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一過竃鱒ゲーム並びにゲーム分析ツールの罪弗を中心にして-AnattemptatcreationofphysicaleducationclassintroducedSpaceBallGame foranadvanceinateamplayamongelementaryschoolchildren 松岡準人(姫路市立総合スポーツ会館):HayatoMATSUOKA(GeneralSportsHallofHimejicity) 後藤幸弘(兵庫教育大学):YukihiroGOTO(HyogoUniversityofTeacherEducation) 攻防相乱型ゲームにおいては,スペース感覚を高めることが,より質の高いゲームを 展開するために必要不可欠である. 本研究においては,攻防相乱型陣取ゲーム(ラグビ ー型)として,スペース感覚を高めることを企図して開発された「スペースボール」を 題材とし,小学4年生児童を対象とした実践から,①指導法の多様化,②過渡的ゲーム の開発,⑧評価・分析ツールの開発,等の観点から,その成果を分析・検討した. その結果,本研究における,過渡的ゲーム教材の問罪,ゲストティーチヤー方式や遠 隔授業の導入,児童自らが具体的にパスワークの高まりを把握できるゲーム分析ツール の活用等を導入した実践は,チームでの連係意識. 集団技能,-ならびに情意的側面での 学習効果を高め,有効であったことが認められた. キーワード:オベースボール,過渡的ゲーム,パスワーク,ゲーム分析ツール,. 中学年児童 t. はじめに 小学校学習指導要領1)においては,高学年ボ ール運動額域に,バスケットボールやサッカー 等の攻防相乱型シュートゲームが取り上げられ ている. これらのゲームは,低学年における簡 単なボールゲームから,中学年でのベースボー ル型ゲーム,バスケットボール型ゲーム,サッ カー型ゲームの学習を経て,高学年でサッカー, バスケットボール等のゲーム特性に触れる学習 が可能であるとの構想で展開されている. しか し,小学校高学年での,バスケットボールやサ ッカーの学習においては,巧みにボールを操作 して攻撃する児童の陰で,ゲーム中,一度もボ ールに触ることができない等,消極的な態度で 参加している児童も見られる. これらの二極化 現象は,児童相互の技能格差もさることながら, むしろ,どこにどう動けばよいか,どのタイミ ングで動けばよいか,等の認識面での格差の影 響が大きいように考えられる. この間籍の解決 のた釧こは,発達段階に応じた技術指導に加え, 動きのパターンやスペース感覚等の認識面での 指導を行い,技術認識と動き(スペース感覚) をリンクさせながら高めていく必要がある. す なわち,ゲームの本質である「勝つことの工夫 を楽しむ」ことができるように指導することが 望まれる. もちろん,それぞれの学年に応じて, 適時性を考慮した指導が重要であることは言う までもないが,とりわけ,低学年での攻防分離 型ゲームの学習から,攻防相乱型ゲームの学習 の過渡期2)である中学年段階での,連係意識と スペース感覚の指導は重要であると考えられ る. 換言すれば,それぞれの運動の特性に応じた 動きや技能を身につけさせることが,その運動 の楽しさや喜びを味わわせたり,「ゲームを上 手にできる子」の育成につながるものと考えら れる. また,児童が作戦を工夫し,チームプレイを 高めていくためには,ゲーム様相を具体的に, 児童の目に見える形で示す必要があると考えら れる3)4) 本研究では,神戸製鋼ラグビー部が,スペー ス感覚を身につけることを企図して開発した 「スペースボール」を取り上げ,スペースを生かしてパスをつなぎ攻撃することを中心課題と した過渡的なゲーム(スリーアタックゲーム) を開発し,中学年児童を対象として実践し,そ の有効性を検討した. その際,神戸製鋼ラグビ ー部ならびに神戸製鋼電子技術研究所との連携 を深め,一流コーチ陣の専門的知識やスキルを 活用した. また,児童自らがゲーム様相を簡単 に記録し,ゲーム後,即座にゲーム分析できる ツールを作成し活用した. なお,学習成果を高めるためには,教師の指 導性が重要であることは言うまでもない. その 際,児童の実態をいかに教師が見極められるか が重要なポイントとなる. そこで,教師の評価 と児童の自己評価の一致度もあわせて分析する ことにした. ll.研究方法 A. 過渡的ゲーム(スlJ-アタックゲーム)の 息Vli]Ej 「スペースボール」とは,神戸製鋼ラグビー 部のコーチ陣が,コミュニケーションを深め, スペース感覚を身につけることを企図して開発 したラグビー型の攻防相乱型陣取ゲームであ る.ゲームの方法は,センターラインよりジャ ンプボールを行い,ボールを保持したチームは, そこからバックパスを行いゲームが開始され る.バックパス保持者に対しては,レフリーの 合図があるまで,プレッシャーをかけてはいけ ない,これは,バックパス保持者を司令塔とし た集団戦術の展開を容易にするために設けられ たルールである. その後は,基本的には,ラグ ビーのルールに準じるが言日前方-のパスが 認められている点,同スクラム,タックルは なく,(のボール保持者がタッチされたら,即 座に相手チームにボールを渡しゲームが続行す る点が異なる. なお,ボール保持者がェンドラ イン(ゴールライン)を越えたら得点となる. また言のよりパスを有効に使い,長い距離を 攻撃できることを企図して,インターセプトし た地点から見て,遠いエンドラインに向かって 攻撃するというルールが設けられており,攻撃 方向が随時変化するのも特徴である. しかし,このルールをそのまま適用した場合, 攻撃方向の目まぐるしい変換は,中学年児童に とっては,混乱を生じさせることが予想された. すなわち,本実践で主眼としたスペース感覚や, 連係プレイ向上を目指した学習が効果的に行え ないことが危慎された. そこで,「スペースボ ール」をもとにして,攻撃方向を一定にすると 共に,攻撃側のゲーム人数を守備側よりも多く し,数的に優位になるように仕組んだ攻守交代 制の「スリーアタックゲーム」と名付けた下位 教材を開発し実践することにした. なお,表1に「スリーアタックゲーム」の概 要を,また,図1にコート図を示した. 表1. ゲームの概要 刈 」アタックゲT A の細 雷 項 目 ルー ル や概 要 ね らい並 びに意 図 ゲー ム人数 ゲー ム開始 時 ゲー ム展開 時 攻 守の交代 攻 撃方 向 .攻 撃6 , 守備 4 でゲー ムを行 う .数 的優 位 を保 障し▼パス (注) をつ ながりや す くす るため .セン ター ラインよりバックパス .チー ムとしての連 係攻 撃 .スリー アウト地点 よりパックパス .バ ックパス捕球 者 にはノー プレ ッシャー .バ ックパス捕球 者 は、ボー ルを 戦 術を遂行 しやす くす る ため .より確 実で ,スピーデ ィー 持 って 走って はいけ ない な連 係 攻撃 作 戦を生 起 .アウト地 点よりバックパ スで再 開 .ボール が落 下す るか パスカット され たらアウト.そこか らゲー ム 再 開 .ボール 保持 者 がタッチ され た らアウト .スリー アウトか 得点で ,攻守 交代 させ るため .攻 守の学 習の機 会を均等 -スリー アウト地 点 から相手 チー にす ると共 に,攻守 に連 の攻撃 開始 .チー ムごとに一 定 続 性を持たせ るため .混 乱を避けるため 得点 ゲ ームの終 了 lゴー ルラインを駆け抜けるかゴ ー ルラインより先でポー ル を捕 球 したら得 点 .3 イニングでゲ ーム終 了 (注)ボール保持者にはプレッシャーをかけられないので,ゲーム人数が同数 あるい株. 1人多いだけでは、理論的にノーマークのレシーバーはいない. / センターライン ▲ 攻撃方 向L 葛攻撃 方向○ I 12m ・ ・ ● ● ○ ○ ● ○ 20m . ● アタック(攻 撃側) ○ ディフェンス(守備㈲ ゴールラインゴールライン 図1. 「スリーアタックゲーム」のコニト図
攻防相乱型ゲームを楽しむためには,スペー ス感覚をいかに高めていくかが重要と考えられ る.「スリーアタックゲーム」は,スペースボ ールの一般的なルールを,攻守交代型に変える ことにより,スペース感覚を意識しながらプレ イし,チームプレイを発揮しやすくなることを 企図して開発したものである. 実践の当初は,センターラインより,バック パスによりプレイを開始し,アウトになった地 点から3アウトになるまでプレイを続け,得点 するか,3アウトになった時点で攻守交代する ようにした. ゲームに慣れてきた段階で,攻守交代時のゲ ーム開始地点をセンターラインからではなく,3 アウト地点からとした. これにより,ゲームの スピードアップが図れると同時に,得点に至ら ない場合でも,攻め込めば攻め込むほど,次の 相手チームの攻撃臣巨離が長くなり,自チームの 攻めに必然性が出て来る陣取型ゲームの特性が 生きるようにした. また,攻撃優位の状況を創出し,攻撃側が余 裕を持ってプレイできるようにすることによ り,よりスペースに目を向け,生かせるように なると考え,当初,攻撃4人,ディフェンス2 人のミニゲームを行った. 残りの児童は,応援, コーチ役に回り,1イニングごとに,ローテー ションすることとした. ゲームを外から観察す ることにより,技能の低い児童のゲーム理解や 動きに関する認識を高めると共に,スペースに 目が届くと考えた. ゲームに慣れた段階で,よ りチーム全体での連係プレイを高めることを企 図して,攻撃6人,ディフェンス4人にゲーム 人数を増加させた. コートの広さは,ボール操作に不慣れな初期 の段階では小さく,慣れるに従って大きくし, 最終的には,縦20m,幅12mのコートを使用 した. b. nスワーク分析ツールの開発と活用研究 戦術を工夫し,チームプレイを高めるために は,児童が,ゲーム様相を客観的に把握する必 要がある3)4)そのため,タブレット型PCを 活用し,パスの総数と成功数を入力するだけで, そのゲームのパスワークの状況がグラフ化され るExcelを使用したゲーム(パスワーク)分析 V 図2. ゲーム分析ツール(タブレット) の活用風景 100* 9(秩 80% 70k ●`【 50% 40% 30,∼ 巴 霊 監 当 .、 L 1ト欠 席 TJ t}.、 20、 10% 0% 一 一 A EB C D ≡ ド G Lパスを受けた抜 3 1 e 5 0 ー9 5 /tスJ& 執事 67* lorn 100% 100* 0、 ー00% 80% 回 20 18 16 14 12 10 8642 0 図3. ゲーム分析結果の一例 ツールを作成した. 図2には,タブレットPCの活用風景を,図3 には,ゲーム分析結果の一例を,示した. C. 産学連携による授業改善 川スベースボール授業内容研究会の発足と 研修会の実施 図4に示すような,兵庫県立教育研修所を事 務局として,神戸製鋼電子技術研究所,NPO 専門家,学校が連携し,授業改善を行っていく ことを企図した研究会(以後,スペースボール 授業研究会と称する)を発足し研究に取り組ん だ. 授業実践の構想は,スペースボールを取り入 れた授業を,兵庫県内の計9校で実践し,その 都度,研究会のメンバーにより,参観・検討会 を行う. その結果を次校の実践に反映させる. その際,兵庫県立教育研修所を窓口として,神 戸製鋼電子技術研究所がコンテンツ開発を,N
図4. 授業実践とその改善の組織の構想 PO専門家や一流コーチ陣のスペースボールや 指導法に関するノーバクを活用する. すなわち, 学校,神戸製鋼電子技術研究所NPO法人, 兵庫県立教育研修所の協力・連係のもとに,9 校で授業実践を行い,データやノーハウを蓄積 しながら,継続、,発展的によりよい授業を構築 していくという構想である. なお,本論においては,2校目の姫路市立Z 小学校4年生児童を対象とした実践(著者が担 当)を中心に報告する. 図6は,4年生児童を対象として行った授業 実践の単元構成を示したものである. ゲストテ ィーチヤー方式の授業(以後,GT授業と称す る),遠隔授業を含めて,全8時間に編成した. また,2時間目から6時間目においては,チー ム練習ならびに,パスワーク分析ツールを活用 した分析タイムを取り入れた. なお,一斉指導 においては,集団技能を高めるための作戦に生 かせるよう,VTRやPCデータを用いてゲー ム様相を振り返れるようなIT資料を提示し た. (2)コーチによる直抜措導ならびに遠隔授業の 実施 本実践においては,一流コーチによる直接指 導,ならびに遠隔指導を取り入れた. スリーアタックゲームを3時間行い,ルール やゲームの進め方を覚えた導入期に,コーチ来 校による直接指導を行った. また,単元おわりのゲームにおいて,図7に 示すように,コーチ側と小学校側をインターネ ット回線でつないでのテレビ会議システムによ
図5. 本実践における単元構成
図6. 遠隔授業の様子
図7. 遠隔授業のイメージ る遠隔指導を行った,なお,図6にその様子を 示した. 本来は,コーチ側と学校を直接つないだ遠隔 授業を理想としたが,インターネット回線や機 器等,設備面での関係で,コーチに兵庫県立教 育研修所に出向いていただいた. D. 成果の把握と分析 Hw-&mma>踊置 全ゲームの様子をVTRに録画し,戦術行動 の変容,ボール操作・パスワークの変化から, 学習成果を把握した. また,開発したパスワー ク分析ツールに入力されたデータをもとに,チ ームプレイの変容を分析・把握した. (2)情意的側面の成果の分析 各授業後に,小林の「よい授業-の到達度評 価5)」をもとにした全5項目からなる調査を行 &m (3)「楽しさ」に対する,指導書の評価と児童 の自己評価の把握と分析 指導にあたっては,指導者が,児童の実態を どの程度,的確に捉えられているかも重要な要 素となる. そこで,計8名の指導者が分担して, それぞれのチームの活動を観察し,各児童の「楽 しさ」の状況を5段階で評価した. 同時に,児 童にも,「楽しさ」を5段階で自己評価させた. すなわち,両評価の相違を把握・分析した. なお,「楽しさ」に限定したのは,「学ぶ喜 びや楽しさの追求」という,本年度の校内研究 のテーマに準じたためである. m結果ならびに考察 (1)ゲーム様相の変容からみた学習成果 図8は,各チームの総パス数とパス成功率注1) の推移を示したものである. 総パス数は,単元当初の21±12回から終了 時の19±2回-とほぼ横ばいの状態で推移し たが,標準偏差から分かるように,単元当初顕 著であったチーム間のパス数の格差は小さくな ることが認められた. また,パス成功率も,79±12%から86±4 %-と向上し,学習初期のチーム格差も改善さ れた. 単元前半,やや増加傾向にあったパス数が, 単元中盤以降,横ばいからやや低下する傾向が 見られた. その原因は,レッドチームが,3時 間日頃より,パスワーク分析の結果,一部の者 だけでパスが回っていること-の気づきから,12345678 m蝣'<a時rn L師ス隅 の来分授 ゲ稜新書 Iffi9 /.^ 十一イエロー _-レッド -◆・イエロー ・●・レッド キizパ-プル+ブルー =総パスAVG一軒一一パス成功率AVG -◆・パープルーー/k-プJレー
図8. パスワークの推移
全員にパスを回そうとして,パスを受けた技能 の未熟な児童がタッチされパスがうまくつなが らなかったこと,また,それに対する戦術とし て,パスすると見せかけてランによりゴールを 狙う「ダミーパス作戦」が生起したことによる. 同様の戦術が広がった結果,単元後半に,パス 数は,必ずしも増加しなかった. しかし,パス 成功率は,比較的高い水準で推移した. すなわち,多様な戦術行動が生起することに より,パス数は,増加しなかったが,パス成功 率は,高い水準で推移し,チーム格差が大きく 改善される成果が認められた. (2)戦術行動の変容と学習成果 図9は,戦術行動の学習を通しての変容を集 約して示したものである. 試しのゲームにおいては,技能上位の2名が 相手を交わしながらパスをし合う「折り返しパ ス作戦」や,一人で,ボールを持って逃げ回り ながらボールをキープする「ワンマンラン作戦」 が目立った. それでは,相手にマークされ,ボ ールがつながらず,得点にも至らないこと-の 気づきから,2時間目以降は,ポールを味方に 渡し,自分がスペースに走り込みパスをもらう 「ワンツーパス作戦」や,一気に得点を狙った 時間 戦 術 行 動 の 変 容 1 2 3 4 5 6 7 8 折り返 レ 切 作戦 ワンマンラン作戦∫
ワンツーパ ス作戦 ロングペス作戦\ \
トライアングルパス作戦 ダミーパス& ラン作戦 中継パス作戦∴∴
スペース走り込み ペス& ラン作戦 サイド′でス& ラン作戦l
l
ゴー ル走り込みノ玖 作戦 ラインノ切 & ラ4 ラン& ノ切 作 戦 パス併用ラン作戦 図9. 戦術行動の変容 「ロングパス作戦」へと移行した. 後者のロン グパスは,ボール操作能力の未熟さの影響もあ り,うまくつながらず,数人がかりで縦パスを 使う「中継パス攻撃作戦」-と変化していった. 一方,ワンツーパスは,それに係わる児童がマ ークされうまくつながらなくなり,4時間日頃 から,3人がかりでパスを回す「トライアング ルパス作戦」や,パスをすると見せかけ相手を ゆさぶり,スペースを突いてランニングで得点 を狙う「ダミーパス&ラン作戦」-と移行した. 5時間目以降は,ランの有効性-の気づきか ら,スペースにパスを出し,走り込んでパスを 受け,一気に得点を狙う「スペース走り込みパ ス&ラン作戦」や,細かいパスとランを使って サイドに相手を引きつけ,ロングパスやライン パス,ランを使って逆サイドより攻めようとう する「サイドパス&ラン作戦」に変化した. おわりのゲームでは,ラシによる攻撃を成功 させるためのパスを活掬する作戦が中心を占め るようになった. すなわち,全8時間の実践において,当初の ワンマンプレイから,パスやランを有効に使う 連係攻撃に移行し,戦術行動の高まりが認めら れた. 図10は,攻撃完了率注2)の推移を示したもの12345678 Jit L雷-5ft R^^^K^^^KI温 73. TI ム導示 十一イ工p--・パー1)レ+7)レー レッド. ・◆・AVG
図10. 攻撃完了率の推移
である. 単元当初は,技能の高い一部の児童のみでの 折り返しパス等が中心であったが,ゴールまで は至らず,各チーム共に,攻撃完了率は,10 %以下で低かった. 3時間目,講師来校直接指導の際に,ランも 活用して,縦パスをつないでゴールを目指すこ との指導が成された影響で,以降,各チーム共 に,攻撃完了率の高まりが見られた. その後,各チーム共に,荊述の,「中継パス 作戦」や「ラインパス作戦」等,より多くの児 童が係わった多様な戦術行動の試みが多く見ら れるようになり,攻撃完了率も30%以上に高 iサia すなわち,攻撃完了率のチーム平均は,単元 当初の6±6%から最終ゲームでは42±3% を示すまでに向上した. このことからも,戦術 行動の高まっていることが認められる. HB坤UJ^--ewtaiM>a^m 図11は,「よい授業-の到達度評価」の結果 を示したものである. 単元を通して,「よい授業-の到達度評価」 の結果は,「精一杯の活動」_が457±0.15点,♂/Y♂♂/サ♂
図11. よい授業への到達度評価の推移 「技や力の伸び」が4.17±0.19点,. 「新しい発 見」が4.16±0.32点,「民主的活動」が4.48± 0.15点,「楽しさ」が4.74±0.16点と,いずれ も高い水準を示した. 特に,コーチの直接指導 を取り入れた来校指導や遠隔授業においての得 点が高かった. 児童の記述内容では,「コーチ に直接教えてもらったり,はめてもらったりし て楽しかった. 」,「攻めるコツやパターンがわ かった. 」など,コーチとの出会いやポイント を得た指導により,「楽しさ」を中心に,各項 目の得点を高め得たものと推察された. 一方,各チームのパスワークの状況を提示し た後,作戦を立てゲームを行った授業において は,若干低得点を示した. これは,事前に誰に 多くパスが集まっているかが提示されたことに より,その児童がマークされ,自チームの戦術 がうまく遂行されなかったことによる不満に起 因しているものと推察された. また,試しのゲームにおいて4.34±0.30 点であった各項目の平均得点も,最終の遠隔授 業においては,4.63±0.18点に高まり,各項 目間の格差も改善された. なお,講師側と学校側をインターネット回線 でつないだ遠隔授業においても,講師来校による直接指導とほとんど差違なく学習成果を高め 得ることが認められ,遠隔授業における学習の 可能性が示唆された. 以上の結果から,授業内容により多少の差違 は見られるものの,よい授業-の到達度評価に 関する5項目の得点は,単元を通し七高値を示 したことから,児童の情意的側面での学習成果 は高かったと評価された. (4)jgサ*<Drgg腰Ejr乱打mans己旨 図12は,単元終了時の遠隔授業において,8 名の教員が分担しながら行った,児童の「楽し さ」に対する5段階評価の平均値を棒グラフで, あわせて,児童の自己評価の平均値を折れ線グ ラフで示したものである. なお,得点は,8名 の教員のそれぞれの児童に対する平均値で示し た(端数は四捨五入). 教師の見た児童の楽しさ評価は90%以上 の児童を,5点(52%),または,4点(39% と評価し,「楽しさ」を十分味わえていると推 察した. 一方,児童の「楽しさ」に関する自己 評価得点は,4.96±0.59で全体で見た場合, 両者の得点はほぼ一致した. しかし,個々の児童で見ると,自己評価と他 者評価で差のある例が存在した. すなわち,児 童(出席番号13,16のような)は十分「楽し さ」を味わっているにもかかわらず,教員は楽 しめていないように評価する傾向の強いことが 認められた. 1 3579It1315M192123AVG ■8教員の評価一:児童自己評価 (注)評価が0である7番と2 1番の児童は欠席である. 図12. 教師の評価と児童の自己評価の一致 の程度 図13. 教師の評価ポイント (a) 図14. 児童の活発さならびに技能レベル と自己評価と他者評価の楽しさ得 点のずれの関係 今回の授業において,教員は,観察法により評 価活動を行ったが,図13に示すように,教員 は,児童の楽しさの感じの半分を児童の態度か ら判断し,表情,発言によって判断しているも のが,それぞれ1〟であった. したがって,この評価のずれは,児童の,活 発さや,技能等の影響を受けているのではない かと推察された. そこで,全児童を,活発さ, 技能面でそれぞれ3段階に分け,両者の楽しさ 評価得点の関係を検討した. 図14(a)紘,児童の活発さと得点とのず れの関係を,また,同(b)は,技能レベルと のずれの関係を示したものである.
活発さ,技能共に,上位児童ほど,ずれの少 ない傾向が見られた. このことは,教員の観察法による評価におい ては,活発な児童や技能の高い児童に目が注が れ,そうでない児童の評価において,ずれを生 じさせる可能性のあることを示唆している. (5)パスワーク分析ツール活用による学習成果 図15は,分析ツールが,どのような点で役 だったかを調査した結果をまとめたものであ る. 特に,ゲーム様相の把握や作戦の工夫におい て有効に働いたことが認められた. すなわち, ゲーム後,即座に行えることや個人やチーム全 体のデータやその変容を同時に見ることができ ることが機能し,児童のゲーム分析結果をより 明瞭にし,新しい`作戦を生み出すことに有効に 働いていることが認められた. 図16は,Aチームの6時間目と7時間目の ゲーム分析結果を示したものである. 6時間目はA,Bの2名でのワンツーパス を中心に攻撃したが,相手のマークに阻まれ得 点できなかった. その時間のゲーム分析の結果, C,Dに全くパスが回っていないことへの気づ きから,E,Fに加えC,Dに対しても,中 継パスを回し,最終的にA,Bのマークを外し ながら攻撃する連携攻撃作戦を立てた. その結 果,7時間目には,得点を上げ勝利した. これは,ゲーム分析ツールがゲーム様相を具 体的に示すことに機能して,新しい作戦を生起 させ,チームプレイを高め得た一例である. 全 てのチームで,このような事実が認められ,ゲ ーム分析ツールは,有効に機能していることが 認められた.
算鴫o対2(敗)
1(n gCL 恥 lh 孤 1h 4R lh ∼ 監 慧 2ER ∼; [ Ⅷ dL i ∼ ∼ A B C D E F SV3 5 p 一 o 0 3 ー lJ池 亀 4% 7醜 m 仇 l 6識 I 1瓜第7時2対1 (勝)
100% 90% B0% 70% 60l SOL 4仇 lo覧 2ffl! 10% Ol 」 ∵ご訂.
つm ∼
A B C D E F l′細 事11た 3 8 3 2 2 2 ¥j」l鵬 33l 88% 33% 鍋 100% 1∝栴図16. Aチームの分析結果
回蝣i 8、6543210 Ⅳ. まとめ ①開発した「スリーアタックゲーム」は,総 パス数を増加させると共に,パス成功率を高 め,チームでの連係プレイを高め得ることが 認められた. ②「スリーアタックゲーム」を中心とした授 業は,ゲーム様相や児童の作戦の変容から, 技能の高い児童が終始ボールを保持し,ラン ニングにより得点を狙うワンマン攻撃から, パスやランを有効に活用したチーム連係攻撃 -と児童の戦術行動を高め得ることが認めら れた. ③複数教員による,児童の「楽しさ」評価は, 児童の自己評価同様に,高かった. ④一流コーチ陣による直接指導や遠隔指導は 「よい授業への到達度評価」やゲーム分析の 結果から,児童の情意的側面での学習効果な らびにチームプレイを高めるために有効に作 用したと考えられた. ⑤「パスワーク分析ツール」は,児童の戦術 行動を高め得ることが認められた.④教員の観察法による評価は,活発な児童や 技能の高い児童に教員の目が奪われ,それら の低い児童の自己評価との間にずれを生じさ せる僚向のあることが認めらた. 以上の結果から,「スペースポール」を基に 開発した「スリーアタックゲーム」,ならびに 外部指導者,ゲーム分析ツールの導入は,小学 校中学年児童を対象にした実践の結果から,チ ームでの連係プレイを高めると共に児童の情意 的側面での学習成果も高め,有効であることが 認められた. 注1)チームプレイならびに技能の高まりを示 す指標とされるものである. パス成功率-パス成功数÷総パス数× 100. 注2)チームでの連係攻撃の高まりを示す指標 とされるものである. 攻撃完了率-ゴールトライ数÷全攻撃数 ×100. 文献 1)文部省(1999):小学校学習指導要領解説体育 編. 2)林修・後藤幸弘(1995):ゲーム領域における 教材(学習課題)配列に関する事例的研究一 攻防分離型から攻防相乱型-の移行・発展の 有効性-,Proceedingof2ndTsukuba InternationalWorkshoponSportEducation. 3)後藤幸弘(1989):新指導要領のねらいと小学 校体育科の課題,体育と保健,2-8. 4)松岡準人・本多弘子・日高正博・藤田宏・後 藤幸弘(2000):チームプレイを高めるソフト ボールの教材開発一連係プレイの楽しさを味 わわせるために-,兵庫教育大学教科教育学 会起要第13号34-45. 5)小林篤(1980):体育の授業研究,大修館書店, 170-222. 本研究は,平成15年度文部科学省教育 情報共有化促進モデル事業成果発表会,な らびに,平成15年度兵庫教育大学学校教 育研究センタープロジェクト発表会におい て発表した.