92 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
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第
三
章
物
語
練成問題
学 習 日 月 日練
成
問
題
﹁ではみなさんは 、そういうふうに川だと言われたり 、乳 の流 れたあとだと言われたりしていた 、このぼんやりと白いものが ほんとうは何かご承 知ですか。 ﹂ 先生は 、黒板につるした大きな黒い星座 の図の 、上から下へ 白くけぶった銀河帯のようなところをさしながら 、みんなに問 いをかけました。 カムパネルラが手をあげました 。それから四五人手をあげま した 。ジョバンニも手をあげようとして 、急いでそのままやめ ました。 たしかにあれがみんな星だと 、いつか雑誌 で読んだのでした が 、このごろはジョバンニはまるで毎日教室でもねむく 、本を 読むひまも読む本もないので 、なんだかどんなこともよくわか らないという気持ちがするのでした。 ところが先生は早くもそれを見つけたのでした。 ﹁ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。 ﹂ ジョバンニは勢いよく立ちあがりましたが 、立ってみるとも うはっきりとそれを答えることができないのでした 。ザネリが 前の席からふりかえって 、ジョバンニを見てくすっとわらいま ① した 。ジョバンニはもうどぎまぎしてまっかになってしまいま した。 先生がまた言いました。 ﹁大きな望遠鏡で銀河をよっく調べると銀河はだいたい何で しょう﹂ やっぱり星だとジョバンニは思いましたが 、こんどもすぐに 答えることができませんでした。 先生はしばらく困 ったようすでしたが 、目をカムパネルラの 方へ向けて、 ﹁ではカムパネルラさん。 ﹂と名ざしました。 するとあんなに元気に手をあげたカムパネルラが 、もじもじ 立ち上がったままやはり答えができませんでした。 先生は意外なようにしばらくじっとカムパネルラを見ていま したが、急いで、 ﹁では、よし。 ﹂と言いながら、自分で星図をさしました。 ﹁このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと 、も うたくさんの小さな星に見えるのです 。ジョバンニさんそうで しょう。 ﹂ ジョバンニはまっかになってうなずきました 。けれどもいつ かジョバンニの目のなかには涙 がいっぱいになりました 。そう だ、 僕 は知っていたのだ 、もちろんカムパネルラも知っている 、 それはいつかカムパネルラのおとうさんの博士のうちでカムパ ネルラといっしょに読んだ雑誌のなかにあったのだ 。それどこ でなくカムパネルラは 、その雑誌を読むと 、すぐおとうさんの 書斎 から大きな本をもってきて 、ぎんがというところをひろげ 、 まっ黒なページいっぱいに白い点々のある美しい写真を二人で いつまでも見たのでした。 それをカムパネルラが忘 れるはずもなかったのに 、すぐに返 ② ③ ④ 5 10 15 20 25 30 35 40 45SAMPLE
93 ⑴ 線① ﹁それ﹂が指していることを 、﹁ ∼こと 。﹂という形で書 いて答えなさい。 こと。 ⑵ 線② ﹁まっかになってしまいました﹂とありますが 、ジョバ ンニがまっかになったのはなぜですか 。最もふさわしいものを次か ら選び、記号で答えなさい。 ア 勢いよく立ちあがったとたんに 、答えを忘れてしまったことが とてもはずかしかったから。 イ ザネリがわざわざふりかえってまで自分をわらったことに 、は らが立ったから。 ウ 先生の問いに答えられなかったうえに 、級友にまでわらわれた ことがはずかしかったから。 エ 本を読まないためどんなこともよくわからない自分に 、ふがい なさを感じたから。 ⑶ 線③ ﹁もじもじ立ち上がったままやはり答えができませんで した﹂とありますが 、カムパネルラがそのような態度をとった理由 をジョバンニが想像している一文を本文中からさがし 、その最初の 十字を書きぬいて答えなさい。 ⑷ 線④ ﹁ジョバンニの目のなかには涙がいっぱいになりまし た﹂とありますが 、このときのジョバンニの気持ちとして最もふさ わしいものを次から選び、記号で答えなさい。 ア 以前はカムパネルラといっしょに雑誌を読む余ゆうがあった自 分たちを、なつかしく思い出す気持ち。 イ 勉強もできないほど仕事がいそがしい自分と 、それに同情して くれるカムパネルラとをかわいそうに思う気持ち。 ウ わかっていた問題なのに 、先生に何度聞かれてもはきはきと答 えられなかった自分をくやしく思う気持ち。 エ おとうさんが博士で書斎にたくさんの本をもつカムパネルラが 先生の問いに答えられないのはあわれだと思う気持ち。 ⑸ 本文中で 、カムパネルラはどんな少年としてえがかれていますか 。 最もふさわしいものを次から選び、記号で答えなさい。 ア あまり物を言わない無口な少年。 イ 友だちのミスをわらってしまう少年。 ウ はずかしがりやで泣き虫の少年。 エ 友だち思いのやさしい少年。 事をしなかったのは 、このごろぼくが 、朝にも午後にも仕事が つらく 、学校に出てももうみんなともはきはき遊ばず 、カムパ ネルラともあんまり物を言わないようになったので 、カムパネ ルラがそれを知って気の毒がってわざと返事をしなかったのだ 、 そう考えるとたまらないほど 、じぶんもカムパネルラもあわれ なような気がするのでした。 ︿宮 みや 沢 ざわ 賢 けん 治 じ ﹁銀河鉄道の夜﹂より﹀ 50
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次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 ︽ 鉄 冠 子 に﹁仙 人になりたいのなら何があっても口をきいて はいけない﹂と言われた杜 子 春 は 、気がつくと地獄 の閻 魔 大王の前にいました 。閻魔大王は 、 畜 生道に落ちている杜 子春の父母を連れてくるよう、鬼 に言いつけました。 ︾ 鬼はたちまち風に乗って 、地獄の空へまいあがりました 。と 思うと 、また星が流れるように 、二ひきのけものをかりたてな がら 、さっと森 羅 殿 のまえへおりてきました 。そのけものを見 た杜子春は 、おどろいたのおどろかないのではありません 。な ぜかといえばそれは二ひきとも 、形は見すぼらしいやせ馬でし たが、顔は夢にもわすれない、死んだ父母のとおりでしたから。 ﹁こら 、そのほうはなんのために 、峨 眉 山 の上にすわっていた か 、まっすぐにはくじょうしなければ 、こんどはそのほうの父 母にいたい思いをさせてやるぞ。 ﹂ 杜子春はこうおどされても返答をせずにいました。 ﹁この不孝 者めが 。そのほうは父母が苦しんでも 、そのほうさ えつごうがよければいいと思っているのだな。 ﹂ 閻魔大王は森羅殿もくずれるほど 、すさまじい声でわめきま した 。﹁打て 。鬼ども 。その二ひきのちくしょうを 、肉も骨 も打 ちくだいてしまえ。 ﹂ 鬼どもはいっせいに ﹁はっ 。﹂と答えながら 、鉄のむちをとっ て立ちあがると 、四方八方から二ひきの馬を 、みれんみしゃく なく打ちのめしました 。むちはりゅうりゅうと風を切って 、と ころきらわず雨のように 、馬の皮肉を打ちやぶるのです 。馬 は、 ちくしょうになった父母は 、苦しそうに身をもだえて 、 目には血の涙 をうかべたまま 、見てもいられないほど 、いなな きたてました。 ① * * ② * ﹁どうだ。まだそのほうははくじょうしないか。 ﹂ 閻魔大王は鬼どもに 、しばらくむちの手をやめさせて 、もう 一度杜子春の答えをうながしました 。もうそのときには二ひき の馬も 、肉はさけ骨はくだけて 、息もたえだえに階 のまえへ 、 たおれふしていたのです。 杜子春はひっしになって 、鉄冠子のことばを思い出しながら 、 かたく目をつぶっていました 。するとそのとき彼 の耳には 、ほ とんど声とはいえないほど、かすかな声がつたわってきました。 ﹁心配はおしでない 。わたしたちはどうなっても 、おまえさえ しあわせになれるのなら 、それよりけっこうなことはないのだ からね 。大王がなんとおっしゃっても 、いいたくないことはだ まっておいで。 ﹂ それはたしかになつかしい 、母親の声にちがいありません 。 杜子春は思わず 、目をあきました 。そうして馬の一ぴきが 、力 なく地上にたおれたまま、 かなしそうに彼の顔へじっと目をやっ ているのを見ました 。母親はこんな苦しみのなかにも 、むすこ の心を思いやって 、鬼どものむちに打たれたことを 、うらむ気 色さえも見せないのです 。大金持ちになればおせじをいい 、び んぼう人になれば口もきかない世間の人たちにくらべると 、な んというありがたいこころざしでしょう 。なんというけなげな 決心でしょう 。杜子春は老人のいましめもわすれて 、まろぶよ うにそのそばへ走りよると 、両手に半死の馬の首をかかえて 、 はらはらと涙を落としながら 、﹁おっかさん 。﹂とひと声をさけ びました。 ︿芥 あくた 川 がわ 龍 りゅう 之 の 介 すけ ﹁杜子春﹂より﹀ ︵注︶ 森羅殿=地獄にあるというりっぱな建物。 峨眉山=中国の四 川 省 にある山。 みれんみしゃく=思いが残ったりゆるしたりすること。 * ③ * ④ 5 10 15 20 25 30 35 40 45SAMPLE
95 ⑴ 線① ﹁二ひきのけもの﹂とありますが 、それはどんな生き物 でしたか 。三十字以内 ︵句読点も字数に数えます︶で書いて答えな さい。 ⑵ 線② ﹁鬼どもはいっせいに ﹃はっ 。﹄と答えながら 、∼打ち のめしました﹂とありますが 、そのとき 、杜子春は 、どんな様子で したか。最もふさわしいものを次から選び、記号で答えなさい。 ア 鉄冠子のことばを思い出しながら 、むちで打たれる二ひきの馬 を見ないようにしていた。 イ ひっしになって 、馬をむちで打つのをやめるように閻魔大王に たのんでいた。 ウ 耳に伝わってくるかすかな声を聞こうとして 、かたく目をつ ぶってそれに集中していた。 エ 目には血の涙をうかべて 、息もたえだえに階のまえへたおれふ していた。 ⑶ 線③ ﹁老人のいましめ﹂とは何ですか 。最もふさわしいもの を次から選び、記号で答えなさい。 ア 母親の﹁だまっておいで﹂という声。 イ 閻魔大王の﹁むちで打て﹂という命令。 ウ 鉄冠子の﹁口をきくな﹂ということば。 エ 母親のありがたいこころざし。 ⑷ 線④ ﹁はらはらと涙を落としながら﹂とありますが 、杜子春 は何を思って涙を落としたのですか 。最もふさわしいものを次から 選び、記号で答えなさい。 ア 金持ちとびんぼう人とで態度を変える世間の人の冷たさ。 イ 力なくたおれたまま悲しそうにむすこを見る母親の苦しさ。 ウ つらいめにあわされてもむすこを思う母親のやさしさ。 エ むちで打たれている両親を助けようとしない自分の身勝手さ。 単元