講義用ノート(7コマ目)
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(6) 【解説のポイント】 企業や組織にとってゴールと現状には必ずギャップがあります。 そのギャップを埋めるための手段(条件や能力)が“要求”となります。 【解説のガイド】 企業や組織にとって、ゴールを決めた場合、現状と比べてギャップが生じます。 そのギャップを埋めるということが解決すべき課題となります。 その課題を解決するにあたっての条件、能力、つまり何をすればギャップが埋まるのか。それが要求となり ます。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 5.
(7) 【解説のポイント】 要求は4種類あり、それらをきちんと抽出して関係者間で共通理解するために文書化する必要があります。 重要なことは、特に認識されていない要求を引き出して文書化することです。 そのためには、聞き手が仮説を持ってヒアリングするなどのスキルが求められます。 【解説のガイド】 4種類の要求の内、表明されている要求はすでに明文化されていることもあり、容易に抽出することがで きます。 表明されていない要求、示唆された要求は、ヒアリングなどから抽出する必要があります。 それは、顧客数名にヒアリングすると共通して発言されることが多いことや、ヒアリング内で補足されるこ とが多いためです。 一方で、最後の認識されていない要求は顧客が認識していない要求のために単純にヒアリングしても抽 出はできません。 そのため、聞き手はある程度の顧客が抱えているであろう課題の仮説をもってヒアリングする必要があり ます。 そうした結果、顧客が課題について認識し要求を引き出すことができます。 大切なことは、表明された要求だけではなく、如何にして示唆された要求、認識されていない要求を引き 出すかということです。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 6.
(8) 【解説のポイント】 要求工学プロセスは、顧客の要求をインプットとして、 4つのプロセスを経て、システム開発に繋げていくも のです。 その前提には、要求工学の基礎知識が必要となります。 【解説のガイド】 4つのプロセスを遂行するためには、要求工学の基礎知識が要求定義を進めるベースとして必要となりま す。 その上で、ステークホルダなどが持っている要求やすでに文書化されている事業計画などの情報をイン プットとして、要求定義を実施します。 そして、要求工学におけるである4つのプロセスを経て、また、必要に応じて前のプロセスに戻りながら、要 求定義の精度を上げ、システム開発につなげます。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 7.
(9) 【解説のポイント】 要求工学のプロセスは、「要求獲得」、「要求分析」、「要求仕様化」、「要求の検証・妥当性確認・評価」の 、 4つのプロセスに分類されます。 【解説のガイド】 要求工学では、4つのプロセスが定義されています。 ・要求獲得は、要求定義を行うステークホルダを明確にしてヒアリングなどから要求を抽出します。 ・要求分析は、要求内容を把握して要求間の関連付け、優先順位を付けていきます。 ・要求仕様化は、分析された要求を定式化された書式で記述します。 ・要求の検証と妥当性の確認は、 顧客の要求を満たしているか?要求間の矛盾解消などを行います。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 8.
(10) 【解説のポイント】 要求獲得では、現状把握、課題分析、プロジェクトのゴール設定、ギャップを埋めるための施策立案を行い ます。 【解説のガイド】 要求獲得には、現状把握⇒課題分析⇒ゴール設定⇒施策立案の4つのステップがあります。 それぞれのステップは、以下の通りです。 現状把握:現状の事業環境、業務、システムについてヒアリングし、情報システム開発のプロジェクトの目 的を明確にすることです。 課題分析:現状業務、システムの課題を抽出して構造化します。その上で課題の根本原因を明らかにしま す。 ゴール設定:課題解決によって達成することが求められるゴールを定義する。 施策立案:現状からゴールを達成するための手段を抽出し、顧客と合意します。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 9.
(11) 【解説のポイント】 要求分析は、基準(例:5W1hなど)に基づいて分類し、要求にもれがないか確認し、要求間の関係を明確 にします。 【解説のガイド】 要求分析は、要求の分類⇒要求の構造化⇒要求の割り当て⇒要求の優先順位づけの4つのステップと なります。 要求の分類:分類する基準を目的に合わせて設定し、要求を分類してもれや重複がないことを確認します。 要求の構造化:図表などで要求を整理し、要求間の依存関係を明確にします。 要求の割り当て:各要求は、どのハードウェア、ソフトウェアで満たすことができるのか見極めます。 要求の優先順位づけ:要求の重要度、難易度、コスト、依存関係等の基準に基づいて要求の優先度を付 けます。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 10.
(12) 【解説のポイント】 要求仕様化は、要求分析の結果を、既定の書式や表記方法で、正確、かつもれなく文書として記述するこ とです。 【解説のガイド】 要求仕様化は、ビジネス要求の仕様化⇒システム要求の仕様化⇒ソフトウェア要求の仕様化の3ステッ プになります。 ビジネス要求の仕様化:顧客が求める課題解決に必要な条件、能力をきちんとドキュメント(文書)として 残します。内容は、情報システム/情報システム以外の領域を含みます。 システム要求の仕様化:情報システム面で要求を満たす手段をドキュメントに残します。導入するソフト ウェア、ハードウェアが実現可能か確認します。 ソフトウェア要求の仕様化:ハードウェアを除いて、導入するソフトウェアが業務遂行上妥当であることを確 認します。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 11.
(13) 【解説のポイント】 要求の検証・妥当性確認・評価では、仕様確定させた要求内容がステークホルダの期待を満たしている か確認します。 【解説のガイド】 要求の検証・妥当性確認・評価では、要求の検証⇒要求の妥当性確認⇒要求の評価の3ステップになり ます。 要求の検証:要求を検証するために要求の構造化、言葉の定義などの正確性を確認します。また、要求 の品質確認のために、チェックリストを事前に準備しておきます。 要求の妥当性確認:これまでの要求定義で抽出、ドキュメント化しているビジネス要求、システム要求、ソ フトウェア要求それぞれが顧客の要求を満たし、ゴールを達成可能か確認します。 要求の評価:各要求仕様を実現していく上で、技術面や経営面でのリスクをきちんと抽出し、評価してお きます。 要求に不備が存在する場合は、前のプロセスに戻って修正します。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 12.
(14) 【解説のポイント】 要求とは、ステークホルダが実現したいことや目指すゴールを達成するために求められることであり、単な る要望や欲求ではないことを説明します。 さらに、要求獲得がゴール達成に向けて不可欠なプロセスであることを説明します。 【解説のガイド】 要求とは、現状とステークホルダが実現したいことや目指すゴールという将来の状況との差分といえます。 主な要求は以下の通りです。 ・ビジネス要求 ・プロダクト要求 ・システム要求 ・ソフトウェア要求 ・運用要求 ・移行要求 プロセスモデルという視点に立てば、要求獲得の目的は、次プロセスである要求分析プロセスの入力情報 を獲得することともいえます。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 13.
(15) 【解説のポイント】 要求獲得プロセスの概要を説明します。 【解説のガイド】 要求獲得プロセスは、以下の8つのプロセスから構成されています。 1.ステークホルダの識別 2.現状システムの理解 3.現状システムのモデル化 4.課題の抽出と原因分析 5.課題解決に向けたゴールの抽出 6.ゴールを達成する手段の抽出 7.実現すべき将来システムのモデル化 8.要求の記述と詳細化. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 14.
(16) 【解説のポイント】 ステークホルダは要求獲得に関与する人や組織、法律などが含まれます。 顧客や従業員など身近な存在だけでなく、金融機関や地域社会など幅広い視点で識別することが重要 であることを説明します。 【解説のガイド】 ステークホルダは利害関係者と呼ばれ、企業にとって利害関係を有する人や組織、法律などを指します。 ステークホルダの定義は様々ですが、一般的には以下のような人や組織を含みます。 ・顧客 ・従業員 ・株主 ・取引先 ・金融機関 ・地域社会. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 15.
(17) 【解説のポイント】 スーパーマーケットのステークホルダ事例を説明します。 【解説のガイド】 スーパーマーケットには、以下のような様々なステークホルダが存在します。 ・顧客 ・地域社会 ・店長 ・従業員 ・取引先 ・流通センター ・株主. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 16.
(18) 【解説のポイント】 要求獲得などシステム開発の上流工程において、システムとは広義のシステムを指し、利用者や利用環 境なども含まれることが重要であることを説明します。 【解説のガイド】 IT業界においては、「システムイコールコンピュータ」という考え方が一般的です。しかし、要求獲得などシ ステム開発の上流工程においては、システムとは広義のシステムを指し、利用者や利用環境なども含めて 理解することが重要です。 このような広義のシステムにおいて、システムは企業活動や業務の進め方を概念的に表したものであり、 コンピュータに依存した考え方ではありません。 要求獲得においては、コンピュータという手段に縛られることなく、人間系の活動も含めた幅広い視点で 議論することが重要となります。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 17.
(19) 【解説のポイント】 要求獲得などシステム開発の上流工程において、システムとは広義のシステムを指し、外部のビジネス環 境も含めて理解することが重要であることを説明します。 【解説のガイド】 広義のシステムという意味においては、現状システムは自社という枠にとらわれずに、市場や業界など外 部のビジネス環境も含めて理解することが重要です。 インターネット時代になって、市場や他企業との結びつきが強くなってきていることを踏まえると、これから は外部のビジネス環境を含めた議論が当たり前になると考えましょう。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 18.
(20) 【解説のポイント】 現状システムを説明するシナリオを作成することで、「現状システムで何を行っているのか」という現状シ ステムに関する基本的な理解を深めます。 【解説のガイド】 現状システムを理解するためには、まず「現状システムで何を行っているのか」という基本的な理解を深め ることが有効です。 そのために、現状システムにおける人間系の振る舞いや状況の変化などを時系列に記述したシナリオを 作成・分析します。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 19.
(21) 【解説のポイント】 ネットスーパーの商品注文についてのシナリオ事例を説明します。 【解説のガイド】 ネットスーパーの商品注文において、顧客がインターネットで商品を注文するシナリオ事例を説明します。 基本シナリオは注文に成功するシナリオであり、例外シナリオは注文できないシナリオです。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 20.
(22) 【解説のポイント】 要求獲得を円滑に進めるためには、現状システムのモデル化により全体像を把握することが重要です。 スーパーマーケットのビジネスモデル概念図を説明します。 【解説のガイド】 現状システムはコンピュータだけでなく、利用者や利用環境なども含む幅広い視点からの全体像を把握 することが重要となります。 そこで、モデル化という共通的な手法により、現状システムの視覚化を行うことが有効です。 スーパーマーケットのビジネスモデル概念図を例として紹介します。 現状、顧客の要求に十分対応できていないため、経営上大きな課題を抱えています。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 21.
(23) 【解説のポイント】 現状に対する理解が深まったら、将来に向けた議論を進めていきます。 そのためのステップとして、課題の抽出や原因分析を行うことを説明します。 【解説のガイド】 現状を説明するシナリオや現状システムのモデルで現状に対する理解が深まったら、将来に向けた議論 を進めていきます。 そのためには、課題の抽出や原因分析といった取り組みを通じて、より具体的な視点での課題解決に向け た議論を進めていくことが有効です。 課題抽出や原因分析に関する議論を行う際に重要なことは、常に網羅性を意識することです。 網羅性を意識せずに議論を進めると、多くの場合、一部の人の意見や議論の盛り上がり具合などにより、 偏った視点や考え方に議論が流されがちです。 よって、議論をリードするファシリテーターは、常に網羅性を意識しながら議論を進めていくことが求められ ます。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 22.
(24) 【解説のポイント】 課題解決を進めた結果、達成・維持されるゴールを明確にしないことには、課題解決の議論は終わりませ ん。 課題解決に向けたゴールの明確化と共有が重要となることを説明します。 【解説のガイド】 課題解決を進めた結果、達成・維持されるゴールを明確にすることは当たり前のように感じますが、最後の ゴールをあいまいにしたままで後々トラブルなることも少なくありません。 達成・維持されるゴールのレベル感や達成スピード、指標の見解の相違などが起こらないようにするため にも、ゴールの明確化と共有が重要となります。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 23.
(25) 【解説のポイント】 ゴールに着実に到達するためには、ゴールを達成する手段に関する現実的な視点での議論が不可欠であ ることを説明します。 【解説のガイド】 ゴールに着実に到達するためには、ゴールを達成する手段に関する現実的な視点での議論が不可欠とな ります。 ゴールを達成する手段の内容や誰が行うのか、矛盾はないのかといった以外にも、いつごろ行うのか、い くらくらいかかるのかといった視点での議論もあるでしょう。 そのような現実的な視点での議論を行うことで、ステークホルダの当事者意識が高まることも期待できま す。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 24.
(26) 【解説のポイント】 スーパーマーケットのゴール事例を説明します。 【解説のガイド】 スーパーマーケットでは、課題解決に向けて経営レベルから現場レベルまで様々なゴールが存在します。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 25.
(27) 【解説のポイント】 ゴール達成後の将来システムの議論を円滑に進めるためには、将来システムのモデル化により全体像を 把握することが重要です。 スーパーマーケットのビジネスモデル概念図を説明します。 【解説のガイド】 将来システムはコンピュータだけでなく、利用者や利用環境なども含む幅広い視点からの全体像を把握 することが重要となります。 そこで、モデル化という共通的な手法により、将来システムの視覚化を行うことが有効です。 スーパーマーケットのビジネスモデル概念図を例として紹介します。 インターネットを活用したネットスーパーにより、顧客の利便性を向上し、客数増加、売上増加を図ります。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 26.
(28) 【解説のポイント】 要求獲得の最後のプロセスとして、将来システムのモデルやゴールを参照しながら要求を記述し、要求分 析へと展開することを説明します。 【解説のガイド】 要求獲得の最後のプロセスとして、要求の記述と詳細化を行います。 将来システムのモデルやゴールなどを参照しながら要求を記述し、要求の粒度や矛盾などを確認しながら、 要求を整理していきます。 要求獲得の例として、以下に示す要求のカテゴリを紹介します。 ・ビジネス要求 ・プロダクト要求 ・システム要求 ・ソフトウェア要求 ・移行要求 ・運用要求. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 27.
(29) 【解説のポイント】 要求獲得は要求工学の4つの要素プロセスの1つであり、ステークホルダの識別から始まる8つのプロセ スから構成されることを説明します。 【解説のガイド】 要求獲得のまとめとして、要求獲得の全体像を振り返ります。 要求獲得は要求工学の4つの要素プロセスの1つであることを振り返ります。 さらに要求獲得は、ステークホルダの識別から始まる8つのプロセスから構成されることを振り返ります。. Copyright©2013 IPA All Right Reserved. 28.
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