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神奈川県の教育の現状を踏まえた、今後の教員養成への期待

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Academic year: 2021

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(1)神奈川県の教育の現状を踏まえた、今後の教員養成への期待 . 神奈川県の教育の現状を踏まえた、今後の教員養成への期待. 神奈川県教育委員会 1.はじめに 近年、子どもの学ぶ意欲や規範意識の低下、社会性の 不足、いじめや不登校、暴力行為等の課題が、複雑化・ 多様化するとともに、発達障害の子どもへの適切な支援 など、学校現場に様々な教育課題が山積しており、教職 員には、高い指導力をもつことが求められている。 さらに、大量退職・大量採用時代を迎える中で、優秀 な人材を大量に確保することや、経験豊かなベテラン教 職員がもつ教育指導に関するノウハウを若い世代に継承 し、学校全体の教育力を向上させていくことが課題と なっている。 神奈川県教育委員会では、子どもたちへの教育をめぐ る課題が複雑かつ多様化する中で、明日のかながわを担 う人づくりを進めるため、平成 19 年8月に、本県の教 育の総合的な指針となる「かながわ教育ビジョン」を策 定した。その中で、重点的な取組みとして位置づけられ ている「意欲と指導力のある教職員の確保・育成」を具 現化し、推進するための個別計画として、同年 10 月に 「教職員人材確保・育成基本計画」(以下「基本計画」と いう。)を策定した。 2.めざすべき教職員像 基本計画では、平成 17 年 10 月の中央教育審議会答 申に示された「あるべき教師像」や、かながわ人づくり フォーラム運営推進委員会「かながわの教育ビジョンに 関する提言」、公務員として求められるあり方(行政的 要請)を基に「めざすべき教職員像」(第1図)を整理 した。 その後、平成 24 年8月の中央教育審議会答申「教職 生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策 について」において、これからの教員に求められる資質 能力「学び続ける教員像」(第1表)が示された。 この内容は、平成17年に整理された項目と、文言等に若干 の違いはあるものの、基本的な考え方は変わっていない。. 4. めざすべき教職員像 人格的資質・情熱 教職員としての人格的資質・教職への情熱 ◎豊かな人間性と社会性、高い対人関係能力と コミュニケーション能力をもっている ○子どもへの教育的愛情と責任感、教職に対す る使命感と誇りをもっている ○高い倫理観をもち、公平・公正に行動できる ○変化に対応し、学び続ける向上心をもっている 課題解決力 子どもや社会の変化による課題の把握と解決 ◎子どもをよく理解し、多様な教育的ニーズに 対して適切に対処・指導できる ○得意分野をもち、個性豊かで、連携・協力し ながら指導できる ○豊かな創造力をもち、新たな課題へ積極的に 挑戦する意欲や実行力をもっている ○教職員全体と協力し、学校全体を意識しなが ら組織的に取り組むことができる ○保護者、地域の人々と協力して取り組むこと ができる 授業力 子どもが自ら取り組む、わかりやすい授業の実践 ◎子どものやる気を引き出し、意欲を高めるこ とができる ◎わかりやすい授業の実践ができる ○高い集団指導の力をもち、望ましい学級づく りができる ○授業研究を生かした校内研修に進んで取り組 むことができる *◎は平成 17 年度「教育に関する学校関係者向け意識調 査結果」において、保護者、学校評議員が教職員に望 む割合の高かった項目 *「課題解決力」と「授業力」を合わせたものを「指導力」 としている。. 第1図 めざすべき教職員像.

(2) 第1表 中央教育審議会答申における教員像. また、 「授業力」だけでなく、 「人格的資質・情熱」、 「課. 平成 17 年 10 月 平成 24 年8月 「あるべき教師像」 「学び続ける教員像」 (1) 教職に対する強い情熱 ( ⅰ ) 教職に対する責任感、 探究力、教職生活全体を通 じて自主的に学び続ける力 (2) 教育の専門家としての ( ⅱ ) 専門職としての高度 確かな力量 な知識・技能 (3) 総合的な人間力 ( ⅲ ) 総合的な人間力 また、神奈川県教育委員会が平成 17 年度と平成 25 年度に調査した「教育に関する意識調査」における「望 ましい教員像」(第2表)の回答結果を見ると、保護者 が教員に望む割合が高い項目の順位については変化がな く、 「子どもをよく理解し、適切に対処・指導してくれる」 教員が最上位となっている。. 題解決力」が求められていることがわかる。 「めざすべき教職員像」は、保護者だけでなく、児童・ 生徒が求める教員の姿であり、教員を養成する早い段階 から意識していくことが重要である。そのため、教員志 望者の指針として「めざすべき教職員像」を踏まえた教 員養成を望みたい。 3.教育の現状 現在の社会状況は、基本計画策定時と比べて、急激な 少子化や高齢化、さらにはグローバル化や情報通信技術 の進展などに伴い、諸課題が深刻化している。 また、国の「第2期教育振興基本計画」が平成 25 年. 第2表 「教育に関する意識調査」の結果より. 6月に閣議決定され、子どもたちに思考力・判断力・表. 「望ましい教員像」. 現力等の確かな学力を身に付けさせるため、教育内容・. 保護者が教員に望む割合 子どもをよく理解し、適切に対処・指導してくれる 1 (平成 17 年度 66.8% 平成 25 年度 69.2%) 子どものやる気を引き出し、意欲を高めてくれる 2 (平成 17 年度 64.3% 平成 25 年度 63.0%) わかりやすい授業をしてくれる 3 (平成 17 年度 46.1% 平成 25 年度 48.5%) 信頼され、尊敬される人格をもっている 4 (平成 17 年度 40.8% 平成 25 年度 40.2%) 時代の変化に対応した指導を実践している 5 (平成 17 年度 14.6% 平成 25 年度 15.6%) 以上の点から「めざすべき教職員像」は普遍的な内容 であると考えられる。 一方、平成 25 年度「教育に関する意識調査」において、 小中高の児童・生徒に、「教わりたい先生」(第2図)に ついて聞いたところ、「わかりやすい授業をしてくれる」 先生という回答の割合が最も高かった。 0%. 50%. わかりやすい授業をしてくれ る 39.6%. 自分たちのことをわかってく れて、しかったり、ほめたり してくれる 生徒と一緒になって何でもや ってくれる 一人ひとりに応じた進路指導 をしてくれる. る。 さらに、本県では、平成 25 年8月「神奈川の教育を 考える調査会 最終まとめ」において、「小中一貫教育 校導入の検討」や、「再編・統合を通じた新たな県立高 校づくり」、「インクルーシブ教育の推進」などの必要性 が指摘されており、新たな学びや、様々な教育課題に対 応するために、教員は生涯にわたり学び続けていくこと が求められている。 4.教員養成への期待 新たな学びや様々な教育課題に対応できる優秀な人材 の養成に向けて、現在、様々な大学において、理論と教 育現場での実践が融合した教員養成の取組みが行われて おり、神奈川県教育委員会としても大学と一層連携し、. 100% 68.5%. やる気を出させ、意欲を高め てくれる. 方法の一層の充実を図るといった考え方が示されてい. 39.6% 25.3% 18.8%. 推進していきたい。 また、神奈川県教育委員会では、教職に求められる使 命感と責任感を醸成し、多様な教育的ニーズに対応する 実践力の向上を図るとともに、神奈川の教育についての 理解を深めてもらうために、平成 20 年度より「かなが わティーチャーズカレッジ」を開講している。毎年多く の受講者が学んでおり(平成 26 年度 386 名)、是非活 用をお願いしたい。 教育に明確なゴール、正解を求めることは難しいが、 児童・生徒の成長を願い、「めざすべき教職員像」を踏. 第2図 教わりたい先生(小中高生). まえた、生涯、学び続ける教員を養成するという役割を 大学が果たしていくことを期待している。. 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 5.

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参照

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