Title
沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について -溶接の問題
点と考察その1-Author(s)
真喜志, 康二; 平敷, 兼貴; 屋良, 秀夫
Citation
琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &
Engineering Division, University of the Ryukyus.
Engineering(11): 9-20
Issue Date
1976-03-01
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/26614
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沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について
一溶接の問題点と考察
その
1
-真 喜志 康二 *平敷 兼貴 料 屋 良 秀 夫 * * *
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dings of Steel Structure andTh
eir Welding in Okinawa By Yasuii MAKISHI, Kenki HESHIKI and 1也deoYARASunnnary In the beginning of steel structure buildings
,
riveted joint was a normal method,
but by the development of high thickness and high strength of the steel,
the joint method with high tension bolt had becoming used. Recently,
the jo加t methods with both of high ten泊onbolt and welded jo担thave been taken.Asit is widely diffused, the safety and trust on the welding are closed up. The followings are found to be apparent. 1.Each fabricator's welders,
who have welder's liωnse,
have much experien田. 2. Because each fabricator has very few welding engineers,
the instruction for the welding technique isnot enough. For example, the control of steel material and welding rods,
groove form of jo泊tand the strain of welded products. 3. The泊spectionof welded parts is dealt by each fabricator.In fact only 10 percents of the parts are inspected. 4. The welding defect, especially undercut, is found in the p釘tsof the welded joint between pillar and beam. 9 1.はじめに 沖縄における鉄骨構造による建築は、戦前、戦後を 通してほとんど見られなかったが、 復帰の四年、五年 前より鉄骨鐙物が急速に増加してきている。主に事務 所や屈舗、ホテルや7ンシヲン等であり、都市の構成 の中で大きな部分をしめている。 されるようκなっている。それに伴って溶接について の安全性や信頼性が大きく関われ、 ζ れ~適確に認識 して設計段階から工事管理へと検討が重要視され、同 時1'-品質管理の重要性が認識されだした。 鉄骨構造による建築の初期の乙ろは、 鋲継手(リベ ット)が主だったが、鋼材の極厚化と高力化l乙伴って しだいにハイテンションボルトによる接合方式がとり 入れられるようになり、現在では溶接接合方式と併用 受付:19751手10月31日 *琉球大学短期大学部機械工学科 **fJn球大学理工学部機械工学科 ***琉球大学理工学部附属工作工場 本報告は自主的研究活動のーっとして今日の中小鉄 骨建築物の実態を調査記録し、溶接技術者と建築技術 者との聞にあるところの問題点を把握することを目的 としたものである。 調査にあたっては不慣れなため、 必ずしも十分な資料とは思われない面が多々あるが, ζ乙にその一部を報告する。 2.鯛査対象建物 沖縄1'-広く分布している鉄骨建築物としては事務所 やホテル、それに学校建築物としては体育館等がある。 調査の対象となったものは、現在建 築中のもの二件、10 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について 極巌近完成したもの二件の計四件について調査した。 対象建物 1)教育福祉会館ビル 那覇市古島宇久増原 2) 山下市街地分譲住宅ヒ守ル(マンション) 那覇市山下回J 3)県内治会館ビル 那覇市壷川 4) 丙武オリオンヒソレ(ホテル) 那新市安里 u れ3 RG X2 4G X2 3 G X2 同 u σ3 伺
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2G X2 同 u 1 G X2 -司 u 一 . . . υ 【 1 GX2 1 G X2 2.1 構造概要 2.1.1 教育福祉会館ビル 乙の建物は那覇市古島 l乙怨築中で、図 llL軸組図、 図ー21乙梁状図を示す。地下l階、地仁6階で、高さ は約27m、延床面積は約360街dの大きさのビルである。 鉄骨の骨組は、柱はト壬叶~で、主従は I 仰を使則して いる。柱フランジと梁フランジの銭合は、同一3のよ うに、 柱貫通形で、 L場溶接を行ない、梁と梁フラン ジの接合は現場で高)Jボルトを使用している。 PRG X2 P2 xG2 ,司 同 u υ σ3'
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RG X2 R G X2 4G X2 4 G X2 同 守司 判 υ υ υ N N ト3 3 G X2 3G X2 2 G X2 2G X2 ,司 ,司 例 υ υ u 【 同 司 1 G X2 1 G X2 Fig. 1 Construction ofpillar柱フラ ンジ 琉球大学理工学部紀要(工学篇) Fig. 2 Beam of floor 写真一1、2は鉄骨建方の状況で、柱と梁フランジ は溶接接合で、梁と梁フランジは高カボルトで摩線接 合されている。ト壬4型柱はピルトアップ材で、梁部分 はウェッブプレートに角穴を明けたビルトアップハニ カム梁である。写真一 3、4は柱と梁フランジ、梁と 梁フランツの接合部分を広大したものである。 Fig.3 Joint between pillar flange and beam flange 11
12 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とそのi容接について
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Photo. 1 Construction of steel frame
琉球大学理工学部紀要 (工学篇) 13
Photo.3 Joint between pillar and beam flange
14 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について 2.1.2 山下市街地分譲住宅ビル 梁貫通形で、工場溶接を行なっている。柱フランジと この建物は郊萌市山下町K建築中で、地上5階(鉄 柱フランジの接合及び梁と梁フランツの接合は高力ボ 骨部)で、高さ約16m、延床面積は約650伽iの大きさ ルトを使用しているor-f-t型住はヒールトアップ材で、 の分議7ンションである。 スパン部分もビノレトアップ材である。 欽骨の骨組は、柱がト壬→型で、梁は
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型をなし、柱 写真一6、7は鉄骨組方の状況で、写真一8は柱と フランツと梁フランフの接合は、写真一5のように、 梁、梁と梁フランジの接合部を示す。 Photo. 5 Joint between pillar flange and beam flange Photo. 6 Construction of steel frame琉球大学理工学部紀要(工学篇) 15
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16 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について Photo.9 県 自 治 会 館 ビ ル 2.1.3 県自治会館ビル 写真一91乙示すように、この建物は那覇市登JIIIC既 IC建築されている。地上1輔 (1部11階)で、高さは 約36m、延床面積は約900仇rlの大きさの事務所である。 鉄骨の骨組は、柱が
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型で、 450x450 のサイズで 梁も I型のビルトアップ材である。柱と梁フランツの 接合は、柱貫通で、工場溶接を行ない、梁と梁フラン ジの接合は高力ボルトが用いられている。 2.1.4 西武オリオンビル (ホテル) 写真一101C示すように、那覇市の国際通りに面した 所に既1(.完成しているビルである。その規模は、地上 9階 (1部 11階)で、高さは約40mで、延床面積は約 12000niの大きさである。 鉄骨の骨組は、柱が口型(BoxType)で寸法は、 下部で850X85Q..上部で5∞X5∞、梁はI型のピノレト アップ材である。柱と梁フランツの接合は、柱貫通形 で、工場溶接、梁と梁フランジの接合は高力ボルトを 使用している。 なお調査に当った四件のビル1(.使用された鋼材の種 類及数量、溶接方法等などは、表ー1の通りである。 -anadpdpdpdnp d p d ' d n H y d g p d 宛 dpdeFawd 伊 係 ド d 間同伊 d z F z d a E F d a g p d a 圃 v a -F d R M ν dp, ,
c v d n V 4 u v a 締 p d n H P 一 dpdF ﹀ 震 F494F49 4 F れ r a a g F d m 錫 r , 野 & v d a 傍 e d 腐 れ M v d p j J H S ' S a v a m p e B J p i g d p d F d p d wv
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v d 咽 瞳 冨 尊 書 指 i ぃ 陶 イ 判 け 肖 1 a Photo.lO 西 武 オ リ オ ン ビ ル琉球大学理工学部紀要(工学篇) 17 Table 1. Important quant:ty of the steel frame works
~玉目
鋪 材 種 類 鋼 材 数 量 教 育 福 祉 会 館 8841 280 Ton 山下市街地分譲住宅 8M41 600 県 自 治 会 館 8841 930 ホテノレ西武オリオン 8841 1.180 3.溶嬢仕様及び溶接検査 調査した四件のヒソレについての溶接は、ファブリケ ーター独自の「施工要領書」にもとづいている。乙の 「施工要領書」は溶陵構造物の品質の良否や、使用鋼 材の材質管理、 開先形状、溶俵法、 それに溶接継手設 計の優劣等[[..:1=眼がおかれている。鉄骨構造物の溶接( a) Joint between pillar and beam flange
浴 後 方 法 溶 接 棒 高力ボルト数 手溶接(工場溶接) D4301 23.00α本 N N 45.ωo " N 66.400 " M 25.200 は、100%工場務援である。 図-4は、山下市街地分議住宅ビルにおけるト壬t型 柱と梁フランジの接合部の開先形状で、教育福祉会館 ヒールもほとんど同じような形状を示している。図-5 は、県自治会館ピノレのH型柱と梁フランジの開先形状 で、図-6は、西武オリオンピルの口型柱と梁フラン ジの開先形状を示している。
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-+"-ゥラハソ'Jrm帆 ①促フラJジ ③ 村 フ ラJンとち時フラノジ ② 引 っ う " 〆と出フラJジ ④ ラチス・タイプレート ⑤作用i隅肉Il'rl~ ⑥,、制ゾノフラ:.,:;t_スチ汁ー ⑦ パJドプレート ( b ) Groove form Fig.4 ←一子...typepillarand beam flange18 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について
溶接の検査は、各ファプリケーターの自主的検査で 10%位K当っている。又合否の伴定も各ファプリケー
外観検査と超音波探傷検査、一部にはカラーチェック ター独自の基準にしたがって実施している状態である
を用いているところもあった。検査個所は各ファブリ が、その欠陥発生率、および手直率についての報告は
ケーターともぬき打ちに行ない、それは総溶接長の約 ほとんどない。
( a) Joint between pi 11 ar and beam flange
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①佐フラノジと盟フラノジ②柱フラ:,..:,iと盟フラJジ③科部閉肉拙;1
( b) Groove form Fig.5 トイ type pi 11 ar and beam fl ange
①柱フランツと梁フランツ②各部隅肉溶接
(a) Joint between pillar and beam flange ( b) Groove form Fig. 6 type pi 11 ar and beam fl ange
続球大学理工学部紀要(工学篇) 19 4.むすび 今回調査した4件のピノレについて伴明した事項をま とめると、次のようである。 (1)各ファプリケーターの溶接工は、経験豊富で、 しかも J1 S による溶接技量資格を有しており、なか Kは日本でも権威ある「日建設計Kよる検定試験J1乙 合格した溶接工も見られた。 (2)各ファブリケーターとも溶接技術者が少なく、 素材や溶接俸の管理、開先形状及関先面の状態;溶接 Kよって生じる歪の発生防止等についての指導が欠け る。 (3)浴接部の検査と合否の判定は、ファプリケータ ー独自で行なっている状態で、検査倒所は総溶接長の 拾数パーセント位である。 (4)中型柱のピルトアップ材において、 TとTの 間隔が狭く、十字部分の溶接が困難な所が多い。 (5)柱や梁の部分の溶接には、アンダーカットが多 く見られ、ピード函の不ぞろいも見られた。又溶接後 のスラグが除去されてなく、そのままの状態の所も多 iJ>った。 実際問題として、各ファブリケーターとも溶接工の 技量は、すばらしいものがあるが、溶接技術者が少な く、細部の点IC.注意が欠けている。また溶接部の検査 においても、検査部門を一指して行なう検査機関があ れば、能率よく合理的になるものと恩われる。 今後、建築技術者の溶接 11:対する認識を高め、鉄骨 構造物の新しい技術、ならびに工法の開発 11:努めなけ ればならないでしょう。乙乙 K鉄骨構造物の溶接の実 状を知る資料になるのではないかと報告した。次報で は溶接設計とその強度面について調べ報告したい。 おわりに本報告を作成するにあたり、資料を提供し て下さいましたファブリケーターの方々 K深く感謝す る次第です。
20 真喜志・平敷・屋良:沖縄の鉄骨構造建築物とその溶接について 溶 接 記 号 溶接の種類 ヨ己 号 百己 入 伊j 備 考 記 号 作 図 法