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教師からみた学級特徴形成への児童の関与度と児童理解の関係について

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Academic year: 2021

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(1)教師からみた学級特徴形成への児童の関与度と児童理解の関係について  学校教育学専攻 学校心理学コース.    M06077D     川原拓実. I.問題と目的. 児童についての質問を行い、学級特徴の形成への.  学級担任教師は、学級全体をまとめていく一方で、. 関与度という観点で児童を捉えたときにどのよう. 「学習や集団生活をする上で個別指導や支援が必要. なクラスターや児童が、他児童と比べて教師から. な児童」にも対応している。そんな中、学級の一部. 理解されていないのかを探っていく。. の児童への理解や配慮が行き渡らなくなり、結果と して不登校や問題行動といった形で表れたときにな. 皿.本調査. って初めて「ふつうの子」だと思っていた児童の内. 1)方法と調査協力者. 面の変化に気づかされることがあるように思われる。.  現職小学校教師4名に調査に協力してもらった。. 問題行動を起こしやすい児童や個別支援が必要な児. その際、対象とする児童の名前を想起される順に書. 童だけでなく、すべての児童に対して担任教師は注. き出してもらい、その順番で評定してもらった。. 意深く観察し、理解しておく必要があるといえる。.  また、調査協力者A,B,Cのいずれも学級担任.  そこで本研究では、学級の雰囲気や特徴は個々に. であるが、Dは補助教員としてCの学級の指導に入. おいて特有の性質を有している点をふまえて、学級. っている副担任的な立場の教員である。よって、C. の特徴と児童理解の問にはどのような関連があるの. およびDには同一学級を対象に実施したことになる。. かということについて検討する。それにより、どの. 2)結果と考察. ような児童が教師から把握されにくくなりがちなの.  インタビュー内容をKJ法により、r子どもの性. かということを明らかにし、一人一人への深い児童. 格」「外見」「学習」「子どもの気持ち」「生活」「運動」. rクラス・友達」r家庭」r対教師」r教師の行動・気. 理解のための参考になればと考える。. 持ち」「問題行動・特有傾向」「その他」の12のカテ. ゴリーに分類できた。これらを教師が児童を理解す. 皿.本研究で用いた手法について. 1、担任する学級の特徴を自由な連想で15個列挙. るときの視点と捉え、クラスター間で比較を行った。.  し、その項目を用いて学級の児童全員について  rそれぞれの特徴の形成に関与している程度」を. (1)調査協力者Aについて  因子分析の結果、学級の特徴として【従順的よい.  5段階で評定する。. 2.得られた評定値から因子分析を行い、各児童に. 子】【幼児的活発性】の2因子が抽出された。.  対して与えられた因子得点の類似性に基づいて.  また、インタビューにおいて、各児童がいくつの.  クラスター分析を行う。これにより、教師が認知. カテゴリーによって語られていたかを調べ、クラス.  する学級特徴の形成において類似した児童のま. ターごとに平均を算出して比較を行った。.  とまりが抽出される。抽出されたクラスター間で.  その結果、カテゴリー数すなわち児童理解の視点.  因子得点を比較して各クラスターの特徴を検討. 数が多いクラスター群には【幼児的活発性】の特徴.  する。. 形成には関与していない(一)という共通の傾向が. 3.半構造化面接において各クラスターの解釈や各. 見られ、視点数の少ない群は関与度が高かった(十)。. 一84一.

(2) (4)調査協力者Dについて. 語りの内容を中心に調査結果を総合的にまとめる. と、調査協力者Aは、児童との直接的な関わりの有.  学級特徴として【明るさ】【活発・雑然】【低学. 無が児童を捉える際のイメージに強く影響している. 習意欲】の3因子が抽出された。. と読みとれた。【幼児的活発性】すなわち、“教師と.  また、視点数が多い群は【明るさ】の特徴形成に. の親密かっ活発な関わり”持てる子かどうかが、児. 対して関与しておらず、視点数の少ない群は【活発・. 童の学校適応に対する教師の中での一つの目安にな. 雑然】に関与していなかった。. っていると考えられる。そのため、自分自身に関わ.  【明るさ】【活発・雑然】のどちらも“元気さ”. ってこない児童に対しては、特に注意深い観察や理. という特徴を表しているが、【明るさ】においては. 解のための眼差しが向けられ、関わってくる子には. 「手のかからない元気さ」という意味合いが含まれ. 安心してしまっている部分がある可能性が窺えた。. ていることが語りの内容から読みとれた。つまり、 視点数の多い群は【明るさ】が(一)であるので、. (2)調査協力者Bについて. 教師にとって気がかりであると同時に手がかかるた.  学級特徴として【指導困難性】【快活性】【明るい. めに多面的な理解につながっていると思われる。. 声】【真面日さ】の4因子が抽出された。.  反対に、視点数の少ない群は一活発・雑然】が(一).  また、視点数が多い群は【指導困難性】の特徴の. であるので、気になる点はあるが手がかからないた. 形成に(十)である傾向が見られ、視点数の少ない. めに限られた視点のみでの理解になっていると考え. 群は(一)の傾向が見られた。. られる。この背景として、主に特別な配慮が必要な.  このことから、問題行動を起こしがちな児童に対. 児童への指導・支援を担う補助教員の役割が関係し. しては、本人自身や生活面・家庭面・友達との関わ. ていると思われる。. り方など多くの側面についての情報を把握している と考えられる。一方、忘れ物など比較的小さな指導. 1V.総合考察. 要素はあるものの、おとなしく目立たない児童につ. 1.BとC先生では学級特徴の形成と児童理解度に. いては大きな問題は起こさないであろうという安心.  正の関係がみられるなど、4名いずれの結果から. 感からか相対的に理解度が低くなったと考えられる。.  も二つの要因に関係があることがうかがえた。. 2.学級特徴の観点から捉えたときのr特に指導を. (3)調査協力者Cについて.  要する児童」に対しては深く理解し、「手のかか.  学級特徴として【自律的・頑張り】【内気・要支.  らない児童」には理解度が低くなっている傾向が. 援】【意欲的・活発】の3因子が抽出された。.  4名にみられた。また、他児童と「比較」した認.  また、視点数が多い群には【自律的・頑張り】の.  知に偏ることで、本人自身に注目されにくくなり. 特徴形成に(十)の、視点数の少ない群は(一)の.  理解度が下がる可能性も考えられた。. 傾向がみられた。また、特に気になる児童に対して. 3.同一学級を対象にしたC・D間での比較では、. は理解度が高かった。.  教師に理解されやすい児童はほぼ重なり合うが、.  この学級は個別の支援を必要とする児童がとりわ.  理解されにくい児童については異なるという傾向. け多い学級状況であるためか、特に指導を要する児.  が確認された。. 童に加え、教師に協力的な児童への理解も深くなさ. 4.想起順位および教師一兎董間の会話頻度は、児童. れていた。このように両極端の児童を多面的に捉え、.  理解の深さには無関係であると考えられた。. 言わば中問的なそこそこ手のかかる児童について理 解度が下がったというこの傾向は、指導を要する児. 主任指導教員 古川雅文. 童が特に多い学級ならではと言えるのかもしれない。.   指導教員 秋光恵子. 一85一.

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