特集 立命館の学位授与方針

特集「立命館の学位授与方針」の趣旨

紀要編集委員会 教育開発推進機構では、紀要『立命館高等教育研究』を定期的に発行し、全学での認識の共有 を図るとともに、学外の関係諸機関に対して情報発信を行っています。第 7 号（ 2007 年 3 月刊） からは、本学独自の取組を中心にテーマを定め、特集という形で掲載しています。第 7 号・8 号 では、立命館大学における GP の取組を、第 9 号では立命館大学の教養教育を、第 10 号では立 命館大学の言語教育改革を取り上げてきました。また第 11 号では、「立命館の大学院教育」とし て、立命館学園での大学における大学院教育に焦点を当てました。 第 12 号の特集のテーマは、「立命館の学位授与方針」とし、学士課程を中心とした特集を組み ました。本学園では、学則への人材育成目的の記載や、履修要項等における系統履修の促進、入 学試験要項への求める人材像の掲載など、様々な取組を進めてきています。また 2010 年度には、 立命館憲章、建学の精神、教学の理念を基に、各学部・研究科の入学者受け入れ方針（AP、ア ドミッション・ポリシー）、教育課程編成・実施方針（CP、カリキュラム・ポリシー）、学位授 与方針（DP、ディプロマ・ポリシー）の 3 つのポリシーをとりまとめ、学生や社会に対して示 しています。 大学全入時代に近づくにつれ、基礎学力を有していない学生層の入学が増えるなど、大学教育 の質保証の担保が難しくなっています。また国際的な規模において、学習成果を重視するなど、 教育の質保証への取組が進められ、本学園においても国際通用性を備えた大学教育の構築は避け られない状況にあります。 本年度の特集では、特に学士課程における大学教育の到達目標である、人材育成目的を示した 学位授与方針を取り上げます。学位授与方針の具体化は、大学教育において質保証を担保するう えで欠かせない取組です。学位授与方針を定めることは、その前段階の教育課程編成・実施方針 や入学者受け入れ方針を定める際の起点となり得るものであり、大学教育を体系的に捉え、その 有効性や妥当性を精査するうえで必要だと考えられるからです。 そこで今回は、立命館大学、立命館アジア太平洋大学（APU）の各学部における学位授与方針 について、その人材育成目的を中心に、学部教育の教育目標（学生が卒業時に身に付けておくべ き力）や教育課程（カリキュラム）の編成方針、授業の運営方針、学生の卒業後に期待される活 動分野、将来計画の構想などを含めて、各学部の立場から自由に紹介して頂きます。この特集が 本学園の共通理解の醸成と教育実践・職能開発の一助になることを期待しています。