電図形との関係に就き報告した(1)。これに関連し て残された問題の一っとして油中リヒテンベルグ図形 の物理的因子とも云へる資料の撮り方につき実験的結 果を報告したいと思ふ。 同一油中に油温,気圧の全く等しい状態で既知波形 の電圧を印加した場合写真乾板に得られる油中リヒテ ンベルグ図形を1枚1枚撮って或る枚数を1群と考へ た場合と,同一構造の油槽を並列に使用し,電気的に も,機械的にも同一条件で一度に幾枚かを撮った場合 とに於て資料としての優劣を比較した。斯様に或る目 的に使用する資料の撮り方に対する検討は或る意味で 重要な意義を持っものであると思ふ。即ち現象として の油中コロナ放電の特異性,又結果的には油中リヒテ ンベノレグ図形そのものX性質,或は又信頼性とでも云 ふべき事項に就て考察を加えたものである。 斯様な主旨のもとに行なわれた此の実験全般に亘っ ては尚不充分とも考へられる点の多い事とは思ふが要 は油中リヒテンベノレグ図形の研究に当り些かなりとむ参考に成るところがあるならば亦筆者の意とするとこ ろである。
2.実験条件
2.1 油 槽 平板電極と針状電極間に写真乾板をはぎみ試料たる 絶縁油中に浸した所謂単槽と電極,油槽等その寸法を すべて等しくする4個の油槽とを第1図及び写真1の 如き構造として対称的に配列し,単槽同様一・っの暗箱 中に収めたものとの2種類の油槽を使用した。前者を 単槽(Single pot),後者を多槽(Multiple Pots)〔実 際筆者の実験に供した槽は対称4槽である〕と仮称す る。 図に示す如く油槽は単槽多槽共直径13cm,容積 460ccの合成樹脂製の容器にして,下記に示す様な電 極を内蔵するものである。特に多槽の針状電極への導 電方式は真諭製closs−barに依る圧力接触となし,電 極当り55grで針圧0.78∼1.22 kg/mm2となってい る。単槽の針圧も1.2kg/mm 2に調整されている。 これは針端曲率半径と針圧との割合が図形に微妙な関 係を及ぼさない様注意した結果に外ならない。槽に使 用した油は第一種変圧器鉱油で恒温槽に保存し,充分 脱水されている。 2.2 電 極 写真乾板をはさみ所要の電圧を与ふべき電極は平 板,針状共に真鍮製にして針状電極は直径6mm尖端 曲率半径は単槽で0.12mm,多槽で0.12,0.15,0.13, 0.15mlnであり,平板電極は直径38 mm,厚さ12mm である。 2.3 油槽の電気的定数 槽の構成上特に重要な点は多槽の場合の電気的定数 のbalanceである。この点注意して製作した結果油槽 の絶縁抵抗,静電容量は単槽に於て400MΩ,0.9PF, 多槽に於て400 Ma,0.9,1.1,1.1,0.9PFである (上記の値は写真乾板を含み,実験状態で実測した値 である)。是等の値は微少誤差を忍ぶならば相対的に 満足して良い値と思ふ。2.4印加電圧
印加電圧は比較の為単槽多槽共に同一電圧を印加す るものとした。即ち電源の性質として前述の如く波 形,極性,及び印加時間等が図形に非常に影響するも のであるからこの点本実験に使用した電源は一種の衝 撃電圧にして写真2の如き波頭長0.8ms,波尾長4.6 ξi!
1 [B】FRONT切EW 8ushing termii露竃II
2N跳elec囮,
郷epl罐t臨融‘、,
Fig.1 Figure of Construction of Multiple pots Photograph 1. ]Multiple Pots msの比較的緩漫な波形のものを与へた。斯様な波形 は商用周波数の1ん波長に近似で交流電圧破壊に関連 を持たせたものである。第2図は電源を含めた実験回 路の結線図である。油中リヒテンベノレグ図形に就ての一考察 Photograph 2. Where.2ms/cm Applied Impulse Voltage Wave Form 50 N・ 田OV K Where. IR: Induction regulator T : r : Resistance 50 kΩ E2: K: G: L : C : R: A: N: P : D : Main trans 50/0.1kV・5KVA 1φ Static voltmeter 25/50 kV Kenotron 150 kV p.v. Sphere gap 12.5cmφ Inductance Condenser O.1μF Load resistance 650 kΩ transformer oil Needle electrode Plate electrode Dry plate Fig.・2 Connection of diagram
/N
A
2.5周囲条件
本実験を行った実験室内の状態は温度10,5∼15°Ci 湿度55∼65%RH,大気下,油温は9∼13°Cの暗室 内である。3.実
験 3・1要 旨 第2図の如き衝撃電圧発生装置を用ひ上記の如き定 数を持っ緩漫波形の電圧を印加する。650kΩ主抵抗 Rは無誘導抵抗にしてこの電圧降下を油中リヒテンベ ルグ暗箱内のP−N電極間に与ふるものである。単槽 多槽を問わず夫々の場合に印加した電圧は24kV,加 kV,15 kV等で正図形,負図形に就て実験し資料を 得たが本稿は24kV正極放電図形をとり上げて論述 した。これは本稿の目的を明確にするため特に繁雑を 避けたものである。従って正図形に於ける(Positive Figure)単槽図形と多槽図形とを比較検討するに図 形上油の破壊機構に関係を持っ因子である図形の大さ (樹枝長)及びコロナの枝分れ数(樹枝数)をとり上 げて両者の比較を行った。その理由として本稿は油中 破壊或は劣化の問題そのものを究明する目的ではな く,斯様な目的の為に実験的に得られる資料としての 図形そのものS比較をなすを目的としているからであ る6換言すれば印加電圧24kVに於ける正性図形に 就て単槽を用ひた場合所定電圧印加毎1枚づx電圧印 加回数12回,図形乾板12枚を得る。これ等の資料の GroupをSzと記号し, i=1,2,3,……12とした。 例へば3回目の図形はs3で示すものとする。又多槽 (Multiple Pots)〔使用槽は4槽〕に於ける場合は槽 番号を1,H,皿, IVとし,第1槽より得られる図形 を記号aiとし,第H槽のそれをbi,第皿槽,第IV槽 のそれ等を夫々Ci, diとしておけば例へば1回の電 圧印加に対して各槽から同時に各1枚宛の図形が得ら れるものでその資料名はai, bi, Ci, d∫,である。依 って第3回目に電圧印加して得られる図形は記号a3, b3, c3, d3,の4枚である。斯様に実験資料として4 回行ひ合計16枚の図形を得る。 要するに比較に供せられる図形は24kV正極放電図 形(Positive Figure)単槽12枚,多槽16枚を1組と したものである。是等の比較組合せの表を第1表に示 す。表申Simbol(記号)は図形のまとめ方に依って 得たる各Groupのdataに与へた記号である。従って 多槽に対し所定の電圧印加を4回行って得たる資料と 単槽に12回電圧印加して得たる合計28枚の図形資料の 種々の組合せ14組に就て以下実験成果と意義とを検討 するものである。 一定電圧の衝撃電圧を不変の方法で印加した状態に 加ふるに試料たる油に対しても可級的不変の条件を確 保する様心掛けた。即ち使用した変圧器油は第一種鉱 油にして使用前の耐圧は規約電極で34kVであり,単 槽,多槽を問はず一連の実験中に油の補給或は取替等 を行なわなかったが使用後の炭化,変色,濁り等は殆 んど肉眼では見られない程で,実験後の耐圧電圧の低 下も30.5∼33kVの範囲に在りて,放電に依る汚染劣 化の現象は軽微と判断される。 3,2油中リヒテンベルグ図形 Promisedされた図形を調べる方法としては種々なTable 1. Explanatioll of takeing figure
Name
of pot Single pot Mul− tiple pot (4− pots) Explanation of Figure総ぽ1
Sim− bol Sum total fig. 12ト5・5・・・…2i Q1 Sum of fig.fromlto4
1・ト・5・5・5−Q・ Suin df 4:fi9. ・i・・s・・・…21Q・ Sum of fig. in first test ・1・・b・Cld・1 P, Sum of fig. in second test ・1・・b・c・d・1・・ Sum of fig. in third test141a・b…d・1・・
Sum of fig. in fourth test ・1・・b・c・d・1P・ 問題で直接乾板の図形に影響を及ぼす心配は無い。但 し使用乾板は使用前充分に乾燥しおく必要があり,す べての槽に浸す乾板はこの点同一状態の物でなくては ならない。 尚試験電圧として24kVを使用した訳は印加電圧が 余り低くすぎると樹枝長の測定に誤差を生じ易く,又 樹枝数が過少に抑制される傾向がある。又高すぎる電 圧印加にては樹枝長は乾板面上に一種のStreamer Coronaを発生し,時に沿面内光に依るカブリを生ず るし,又樹枝数の増加が指数的に上昇して,計測上の・ errorともなる。従って樹枝長,樹枝数の可級的実測. し易い使用電圧としたのである。 T…1・fig・・i・1−P・・[・1・・a・a・a・ 1 P・ T…1・fi…i・ll・−p・1・1b・b・b・b・1・・ T…lfi・・i・皿一P・・1・lc・c・e・c・lp・ T…1・fig・・i・・lv−P・・1・ld・d・d・d・1 PsS糊f董剥、1・認当P・
S晋謡側,1・12鷲あIP1・
Sum total fig.い61諸溺‘41P11
点が挙げられるが,弦では沿面コロナ図形の持っ最大 樹枝状コロナの直径(Max. fine twig figure)(或は伸 びの2倍)と一つの図形中に存在する枝分れ数(Num−− ber of branch)とを比較の要素としてとり上げた。 是等は印加電圧の値,波形の峻度(波頭長),印加時 間,及び油の純度,絶縁性等に影響する事なればこの 2点に就て後述するような統計的考察を加へたのであ る。従って図形の分析が重要な事項となることは云ふ までもない。元来油中リヒテンベノレグ図形は気中リヒ テンベノレグ図形と異り,正負の別なく発生図形のsize は非常に微小であり電圧の種別,油の性質等に依り多 少の相違はあっても大略数mm以下で12 kV以下で は発生が困難であり,20kVで約1∼1.5mm,30 kV で3.5∼4mm程度である。このような微小な図形の 枝分れ数等は到底肉眼では判明し難い。依って筆者は 図形を或る既知倍率(×70)の顕微鏡写真に撮り直し 且つProjectorにて更にEnlargeingしたものを複写資 料としてdataを作成した。即ち真値kはmicroscope のmagnification mτ, Enlargeing Ratio neとすれ ば実測値Aよりk=A/nineとして換算,測定値とし た。本実験に於けるnz neは132.5である。油中より 取り出した乾板を現像するに附着油を洗ひ流すのにベ ンヂン或は白色ガソリンを使用するがこれは技術的な 3.3 図形の取扱 前項3.2で説明した如く資料図形を拡大して樹枝長 (図形の性質上放射状に伸びる樹枝状コロナはその伸 びが全周に亘りかならずしも等しい長さとは限らない ので,その中の最大の伸びを取り,この値の2倍とし た)及び枝分れ数を実測する。この方法は如何なる図 形に対しても共通の方法で是等の値を各記号で示すよ うなGroup:に集め,下記の様な統計処理をした。 即ち,今或る集団(資料〃2個)の個々の値をni, n2……nzとすれば,平均値万=2ご m 偏差 v1=η1一万, v2 ・ n2 一 7t,……Vi=ni−7t ΣVi2=V12+V22+V32+……Vi2 =Σηz2−2万Ση汁‘元2 依って資料数i=mに就ては標鞠差・一ン染
0.6745.σ 確率誤差 γ= ン万τ ∴ n=7Z士γ にて示される。 上記の標準偏差σと確率誤差γとを各実験記号で示 す様な組合せに就き算出するに,如何なる資料のとり 方が主も誤差を小にし,バラツキの少い資料であるか を検討する。併しながら資料の過度に勘い由を以てこ のような方法は適性ではないと云ふことも言えるかも しれないが唯回数平均より比較する場合を考へるなら この方法の方が遥かに良い。本実験中にはなかったが 例へば資料図形中或は非常に飛び離れた値をとり,は たしてこの値が真実であるかどうかの吟味である。即 ち一のGroupに縁のない資料がまぎれ込んで来たか どうかの点である(母集団の吟味)。 次項は是等実験記号に示される各組P1∼P11及び R1∼Q3まで14組の各組に就てその数値を求めて比 較検討してみる。油中リヒテンベノvグ図形に就ての一考察
3.4実験結果
単槽に24kVの衝撃電圧を与へsz, s2, s3,……Sl2 の12枚の図形を得る。これを次のGroupに分ければ 〔1〕 記号Ω1一資料たる図形s1, s2, s3,……s12 全部をすべて有効と認め,これを1groupとなし,σ r,を求めると第2表を得る。これを実験Q1とする。 即ち91にては標準誤差は樹枝長で0.344,樹枝数で 21.7,依って確率誤差γは0.06,3.7である。表の 示す如く単槽は次に述べる多槽に比較してσ,γ共に 高い値をとる。 〔2〕記号92一実験Ω1の図形中最初の実験回 数4回分丈の図形sz, Sl, s2, s3, s4に就てのσ,γ であり第3表〔A〕に示す如く樹枝長,樹枝数は夫々 0.067,0.023及び7.55,2.56であり,この値はΩ1 に比して非常に小さく資料のバラツキの少いことを意 味する。此れは次の93と同様単槽中の図形の抜き取 り結果であり資料枚数の少いこと油の劣化の僅少なる 範囲内の試料であることに起因するものと考へられ る。 〔3〕記号Q3−一一上記St, s2, s3……s12中樹枝長 の平均値に最も近い値の図形即ちs7, Sg, Sle, s12の Table 3. Data of Extraction figure in single pot. 〔A〕Symbol Q2
Test No. 1 Long Length of fine twig mm )N・mb…fb・an・h Dia. ni 2.65 ・1・・54 Table 2. Data of sum total figure in Single pot. 3Symbol g1
4 Vi巳2
niしi
・・,11…12・1・
1 1861179
・…1−・…1・…16 2.47 Test No. 1 Long Length of fine twig mm Dia. ηi 2.65 ・1・・54 3 Vi 1−・… 1−・・2・ Vi2 0.81 0.04 Number of branch。iL、2
117・
一・…1・…49い9・ 5 Vi2T…ll鑑ご8:;18
7ti 186P
Mean 1万一・・54 25 ・1 4 ・…1−・…1…58 ・1・・47 ・1・・57 6 7 一〇.27 1−・・17 2.63 −0.11 ・・691 一…5 ・1・・11 9 10 11 3.05 2.73 1・・37 0.31 1−・.・1 一,・P
9 121 81、 179 170…73い9・
0.029 2051…,・1173
・・…1226
1・・1371…96
0.OOOI 一13 一20 一29 9 6 一26 271…1
41 196P
3 Σni=725 2Svi2=231 1元一181 169 4001841
81t
・一祷i一・.・67m
O.67456 =0.023 γ= ン万 n=二2.54士0.023 (2.52∼2.53) ・−u≡一・.55
m
γ==2.56 n==181士2.56 (178∼184) 36 〔B〕1676
Symbol Q3
729 レ・6811
9 ,S・1 一一・・1121 …21・・381・・i38 122・ 12P・・S3i…9
1
Test No. ・1 Long Length of fine twig mm D’eし、
・…1 一・・14・1…5
28i・・4
・…sl・・81T…ll舞著:認4
9 10 81 2.73 Vi21…2
・・2・1 0.048 一・・il121・・831・
Σni=2,388i
Σψz2==5,608 Mea・1万一・・74 Total n=199Mean
0.01 0 Σni:=11.3 .X.Vi2=0.078 n=2.83 ・一祷i一・.344 〃n _0.6745a Number of branch llivilv、2
い9・1−1・
208 196 205 8 100 64 ・1 16 ・1 25 γ一 ン三 n==2,74士0,06 (2.68∼2.80) =0.06 2’ni=:799 .E’Vi2=205 1万一… ・一 唐T・#/8−21・・ γ一゜’67ホi22’5−・・7 n=199士3.7 (195.3∼202.7) ・一盗チ一・.14
m
γ一゜’hσ一…48
n==2・83士0・048 (2.78∼2,88) ・一Y翠[一・・25 r=2.78 n== 200士2.78 、〈197∼202)図形に就てであり第3表〔B〕に示す。σ,γは樹枝長 にて0.14,0.048又樹枝数にて7.1,2.41なる値を 得る。是等Q2,Ω3の意義は後述の多槽図形甲1槽 に就ての図形結果P5, P6, P7, P8及び1回の電 圧印加に依て得られる4枚を1groupとしたP1, P2, P3, P4,等と比較さるべきものである。 実験記号Pに関するものとしては多槽(4槽)に於 Table 4. Data of Figure in Multiple Pots 〔A〕 て24kV衝撃電圧を与へ第1回目の図形a1;.rbti Cl, d,を得るので同様な方法で印加回数4回の図形資料 合計16枚に就き次の様分類し記号する。 〔4〕記号P1’v P4一第1図に示すような4個の 槽を持っ所謂多槽の両電極間に電圧を印加して第1回 の放電にal, bl, c1, d,,の4枚の図形を得るから これを記号(Simbol)P1とし,このgroupに依る o,γの表が第4表〔A〕である。同様にして電圧印加 〔C〕
Symbol Pl
Symbol p3
Te− st No. 1Name
of potIl
・1
皿1
rvl
T…il Long length of fine twig mm Dia. ntしi
・.621…8 ・.461−…8 2.50i−・…」2
1・…64 0.0064 Number of branch niい89
vi 1 ・・21
9181
Te− 唐狽 mo.Name
盾? oot Long length of ?奄獅?@twig mm Number of branch Dia. @ ア2z τ‘ 妙ε2 πz ηz カZ2Il・…1 一…31・・…gl 174叫
1 171P−gl 81
1・…,・118・1
0 ・・5Sl・…1・…1611 791 Σni=:10.16 .XVi2==0.016 Meanl万一・・54lll・…1
・1 0 175 ・1 0t
0 11 1 Σh乞=719 “SiV2==163 Ih−18・ 3皿1・…1−…21・・…417・1−・125
rV l・…1…31・・…gl 18・1 ・1・5 T…1ば:潭618。221
Σni=699 Σ仇2=51 Meanl万一・… ・一YΣ膓2−…63 7・=0.02 n==2.54士0.02 (2.52∼2.57) n=175 ・− P/tin.2,.… γ=2・2 n==180士2.2 (178∼183) ・−ot−・.・24m
γ=:0.008 n=2.50士0.008 (2.50∼2.51) ・−u霧「一・.・ 71z γ=1.25 n= 175土1.25 (174∼176) 〔B〕 〔D〕Symbol p2
Symbol p4
Te− st No. 2Name
of Pot11
Long length of fine twig mm Dia. ni 。、[v、・ ・・591…5i lll・・51 皿1・・58∋
TotalMean
0.0025 一…3E・・…9 Number of branch ni Li 1 。、・ Te− st No. 19・|,・1196 179 1…4i・…i6i 173 ・.・・1−…51・…25 Σni=10.17 Σητ2=0.0075 3 9 1−・1 911651−111121
.E’nz2=707 ΣVi2=335 一 」 ’> n=二2.54 4 レ三17・Name
of pot Long Length of fine twig mm DiOし一。、・
・1・・521 ・1nl…」
皿1・・56 IV 1・・46 Number of branch ni Vi ・118・1 ・1 ・…1 0 1 。、・ ・i 1 1 801 j 2 ・…i61 ・761−・ 一…61・…36 T…11鑑記;:185 4 4 41771叫
11
Σni=713 ΣVi2=二13 Meanl万一・・52 ・一^Σ募i2−…4 γ=0.014 n=二2.54士0.014 (2.52∼2.56) n= 178 ・一uElt‘2−・」 , m γ=3’:io ’ 、(、 n==176土3.1 (173∼180) ・一YΣ㌃2−・…6 γ=0.Ol2 n==2.52士0.012 (2〔52∼2.53) ・一勛黷P・・,9 γ=0.6 n==178:1:0.6 , tj (177ny1.Z9)油中リヒテンペルグ図形に就ての一考察 2回目の図形より得たる結果を記号P2て全表〔B〕 に,又3回目電圧印加の図形群は記号P3で全表〔C〕 に,4回目のそれは記号P4にして全表〔D〕に夫々 示してある。P1, P2, P3, P4,を通じて全体的に 多槽の回数に依る分類はσ,γ,等その値に大きなひ らきはなく,樹枝長の標準偏差,確率誤差はP1にて Table 5. Data of Figure in Multiple Pots 〔A〕 Symdol p5. Figure in No.1pot. 0.063,0.020,P2にて0.04,0.014, P3にてO.024ゴ 0.008,P4にて0.036,0.012,又樹枝数はP1で6.4, 2.2,P2で9.1,3.1, P3で3.6,1.25, P4で1. 79,0.6,等の値をとり特に甚だしき偏差を持った槽 はないと思われるので槽の構造及び電気的定数の不均 等さは無いものと実験的に一応確められる。 〔5〕記号P5∼P8−一多槽中の図形に就て電圧印 Long Length of fine twig mm 〔C〕 Number of branch Symdol p7. Figure in No.3Pot Test No. Di
閧磨A lv、2
11・・621・.・7nilvi」・
1・・・…1189 21・…1…41・.・。16i 19・・1
1
・1 49 Test No. Long Length of fine twig mm Dil」i 。、・
Number of branch 。、lvi{。、・11・…1−…31・…。・118・
1
・1 63・12.5Sl…Sl・…25
・・47m…Sl・…64174|一・’1
・1・・521−…31・・…gi 18・1 63 ・1・・48 ・1 9 一〇.051・…2・・1・・561…31・・…9
T…ll亮記6:;138Mean
Σni== 733 Σrひ乞2=186 n=2.55 T…ll多顯81;ぎ。71173
1
51−・
い7・1−・
い761
1
251
4 25 ,1 11
Σni=699 .XVi2=55 n==183 Mean[易一・・53・イ≧一…59
γ一 ン万 n=2.55士0・02 (2.53∼2.57)m
_0.6745σ =0.02 σ=6.8 γ=2.3 n==183±2.3 (181∼185) 1”−175 σ==0.02 γ=o.015 n=2・53d:0.Ol5 (2.52^レ2.55) σ=3.74 γ=1.25 n==175圭1.25 (174∼176) 〔B〕 〔D〕 Symbol P6. Figure in No.2Pot. Symbol P8. Figure in No.4Pot. Test No. Long Length of fine twig mm DiG、 L, lv、2 Number of branch 。il。、1。、, Test No.11・・461−…41・…161171[一・1
25 Long Length of fine twig mm DiG、い一v、2
Number of branchnilvil。、2
11・・5Sl…71・…4gl 17・1
・}・…1・.・1|・・…,117gl・1・…1
・1 ・1 9 ・1 16・}・・4gi−…21・・…41165−1・い・・
・11アsl−〕
1 ・{・.531…21・・…41 ,・・1 ・1・・521 …21・・…4118・1 ・} 16 ・1・1・…1−…51・…2・1,771
T…IL多:㌶61ぎ。2、1
Σni=・705 .XVi 2=51 Mea・1万一・・’・・ 2 25 4T…1ぽ言1:888
1万一17・ Σ蹴工701t
Σrロf2=:145 M・anl元一・・55 a==O.023 γ=0.008 n=2.5士0.008 (2.49∼2.51) σ==3.58 γ=1.22 72==176:長1.22 (175∼177) 1万一1フ5 σ=0.046 γ=O.Ol6 n=2.55ニヒ0.016 (2.53「シ2.57) σ=:6.04 γ=2.04 n==175士2・04 (173∼ゴ77)加の回数が4である為,ざ各槽から全部で4枚宛の図形 が得られる。依って第1槽から第4槽までを別々の groupとして分類する。記号P5は第1槽の図形at, a2, a3,α4から成る結果であり, P6は図形bl, b2, b,,b4,を含む第ll槽, P 7は図形c1, c2, c3, c4, を含む第皿槽,而してP8は図形d1, d2, d3, d4を 含む第IV槽のdataを夫々示す。是等一一連の結果を第 5表〔A〕,〔B〕,〔C〕,〔D〕に記載する。前述同様 P5∼P8を総括して見るに大きな偏差と云ふものが ないがこれはP1∼P4の場合と異り槽の構造の良否 ’と云ふ事より寧ろ電圧印加の方法と其の値に起因する 場合であって第5表は是等の点が殆んど均一に行わ れ,且っ与へられているものである事を意味してい る。参考まで標準偏差,確立誤差を挙げれば,樹枝長 は P5−一“O.059,0.020, P6−−O.023,0.008, P7− Q.042,0.015,P8−0.046,0.016,又樹枝数はP5− 6.8,2.3, P6−3.58,1、22, P7−3.74,1.27, P8 −6.04,2.06である。 Table 6. Data of Figure in Multiple Pots. 〔A〕 〔6〕記号P9∼P10一多槽より得られる12枚の 図形中任意の2槽の合計より成る8枚の図形に依って 資料を構成したと考へた場合の結果であって,記号 P9は第1槽と第皿槽の図形al…a4, Cl…c4の合計に 依るものであり,又P10は第H槽と第IV槽の図形b.1 …b4, d,…d4の合計に依るものである。第6表〔A〕 はP9の,〔B〕はP10の夫々のdataを示すTableで ある。 P9, P10のgroupの意味はP1∼P8の様に図形枚 数が4枚ではσ,γ,の正しい値は得難いもので比較 の資料としては不充分と思へるから資料の増加を試み この点吟味の上から図形8枚に依る結果をとったので ある。然しこの結果枚数の増加は左程影響しないもの のようでP1∼P8と比較しても著しき相異は認めら れない。これは多槽の図形に於て電圧印加,又は槽に 依るバラツキが僅少であることを意味するものと推定 される。樹枝長の偏差,誤差はP9で0.052,0.013, P10で0.037,0.01,又樹枝数のそれはP9で6.9, 1.66,P10で4.9,1.18を示している。
Symbol P9
〔B〕 Sum Total Figure in No.1&No.皿Pots.Symbol Plo
Sum Total Figure in No.1&No, W Pots.Name
of Pot 1 皿 Te− st No. Long Length of fine twig mm DiO。一ぴ・
ii・・621…Sl・…64 ・1・・59 ・1・・47 ・1・・521…5
Number of blanchn、し/v、・
1sg ・.・・251 19・ 一・…1・…4gl 174 1−…2 0.0004 180ii・…1−…41・…i6i18・
・1・・58 ・1・・48 ・1・・56 1…4i・…161 173 一…61・…36 1…21・・…4 170 1・11・・ 11P 121一・125
il 1
Name
of Pot ll 1 一6 一9176卜・
1 36 81 9 Te− st No. Long Length of fine twig mm Dia. ni UZ Vi2 Number of branch 11・・46 ・1・・51 ηi 一〇.04 2 ▽°i Vi 0.Ol ・1・…1 0 ・1・・52 0.02 11・・58)…8 ・…,・11711−・ ・・…il 179} 0 1・・…4 3i75i−1
180 ・…641 179 25 ・1・・49 9 …i1・・…1い65 1 ・116 ・1・ 一11P 121 ・1・・5・1…31・・…918・1 ・|・・46T…lvぽ乏8:1、,
一…41・…,・1177 ・116,11
Σni==1,4321
Σrび¢2=374T…lvl駕澤8161,
Σni==1,4061
Σ仇2=198 M・anvl万一・・54 n=179 Mean V 1 h−・… ・一Y琴一…52
γ一゜’G芸’6−…13
η=二2.54±0.Ol3 (2.53∼2.55) σi=6.9 γ=1.66 n=179士’1‘.66 (177∼181) n==176 σ:=0.0376 γ==0.0091 n==2.5士0.0091 (2.49∼2.51) σ=4.91 γ==1.18 n==176:L1.18 (175∼177)油中リヒテンベルグ図形に就ての一考察 〔7〕記号P11一多槽から得られる16枚の全図形 に就てその資料たる図形にどの程度のバラツキ換言す れば偏差が有るかを調べるのであって同時に得られる 図形の枚数は4であるが実験回数を多くとればとる程 資料は4の乗積となって正確さは望める訳であるが, その反面油の劣化と漂浮誤差がそれ丈高くなってバラ ツキは目立ってくるので図形に誤差を生じ必ずしも資 料数の多寡に依るものではない。第7表にこのgroup に依る標準偏差と確率誤差とを示す。これによれば樹 枝長は0.048,0.008,樹枝数は6.20,1.06なる結果 Table 7. Data of Sum Total Figure in Multiple Pots. となる。 以上の如く資料数のとり方,又比較の方法に就ては 或は多分に考慮すべき点も有るとは思ふが,元より斯 様な比較から知れる結果的優劣が最も妥当であり,最 上のものであるとは云へないまでもむしろ資料として の図形の取扱ひから考へられる利用効果と云ふ事に意 義を持っものである。 是等比較検討の資料とされた14のGroupのもつdata Ω,∼Ω3及びP1∼P11に就き総括的考察を加へるも のとす。
4.考
察 Symbol Pll Long I泥算gth of .fine tw’ig mttl. Number. of branch Dia.ni
Vi Wi 2niしi
Vi2・・62
P・・il…1
18・1 ,・1 121・…1…71・…4gl
19・1 ・・471−…5[・…25| ,・1 144 174¥・1
16 ・…1 ・1 ・1 18・P
・1 4171十・1
3.4に記述せる記号Q1からQ3まで単槽より得た る結果と記号P1カ・らP11までの多槽より得たる図 形に基く資料との綜合結果を纏めて表8に示す。 此の表から筆者は同一条件の下に於て得られる図形 にバラツキを認める。而して図形のもつ樹枝長の長さ 及びその放射状に展開する樹枝の枝分れ・即ち大小合 計の分枝総数との標準偏差と確定誤差との比較である がすべての組合せに於ても一枚一枚の図形は決して同 形等量のものはなく厳密な意味に於て総て異ったもの ・・46i−…61・…361 49 Table 8. Table of Result ・・51P−…ll・・…i[ ,7gl 11 1 2.●跡 ・1 ・・P:圃㌧も
9 PotName
…g卜螂9…9・1
18・1 ・1 ・…1−…21・・…41 18・1 4 ・1 ・・5Sl …6i・…361 4 1 731−・1 ・・481…41・…,・1 2.56 25 17・1−・1 ・.・41・…,・1 176 ・・581…61・…361 179 2L
64・…1…31・・…gl
165 ・・53P・三・ii・・…il 4 il 1 一,・1 169 Multi− ple Pots 18・1 ・・46卜・…1・・…1 177 ・1 4 一・P
1 Σ・・一…37Σむ・2−…36glΣ・・−178Σ・・−62・ ヲ元=Σni/m=2.52 万・=178 f・一祷j一・.・482m
γ=0.0085 21=2.52士0.008 (2.512∼2.523) ・一刀゚一・.・m
γ=1.06 n=178:』1.06 (1 77rl 79) Num. of fig. Single PotS,ユ㌫織gt鵠
bol Number of branch・国蕊k同γ1鵠k
・1 P・ 1…6r1…22州…{…18
・lp・[…41…,・1・1・・1刺12
・lp・1…241・…Sl ・1…i1…1・ ・1・・1…36 ・1・・ト・・59・lp・1…23
…121・1…1・…11
…2・}・1…1・… 1・…sl・1・・581… 10 4・lp・1…42i…,・1・1…41…1・
・1・・1…46i…i61 ’S 1・…1…6レ・lp・1…521…131・…/…1・
S 1 P,・1…4’1…1同…楠・
i6 1 Piii…5ト・…[11…1・・61・ 121Qll・・3441…6・1,・i…71…i・3 ・IQ・1・.…1…23・ 117・5i512…い1 ・ig・1・・,41…4・巳∋・・,il・…i・ Ranking→minimum Valu『onγである。併しその相異がどの程度であるかに依っては 夫々の組合せの利用価値が判断される訳である。 油中リヒテンベルグ図形は一種の誘電体面上の油中 沿面放電であり,本質的な事を考慮に入れるならば当 然図形上に相異を生じるべき因子或は原因が考へられ る。この点に関しては又資料たる図形の撮り方に安定 な或は的確な方式なり方法なりが確立されXば良い訳 である。第8表に示される本稿の結果は上記の原因を 当然含んではいるもののそれ以外に解明し難い,仮に 漂浮誤差とも云ふべき原因も含まれているものと推定 されるものである。 斯様な考へ方に依って筆者はこれらの実験結果より して単槽を用ひて得た図形を資料とするよりか多槽を 用ひて所要の数の図形を資料とする方がそれ等の図形 の持っ内容により信頼性が有ると考へる。即ち実験P 11はQ1より樹枝長,樹枝数に於て標準偏差,確率誤 差共に遥かに低い値であり,樹枝長,樹枝数は確率誤 差夫々91の11%及び25%程度である。之は多槽図形 が単槽図形より資料としては優っていると云へる理由 の一つである。 Q1即ち単槽全図形とP11,即ち多槽全図形の Histogramを第3図,第4図に示し,、確定誤差γの 比較曲線を第5図,第6図に示す。 以上の論点から図形の特性(Character)を図示す れば第7図は給与電圧対樹技長の正極特性曲線で実験 記号91,P11に依る方法で各電圧に対して求めた値 であり,電圧に対する樹枝長の値の両者(単槽,多槽) の開きは給与電圧が増す程大きくなる。これは或は当 「、 __」 ξ7 琴6 阜 →.5 亨 es 4 一 5ingle pot …伽比ipleρt5 24 25 ・ 2’7 2・8 2・ or・0 3’1 《ヨ「’ Long ler!9dh σf hae tvrig iO団吼 Fig.3 H三stogram of fine twig’s length 誓6 盲4 三, ∂2
罐㌦,
200 2旧 Nu肌ber ofレrand) Fig.4 Histogram of number ofbranch in twig−1ike figure Fig.5 Curve of point to probability in fine twig length Fig.6 Curve of point to probability in number of branch 然の如く考へられるがいずれかを信頼し得るかの点に 於ては前述の実験結果からして多槽にて得た特性を採 用すべきである。即ち例として20kVに対する樹枝 長1.7・1.9mmの値の内多槽に依る1.7mmを信じ得 る値となす。 同様な方法に依って第8図は樹枝状図形の中で太き 樹枝長(Length of thick twig)(写真参照)対給与 電圧の関係を示し,又第9図は樹枝数対給与電圧の関油中リヒテンベルグ図形に就ての一考察 Positive ↓りure o− maltipke PotS メ ーSingte pot・ 釦 30 Applied叩lse v卿e ifi〆▽ Fig.7 Curve of fine twig length to impulse voltage 旧 、20 30 40 Applied綱陪v卿e iロ‘V Fi・8C・・v・gf lhi・k・wig 1・1・g伍 to imPulse vOltage to 20 孤 49 Appked imputse vpltage ln KV Fig.9 Number of branch in twig−like figure in Transformer oil 係を示したものである。 是等比較された各特性曲線の信頼性を仮に前述の理 由に依ってP11方法に置くならば,単槽で個々にi撮 つた図形群からのdataの方が電圧に対し過大になっ ている。又細き樹枝状図形は印加電圧11.5kV以上で ないと発生せず,発生電圧の範囲では電圧にほSL“比例 して増加する。細き樹枝状図形に重畳して発生する太 き樹枝状図形の長さは細き樹枝状図形の長さより遥か に短く,且っ15kV以上でないと発生しない。 この太き樹枝状図形の発生は油中リヒテンベノレグ図 形の一つの特長とも云へ,電圧に対し或る指数で増加 する性質がある(油破壊との関係にっいては別に研究 されている)。 第8表中に確率誤差値の最小値の順にRankingを 付して置いたが,このRankingはたまたま筆者の実 験に於て参考の為付けたもので特に意味があるもので はないが唯二般に多槽から得た図形に依って構成され たGroupの方がRankingが上位であると云ふことが ’ホVfT 知れる。これは多槽からの図形の方がバラツキが少い と云ふ事が資料としての安定性を意味する6・ 写真3〔A〕;〔B〕,〔C〕は多槽図形の写真で,給 与電圧24,20,17kVの場合であり,いずれも電圧印 加第1回目の第1槽から第IV槽までの写真である。特 に17kVは負極性図形の場合のものを掲けてある。 5 結 言 本実験より筆者は油中放電の諸問題を研究する一方 法としての油中リヒテンベノレグ図形の取扱ひに関し完 全化された図形,云ひかえれば現象に忠実な図形の撮 り方を検討した結果,前項の如く単槽を用ひて1回1 回実験を重ねて得る資料と2槽以上より構応される所 謂多槽に依って或る枚数の図形を同時に得,これに実 験回数を重畳して得られる全図形資料を一つの集団と して前者の場合と比較検討したのであるが,多槽とは 云へ,この槽数には自から限度があるべきものであり 筆者は滋に多槽と称しても特に対称4槽を用ひたので ある。この対称4槽の作る図形群に関し 1)電圧印加に対して多槽の夫々の槽は電気的定数を 等しくさえ注意しておけば電圧の反射,吸収等の作 用は認められず,同値の図形が得られる。特に波形 の峻度,印加時間等にも影響されないものの如く認 められる。 H)同一枚数の図形乃至これに近き数量の図形につき 或る要素(例へば樹枝長,樹枝数)の標準偏差,確 率誤差等多槽の場合の方が単槽に依る場合に比して
Photograph 3. Microphotρgraph◎f Twig−like Figure 〔A〕 Positive figure orr 24 kV 灘
鞠
tぷ 1. Figure in I−pot magnification 70 3. ・・Figure桓 IH声P⑧t・…灘塁灘
織溺購m繋纏
s鰹 籟灘霞襲蔚 9w一頃“派難
講灘
灘がぷ ’ 端’ 2. Figure in II −pot av,::s L4,; F塘紬続伽・IV−pot 〔B〕 Positive figure on 20 kV 1. Figure in I−pot 遥かに小さく,資料図形として優っているものと考 へられる。 皿)多槽図形は同期に得られる各槽の図形の偏差と多 槽中1つの槽ごとに得られる同数の図形の偏差とに 大きな相異を認めない。これは図形数の少い範囲に 於ては槽の均一性であることを意味する。 IV)特定電圧の印加,或は油中放電の回数を限定され 2. Figure in ll −pot た様な特殊な現象の場合等再印加の出来ないとき多 槽は単槽に比して図形採取の点有利である。 V)多槽の使用上の応用として多槽の電気的定数を外 部より附加調整し,図形の変化を検討することが出 来ると共にその結果に正確さがある。 VI)図形の母体たる現象済乾板の現像処理中の失敗, 又は取扱上露出,破損等による失敗を補ふことが出油中リヒテンベルグ図形に就ての一考察 3. Figure in皿[−pot 4. Figure in IV−pot 〔C〕 Negative figure on 17 kV 1. Flgure ln I−pot 3. Figure in皿一pot 来る。これは再撮映の出来ない資料に於ては実際的 に重要な事項の一つである。 以上結論的には多槽の場合の方が優っていると解釈 するが,これはまったく比較の問題であって,総べて ではない。即ち単槽の場合に依る方が場合に依っては 有利である点もあるだらうし,槽数の増加に依っては 唯に不経済のみならず実験回数が減少する結果予測さ れる別の誤差を生ずるかも知れないことに留意せざる を得ない。 本実験は周知の如く多量の写真乾板を使用し実験的 に求めた資料に就き検討を加えたものであって,尚不 2. Figure in I【−pot 4. Flgure in IV−pot