第2学年 音楽科学習指導案
1 単元名 「歌劇のよさを味わおう」 アイーダ 2 指導観 ○ 歌劇の起源は、17世紀初頭、音楽と文学が融合したギリシャ悲劇の復興を試みたことをきっかけに、 イタリアで誕生したといわれ、音楽、文学、演劇、美術など多くの要素を併せ持つため、総合芸術といわ れている。本単元で取り扱う歌劇「アイーダ」は、独唱、重唱、合唱といった複数の歌唱形態、登場人物 の心情、歌手の演技を支える管弦楽の豊かさや、大掛かりな舞台芸術など、幅広い観点で鑑賞できる教材 である。本単元をとおして、歌劇の特徴や構成を理解し、登場人物の心情などをオーケストラの響きと照 らし合わせて鑑賞することにより、音楽表現の共通性や固有性について考え、音楽のよさや美しさを味わ って聴くことができると考える。 ○ 本学級の生徒への事前アンケートでは、「音楽を鑑賞すること」について、肯定的に捉えている 生徒は、全体の75%である。一方、「楽曲について自分の考えを音楽的な言葉で表すこと」につ いて「苦手だ」と感じている生徒は全体の80%である。音楽を鑑賞することを好んでいるにも かかわらず「苦手だ」と感じている生徒が多い。理由の一つとして、鑑賞する際に、何をどのよ うにして鑑賞すれば良いかといった、鑑賞の仕方が理解できていないことに課題があると考えら れる。そこで、鑑賞する際に、音楽を聴く視点を明らかにして自分の考えを整理することや、客 観的な理由をあげながら「言葉でまとめ、説明する」ことが必要であると考えられる。その際、 自分なりの考えを根拠をもって、楽曲に対する評価や音楽の背景となる文化や歴史についての関 わりを批評させるなど、音楽を形づくっている要素や構造と曲想の関わりを理解して聴くことに より、音楽表現の共通性や固有性について考え、音楽のよさや美しさを味わって聴くことができると考え る。 ○ 本単元の指導にあたっては、歌劇における音楽表現の共通性や固有性について考え、音楽のよさや美 しさを味わって聴くことができることができるようにするために、以下のような手立てを講じる。 ・歌劇の特徴を捉えることができるようにするために、魔王と歌劇の比較鑑賞を行い、歌劇の特徴に ついて考えさせる。その際、歌のみでなく、演奏形態や演出の違いなど広い視野で捉えさせる。 ・歌劇におけるアリアの音楽的効果について考えることができるようにするために、声の音色に焦点を絞り考 えさせる。 ・各場面のオーケストラの響きの違いを聴き取ることができるようにするために、場面ごとに教材を分けて鑑 賞させる。その際、具体的な場面との関連性を根拠にして、記述させる。 ・楽曲に対する価値や評価を根拠をもって要約することができるようにするために、歴史や背景を音 楽の特徴と関連付けさせながら鑑賞新聞を作成する活動を設定する。 3 単元の目標 ○歌劇の特徴に関心をもち、鑑賞する学習に主体的に取り組むことができる。 (○関心・意欲・態度) ○声の音色や音楽を形づくる諸要素を捉え、それらの生み出す特質や雰囲気を感受することができる。 (★創意工夫) ○知覚・感受しながら音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解して、解釈したり、根拠を もって批評するなど音楽のよさや美しさを味わって聴くことができる。 (◆鑑賞の能力)4 単元指導計画(5時間) (○:関心・意欲・態度,★:創意工夫,◆:鑑賞の能力) 次 時 主な学習活動・内容 指導内容・方法 評価規準(方法) 一 次 ① 1 魔王と歌劇を比較鑑賞して違いを 捉える。 (1)比較鑑賞する。 ・1 人→独唱、合唱で歌われている ・ピアノ→オーケストラの演奏 ・魔王にないもの→舞台や衣装 (2)歌劇が生まれた背景を知る。 (3)アイーダの物語の内容を掴む。 (4)登場人物の気持ちを考える。 ・アイーダ、アムネリス、ラダメス ・歌劇の特徴を捉えるこ とができるようにする ために、魔王と歌劇の 比較鑑賞を行い、歌劇 の特徴について考えさ せる。その際、歌のみで なく、演奏形態や演出 の違いなど広い視野で 捉えさせる。 ○鑑賞の活動に関心もち、 登場人物の気持ちについて 自分の考えを記述すること ができる。 (様相観察) 二 次 ① 2 独唱、重唱、合唱について歌い方の特 徴を考える。 (1)歌劇におけるアリアの音楽的効果 ついて考える。 (2)各場面の独唱歌手を比較鑑賞して 声域による役の違いを捉える。 ・役柄と音域の関係を知る。 ・歌劇におけるアリアの音 楽的効果について考える ことができるようにする ために、声の音色に焦点 を絞り考えさせる。 ★声の音色や音楽を形づ くる諸要素を捉え、それら の 生み出す特質や雰囲気を について記述することが できる。 (学習プリント) ② 3 歌劇の魅力について考える。 (1)歌劇を構成する要素について考え、 共通点を捉える。 (2)オーケストラの響きと各場面の内 容を関連付けて聴く。 (3)各場面におけるオーケストラの 演奏の違いについて、グループで意 見をまとめ、交流する。 (4)歌劇の魅力について考えをまとめ る。 ・各場面のオーケストラの 響きの違いを聴き取るこ とができるようにするた めに、場面ごとに教材を分 けて鑑賞させる。その際、 具体的な場面との関連性 を根拠にして、記述させ る。 ◆歌劇を形づくってい る要素の役割や特徴を 理解し、解釈して考え をまとめることができ る。 (学習プリント) 三 次 ① 4 鑑賞新聞を作成する。 (1)音楽史上での歌劇の価値をまとめ る。 ・総合芸術の要素 ・歴史的背景 ・当時の人々の暮らしと音楽 (2)鑑賞新聞を作成する。 (3)類似楽曲を鑑賞する。 ・ミュージカルと歌劇 ・楽曲に対する価値や評 価を、根拠をもって要 約することができるよ うにするために、歴史 や背景を音楽の特徴と 関連付けさせながら鑑 賞新聞を作成する活動 を設定する。 ★声の音色や音楽を形 づくる諸要素を捉え、 歴史的背景と結びつ けてその価値をまと めることができる。 (学習プリント)
5 本時の主眼 ・各場面におけるオーケストラの役割に着目して、歌劇の魅力について根拠をもって考えをまとめることが できるようになる。 6 目指す生徒の発言 ・歌劇の魅力は、各場面をとおして「オーケストラ」が物語の音楽的効果を生み出し、場面描写や歌 い手の感情表現を、より一層高めている。 7 評価の方法 ・歌劇を形づくっている要素や特徴を理解し、考えをまとめることができる。 (学習プリント記述) 8 過程 学習活動・内容 指導の内容・方法 形態 評価規準(方法) 配時 1 歌劇を構成する要素について考 え、共通点を捉える。 ・オーケストラ ・歌劇における、オーケストラの響きにつ いて関心を持つことができるように、歌 劇を構成する要素の共通点について考え させる。 個 人 10 2 オーケストラの響きと各場面 の内容を関連付けて聴く。 (1)「凱旋の場」を聴く。 ・闘いに勝利し喜びに溢れる場面 のため、オーケストラも壮大な響 きがする。 (2)「清きアイーダ」を聴く。 ・ラダメスのアイーダに寄せる感 情の高まりと、オーケストラの響 きが比例している。 3 各場面におけるオーケストラ の演奏の役割について、グループ で意見をまとめ、交流する。 ・場面1では、民衆の歓喜する様 子を表している。 ・場面2では、アイーダに寄せる 気持ちの高ぶりを表している。 ・場面ごとのオーケストラの響きの違い を聴き取ることができるようにするため に、場面ごとに教材を分けて鑑賞させる。 その際、具体的な場面との関連性を根拠 にして、記述させる。 ・場面ごとのオーケストラの響きの違い について、考えを広げることができるよ うにするために、個で考えた内容をグル ープ毎に交流させる。その際、場面ごと の共通点であるオーケストラの役割につ いて考える場を設定し、歌劇におけるオ ーケストラの音楽的な役割を捉えること ができるようにするために、グループ毎 にまとまった意見を、ボードを活用して 発表させる。 【まとめる】 個 人 / 班 30 4 本時の学習のまとめを行う。 (1)歌劇の魅力について、考えを まとめる。 ・歌劇の魅力は、各場面をとおし て「オーケストラ」が物語の音楽的 効果を生み出し、場面描写や歌い 手の表現を、より一層高めている。 (2)自己評価を記入する。 ・歌劇の魅力について、自分の考えをまと めることができるようにするために、キ ーワード(オーケストラ)を使って歌劇 の魅力についてまとめることができるよ うにする。 個 人 ◆歌劇を形づくっている要素 の役割や特徴を理解し、解釈 して考えをまとめることが できる。 (学習プリント記述) 10 めあて 歌劇の魅力について考えよう