「障害児 ・者 のい る家族 の発達段階及 びス
トレスの若干の規定要因に関する研究」
は じめ に
障害児 ・者 の リ- ビリテーシ ヨソ (医学的,教 育的,社会的,心理的,職業的)には,各専門家 による技術的側面 ばか りでな く,障害児 ・者の所 属す る家族及 びその周辺 も考慮す る必要がある。 従来か らもこの必要性が言われているが,その基 本 となる科学的 な理論 がわが国で は不足 してい るO また こ うしたテーマの研究はわが国では, ほ とん どなされていない。本論文 は,筆者が行 った 三つ の研究(I)(2)(3)をふ まえてな された調査 に基 づ く論文であ る。 1
回 目の調査川は肢体不 自由児の いる家族 (85家族)を対象に行われ,家族の全 体的 なス トレスのパ ターンを得た(Fig.1)。 しか Fig.1 ス トレスの-蝦的推移 一 一 ス ー レ ス の 大 き さ 小 叫.L 批 人 ず 前 は 冶 断 絶 4 ・ 5 年 頃 _治 郎 綾 2 ・ 3 年 明 治 斬 後 1 年 頃 診 断 後 3 ヶ 月 頃 診 断 時 頃 橋本 1979 し対象家族 に進行性の筋 ジス トロフィー症児の家橋
本
厚
生
イブの障害を対象か らはず した。2回 日の調査r2'で は,1回 目の調査で得 られたデーターを もとに,ス トレスを因子別に分 けて精神薄弱児のいる家族の データ (87家族) とともに分析を した。 また, 全体的 なス トレスのバ ク- /を個別 的 に分預 し て,各パ ターンと諸要因 との関連を見 た結果,家 族 の社会経済的地位 との有意 な関係を得た (Fig. 2)。3回 目の調査3'では,障害 タイプによ りス トレ Fig.2 ス トレスバタ-ンの概念図ヰ
初 期の平
均 ス ト レ ス ス ト レ ス の 大 き さ ↓ 納 期 の 平 均 ス -レ ス ス -レ ス の 大 き さ 橋本 1980 族が9
ケース含 まれていたため障害 タイプの同質 スの大 きさとパ ターンが どう相違す るかを検討 し 性がそこなわれている。そ こで本論文ではこのタ た。その結果,肢体不 自由児のいる家族 と精神薄 -67-弱児のい る家族 が,聾 児のい る家族 と盲児 のい る 害児 の小学 部入学 前後 までの期 間の ス トレスの測 家族 がそれぞれ類似 した結果 を示 した (Fig・ 3) 定 (つ ま り比較的初期 の ス トレス) を し, また母 ので, 今回の調 査 で は,前者2タイプを一緒 に分 親 に過去 お よそ6- 7年 間のス トレスを遡 及的 に Fig.3 ス トレスパ ターンの概念図 肢体不 自由児家族 A T I/ A 8 汁 叫 恥 精 神薄弱児家族 平均- 7 盲 児 家 族 峯 児 家 族 - 5平均 平均-7 時 間 』 二 萱 -4平均 平 均-8 〔ネガティ ブ・パ ター ン〕 橋本 1980 析対象 とす る ことに した。 評価 して もらったo今回 の調査 で は・ 6才か ら1 上記3研 究 は, いづれ も障害児誕生か らその障 7才 までの期間 のス トレスを測定 し・家族 の ライ ー6
8-フサ イクル とい う視点で見た場合に生 じる問題を 取 り入れてみた。 また過去長期間のス トレスの遡 及的評価の粗雑 さを防 ぐ意味で,各学年別 に 「過 去1年間」 のス トレスを評価 させた。 こうした一 連 の研究の究極 目的は障害児 ・者のいる家族 (以 下,障害児・老家族 と略す)の諸問題 (ス トレス) に対す るケースワークの介入方法である。それは, 障害児 ・者 の リ- ビリテ-シ ョソの効果を高め る 家族状況に向わ しめるよ うな介入方法である。 Wortis,H"'らは,身体障害者 (四肢切断老)の 病院での リノ、どリテ-シ ヨソの効果 とその家族の 状況 との関係を検討 し,家族 の状態が好 ましくな い (崩壊な ど)場合,その障害者の予後 も好 まし くなかった と報告 している。Hilda,P,Ⅴ -5'は,医学 的 リ- ビリテ-シ ョソの効果の促進 は,その患者 の家族の内部相互行為 (コ ミュニケ-シ ョソなど) が大 きな役割を演 じていることを指摘 している。 上記 の2研究 は,筆者 の研究 目的を支持す るもの である0
1 日的
今回の論文の主 目的 は,以下 のものに限定す る。 1. ス トレスを通 して障害児 ・老家族の発達段 階を得 ること及び各段階のス トレスの種類 (ス ト レスの田子)の変化を見 ること。 2.障害児 ・老家族 のス トレスを規定す るい く つかの要因の うち,
「夫の理解」
,
「家族の結合度」, 「夫婦の価値観一致度」及 び 「親類の援助」の4
要因 とス トレス (各因子のス トレスと全体 ス トレ ス) との関係を見 ること。日
方法
(1),理論的枠組 (ィ) システム としての家族 過去の一連の研究 も含め今回の研究 も,障害児 個人に焦点 をしはらず,む しろ,家族全体に焦点 を置いてい る。社会的 な研究 としては,個人を含 め,その周辺の関係,す なわちシステム的 な分析 を基本に した方が よいであろ う。Specht,H`6'らは, 家族療法の基本的理論 として,患者個人だけを抽 出せずに,個人を含めた家族 をひとつのシステム として捉 え,そのシステ ムの内部相互行為 に注 目 している。MoriceJ,K
,W(7)は危機 (crisis)状 況にある家族の介入に際 し,家族 内部の変化に注 目し,当該個人以外の人間の力が この危機の結果 を左右す ることを指摘 している。 しか し,家族 は 独立 したひとつのシステムではない。他のシステ ムとの関連 も考慮 しなければならない。Maurizio,A
`8'ほ,家族療法において,家族 をオープソシステ ムとして捉 え,外部 システム(学校,会社,近隣, 同僚) と家族の相互行為 を重視 している。 こうし た実際か ら生 じた理論 とはやや異 った理論 と し て,
「逸脱」の概念がある。MassH,S(9)は,家族 の問題状況を役割の不適応,つま り社会的逸脱の 状況 として説明 している。またParsons,T(10)は,4つ の社 会 的 機 能 (4FunctionParadigm)
か ら成 るシステムを考 え,社会全体を捉 えている。 このシステムの一部を成す家族 は,社会 における 連帯(Solidarity)の維持 に重要 な部分を占める。 従 って,家族の機能障害 はや は り 「逸脱」 として 考 えられ る。「逸脱」は,逆 に 「正常」に もどるこ とを意味 している。障害児の誕生を 「逸脱」 と考 えるのは適切ではない。 しか も両者 とも多分に観 念論的 な理論であ り,後者の理論 はあま りに もto -talismであ り現実の障害児 ・老家族の分析にはな じみに くい。一般的な家族機能障害 と違 った性格 を持つ障害児家族 の問題 は, さらに, ホ メオスタ シスもしくは均衡(Homeostasis,equilibruim) といった理論にもなじみに くい。Renato,Castro やEdwordH,F(ll)は,障害児・者のい る家族 につ いてこの理論を使用 しているが,そ こで もやは り, 「障害の治ゆ」を念頭に置いているのである。 (∩) ス トレス ・パ ターン 障害児を生む とい うことは,特 に母親に とって たえがたい ものであ り,そのシ ョックは母親に明 白に現われ る。従来か ら, この母親のス トレスを 精神分析学的に研究 した報告が多 くある。 このス トレスの大 きさ,性質.変化パ ターンの一般化は, ほぼ定着 している。障害児 ・者の場合,例 えば, MaloneR,L(12)は父親の障害発生 による母親の情 緒的,心理的反応 の性質 とその変化 プロセスを事 例 に示 し,CohanP,C`13'は,障害児を持 った こと がその母親に与 える情緒的,心理的影響 を述べ, ー
69-またその よ うな心理的状態の適応 プ ロセ スを示 し ている。 こ うした比較的初期 の母親の反応 は,今 度 は, その障害児へ なん らかの影響 を与 えること になる。DavidM,C(14)は未熟児誕生に対す る母親
の反応,特 に行動面での適応 プ ロセスについて, 危按 に対す る対処行動 (copingbehavior)で説明 し, この対処行動 は未熟児誕生 とい う危機の結果 の良 し悪 Lを左右す ることを述べている。 良い方 向へ と母親を導 く介入方法 をMarshallH,K(15)ら は詳 し く説 明 している。 介入に際 しては,母親の ス トレスの適応パ ターンを充分 に理解す る必要 を 強調 し,適応パ ターンの図(Fig. 4)を示 してい る。 この図の よ うに初期のシ ョックでス トレスが 最大 にな り後 に除 々に減少 し,適応す るとい う-Fig.4 先天奇形を持つ子 どもの誕生に対する正常な 規の反応の継起を示す仮説的な図 閥 の長さ Drotar,D.,etal,1975 般化 も定着 している。 この一般化 は親だけではな く,障害児 ・老個人について も適用 され る。Wiト bertE, F (16)はFig. 5の よ うな図で,障害児・者 の適応 パ ターンを示 している。前述 した よ うに, Fig・5 障害の心理学的諸要因 :障害の同化行動分析 反 応 レ ベ ル WilbertE,F.,1976(訳 :校本) 本論文 は障害児 ・老個人を含めて- システ ム内の ス トレスを扱 うので, この図 は不適 当であ る。 ま た,図の点線が 「障害児以前 (、、正常′′)`レベル」 よ りも高 くなっているのは,現実 を無視 している。 これ は 「(二)ス トレスに関す る諸要因」の ところ で示す本論文 の理論的枠組,す なわ ち障害児 ・者 の 「病気 としての役割」 を認め ることになる。家 族全体 のス トレスの適応パ ターンとしては,Hill, R`17'がFig.6の よ うに示 している。しか しこの仮説 的図のデータとなっている対象障害家族 には, ア ル コール中毒患者の家族 も含 まれ ているよ うであ Fig.6 危椴適応のローラーコースター型
H
ill,R., 1958 (訳 :校本) り,や は り不適切であ る。す なわ ち 「治ゆ」 を念 頭 に置 いている。Fig. 6の 「危機」の レベル以上 には回復 しない とい う前提 は,前記Fig.5よ りも す ぐれている。 この図は, この種 の研究の原典的 なもの となってい る。 しか し,Fig.5もFig.6 も実証的 に検証 されているわけではな く特 に変化 の時間が明示 されていないのが欠点であ る。 この ため,前記3研究 による実証化 された図(Fig.1) (Fig. 2)(Fig. 3)では 「時間」を考慮 し, 普 た今回の研究で も,3
研究の時間を延長 した 「時 間」 を取 り入れた。 今 まで示 したパ ターンの一般化 は個 々の家族 を 長期間 フォ ロ17 ップしたデ-タに基づいていな い。個 々の ケースを長期間注意深 く観察 し, こま かい変化 を記録 したデータこそ実際 の介入 に利用 し得 る。BettyE,C(18)は身体障害児 ・者や精神薄 弱児 の家族 の1
2
ケースの適応 パ ターンを数年 間 に及 んで実際 に フォローア ップし,観察 してい る。 Tablellは こ うして得 た適応段 階表 であ る。しか し, これ は, ス トレスを単一 の もの として扱 って いる。 ス トレスの性質 もしくは種類 は長期の うち に種 々に変化す る。Reynell
,
∫(19)は この点 を考慮 - 70-し, ま た 「時 間 」も考 慮 に 入 れ て
Fi
g. 7
の よ うな た ス トレ ス 源 の 種 類 と大 き さ を示 して い る. 残 念 図 を 示 す 。 「時 間 」の経 過 , つ ま り家 族 発 達 に 応 じ な が ら, これ は 仮 説 で あ り, 実 証 され て い な い。 Tablel 障 害 児 ・者 の い る家族 の 再適 応 段 階 システム(クフレープ) の 特 性 1 危 挽 前 Ⅱ 危 機 Ⅲ 移 行 Ⅳ 一時安定 Ⅴ 再 適 応 A 家優 族 の 先 2.I.朗 心事受寄 斐 正正 常常 死動 揺 拡ケ ア 散- 受本人の受容容 危 機 前 に近 い 状 態危 機 前近 い 状 態に B家 族 構 成 正 常 障害 のメンバー以外正常障害メンバー入 院 ケ ア-の人間や親 類 の 人 間 加わ る 正 常 正 常 Cー 1.組 織 ネ ッ トワーク グループ形成 グループ発達 グル ープ発達 ネットワーク 姦上 !, 2.役 割 正 常 省集同情約略 的的 不課題確 定 再分業確 定 正グル ープ常 D家 族 目 標 種 々 拡 散 確 定 確 定 種 々 個 人 的 グル ープ的 グル ープ的 グループ的 個 人 的 E 外 行 部 相互 為 入 あ る 多い
多い
な し あ る BettyE.C., 1973 (釈 :橋本 ) Fig.7 ス トレスの発 生 源 と強 さ Reynen,J‥ 1973 (釈 :橋 本 ) ー7 1-こうした適応パ ターンや発達段階 は,あ くまで「一 般的傾 向」であ り, この 「一般的傾 向」 に合わな い家族 が適応 に失敗 している とい うことにはな ら ない。JacobsonR,B(20)は この点 を指摘 し,また, 前記3研究(l)(2)(3)の結果 も指摘 している。 い 危機理論 (crisistheory) 筆者 の一連 の研究 の 目的 は障害児 ・老家族 の介 入方法であ るが,最近,介入方法 として よ く利用 され る危機理論が障害児 ・老家族 に適用 し得 るか が検討 されなけれ ばな らない。結論 を言 えは,逮 用 は難 しい。主 な理 由は,その介入時期 と介入期 間 にあ るoCapユan
,G
(21)に始 まった この理論の特 徴 は 「短期介入」であ るo例 えは,Phyllis,M(22) は失業家族 の介入の成功例 を示 してい るが,障害 児 ・老家族 では,そのス トレスは,その ファ ミリー サイクルに従 って,種 々に変化す るのである 。La-rryL,S(23)の報告で は,事件発生以後の短期間 は こまざれのよ うに分割 され,各期間に定型化 した 介入方法が示 され ている。「危塩的状況」となる程 にス トレスが大 き くなる時期 は初期 に限定 されて はいない。 また,初期で はな く,かな りの時間経 過後 にス トレスが大 き くな り,それが数回に及ぶ 場合があ る。問題 は 「慢性的」 な危機 を, または 「潜在的」 な危機 を 「危機」 と解釈す るか否かに かか っている。 (⇒ ス トレスに関す る諸要因 障害児 ・者 を もつ ことで生 じる家族の ス トレス の大 きさ,変化パ ターンを規定す る要田を分析す ることは,本研究 の 目的 の中心部分 となる。 なぜ な ら, 介入の際 には,何 に注 目すべ きか,何に対 して働 きかけ るべ きか,家族 の今後の変化の予測 等が中心的課題 となるか らであ る。JoanK
,M(24) 紘,親 の情緒上 の問題 に関す る要 田 として,障害 児の重症度,予後,就職 な どの障害児 ・者 の将来 の不安,離婚,疲労,健康等 を挙 げている。White G,E(25)は,家族 の外部 と関係のあ る要 因 も含め, 種 々な関連要因 を示 している。 例 えば,家族 の緊 張 の大 きさ,両親 の力量 と重荷への耐久力,親類 の態度や力量,家族 メンバーの態度,行為 とコン フ リク ト,家族 の文化的背景, ケア一, 兄弟姉妹 の ニー ドな どであ る。社会的研究 に とって有益 な 示唆 を含 んでい る。Farber,B(26)は,精神薄弱児家 族 の価値観, メンバーの役割,家族 の生活周期, 核家族の特性,夫婦関係 な ど多 くの要 因を使用 し, 家族 の構造面 とその琉能 の分析 (子供志向型,衣 族全体志向型,親志向型 な ど)に着 目して,Game の理論 を展開 している。 家族構造-の着 目は普通 非常 に重要 な もの として考 えられている。F.
Ⅰvan Nye(27)は,相互行為の行 われ る家族構造 とス トレ スの関係の分析 において,特 に,子供 の数 とそれ による心身症 もしくはス トレス との関係を, また 障害児の兄弟姉妹の有無 と心身症 もしくはス トレ スとの関係を重視 してい る。兄弟姉妹の問題 は, 要す るに,障害児 ・者の い ることで影響 され る兄 弟姉妹 の コ ミュニテ ィとの関係 と.親 一兄弟姉妹関 係にある。例 えは,母親 が障害児以外の子供 の世 話 をす る負担 は,父親が障害児を含めて子供 と接 触す る程度 にかな り依存 してい る。青 山 ら(28)紘, 夫婦 の相互期待の一致項 目として,わが国の父親 が子供 を見 る頻度の高い ことを指摘 してい る。同 様 な研究 として,Bruce,E(29)も,米国における夫 婦間 の期待一致度の高い項 目として,父親 が子供 を見 ることを示 している。 これ らの研究が有 して い る重要性 は, この種 の夫婦間一致度が特 に障害 児の ケアに時間を取 られ る母親 に とっては夫婦間 の満足度 となって反映 し, ひいてはス トレスの規 定要 因 となる とい うこ とを考 えれ ば理 解 で きよ う。 もちろん,夫婦間の満 足 は父親 による子供 の世 話 だけによるものではない。DouglasK
,S(30)は, 11項 目か ら成 る夫婦満 足度評価 を試み,問題状 況にあ る家族 のス トレス との関係を分析 した。そ の結果, 11項 目の うち父親の母親 に対す る 「理 解」 もしくは 「同情」が最 も大 きくス トレスを規 定 していた。 帥 役割理論 上述 の よ うに,家族 内部 では,親 は夫 としての 役割 と父親 としての役割 が, また妻 としての役割 と母親 としての役割がス トレス状況下では独立 し て変化す る と同時 に相 互 に重複 して変化 を起 こ し,相互 にス トレスを増 幅 もしくは減少 し合 う。 RobertR,B(31)は,病人の ケアに対す るこ うした親 の種 々な役割 の効果を強 調 している。 -72-さて,役割 は当該障害児 ・者 について も考 えら れ る。実際, ある程度成長 した障害児の自己の身 体的,精神的状態への意識的な反応 (受容度の高 低 に従 って) は,家族全体 に影響を与 え,障薯児 と他 の家族 メンバーは相互 に影響 し合い, ス トレ スが変化す る。 しか し, この障害児の 「正常 な子 供 としての役割の欠如」 とい う役割 は,その家族 が存続す る限 り続 く。Parsons,T(32)は,「病人 と しての役割」(sickrole)には知恵お くれの子供 の 役割 を除外す る。、、正常 な発達段階 とパ ターソに関 す る社会的通念 に照 して取 り扱わなければならな い〟 のであ る。筆者 も形式的には当該障害児 ・者 の主体的,積極的 な役割 を理論的枠組か ら除外す る。Constantina,S(33)が言 う「disabledrole」は, 本論文で扱 うよ うな障害児 ・老家族 の問題 につい て考 えられ るものではない。 ここでは, リノ、ど リ テーシ ョソを受 ける際の患者 一医師間の役割がえ がかれてい るが, ここで も障害の 「治ゆ」が念頭 に置かれているため,「患者の役割」は抵抗 な く受 け入れ られている。 む しろ,障害児 よりもその兄弟姉妹の役割を注 目したほ うが現実的であろ う。Fern,T(34)は,障害 児家族の状況には当該障害児以外の兄弟姉妹の特 殊 なニー ドと反応及びそれ らに対す る親の態度 を 重視 してい る。Sheridan,M(35)は,正常児家族 にお ける父親に よる子供の世話 と障害児家族における .それ との問 に差異がない ことを報告 している。 し か し,現実 には正常児家族 における父親一子供関 係 と障害児家族のそれ とは,質,量 ともに相違 し てい る。 日常 の障害児-の世話の大部分は母親に ょって行われ,その分夫 一妻関係が影響 を受 け, そ して親一兄弟姉妹関係が影響を受ける。 (べ 家族結束度 家族全体 の相互行為 を見 る場合,家族の結束度 がス トレスの規定要因 として欠かせない。Jansen L,T(36)は8項 目の相互行為 リス ト(例 えば,、、家族 の メンバーは,家族の 目標達成 のために自分の利 益や希望を犠牲にす るほ うですか〟な ど)によ り, 家族 の結束度 (familysolidarity)を測定 してい る。Farber,B(37)は,精神薄弱児家族 にこの リス ト を利用 し,TheodorJ
,
L(38)もこの リス トを障害児 家族 に利用 している。 また,特 に夫婦間の結束度 として,Farber,B(39)は夫婦間の価値観の一致度(maritalintegration)を測定 し, これ と家族の 危槙的状況 との関連 を研究 している。 (ト)免疫性 障害児家族の問題状況に関す る規定要因は,問 題状況時のそれ とは限 らない。要因は,危楼状況の 前 と後の要田に分 けられ る。そ して,危機状況以 前の要田は,ポジテ ィブにもネガテ ィブにも作用 す る
。
H
ill,R (40)はこうした要因を指摘 している。本 論文では,危機の源(stressor)の発生以前に既に 有 しているこうした要因を 「免疫性」と呼ぶ 。Je-tse,S(41)は,事件発生前後 にかかわ りな く,コンフ リク ト処理 の技術能力及び動枚を 「免疫性」 とし ているが,これは単 に規定要因の総称 にす ぎない。 また,HamiltonI,M(42)は,コ ミュニテ ィでの対人 相互行為が ス トレスを減 じる 「免疫性」(vulner -ability)としている。この考 え方 も本論文では受 け 入れ られない。筆者 は,免疫性 として,障害児誕 生以前 における家族 の危枚に対す る抵抗力,例 え ば,障害児 ・者 との接触 の有無,障害 についての 知識などを用意 した。 しか し,上記2
人の 「免疫 性」の意味す るところは,本論文で も別の次元の 要因 として使用す る。 (f)パーソナ リテ ィ 事件発生以前 に既 に有 しているポジテ ィブもし くはネガテ ィブな要因に,上記の免疫性 とはやや 次元の異なる親の 「パー ソナ リテ ィ」もしくは「向 性」があるoDenhoff,E(43)らは,脳性マ ヒ児の親の 態度の差異 とこの 「パー ソナ リテ ィ」,「向性」 と の間に有意 な関係を認めている。同様 に,James, E(44)らは,ス トレス状況の家族 の対処行動(coping behavior)の説 明として よく使用 され るLazarus の 「locusofcontrol」の理論 〔外向・内向 (inter -nals,externals)〕と 「不安」によるス トレスとの 問に有意 な関係を認めている。「不安」によるス ト レスが障害児家族のス トレスの大 きな部分を占め ていることは,筆者 の研究で も明らかになってい る。 しか し,「パ ー ソナ リテ ィ」や 「向性」が純粋 に 「その人間が本来 もっているもの」 と解釈する ことは難 しい。多 くの学説が認め るところである が,「パーソナ リテ ィ」には,後得的 な部分 もある ので,分析結果 もこのことを考慮 に入れて考察す べ きである。 ー73-Fig.8 本研 究の理論 的枠組 Ⅰ 規 定 (A)親 叛 の 援 助 イ) 金銭的援助 ロ) 精神的援助 ノ1) その他 (B)障害児 のケア-について、 夫の妻へ (C)夫始の 価値観の (D)家 族 の結 束度 イ) 意想決定方 法 ロ) 協力態勢 ^) 関心度 ニ) その他 Ⅱ ス ト レ ス (A) 親 の 反 応 (1) 混乱 (2)悲 観 (a)罪の意識 (4)不安 ・イライラ (5)将来の不安 (6)受容度 (7) その他 (B) 家 族 外部 (l)母親の対人関係
b
) 一般 的恥 (抄 コ ミュニテ ィ-の恥 (C) 「殻的偏見 (a) コ ミュニティの偏見 (2)家族 の移動 b) 地域移動 (抄 父親の職業上の変化 (C) 母親の職業上の変化 (3) 活動 伝) 夫婦の コ ミュニテ ィや グ}L,-プ活動-の参加(
b) 家族の レクレーシ ョン (D) 家 族 内部 (I) 役割取得 も) 夫婦役割(
X, 夫による妻の役割 代行 ¢⇒ 夫に対す る妻の役割欠如 Q)) 母一子関係打
) 母親の障害児に対する義務遂行 (C)親 -子馳係打
) 恒常の兄弟に対す る義務遂行(
a) 障害児-兄弟的係 印)援助、不満 (e)母親の役割遂行についての総合的印象 (2)親によるケアーの負担(
3
)
心身症 (a) 親の精神的疲労 親の身体的疲労 (4)親の粒騎 (5)遺伝b
) 祖父母一母間の疑惑 (b) 夫娠問の疑惑 (6)母観の総合的な危機感 b) 総合的危機感 0)) 家族崩壊の可能性 (7) その他(E)寮 の性 格 (F) 免 疫 性 . イ) 社会的内 .外向性 イ) 障害児誕生以前の障害についての知識 ロ) 抑 うつ性 ロ) 障害児誕生以前の障害児 もしくはその親 との ノウ 楽観 .悲 観 /I) 重大 な問題の解決経験接触経験 (G)((((((643521)))) 夫婦 の年令)) 家族の社会経済的地位灯)㈹∈) 父親の学歴6そう 健康保険の種類¢
α
打) 住居形式(。) 生活水準3⇒ 重症度) 大家族 () 兄弟数 (家族 の属性障害障害児誕生後の経過時間家族構成その他種類父親の職業祖父母の有無)1人子か否か) l イ)医療費ロ)その他(C)養育費家計 / 効Ⅲ (l) リハ ビ リテーシ ョン効果打
) 教育的効果 果 (。) 社会的効果 \ そう 心理学的効果 (⇒ 医学的効果 ㈹ 職業的効果 (2) その他 -7 5 1 橋本 1981(リ) 親 類 家族 の外部 の関連要 因 として
,
「援助」 があ る。 Kelman班 ,R (45)は,障 害 児 家 族 が そ の コ ミュニ テ ィや近隣 との接触 か ら得 る「援助」 (極端 なネ ガ テ ィブな援助 は 「孤立」 であ る) を挙 げてい る。 しか し,筆者 の経験 で は, この種 の 「援助」 は, コ ミュニテ ィの 「偏見」 と関連 して くるので,本 論文の 「援助」 要 因か らは除外 した。 現実的 には,近隣や コ ミュニテ ィよ りも親類の 「援助」が関連 して くる。Thomas,Ef46)らほ,災害 とい う事件後 の家族 の回復 とこの 「援助」 との関 係 を調 べ てい る。また,Sydney ,H (47)らは,重症患 者 のい る家族 につ いて 「援助」要 田 を使用 してい る。 わ が国 にお け る親額 の 「援助」 について は,小 山(48)が研究 してい る.これ に よると,
「家族 の メソ バ ーが病気 の とき」 と 「事故 と災害 の とき」 に, 家族 が頼 りにす る ところは,その70%前後 が「親 戚」であ り,
「近隣」ほほは 0%か ら10%であ る。 公的槙関 ほほは 10%か ら30%であ る。 以上 か ら,本論文 では,
「親頬 の援助」を規定要 田 として採用す る。 (3)障害 タイプ 障害児 ・老家族 の ス トレス状 況 は, 障害児 ・者 の障害 タイプに よ り大 き く相違 して くる。「進行性 筋 ジス トロフィー」 や 「心臓疾患」 な どの重症 の 内部障害 は,常 に 「死」 と直面せ ざるを得ず, こ れ らに よるス トレスの大 きさや/くタ-ソほ,本論 文 で扱 うところの ス トレスの大 きさやパ ターンと は相違 して くるので, 同一 レベルで扱 うべ きで は ない。 同 じ く,SelmaK,W (49)の言 う 「周辺障害」 (学 習障害, 自閉症,情緒障害, その他診 断が確 Table2保健婦27名による障害児家族のス トレスの持続, 大 きさに与 える要因評価 (単位 :人) 要因
項目
保
健志望
讐 5年以非常に開運している6年以上 計 まあまあ酪連 している5年以下 6年以上 計 5あまり関連 していない年以下 6年以上 計 家 族大家族、核家族、祖父母など)構 成 5 6 ll 5 8 130
3 3 夫の態度 (障害、障害児への理解、 母親の立場への理解など) 9 14 23 1 3 40 0 0
障 害 の 重 さ 6 13 19 4 2 60
2 2 環境 (住宅、近隣など) 1 9 10 5 4 9 5 3 8 障 害 の 種 類 5 9 14 5 5 10 1 1 2 親 顛(精神的 .金銭的援助、無理解)0
2 2 9 12 21 2 2 4 障害の顕在度(目に見えるか否か) 2 4 6 8 7 15 1 5 6 親 の 性 格 8 18 260
1 10 0 0
障害の確定程度、宣告時期 5 12 17 4 6 10 0 00
母 親 の 年 令 1 1 2 5 7 12 4 9 14 専門家の介 入(内容、時軌、日数) 6 ll 17 3 6 90
l 1 家族や母親の社会経済的地位(収入、学歴など) 3 10 13 6 5 ll 1 2 3 家 族 の 状 況(役割分担、協力関係、結束など) 6 ll 17 3 5 80
2 2 家 族 の 問 題 点(貧困、夫の酒、離婚など) 6 12 17 4 2 60
3 3 家 族 の 文 化 的 背 景(価値勤,伝統、習慣など) 5 ll 16 3 5 8 1 2 3 椋 本 1981 -7 6-定 しに くい障害)紘,特 にス トレスのノミターンに おいては同一 レベルで扱 うべ きではない. また, この 「周辺 障害」が意味す るところと本質的に近 い意味,つ ま り正常に近 いが由にス トレスが大 き くな るこ とが しば しは生 じる ところの 「聴覚障 害
」
,「視覚障害」 も今回の研究対象 とは一応区別 した 。 (JL・) ス トレス ここで言 うス トレス(stress)とい う概念は,精 神分析学 のそれ とはやや異な り,一般的 に使用 さ れている意 味でのス トレスである。 また,必ず し も心理的 レベルの ものに限定 しなか った0本研究 が社会学的 な研究をめざしている以上, こうした 定義 をせ ざるを得 なかった。 ここで扱 うス トレスの種類 は,Ha
l
l
W
, T (50)の 「familyinteraction」 と「familytransaction」 の概念を利用 し,前記3研究によるス トレスの困 子分折結果 よ り得た ものを若干修正 して決定 され た 。 以上の理論的枠組を図に したのがFig. 8であ る。今回の分析では, ス トレスの規定要因 として この図の 「I規定」の枠 内の (A)親類の援助, (B) 障害児の ケ7-について,夫の妻への理解,(C) 夫婦 の価値観の一致,(
D)
家族の結束度等 に限定 して, ス トレスの差異を検討す る。 外国の家族 の文化的背景 と異 なるわが国の家族 の文化的背景を考慮す る意味で,保健婦27
名 に よ り,障害児家族のス トレスの規定要因を評価 し て もらった。障害児が誕生す る前 と後の家族状況 を実際に多 く知 っている専門家は保健婦以外には いないであろ う。こうして得た結果は,Table2に 示 されてい る。 この表 によれば,今まで述べて き た理論的枠組 と相違す るところはほとん どない。 Fig. 8は このTable2の結果を充分 に反映 して 作成 された。 (2) 対 象 対 象家族 は肢体不 自由児 ・老家族 と精神薄 弱 児 ・老家族 であ る。家族数は70であるが,本論 文執筆中に60家族の回答が届いたので,一部の 分析 には130家族のデーターを使用 している。 70家族であ ったので,統計分析にはやや不充分 であ り,分析結果に無理のあるところがあったが, それについては適時 コメン トをしてい く。対象家 族 についての詳 しい フェース ・シー トはtable3 の通 りである。今回の分析対象家族 は長野県 と新 潟県に在住 しているため,一般的なサ ソプルの属 性 としては不十分であ り,やや偏 っている。次回 以降の分析結果では,都市部の家族 も含 まれ るの で,今回の結果を合わせて考慮す ることにす る。 (3) データの収集 1981年 の9月∼10月にかけて,長野県,漢 城県,新潟県に在住 し,肢体不 自由養護学校及び 精神薄弱養護学校に在籍の障害児 ・老 (寄宿生は 除外及び週に3回以上 自宅か ら通学す る児童 ・学 生に限定)を成員に持つ家族-各養護学校の クラ ス担当教官の手か ら質問紙が配布 された。回収 も 同様に して行われたO最終 ,I--ス数 は200ケー ス程度を 目標 としているが,今回は,一部 の分析 を除いて, 70家族 のデーターを分析 している.(
4
)
回答者 回答者 は,「夫婦間の価値観一致度」評価 につい ては,父親 と母親が行い,当該障害児の 「リノ、ど リテーシ ョソの効果」すなわち教育的達成度評価 については,各障害児の担任教官が行 っている。 他 のすべての評価 は母親が行 ってい る。 (5) 質問紙の構成 とスコア リング 質問紙 は, フェ-ス ・シー ト部分, ス トレス規 定要因の部分及 びス トレスを測定す る部分の三分 野 に分け られ,各質問の順序 はバ ラバ ラに並べ ら れた。 (イ) ス トレス規定要因 フェース ・シー トが もつ規定要因 (例 えは親の 平均年令な ど)の他 に,「免疫性」測定3項 目,「親 類の援助」測定1項 目,「結束度」測定6項 目,「夫 の妻への理解」 1
項 目,「パーソナ リテ ィ」(母親 のみ)27項 目,
「価値観」1項 目か ら構成 されて いる。「免疫性」は,障害児が誕生す る以前の,障 害 についての知識,障害児 ・者の接触経験,重大 な問題 の経験 につ いて,い くつ かの回答 カテ ゴ リーを選 ばせ,各項 目0点か ら3点が与 えられた。-7
7
-Table3対象者の フェイス ・シー ト Table3-1両親の平均年令 年 齢 人 数 年 齢 人 数 31 1 41.5 1 32.5 4 42 2 33.5 3 42.5 3 34 1 43 3 34.5 2 44.5 1 35 2 45.5 4 36.5 1 46 2■ 37 4 47 1 37.5 3 47.5 2 38 2 48 3 38.5 5 48.5 1 39 3 50 2 39.5 4 52.5 1 40 2 55.5 1 40.5 1 57 1 Table3-2 家族構造 家 族 数 核 家 族 45 大 家 族 25 兄 弟 有 り 53 兄 弟 無 し 17 Table3-3 父親の最終学校 最 終 学 校 人 数 小 学 校
0
中 学 校 23 高 校 35 大 学 6 そ の 他 6 Table3-4 障害児の学年 学 年 人 数 小 学 校 1年 14 2 13 3 8 4 5 5 3 6 4 中 学 校 1年 4 2 8 3 5 高 校 1年0
20
3 3 Table3-5 住居形式 種類
家 族 数 一 軒 家一持 家 50 - 軒 家 借 屋 10 ア パ ー ト持 家 1 ア パ - ト借 屋 8 Table3-6 障書の事呈度 手 帳 の 級 人 数 5 級 1 4 1′0
3 〝 2 2 l′ 14 l ∫′ 31 A 4 A 3 AA 1 AA 2 A(A) 4 B 4 BZ 2 -78-Table3- 7 生活水準 生 活 水 準 家 族 数 上 1 中 上 5 中 中 42 中 下 14 下 5 Table3- 8 障害のタイプ 人 数 脳 性 マ ヒ 24 ダ ウ ン 症 12 肢 体 不 自 由 16 精 神 薄
弱
33 分 脊 椎 1 重 度 心 身 障 害 3 先 天 性 魚 鱗 東 棟 紅 皮 症 1 水 頭 症 1 脳血管障害による手足のマ ヒ 1 Table3- 9 健康保険の種類 種 類 家 族 数 国 民 健 康 保 険 28 共 済 保 険 12 組 合 保 険 19 Table3-10 随伴障書 人 数 言 語 障 害 37 心 臓 2 て ん か ん 12 多 動 1 ダ ウ ン 症 1 視 覚 障 害 5 -腎 臓 障 害 1 聴 覚 障 害 3 白 内 障 1 内 部 障 害 1 「親類 の援助」 と 「夫 の妻へ の理解」 は 0点 か1 点 もし くは 0点 か ら3点が与 えられた.「パ ー ソナ リテ ィ」の各項 目は,全 て3カテ ゴ リーか ら成 り, 0点か ら2点 が与 え られた. パ ー ソナ T)テ ィ検査(
Y-G
検査)は「社会的外 ・内向性」
,
「抑 うつ性」 及 び 「のん き」 の三特性 につ いてのみ行われ,各9
項 目を有 してい る。 「価値観」 の一致度 は,
「家 族 の幸福 に とって重要 と思われ る」項 目12
個 を 重要度順 に夫 と妻 に順位づ けを させ, ス ピアマ ン の順位相関係数 を ス コア として利用 した。 (∩)ス トレスの測定 ス トレス因子 は7個 あ る。母親 の心理 的反応 を 示す① 心理 ス トレスを測定す る項 目(混乱,悲観, 落胆,罪 の意識,不安, イライ ラ,恥 ) は5個 あ る。各項 目とも4カテ ゴ リーで, 0点 か ら3点が 与 えられ てい る。② 内部役割 ス トレスを測定す る 項 目 (健康,疲労,役割の代行,夫婦 間役割,子 供 の ケア,親 一子 関係) は6個 あ り,主 に 4カテ ゴ リーか ら成 り, 0点 か ら1点 もし くは 0点 か ら 3点 が与 え られ てい る。(卦外部 活動 ス トレスは, 「親 の社会参加」 と 「レジ ャー ・レク レーシ ョン 回数」 を聞 く項 目2個 か ら成 り, 0点 か ら3点が 与 え られ ている。④外部対人 ス トレスは,「偏見 」 を測定す る項 目1個 で, 0点か ら3点 のス コアが 与 え られ てい る。G)外部移動 ス トレスは,
「親 の引 越 し,転勤,転職, 出張,夜勤拒否 な ど」 をみ る 項 目1個 を持 ち, 0点 か1点 の ス コア とな る。⑥ 経済 ス トレスは1個 の項 目を看 し「教育費」や 「義一7
9-育費」の負担感で測定 し, 0点か ら3点のスコア となる.(診総合 ス トレスは6田子の中心的 な位置 にある因子であ る。「遺伝 についての夫婦間や祖父 母問の疑惑
」
,「家庭 の危機」
,「崩壊の危琉」
,「総 合的な母親の対外行動」 な どを測定する5個の項 目か らな り, 0点か 1点 もしくは 0点か ら3点が 与 えられている。 さらに,前回の研究で測定が困 難であった ものについては,「文章完成法 テス ト」 で補強 した。 これ らは,「夫婦間の役割」によるス トレスを測定す る項 目3個,母 一子関係によるス トレスの項 目2
個,
「偏見」によるス トレスの項 目 3個,母親の 「受容」 を測 る 2項 目である。質問 方法 は,例 えは,、、障害の子供 を連れて外出す ると, 人 々は 。〟とい う質問の下 線上 に, 自由な文章 を書かせ るものである。 この 文章完成法 テ ス トのス コアは, ポ ジテ ィブ及 び ニュー トラル と判定 されれば 0点,ネガテ ィブと 判定 されれば1
点が与 えられた。 このスコアは, 各 々,帰属すべ き6個 のス トレス田子に追加 され た。 兄弟姉妹に関す るス トレスは,3
個の項 目か ら 測定 され,「子供の コ ミュニテ ィか らの影響(ケン カ,引込思案な ど)
」
,「親 一子関係 (関心を引 く, 甘 えるな ど)」及び 「兄弟姉妹のニー ドの充足」を 表わ している。 さらに,各発達段階にある家族の 過去1
年間で障害児に関す る重大 な問題を重大 さ の順 に3個, 自由に書かせ る項 目がひとつある。 各因子のス コアは,各項 目数で除 して,その平 均値で表わ したが,計算上便宜を図 って,10倍 も しくは100倍 した値で分析 した。 また,回答 して いない項 目がある場合 はその項 目の数だけ少 くし た項 目数で平均値 を出 した。Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ 分析 と結果
(1) 家族発達段階 Fig. 9は, 6才か ら17才の障害児 ・者 を持つ 家族 の 「過去一年間に障害児 ・者に関す る重大な 問題」をその重大 さの順 に1番か ら3番 まで質問 した結果 か ら作成 された。 データーは,Reynell (Fig. 7)の① か ら⑦ までの分析に従 って分けら れた。上段の1,2,3, は問題の重大 さの順位を 表わす。各年令段階の家族数 にかな りの差がある ので表 の数字 をそのまま各年令別 に比較 しない方 が よいであろ う。各年令内 (縦 の二重線内)で① か ら(診までを比較す ると, 6才∼ 7才では,(卦の 「入院,医学的 ケア」が重大 な問題 として回答 さ れ る頻度が大 きい。次いで,⑤ の「他人-の依存」 と⑥ の 「教育,職業」である。 8才∼10才で も6 才∼7
才 とほぼ同 じ傾向が見 られ るが,③ の 「活 動の制限」がかな り重大 な問題 となって現われ る。1
1才では,③ の 「活動の制限」の他に新たに④ の 「社会的関係」が現われて くる。 この 「社会的関 係」は1
2
才∼1
3
才で さらに顕著になっ.{現われ,1
4
才で も比較的重大 な もの となってい る。 これ は,子供 の成長 につれ,その子供の社会的関係が 増大 して くることを反映 している。逆 に,「入院, 医学的 ケア」 は年令 とともに重大 さは減少 して く る。比較的に年令にかかわ りな く,大 きな位置を 占めているのが 「教育,職業」である。 これは, 「教育」 と 「職業」 を分けて考 えるべ きである。 この表 の年令をこの よ うに分類 した意図 もここに ある。つ ま り小学部6年,中等部3年,高等部3 年の各年令段階 は,進学 と就職の問題が重大にな るであろ うと予想 したか らである。従 って,1
2
才∼1
3
才 までの「教育,職業」の重大 さは,主に「教 育」であ り,15才∼16才 と17才では主 に 「就職」 となる.(丑の 「自己意識」とはこの図では,「身辺 自立」や 「基本的生活習慣」「対人関係」「性格」 などを意味 しているので,年少のグループに現わ れている。① の 「親の反応」 とは,「悲 しみ」「怒 り」「失望」といった心理的反応を指すが,これは, 一般 に障害児誕生後の短期間に最大 とな り,以後 除 々に減少す るので, 6才以降であれは,図のよ うになるのは当然 と考 えられ る。 このFig. 9と ReyneHのFig.7を比べ ると,「親の反応」「入院, 医学的 ケア」「教育,職業」についてはかな り類似 した傾向が認め られ,「社会的関係」についてはや や似た傾向が認め られ る。他 は全 く似ていない。 Table4,Table5,及 びTable6は,この2つ の図を統計的に検定 した結果である。相当年令の 若干のズレはそれ程問題ではないであろ うが,栄 国 と日本の教育制度の違 いは考慮 に入れるべ きで あろ う。結果 として,いづれ も有意 な関係は認め られなかった。 1, 2, 3と1番, 2番, 3番を 種 々に組み変 えてみたがいづれ も有意 な関係は認-8
0
-Fig.9 7年齢階級別、 7項 目別 ス トレス源(3段階の重大 さ別)の 出現頻度
ス
レ
ト
ス
源
項
目
重大 さの順位 〟 〟 〟 〟 〟 〟 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 ① 親 の 反 応 m1w
1w
∩2E
7
7
12
芳一 r711 FT「2 「「1「「
1 「「1 「12 「「1 ② 会 学 監 ケ ;∩
5
∩
3 顔._「712 「2「 「2「 「'「1r
l
3「
1
「
EZm1 「2「 「 「1 「「2 占 @ 活 動 の制 限 ∩3「
七
冒
4
∩
4
材2 「2「 E7777177[ a++vy1 m1 F777)1 E77m1 rT ■1「 Pフワ7 71コ 6才 ∼ 7才 8才∼ 10才 11才 12才-13才 14才 15才-16才 17才 ④ 社 会 的 関 係,
i
∩4 肋2陽
2ヨ P77177R 材2 「▼■1■■ー▼1冒
32
m+
2 日4 r777717I ri l 「1■「 ⑤ 他人への依存∩
4あ
∩
3 F27]
∩
4 F7771】 「【■1「閉
3 FTー2 F7712 P7m1 ⑥ 教 育 .職 業6
∩
4
rア】2円
3∩
5∩
3r
▼
■
1■
つ 1「■'▼「 「「2 耕2「
3「 r7777)1 「31 「「2∩
4
,M n ,1 橋本 1981Tab一e4 橋本のデータによる ReynelIモデルの検証 2
-
□
3
-□
Reynell:57-10才 橋 本 ・ 6 歳-10
歳 橋 本 ・ 11 歳1
13
歳R
e
y
- (⑧ ④2 ) 3 計n
e
ll (①②⑤橋
本 ⑥⑦ ) 2 番 10 31 41 3 番 7 20 27 計 17 51 68x
2 =0.020 Notsig . TabTe5.讐至聖 霊 による 1-⊂
コ
Reynellモデルの検証 2-□
Reyh。11‥10- 15才3
-□
R
eynell 橋本 (④1) (㊨ ,⑦2) ((⑤ ⑥)丑(3診計
1番 7 3 ll 21 2番 4 4 8 16 3番 4 2 8 14 計 15 9 27 51x
2 -1・007 Notslg Tab一e6 橋本 のデータによる Reynellモデルの検証トロ
2-□
3
-⊂
]
ReyneH :15才- 18才 橋 本 ・ 14 歳 1 17 歳 Reynell 橋本 (⑥ ⑦) (⑧ ④1 ① ⑤)2 (②)3 計 1番 9 2 3 14 2番 4 1 4 9 3番 4 1 1 6 計 17 4 8 29x
2-0.358 Notslg 注:Nが 小 さいセルが あるので、 2と3及び2番 3番 を合せ て検定 した - 82-め られ なか った。従 ってReynellのモデルは棄却 せね ばな らない。(
2
)
ス トレスの変化パ ター ンによ る家族発達段 脂 Fig.10は,7個 の ス トレス因子及 びそれ らの合 計 が6
年 令段 階 で変 化 す るパ ターンを示 してい る。Fig.9の 7年 令段階 を 6年 令段 階 に した。高 等部 の学 生 の家族 が少 ないので,15才 か ら 17才 までを一段 階 にま とめ たためであ る。 7
個 のス ト レス因子 それぞれの ス コアを算出 した項 目数 がか な り相違 し, また カテ ゴ リーの数 も若干相違 して い るので, 7
個 の ス トレス田子間 で ス トレスの大 きさを比較す る ことはで きない。 ここで は,個 々 の ス トレス因子 の6年令段階 の変化 が問題 とされ る。 つ ま り, これ らパ ターンが本 当に変化 してい ると言 えるのか ど うかが問題 とな る。Table7か らTable14は,その分散分析 の結果 を(ANOVA を使用)示 してい る。Table7で は,
「心理 ス トレ ス」のMAIN EFFECT(主効果)はF-0.718で, SIGNIF(有意 水準)は0.612であ るか ら, この変 化 バ ク- ソは 変 化 を示 して い る とは言 えな い。 Table8で は,
「内 部 役 割 ス トレ ス」 のMAIN EFFECT は F-2.709で SIGNIFは 0.028で あ るので, かな り高水準 で 「変化」を保証 してい る。 Table9では 「外部活動 ス トレス」がお よそ 10% 水準で
「変化」が認 め られ てい る。TablelOでは 「外部対 人 ス トレス」が15%水準 で認め られ てい る.Tablellでは 「外部移動 ス トレス」の 「変化」 は認め られ ない。 同 じ く,
「経 済 ス トレス」も変化 を示 していない(Table12)0「総合 ス トレス」は 0.
074の水準 で変化 を認 め得 る。 これ ら 7個 の ス ト レスの合計, つ ま り一般的 にス トレス と考 え られ てい る ものは0.061の水準 で有意 な変化 を示 して い る。 さて, 当初 に も断わ っておいた よ うに, い くつ かの年 令段階 の家族数 が少 ないので これ ら7 個 の 「変化」 パ ターンが偶然で はな く,
「一般的」 であ る とす るには早急 であ る。 も う少 し, デ ー タ を追加 した後 の分析結果 の際 に, この 「一般化」 につ いて報告す る。 7
個 のス トレス因子 の うち, 「総合 ス トレス」 は一般的 ス トレスの結 果生 じる 家族 の状態 を最 もよ く表わ してい る。これ は,
「家 族 に危枚 があ ったか ど うか」
,
「遺伝 に よる疑惑」,「家族 の結 束」 な どの質問の結果 による。 この変 化/くターンを見 ると,年令段階が進むにつれてそ のス トレスの大 きさは減少す る。大 まか に言 えば, 「経済 ス トレス」 を除いて,他の因子 のス トレス も年 令段階 が進むにつれ てそのス トレスの大 きさ は減少す る傾 向にある。ただ し,12才∼13才の年 令段階で一 度上昇す るが,これ は前述 した よ うに, 家族数 を増 加 させ るともっと低 いス コアになる こ とが予想 され るので, この時期の結果 は一般的 な 現象 とは断 言 しに くい。「合計 ス トレス」が12才 Rg.10 7ス トレス国子及び合計ス トレスによる豪 族 発達 こ こ 心 理 ス トレス 〇一一・・勺 円部役割 ストレス ま ま 列 車活動 ストレス
一
一
一
● タI笥i対 人 ストレス 01---C 外 部移動 ストレス ▲ -1▲ 揮 済 ス トレス ◎-.--1⑳ 総 合 ス トレ ス ◎ 一日◎ 合 計 ス トレス EFi S ; ER 52 51 5 ; 屯 41 40 詔 詣 37 溺 Eq 別 R 32 31 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ス ト レ ス の 大 き さ Table7Fig.9の心理ストレスに関する分散分析表 SOURCEOFVARIATION SSQUARUMOF
E
S
F ASQUARE FーⅠEAN ■SIGNIF MAⅠNEFFECTS 99.18 5 19.8370.718 0ー612 発 達 段 階 99.18 5 19.8370.718 0.612 EXPLAⅠNED 99.18 5 19.8370.718 0.612 RESIDUAL 1685.31 61 27.628 鳳、
/I'l
l
、適◎、
1 2 3 4 5 6 6才∼ 7才 8才-10才1
1
才
12才-13才 14才 15才L17才 (N-27) (N-16)(
N-4)
(N -12) (N-5) (N -3) 橋本 1981-8
3
-T
a
l)
l
e8F
i
g
.
9
の内部役割ストレスに関する分散分析表SOURCEOF StJAⅠOF F AIEAN ど SIGNIF VARIATION SQIJARE
S
QUAREMAⅠN EFFECTS. 148.3285 29.66 2.709 0.028 発 達 段 階 148.32 5 29.66 2.709 0.028 EXPLAⅠNED 148.32 5 29.66 2.709 0.028 RESⅠDUAL 667.93 61 10.95
T
a
b
l
e
9 Fig.9の外部活動ストレスに関する分散分析表 SOURCEOFVARIATION SQUARESUA10FS
F
撞E
A
A
R
"
F SIGNIF MAⅠN EFFECTS 681.17 5 136.23 2.007 0.090 発 達 段 階 681.17 5 136ー23 2.007 0.090 EXPLAⅠNED 681.1785 136_23 2.007 0.090 RESⅠDUAL 4071.81860 67.864T
a
b
l
e
10F
i
g
.
9
の外部対人ストレスに関する分散分析表SOURCEOF SUAIOF DF A
I
E
AN F SIGNIF VARⅠATⅠ0Ⅳ SQUARES QUAR
EMAIN EFFECTS 167.93 5 33.58句I.700 0.148 発 達 段 階 167.93 5 33.58q1.700 0.148 EXPLAⅠNED 167.93 5 33.58 1.700 0.148 RESⅠDUAL 1205.16d61 19.75
T
a
b
l
el
lFig・9の外部移動… に関する分散分析表 SOURCEOFVARIATION ssQUUAiROEFs聖DF AQtIJEANAR F SⅠGNIF MAⅠN EFFECTS 53.66 5 10.73 0.756 0.585 発 達 段 階 53.66 5 10.73 0.756 0.585 EXPLAⅠNED 53.66 5 10.73 0.756 0.585 RESIDUAL 865.73461 14.19
T
a
b
l
e
12 Fig.9の経済ストレスに関する分散分析表SOURCEOF SUMOF DF MEAN F SⅠGNⅠF VARIATION SQUARES SQUARE
MAⅠN EFFECTS 152.1845 30.4370.392 0.852 発 達 段 階 152.1845 30.43 0.392 0.852 EXPLAINED 152.18 5 30.43 0,392 0.852 RESIDUAL 4735.91 61 77.63司 TOTAL 4888.105l66 74.062
T
a
l)
l
e
13F
i
g
.
9
の結合ストレスに関する分散分析表SOURCEOF SUA10F F 九lEAN F SIGNIF VARIATION SQUARE
S
SQUAREMAⅠN EFFECTS 140.70 5 28.1412.131 0.074 発 達 段 階 140.70 5 28.141l2.131 0.074 EXPLAⅠNED 140.70 5 28.1412.131 0.074 RESIDUAL 805.41 61 13.20
T
a
b
l
e
14 Fig.9の合計ストレスに関する分散分析表SOURCEOF SUAlOF DFsQAiEAAR"E F StGNtF VARIATION SQUARES
MAⅠN EFFECTS 5159.96 5 031.99 2.244 0.061 発 達 段 階 5159.9615 031⊥99 2.244 0.061 EXPLAⅠNED 5159.9615 031ー99 2.244 0.061 RESⅠDUAL 27598.53 60 459.97 ∼ 13才で とびぬ けて大 きい ことも同様 の理 由で 一般的 とは言い難い。 2, 3の家族 の高いス コア に影響 されてい る。
(
3
)
ス トレスの規定要 因分析 障害児家族 のス トレスの規定要因の うち了夫 の 理解」
,
「家族 の結束度」,
「夫婦 の価値観 の一致度」 及 び 「親類の援助」につ いて分析 した。 これ ら4 要 因 の ス コアに低得点 を示 した グル ープ (Aグ ループ)と高得点 を示 した グループ(Bグループ) の2
グループを各4
要因 ご とに準備 し, この2
グ ループ間 で7
個 の ス トレス の大 きさの差異 を見 た。 2
グ/レープは,全体 ケース数 が少 ないので, で きるだけ家族数 に差がつ かない よ うに メデ ィア ンに近 い値で二分 された。 Fig.11か らFig.14は これ ら4要因 と7
個 のス トレスの大 きさとの関係 を示 している。斜線のグ ラフは, 4要因の低得点 の グループ(A グル-プ) のス トレスの大 きさ (平均値) を表わ し,斜線の ないグラフは高得点 グル ー プ (Bグル ープ)のス トレスの大 きさ (平均値)を表わす。Ta
bl
e1
5
か らTa
bl
e
18は,各4
要因 にお ける平均値 の差の検 定 (t検定)の結果を示 している。F
検定の結果, 有意差 を示 した ス トレス因子 については,Welch 法 による t検定結果 (☆ 印) を示 してあ る。-84-Fig.l
l
「夫の理解」の高・低得点 グループ間の ス ト レスの相違 0 B.0 A.G B.0 A.0 合 計 ス ト レ ス -8 本 橋 組 合 ス ト レ ス 経 済 ス ト レ ス A . 0 帽.
0A
外部
移動
ス ト レ ス 8 5Fig.12「家族結束度」の高・低得点 グループ間のス トレスの相違
ス
ト
レ
ス
の
大
き
さ
8 6Fig.13
r
夫婦価値観の一致度」の高・低得点 グル ー プ間のス トレスの相違ス
ト
レ
ス
の
大
き
さ
0 A.0 B.0 A.0 B.0 A.G A.0 外 部 移 動 ス ト レ ス 経 総 済 合 ス ス ト ト レ レ ス ス .0 B 0 A 合 計 ス ト レ ス 橋本1981 87Fig.14 「親類援助」の高・低得点 グル-プ間のス ト レスの相違 B.0 A.0 B.0 A.O B.O A.0 B.0 A.G B.0 A.0 上1.0 A.0 B.0 A.0 B.0 合 計 ス ト レ ス 98 本 橋 総 合 ス ト レ ス 経 済 ス ト レ ス 外 部 移 動 ス ト レ ス 外 部 対 人 ス ト レ ス 外 部 活 動 ス ト レ ス 内 部 役 割 ス ト レ ス 心 理 ス ト レ ス A.0
(1) 「夫 の 理解
」
Fig.11を見 る と,「経済 ス トレス」を除 く6ス トレス因子 及 び 「合計 ス トレス」 に関 して,B
グ ル ー プ,す なわ ち 「夫 の理 解」 の高 い グル ー プがA
グル ープ, す なわ ち 「夫 の理解」 の低 い グル ー プ よ りもス トレスの大 き さを低 く示 す 傾 向 に あ る。Table15に よれ ば, これ ら差 を示 す ス トレス の うち,
「内 部役 割 ス トレス」,
「外 部 対 人 ス トレ ス」,
「総合 ス トレス」 及 び 「合計 ス トレス」 が そ れ ぞれ, お よそ4%, 8%, 2%,12%の水 準 で 有意 な差 を示 してい る。 (∩) 家族 結 束度 Fig.12を見 る と,
「心理 ス トレス」と 「経 済 ス トレス」 を除 く5ス トレス因子及 び 「合 計 ス トレ ス」に関 して,B
グル ープはA
グル - プよ りも低 い ス トレス を示 す傾 向にあ る。Table16の検 定結 果 で は,
「内部役 割 ス トレス」につ いて若 干有 意 差 (15%)が 認 め られ る ものの,
「総合 ス トレス」以 外 につ いて は全 く有 意差 は認 め られ ない。「総合 ス トレス」 につ い て0.5%の高 水準 で有 意 差 を示 し Table15 Fig.11の検定結果 てい る。 これ は,
「総合 ス トレス」を構 成 してい る 要 素 が 「家族結 束度」 を構成 してい る要 素 と本 質 的 に似 てい る ところが あ るか らであ る。 しか し,全 体 的 に見 て,
「家族 結束度 」はそれ程 有 力 な要 田で はな さそ うであ る。 (,う 「夫婦価値 観 の一致度」 Fig.13に よる と,Bグル -プが Aグル ー プよ りも低 い ス トレスを示 す の は,
「心理 ス トレス」と 「経 済 ス トレス」で あ るが,Table17に よる と「心 理 ス トレス」 で若 干有意 差 (15%)を示 してい る ぐらいであ り, ス トレスの規定要 因 として は, こ の要 因 は全 く作 用 して い ない。 (⇒ 「親類 援助」
Fig.14で は,
B
グル ー プは全 ての ス トレス因子 につ いて,A
グル ープ よ りも低 い ス トレスを示 し てい る。Table18に よる と,「内部役 割 ス トレス」 と 「外部対 人 ス トレス」 につ い て は若 干有意差 が 認 め られ るが,
「外 部移 動 ス トレス」につ いては有 意 差 は認 め られ ない。 しか し, その他 の ス トレス につ い て は全 てか な りの高水準 で有意 差 が認 め ら ス トレス項 目 グループ 平均値 標偏差値準 F 値 有 意水 準F 値 t 値 自由度 有意水 準t 値 心 理 ス ト レ ス Aグループ 9ー5 4.5 1.44 0ー331 1.04 68 0.304 Bグループ 8.2 5.4 内部役
割ス トレス Aグループ 8.1 3.2 1ー15 0.720 2.07 68 0.042 Bグループ 6.4 3_4 外部活動ス トレス Aブル-7 8.5 7.8 1.30 0.484 0_54 67 0.590 Bグループ 7.3 8.9 外部対人ス トレス Aグループ 5.5 4.2 1.13 0.755 1.78 68 0.079 Bグループ 3.5 4.5 外部移動 ス トレス ABグル-70グループ 1.1.83 3.3_59 1.27 0.474 0.50 68 0_616】 経 済 ス ト レ ス ABグループグループ 5.7.62 8_8.82 1ー15 0.664 -0.76 68 0.452l 総 合 ス ト レ ス ABグループグループ 3.1_55 4二2.68 3.38 0.000 2ー04 35.78 0.02☆3 合 計 ス ト レ ス Aグループ 43.0 17.4 1.96 0.073 1.69 66.17 0.12☆
1 注 :☆印は、Welch法 を使用-89-Table16 Fig .12の検定結果 ス トレス項 目 グルー 70 平均値 標偏差値堆 F 値 有意水準F 値
「
値 自由度 有意水準t 値 心 理 ス ト レ ス ABグルー プグルー70 8.9.21 5.5.22 1.ll 0.752 -0.72 68 0.472ll 内部役割 ス トレス ABグルー プ 7.8 3.5 1.13 0.714 1.45 68 0.152 グルー プ 6.6 3.4 外部活動 ス トレス Aグルー プ 8.7 8.7 1.12 0.731 0.75 67 0.458 Bグループ 7.1 8.2 外部対人ス トレス ABグルー プ 4.5 5.0 1.45 0.278 0.37 68 0.715 グルー プ 4.1 4.1 外部移動 ス トレス Aグルー プ 1.7 3.9 1.21 0.566 0.40 68 0.693 Bグルー 70 1.4 3ー5 経 済 ス ト レ ス Aグルー プ 5.7 8.3 1.08 0.850 0.65 68 0.516 Bグルー70 7.1 8.6 総 合 ス ト レ ス Aグルー プ 4.1 5.0 8.63 0.000 2.99 31,2 1lI 0.00☆5 Bグルー プ 1.1 1.7 合 計 ス ト レ ス Aグルー 70 40.8 26ー3 1.95 0.053 0.88 45.44 0.38☆3 注 :☆印は、 Welch法 を使用 Table17 Fig.13の検定結果 ス トレス項 目 グルー 70 平均値 標偏差値準 F 値 有意水準F 値 t 値 自由度 有意水準t 値 心 理 ス ト レ ス Aグルー 70 9.3 4.8 1.05 0.891 1.46 51 0.152l Bグルー プ 7.3 4.9 内部役割 ス トレス Aグルー プ 7.0 3.2 1.35 0.451 -0.03 51 0.974 Bグルー70 7.0 3.7 外部活動 ス トレス Aグループ 7.1 8.7 1.15 0.732 -0.80 51 0.430 Bグルー プ 9.0 8.1 外部対人ス トレス Aグループ 4.2 5.3 1.53 0.294 -0.38 51 0.703 Bグループ 4.8 4.3 外部移動 ス トレス Aグループ 1.7 3.9 1.25 0.573 -0.54 51 0.590 Bグループ 2.4 4.3 経 済 ス ト レ ス Aグルー プ 7.1 8.1 1.13 0.772 0.67 51 0.503 Bグルー プ 5.6 7.6 総 合 ス ト レ ス Aグルー プ 2.2 2.9 1.57 0.260 0.45 51 0.656 Bグルー プ 1.8 3.6 A 計 ス ト レ ス Aグルー プ 38.2 25.2 1.41 0.403 0.ll 51 0.916ー90-Table18 Fig.14の検定結果 ス トレス項 目 グループ 平均値 偏差値標 準 F 値 有意水準F 値 t 値 自由度 有意水準t 値 心 理 ス ト レ ス Aブル--7 10.7 5.4 1ー28 0ー485 1.75 66 0.084 Bグループ 8.3 4.7 内部役割ス トレス ABグルー70グループ 8.6.47 4.2.85 2.51 0.012 1.46 22.06 0.16☆0 外部活動 ス トレス Aグループ 11一.6 9.3 1_61 0_196 2.48 65 0.016 Bグループ 6.2 7.3 外部対人ス トレス ABグループグループ 5.3.89 4.4.52 1.12 0.824 1.55 66 0.125lII 外部移動ス トレス Aブル-7 2.2 4.2 1.49 0.277 0.80 66 0_424 Bブル-7 1.4 3.5 経 済 ス ト レ ス Aグループ 9.4 9.3 1.64 0.181 1.95 66 0.005 Bグループ 5.2 7.3 総 合 ス ト レ ス ABグルー70グループ 5.1.33 5ー1.79 ll.8 0.000 2.86 18.05 0ー01☆0 合 計 ス ト レ ス AP.Jt'-70 52.4 27.2 2_58 0_010 2.90 22.04 0.00☆ l8 れ,「親類援助」の規定要 因 としての有効性 は高 い。 4要 因全 てについて言 えることは,前述 した よ うに
,
「総合 ス トレス」は最 もよ く家族のス トレス を表わ してい るので,
「夫婦価値観の一致度」以外 は全 て高い水準で有意差 を示 している。 しか し, Table15か らTable18の うち,平均値 よ りも標 準偏差値 の ほ うが大 き くなるス トレス因子がい く つかあ り, サ ンプ リングとしての適切 さに欠 けて い る場合がい くつかあ るので, これを差 し引いて 考慮 しなけれ ばな らない。 なお,統計的解析 にあた っては,長野大学 コン ピューター,NEACシ ステ ムM100-80ⅠⅠ及 び 筑波大学 コンピューター,FacomシステムMIOO を使用 した。I
V
考
察
ここで行われた分析 の結果 について,全 てに注 意すべ きことは,家族数が70で少 いので,た とえ 統計上 の有意 な関係が認め られて も,結論 として 受 け入れ るには早急であ るとい うことであ る。 し か し,おお まかな傾 向 としては認め得 る結果がか 注 :☆印は、Welch法 を使用 な りあ った。つ ま り,年令段階 による発達段階に ついて,何が ス トレス源 となってい るか, 7個 の ス トレス田子 の変化パ ターンの うち,「心理 ス トレ ス」,
「外部移動 ス トレス」,
「経済 ス トレス」 を除 くス トレス国子の変化/くタ-ソが一般的であるこ と,及 び 「家族結束度」と 「夫婦価値観 の一致度」 の一部 を含め,
「夫 の理解」,
「親類援助」が ス トレ スの規定要 田 として有効であ ること等であ る。Re
y
n
e
llのモデルの適切 さを検証 す るには,令 家族が示 した「重大 なこと」がRe
y
n
e
11の① か ら⑥ の分類 に どう配分 され るかに依存 してい る。例 え は,
「訓練」とい う回答の場合,Re
y
n
e
llの どの分 類 に入れ るか非常 に難 しい。
x
2検定 ではいずれの 年 令段階に も有意 な関係 は認め られ なか った もの の,Re
y
n
e
llのモデルを全 く無視す るわ けにはい かない。 この点 については, さらにケース数を増 加 させ て検討 した結果再考す る。同 じく,
「変化パ ターン」 について も再考す る。4
要 因に よるス トレスの差 は,標準偏差が大 き か ったにせ よ,筆者 の推測ではほぼ一般的 な傾 向 を示 してい ると解釈す る。 -911Ⅴ
結
論
1,初期 の頃 のス トレス源 は,主 に医学的及 び 教育的 に関係す る問題が多 く,その後 は,社 会的関係や就職 に関す る問題が多 くなる。 ま た,7
個のス トレス因子で は,「心理 ス トレス」 と 「外部 ス トレス」以外 のス トレス因子 は, お よそ年 令 段 階 につれ て減少 す る傾 向 にあ る。 2,4個 のス トレス規定要因の うち,「夫婦価値 観 の一致度」 はほ とん どス トレスの大 きさを 規定 してい ない。他 の3個 のス小 レス規定要 因は,7
個 のス トレス因子 の うち,お よそ「経 済 ス トレス」 に対 しては有効性 を示 していな いが,
「親類援助」の規定要 因 は, これ も含め て全 てのス トレス田子 に きわめて有効 な要因 となってい る。 「総合 ス トレス」 については, このス トレス が一般 的 な ス トレスを よ く表 現 してい るの で,各規定要因に対 して最 も高 い水準で有意 差 を示 している。 付記 本調査 に御協力 して下 さった養護学校 の先生方,障害児 家族 の御両親の方 々に心か ら感謝の意 を表 します。 参考 文 献 1) 橋本厚生 障害児家庭 のス トレスに関す る研究 -ス トレ-スの大 きさとその時問的推移お よび家庭屈性 と の 関 係-心 身 障 害 学 研 究 筑 波 大 学 心 身 障 害 学 系 1979 Vol, 3-2 2) 橋本厚生 障害児 を持つ家族のス トレスに関す る 社会学的研究 一肢体不 自由児を持つ家族 と精神薄弱児 を持つ家族 の比較 を通 して一特殊教育学 研究第17巻 第4号1980日本特殊教育学会 3) 橋本厚 生 障害児 を持 つ家族 の ス トレスにつ い て一障害 別比 較 を通 して一心 身 障 害 学 研 究 Vol, 4-2 1980筑波大学心身障害学系4) Wortis,HetalTheLifeExperienceofPersons withCerebralPalsy AmericanJoumalofPhysical Medicine1957pp328-344
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