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高レベル放射性廃棄物の固定化に関する研究:Ⅴ 硝酸バリウムと二酸化チタンの反応

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Academic year: 2021

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(1)横浜国大環境研紀要11:69−75(1984). 高レベル放射性廃棄物の固定化に関する研究:Ⅴ 硝酸バリウムと二酸化チタンの反応 Immobilization of High−LevelRadioactive Waste:V Mechanism and Kinetics of the Reaction Of Barium Nitrate with Anatase. 田川 博章*・大橋 淳一**. HiroakiTAGAWA* andJunichiOHASHI** SynopsIS Titanateswithaperovskite−tyPeStruCtureareeXPeCtedasoneofrecommendedmaterials Whicharecapableofimmobilizinghigh−levelradioactivewasteforalongperiod.Inthe PreSentPaPer,meChanismandkineticsforthereactionofBa(NO8)2WithTiO2(anatase)were. Studied by use ofthermobalance,DTA and X−ray di飴action methods.Bariumis one of fissionproductswithhighyield,andTiO2isusedasamatrixforimmobilizingtheradwaste. AccordingtoTG/DTA,themeltingpoint ofBa(NO3)2WaS5750C,Ba(NO3)2begantobe decomposedabovethemeltingpoint.The reaction ofBa(NO3)2With TiO20CCurred near. 4600Cor athighertemperaturesinthesolidstate.Fromtheconversionvs.time curvesat COnStanttemPeratureS,1tWaSdeducedthatthereactionobeyed theequation controlled by. thephaseboundaryreaction:kt=1−(1−Cr)l/3,Wherekisareactionrateinmin−1,.tistime,. andαis a conversion ratio ofthereaction・The relationship betweenlogarithm ofthe reactionrateandtherecIPrOCalabsolutetemperatureshowedtwostraightlines,Whichwere. discreate at5800C・This meansthatthereactionabove5800Coccursinthesolid−1iquid State and that below5800C proceedsin the solid−SOlid state.Therateoftheformerwas about a afth ofthe value extrapolatlng the]atter,but the reaction mechanism was not Changed・Bothlines gave the same apparent activation energy,212kJmoILl.. きている。. 1.緒 高レベル放射性廃棄物の処理処分の方法の確立は原. ガラスは多くの元素を溶かすことができるという特. 徴を持っている。この特徴を生かして,多くの元素か. 子力の開発にとって極めて重要なであって,この問題. らなる核分裂生成物を均一な固化体にするという考え. は核エネルギーの開放と利用が始まった頃から検討さ. 方がガラス固化体の方法である。今までの研究開発の. れてきた。現在では処理処分の方法として放射性廃棄. 結果,ガラス固化体は均一な固体として評価され,ま. 物を固化して地下処分するという考え方に落ち着き,. た処分環鄭こおける地下水などとの両立性も高いとい. ガラスを用いた固化法を中心に研究開発が進められて. *横浜国立大学環境科学研究センター 汚染拡散学 研究室. う優れた性質を持っていることが明らかにされてい る。しかし熱力学的にはガラスは準安定な状態であっ. て,強い放射線の場では結晶化する可能性もあり,地. DepartmentofEnvironmentalChemodynamics. 下水と接触する場合には徐々に成分の一部が浸出する. Institute of EnvironmentalScience and Tech_ nology,Yokohama NationalUniverslty,240. て行われている。. Yokohama. **現在:藤枝南女子高等学校. という可能性もあって,より良い基材の研究が平行し. ガラスに代る固化体としてセラミックスがある。今. atpresent:Fujieda−MinamiSeniorHighSchool. までにスーパーカルサインSupercalcinel−3)シン′ロッ. (1984年6月 30 日受領). クSYNROC4▲8)などの概念が提案されている。これ.

(2) 70. は高レベル放射性廃棄物を固化するために,セラミッ クの基材を加えて,希望する結晶相を作ることを意図 する。その基材としてほアルミニウム,珪素,リン, チタ∵/,ジルコニウム,カルシウムなどの酸化物が検. 本研究でほ,これらの添加剤の中で酸化チタンを取. 0. り上げ,核分裂生成物としてストロンチウム,バリウ. 0. 必要になる。. 0. めに,温和な条件下で,高密度の焼結体を作ることが. /↓ 6 8. 。、.、SS〇一7古壱妻. 討されている。セラミックスほ生成に高温を要するた. ムなどのアルカリ土類金属を対象に出発原料の化学形 態と反応性との関係を調べてきた7 ̄10). 。その主な目的. は固化体の合成温度を下げて,かつ均一固体を作る ことにあるが,二酸化チタンとしてはアナターゼ塑. 450 500 550 600 650 700 750. を,バリウム塩としてほ硝酸塩を用いると,反応温度. は6000C付近にあって,生成物ほチタン酸バリウム. TemperQtUre/OC. Fig.1.TG curves ofthe reaction of barium. BaTiO3 の均一相になるということがわかった。この. nitratewithanataseandofthedecomposi− tion ofbarium nitrate at various heatlng ratesinflowingair.. 反応は他の核分裂生成物を固定化する場合にも重要と 思われるので,反応楼構,反応速度を熟天秤を用いる. 勲重量測定TG,定温速度解析法,示差熱分析DTA,. 粉体試料約100mgを直径8mm,高さ10mmの試料. X線回折を用いて調べた。硝酸バリウムと二酸化チタ. 容器に入れて,これを5∼20OCmin−1の昇温速度にて. ンとの反応に関しては久保ら11)の報告があるが,反応. 8000C付近まで加熱した。測定ほ空気気流中で行っ. の詳細は明らかにされていない。. た。. 生成物についてはX線回折を行い,未反応物相,生 2.実験方法 2.1.試. 成相を調べた。. 料. 硝酸バリウムほ関東化学(株)の特級試薬,アナター. 3.実験結果と考察. ゼ型二酸化チタンは和光純薬(株)の一級試薬を用い. 3.1.TG/DTA同時測定による反応挙動. た。走査電子顕微鏡で調べたところ,アナクーゼの粒. 硝酸バリウムとアナターゼ型二酸化チタンの反応梯. 子径ほ0.14/ノmであった。両化合物ほバリウムとチ. 構,速度について解析する前に,TG/DTA装置を用. タンの金属比が1:1になるように混合し,これを3t. いて重量変化と勲的変化を調べた。TGの結果をFig.. CmJ2にて直径7mm,高さ約5mm,重量約300mg. 1に,DTAの結果をFig.2に示す。昇温速度ほ2,. の円筒に成型したものを試料とした。なおDTAの試. 5,10,200Cmin ̄1とした。Fig.1の縦軸は重量減少. 料ほ混合粉体のまま使用した。. を示すが,計算上の最終反応率,あるいは分解率を. TGによる反応挙動,および一定温度における反応. 100パーセントとして表示した。Fig.2は試料温度と. 速度を調べるために,熱天秤を使用した。熱天秤とし. 参照物質としてのアルミナの温度との差を示す。熱電. ては電気天秤(アメリカ,Cahn社,型式2000)を. 対に白金′/白金・13% ロジウムを用いたので,10〃V. 使い,これに流量計,発生ガス吸収瓶を接続した。装. が約10Cに相当する。. 置の詳細については既に報告したS)。試料ほ白金ルソ. ポ(直径10mm,高さ5mm)に入れ,電気天秤の1端 から吊り下げた。これを 300Cmin ̄1の速度にて所定. 硝酸バリウムは加熱すると熱分解し,二酸化窒素と 酸素を発生して酸化バリウムになる。. Ba(NO3)2→8aO+2NO2+1/202. の温度まで昇温し,反応終了までその温度に保った。. 昇温速度5,10,200Cmin ̄1で加熱した場合の分解開. 試料温度は白金/白金+13%ロジウム熱電対を試料ル. 始温度ほ,それぞれ565,570,5750Cであった。Fig.. ツボと石英反応管内壁の中間に置いて測定した。なお. 1にほ50Cmin ̄1の結果を示す。この分解挙動をFig.. 実験は乾燥空気気流中(流速,100cm3min ̄1,ルソボ近. 2のDTA曲線と対応させてみると,5750C付近に吸. 傍における室温での練達度,42cm min−1)で行った。. 熱側へのピークが現われるので,恐らくこの温度付近. 反応に伴う熱変化を調べるためにほTG−DTA装 置(真空理工(株),示差熱天秤,型式5000)を用いた。. に融点があると思われる。硝酸バリウムの融点として ほ57512),あるいは5920C13)の値が知られている。.

(3) 71. 度のTG曲線に対応する。硝酸バリウムのDTA曲 線ほ5970Cに極小値を持つ融解の吸熱ピークと,極 小値を過ぎてから現われる熱分解による吸熱ピークと. からなり,両ピークが重なるのが見られる。硝酸バ リウムとアナターゼとの反応でほ,昇温速度が20C L可・−−−⊥. minrlの場合に5000C付近から吸熱側に曲線が下降. し,5950Cに極小値を有する主ピークと,6500C付近 に第二の弱い吸熱のピークが現われる。これはFig.1. のTG曲線において,6000C付近までの急激な重量減 ∪一∈﹂む王OPU山. 少と,6500C付近における反応率にして7∼8パーセ ントの第二の反応に対応している。50Cmin ̄1になる と反応による吸熱ピークほ高温側に移動し,極小値ほ. 6070Cになる。昇温速度が10,200C min−1の場合に ほ吸熱ピークは2つに分れる。Fig.1のTG曲線と の比較から,第一のピークは硝酸バリウムの融解によ. る吸熱,第二のピークほ反応によるピークになる。昇. 450 500 550 600 650 700 750. 温速度が大きいと融解という相変化がチタン酸塩生成. Tempe「Qture/OC. Fig.2.DTAcurvesofthereactionofbarium. nitratewithanataseandofthedecomposi− tion of barium nitrate at various heatlng ratesinflowlngair. 硝酸バリウムとアナターゼの反応による重量変化ほ. 反応よりも速やかに起こるので,ピークが2つに分れ る。従って第一のピークの極小値よりも低い温度では 固相一固相反応が,それ以上の温度では固相一液相反応 によってチタン酸バリ ウムが生成するものと思われ る。. 硝酸バリウム自体の熱分解より低い温度で起こる。従. 硝酸バリウムの熱分解,硝酸バリウムと二酸化チタ. って,硝酸バリウムが二酸化チタンと直接反応する結. ンの反応の熱化学データをTablelに示す14)。硝酸バ. 果として,硝酸塩が分解するものと思われる。. リウムの熱分解ほ298・15kにおし. Ba(NO3)2+TiO2→BaTiO3+2NO2+1/202. 吸熱であって,チタン酸バリ ウムの生成ほ167kJ. 反応終了温度において取出した試料をX線回折によっ. mol▼1の発熱であるから,結局硝酸バリウムと二酸化. て調べたところ,生成物はチタ∵/酸バリウムのみであ. チタンの反応では 338kJmol ̄1の吸熱になることが. って酸化バリウムの存在も認められなかった。昇温速. わかり,DTA曲線の2つのピークの出現も理解でき. 度が大きくなると反応開始温度も高くなり,TG曲線. る。なお硝酸バリウムの融解熱の実測値は知られてい. 全体も高温側に移動した。曲線の形が次第に変るの. ない。. ほ,硝酸バリウムの融解・熱分解の温度と硝酸バリウ. 3.2.一定温度における反応挙動. ムとアナターゼの反応温度とが比較的近いために,昇. 硝酸バリウムとアナターゼとの反応の500∼6200C. 温速度の大きさによって相互に影響を受けるためであ. の温度範囲における反応率と時間との関係をFig.3. ろう。これはFig.2の熱的変化に見られるので後述す. に示す。反応生成物は,いずれの温度においても. る。なお反応開始温度は,昇温速度が2,5,10,200C. BaTiO3 であった。重量変化から求めた反応率とⅩ線. min ̄1でほ,それぞれ457,476,497,5080Cであっ. 回折から求めた反応率ほ良い一致を示した。. 図に見られるように,曲線の形は 5800Cを境にし. た。反応終了温度は200Cmin.1では7300C付近であ ったが,それ以外の昇温速度では6800Cであった。. Fig.2のDTA曲線ほ,Fig.1に示した同一昇温速. てその上下の温度において異なる。この現象を5800C. を中心に詳細に調べた結果が Fig.4 である。5800C. Tablel.Thermadynamicpropertiesforた)rmationofstrontiumtitanateat298.15K Reaction. 』.打0298. kJmol−1 Ba(NO$)2→BaO+2NO2+1/202 BaO+TiO2→BaTiO3 Ba(NO3)2+TiO2→BaTiO3+2NO2+1/202. 504.93 −166.60. 338.33. 』GO298. kJmol ̄1. 374.03 −162.89. 211.14. 』∫0298. JK−1mol ̄1. 439.04 −12.44. 426.60.

(4) 72. 。、○、UO芯﹂む>UOU. 20 40 60 80 100 120 140 160 Time/mln. Fig.3.Relationshipbetweenconversionandtimeinthereactionofbariumnitratewith anataseattemperaturesfrom500to6200C.. 。㌻、UO芯﹂む>UOU. 10 20 30 40 50 60 70 80 Time/min. Fig.4.Relationshipbetweenconversionandtimeinthereactionofbariumnitratewith. anatasenearthemeltingpointofbariumnitrate.. 00. 3 2. :︵ち・こ・︻. 0 20 40 60 80 100 120 140 160 Time/min. Fig.5.Relationshipbetweenl−(1−α)1/3andtimeinthereactionofbariumnitratewith anataseattemperaturesn・Om500to6200C,Whereαisconversionratio・.

(5) 10 20 30 40 50 60 70 80 Time/min. Fig.6.Relationshipbetweenl−(1−α)1/8andtimeinthereactionofbariumnitrate with anatasenearthemeltingpointofbariumnitrate.. 10 20 30 40 50 60 70 80 Tjme/min. Fig.7.Relationshipbetweenl一(1−α)1/8andtimeinthereactionofbariumnitratewith quantlty. anataseat5800Casafunctionofsample 以下でほ曲線ほ上方に凸であるのに対し,5800C以上 では上方に凹の曲線になる。特異な現象として5800C. を2つの反応機構に基づく速度式を使って解析した。 1つは界面反応が律速の場合,他は生成層を通しての. における反応率曲線が5400C以上の曲線と交わるこ. 反応物質の拡散が律速の場合である。最も簡単な速度. とが見出された。. 式は,それぞれ(1)式と(2)式で示される。. 反応後の試料の形状ほ,5800C以下の反応温度では 反応前と変らないが,5800Cあるいはそれ以上の温度. 如=1−(1−α)1ノ8. (1). 如=[1一(1−α)1/3】2. (2). では円筒形試料の上面と下面の円の中央部分が僅かに. ここでk/min ̄1は反応速度,t/minほ時間,αほ反応. 膨張するのが見られた。これほ,恐らく硝酸バリウム. 率である。5800C以下の等温反応のデータは(1)式で. が融解して混合物に粘性が生じ,そこに反応によって. 整理できる。また5800C以上のデータは2本の直線. 生じた酸化窒素,酸素が発生し,内部から系外に退. からなる曲線の形に整理できる。結果をFig.5と6に. 散する過程で試料を膨張させたものと考えられる。. 示す。これらの図ほ,それぞれFig.3 と4に対応す. 5860Cを越えた試料には硝酸塩の融解によって白金. る。. ルソボの内壁に試料が液体のように一面に付着する場 合も見られた。. 5800C以下の領域ほ固相一国相反応の領域になるが, (1)式に適合することは,硝酸バリウムと二酸化チタ. 3.3.反応機構と速度. ンとの反応が粒子界面で起こることを意味する。これ. 反応楼構と速度を求めるために,Fig.3,4のデータ. に対して 5800C以上では反応の進行は2つの段階に.

(6) 74. 反応速度ほ5800C以下で得られた固相一固相反応の直 線上にほぼ載ることが見られる。硝酸バリウムの熱分 解も(1)式で整理できるが,その速度定数ほ反応のそ れに比べると小さいので反応速度定数の補正は行わな かった。. このことほ固相一固相反応も,固相一液相反応も反応. 配することを意味する。5800C以上での前期反応の速 度が低下する理由としては,界面における硝酸バリウ ムの融解とそれに引続く分解のために,反応温度が炉 3. ︵TU巾∈、ミロ〇T. 機構にほ変りなく,反応界面での反応が反応速度を支. 温よりもかなり低くなったためではないかと思われ る。. ヰ.おわ りに 本報告でほ硝酸バリウムと二酸化チタン(アナクー し1. し2. 1.3. r−1/10−3K ̄1. Fig.8.Relationship betweenlogarithmofthe reaction rate and the recIPrOCalabsolute temperature:Orateofthesolidstatereac− tion below5800C and of the early reac− tion period above5800C;●rate of the later reacti6n period above5800C;and△. rateofthedecompositionofbariumnitrate.. ゼ)の反応挙動,槙構について調べた。緒論に述べた ように,高レベル放射性廃棄物を固定する場合に,出. 発物質の反応性ほ重要な意味を有するが,バリウム塩 として硝酸塩を用いるときほ,酸化物,炭酸塩を用い るほどの高温は必要としないことがわかった。. 現在ガラス固化を行う場合には,放射性廃棄物を一 旦酸化物として,これをガラスの原料とともに融解す るが,硝酸塩としての化学反応性が高いのであれば,. 再処理から排出されたままの硝酸溶液として,あるい 分れる。すなわち,反応率が30パーセント付近まで の前期反応と,それ以上の反応率での後期反応であ る。前期,後期の両反応期ともに(1)で整理できるの. で,反応棟構ほ変らないものと思われる。 5800C以上の温度における1−(1−α)1/3と時間の曲. ほ硝酸塩として使うことも可能になろう。 一般には硝酸塩は加熱すると容易に熱分解して酸化. 物に変るので,硝酸塩とセラミック化助剤との反応は 限られた元素のみで,不安定な硝酸塩ほ反応時に酸化 物に変り,その酸化物とセラミック化助剤との反応に. 線の曲がりが,硝酸バリウムの融解の潜熱によって試. なる可能性も充分にある。硝酸塩の安定性に関しての. 料温度が上昇しないために生じると考えるならば,試. 資料が極めて少ないので,その測定が必要になろう。. 料量に関係する筈である。そこで試料量をもとの量,. 硝酸塩を固体として用いるほかに,溶液として使う. 約300mgの1/3,1/6にした場合の反応率曲線を示. ことも考えられる。すなわちセラミック化助剤を再処. すとFig.7になる。反応率の時間的変化は明らかに試. 理廃液に加えて,懸濁した状態から乾燥,反応させる. 料量に依存し,前期反応が後期反応に移行する場合の. 方法である。どのような反応性を示すか,固相反応の. 反応率も僅かではあるが減少するのが見られる。. 場合との比較が必要になろう。. Fig.5と6の曲線の勾配は(1)式の反応速度んを. 文. 与える。この反応速度の対数値と絶対温度の逆数の関 係をFig.8に示す。この図で5800C以上における反 応でほ前期の反応速度を○,後期の反応速度を●,硝. 酸バリウムの熱分解を△で示す。5800C以下の温度 では硝酸/ミリウムと二酸化チタンの反応は固相一国相. 反応であって,この見掛けの活性化エネルギーは212 kJmol ̄1になる。5800C以上でほ前期反応速度は固 相一固相反応のそれよりも小さくなり,温度に換算す ると約400C低い値を与える。しかし活性化エネルギ ーは前期が231,後期が184kJである。後期反応の. 献. 1)G.).McCarthyandM.T.Davidson,“Ceramic nuclearwasteforms:I,Crystalchemistry and. phase formation”,Amer,Ceram.Soc.Bull., 54,782(1975).. 2)2)G.).McCarthy,“Ceramics as highlevel. WaStefbrms”,inCeramicsandGlassRadioactive Wbste Ebrms”(ed.D.W,Ready and C.R. Cooley),ERDA−CONF770102,P.83(1977). 3)G.,.McCarthy,“Highlevelwaste ceramics: Productcharacterisation”,Nucl.乃ch.,32,92 (1977)..

(7) 75. 4)A.E.Ringwood,“SqfbDt5POSalq/HなhLevel 肋ぐわαr月eαCJ∂r肋∫Je:d∧セw∫什のどgJノ”,Aus−. materialsinfbrationofstrontiumtitanate”,電 化,5Z,154(1984).. tralianNationalUniv.Press,Cambera(1979). 10)田川,大橋,「同上:IVバリウム塩と二酸化チタ 5)A.E.Ringwood,S.E.Kesson,H.G.Ware, ンの反応」,横国大環境研紀要,10,67(1984); W.0.Hibberson and A.Major,“Immobili− H.Tagawa andJ.Ohashi,“Formation of. Zation ofhighlevelnuclear reactor wastein. barium titanate:Chemicalreactivlty Ofraw. SYNROC”,〃αr〃re,278,219(1979). materials”,電化,52,485(1984). 6)A.E.Ringwood,S.E.Kesson,N.G.Ware, 11)久保,神力,「チタン酸バリウムの生成反応に関 W.0.HibbersonandA.Major,“TheSYNROC する研究(第5報):Ba(NOs)2−TiO2系の反応に. process:A geochemicalapproach to nuclear. ついて」,工化,5‘,335(1953).. WaSteimmobilization”,Geochem.].,13,141 12)J.A.Dean,“上α乃ge’∫肋〃(蕗00ん〆C毎∽ねけ〆’, (1979). 7)田川,「高レベル放射性廃棄物の固定化に関する 研究:Ⅰ研究の目的とその背景」,横国大環境研 紀要,8,89(1982).. 8)田川,木村,小林,藤野,大内,室村,「1司上:ⅠⅠ アルカリ土金属塩と含水二酸化チタン′との反 応」,横国大環境研紀要,$,99(1982). 9)田川,木村,五十嵐,藤野,大内,「同上:ⅠⅠⅠチ タン酸ストロンチウムの生成反応」,横国大環境. 研紀要,9,55(1983);H.Tagawa,K.Kimura, T.FujinoandK,Ouchi,“ReactlVltyOfstartlng. McGraw−Hill(1979).. 13)R.C.Weast(ed.),“CRCHandbookqrChem− istryandPhysics”,64thed.,CRCPress(1983). 14)D.D・Wagman,W.H.Evans,V.B.Parker R.H.Schumm,I.Halow,S.M.Bailey, ChurneyandR.L.Nutta11,“The NBS Tbbles 〆Cろe研ねα‖Ⅵer〝了βめノ〃α∽たタrログerJお∫;∫eわcred. I匂J〟β∫ルrJ〃∂曙α〃ねα〃d Cノα乃dC20rgα〃fc. ∫〟如Jα〃Ce∫わ‡∫′こ加納”,∫.ア毎ぶ.C力em.Rげ.. Data,11,(Supplement No.2),Amer.Chem. Soc.,Amer.Inst.Phys.,andNBS(1982)..

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