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天然物由来の新規有機化合物のスクリーニングによる新しい大腸癌化学発癌予防法の開発

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Academic year: 2021

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全文

(1)

天然物由来の新規有機化合物のスクリーニングによ

る新しい大腸癌化学発癌予防法の開発

著者

柴田 浩行

(2)

天然物由来の新規有機化合物のスクリーニングによる新

しい大勝溝化学発癌予防染の開発

16590571

平成1 6年度∼平成1 7年度科学研究費補助金

(基盤研究(C))研究成果報告書

平成18年5月

研究代表者 柴田浩行

東北大学病院洋師

(3)

天然物由来の新規有機化合物のスクリーニングによる新

しい大腸癌化学発癌予防法の開発に関する総合的研究

16590571

平成1 6年度∼平成1 7年度科学研究費補助金

(基盤研究(C))研究成果報告書

平成18年5月

研究代表者 柴田浩行

東北大学病院講師

(4)

はしがき

この報告は平成1 6年度∼平成1 7年度科学研究費補助金(基盤研究(C))

の研究成果報告書である。本報告書では初めに研究組織、研究費(配分額)、研

究成果発表、研究成果による特許出願状況について述べる。次いで研究成果の

概略と今後の研究計画の展望について述べた後、その成果の大半に基づいてま

とめられた東北大学大学院医学研究科大学院生大堀久詔君の学位論文を報告書

の一部として添付する。なお、本研究成果については平成1 7年9月から論文

投稿を行っているが様々な改訂要求を受け、追加実験を行っているD 現在、な

お僅かな改訂要求を受けているが、近い将来、 ohori H.et a1.,として本研究成

果の第一報が国際誌に掲載されるものと考えており、本報告書の内容をさらに

ブラッシュアップしたバージョンについては、そちらを検索、参照していただ

きたいと考えている。

研究組織

研究代表者;柴田浩行(東北大学病院講師)

研究分担者;岩測好治(東北大学大学院薬学研究科教授)

交付決定額(配分額) 直接経費 亊I ィニ N 合計 平成16年度 テc テ 0 テc テ 平成17年度 テc テ 0 テc テ 総計 テ# テ 0 テ# テ (金額単位:円)

研究発表

学会発表

(1)柴田浩行、高野洋志、伊藤正紀、河口徳一、塩谷尚志、長谷川純崇、広田衛

久、角道裕一、石岡千加史、菅原稔、野田哲生、分子遺伝学的手法による新し

い大腸癌発癌制御メカニズムの探索。第63回日本癌学会学術総会、平成16年10

月1日 (2)大堀久詔、柴田浩行、角道裕一、高橋信、加藤誠之、石岡千加史、 curcumin

類縁体G0-035による癌細胞増殖抑制効果増強とその作用機序に関する検討。第9

回がん分子標的研究会総会、平成17年7月1日。

(3)柴田浩行、高野洋志、伊藤正妃、塩谷尚志、菅原稔、石岡千加史、野田哲生、

ヒトAPC遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを用いたAPC遺伝子-の変

異導入様式解析法。第64回日本癌学会学術総会、平成17年9月14日

(4)大堀久詔、柴田浩行、角道裕一、高橋信、加藤誠之、石岡千加史、 curcumin

(5)

類縁体における癌細胞増殖抑制効果増強とその作用機序に関する検討。第64回

日本癌学会学術総会、平成17年9月14日。

(5)ohori 礼, Shibata H., Kakudo Y., Maeda A.,Iwabuchi Y., Ishioka C.,I

dentification and possibility of new curcumin analogs bearing the dual

enhanced potentials for the degradation of oncoproteins and the stabi lization of p53. 97th Annual meating of American Association of Cancer

Research. 2006.April. 3.

研究.成果による工業所有権の出願状況

特許権

発明者;柴田浩行、岩捌好治、大堀久詔、山越博幸、角道裕一。

権利者;同上。

工業所有権の種類、番号 特願2005-187394、国際特許分類 GOIN33/574 出願年月日;平成17年6月27日。

研究成果

(1)概略 ウコンに含まれるcurcumin、お茶のcatekin、ブドウの皮に含まれるresverat orolなどのphytochemicalと呼ばれる食物由来の有機化合物には大腸癌に対す

る抗腫癌活性や化学発癌予防活性があることが知られている。本研究ではこれ

らの類縁体を合成、スクリーニングしてphytochemicalの持つ低毒性という利点

を損なう事なく、活性のみが強化された新規有機化合物を同定し、それらの作

用メカニズムの解析や生体における有用性の検討を行い、新たな大腸癌の薬物

療法の開発を目指した。

先ず、研究分担者である東北大学大学院薬学研究科合成有機化学の岩側が所

有する2000種を越える新規合成有機化合物ライブラリーの中から、これらのphy

tochemical類縁体を選抜し、それらの大腸癌細胞株DLD-1に対する増殖抑制効果 について検討した。その結果、唯一、 G0-035と名付けられた類縁体化合物のみ が、母体であるcurcuninを4倍以上上回る増殖抑制活性を示したo G0-035は異 なる大腸癌細胞株HCT-116、 SW480に対しても同等の活性を示した。 そこで、 curcuminの炭素スペ-サー部分を5個にしたpentanoidであるGO135 型-の改変がcurcuminの活性増強にとって重要な化学構造上の改変であること を確認し、更なる活性増強を目指して50種類を越えるcurcumin類縁体を新規に

合成した。その結果、両端の芳香環に左右対称にalkoxy基を付加することによ

って更なる活性増強が得られることが示されたo 特にGO-YO16、 GO-YO30、 GO-YO

(6)

性を達成した。その値はIC50倍で0. 25FLMであり、 curcuminを約40倍以上上回る 活性増強であった。これらの新規合成curcumin類縁体は大腸癌以外の細胞株、

例えば胃癌、肺臓癌、肺癌、胆嚢癌などの多くの癌細胞に対しても強い増殖抑

制活性を示し、それらはシスプラチン、 5-FU、塩酸イリノテカンといった既存

の抗癌剤すらも、数倍から数十倍凌駕する増殖抑制活性を示した。作用メカニ

ズムの観点から、これらの新規合成curcumin類縁体はcurcuminの持つ特性の多

くを継承していることが示された。例えば細胞周期進行に与える影響では、 cur

cuminの有するG2/M期停止は、これらの新規合成curcumin類縁体でも同様に、か つ、より低い濃度から観察された。それだけでなく、これらの新規合成curcumi n類縁体処理では細胞集団の約20%がsuhG1分画に移行しており、 curcumin処理

の場合と比較して有意にアポトーシス誘導が克進していることが示された。こ

の結果は、アポトーシス誘導の直接的な担い手であるcaspase3の誘導能の点か らも検証した。この結果においても新規合成curcumin類縁体にはcurcuminのcas

pase3誘導能の約1.2-1.5倍の活性増強を認めた. curcuninには、また、 β-°ate

ninやErbb-2といった癌遺伝子産物の発現低下や発現消失を誘導する活性があ

ることが知られている。この点について新規合成curcumin類縁体について検討

したところ、 β-catenin、 Erbb-2、 C-Myc、 Ki-Rasといった癌遺伝子子物に対し

てcurcumin処理の場合よりも約8倍以上低い濃度から同等以上の活性を示した。 なかでも、 β-cateninやKi-Rasといった癌遺伝子産物の活性化は大腸癌発癌の イニシエーションに関与した分子であり、新規合成curcumin類縁体にはβ-°ate ninやKi-Rasの発現を同時に強力に抑制する機能が存在することから、これらの

化合物には大腸癌の化学発癌予防に応用する理論的根拠に据えることができる

と思われたD 化学発癌予防という目的に用いられる場合には化合物は毒性の点

においても優れている必要があるo そこで、先ず新規合成curcumin類縁体のう ちGO-YO30、 GO-YO31の毒性について初代培養肝細胞を用いて毒性に関する検討 を加えた.初代培養肝細胞に対してはGO-YO30、 GO-YO31ともに50-10011Mの高濃 度においても増殖抑制効果を認めなかったo このことからGO-YO30やGO-YO31に

は強い細胞障害性を認めないことが判明した.実際の毒性を評価するためには1-n vl-voにおける毒性の評価が重要であるo そこでGO-YO30とGO-YO31を餌に混ぜ て1日1匹あたり5mgをマウスに経口投与した。これを連日3カ月間継続したが特 に毒性は認められていない。また、マウスの腹腔内に週1回、 2.3mgを投与した

が同様に毒性は認められていない。以上の結果は本研究において合成されたcur

cumin類縁体、なかでもGO-YO30とGO-YO31は化学発癌予防剤としての可能性を示

唆するものと考えられたQ

(2)将来-の展望 新規に合成されたGO-YO30とGO-YO31を家族性大腸腺腫症のモデルマウスに経

(7)

口投与し、消化管腫疾形成に与える影響について検討を加える。また、 GCIY (冒

痩)などの癌細胞株をヌードマウスの腹腔内に移植して作られた癌性腹膜炎モ

デルに対してGO-YO30やGO-YO31を腹腔内投与し、それらの治療効果について検 討する。上記の検討を通じてGO-YO30やGO-YO31の臨床応用の可能性について検

(8)

TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/

参照

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