〈論文〉オーストリアの料理名をめぐって
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(2) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 1.「 標 準 言 語 」 と 「 料 理 名」 オ ー ス ト リ ア で は 、 「標 準 言 語 」(Standardsprache、Hochspracheと て い る 、 ドイ ッ で は さ ら にHochdeutschと. も表 示 さ れ る)の. い う用 語 が 使 わ れ. 概 念 につ い て は 、 ま だ十 分 な. 議 論 が な さ れ て お らず 依 然 と し て ま だ 曖 昧 で あ る 。 そ の 点 は 、 ドイ ッ 、 オ ー ス ト リ ア 、 ス イ ス 、 リ ヒ テ ン シ ュ タ イ ン な ど の い わ ゆ る ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リエ ー シ ョ ン と して の ドイ ツ 語 対 照 研 究 の 総 括 的 な 存 在 と見 な さ れ るy説. 侃 纏 御δ7'67伽碗46∫1)甜. 孟 ∫6加%20043の. 出版. 後 も、 な ん ら 変 わ る こ と は な い 。 文 化 的 ・歴 史 的 ・政 治 的 な 事 情 の 結 果 を 根 拠 に し て 、 幾 多 の 言 語 共 同 体 は 地 域 的 あ る い は ナ シ ョナ ル 的 な ヴ ァ リエ ー シ ョ ン を 発 展 させ 、 そ れ ら は 各 行 政 区 域 で 「標 準 語 」 と して 定 着 して い る の が 実 情 で あ る 。 しか し ナ シ ョナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン と し て の 各 言 語 が そ の 「標 準 語 」 と し て 自 由 に 扱 え る 語 彙 が 十 分 で な い 言 語 領 域 が 若 干 あ る 。 そ れ は 日常 言 語 領 域 で 、 と り わ け 地 域 的 な 日常 文 化 領 域 の 言 語 で あ る 。 ド イ ッ の 正 書 法 辞 典D〃 鹿 〃 や オ ー ス ト リ ア の 正 書 法 辞 典 δs'6/76ガo嬬 酌6∫ 防 漉7∂ 〃6ガ で は 、 こ れ ら の 語 彙 は 。landschaftlich"(地 。umgangssprachlich"(日 リ ア 的)な. 常 語 的),。sUddeutsch"(南. ドイ ッ 的),。6sterreichisch"(オ. ど と記 さ れ て い る 。y∂7勧'6〃 ωδ7`67∂ 〃酌4θ ∫Dθ%孟∫c加%2004で. 語 彙 は 「標 準 の 境 界 領 域(GrenzfalldesStandards)」. 域 的), ース ト. は 、 こ れ らの. と し て か な り範 囲 が 広 い 曖 昧 な 表 示. に な っ て い る 。 そ して こ の 「境 界 領 域 」 に 、 と りわ け 方 言 的 な料 理 専 門 表 現 が 多 く見 られ る 、 例 え ばBlunzen(こ. れ は バ イ エ ル ン 語 で あ る 、 東 中 部 ドイ ッ 語 で はPlunzeと. 標 準 語 で は い わ ゆ るBlutwurst〈. ブ ラ ッ ド ソ ー セ ー ジ 〉 で あ る)、Strankerl(一. Fisoleで 表 現 され る イ ンゲ ン豆 の ケ ル ン テ ン方 言)な と は み な さ れ て い な いGerstl(大. 般的 には. ど。 ま た そ の 形 態 上 一 般 的 に は 標 準 語. 麦 ヌ ー ドル)とNockerl(ノ. 料 理 専 門 表 現 と な っ て い る 。 しか し方 言(Mundart)あ. も言 う、. ッ ケ ル ル 、 小 さ な ダ ン ゴ)も る い は 日常 語(Umgangssprache). を 起 源 とす る 料 理 表 現 が 料 理 本 あ る い は 料 理 レ シ ピ に 一 旦 記 載 さ れ る と、 そ れ ら は 即 座 に 標 準 語 も し く は 標 準 語 的 な も の と み な さ れ る場 合 が 多 い 。 個 々 の 各 料 理 名 の 言 語 別 に よ る 検 討 に 入 る 前 に 、 料 理 名 の 由 来 に つ い て こ こ で 少 し一 般 的 な こ とを述 べ て お きた い 。料 理 とは そ れ が 生 まれ た 時 点 で は、 た い て い の場 合 非 常 に素 晴 ら し く、 ま さ にcordonbleu5(チ 理 」 の 意 味 もあ る)で. ー ズ とハ ム 入 りの 子 牛 の カ ツ レ ツ 、 「一 流 の 栄 誉 あ る 料. あ りSacherTorte(有. れ た 杏 ジ ャ ム 入 りの トル テ)に. 名 な 人 気 の あ る チ ョ コ レ ー トコ ー テ ィ ン グ さ. 相 当 す る か も しれ な い 。 しか し ど の 料 理 名 も狭 義 で の 「特. 色 ・特 質 名 詞 」(nomenproprium)6で. は な い。 即 ち、 各 料 理 は 好 み に 応 じて料 理 され る. が 、 そ の 料 理 の 特 色 を表 現 す る名 称 が 付 くとは 限 らない の で あ る。 そ の 料 理 の 成 分 、 調 理 方 法 、 外 観 、 地 理 的 ・歴 史 的 な 由 来 な ど、 料 理 名 の 付 く動 機 と 由 来 は 、 以 下 の 分 類 ・区 分 か ら理 解 で き る よ う に多 種 多 様 で あ る7。. 一80一.
(3) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. 1)成. 分 に よ る 名 称:Beuschel(子. 牛. ・子 羊 の 肺. (ブ ラ ッ ド ソ ー セ ー ジ)、Faschiertes(挽 す る フ ラ ン ス 語farceか Fleischlaibchen(肉 ErdapHblattl(ポ 2)調. 理. 入. 肉 、 鳥 ・魚. り 丸 い 小 型 パ. 入. ン)、Schweinsbraten(ロ. ー ス. ト ポ ー ク)、. ー プ な ど に 入 れ る ゆ る い 練. を ∼ に た ら し 入 れ る)、Dampfnudeln(発. て 蒸 か し た 菓 子 、dampfen=蒸 で 揚 げ る)、Reibekuchen(ジ. す. ・蒸 か す)、Frittaten(パ. 酵 生 地 を まるめ. る 、 す り お ろ す). ー プ に 入 れ る 小 さ い ダ ン ゴ 、Nock=岩. ラ ッ ペ ン、 揚 げ パ ン の 一 種 、 以 前 は 形 が 由 来 す る)、Schnitzel(カ. ッ1/ッ. り粉 、. ン ケ ー キ 、fritieren=油. ャ ガ イ モ の パ ン ケ ー キ 、reiben=擦. 観 ・外 形 に よ る 名 称:Nockerl(ス. kraphoに. り ク ネ ー デ ル)、. テ トパ ン ケ ー キ). ・ 調 合 に よ る 名 称:Eingetropftes(ス. Krapfen(ク. ・野 菜 な ど に 詰 め る 刻 み 肉 を 意 味. ら の 借 用 語)、Fleischkn6del(肉. eintropfen/eintaufeln=∼. 3)外. ・心 臓 を 使 っ た 臓 物 料 理)、Blutwurst. の 頂 、 丘). 「鈎 」 型 で 、 古 高 ド イ ッ 語. 用 牛 肉 ・豚 肉 の 薄 切 り 、 布. ・紙. ・木 な ど の. 「小 片 」 に 由 来 す る) 4)調. 理 器 具 に よ る 名 称:Rein(d)ling(イ べReindlを. 使 用)、Kesselgulasch(ハ. Pfann(en)kuchen(パ 5)地. ー ス ト菌 を 生 地 に 使 っ た ケ ー キ 、 小 さ い 平 な ン ガ リ ー 風 の グ ー ラ シ ュ 、 な べKesselを. ンクー ヘ ン、平 なべ. 理 的 な 由 来 に よ る 名 称(国. 、 都 市 な ど):FrankfurterWUrstel(フ. ソ ー セ ー ジ)、WienerSchnitzel(ウ レ ツ)、b6hmischeDalken(ボ. ・フ ラ イ パ ンPfanneを. 6)人. 物. 使 用) ラ ンク フ ル ト. イ ン ナ ー シ ュ ニ ッ ツ エ ル 、 ウ ィ ー ン風 子 牛 の カ ッ ヘ ミ ア 風 ダ ル ケ ン 、 パ ン ケ ー キ の 一 種)、Liptauer(ス. ロ ヴ ァ キ ア の リ プ タ ウ 産 チ ー ズ)、TirolerKn6del(チ Torte(リ. 使 用)、. ロ ル 風 ク ネ ー デ ル)、Linzer. ン ッ 風 ト ル テ). ・家 系 名 に よ る 名 称:Dobos-Torte(ブ. ダ ペ ス ト の 菓 子 職 人LajosDobos由. 来. の チ ョ コ レ ー トバ タ ー ク リ ー ム 入 り ビ ス ケ ッ ト トル テ)、Sacher-Torte(1832年Franz Sacherに. よ っ て 造 ら れ た チ ョ コ レ ー ト ト ル テ)、Malakof卜Torte(甘. い ビ ス ケ ッ トの 一. 種 で あ る ビ ス コ ッ テ に よ っ て 作 ら れ た ラ ム 酒 入 り トル テ 、 ク リ ミ ア 戦 争 で セ バ ス トポ リ の ロ シ ア の 要 塞 を 攻 略 し たJeanJ.P61issier、 Eszterhazy-Torte(ハ. 後 のMalakoff公. 爵 名 に 由 来 す る)、. ン ガ リ ー の 貴 族 エ ス タ ー ハ ー ズ ィ ー 候 の 名 の 付 い た ヘ ー ビル ナ ッ. ッ ビ ス ケ ッ ト ト ル テ 、 こ の 名 の つ く 料 理 名 は ブ ル ゲ ン ラ ン ド 州 に 多 い)、GirardiRostbraten(ベ. ー コ ン と シ ャ ン ピ ニ オ ン 添 え の 牛 肉 料 理 、 有 名 な 民 衆 劇 俳 優. AlexanderGirardi〈1850-1918>に 7)隠. 喩 に よ る 名 称:Pafesen(パ. ち な ん で 名 づ け ら れ た) フ ェ ー セ 、 ジ ャ ム ・ペ ー ス ト な ど を は さ ん で 油 で い た. め た 白 パ ン 、 語 源 的 に は 北 イ タ リ ア の 都 市 名paveseに 士 に食 べ 物 を援 助. 由 来 す る、 そ の 町 の標 識 に兵. ・提 供 す る こ と が 書 か れ て い た の で 、 そ の 料 理 名 と 都 市 名 が 結 び つ. 一81一.
(4) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. い た と推 測 さ れ る 、 そ し て く 貧 しい 騎 士 〉 を 意 味 す る ドイ ッ のArmeRitter<パ. ンを. ミル ク に ひ た し た あ と 焼 い た ケ ー キ 〉 と 同 様 に 「粗 末 な 食 事 」 「貧 し さ 」 を 隠 喩 し て い る の で あ ろ う)、Einspanner(ホ. イ ッ プ ク リ ー ム を の せ た ウ ィ ナ ー コ ー ヒ ー 、 「1頭. 立 て の 馬 車 」 と い う 意 味 も あ り、 比 喩 的 に 「一 人 暮 ら し の 男 」 も 意 味 す る)、 Pharisaer(パ. リサ イ コー ヒー、 ホ イ ップ した ク リー ム とラ ム 酒 を い れ た ホ ッ トコ ー. ヒ ー 、 パ リ サ イ 派 は1世. 紀 ご ろ の ユ ダ ヤ 教 主 流 派 で 、 律 法 に 厳 格 な あ ま り、 とか く形. 式 主 義 に 陥 る こ と が 多 か っ た 、 そ こ か ら 「高 慢 で 独 善 的 な 偽 善 者 」 も 意 味 し て い る) 8)伝. 統(行. 事)に. よ る 名 称:Kirchtagssuppe(屋. 台 や 見 世 物 小 屋 の 立 つ 教 会 の お 祭 り、. 縁 日 に 出 さ れ る ス ー プ 、 特 に 具 が 多 い)、Stefaniebraten(シ. ュ テ フ ァ ニ ー ・ロ ー ス ト、. 古 い ウ ィ ー ン料 理 の 一 つ 、 キ ノ コ 、 ブ ー ケ ガ ル ニ 、 ケ ー パ ー 、 エ ン ドウ マ メ 、 ジ ャ ガ イ モ と 共 に マ ラ ガ 産 ワ イ ン で 蒸 し た 肉 料 理 、 キ リ ス ト教 最 初 の 殉 教 者 ス テ パ ノ 聖 人 の 祝 日 〈12月26日 9)事. 〉 に ち な ん で 命 名 さ れ た と い わ れ て い る). 物 表 示 名 称:Pasta(パ. ス タ 、 粉 状 の も の を こ ね て 作 っ た もの 、 「粉 状 の もの を ま. く、 振 りか け る 」 と い う意 味 の ギ リ シ ャ 語 πdσσε〃 か ら き て い る)、Crepe(ク. レー プ、. パ ン ケ ー キ の 一 種 、 フ ラ ン ス 語 で は 「ち ぢ み 、 ち りめ ん 」 の 意 味 も あ る) 10)そ. の 他 の 名 称:cordonbleu(ハ. ム と エ メ ン タ ー ル チ ー ズ 入 り子 牛 の カ ッ レ ッ 、 パ リ. の 料 理 人 組 合 か ら一 流 の 料 理 人 に授 与 さ れ る 「青 大 綬 」 に 由 来 す る 、 注5参. 照). 食 事 と料 理 慣 習 の 変 化 と共 に 表 示 名 も大 き く変 化 し て い る が 、 国 際 的 に な っ た 料 理 と共 に新 しい 借 用 語 もオ ー ス トリ ア に入 っ て きた 。 以 前 は と りわ け フ ラ ンス 語 か らの借 用 語 、 例 え ばcordonbleu(子. 牛 の カ ツ レ ツ)、Fricandeau(子. しか し ま たFachiertes(挽. 肉)の. 牛 の モ モ 肉)等. よ う な フ ラ ン ス 語farceか. ら ドイ ッ 語 化 さ れ た オ ー ス ト. リ ア 表 現 も存 在 す る 。 そ して イ タ リ ア 語 か ら の 借 用 語 、Pasta(パ メ ザ ンチ ー ズ)、Ravioli(ラ. 語D6nerkebap(デ Suvlaki(串. ス タ)、Parmesan(パ. ル. ヴ ィ オ ー リ 、 肉 と 野 菜 な ど を 小 麦 粉 の 皮 で 包 ん だ も の)、 さ ら. に 今 日 で は 英 語 か ら の 借 用 語Toast(ト ン借 用 語Hamburger(ハ. が 多 く見 ら れ た 。. ー ス ト)、Sandwich(サ. ン バ ー ガ ー)な. ン ドイ ッ チ)ま. たUタ. ー. ど が 見 ら れ る 。 さ ら に ま た トル コ 語 か ら の 借 用. ー ナ ー ・ケ バ ブ)、 ギ リ シ ャ 語 か ら の 借 用 語Gyros(平. な べ 肉 料 理)、. 刺 し 肉 料 理)、 ま た そ の 他 の 言 語 か ら の 借 用 語 と し て 、 英 語 経 由 で 入 っ た ドラ. ヴ ィ タ系 タ ミ ー ル 語kariを. 起 源 とす るCurry(カ. (妙 め 飯 の 一 種)、 日本 語 のSushi(す. し)な. レー 粉)、 イ ン ドネ シ ア 語 のNasigoreng. どが あ る。 原 因 は様 々 で あ る が 、 異 国 的 な も. の に 対 す る 好 み と関 心 、 休 暇 地 で の 思 い 出 、 移 民 者 か らの 影 響 な どが そ の 主 な 要 因 と考 え られ る 。 他 方 、 土 着 料 理 に 対 す る 好 み が 増 す に 従 っ て 、 方 言 や 地 域 日常 語 か らの 借 用 語 の 数 も飛. 一82一.
(5) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. 躍 的 に 増 え た 。 こ れ ら の 語 が 料 理 メ ニ ュ ー や 料 理 本 で 使 わ れ る と、 そ れ ら は 専 門 表 現 と し て い わ ば 標 準 語 的 に な る。 い わ ゆ る Austriazismen)8と. 「特 殊 で な い オ ー ス ト リ ア 表 現 」(unspezi且sche. さ れ て い たApfelstrudel(渦. ニ ラ 入 り ク ッ キ ー)な. 巻 き 型 ア ッ プ ル パ イ)、Vanillekipferl(バ. ど は 、 す で に 標 準 語 の 語 彙 範 疇 に 入 っ て い る 。 そ れ らの 語 彙 は こ の. 料 理 に 対 す る ドイ ツ 語 が 駆 使 で き る 唯 一 の 名 称 で あ る か らで あ る 。 こ れ ら の 語 は 語 源 的 に は 方 言 か ら生 ま れ 、 専 門 的 な 料 理 表 現 と し て 定 着 し、 す で に. 「標 準 ド イ ツ 語 」 と な っ て い. る 。 そ の 他 の 例 と し て は 、 バ イ エ ル ン 人 に と っ て のRadieserln(ダ に と っ て のStrankerln(イ. ン ゲ ン マ メ)、. ウ ィ ー ン 人 に と っ て のBruckHeisch(肉. 際 に 残 る 肉 片 と 臓 物 を 使 っ た ラ グ ー に 近 い 料 理)、 (チ ー ズ ヌ ー ド ル)、 ドル 料 理)、. ケ ル ン 人 に と っ て のHalveHahn(オ. ュ ペ ッ ッ レ 、 塩 茄 で した ヌ ー. ラ ン ダチ ー ズ とカ ラシ を塗 っ た ラ イ麦 パ. ベ ル リ ン 人 に と っ て のHackepeter(挽. ン ブ ル ク 人 に と っ て のLabskaus(肉. を捌 い た. ケ ル ン テ ン 人 に と っ て のKasnudeln. シ ュ ベ ー ビ シ ュ 人 に と っ て のSpatzle(シ. ン 添 え の チ キ ン 半 羽)、. イ コ ン)、 ケ ル ン テ ン 人. 肉 、 タ ル タ ル ス テ ー キ)、 ハ. ・ジ ャ ガ イ モ ・タ マ ネ ギ な ど を 用 い た 船 員 用 シ チ ュ ー). な どが あ げ ら れ る 。 ま た 商 品 と して 食 料 品 を 扱 う 場 合 、 食 品. ・料 理 名 の 表 示 に 注 意 が 向 け ら れ て い る 。 例 え. ば 、 オ ー ス ト リ ア 地 域 も 販 売 圏 と し て い る ド イ ッ の 冷 凍 食 品 メ ー カ ーbofrostの. カ タ ロ グ. を 見 る と 、 オ ー ス ト リ ア で 一 般 的 で な い 表 現 、 例 え ばPilz-ragoutundmischung(Pilz= Schwamm(erl)〈. オ ー ス トリ ア表 現 、 以 下 オ 〉 、 キ ノ コ入 りラ グ ー、 キ ノ コの 詰 め合 わ. せ)、Puten-Krautersteaksund-brust且let(Pute=Truthahn〈. オ 〉、 香 辛 料 風 味 の 七 面. 鳥 ス テ ー キ 、 七 面 鳥 の 胸 肉 ・ フ ィ レ 肉)、PutegefUllt(詰 h6rnchen(H6rnchen=Kipfe(r)1〈 salat(BohneニFisole,Strankerl〈 (WUrstchen=WUrstel〈 =Rinds-〈. め 物 入 り 七 面 鳥)、W誼el-. オ 〉 、 ワ ッ フ ル ・ ク ロ ワ ッ サ ン)、BunterBohnenオ 〉 、 多 彩 な マ メ ・サ ラ ダ)、FrankfurterWUrstchen オ 〉 、 フ ラ ン ク フ ル ト ソ ー セ ー ジ)、RinderhUftsteak(Rinder-. オ 〉 、 牛 の 腰 肉 ス テ ー キ)な. どが 使 わ れ て い る 。 しか し こ れ ら の 語 と 並 ん で 、. オ ー ス ト リ ア 表 現 と し て 一 般 的 な 語 、 例 え ばKar且ol(=Blumenkohl<ド ド 〉 、 カ リ フ ラ ワ ー)、Eierschmmerln(=Pfifferling〈 (=Rosenkohl〈 Frikadelle〈. ド 〉 、 メ キ ャ ベ ツ)、Hendl(=Hahnchen〈 ド 〉 、 フ リ カ デ ル 、 小 さ な 肉 ダ ン ゴ)10も. イ ツ表 現 、 以 下. ド 〉 、 ア ン ズ タ ケ)、Kohlsprossen ド 〉 、 若 鶏)、Fleischlaiberl(= 見 ら れ る の で 、 「オ ー ス ト リ ア ド イ. ッ 語 」 の 言 語 使 用 が あ る 程 度 顧 慮 さ れ て い る とい え る が 、 そ の 基 準 は 明 確 で は な い 。 こ の よ う に料 理 内 容 と そ の 名 称 で あ る料 理 名 は 、 日 寺代 の 流 れ と 食 事 習 慣 な ど に 影 響 さ れ て 常 に 変 化 を 体 験 し て き た 。 す で に19世. 紀 の 料 理 本 に は 多 くの レ シ ピが 見 ら れ る が 、 そ. れ ら は 今 日 で は 全 く再 現 が で き な い か あ る い は 完 全 な 再 現 が 困 難 で あ る 場 合 が 多 い 。 素 材. ・成 分 が 原 因 で は な く て 、 む し ろ 発 酵 方 法 の 変 化 が 原 因 で あ る 。 他 方 、 中 世 あ る い は 古. 一83一.
(6) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 代 の 料 理 は か な り再 現 が 可 能 で あ る と言 わ れ て い る 。20世 準 的 な 作 品 を 記 載 し た1911年 の90年. の 第1版1%∬. と2001年. 紀 以 降 の 「ウ ィ ー ン料 理 」 の 標. の 第44版H6∬. を比 較 す る と、 こ. 間 の 変 化 が 容 易 に 確 認 で き る が 、 住 民 の 下 層 お よ び 中 流 層 の 料 理 と 、 貴 族 ・上 流. 層 の 料 理 で は 、 そ れ ほ ど顕 著 な 違 い は な い と い わ れ て い る11。 む し ろ 各 料 理 名 の 語 源 を 遡 る こ と に よ っ て 、 そ の 料 理 の 変 遷 と 同 時 に そ の 背 景 と な る社 会 文 化 状 況 が 理 解 で き る の で は な か ろ う か 。 そ こ で 次 章 以 降 、 さ ら に 詳 し く起 源 言 語 別 に 各 料 理 名 を 順 次 検 討 す る こ と に した い 。. 2.バ. イ エ ル ン ・南 ドイ ツ 由 来 の 「ウ ィ ー ン料 理 名 」. 国 際 的 な 料 理 分 野 で は 、 「オ ー ス ト リ ア 料 理 」(6sterreichischeKUche)と. い う用 語 は使. 用 さ れ ず 、 そ の 代 わ り に ウ ィ ー ン 会 議 以 来 「フ ラ ン ス 料 理 」 と ま さ に 競 う もの と して 確 立 さ れ た 「ウ ィ ー ン料 理 」(WienerKUche)と. い う 表 現 と概 念 が 存 在 す る 。 こ れ は 狭 義 で の. 単 な る 「町 の 料 理 」 で は な く て 、 む し ろ オ ー ス トリ ア ・ハ ン ガ リ ー 帝 国 全 て の 領 国 か ら影 響 を 受 け た 多 民 族 料 理 とい う 意 味 合 い が あ る 。 「オ ー ス ト リ ア 料 理 」 と は 、 南 ドイ ッ料 理 の ウ ィ ー ン風 の 焼 き直 しで あ り、 ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 領 内 の す べ て の 帝 室(王. 室)領. 地から. の 様 々 な 刺 激 を 受 け て 発 展 し て き た も の で あ る 。 そ れ は 元 来 「国 民 的 な 」 料 理 で は な く、 南 ドイ ッ ・オ ー ス トリ ア 料 理 を 基 盤 に した 「ヨ ー ロ ッ パ 的 な 」 料 理 で あ る と 言 わ れ て い る 。 そ して そ れ ら の 様 々 な 料 理 と と も に 各 々 の 多 様 な 国 民 性 も 同 時 に 受 け 入 れ られ 、17世 ら20世. 紀か. 紀 初 め ま で の オ ー ス ト リ ア の 帝 都 ウ ィ ー ン で 、 各 種 料 理 文 化 が 結 び つ き華 を 咲 か. せ た の で あ る 。 し た が っ て こ の 料 理 は 正 確 に は 「ウ ィ ー ン料 理 」 と 呼 ば れ る べ き で あ ろ う。 Sαc加7κ06励%酌. に は 、 こ の 「ウ ィ ー ン料 理 」 に つ い て 次 の よ う に記 さ れ て い る 。. 「こ の ウ ィ ー ン で は す べ て の も の が 混 ざ り調 和 を な し て い た 、 洗 練 さ れ た も の が そ の 土 地 特 有 の も の と な り、 粗 野 な(田. 舎 風 の)も. の が 洗 練 さ れ た も の と な っ た 。 あ る料 理 を 単. に 受 け 継 い だ だ け で は 、 最 終 的 に 世 界 に 知 ら れ た 「ウ ィ ー ン料 理 」 と は な ら な か っ た で あ ろ う。 そ こ で は 何 か 特 別 な こ と が 起 こ っ た の で あ る 。 受 け 継 い だ1/シ れ 、 さ ら に そ れ は 同 化 さ れ 、 洗 練 さ れ た も の と な っ た 。19世. ピに は 手 が 加 え ら. 紀 の 「ウ ィ ー ン料 理 」 は 各 々. の 国 民 料 理 の き わ め て 異 な る と こ ろ を 調 整 し、 大 ま か な と こ ろ を 洗 練 し、 か つ 余 り に も薬 味 が 効 きす ぎ た 刺 激 の 強 い と こ ろ を ま ろ や か に し た 。 共 通 点 を 見 出 す とす れ ば 、 こ の 料 理 に は 安 心 感 の あ る ウ ィ ー ン の 市 民 的 な 特 色 が 付 与 さ れ て い る と い え よ う。 即 ち 、 こ れ は ま さ に 家 庭 料 理 で あ り、 市 民 の 簡 便 で 栄 養 豊 か な 料 理 で あ る 。 そ し て 。kaiserlich" 。Kaiser-"と い う 「栄 誉 あ る 称 号 ・肩 書 」 と 「誇 り高 い 評 価 」 を 得 て 表 示 さ れ る 場 合 も あ る 、 例 え ばKaisersch6berl(バ. タ ー とス ラ イ ス チ ー ズ で 味 付 け 揚 げ た ビ ス ケ ッ トの よ う な. 一84一.
(7) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. ス ー プ に 入 れ る 具)、Kaisergugelhupf(鉢. 型 ス ポ ン ジ ケ ー キ)、Kaiserschmarrn(カ. シ ュ マ レ ン 、 卵 入 りパ ン ケ ー キ の 一 種)、Kaise岨eisch(ベ. ー コ ン)、Kaisersemmeln(カ. イ ザ ー ゼ ン メ ル 、 縦 に 数 本 の 筋 の 入 っ た 小 さ め の 丸 い パ ン)の 「ウ ィ ー ン 料 理 」 の 中 で も と り わ け Rindsuppen(ブ Frittaten(パ. ン ケ ー キ)、Lungenstrudel(子. 肉 シ チ ュ ー)、Beuschel(子 Geselchtes(燃. 製. ど が 入 る 。 さ ら にWienerSchnitzel(ウ. の フ ィ レ 肉 料 理)、Gulasch(グ 牛. ィー ン風. ー ラ シ ュ、 パ プ リカ入 り. ・子 羊 の 臓 物 料 理)、Schweinbraten(ロ. 肉)、gefUllteKalbsbrust(言. Schinken且eckerln(ハ. げ た ビ ス ケ ッ ト の よ う な も の)、. 牛 、 ラ ム の 肺 を 挽 き 詰 め た パ イ の 一 種)、. バ ー の ク ネ ー デ ル)な. 子 牛 の カ ツ レ ツ)、Tafelspitz(牛. よ う に 。」12. 「古 典 的 」 料 理 と い え る も の が 以 下 の 料 理 で あ る 。. イ ヨ ン)、 そ の 具 と し てSch6berln(揚. Leberkn6del(レ. イザ ー. 吉物. を 入. ー ス ト ポ ー ク)、. れ た 子. 牛 の 胸. 肉 料. 理)、. ム の フ レ ッ カ ー ル 、 ス ー フ゜ の 具 と して 入 れ る角 形 の パ ス タの 一 種 、. ラ ヴ ィ オ ー リ)、Brat-u.Backhendl(ロ. ー ス ト チ キ ン)な. ど13が. ま た ウ ィ ー ン の 菓 子 ・ ト ル テ も 重 要 な 意 味 を も っ て い る 。(そ. あ る。 の 成 立 に は ボ ヘ ミア 料 理 と. 密 接 に 関 連 が あ る が 、 そ れ に つ い て は 次 章 で 述 べ る こ と に し た い 。)例 Powidltacherln(ス. モ モ ・プ ラ ム ム ー ス 入 り の ジ ャ ガ イ モ 生 地 に よ る 半 円 形 の パ ス タ の 一. 種 、 ラ ヴ ィ オ ー リ)、Milchrahmstrudel(生. ク リ ー ム を 添 え た 渦 巻 き パ イ)、Germkn6del. (イ ー ス ト生 地 に よ る ク ネ ー デ ル 、 プ ラ ム ジ ャ ム 入 り パ ン)、Marillenkn6del(ジ 生 地 の ク ネ ー デ ル 、 杏 入 り ダ ン ゴ)な. ど の 料 理 に は 、Sacher-Torte(ザ. コ レ ー ト ト ル テ)、Malako伍Torte(ラ. の パ ナ マ 運 河 開 通 記 念 に 名 づ け ら れ た)、. ー ゼ ル ナ ッ ツ ト ル テ)な. ど 有 名 な 人 名 ・家 名 ・地 名 が つ く 人 気 の 高. い ト ル テ が 添 え ら れ る 。 ま たIschlerKrapferl(紅 Josefの. 離 宮 が あ る 保 養 地 バ ー. Faschingskrapfen(謝. 肉 祭. Punschkrapferl(ラ. の 揚. ョ コ レ ー トバ タ ー. ナ モ ン と ク ル ミ 入 り ト ル テ)、Panama-. ー モ ン ドチ ョ コ レ ー ト トル テ 、1914年. Eszterhazy-Torte(ヘ. ャ ガ イモ. ッ ハ ー トル テ 、 チ ョ. ム 酒 入 り ト ル テ)、Dobos-Torte(チ. ク リ ー ム 入 り ビ ス ケ ッ ト トル テ)、Linzer-Torte(シ Torte(ア. え ば. 茶 に 添 え て 出 す ク ッ キ ー 、 皇 帝Franz. ド ・ イ シ ュ ル に ち な ん だ 名 が つ け ら れ て い る)、 げ パ. ン)、Gugelhupf(鉢. 型. ス ポ. ン ジ ケ. ム 酒 と パ ン チ を 滲 み こ ま せ 砂 糖 で 覆 っ た ビ ス ケ ッ ト)な. れ る こ と もあ る。 そ れ らは暖 か い菓 子. ・ トル テ の. ど14が. ー キ)、 添 え ら. 「古 典 」 と い え る も の で あ る 。. さ ら に 個 々 の 連 邦 州 の 料 理 か ら 数 多 くの 典 型 的 な 料 理 が ウ ィ ー ン 料 理 と して 仲 間 に 加 わ っ て い る 。 例 え ば 、Klaschelsuppe(シ. ュ タイ ア ーマ ル ク州 、豚 の ミンチ あ るい は ア イス. バ イ ン を 具 と し て 入 れ た ス ー プ)、Kasnudeln(ケ SalzburgerNockerln(ザ レ 料 理)、G'hackkn6del(オ Saumaisen(ニ. ル ッ ブル ク州 、卵. ・小 麦 粉. ー バ ー オ ー ス. ル ン テ ン 州 、 チ ー ズ ヌ ー ド ル)、 ・砂 糖. ・バ ニ ラ な ど か ら 作 ら れ る ス フ. ト リ ア 州 、 ひ き 肉 入. り の ク ネ ー デ ル)、. ー ダ ー オ ー ス ト リ ァ 州 、 豚 肉 ミ ン チ な ど を 入 れ た 丸 い 小 型 パ ン)、Halaszl6. 一85一.
(8) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. (ブ ル ゲ ン ラ ン ド州 、 具 と し て 魚 を 入 れ た ス ー プ)、TirolerKn6del(チ ク ネ ー デ ル 、 燥 製 豚 肉 と ゼ ン メ ル 入 りの ダ ン ゴ)、Kn6P且e(フ. ロ ル 州 、 チ ロル 風. オ ア アー ル ベ ル グ州 、 小 麦. 粉 で 作 っ た ヌ ー ドル を 塩 茄 で した 料 理 シ ュ ペ ッ ツ レ<Spatzle>の. 一 種)な. ど15。. ウ ィ ー ン も し く は オ ー ス トリ ア料 理 の 標 準 的 な 料 理 本 で あ る1艶 ∬(1911)、Ro競 (1908)と. 、 そ れ ぞ れ の2001年. 版 と2003年. が 容 易 に 確 か め られ る 。 即 ち 、1908年 年 の 新 版 に は1300語 2001年. 版 を 比 較 す る と、 約100年. のRo競. α〃∫細 に は 約4000語. ほ ど しか な い 、 ま た1911年. の 新 版 に は1500語. α〃∫細. 間 の そ れ らの 変 化. の 登 録 が あ る が 、2003. の 盈 ∬ に は 約3500語. の 登 録 が あ るが 、. ほ ど に 過 ぎ な い16。 そ れ は 各 連 邦 州 か ら の 料 理 そ の も の が 消 滅. し た だ け で は な くて 、 オ ー ス ト リ ア ・ハ ン ガ リ ー 帝 国 の 各 言 語 に よ る 表 示 が 減 少 し て い る こ と を も意 味 して い る 。 と りわ け ボ ヘ ミ ア 王 領 、 ガ リ チ ア 、 ブ ヴ ィ ナ の 国 々 か ら の 言 語 表 現 が 減 少 し て い る 、 例 え ば 、 ポ ー ラ ン ド語 のZrasy(カ ル ー マ ニ ア 語 のMamaliga(ト. ッ レ ッ の 一 種)、 ウ ク ラ イ ナ 語 と. ウ モ ロ コ シ 粥 ポ レ ン タ の 一 種)、 チ ェ コ 語 のSkubanki、. (ジ ャ ガ イ モ 、 小 麦 、 バ タ ー か ら作 ら れ る ダ ン ゴ の 一 種)、Liwanzen(表 が 塗 ら れ て い る イ ー ス ト生 地 の ビス ケ ッ ト)な. 面 にプ ラム ム ース. どは消 滅 して い る。 こ の よ う な表 現 の多 く. は 今 日で は 古 い オ ー ス ト リ ア 料 理 の 専 門 家 と 嗜 好 家 に の み 知 ら れ て い る 。 即 ち 、20世. 紀初. 頭 に 「ウ ィ ー ン料 理 」 が 編 纂 さ れ た と き に 、 「古 い オ ー ス ト リ ア 的 な も の 」 が 失 わ れ て し ま っ た の で あ る 。 調 査 され た47語. の ス ラ ブ 起 源 の 料 理 名 か ら今 日 の 料 理 本 に は12か. ら16. の 名 称 の み が 残 っ て い る に 過 ぎ な い 。 約 三 分 の 一 が 消 滅 し、 さ ら に 最 近 で は 再 び そ の 減 少 比 率 が 高 くな っ て い る よ う で あ る17。 こ の 「ウ ィ ー ン 料 理 」 と呼 ば れ る も の が 再 編 さ れ た と き に 、Zhanhausenは. 次 の よ う な コ メ ン トを 残 して い る 。. 「ウ ィ ー ン料 理 と い う 概 念 で ま と め ら れ た 料 理 を 、 帝 国 の 多 様 な 民 族 の 名 物 料 理 と し て 編 纂 し た 東 オ ー ス トリ ア の 辞 典 は 、 第1共. 和 国の日 寺代 に そ の 完 全 な 発 展 を 成 し遂 げ た 。 続. く数 十 年 の 間 に 、 地 理 的 領 域 で は な く心 理 的 歴 史 的 な 領 域 を 反 映 す る ウ ィ ー ン 料 理 の 開 発 が 行 わ れ 、 そ の 伝 統 を 創 造 す る こ と に よ っ て さ ら に 過 去 へ と遡 り、 そ して 独 自 の 料 理 が 生 み 出 さ れ た 。」18 ウ ィー ン料 理 を巡 って 発 展 した幾 多 の伝 説 も これ を物 語 っ て い る。 ウ ィー ン料 理 は決 し て 古 典 的 な 様 式 と し て は も は や 客 観 的 な 判 断 が で き な い 状 態 に あ る 。 例 え ば 、19世. 紀 の前. 半 に は 「ウ ィ ー ン 料 理 は 牛 肉 を扱 う も の と は 理 解 さ れ て い な い 」 と報 告 さ れ て い る19。 し か しそ れ に も か か わ らず ウ ィ ー ン 料 理 の 牛 肉 分 野 は さ ら に 発 達 し、1900年 水 準 に 達 し、 「ウ ィ ー ン 牛 肉 料 理 の 王 」 とい わ れ るTafelspitz(ボ. 頃 に 注 目す べ き. イ ル した 牛 の ヒ レ 肉 料 理). が 生 み 出 さ れ 、 そ れ は 今 日 で は 最 も有 名 で 好 ま れ て い る ウ ィ ー ン 名 物 料 理 と な っ て い る 。 さ ら にWienerSchnitzel(ウ ノ 風 子 牛 の カ ッ レ ツ)か. ィ ー ン風 子 牛 の カ ツ レ ツ)はCostolettaallaMilanese(ミ. ラ. ら 由 来 し て い る と い う伝 説 が あ り、 オ ー ス トリ ア で 出 版 さ れ て い. 一86一.
(9) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. る 一 般 的 な 料 理 本 や イ タ リ ア の 専 門 料 理 本 に さ え 、 「新 年 に ウ ィ ー ン フ ィ ル が 演 奏 す る 「ラ デ ィ ッ キ ー 行 進 曲』 で 名 の 知 ら れ る ラ デ ィ ッ キ ー 将 軍 が こ の 料 理 を気 に 入 り、 イ タ リ ア か ら ウ ィ ー ン に 料 理 法 を持 ち 帰 っ た 」 と 記 載 さ れ て い る が20、 実 情 は 定 か で は な さ そ うで あ る 。WienerSchnitzelのSchnitzelは dasSchnitzelleinか. 、 男 性 名 詞 のderSchnitzelで. は な く、 中 性 名 詞 の. ら の 派 生 で あ り、 言 語 的 に は バ イ エ ル ン ・オ ー ス ト リ ア 方 言 を 基 盤 と. す る 土 着 的 な 料 理 名 で あ り、 料 理 も土 着 的 だ とい わ れ て い る21。 と こ ろ で 言 語 的 に 見 る と、WienerSchnitzelと. 同 様 に、 そ の 他 の 食 料 品 を表 す オ ー ス ト. リ ア 表 現 は 、 バ イ エ ル ン ・オ ー ス トリ ア 方 言 を 基 盤 に し て い る が 、 ドイ ッ で の 表 現 よ り も 「よ り ドイ ッ 語 的 」 な 表 現 も よ く見 ら れ る 。 例 え ば 、 塊 根 を 示 すErdapfel(文 味 は 「大 地 の リ ン ゴ 」)はKartoffelよ Kartoffelと. り も 「よ り ド イ ッ 語 的 」 で あ る と い え る 。 こ の. い う語 は ア メ リ カ か ら名 称 な し に イ タ リ ア に 取 り入 れ ら れ た 。 イ タ リ ア 人 は こ. の 根 茎 を単 純 にTrue丘el(ト. リ ュ フ)と. 比 較 し、tartuffoliと 名 付 け た 。 ま も な く ドイ ッ 人. 達 は こ の 語 を 取 り入 れ 、 そ し て1591年. に ヘ ッ セ ン方 伯 は そ れ をTartuffelと. い る 。 そ の 変 化 形 と な っ た ドイ ッ 語 のKartoffelか 語RapToH-iが Bramburiが. 字 通 りの 意. ら ロ シ ア 語 のRapT6Φe-L、. 生 じ た 。 チ ェ コ 人 はbramboryと 生 ま れ た が 、 そ れ はBrandenburgと. て 本 来 の ドイ ツ 語 的 表 現 で あ るErdapfelは. して 言 及 し て ウクライナ. も 表 現 し、 そ こ か ら ウ ィ ー ン で は も関 連 が あ る と も い わ れ て い る22。 そ し. そ の 後 徐 々 に 力 を 増 し て き た こ のKartoffelに. 圧 倒 され るの で あ る。 類 似 の 現 象 と して よ く取 り上 げ ら れ る の がParadeiserとTomateの トリ ア で 一 般 的 な 土 着 の(東 Tomateに. オ ー ス トリ ア 方 言 の)Paradeiserが. よ っ て 駆 逐 さ れ よ う と し て い る 。Tomateは. 入 っ て き た 。tomatlと. Apfel"(天. 国 の リ ン ゴ)の. 「ObersとSahne(乳 Wehleは. 、 ドイ ツ で 一 般 的 で あ る. メ キ シ コか らロ マ ンス 語 を通 して. 呼 ば れ て い た ア ッ テ カ の 言 語nahuatlを. Paradeiser,(der/die)Paradeisは. 関係 で あ る。 オ ース. 起 源 と し て い る 。(der). 、 南 ド イ ツ と オ ー ス ト リ ア 地 域 で は 元 来 。Paradies-. 意 味 で あ っ た23。 脂 ・ク リ ー ム)で. は ど ち ら が ド イ ッ 語 的 だ ろ う か?」. 自 問 し、 次 の よ う に 答 え て い る 。 「Obersと. とPeter. い う語 は 説 明 不 要 で あ る 、 そ れ は 具. 体 的 で 、 自 明 で あ り、 ま さ に 『上 に か け る も の 』 で あ る 。 純 粋 な 牛 乳 を 入 れ 、 そ の 上 の 部 分 を す くい 取 り、 そ れ を 混 ぜ る とSchlagobers(泡 Sahneは. 古 フ ラ ンス 語 のsain(ブ. 立 て た 生 ク リ ー ム)が. ル ガ リ ア 語 と ラ テ ン 語 で はsagina)か. て き た 。 故 に 「反 論 の 余 地 な く、Obersの. で き あ が る 」24。 ら ドイ ツ 語 に 入 っ. 方 が よ り ドイ ッ 語 的 で あ る 」25。しか し こ の 食 品. に 対 す る ドイ ツ 語 で 最 も普 及 して い る専 門 的 な 食 品 用 語 名 はRahmで. あ り、 ドイ ッ 、 オ ー. ス トリア 、 ス イス で も通 用 す る。 しか しま た 日常 生 活 で 口語 的 に最 も使 用 され て い る語 は 、 ドイ ッ で はSahne、. オ ー ス トリ ア(南. ドイ ッ の 一 部 を 含 む)で. 一87一. はObersで. あ る。 こ こ.
(10) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. で も オ ー ス ト リ ア 表 現 のObersが. ドイ ツ のSahneよ. り も 「よ り ドイ ッ 語 的 」 で あ る と言 え. る。 と こ ろ で 、 料 理 で は 「南 ドイ ッ 的 」 と い う 表 現 は 可 能 で あ る が 、 言 語 学 的 に は 「南 ドイ ッ 」 とい う 概 念 は 正 確 で は な い 。 オ ー ス トリ ア は 方 言 学 的 に は 上 部 ドイ ッ 語 地 域 に 位 置 し て お り、 二 つ の 上 部 ドイ ツ 語 の 大 方 言 で あ る バ イ エ ル ン 方 言(も ス トリ ア 語)と. し く は バ イ エ ル ン ・オ ー. ア レ マ ン 方 言 に 覆 わ れ て い る か らで あ る 。 前 者 の バ イ エ ル ン方 言 、 正 確 に. は 南 バ イ エ ル ン方 言 と 中 部 バ イ エ ル ン方 言 は 、 チ ロ ル の レ ヒ 渓 谷 地 域 と残 りの 全 て の オ ー ス トリ ア 連 邦 地 域 を 覆 っ て お り、 後 者 の ア レマ ン方 言 は フ ォ ア ア ー ル ベ ル ク 州 を 覆 っ て い る。 オ ー ス トリ ア は そ の独 自 の 伝 統 に よ っ て 多 くの 言 語 上 の特 殊 性 を発 展 させ て き た。 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 は 確 か に バ イ エ ル ン ・オ ー ス ト リ ア 語 的 な基 盤 に 基 づ い て 成 立 し て い る が 、 しか し同 時 に 国 家 領 域 に よ っ て 定 義 づ け られ た 上 部 ドイ ッ語 の 一 つ の ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン で あ る 。 オ ー ス ト リ ア は 非 常 に 多 くの 言 語 現 象 を バ イ エ ル ン と共 有 して い る が 、 しか し と りわ け 語 彙 の 領 域 で 、 特 に 官 庁 語 と料 理 用 語 の 領 域 で 、 全 く独 自 の 特 徴 を 発 展 さ せ て きた。 独 自の 国 家 性 が ま た独 自の 行 政 専 門用 語 を生 み 出 して い るが 、 ま た 同時 に オ ー ス トリ ア ・ハ ン ガ リ ー 帝 国 の ド イ ツ 語 地 域 とそ の 他 の ス ラ ブ ・ロ マ ンス ・ハ ン ガ リ ー 語 地 域 との 密 接 な 関 係 が 、 文 化 領 域 に 多 種 多 様 な 相 互 の 影 響 を 与 え て き た 。 そ の 文 化 表 現 の 一 つ が 料 理 で あ りま た そ の表 現 で あ る料 理 名 で もあ る。 料 理 を この よ うに豊 か にす る こ とに よ っ て 数 多 く の 新 し い 語 が オ ー ス ト リ ア 内 の 「交 流 語 」 と な っ て い る 。 例 え ば 、 Palatschinken(パ. ラ チ ン ケ ン 、 薄 く焼 い た パ ン ケ ー キ で ジ ャ ム な ど を 包 ん だ も の)の. よう. に ハ ン ガ リ ー 語 を 起 源 と し、 チ ェ コ 語 あ る い は ス ロ ヴ ァ キ ア 語 を 経 て 、 今 日で は 典 型 的 な オ ー ス ト リア 料 理 名 とみ な さ れ て い る語 も多 く見 られ る 。 オ ー ス ト リア 料 理 と は主 に 「ウ ィ ー ン料 理 」 で あ る が 、 首 都 ウ ィ ー ン を 経 て 、 調 理 法 の 改 革 が オ ー ス ト リ ア 全 体 に 伝 わ り、 そ れ と 共 に 新 しい 語 も伝 播 さ れ た 。 そ れ が 官 庁 ・役 所 の 文 書 で 使 用 さ れ る と、 国 境 ま で 広 が りオ ー ス トリ ア 全 体 に 到 達 す る 、 例 え ば 、Jause(間. 食)が. そ れ に該 当 す る。. 特 別 な 立 場 を と っ て い る の が ア1/マ ン語 の 話 さ れ る フ ォ ア ア ー ル ベ ル ク 州 で あ る 。 役 所 言 語 と し て 使 用 さ れ て い る 大 多 数 の 典 型 的 な バ イ エ ル ン ・オ ー ス ト リ ア 的 表 現 は こ の 州 で も一 般 的 で あ る 。 しか し そ れ ら の 表 現 が 日常 語 と し て 主 に 使 用 さ れ て い る と は 限 ら な い 。 特 に 料 理 分 野 で は 、 フ ォ ア ア ー ル ベ ル ク 特 有 の 表 現 、 例 え ば 、Br6sel,(粗 理)、Kn6p且e(シ. 引 きの小 麦 粉 料. ュ ペ ッ ッ レ、 小 麦 粉 で 作 っ た ヌ ー ドル を塩 湯 で し た 料 理 の 一 種)、ZnUni(二. 回 目の 朝 食 、 午 前 中 の 間 食)な. どが 日常 的 に 使 用 さ れ 、 他 方 多 く の 料 理 分 野 の 「オ ー ス ト. リ ア 表 現 」 は こ こ で は ほ と ん ど使 用 さ れ な い 。 例 え ば 、Faschiertes(ひ (ト マ ト)、Ribisel(ス -Po尻1λE(2005)26で. グ リ)な. き 肉)、Paradeiser. ど の 表 現 が 料 理 メ ニ ュ ー に現 れ る こ と は ま れ で あ る 。. は 、 こ の フ ォ ア ア ー ル ベ ル ク 州 を 除 くオ ー ス ト リ ア 全 域 と ドイ. 一88一.
(11) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. ッ の バ イ エ ル ン 地 域 で 共 通 の 食 品 ・料 理 表 現 が 約70語 が 約20語. 、 両 地 域 で 異 な る 食 品 ・料 理 表 現. 取 り上 げ られ 詳 細 な 説 明 が 加 え ら れ て い る が 、 「食 品 ・料 理 名 」 と 「食 品 ・料 理. 内 容 」 及 び 「素 材 」 が 一 致 ・対 応 し て い る か に つ い て は 、 さ ら に 詳 細 な 検 証 が 必 要 で あ ろ う。. 3.ス. ラ ブ語 起 源 の. 1918年. 「ウ ィ ー ン 料 理 名 」. 当 時 の オ ー ス ト リ ア ・ハ ン ガ リ ー 帝 国 で は 、12種. 類 の 異 な っ た 言 語 が 話 され て. い た 。 ドイ ッ 語 、 ハ ン ガ リ ー 語 以 外 に 、 ロ マ ンス 系 の イ タ リ ア 語 、 ル ー マ ニ ア 語 、 ス ラ ブ 系 の チ ェ コ 語 、 ス ロ ヴ ァ キ ア 語 、 ポ ー ラ ン ド語 、 ウ ク ラ イ ナ 語 、 ス ロ ヴ ェ ニ ア 語 、 ク ロ ア チ ア 語 、 セ ル ビ ア 語 、 ボ ス ニ ア 語 で あ る 。 ス ラ ブ 系 の 言 語 が8言. 語 あ り、 言 語 ・文 化 的 な. 影 響 が 大 き い こ とが 予 想 さ れ る が 、 オ ー ス トリ ア 帝 国 側 で は ドイ ッ 語 の 優 位 性 が 確 立 し て い た の で 、 一 般 的 に は ドイ ッ 語 以 外 の 他 の 言 語 が. 「オ ー ス ト リ ア ドイ ッ 語 」 の 意 味 内 容 に. 影 響 を 与 え る ケ ー ス は 多 く は な か っ た 。 そ れ で も料 理 ・食 品 語 彙 の 領 域 に は そ の 影 響 が い くつ か 残 っ て い る 。 例 え ば 、Jause(間. 食)は. ス ロ ヴ ェ ニ ア 語 か ら導 入 さ れ 、 東 オ ー ス ト リ. ァ と南 オ ー ス ト リ ア で 使 用 さ れ て い る 。 西 オ ー ス ト リ ア で は ロ マ ン ス 語 起 源 のMarende が 使 用 さ れ て い る 。 ス ラ ブ 語 を起 源 と す る 語 の 影 響 は 地 方 に 限 定 さ れ て い る 場 合 が 多 い 。 例 え ば ケ ル ン テ ンで は ス ロ ヴ ェ ニ ア 語 の 影 響 が 目立 つ 。Koper(ヒ ニ ア 語koperよ Potitze(ケ ら)な. り)、Sasaka(パ. メ ウイ キ ョウ、 ス ロ ヴ ェ. ン に の せ る ベ ー コ ン 、 ス ロ ヴ ェ ニ ア 語zasekaよ. り)、. シ の 実 ・ナ ッ ツ の 入 っ た パ ンケ ー キ ・ロ ー ル ケ ー キ 、 ス ロ ヴ ェ ニ ア 語poticaか. ど27が 代 表 的 な 例 で あ る 。. 言 語 接 触 が 最 も頻 繁 に 行 わ れ た 場 所 は ウ ィ ー ン で あ り、 こ の ウ ィ ー ン を 通 じ て 若 干 の チ ェ コ 語 起 源 の 語 、 例 え ばKolatsche/Golatsche(コ チ を 揚 げ た もの 、 ケ ー キ を 意 味 す る チ ェ コ 語kola6kか は バ イ エ ル ン 語 経 由 で 、Stieglitz(ゴ 酒 、 チ ェ コ 語slivoviceか. ら)な. モ ム ー ス 、 チ ェ コ語povidlaか. ら)、Kren(ワ. シ キ ヒ ワ 、 五 色 鶉)、Slibowitz(ス. ど は 共 通(標 ら)な. ラ ッチ ェ 、 杏 ジ ャ ム 入 りの サ ン ドイ ッ. 準)ド. サ ビ ダ イ コ ン)な. ど. モ モ ・プ ラ ム 蒸 留. イ ッ 語 経 由 で 、 そ し てPowidl(ス. モ. どは東 オ ー ス トリア 方 言 経 由 で 、 オ ー ス トリア 全 域. に 通 用 す る 「オ ー ス トリ ア 表 現 」28とな っ た 。 ウ ィ ー ン 料 理 に 関 して は 、 ボ ヘ ミ ア 王 家 の 国 々 の 影 響 が 特 に小 麦 粉 を 使 っ た 料 理 で 認 め られ る 。.4ρρ6雄 加 珈0π29に. よ る と 、 そ れ ら は 「ウ ィ ー ン料 理 の 要 」 「芸 術 の 驚 異 」 と記 さ. れ 、 さ ら に 「ヨ ー ロ ッ パ の テ ー ブ ル マ ナ ー の 革 命 」 と 呼 ば れ て い る 。 即 ち 、 ドイ ッ 、 英 国 、 フ ラ ン ス の 定 食 に は 野 菜 が 付 く が 、 ウ ィ ー ン の 定 食 に は 穀 粉 で つ く っ た 食 べ 物(菓 子)が. 付 くの で あ る 。 こ れ は 甘 い デ ザ ー ト とみ な さ れ 、 実 際 今 日 ま で こ の 原 則 が 保 た れ て. い る 。 菓 子 に 関 して は チ ェ コ 語 起 源 の 単 語 の 割 合 が 平 均 以 上 に 高 い 。 そ れ ら は 有 名 な 「ボ. 一89一.
(12) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. ヘ ミ ア 料 理 人 」 に よ っ て19世. 紀 の レ シ ピ と と も に ウ ィ ー ン の 「上 流 階 級 の 家 庭 に 」 も た. ら さ れ た 。 そ の 他 の ボ ヘ ミ ア 料 理 と調 理 品 は ウ ィ ー ン で は 成 功 を 収 め て い な い 。 例 え ば Schwarz且schと. 呼 ば れ て い るb6hmischeKarpfen(ボ. ヘ ミ ア 風 鯉 料 理)は. 、 ビー ル あ るい. は ワ イ ン に よ っ て 調 理 さ れ た 甘 酸 っ ぱ い 料 理 で あ る が 、 ウ ィ ー ンで は フ ラ イ に さ れ た 魚 が 好 ま れ る の で 、 こ の 調 理 様 式 は 浸 透 し な か っ た30。19世 て い た 。.P7α'01879とRo鰭. α〃罐ッ1908に. 紀 に は ポ ー ラ ン ド料 理 も評 価 さ れ. は 多 くの ポ ー ラ ン ド料 理 の レ シ ピ が 見 ら れ る. が 、 今 日 ま で 残 っ て い る 料 理 と し て 有 名 な の がKabanossi,(カ た 細 い ソ ー セ ー ジ)とpolnischerKarpfen(ポ. バ ノ ッ シ、香 辛料 を利 か せ. ー ラ ン ド風 鯉 料 理)で. あ る31。. 上 記 以 外 の オ ー ス ト リ ア の 料 理 ・食 品 名 に お け る 最 も重 要 な ス ラ ブ 的 な 語 を 以 下 に 示 し て お き た い 。Bramburi(ジ. ャ ガ イ モ 、 ド イ ッ のBrandenburgを. 意 味 す るチ ェ コ語 の. bramboryに. 由 来 す る が 、 現 在 の ウ ィ ー ン で はErdapfel,Kartoffelが. Brimsen(現. 在 の ス ロ ヴ ァキ ア、 カ ルパ チ ア 山脈 特 産 の チ ーズ 、 パ プ リカ な どの香 辛 料 を. 利 か せ た 辛 ロ チ ー ズ)、Buchteln/Wuchteln(ブ. 使 わ れ て い る)、. フ テ ル ン、 酵 母 入 りの 生 地 で ジ ャ ム 、 ク リ ー ノ. ム チ ー ズ な ど を 包 ん で 焼 い た 菓 子 、 チ ェ コ 語buchtaか ア チ ア 語 、 パ プ リ カ 風 味 の ミ ン チ 肉 ダ ン ゴ)、Dalken(小 意 味 す る チ ェ コ 語vdolekか Dschuwetsch(米. ル ビ ア ・ク ロ. さ なパ ンク ー ヘ ン、小 さ な桶 を. ら 、 現 在 で は た い て いb6hmischeDalkenと. し て 表 記 さ れ る)、. と 一 緒 に 肉 ・野 菜 な ど を 煮 込 ん だ 料 理 、 セ ル ビ ア ・ク ロ ア チ ア 語 で は 鍋. を 意 味 す る)、Dubrovna(旧. ユ ー ゴス ラ ビ アの 名 物 料 理 で、 様 々 な もの と共 に 串 に刺 して. 焼 い た 挽 肉 料 理)、Hadschiloja(香 Bosniakと. ら)、Cevap6i6i(セ. 辛 料 の ヒ メ ウ イ キ ョ ウ を入 れ た 黒 パ ン、 今 日 で は. い う 表 示 が 一 般 的 で あ る)、Haluschka(カ. ッ テ ー ジ チ ー ズ と ベ ー コ ン入 りの パ. ス タ 料 理 の 一 種 ラ ヴ ィ オ ー リ 、 小 さ な ダ ン ゴ を 意 味 す る ス ロ ヴ ァ キ ア 語halu甑yか Kabanossi(ソ kabanは. ー セ ー ジ の 一 種 で 、 ポ ー ラ ン ド語. ・ウ ク ラ イ ナ 語 の 狩 猟 用 語 か ら き て い る 、. ブ タ イ ノ シ シ を 意 味 す る)、Klobasse(大. klobasaか. ら)、Liwanzen(パ. シ ノ ニ ム)、Maschansker(ド. き な 茄 で ソ ー セ ー ジ、 チ ェ コ 語 の. ン ク ー ヘ ン 、 チ ェ コ 語livanceか. ら 、b6hmischeDalkenと. イ ツ の マ イ セ ン近 くの ボ ル ス ドル フ 産 リ ン ゴ の こ と を 指 す 、. チ ェ コ の ボ ヘ ミ ア 、 モ ラ ビ ア 地 方 で の チ ョ コ 語 に よ る マ イ セ ン の 呼 び 方mi甑nsk6か て い る)、Palatschinken(パ pala6nka、 palacsinta〈. ラ チ ン ケ ン 、 卵 を 使 っ た パ ン ケ ー キ 、19世. ス ロ ヴ ァ キ ア 語palacinkaか. ら き. 紀 に チ ェ コ 語. ら ウ ィ ー ン に 入 っ た が 、 元 来 は ハ ン ガ リ ー 語. タ マ ゴ パ ン ケ ー キ 〉 に 由 来 す る 。 西 オ ー ス ト リ ア で はOmelette(e)が. て い る が 、Palatschinkenよ. ら)、. り 内 容 成 分 の 液 体 濃 度 が 高 い 。Palatschinkenの. 使 われ 原 形 は熱 した. 石 の 上 で 焼 か れ た 円 く て 平 た い 焼 き 菓 子 で 、 現 在 で も教 会 の 縁 日 の 屋 台 で 見 か け る Feuer且eckに. 近 い も の と い わ れ て い る32)、Pogatsche(白. パ ン 、 現 在 は 死 語 に な りつ つ あ. る が 、 縮 小 形 で ワ イ ン 風 味 の ク ッ キ ー を 意 味 す るPogatscherlは. 一90一. 現 在 も使 わ れ て い る、.
(13) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. ケ ー キ を 意 味 す る ス ロ ヴ ェ ニ ア 語paga6aか ソ ル ビ ア 語twarogか 語)、Skubanki(ジ Strankerl(サ. 4.イ. ら)、R彪nji6i(串. ら)、Quargel(小. 型 で 円 く臭 気 の 強 い チ ー ズ 、. 刺 し 肉 料 理 、 串 を 意 味 す る セ ル ビ ア ・ク ロ ア チ ア. ャ ガ イ モ 団 子 料 理 、 「皮 を む く 」 を 意 味 す る チ ェ コ 語 甑ubankyか ヤ イ ン ゲ ン 、 鞘 を 意 味 す る ス ロ ヴ ェ ニ ア 語strokか. タ リア語 起 源 の. に現 れ た. κ 魏 加 〃〃面3'6忽. こ で は ロ マ ン ス 風 の 慣 習 に よ る ペ ー ス トが 多 く 見 ら れ る34。. イ タ リ ア)料. ど33。. 「ウ ィ ー ン 料 理 名 」. イ タ リ ア 料 理 の 影 響 は す で に1485年. は な く、 調 味 料. ら)な. ら)、. ・香 辛 料. ・油 脂. に記 さ れ て い るが 、 そ. そ れ らは個 別 の料 理 と してで. ・飾 り 物 な ど の 添 物 と し て 用 い ら れ た 。 イ タ リ ア(特. に北. 理 の 多 く は ハ プ ス ブ ル ク 家 の 領 主 地 域 に 含 ま れ て い た の で 、 多 くの イ タ リ ア. 料 理 は ウ ィ ー ン で も よ く知 られ る よ う に な り、 最 終 的 に は オ ー ス トリ ア 料 理 に不 可 欠 な 要 素 と し て 定 着 し た 。 若 干 の イ タ リ ア の 麺 類 は す で にP7α'01879に Maccaroni/Makkaroni(マ 米. カ ロ ニ)、Minestra/Minestrone(ミ. ・パ ル メ ザ ン チ ー ズ. ネ チ ア 風 料 理 、 イ タ リ ア 語riso〈. 米 〉 とpiselli〈. 上 記 以 外 の オ ー ス トリア料 理. ら)、Risipisi(米. とエ ン ドウ 豆 で 作 る ベ. エ ン ド ウ 豆 〉 か ら)な. ど35。. ス コ ッ テ 、 甘 い ビ ス ケ ッ ト の 一 種 、 イ タ リ ア 語biscotto、. ら)、Frittaten(パ. か ら)、Karbonade(子. 牛 ・豚. ら き て い る)、Brockerl(メ. さ らに. 「二 回. キ ャベ ツ、 イ タ リ. ン ク ー ヘ ン 、 卵 ク ー ヘ ン を 意 味 す る イ タ リ ア 語frittata ・羊 の 背 肉 天 火 料 理 、 イ タ リ ア 語carbonataか. (マ ロ ン 、 栗 の 実 、 イ タ リ ア 語marroneか が 一 般 的 で あ る)、Melanzani(ナ. 上 げ る、. ・食 品 名 で 最 も 重 要 な イ タ リ ア 語 系 の 語 に は 次 の も の が あ. 焼 い た 」 を 意 味 す る ラ テ ン 語biscontusか ア 語broccoloか. ネ ス ト ラ ・ ミ ネ ス トロ ー ネ 、. ・ス パ ゲ テ ィ ー な ど の 入 っ た イ タ リ ア 風 野 菜 ス ー プ 、<仕. 盛 り つ け る 〉 を 意 味 す る イ タ リ ア 語minestrareか. る 。Biskotten(ビ. 現 れ て い る、 例 え ば. ら)、Maroni. ら き て い る が 、 ド イ ツ 語 圏 の 料 理 で はKastanie. ス 、 イ タ リ ア 語melanzanaか. ら)、Pafesen(パ. フェ ー セ、. ジ ャ ム ・ペ ー ス ト な ど を は さ ん で 油 で い た め た 白 い パ ン 、 北 イ タ リ ア の 都 市paveseに 来 す る)、Panadel(パ. ナ ー デ 、 パ ン を 粥 状 に 煮 た も の 、 パ ン を 意 味 す る ラ テ ン 語panisか. ら)、Pastasciutta(バ. タ ー と チ ー ズ を 入 れ た 乾 燥 し た マ カ ロ ニ 料 理 、 イ タ リ ア 語pasta. ascciuttaか 野 菜. ら)、Polenta(ポ. ・肉 な ど を 米 と 妙 め た 料 理)、Sugo(オ. ス を 意 味 す る)な. 5.ハ. レ ン タ 、 イ タ リ ア 風 の ト ウ モ ロ コ シ 粥)、Risotto(リ. 由. ゾ ッ ト、. ース トリアで はイ タ リアの 麺 料 理 にか け る ソ ー. ど36。. ン ガ リー語起 源 の. 「ウ ィ ー ン 料 理 名 」. オ ー ス トリ ア と ハ ン ガ リ ー は 常 に 二 つ の 異 な っ た そ れ ぞ れ 別 々 に 管 理 区 分 さ れ た 国 家 で 相 異 な る伝 統 を 持 っ て い た が 、1526年. 以 来 同 じ君 主 家 系 を もつ こ と に な る 。 ハ プ ス ブ ル ク. 一91一.
(14) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 家 は ドイ ッ お よ び ハ ン ガ リ ー 王 で あ り、 か つ ま た ロ ー マ 皇 帝 で も あ っ た 。 さ ら に1806年 ら1918年. か. ま で 、 ハ プ ス ブ ル ク家 は オ ー ス トリ ア の 皇 帝 で あ る と 同 時 に ま た ハ ン ガ リ ー の 王. で もあ っ た 。 オ ー ス トリ ア 帝 国 とハ ン ガ リ ー 帝 国 内 の 各 領 国 は 異 な っ た 発 展 経 過 を 経 て い る の で 、 オ ー ス トリ ア とハ ン ガ リ ー 両 帝 国 間 の 接 触 は 、 各 帝 国 内 部 の 領 国 間 に お け る ほ ど 頻 繁 で 密 度 の 濃 い も の で は な か っ た が 、 そ れ に も か か わ ら ず 両 文 化 、 ドイ ツ ・オ ー ス ト リ ア 文 化 とハ ン ガ リ ー 文 化 は 各 々 の 文 化 領 域 を 互 い に 体 験 し影 響 し合 っ て い る 。 言 語 的 に は い くつ か の 慣 用 語 法 や 借 用 語 に 影 響 が 現 れ て お り、 料 理 分 野 の 語 彙 で も借 用 語 が 多 く見 ら れ る 。 そ の 有 名 で 典 型 的 な 例 の 一 つ がGulasch(グ. ー ラ シ ュ)で. あ る 。 この料 理 は ウ ィ ー. ン で 、 オ ー ス ト リ ア の 食 通 に と っ て 欠 か せ な い 特 別 な 料 理 へ と発 展 し た 。 こ の 料 理 はPaprika且eischと. も言 わ れ 、 パ プ リ カ で 風 味 を つ け た 牛 肉 の ラ グ ー で あ る 。. D〃46〃 で は 中 性 形 と 男 性 形 が あ る が 、 オ ー ス ト リ ア と バ イ エ ル ン で は 中 性 形 のdas Gulaschの. み で あ る 。 こ の 語 は ハ ン ガ リ ー 語 のgulya(牛. て い る 。19世. 紀 に プ レ ス ブ ル ク(現. の 群 れ)、gulyas(牛. 在 の ブ ラ チ ス ラ ヴ ァ)を. と して い た 。WienerSaftgulaschあ 伝 統 的 なGulaschは 粉 、 マ ヨ ナ ラ(香. らき. 経 て、 ウ ィ ー ン に入 っ た。. ウ ィ ー ン で は パ プ リ カ の 鞘 が 粉 に 置 き換 え ら れ 、 最 終 的 にP6rk61tと に も ど り、 牛 肉 を 素 材 と す るWienerSaftgulaschと. 飼)か. して再 び ハ ン ガ リー. は違 っ て、 豚 肉あ るい は子 牛 肉 を素 材. る い はWienerRindsgulaschと. 、 切 り刻 ん だ 牛 の モ モ 肉(Wadschinken)と 辛 料 用 の 薬 草)、 キ ュ ラ ウ ェ ー(薬. 呼 ば れ る ウ ィ ー ン風 の 白 玉 葱 に、 パ プ リ カの. 味 用 の 木 の 実)、 塩 、 トマ トピ ュ ー レ. と少 量 の 酢 に よ っ て つ く ら れ る37。 こ のGulaschと. い う料 理 に は ハ ン ガ リー 語 の 固 有 名 詞 を 伴 う幾 多 の ヴ ァ リエ ー シ ョ ン も. 存 在 す る 。 例 え ば 、Andrassy-Gulyas(添. 物 と し てHaluschka〈. ラ シ ュ 、 ハ ン ガ リ ー の 伯 爵 名 が つ く)、Eszterhazy-Gulyas(ブ く ニ ン ジ ン、 セ ロ リ 、 パ セ リ な ど 〉 、 ケ ー パ ー<フ. ノ ッケ ル 〉 を つ け る グ ー ー ケ ガ ル ニ 、 ス ー プ用根 菜. ウ チ ョ ウ ボ ク の つ ぼ み の 酢 漬 け ・塩 漬. け 〉 、 そ して エ ン ドウ マ メ な ど を 入 れ た ク リ ー ム 風 グ ー ラ シ ュ 、 ブ ル ゲ ン ラ ン ドの エ ス タ ー ハ ー ズ ィ ー 卿 に 由 来 す る)、Karoly-Gulyas(ト. マ トと サ イ コ ロ 状 に 切 ら れ た ジ ャ ガ イ. モ 入 りの グ ー ラ シ ュ 、 有 名 な ハ ン ガ リ ー 貴 族 名 に 由 来 す る)、palffy-Gulyas(蒸. した ブ ーケ. ガ ル ニ を 用 い た バ タ ー 風 味 の グ ー ラ シ ュ 、 ハ ン ガ リ ー の 貴 族 名 が つ く)、Debrenziner Gulyas(東. ハ ン ガ リ ー の 町Debrecenに. 入 っ た グ ー ラ シ ュ)な. ち なん で 名 づ け られ たパ プ リ カ味 の ソー セ ー ジが. ど38。. ハ ン ガ リ ー 料 理 名 は 、 ウ ィ ー ン 料 理 と ブ ル ゲ ン ラ ン ド料 理 を 通 し て 多 くは オ ー ス ト リ ア 全 体 で 共 通 の 「オ ー ス ト リ ア 表 現 」 と な っ た 。 例 え ば 、 チ ェ コ 語 を 通 じ て 伝 え ら れ た Palatschinken(パ. ラ チ ン ケ ン)、Fogosch(ホ. ザ ギ ザ の あ る 〉 か ら)な. タ ル ジ ャ コ魚 料 理 、 ハ ン ガ リ ー 語fogas〈. ギ. どが 有 名 で あ る が 、 さ ら に 一 般 的 に 知 ら れ る よ う に な っ た 表 現 と. 一92一.
(15) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. してLangos(ニ. ン ニ ク風 味 の 薄 い 発 酵 生 地 で で き た ビ ス ケ ッ ト、 ク ラ ッペ ン ・揚 げ パ ンの. 一 種) 、Letscho(ト. マ ト と共 に 肉料 理 に 添 え ら れ る 野 菜 と して の パ プ リ カ)、Tarhonya(麦. と卵 生 地 の ひ き わ り麦 に 似 た ス ー プ に 入 れ る 具 、 米 の 代 わ り に 肉 シ チ ュ ー に 添 え ら れ る)、 Csipetke(ヌ. ー ドル 生 地 の 小 さ な ダ ン ゴ 、 ノ ッ ケ ル ル)、Lekvartascherln(ヌ. の ジ ャ ム 入 り ラ ヴ ィ オ ー リ)、Halaszl6(魚. ー ドル 生 地. 入 りス ー プ 、 ブ ル ゲ ン ラ ン ドで は 数 種 類 の 魚 が. 入 る が 、 ウ ィ ー ンで は 鯉 が 主 で あ る)、Dobos(ch)-Torte(ビ. ス ケ ッ トと チ ョ コ レ・一 トバ タ ー. ク リー ム か ら で き た トル テ 、 ブ ダ ペ ス トの 菓 子 職 人LajosDobosに. 由 来 す る)な. ど も存 在. す る39。 こ の よ う に ウ ィ ー ン料 理 と そ の 料 理 名 に は 、 二 重 帝 国 時 代 の 多 様 な 民 族 料 理 の 産 物 と し て 、 古 い オ ー ス トリ ア ・ハ ン ガ リー の 息 が 保 た れ て い る と い え よ う。. 6.お. わ りに. 「オ ー ス ト リ ア は ヨ ー ロ ッパ の 中 で 言 語 的 に か な り不 均 質 の 住 民 が い る 国 家 で あ る 」40と Haarmannは. 指 摘 し て い る が 、 上 述 し た よ う に 、 こ の よ う な オ ー ス トリ ア の 料 理 本 や 料 理. レ シ ピ 等 に 使 わ れ て い る 料 理 名 ・食 料 品 名 等 を 調 べ る と、 オ ー ス ト リ ア の 多 様 な 民 族 性 と 文 化 の 一 片 が そ れ ら の 料 理 名 に凝 縮 さ れ 反 映 さ れ て い る よ う に 思 え る 。 オ ー ス ト リ ア ・ハ ン ガ リ ー 帝 国 時 代 か ら受 け 継 が れ て きた 多 様 な 各 民 族 の 食 文 化 が 、 あ ら ゆ る もの が 混 沌 と し て 混 ざ り合 う ウ ィ ー ン と い う 「ろ く ろ(輪. 轄)」 の 中 で 、 浄 化 さ れ 洗 練 さ れ 、 独 特 の. 「ウ ィ ー ン料 理 」 とい う華 を 生 み 出 して き た 。 オ ー ス ト リ ア 人 は 、 ドイ ッ と は 違 っ た 独 特 の 「オ ー ス トリ ア 的 な も の 」、 即 ち 「オ ー ス ト リ ア ン ・ア イ デ ン テ ィ テ ィ」41を求 め て 、EU加. 盟 時 に オ ー ス ト リ ア 特 有 の 食 料 品 ・料 理 名. を 表 現 す る 語 彙 に 目 を 向 け た の で あ る が 、 こ の よ う な オ ー ス トリ ア の 料 理 名 と 食 文 化 を 見 る と、 そ れ は 決 して 偶 然 の 突 発 的 な 行 為 で は な い こ とが 理 解 で き る 。 日常 的 に 常 に 接 す る 料 理 名 ・食 料 品 名 は 、 他 の い か な る 名 称 に も代 え が た い 親 し み と 愛 着 を 感 じ る も の で あ る 。 オ ー ス トリ ア の 料 理 名 は 土 着 的 な 表 現 を 守 り、 か つ ま た 少 数 派 で あ る 異 民 族 の 料 理 名 も維 持 し よ う と して い る 。 各 料 理 の 内 容(コ. ン テ ン ッ)が. ウ ィー ン風 に ア レン ジ され てい. た と して も、 そ の 名 称 に起 源 と な る 文 化 を残 そ う と努 め て い る 。 オ ー ス トリ ア 人 は 言 語 に 対 し て 柔 軟 で 寛 大 で あ る と い わ れ て い る 。 そ れ は ドイ ッ の ドイ ツ 語 に 対 す る 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の 姿 勢 に 顕 著 に 現 れ て い る 。 「標 準 語 」 の シ ン ボ ル 的 な 存 在 で あ る ドイ ッ のID忽 ㍑ を 文 語 の 規 範 と し て 公 的 な 場 所 で も 一 般 的 に 使 用 し、 850万. 人 の 話 者 が い る ナ シ ョナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン と し て の 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の. 存 在 を 特 異 な 語 彙 領 域 に留 め よ う と し て い る 。 そ れ は オ ー ス ト リ ア の 正 書 法 辞 書 と さ れ る δ吻7瑠o砺3碗63凧)吻7∂%酌. を 見 れ ば 一 目瞭 然 で あ る 。 こ の 辞 書 に は 、 初 等 ・中 等 教 育 ま. 一93一.
(16) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. で に 修 得 す る 標 準 語 と し て の 語 彙 以 外 に 、 オ ー ス トリ ア の 官 庁 用 語 と地 域 的 な 表 現 ・語 彙 が 掲 載 さ れ て い る 。 も ち ろ ん 日常 生 活 で な じ み の あ る 主 要 な オ ー ス ト リ ア 料 理 ・食 品 名 も 掲 載 され て い る。 オ ー ス ト リ ア 人 の 言 語 に 対 す る 寛 容 さ は 、 多 民 族 を抱 え 込 ん だ オ ー ス ト リ ア ・ハ ン ガ リ ー 二 重 帝 国 時 代 か ら の 継 承 で あ る と い わ れ る が 、 こ の よ う な 多 様 な 言 語 を 起 源 とす る 各 種 料 理 名 が 現 在 で も使 用 さ れ て い る 事 実 か ら 、 現 在 の オ ー ス ト リ ア 第 二 共 和 国 で もい わ ゆ る 「複 言 語 主 義 」 の 伝 統 が 生 き て い る と考 え ら れ る 。 そ して こ の よ う な 多 様 性 を 認 め 維 持 し よ う と す る 共 通 の 意 志 が 、 オ ー ス トリ ア 人 を して 要 因 と も考 え ら れ る 。1996年5月19日. 『意 志 の 国 民 』 で あ る と言 わ しめ る 一. 新 宮 殿 で 開 催 さ れ た オ ー ス ト リ ア 建 国1000周. 念 「オ ス タ ル リ キ 祝 典 」 で の 祝 辞 で 、 当 時 の オ ー ス ト リ ア 大 統 領ThomasKlestilが. 年記 「オ ー. ス トリ ア 人 は 『意 志 の 国 民 』 で あ る 」 こ と を 誇 り と して い る 旨 の 発 言 を し た42。 即 ち 、 共 通 の 言 語 、 文 化 、 家 系 が オ ー ス ト リ ア とい う存 在 を 定 め る の で は な く、 共 通 性 へ の 意 志 の み が そ れ を 可 能 に す る の で あ る 。 そ の 意 味 で こ の よ う な 多 様 な オ ー ス ト リ ア の 料 理 名 も、 オ ー ス トリ ア の 多 様 性 を 認 め 維 持 し よ う と す る オ ー ス トリ ア 人 の 意 志 を 表 す 象 徴 の 一 つ と 言 え るか も しれ ない 。. 注. 1. 坂 野 久(2007)を. 参 照 。 「オ ー ス ト リ ア 表 現(Austriazismen)」. ツ 語 」 に つ い て は 、 坂 野(2002)を 9倉. 坂 野 久(2011)を. 、 「オ ー ス ト リ ア ドイ. 参照。. 参照。. り0. Ammon,U.u.a.(Hg.)(2004).. 4. 坂 野 久(1998)と. 坂 野 久(2001)を. 参照。. [ 0. フ ラ ンス ・ブ ル ボ ン王 朝 時 代 の 聖 霊 騎 士 団 の 授 章. 「青 綬 」 が 起 源 とい わ れ る が 、 現 代. で は パ リの 料 理 人 組 合 か ら一 流 の 料 理 人 に 授 与 さ れ る 「青 大 綬 」 で あ り、 一 般 的 に 一 流 の 料 理 ・料 理 人 も意 味 す る 。 ドイ ッ 語 圏 で は 具 体 的 に チ ー ズ とハ ム を 挟 ん だ 子 牛 の カ ツ レ ツ 料 理 を 意 味 す る 場 合 が 多 い 。vgl.Duden(2010). 6. ドイ ツ 文 法 で の 名 詞 の 意 味 的 な 分 類 と し て は 、 「具 象 名 詞 」(Konkretum)、 詞 」(Abstraktum)、 Appellativum)、. 「固 有 名 詞 」(Eigenname)、 「集 合 名 詞 」(Kollektivum)、. 「抽 象 名. 「普 通 名 詞 」(Gattungsname,. 「物 質 名 詞 」(Stof[bezeichnung)な. ど. が あ る が 、 料 理 名 は 一 般 的 に 「普 通 名 詞 」 で あ り、 「固 有 名 詞 」 か ら 「普 通 名 詞 」 へ 移 行 す る 場 合 も 多 い 。 ラ テ ン 文 法 で の 「特 色 ・特 質 名 詞 」(nomenproprium)は 「普 通 名 詞 」 の 下 位 範 疇 とみ な さ れ る 。vgl.Hentschel,E/WeydLH.(1990),S.136f[. 一94一.
(17) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. 7. vgl.Pohl,H.D.(2007),S.14f尚 省 略 す る が 、 詳 さ. 、 個 々 の 料 理 に つ い て の 詳 細 な 説 明 は 紙 面 の 都 合 で. し く はPohl,H.D.(2007)u.Hess,A.u.0.(2001),Zabert.A.(1993)、. ら にBOGOnline(1)α. (http://www.boeg.at/)な. ∫g70/36五6κ. ∫んoπ4〃. β6∫'6%0∫`6776ゴ6雇. ら び にPohl,H.D.(2012):κ16勿63々. in:http://members.chello.at/heinz.pohl/を. 8. vgl.Ammon,U.(1996),S.171五. 9. vgl.http://www.bofrost.de. 10. vgl.Pohl,H.D.(2006b),S.179.. 11. vgl.Hess,A.u.0.(2001).. 12. Maier-Brudk(1975),32fu.Pohl,H.D.(2005),S.360.. 13. Pohl,H.D.(2007),S.18.. 14. ibid.,S.18.. 15. Wagner-Sedlaczek(1997),S.149f[. 16. vgl.Hess(2001),Rokitansky(2003)u.Pohl,H.D.(2007),S.19.. 17. vgl.Pohl,H.D.(2006a),S.275-293.. 18. Zahnhausen,R.A.(2003),S.93.. 19. Wagner,Ch.(1996),S.186.u.Pohl,H.D.(2007),S.20.. 20. vgl.BOGOnline(http://www.boeg.at/). 21. vgl.Pohl,H.D.(2006b),S.170ff. 22. ibid.,S.32.. 23. Kluge,F.(2002),S.679fu.Pfeifer,W.(Hg.)(1989),S.1226五. 24. Wehle,P.(1980),S.32.. 25. ibid.,S.33.. 26. Pohl,H.D.(2005),S.370f.. 27. vgl.Pohl,H.D.(2004b),S.37丘. 28. Pohl,H.D.(2007),S.27.. 29. Habs,R./Rosner,L.(1894,Neuaufl.1997),S.324f. 30. vgl.Wagner,Ch.(1996),S.78.. 31. vgl.Pohl,H.D.(2006a). 32. Pohl,H.D.(2006b),S.175f. 33. Pohl,H.D.(2007),S.29.. 34. Etzlsdorfer,H.(2006),S.323.. 35. vgl.Prato,K.(1879)u.Prato,K.(2006).. 参 照 。. 一95一. ∫c乃6π0α. ∫'1∫6乃々6露). π1勿 α7ガ∫酌6∫1L6κ. ∫々o%,.
(18) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 36. Pohl,H.D.(2007),S.30.. 37. Pohl,H.D.(2006b),S.176五. 38. ibid.,S.177.. 39. Pohl,H.D.(2007),S.31.. 40. Haarmann,H.(1993),S.39.. 41. 坂 野 久(2006)を. 42. vgl.deCillia,(2006),S.72.. 参 照 。. 参考文献. Ammon,U.(1996):乃. ゆ010g∫6467〃. σ'ガoπα1θπ. ∫y∫'6〃Zα'ゴ ∫乃67%〃467ん14〃4〃9∫ 晦7飽. 晦7毎 ∂6909θ. 卿. ガ〃0∫. 〃67B6∫0乃76ガ. ∂Z4〃9〃. 獅6π ω δ吻7伽c乃463Z)θ%なo乃6%.1万6S孟. 妙76娩,467S6伽6ガz襯4D6鳩6〃. 五 鋸6窺. α'ゴ0%σ16ノ. 伽 怨,0∫'∂64g∫6〃. ん1翻. 舵 〃Rの. Etzlsdorfer,H.(Hg.)(2006):κ. ∫"加. ∫6加 〃 ハ竹'加. Haarmann,H.(1993):D∫6勘7αc加. 加P勘zαc乃6砂01露. α1励1ゴ 励. 〃1'〃先 κz41勿 α万sc加2勉. 貌. 観4. α'ガo〃6πz癬. ∫.0θ36雇6配6π. ε6乃6〃.4'1α 〃磁. 瑚4乙. Habs,R./Rosner,L.(1894,Neuaun.1997):孟1珈'ガ'一. ㎎ 忽 ∬6α%∫. θん.Wien.. 〃駕1'E%70加. 〃4Z納. 〃魏467. ケα乙Frankfurt/NewYork.. 五6勲o〃.Wien.. Hentschel,E/Weydt,H.(1990):伽. 〃4∂ 〃漉. Hess,A.u.0.(2011):既. 〃∫'幽,. 〃〃加 ∫〃z/ZUrich.. 廊6乃6〃 んz6〃∫'〃 〃47]醜1々. α6伽. 肋. ∂観g.Mannheim/ZUrich.. ∫F76〃z4zoδ7陀7伽o乃.Mα. 面. 五忽. π∂1漉.Innsbruck/Wien/Bozen.. Duden1(2010,25.Aufl.).D∫646鳩o加R60肋6加6∫. 4670s'67忽. ガ6勿. π加1S鋸'〃o乙Berlin/NewYork. 痂,,46鳩6加. 翻'勿467Z駕. α加1α ノ4Sρ ηc加. α忽30卿. deCillia,R./Wodak,R.(2006):駕03'6776肋. 5加. κz%挽Z鯉6ん. 薦'6〃.In:ZeitschriftfUrDialektologieundLinguistik63,S.157-175.. Ammon,U.u.a.(Hg.)(2004):磁. Duden5(2010).Dα. 班 θ〃46sD6%'s6加. ゴ6〃6〃. なc加. π07α. 〃z〃zα勲.Berlin/NewYork.. θ麗7働6加.Wien.. Kluge,F.(2002):E砂. 挽010gガ. ∫6加 ∫ 防7'67∂%o乃46/46厩. ∫c加 〃5≠)ηo加.Berlin/NewYork.. Marier-Brudk,F.(1975):Sαo加7κoc励%c乃.Wien. Muhr,R.(Hg.)(2005):S如. 〃磁7ぬ 勘7αc乃. α磁'∫o〃. 醜. 〃〃45ρ7α6雇46010g競. ∫〃 麗7∫o伽46%醜. んz41'z〃6〃467碗1乙Wien.. Muhr,R/Sellner,M.(Hg)(2006):Z餉 1995-2005.E珈. π ノ励76Fo7∫c伽. 〃g詔. 辮0∫'67/6効. β ∫1伽z.Frankfurta.M./Berlin/Bern/Bruxelles/New. 一96一. ∫36加%D6嬬. ぬ.
(19) オー ス トリ アの 料 理 名 をめ ぐ って. York/Oxford/Wien. Pfeifer,W.(Hg.)(1989):E砂. 辮010gガ. Pohl,H.D.(2004):D∫65ρ. ∫伽. ∫ 防. η61診64671(砂. 吻. 螂 麗7κ. ノ伽c乃46∫1加 露0126一. な 伽%,Berlin.. 泥g魏. 々070漁6忽. 雇 吻 セ.Klagenfurt/. Celovec. Pohl,H.D.(2005):1万65ρ7αc乃6467δ 5ρ7α6〃. ∫'6776ガc雇3c乃6%κ. 肋67襯4肋1'%ノ61167κoπ. Pohl,H.D.(2006a):S1αzoガ. ε6加3ガ. 露6乃6-E碗5φ. ∫69616〃4. ㈱'6.In:Muhr,R.(Hg.)(2005),S.360.. 〃467δs'6776∫6雇3c加. 〃 κ 廊o加. 〃母)7αo加. 〃〃z1900.In:. Rheinhart,J./Reuther,T.(Hg.)(2006),S.275-293. Pohl,H.D.(2006b):Eπ. 伽 ガ6ん1%〃g∫'6〃46〃z6〃. 勿467ε. ρ7α6加467δs孟6776ガ6砺s6加. 〃 κ 露c加.. In:Muhr,R./Sellner,M.(2006),S.169-186. Pohl,H.D.(2007):1万6δs'6γ76効. ∫∫伽. Prato,K.(1879):1万6S庭44θ Prato,K.(2006):∫)1ヒ. 働o加. 〃吻. α伽.Wien.. 厩 ∫c1診61動6加.Graz. ∠1TO1万6g〃'6α1'61(露c加.」. C〃. ∫3'(助. 防9π. ∼セ%θ4飽7'%〃4んo〃z〃zθ%ガ6π. θ先Wien.. Rheinhart,J./Reuther,T.(Hg.)(2006):E〃 1)先. 診〃031α 加cα.髭. ∫おc〃. σ67乃 α74」 ∼セω6ん10zo∫ 々vzz4〃z65.06∂z〃. Rokintansky,M.(1908):Dゴ6δ3'6776娩. ∫30加. Sedlaczeck,R.(2004):1)α. ∫ δ3'67紹. ∫o乃ガ∫酌6D6z4な. ノ涜7旋77〃. 乙碗 勿.」)ノ ρ冗. な ㎏.Wien.. 酌.既6ω. 〃%ノz3刀oπz碗3676〃zg70/36π. π ガ11z4∫ かゼ67'6∫1動. ∫ 五6勲o〃4θ7既. 哲. κ 廊c加.Innsbruck.. .ZV召6乃∂α7π%〃'67∫c乃6ゴ46π.Eゴ Wagner,Ch.(1996):加. 刀o%. π4∂z46ノ乞.Wien.. θ麗7働6加.Wien.. Wagner,Ch./Sedlaczek,R.(Hg.)(1997):0∫'67忽6乃. ノ諺7、飽 勿 ∫6伽6cん. 砿Dα3肋1勿. α7∫∫6加. ノ読7伽o乃.Wien. Wehle,P.(1980):5ρ766乃6%S飽. 刑6〃. 副3c扉70〃. 孟4α κ1∂ ガ3Zω. 嬬6励6〃.Wien/. Heidelberg. Zabert,A.(1993):Bα6舵. 〃.1)ガ6〃6%6970/36S6加16.Augsburg.. Zahnhausen,R.A.(2003):π. α∫ αノ3Bα70〃ooπ7'70"α. ω 〃 ん1ガo乃. /1〃 〃z67んz4〃96κzz4〃zT6卿1∫1)髭zz4〃4zz4γ10〃gz464z4/6646sgθ R腕. 嗣6ガc他. ∫ 初46ノ. 剛6〃67κ. α〃zSo〃%'αg2 んoo乃'6η. 露c加.In:WienerGeschichtsblatter58. (2003),S.81-93. 坂 野. 久(1998):「. み"イ ッ 語 正 書 法 醐B6吻1∫ 養 部 紀 要 第30巻. 坂 野. 久(2001):「. 才 一 ヌ. 、 第1・2号. み グ ア の 正:孝. 〃zσ〃π とD%4例. に つ い で 」、 近 畿 大 学 教. 、35-45頁. 法 辞 典. 一 侍 に0∫'67/6∫c乃. い で 一 」、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第1巻. 一97一. 、 第1号. ∫酌6∫. 凧 ヲ7'67∂%酌. 、99-111頁.. に つ.
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