Title
沖縄県公文書館における公文書等の受入業務
Author(s)
大城, 博光
Citation
沖縄県公文書館研究紀要 = OKINAWA PREFECTURAL
ARCHIVES BULLETIN OF STUDY(4): 23-31
Issue Date
2002-03-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/8142
沖縄県公文書館 における公文書等の受入業務
大城 博光 † は じめに 1 公文書等の引き渡 しと評価 ・選別業務 1-1 沖縄県か ら沖縄県公文書館への公文書等の引き渡 し 1-2 沖縄県公文書館 における評価 ・選別業務 2 コンピュータを用いた受入業務 の作業方法 おわ りに は じめに "物をその品質が損なわれないように保存 し、必要な時 に必要な物 を容易に取 り出せ るよ うに、所在 まで含めた索引を作成 し管理する。"これは、一般的な物の管理 において、共通 して言える ことである。 物の管理方法は、利用す る時の効率 に大き く影響す る。その為、索引の品質 (利用す る物の特定 Lや すさな ど)や所在 を特定す る物流管理の手法が重要 となる。 また、物 を管理す る上では、特定の基準 を満たす物だけを抽出す る工程が必要 となる場合があ り、その審査基準や方法は物 によ り異なる。公 文書館では、その物 に相 当す るのが公文書等であ り、保存す る物 を歴史的重要性で抽 出す る ことが 「 評価 ・選別 」となる。 沖縄県公文書館では、沖縄県か らの公文書等の受入 において次 に示す特徴的な物流管理手法 を用 い ている。 <沖縄県公文書館 における受入業務の特徴> 特徴① 評価 ・選別 を含めた資料管理 を効率的にす る為 に、保存対象外の公文書等 に対 し受入時に行 な う第一次選別。 特徴② 文書保存箱 と共 に引き渡 され る文書廃棄台帳デー タを利用 し、未整理 の公文書等 にお いて も、最小限の労力でアクセスを可能 にしている整理手法。 特徴③ バーコー ドとポータブルター ミナル 1を用 いたデータベース と公文書等の照合や所在管理作 業の簡素化 上記 した作業方法およびコンピュータによる自動化 された業務体系を本論で紹介す る。 †財団法人沖縄県文化振興会公文書管理部公文書専門員 l バー コー ドは、コンピュータのデータ認識方法 (0と 1の組み合わせ)に対応 し、記号 を白線 と黒線の組み合わせ で表現 しているOポータブル ター ミナルはバー コー ドを光学的 に読み取 り、そ の情報 を蓄積 ・処理 し、 コンピュー タ へ転送す る軽量型装置。1 公文書等 の引き渡 しと評価 ・選別業務 1-1 沖縄県 か ら沖縄県公文書館 へ の公文書等 の引き渡 し 平成 7年 の沖縄県公文書館 の開館 に伴 い 「沖縄県文書編集保存規程」 2が改正 され、これ まで保存期 間が満 了 し沖縄県 で廃棄 して いた公文書等が、沖縄県公文書館長へ 引き渡す ことにな った。 また、保 存 期間の定 めのなか った第 1種 文書 (長期保存文書) の保 存期 限 も20年 に定 め られた。 この改正 に よ り沖縄県 と沖縄県公文書館 との間 に公文書等 の規則的な物流 システムが確立 された といえる。 沖縄県 にて行 政的判 断 にお いて廃棄決定 され た公文書等 は、文書保存箱 に収め総務私学課 が管理す る文書保存管理室 に保存 されて いる。 公文書館 への引 き渡 し時 には、廃棄 決定 され た文書保存箱 の 目 録 とな る文書廃棄 台帳デー タ 3が提供 され る。 1-2 沖縄県 公文 書館 にお ける公文書等 の評価 ・選別 沖縄県公文書館で は、沖縄県 か ら引 き渡 され る公文書等 を利用者 の閲覧 に供す るまで に二段階の評 価 ・選別が行 なわれ る。 収集 しな い公文書等 を示 した 「沖縄県公文書館資料収集基準
」
4に もとづ き、総務私学課か ら提供 さ れ る文書廃棄 台帳デ ー タにて、沖縄県公文書館が受 け入れ る文書保存箱 を選別す るo これ を 「第一次 選別 」として いる。 また、第一次選別後 に文書保存管理室か ら移送 し、沖縄県公文書館 で受 け入れた 文書保存箱 は、 中間書庫 に配架 され る。そ こで簿 冊単位 の整理 (目録 の整備等) をす る際 に、歴 史的 重要性 にて保存対象 の簿冊 を選別す るの を 「第二次選別 」として いる。 また、第 1種文書 にお いては、 そ の行政的重要性 が歴 史的 に も重要性 が ある ことを考慮 し、選別 された もの として保存 され る。 (別添資料 1)沖縄県文書編集保存規程 (抜粋) (別添資料2)文書廃棄台帳データ (別添資料3)沖縄県公文書館資料収集基準 (抜粋)2 コンピュータを用いた受入業務の作業方法 沖縄県か らの公文書等の引き渡 し時における受入業務 の仕組み を、第一次選別か ら中間情報書庫へ の配架 までの業務 を、図1の 「ポータブルター ミナルの情報 による引渡 目録データベースの更新 」に 示すコンピュータ関連処理 を含め紹介する。 [公文書館での事前作業] ① 引渡 目録データベースの作成 総務私学課か ら引き渡 され る文書廃棄台帳データを当館 システムへイ ンポー トし、 引渡 目録 データベースを作成する。 また、その際に文書保存箱毎 に固有 の仮 コー ドが 自動採番 される。 ② 引渡 目録 リス トの印刷 引渡 目録データベースの情報が一覧 となって構成 され る引渡 目録 リス ト・C'を印刷す るQその引 渡 目録 リス トでは、仮 コー ドがバーコー ドラベル として出力され る。 ③ 第1次選別 この 「引渡 目録 リス ト」 に対 し、沖縄県公文書館資料収集基準 に基づき、収集の対象 となる文 書保存箱 を選別する。 (引渡 目録 リス トに記 しを付 ける。) ④ 引渡コー ドラベルの印刷 選別 した文書保存箱数 に相 当す る数の引渡コー ドのバー コー ドラベル を印刷す る。 [沖縄県庁内文書保存管理室での収集資料の特定作業] ⑤ 収集する文書保存箱の特定 文書保存管理室 において、 引渡 目録 リス トの保存期限、部課名、類名等 をもとに、 引渡 目録 リ ス ト上で選別 した文書保存箱 を特定 し、 引渡 コー ドラベル を貼付するO ⑥ 特定 した文書保存箱 と引渡 目録 リス トとの照合 ポータブルター ミナル を用 いて、引渡 目録 リス トの仮 コ- ドラベル と、対応する文書保存箱 に 貼付 された引渡 コー ドラベルを順 じ読み込み、引渡 目録 リス トと該 当す る文書保存箱 を関係づけ ていく。 [公文書館での収集資料の特定作業] ⑦ 引渡 目録データベースに対す る収集する文書保存箱の特定 ⑥のポータブルター ミナル にて読み込んだ引渡 目録 リス トの仮 コー ドと、 引渡 コー ドの情報 を 公文書館 システムへ取 り込む ことによ り、引渡 目録デー タベースの仮 コー ドが選別 された引渡 コー ドに変換 され、選別対象外のデータが削除される。 5 (別添資料4)引渡 目録 リス ト
[移送作業] ⑧ 移送 ・検査 配送業者 に委託 し、 引渡 コー ドラベルが貼付 された文書保存箱 を目印に、沖縄県公文書館へ移 送する。公文書館では移送 された文書保存箱の数及び引渡 コー ドラベル を確認する。 [公文書館での配架作業] (9 中間書庫への文書保存箱の配架 中間書庫 に文書保存箱 を配架す る。その際に、文書保存箱の引渡 コー ドラベル と書架 に貼付さ れている書架 コー ドラベル をポータブルター ミナル にて読み込み、文書保存箱 と書架を関連づけ る。 ⑩ ⑨ にて読み込んだ引渡 コー ドと書架 コー ドの情報 を公文書館 システムへ取 り込む ことによ り、 引渡 目録データベースに中間書庫 の所在情報が反映され る。 これ らの作業によ り、引き渡 された文書廃棄台帳のデータに、文書保存箱 に添付された引渡コー ド、及び所在 を示す中間書庫 の書架 コー ドが整備 された引渡 目録データベースが完成す るO これに よ り、データベースの構成要素 となる、部課名、所属年度、類名な どの情報 を指定することによ り、 中間書庫 に配架 された該当文書保存箱の所在が特定でき、利用が可能 になる。 さいごに ここで紹介 した受入業務は、公文書館 における業務 の効率化 を目的に検討 し、改善 してきた手法で ある。 しか しなが ら、引き渡 された公文書等 に対する業務の改善は、現状でいう公文書館業務の範囲 での効率化である。 「文書では じま り文書で終わる」といわれ る行政事務 において、その文書事務及び 管理 に費や される時間は膨大な ものである。 これが、公文書館業務の範中だけでな く、公文書の発生 段階か ら保存及び利用 に供 されるまで、統合的に改善することができれば、よ り大きな効率化 を実現 することができると考える。
図1 ポータブルターミナルの情報 による引渡 目録デ ータベースの更新 引渡 日録 デ ー タベ ース の情報 ((ら) 引渡 コー ド 目録 情報 所 在 コー ド 0000000051 類 名 1 0000000052 類 名2 0000000053 類 名3 0000000054 類 名4 仮 コー ド 引渡 コー ド 0000000051 2001-0001 0000000053 200ト0002 1 更 新 ポー タブル ター ミナ ルの情報 (㊨ ) 引渡 目録 デー タベ ースの情報 (⑦ ) 引渡 コー ド 目録情報 所 在 コー ド 2001-0001 類 名 1 上kコ=}-Irt ′少1- 日-2001-0002 類 名3 上Ltpご1-7J JヽrヽrLJ▲ 引渡 コー ド 所 在 コー ド 2001-0001 99-A-021 2001-0002 99-A-022 1 更 新 ポー タブル ター ミナ ルの情報 ((勤) 引渡 目録 デー タベ ースの情報 (⑲ ) 引渡 コー ド 目録情報 (類 名等) 所 在 コー ド 200ト0001 類 名 1 99-A-021 200ト0002 類 名3 99-A-022
(別添資料 1) 沖縄県文書編集保存規定 (抜粋) (文書の保存及び保管) 第 3条 文苦の保存は、総務私学課 において行 い、文書保存管理室 に収蔵する。ただ し、保存期 間が 1年のものについては、各課 (室 を含む。以下 「所管課」 という。) において保管する。 2 第 13条第3項 に規定する保存期間を延長 した文書のうち、第1種文書 については,公文書館 において保存す るもの とす る。 (文書の引継 ぎ) 第 10条 主管課長は、前条の手続 きを経た完結文書を、その完結の 日の属する年度 の翌年度 (磨 年によ り整理するものは、処理完結の 日の属す る年の翌年)の初 日か ら換算 して1年間当該課 にお いて保管 したあ と、第
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種の文書 を除き、文書主管課長 を経 由 して文書学事課長に引き継 ぐもの とす る。 (2- 5項省略) (保存文書の破棄決定等) 第 13条 総務私学課は、保存期間の満 了 した保存文書について、所管課長 と協議の上、廃棄の 決定 をしなければな らない。 2 総務私学課長は、前項 の規定 によ り廃棄 の決定 をした文書 について、知事が別 に定めるもの を除き、公文書館長 に引き渡 さなければな らない。 3 保存期間が満 了 した文書であって、 当該文書 に係 る事務が継続 して いる ことその他の特別の 事 由によ り引き続 き保存す る必要がある文書で、所管課長か らの協議 に基づき総務私学課長が やむを得ないと認めた ものは、その保存期間を延長す ることができる。 (所管課保管文書の廃棄決定等) 第 14条 所管課長は、保存期間の満了 した文書 について、廃棄の決定 を行 い、総務私学課長 と 協議の上、保管文書引渡書 (第 6号様式) を添えて、知事が別 に定めるものを除き、公文書館 長 に引き渡 さなければな らない。ただ し、第3条第 1項 のただ し書 に規定する保管文書につい ては、 この限 りでない。 (文書の廃棄) 第 15条 前2条の規定 によ り、廃棄 の決定 を行 った文書の うち、公文書館長への引き渡 しを要 しない文書は、保存文書 にあっては総務私学課長が、所管課保存文書 にあっては所管課長がそ れぞれ廃棄す るもの とす る。(聖 戦 非 望 2 ) 所属 (部 局) 所属 (課室) 保存箱番号 保存期間 年度 年度 分類記号 類 名 廃棄等 生活福祉部 援護課 57-001 20 43 52 1-ll-K 公有財産 関係 廃棄 生活福祉部 援護 課 02-331 20 52 52 1-7-ア 戦 没者等叙位叙勲 に関す る書類 廃棄 生活福祉 部 援護課 02-332 20 52 52 ト7-ア 戦没者等叙位叙勲 に関す る書類 廃棄 生活福祉部 援護課 02-333 20 52 52 1-7-ア 戦没者等叙位叙勲 に関す る書類 廃棄 生活福祉部 援護課 0ト002 10 62 62 2-3-
エ
対馬丸遭難学童遺族特別支 出金関係 廃棄 生活福祉部 援護課 01-003 10 62 62 2-3-エ
対馬丸遭難学童遺族特別支 出金関係 廃棄 生活福祉部 援護課 0ト004 10 62 62 2-3-エ
対 馬丸 遭難学童遺族特別支 出金関係 廃棄 生活福祉部 援護課 0ト005 10 62 62 2-3-エ 対馬丸遭難学童遺族特別支 出金関係 廃棄 生活福祉部 援護課 01-006 10 62 62 2-7-E 賃金職員雇用関係 廃棄 生活福祉部 援護課 06-001 5 4 4 3-3-C 予算諸調書 関係 廃棄 生活福祉部 県 民生活課 06-004 5 4 4 3-4-C 文書管理簿冊 関係 廃棄 生活福祉部 県 民生活課 06-D-002 5 4 4 3-3-Ⅰ 諸帳簿 関係 廃棄 生活福祉部 県 民生活課 08-002 5 4 4 3-3-D 国庫補助金関係 廃棄 生活福祉部 県 民生活課 08-005 3 6 6 4-2-A 出勤簿関係 廃棄 生活福祉部 県 民生活課 08-006 3 6 6 4-4-A 研修 関係 廃棄 生活福祉 部 国民健康保 険課 02-004 20 52 52 1-22-ア 事業状況報告書 関係 廃棄 生活福祉部 国民健康保 険課 07-001 5 4 4 3-6-ウ 療養取扱機 関の 申出受理 関係 廃棄 生活福祉部 国民健康保 険課 07-002 5 4 4 3-6-ウ 療養取扱機 関の 申出受理 関係 廃棄 生活福祉 部 国 民健康保険課 07-003 5 4 4 3-6-ウ 療養取扱機 関の 申出受理関係 廃棄 生活福祉 部 国民健康保 険課 07-004 5 4 4 3-6-ウ 療養取扱機 関の 申出受理 関係 廃棄 生活福祉部 国民健康保 険課 07-005 5 4 4 3-6-ウ 療養取扱機 関の 申出受理 関係 廃棄 生活福祉部 国民健康保 険課 07-006 5 4 4 3-6-オ 国民健康保険医等登録 関係 廃棄 -N¢-(別添資料 3) 沖縄県公文書館資料収集基準 (抜粋) (県政文書) 第2条 県政文書 とは、沖縄県が明治 12年以降 に作成又は取得 した公文書等 をいい、公文書館 が収集す る県政文書は、次の各号 に掲げる基準 に該 当しない文書 とする。ただ し、昭和20年 以前に作成 された ものにあっては この限 りではない。 (1) 庶務及び予算経理等の 日常業務 を遂行 してい く過程で作成 される次の各号 に掲げる文書 ア 調停調書、予算執行伺、支出負担行為、支出命令等の歳入 ・歳出に関す る文書及び帳簿 イ 給与及び地共済関係書類、電算報告書 り 文書件名簿