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ポケモン GO を起爆剤として始まる任天堂の再成長 7 月 6 日 アメリカ カナダ オーストラリア ニュージーランドで ポケモン GO が配信開始された 次いでドイツ イギリスなど欧州諸国で配信開始された 8 月からは南米やアセアン各国でも配信開始されており いずれはインドでも配信されると思われる

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2016 年 8 月 19 日 楽天証券株式会社________________________________________________________________________________ 〒158-0094 東京都世田谷区玉川 1-14-1 楽天クリムゾンハウス 本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、 投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売 買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、 当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資

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連結決算 16.3 17.3 予 会社新 17.3 予 楽天証券新 18.3 予 楽天証券新 19.3 予 楽天証券新 16.3/4Q 17.3/1Q 売上高(百万円) 前年比(%) 504,459 -8.2 500,000 -0.9 520,000 3.1 1,020,000 96.2 1,320,000 29.4 78,795 -26.3 61,969 -31.3 営業利益(百万円) 前年比(%) 32,881 32.7 45,000 36.9 45,000 36.9 200,000 344.4 360,000 80.0 -9,604 赤字 -5,134 赤転 経常利益(百万円) 前年比(%) 28,790 -59.2 45,000 56.3 23,000 -20.1 200,000 769.6 360,000 80.0 -26,504 赤字 -38,674 赤転 当期純利益(百万円) 前年比(%) 16,505 -60.6 35,000 112.1 17,900 8.5 154,000 760.3 277,000 79.9 -24,053 赤字 -24,534 赤転 EPS(円) 137.4 291.4 149.0 1,282.0 2,305.8 配当(円) 150.0 150.0 150.0 640.0 1,150.0 PER(倍) 166.6 78.6 153.7 17.9 9.9

「ポケモンGO」は任天堂再成長の起爆剤となろう

要 約

 7 月 6 日、アメリカなどで「ポケモン GO」が配信開始された。グーグル、任天堂など が出資する米ナイアンティック社が開発したもの。任天堂へ業績寄与は大きくはな いが、巨大な広告効果が現れ、1~2 億人の潜在顧客が出来ると思われる。  今秋に任天堂製スマホゲーム「どうぶつの森」「ファイアーエムブレム」配信、11 月 に 3DS 版「ポケットモンスター」新作発売、2017 年 3 月「NX」発売、2017 年 3 月末 までにスマホゲーム2作配信開始と重要スケジュールが続く。今期を起点とした新 しい上昇サイクルが予想され、その起爆剤が「ポケモン GO」か。楽天証券では、来 期以降の高率の利益成長を予想する。  株価レーティング「A」を維持する。目標株価レンジは 31,000~33,000 円から 35,000 ~37,000 円に引き上げる。

任天堂(7974 東証1部)

株価 22,895 円(2016 年 8 月 18 日終値) 株価レーティング A→A

訪問取材 セクター:その他製品 アナリスト:今中 能夫 株式時価総額 2 兆 7504 億円 発行済株数 120,129 千株(他に自己株 21,539 千株) PCFR(17/3 期楽天証券 予想) 115.1 倍 PBR(16/6 期末実績ベー ス) 2.51 倍 配当利回り(17/3 期楽天 証券予想) 0.66% ROE(17/3 期予) 1.6% 株主資本比率 90.0%(16/6 期末) 目標株価レンジ 35,000~37,000 円 株価レーティング(基準株価は表紙記載の株価) A:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上上昇すると予想される B:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満上昇すると予想される C:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が±5%未満の範囲に留まると予想される D:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満下落すると予想される E:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上下落すると予想される

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「ポケモン GO」を起爆剤として始まる任天堂の再成長 ■

7 月 6 日、アメリカ、カナダ、オー ストラリア、ニュージーランドで「ポケモン GO」が配信開始された。次いでドイツ、イギリスなど 欧州諸国で配信開始された。8 月からは南米やアセアン各国でも配信開始されており、いず れはインドでも配信されると思われる。 今後の任天堂をどう見るかについては、楽天証券投資 WEEKLY2016 年 7 月 15 日号、7 月 22 日号で分析したが、以下では改めてまとめた。その分析を踏まえて、任天堂の今後の業 績予想を述べることにしたい。 まず、ポケモン GO の最新の数字に関してだが、英ギネス・ワールド・レコーズが 8 月 16 日ま でに発表したところによると、 1. ポケモン GO のダウンロード数は、配信開始後1ヶ月間で全世界で1億 3000 万 DL。 2. 課金売上高は 20 日で1億ドル、1ヶ月で 2 億 650 億ドル(約 207 億円)。 3. 世界 70 カ国でダウンロードランキングが同時に1位。55 カ国で課金売上高が1位になっ た。 この1~3の内容がいずれもギネスで世界記録になる。 以下の分析ではこれらの数字を前提として使う。即ち、ダウンロード数が 8 月 6 日までに 1.3 億 DL とすると、最近配信開始されたブラジル、インドネシアなど人口が多い国でのダウン ロード数の増加と、今後配信開始となると思われるインドでのダウンロード数を考慮すると、 年内に 2 億 DL 以上が実現すると思われる。 また、課金売上高は、当面は月間 200 億円が続くと思われる。 筆者は 1991 年頃から任天堂を調査している。その経験から学んだことだが、 「ゲームの歴史は任天堂に始まり任天堂に終わる」 今、任天堂が始めようとしている新しいゲームの歴史は、過去のどのサイクルよりも大きなも のになるかもしれない。本レポートで任天堂の新しい動きを探って行きたい。

任天堂に対する「ポケモン GO」の寄与は大きくも小さくもない ■

「ポケモン GO」は米ナイ アンティック社(Niantic)が開発し、アップストア(iOS)、グーグルプレイ(アンドロイド)で配信し ている。ナイアンティックはもともとグーグルの1部門で、位置情報システムを使った「イングレ ス」の開発会社だが、グーグルからスピンアウトして独立した会社である。出資企業はグーグ ル、任天堂、株式会社ポケモン(任天堂の持分法適用会社で任天堂 32%出資、「ポケットモ ンスター」の版権管理会社)などで、任天堂の出資比率は不明。任天堂の持分法適用会社

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ではなく、2016 年 3 月期有価証券報告書の投資有価証券欄にも記載がないため、数億円 規模の少額出資と思われる。 従って、ポケモン GO の課金売上高が任天堂の業績に直接寄与するわけではない。ただし、 間接的な寄与はある。ナイアンティックが受け取るポケモン GO の課金売上高のうち、約 33%はアップル、グーグルへの決済手数料として徴収され、その残りから株式会社ポケモン に版権使用料が支払われると思われる。また、9 月に「ポケモン GO プラス」が任天堂から発 売される。ポケットモンスターが近付くとブザーが鳴る玩具であり、一定の売り上げが期待で きると思われる。 ポケモン GO の課金売上高から株式会社ポケモンが受け取るライセンス収入の比率は不明 だが、「ポケットモンスター」クラスのビッグネームであることを考慮して、30%と仮定し、日米 欧+新興国での 7 月からの課金売上高を1ヶ月 200 億円とすると、2017 年 3 月期分が 1800 億円、その 30%、540 億円が株式会社ポケモンの取り分とすると、営業利益率 100%、税率 35%として、株式会社ポケモンの当期純利益への寄与は 351 億円、このうち 32%の 112 億 円が任天堂の営業外収益の持分法利益に反映されることになると思われる。 月間 200 億円の課金が来期も続くと仮定すれば、同じ計算でポケモン GO の課金売上高年 間 2400 億円、株式会社ポケモンの取り分 30%=720 億円、当期純利益への寄与 468 億円、 任天堂の持分利益 32%分=150 億円と試算される。なお、後述のように、来期業績見通しに はポケモン GO の寄与は考慮していない。 また、9 月発売予定の 7 月 31 日の「ポケモン GO プラス」(ポケモンに接近するとブザーがな る玩具、3500 円、34.99 ドル、7 月 31 日発売から 9 月発売に延期)は、需要が多いことが予 想されるが、会社側が非常に慎重なため、今期の需要を 2000~4000 万個とし、実際の生産 販売個数を 2000 万個と想定した。これで営業利益への寄与を試算すると、2000 万個×3500 円×卸掛け率 80%×営業利益率 20%=112 億円と試算される。これらはあくまでも試算だ が(会社側が今期予想の前提の詳細を開示していないため、試算するしかない)、株式会社 ポケモンの持分利益を合わせて考えると(112 億円+112 億円)、ポケモン GO の任天堂への 寄与は大きくはないが小さくもないと思われる。

任天堂にとっての「ポケモン GO」の真の意味 ■

7 月 6 日以降、日本を含む世界の各地で ポケモン GO の騒ぎが起きている。筆者もプレイしているが、人によって様々な遊び方が出 来るゲームであり、長く続く秀作ソフトになる可能性が十分あると思われる。子供にとっては、 夏休みの虫取りのような遊びでもあろう。実際に街中を見ると、一人でプレイするだけでなく、 家族、カップルでプレイする人たちが多い。女性のプレイヤーが多いのも特色だろう。 ただし、問題もあり、立ち入り禁止区域に入る人がいたり、歩きスマホ、スマホをしながらの自 動車の運転など、プレイヤーの問題行動もニュースになっている。いずれ何らかの法律上の

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問題が起こらないとも限らないと思われる。筆者自身は、ポケモン GO の開発、配信に任天 堂が表立って関わらず、出資と版権提供に限定した関係でよかったと考えている。 ただし、任天堂はポケモン GO から収益配分以上のものを得ている。 巨大な広告効果:まず、実際にはそうではないにも関わらず、ポケモン GO のプレイヤーでな い人も含めて世界中の多くの人々が、「ポケモン GO=任天堂」と思い込んでいることである (「ポケモン=任天堂」は正しい認識だが)。これは任天堂にとって巨大な広告効果が発生し ていることを意味する。任天堂の広告宣伝費は今期予想で 500 億円だが、この数倍を費や してもこの広告効果は得られないだろう。 1億人以上の潜在顧客:次に、任天堂は極めて多くの潜在顧客を得たということである。上 述のように、8 月 6 日までのダウンロード数は全世界で 1.3 億 DL となった。日米欧では既に ダウンロードランキング1位からは落ちているが、これは急速に普及が進んだ反動が出てい るだけであろう。本来課金しなくとも十分遊べるにも関わらず、多くの国で課金売上高ランキ ングが今も1位を維持しているところを見ると、ダウンロードした人の半数以上が熱心に遊ん でいると思われる。 また、新興国での配信が順次進んでおり、いずれインドでも配信が始まると思われるが、そう なると、ダウンロード数は年内には 2 億 DL(人)となる可能性がある。そして、この人たちが最 低1回はポケモン GO で遊んだ履歴がある状況になると思われる。課金率については各種の 調査から推定すると、デイリーアクティブユーザー数の 20%前後と思われるが、これは日本 でも欧米でもかなり高い比率である。 ポケモン GO の顧客数 1~2 億人の数字の意味を考えてみる。任天堂の家庭用ゲームで過 去最大の累積販売台数は、据置型機で Wii の約1億台、携帯型機では DS の約 1.5 億台だ が、ここに到達するのに各々約 8 年かかっている。個別のゲームタイトルでは、他社製になる が「Call of Duty」「Grand Theft Auto」の各シリーズが最盛期で 2000 万本以上を記録している (いずれも PS3 または PS4、Xbox360 または XboxOne 版の合計)。スマホゲームでは、「キャ ンディクラッシュ」(キング)のダウンロード数が配信後1年で5億 DL 超となった記録があるが、 マンスリーアクティブユーザー数に対する課金率は数%で、ポケモン GO に比べかなり低い と思われる。このように、ポケモン GO は非常に速いスピードで顧客を獲得している。 この現在 1.3 億人、いずれは 2 億人の人たちが半年以上ポケモン GO だけをプレイすること は考えにくい。これはこれだけ大きな顧客層になると、必ず多様性が生まれる、つまりゲーム の好き嫌いが生まれると思われるからである。ポケモン GO は外を歩き回らなければならない ゲームであり、飽きたり、面白くなくなる人も多くなると思われる。そして、その人たちが次に求 めるソフトは、任天堂のソフトなのではないか。

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0 500 1000 1500 2000 2500 3000 83/ 8 84/ 8 85/ 8 86/ 8 87/ 8 88/ 8 89/ 8 90/ 3 91/ 3 92/ 3 93/ 3 94/ 3 95/ 3 96/ 3 97/ 3 98/ 3 99/ 3 00/ 3 01/ 3 02/ 3 03/ 3 04/ 3 05/ 3 06/ 3 07/ 3 08/ 3 09/ 3 10/ 3 11/ 3 12/ 3 13/ 3 14/ 3 15/ 3 16/ 3 17/ 3 予 18/ 3 予 19/ 3 予

グラフ1 任天堂のゲームサイクル:据置型ハードウェア

(単位:万台、出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券) ファミコン スーパーファミコン ニンテンドー64 ゲームキューブ Wii WiiU NX -5000 0 5000 10000 15000 20000 25000 83/ 8 84/ 8 85/ 8 86/ 8 87/ 8 88/ 8 89/ 8 90/ 3 91/ 3 92/ 3 93/ 3 94/ 3 95/ 3 96/ 3 97/ 3 98/ 3 99/ 3 00/ 3 01/ 3 02/ 3 03/ 3 04/ 3 05/ 3 06/ 3 07/ 3 08/ 3 09/ 3 10/ 3 11/ 3 12/ 3 13/ 3 14/ 3 15/ 3 16/ 3 17/ 3 予 18/ 3 予 19/ 3 予

グラフ2 任天堂のゲームサイクル:据置型ソフトウェア

(単位:万本、出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券) ファミコン スーパーファミコン ニンテンドー64 ゲームキューブ Wii WiiU NX

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-500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

グラフ3 任天堂のゲームサイクル:携帯型ハードウェア

(単位:万台、出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券) ゲームボーイ ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS 3DS -5000 0 5000 10000 15000 20000 25000

グラフ4 任天堂のゲームサイクル:携帯型ソフトウェア

(単位:万本、出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券) ゲームボーイ ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS 3DS

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任天堂の新しいゲームサイクルが始まる ■

任天堂の今後の重要スケジュールは次のよう になる。

2016 年 9 月:「ポケモン GO プラス」発売

2016 年秋:任天堂製スマホゲーム「ファイアーエムブレム」「どうぶつの森」配信開始

2016 年 11 月:3DS 版「ポケットモンスター サン/ムーン」(ポケモン GO と連動?)

発売(日本では 11 月 18 日発売)

2017 年 3 月まで:任天堂製スマホゲーム2作配信予定(2017 年 1~6 月:スマホゲー

ムの「マリオ」配信開始?)

2017 年 3 月:「NX」発売

2019 年 3 月期:3DS の後継機発売?

この中で任天堂の今後の評価を決するもの(それだけ重要なもの)は、まず第一に、今年秋 に予定されている任天堂製スマホゲームの実質第1、2弾である「どうぶつの森」「ファイアー エムブレム」である。 「どうぶつの森」は国内、海外ともに高評価を得ているシリーズで、2012 年 11 月発売の 3DS 版「とびだせ どうぶつの森」は累計販売本数が合計 903 万本(日本 432 万本、アメリカ 200 万本、欧州 228 万本、その他 42 万本)、2015 年 7 月発売の 3DS 版「どうぶつの森 ハッピー ホームデザイナー」は、合計 293 万本(日本 137 万本、アメリカ 46 万本、欧州 98 万本、その 他 11 万本)となっている。特に日本で根強い人気がある。 「ファイアーエムブレム」は、前作の「ファイアーエムブレムif白夜王国・暗夜王国」(2015 年 6 月発売)が合計 144 万本で、国内外にファンが多い(数字はいずれも VGChartz 調査の小売 売上本数)。この2作のスマホゲームがどの程度の評価を受けるかが、その後の任天堂の業 績にとって重要なポイントとなろう。 次いで重要なのは、2017 年 3 月発売予定の新型機「NX」であろう。これについては後述す る。 また今年 11 月発売の「ポケットモンスター サン/ムーン」はポケモン GO との連動が予想さ れる。プレミアムアイテムの提供、販売やキャラクターの共通化などが予想される。これらが評 価されれば、今期中に 1500~2000 万本の可能性もあろう。 また、会社側では 2017 年 3 月までに 2 作のスマホゲームを配信開始する計画である。タイト ル名はまだ不明だが、筆者はこの内の1作か、来期に配信開始されるであろう数作のうち1 作が「マリオ」に関連したソフトになる可能性があると考えている。これは単純に予想されるこ

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とであり、これまでの新型ハードの立ち上げ時は「スーパーマリオ」関連ソフトがキラーソフト の一つになっている。もし 2017 年1~6 月に配信開始される任天堂のスマホゲームの一つが 「スーパーマリオ」関連になるならば、「スーパーマリオ」が「ポケットモンスター」に勝るとも劣 らない強力なキャラクターであることを考えると、業績とNXに立ち上げに大きな影響があると 予想される。 更により長期を見ると、2019 年 3 月期には 3DS の後継機が発売される可能性がある。スマホ ゲームは、アップルとグーグルに約 33%の決済手数料を支払わなければならない。任天堂 にとっては自前の携帯ゲーム機を続けることは重要な経営課題であると思われる。 今から 2019 年 3 月期にかけての上述のようなスケジュールを見ると分るが、任天堂の新しい ゲームサイクルがまさに始まろうとしているのである。しかし、任天堂は DS、Wii のサイクルが ピークアウトした 2009 年 3 月期から 8 年間下り坂の会社である。特に、2011 年 2 月に発売さ れたニンテンドー3DS とそれに続く Wii U のサイクルは、初動の経営政策の失敗もあり、2012 年 3 月期から 3 年間営業赤字に陥るなど失敗したサイクルだった。 その失敗した会社が、再び大きなサイクルを作り出そうとするならば、大きな起動力が必要に なる。それがポケモン GO だったというわけである(グラフ1,2参照)。

リスクは任天堂製スマホゲームの質とNXのハードの中身 ■

今後のリスクは、第一に、任 天堂製スマホゲームの「質」の問題である。任天堂の家庭用ゲームソフトについては、たとえ ハードウェアが失敗であっても、購入者を失望させることはこれまでほとんどなかったと思わ れる。しかし、スマホゲームは家庭用ゲームと全く同じではない。これについては、今秋(9~ 11 月?)に予想される任天堂製スマホゲーム、「どうぶつの森」「ファイアーエムブレム」を実 際にプレイして質を確認するしかない。もし、この2作が世界的にヒットすれば、任天堂の次 のサイクルが大きなものになるきっかけとなろう。 次のリスクは、NXハードの中身である。任天堂の家庭用ゲームソフトの質は信頼してよいと 思われる。しかしハードについては、これまでも成功ばかりではなく失敗もある。というよりも、 携帯ゲーム機は全て成功しているのもかかわらず(3DS でさえ、筆者が見るところハードは優 秀でソフトも良かった。初動の経営政策さえ失敗しなければもっと良い結果が出ただろう)、 据置型の成功例は初代のファミリーコンピューター(ファミコン)、スーパーファミコン、大成功 例が Wii で、ニンテンドー64 とゲームキューブは失敗ではないが成功とも言えないケース、 Wii U は失敗ケースであり、3勝3敗といってよいだろう。NX の全容は明らかではないが、この 成否がスマホゲームと並んで次のニンテンドーサイクルの成否を決めることになろう。

NX はどのようなハードになるか ■

ネット上では、NX の形状とスペックについて、様々な 噂が出回っている。最終的には会社側が今年 12 月に行う予定の NX の開示を待たなければ

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ならないが、概ね以下のようなハードになる可能性が指摘されている。

1.形状は、平らなベースドックの上に切り離し可能な携帯型機が載った形で、合体した状態 で据置機として使う。または、上部を切り離して携帯型機として使う。

2.プロセッサは、「Terga X-1」、またはより上級の「Terga N-1」を使うという話がある。「Terga X-1」は NVIDIA(エヌビディア)のモバイル製品用プロセッサで、8 コアの 64bit ARM CPU と NVIDIA の Maxwell 256 コア GPU を組み合わせたもの。N-1 はこの上級バージョンで X-2 の カスタムチップと言われている。真偽のほどは不明であり、会社の発表を待つしかない。 3.上記のようなチップの性能であれば、総合性能では PS4 には及ばないものの、それに近 い性能は出せると思われる。ただし、VR に対応するかどうかは不明。 4.また、台湾メディアの DIGITIMES の 8 月の報道によれば、任天堂は 2016 年第 3 四半期 (筆者注:記事中の表現、2016 年 7-9 月期)に次世代ゲーム機「NX」の試作を開始し、第 4 四半期(2016 年 10-12 月期)早期には量産に取りかかる。この記事では、Terga X-1 プロセッ サを使うという話になっている。なお、同誌が 6 月に報じたところによれば、NX は VR に対応 するために、量産時期を 2016 年年内から 2017 年初頭に延期するという話だった。 これまで会社側が NX についてコメントしてきた、3DS の後継機でも Wii U の後継機でもない、 全く新しいコンセプトのゲームという話と、ネット上の噂からおぼろげながらNXの輪郭は浮か び上がってくる。据置型、携帯型の両用機になる可能性は実際にあると思われる。ただし、こ のようなネットの情報には誤報も多いため、会社側の発表を待ちたい。 いずれにせよ、NX では任天堂は失敗できないため、過去の反省に立ったスペックと企画の 練り方をしていると思われる。 なお、これまでのサイクルに沿って考えれば、2019 年 3 月期に今の 3DS の後継機である新 型携帯ゲーム機が発売される可能性がある。仮にNXが据置・携帯両用であっても、携帯専 用機は日本と欧州で人気が高く、当社にとっても重要な収益源であるため、NXとは別途発 売される可能性がある。 この携帯専用機は今回の楽天証券予想には織り込んでいないが、仮にNXが失敗した場合、 あるいは、スマホゲームの伸びが芳しくない場合には、発売される可能性が大きくなると思わ れる。この場合は、NX、スマホゲームと新型携帯ゲーム機の3本立てで、成長が実現出来る と思われる。

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表1 任天堂の業績予想(2016年8月)

2016年3月期 2017年3月期 会社予想 2017年3月期 楽天証券予想 2018年3月期 楽天証券予想 2019年3月期 楽天証券予想 売上高 504,459 500,000 520,000 1,020,000 1,320,000 前年比 -8.2% -0.9% 3.1% 96.2% 29.4% 売上総利益 220,965 245,000 410,000 580,000 売上総利益率 43.8% 47.1% 40.2% 43.9% 前年比 3.0% 10.9% 67.3% 41.5% 販売費及び一般管理費 188,083 200,000 210,000 220,000 対売上高販管費比率 37.3% 38.5% 20.6% 16.7% 前年比 -0.9% 6.3% 5.0% 4.8% 営業利益 32,881 45,000 45,000 200,000 360,000 営業利益率 6.5% 9.0% 8.7% 19.6% 27.3% 前年比 32.7% 36.9% 36.9% 344.4% 80.0% 経常利益 28,790 45,000 23,000 200,000 400,000 前年比 -59.2% 56.3% -20.1% 769.6% 100.0% うち為替差損益 -18,356 -39,000 0 0 うち持分法投資損益 1,887 13,000 0 0 当期純利益 16,505 35,000 17,900 154,000 308,000 前年比 -60.6% 112.1% 8.5% 760.3% 100.0% EPS 137.4 291.4 149.0 1,282.0 2,563.9 配当 150.0 150.0 150.0 640.0 1,150.0 PER(倍) 166.6 78.6 153.7 17.9 8.9 ドル建て売上高(億ドル) 17 ドル建て仕入高(億ドル) 11 差額(億ドル) 6 ユーロ建て売上高(億ユーロ) 9 ドル建て債権(期末、ネット、100万ドル) 2,279 ユーロ建て債権(期末、ネット、100万ユーロ) 776 期中平均レート:円/ドル 120.14 110.00 102.00 100.00 100.00 期中平均レート:円/ユーロ 132.58 125.00 115.00 113.00 113.00 期末レート:円/ドル 112.68 110.00 100.00 100.00 100.00 期末レート:円/ユーロ 127.70 125.00 113.00 113.00 113.00 株価 22,895 円(2016/8/18) 時価総額 27,504 億円(2017/8/18) 発行済み株数 120,129 千株 単位:百万円、円 出所:会社資料より楽天証券作成 注1:2017年3月期楽天証券予想の持分法投資利益は、ポケモンGOの寄与110億円と従来からの持分法利益20億円を含む。 注2:発行済み株数は自己株式を除く。 注4:外貨建て売上高と仕入高の差額に為替レートの変化を掛けると営業段階の円高デメリットが算出できる(概算)。 注3:ドル建て債権、ユーロ建て債権(いずれもネット)は、期末現預金+売掛金-買掛金。この金額に期末間の為替差を掛けると営業外収 支の為替差損益となる(概算)。

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表2 任天堂の業績予想の前提(2016年8月)

スマホゲームの業績予想 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 配信ソフト数 2 4 6 課金人数(万人) 800 2,500 5,000 月額課金額(円/月) 800 800 800 課金月数 6 12 12 スマホゲーム売上高(億円) 384 2,400 4,800 営業利益(億円) 192 1,200 2,400 営業利益率 50% 50% 50% 家庭用ゲームと玩具 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 NX ハード販売台数(万台) 200 1,400 1,800 ソフト販売台数(万本) 900 6,800 11,500 3DS ハード販売台数(万台) 500 500 300 ソフト販売台数(万本) 5,500 4,500 1,500 Wii U ハード販売台数(万台) 80 ソフト販売台数(万本) 1,500 ポケモンGOプラス 販売個数(万個) 2,000 0 0 amiibo 販売個数(万個) 3,000 2,000 0 出所:楽天証券作成 注:2017年3月期は計4作のスマホゲームを配信開始する予定だが、うち2 作は期末として、今期の課金収入は実質的に2作からと想定した。

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2017 年 3 月期 1Q 実績 ■

7 月 27 日発表の 2017 年 3 月期 1Q 決算は、売上高 619 億 6900 万円(前年比 31.3%減)、営業損失 51 億 3400 万円(前年同期は 11 億 4900 万円の黒 字)、経常損失 386 億 7400 万円(同 142 億 8600 万年の黒字)、当期純損失 245 億 3400 万 円(82 億 8400 万円の黒字)となった。1Q はゲームの不需要期であり、また Wii U のハード出 荷を削減していること、3DS ハードも減少したこと、円高(期中平均レートは前 1Q の1ドル= 121.36 円から今 1Q108.14 円、1ユーロ=134.16 円から同 122.02 円へ)によって大幅減収と なった。この結果営業赤字となった。また、2016 年 3 月末の為替レート1ドル=112.68 円から 6 月末の1ドル=102.91 円へ円高となったため、手持ちの外貨建て預金、売掛金に為替差 損 350 億 300 万円が発生し、経常損失となった。 1Q 決算時には、2017 年 3 月期通期の会社予想は修正されなかった。また、決算発表に先 立つ 7 月 22 日、任天堂は株式市場で話題になっているポケモン GO の業績寄与について は限定的で、ポケモン GO プラスについても業績への寄与は織り込み済みで、現時点では 業績見通しの修正は行わない旨のプレスリリースを公表した。

2017 年 3 月期~2019 年 3 月期業績見通し ■

これまで分析したように、今の任天堂は、 次のニンテンドーサイクルを作り出せるかどうかの手前にある。そのため、任天堂製スマホ ゲームの配信時期、NXの発売時の出荷数量は不透明であり、今期業績予想も流動的と考

表3  連結業績推移:四半期ベース

15/3期 16/3期 17/3期 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 売上高 74,695 96,703 271,521 106,861 90,223 113,959 221,481 78,795 61,969 伸び率 -8.4% -15.9% -10.3% 47.2% 20.8% 17.8% -18.4% -26.3% -31.3% 売上総利益 32,526 48,566 91,851 41,641 42,685 51,001 89,612 37,665 30,532 売上総利益率 43.5% 50.2% 33.8% 39.0% 47.3% 44.8% 40.5% 47.8% 49.3% 伸び率 -10.7% 89.4% 5.3% 199.0% 31.2% 5.0% -2.4% -9.5% -28.5% 販管費 41,996 39,311 60,031 48,476 41,536 43,173 56,104 47,269 35,667 対売上高販管費比率 56.2% 40.7% 22.1% 45.4% 46.0% 37.9% 25.3% 60.0% 57.6% 伸び率 1.6% -10.6% -8.4% -17.5% -1.1% 9.8% -6.5% -2.5% -14.1% 営業利益 -9,470 9,254 31,819 -6,833 1,149 7,828 33,508 -9,604 -5,134 営業利益率 -12.7% 9.6% 11.7% -6.4% 1.3% 6.9% 15.1% -12.2% -8.3% 伸び率 赤字 黒転 46.6% 赤字 黒転 -15.4% 5.3% 赤字 赤転 為替差損益 -5,045 20,632 35,502 -17,038 10,818 -10,098 1,082 -20,158 -35,003 経常利益 -9,964 32,161 70,159 -21,826 14,286 2,149 38,858 -26,504 -38,674 経常利益率 -13.3% 33.3% 25.8% -20.4% 15.8% 1.9% 17.5% -33.6% -62.4% 伸び率 赤転 黒転 29.2% 赤字 黒転 黒転 -44.6% 赤字 赤転 当期純利益 -9,924 24,224 45,215 -17,672 8,284 3,182 29,092 -24,053 -24,534 税引利益率 -13.3% 25.0% 16.7% -16.5% 9.2% 2.8% 13.1% -30.5% -39.6% 伸び率 赤転 黒転 371.2% 赤字 黒転 黒転 -35.7% 赤字 赤転 単位:百万円 出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券。

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えておいたほうがよいと思われる。これは、今期に下方修正があったからといって任天堂の 投資価値が減じられるわけではなく、新ハード発売前のハードメーカーの業績は往々にして 不安定なのである。 また、もともとゲーム会社の業績予想は、特にグローバルに活動するプラットフォームメー カー(ハードメーカー)の業績予想は難しい。実際に、任天堂の業績見通しは、実にしばし ば修正されてきた。2009 年 3 月期から 8 年間は毎期下方修正、その前は上方修正が多かっ た。つまり、ゲーム業界の特性上、半年先から1年先を見通すことは極めて難しいということ である。 加えて、任天堂の会社予想はその前提数字が限られており(例えばポケモン GO プラスの想 定販売個数は非開示)、考え方が不明確な部分が多い。 そこで筆者は、会社予想の各数値を尊重しつつも、各事業について独自予想を立て、3 年 分の業績予想を試みた。 スマホゲームは成功する条件が整っている:まず重要なのは、スマホゲームの業績予想で ある。ポケモン GO の課金動向はまだ不明だが、従来のスマホゲームよりも幅広い層が月額 数百円から数千円程度課金していると思われる。今回の楽天証券業績予想では、2017 年 3 月期は実質的に「ファイアーエムブレム」と「どうぶつの森」の 2 作のみの配信(10 月配信開 始)で、他の 2 作は 2017 年 3 月に配信開始と仮定した。そして、この最初の 2 作について 400 万人ずつの課金ユーザーが月間 800 円(500~1000 円)課金すると仮定した(ポケモン GO のダウンロード数2億 DL の中の 10%が1作についてダウンロードし(2000 万ダウンロー ド)、このうち 20%の 400 万人が月間 800 円課金すると仮定した)。 また、2018 年 3 月期以降は、課金ユーザーが増加するとした。2018 年 3 月期については、 「マリオ」関連ソフトが配信開始されると仮定し、全体の課金ユーザーを 2500 万人と予想した。 2019 年 3 月期は累計配信ソフト数の増加によって課金ユーザー5000 万人と想定した。 家庭用ゲーム事業は NX 次第:次に、家庭用ゲーム事業については、NXの販売台数を 2017 年 3 月期 200 万台、2018 年 3 月期 1400 万台、2019 年 3 月期 1800 万台とした。今期 販売台数は延期リスクを考慮して 200 万台とごく少量とし、本格展開は来期からと想定した。 また、スマホゲームとの連動による台数の押し上げ効果を前提し、Wii ほどの大成功ではな いが、それに近い成功を収めると想定した。したがって、スマホゲーム事業が不発なら、この 販売台数予想は、より小さいものとなろう。 NX用ソフトについては、2017 年 3 月期 900 万本、6800 万本、1 億 1500 万本とした。2017 年 3 月期はハード累計台数1台に対するソフト販売本数を 4.5 本としたが、2018 年 3 月期、 2019 年 3 月期は 3~4 本と想定した。家庭用ゲーム機事業は、ハードウェアが毎期販売され て累積する上に、ハード1台につきソフトが自社製、サードパーティ製合わせて年間 3~4 本 販売されることで、ハードメーカーの業績が急成長する「ハードウェアの累積効果」が重要に

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なる。NXでこの効果が発揮されると想定した。 玩具については、ポケモン GO プラスを今期 2000 万個、来期 0 個、amiibo を同じく 3000 万 個、2000 万個と想定した。 また、筆者は 2019 年 3 月期に 3DS の後継機である携帯ゲーム機が発売されると考えている が、不透明な面もあるため、予想には織り込んでいない。 販管費は、2017 年 3 月期 2000 億円、2018 年 3 月期 2100 億円、2019 年 3 月期 2200 億円 とした。研究開発費は自社開発のゲームタイトルが増えると思われることから傾向的に増加 するとしたが、広告費は来期まで増加し、その後は横ばいと想定した。これは、スマホゲーム の継続的な投入が広告の代わりとなるためである。 これらの前提数字をもとに、今期の営業段階での円高デメリット(前期比で 270 億円のマイナ ス要因、会社予想比で 140 億円のマイナス要因)を見込んで、2017 年 3 月期~2019 年 3 月 期業績を予想したところ、営業利益は 2017 年 3 月期 450 億円、2018 年 3 月期 2000 億円、 2019 年 3 月期 3600 億円となった。 経常利益は、同じく 230 億円、2000 億円、3600 億円となった。今期については、営業外収支 の為替差損 390 億円を前提したが、来期以降はこれをゼロとした。このため、今期経常利益 は今の為替レートが続く場合は、会社予想 450 億円を下回ると思われる。持分法投資利益 については、2017 年 3 月期 130 億円(ポケモン GO の寄与を 110 億円、従来分を 20 億円と した)、2018 年 3 月期、2019 年 3 月期をゼロと仮定した。 なお、為替レートは、期中平均レートが 2016 年 3 月期1ドル=120.14 円、1ユーロ=132.58 円、1Q 平均レートは 1 ドル=108.14 円、1ユーロ=122.02 円、2Q 以降は1ドル=100 円、1 ユーロ=113 円、今期平均は1ドル=102 円、1ユーロ=115 円とした。期末レートは、2016 年 3 月期末の1ドル=112.68 円、1ユーロ=127.70 円に対して、2017 年 3 月期末を1ドル=100 円、1 ユーロ=113 円とした。 注:今回の楽天証券業績予想は、楽天証券投資 WEEKLY2016 年 7 月 22 日号の「表1 任 天堂の業績試算」からは数字が下方修正されている。これは同号表2と上の表 2 を比較すれ ば分るように、スマホゲーム事業の 2017 年 3 月期見通しを上方修正したこと、NX事業の ハード、ソフトの販売見通しを下方修正したこと、NXハードの想定販売価格を 3 万円から 2.5 万円に引き下げたこと、ポケモン GO プラスの見通しも下方修正したこと(2017 年 3 月期 4000 万個→2000 万個、2018 年 3 月期 3000 万個→ゼロ)、7 月 22 日号では省略した Wii U 事業 をより厳密に予想するために 2017 年 3 月期に算入したことによる。なお、7 月 22 日号の業績 試算はあくまでもラフな試算であり、今回の業績予想とは継続しない。また、今回予想は 様々な不確実性を考慮して固めの予想となっている。

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株価見通し ■

楽天証券の予想 EPS は、2017 年 3 月期 149.0 円、2018 年 3 月期 1,282.0 円、2019 年 3 月期 2,305.8 円となる。今後の成長性とともに、事業の不確実性を考慮し、2018 年 3 月期 1,282.0 円に PER25~30 倍をかけて今後1年間の目標株価レンジを 35,000~ 37,000 円とした。株価レーティングは「A」を維持した。

リスク要因 ■

今秋配信予定のスマホゲーム「どうぶつの森」「ファイアーエムブレム」の出来具合:この2作 は任天堂製スマホゲームの第1弾であり、ポケモン GO で出来た大量の潜在顧客を任天堂 が獲得できるかの試金石となるものである。ゲームの出来具合、ユーザー数、ユーザー満足 度、課金動向に注目したい。 NXの詳細と売れ行き:2017 年 3 月発売予定の新型機「NX」は任天堂の次の成長の中核で ある。この中身と実際の売れ行きには注意を要する。Wii U がなぜ失敗したかについては、 論者によって様々な意見があろうが、筆者は、見るからに複雑な構造が敬遠されたと考えて -500,000 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 82/ 8 期 83/ 8 期 84/ 8 期 85/ 8 期 86/ 8 期 87/ 8 期 88/ 8 期 89/ 8 期 90/ 3 期 91/ 3 期 92/ 3 期 93/ 3 期 94/ 3 期 95/ 3 期 96/ 3 期 97/ 3 期 98/ 3 期 99/ 3 期 00/ 3 期 01/ 3 期 02/ 3 期 03/ 3 期 04/ 3 期 05/ 3 期 06/ 3 期 07/ 3 期 08/ 3 期 09/ 3 期 10/ 3 期 11/ 3 期 12/ 3 期 13/ 3 期 14/ 3 期 15/ 3 期 16/ 3 期 17/ 3 期予 18/ 3 期予 19/ 3 期予 グラフ5 任天堂の長期業績 (単位:百万円、出所:会社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券) 売上高 営業利益

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も似ており、これまでと同様に使い慣れたコントローラを動かすだけでゲームを楽しめる(そう いうふうにユーザーに思わせている)。Wii U は PS3、PS4 とは正反対に、なにやら複雑で、手 間のかかることをしなければゲームができないという印象をユーザーに与えてしまったのでは ないか。 ポケモン GO が全世界で受けているのも、スマホの画面上でシンプルに楽しめるからである。 もし任天堂が Wii U の反省を踏まえずNXを作るならば、その時にはNX失敗のリスクが大き くなろう。これが任天堂の最大のリスクである。 株価変動:今は任天堂製スマホゲームを待っている状態である。そのため、様々な見方、情 報、為替レート、株式市場全体の動きによって株価が乱高下する局面はあろう。株価変動に は注意が必要であろう。

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表4

任天堂(7974)

更新日 2016/8/18 株価 22,895 円(16/8/18) 発行済株数 120,129,323 株 時価総額 2,750,361 百万円 自己株(外数) 21,539,677 株 連結業績推移 EV 1,867,553 百万円 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2017/3通予 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通予 会社予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 (16/4/27) (16/8/17) (16/8/17) (16/8/17) 売上高 571,726 549,780 504,459 500,000 520,000 1,020,000 1,320,000 伸び率 -10.0% -3.8% -8.2% -0.9% 3.1% 96.2% 29.4% 売上総利益 163,219 214,584 220,965 245,000 410,000 580,000 売上総利益率 28.5% 39.0% 43.8% 47.1% 40.2% 43.9% 伸び率 16.3% 31.5% 3.0% 10.9% 67.3% 41.5% 販管費 209,645 189,814 188,083 200,000 210,000 220,000 対売上高販管費比率 36.7% 34.5% 37.3% 38.5% 20.6% 16.7% 伸び率 18.6% -9.5% -0.9% 6.3% 5.0% 4.8% 営業利益 -46,425 24,770 32,881 45,000 45,000 200,000 360,000 営業利益率 -8.1% 4.5% 6.5% 9.0% 8.7% 19.6% 27.3% 伸び率 赤字 黒転 32.7% 36.9% 36.9% 344.4% 80.0% 経常利益 6,086 70,530 28,790 45,000 23,000 200,000 360,000 経常利益率 1.1% 12.8% 5.7% 9.0% 4.4% 19.6% 27.3% 伸び率 -41.9% 1058.9% -59.2% 56.3% -20.1% 769.6% 80.0% 当期純利益 -23,222 41,843 16,505 35,000 17,900 154,000 277,000 税引利益率 -4.1% 7.6% 3.3% 7.0% 3.4% 15.1% 21.0% 伸び率 -427.1% -280.2% -60.6% 112.1% 8.5% 760.3% 79.9% 遡及済みEPS -193.3 348.3 137.4 291.4 149.0 1,282.0 2,305.8 配当 100.0 180.0 150.0 150.0 150.0 640.0 1,150.0 配当金額 11,837 21,306 18,019 18,019 18,019 76,883 138,149 設備投資額 38,529 11,175 10,414 17,000 17,000 13,000 13,000 減価償却費 8,116 6,401 6,180 6,000 6,000 7,000 7,000 キャッシュフロー -15,106 48,244 22,685 41,000 23,900 161,000 284,000 フリーキャッシュフロー -65,472 15,763 -5,748 5,981 -11,119 71,117 132,851 CFPS -125.7 401.6 188.8 341.3 199.0 1,340.2 2,364.1 FCFPS -545.0 131.2 -47.9 49.8 -92.6 592.0 1,105.9 EBITDA -38,309 31,171 39,061 51,000 51,000 207,000 367,000 PER -118.4 65.7 166.6 78.6 153.7 17.9 9.9 PCFR -182.1 57.0 121.2 67.1 115.1 17.1 9.7 EV/EBITDA -48.7 59.9 47.8 36.6 36.6 9.0 5.1 <別掲> 研究開発費(販管費) 71,736 63,336 69,066 65,000 65,000 70,000 80,000 広告宣伝費(販管費) 70,264 54,834 46,636 50,000 50,000 55,000 55,000 受取利息(営業外収支) 5,279 4,018 4,693 4,000 4,000 4,000 為替差損益(営業外収支) 39,287 34,051 18,356 39,000 0 0 純資産 1,118,438 1,167,556 1,160,901 1,160,901 1,093,719 一株当たり営業利益 -386.5 206.2 273.7 374.6 374.6 1,664.9 2,996.8 株価/一株当たり営業利益倍率 -59.2 111.0 83.6 61.1 61.1 13.8 7.6 一株当たり純資産 9,310.3 9,719.2 9,663.8 9,663.8 9,104.5 PBR 2.46 2.36 2.37 2.37 2.51 配当利回り 0.44% 0.79% 0.66% 0.66% 0.66% 2.80% 5.02% 単位:百万円、円、倍

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表5 任天堂のハードウェア、ソフトウェア販売数量:1 16/08/17更新 ハードウェア販売台数 2007/3通 2008/3通 2009/3通 2010/3通 2011/3通 2012/3通 2013/3通 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通予 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 (16/8/17) (16/8/17) (16/8/17) Wii 国内 200 390 206 238 126 86 26 4 0 0 米大陸 237 824 1293 986 778 453 205 71 18 0 その他 147 647 1096 830 605 445 168 48 27 11 計 584 1861 2595 2053 1508 984 398 122 46 11 Wii U 国内 92 89 53 80 10 0 0 米大陸 152 129 185 154 60 0 0 その他 101 55 100 91 10 0 0 計 345 272 338 326 80 0 0 NX 国内 50 300 300 米大陸 100 700 1000 その他 50 400 500 計 200 1400 1800 DS 国内 912 636 401 401 235 23 1 0 0 米大陸 663 1065 1207 1229 839 262 211 7 0 その他 781 1330 1511 1081 678 225 23 6 2 計 2356 3031 3118 2711 1752 510 235 13 2 3DS 国内 106 479 569 435 307 236 180 180 100 米大陸 132 467 427 433 293 225 170 170 100 その他 123 406 400 356 274 218 150 150 100 計 361 1353 1395 1224 873 679 500 500 300 単位:万台、万本 出所:会社資料より楽天証券作成 表6 任天堂のハードウェア、ソフトウェア販売数量:2 ソフトウェア販売本数 2007/3期 2008/3期 2009/3通 2010/3通 2011/3通 2012/3通 2013/3通 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通予 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 (16/8/17) (16/8/17) (16/8/17) Wii 国内 612 1494 1303 1498 1145 900 432 128 32 27 0 米大陸 1449 6488 11364 10429 9921 5369 2713 1365 542 318 50 その他 823 3979 7791 7254 6061 3968 1915 1124 599 388 50 計 2884 11960 20458 19181 17126 10237 5061 2616 1173 733 100 Wii U 国内 173 389 333 453 300 50 0 米大陸 728 970 1461 1479 900 100 0 その他 440 527 646 805 300 50 0 計 1342 1886 2440 2736 1500 200 0 NX 国内 200 1000 1900 米大陸 500 3800 6300 その他 200 2000 3300 計 900 6800 11500 DS 国内 4977 3989 3194 3054 2165 777 506 111 42 米大陸 3720 6517 8175 7362 6225 3295 1763 538 145 その他 3658 8056 8362 4743 3707 2011 1068 381 112 計 12355 18562 19731 15159 12098 6082 3338 1029 299 3DS 国内 218 1113 2116 2677 2402 2034 1800 1500 500 米大陸 394 1264 1617 2273 2131 1487 2000 1500 500 その他 331 1222 1228 1839 1742 1331 1700 1500 500 計 943 3600 4961 6789 6274 4852 5500 4500 1500 単位:万台、万本 出所:会社資料より楽天証券作成

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表7 任天堂のハードウェア累計販売台数 累計販売台数 2007/3期 2008/3期 2009/3通 2010/3通 2011/3通 2012/3通 2013/3通 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通予 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 (16/8/17) (16/8/17) (16/8/17) Wii 国内 200 590 796 1034 1160 1246 1272 1276 1276 1276 米大陸 237 1061 2354 3340 4118 4571 4776 4847 4865 4865 その他 147 794 1890 2720 3325 3770 3938 3986 4013 4024 計 584 2445 5040 7093 8601 9585 9983 10105 10151 10162 Wii U 国内 92 181 234 314 324 324 324 米大陸 152 281 466 620 680 680 680 その他 101 156 256 347 357 357 357 計 345 618 956 1281 1361 1361 1361 NX 国内 50 350 650 米大陸 100 1000 2000 その他 50 600 1100 計 200 1950 3750 DS 国内 1603 2239 2640 3041 3276 3299 3300 3300 3300 米大陸 1174 2239 3446 4675 5514 5776 5987 5994 5994 その他 1252 2582 4093 5174 5852 6077 6100 6106 6108 計 4029 7060 10178 12889 14641 15151 15386 15399 15401 3DS 国内 106 585 1154 1589 1896 2132 2312 2492 2592 米大陸 132 599 1026 1459 1752 1977 2147 2317 2417 その他 123 529 929 1285 1559 1777 1927 2077 2177 計 361 1713 3109 4333 5207 5886 6386 6886 7186 単位:万台、万本 出所:会社資料より楽天証券作成 表8 タイレシオ(累計販売台数1台あたりソフト販売本数) 累計1台当たりソフト本数 2007/3期 2008/3期 2009/3通 2010/3通 2011/3通 2012/3通 2013/3通 2014/3通 2015/3通 2016/3通 2017/3通予 2018/3通予 2019/3通予 (タイ・レシオ) 新楽天証券予想 新楽天証券予想 新楽天証券予想 (16/8/17) (16/8/17) (16/8/17) Wii 国内 3.1 2.5 1.6 1.4 1.0 0.7 0.3 0.1 0.0 0.0 米大陸 6.1 6.1 4.8 3.1 2.4 1.2 0.6 0.3 0.1 0.1 その他 5.6 5.0 4.1 2.7 1.8 1.1 0.5 0.3 0.1 0.1 計 4.9 4.9 4.1 2.7 2.0 1.1 0.5 0.3 0.1 0.1 Wii U 国内 1.9 2.1 1.4 1.4 0.9 0.2 0.0 米大陸 4.8 3.5 3.1 2.4 1.3 0.1 0.0 その他 4.4 3.4 2.5 2.3 0.8 0.1 0.0 計 3.9 3.1 2.6 2.1 1.1 0.1 0.0 NX 国内 4.0 2.9 2.9 米大陸 5.0 3.8 3.2 その他 4.0 3.3 3.0 計 4.5 3.5 3.1 DS 国内 3.1 1.8 1.2 1.0 0.7 0.2 0.2 0.0 0.0 米大陸 3.2 2.9 2.4 1.6 1.1 0.6 0.3 0.1 0.0 その他 2.9 3.1 2.0 0.9 0.6 0.3 0.2 0.1 0.0 計 3.1 2.6 1.9 1.2 0.8 0.4 0.2 0.1 0.0 3DS 国内 2.1 1.9 1.8 1.7 1.3 1.0 0.8 0.6 0.2 米大陸 3.0 2.1 1.6 1.6 1.2 0.8 0.9 0.6 0.2 その他 2.7 2.3 1.3 1.4 1.1 0.7 0.9 0.7 0.2 計 2.6 2.1 1.6 1.6 1.2 0.8 0.9 0.7 0.2 単位:万台、万本 出所:会社資料より楽天証券作成

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株価・財務指標の計算式 PER=株価÷EPS(一株当たり当期純利益) 配当利回り=配当÷株価 株式時価総額=株価×発行済株数(自己株式を除く) PCFR=株価÷一株当たりグロスキャッシュフロー (グロスキャッシュフロー=当期純利益+減価償却費) ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本 PBR=株価÷一株当たり純資産 自己資本比率=自己資本÷総資産 表9  各ハード、ソフトの販売台数、本数:四半期ベース 14/3期 15/3期 16/3期 17/3期 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q DS:ハードウェア 国内 0 0 0 0 北米 4 2 1 0 欧州他 2 2 0 2 計 6 4 1 2 DS:ソフトウェア 国内 13 20 52 26 北米 114 180 176 68 欧州他 88 109 111 73 計 215 309 339 167 Wii:ハードウェア 国内 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 北米 10 18 35 8 4 4 7 3 0 -1 1 0 欧州他 9 6 25 8 5 4 13 5 4 4 3 0 計 21 26 60 16 9 8 20 8 4 3 4 0 Wii:ソフトウェア 0 0 国内 41 27 48 12 9 8 11 4 13 2 3 9 北米 175 645 408 137 70 214 182 76 36 160 69 53 欧州他 150 452 382 140 80 237 194 88 63 134 137 54 計 366 1,124 838 289 159 459 387 168 112 296 209 116 3DS:ハードウェア 国内 64 116 242 13 26 46 209 26 29 54 118 35 31 北米 36 81 293 23 25 44 150 74 40 35 123 27 35 欧州他 40 53 240 23 31 37 140 66 32 38 118 30 28 計 140 250 775 59 82 127 499 166 101 127 359 92 94 3DS:ソフトウェア 国内 431 607 1,170 469 283 696 1,147 276 329 583 835 287 209 北米 347 659 964 303 300 407 1,017 407 232 316 524 415 316 欧州他 322 373 852 292 273 371 810 288 230 230 607 264 322 計 1,100 1,639 2,986 1,064 856 1,474 2,974 971 791 1,129 1,966 966 847 Wii U:ハードウェア 国内 9 14 60 6 6 11 32 4 15 17 43 5 7 北米 6 17 87 19 28 35 101 21 19 36 90 9 9 欧州他 1 -2 49 7 17 15 58 10 13 18 56 4 5 計 16 29 196 32 51 61 191 35 47 71 189 18 22 Wii U:ソフトウェア 国内 18 66 263 42 81 53 151 48 101 104 167 81 60 北米 52 316 427 175 230 330 667 234 206 463 548 262 246 欧州他 33 144 277 73 128 118 301 99 148 216 309 132 161 計 103 526 967 290 439 501 1,119 381 455 783 1,024 475 468 単位:万台、万本 出所:会社資料より楽天証券作成。

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■国内株式 国内 ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ) 【株式等のお取引にかかるリスク】 株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF) は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となって いる指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託 証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変 動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあ り、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。 【信用取引にかかるリスク】 信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるお それがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことが できるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証 金の額を上回るおそれがあります。 【貸株サービスにかかるリスクおよび費用】 ●リスクについて 貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」になります。株券等を貸し 付けいただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。 ●当社の信用リスク 当社がお客様に引き渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合 があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」に基づき遅延損害金をお客様にお 支払いすることになりますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主とし て得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様が取得できないことになります。 ●投資者保護基金の対象とはなりません なお、貸し付けいただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分 別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。 ●手数料等諸費用について お客様は、株券等を貸し付けいただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はあ りません。 ●配当金等、株主の権利・義務について 貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義になっており、この期間中において、お客様は 株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主 提案権等については貸出期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。

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株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、権利を獲得するため自動的にお客様の口座に 対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出し設定は、お客様のお取 引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。 貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった 後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。 ●株主優待情報について 株主優待内容は東洋経済新報社から提供されるデータを原則として毎月更新いたします。更新日か ら次回更新日の内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、 配当、優待は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては必ず当 該企業のホームページ等で内容をご確認ください。 ●税制について 株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、 お客様が個人の場合、雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当 額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、 法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。 【株式等のお取引にかかる費用】 国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の 3 コースから選択することができます。 〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が 決定します。)(現物取引)〕 超割:1 回の約定代金が 10 万円まで 139 円(税込 150 円)/1 回、20 万円まで 185 円(税 込 199 円)/1 回、50 万円まで 272 円(税込 293 円)/1 回、100 万円まで 487 円(税込 525 円)/1 回、150 万円まで 582 円(税込 628 円)/1 回、3,000 万円まで 921 円(税込 994 円)/1 回、3,000 万円超 973 円(税込 1,050 円)/1 回 超割(大口優遇):1 回の約定代金が 10 万円まで 90 円(税込 97 円)/1 回、20 万円まで 180 円(税込 194 円)/1 回、50 万円まで 238 円(税込 257 円)/1 回、100 万円まで 426 円(税込 460 円)/1 回、150 万円まで 509 円(税込 549 円)/1 回、3,000 万円まで 806 円(税込 870 円)/1 回、3,000 万円超 851 円(税込 919 円)/1 回 〔超割コース(信用取引)〕 超割:約定代金に関わらず 360 円(税込 388 円)/1 回 超割(大口優遇):約定代金に関わらず 0 円(税込 0 円)/1 回。 詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。

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〔いちにち定額コース〕 1 日の約定代金合計が 50 万円まで 429 円(税込 463 円)/1 日、100 万円まで 858 円(税込 926 円)/1 日、200 万円まで 2,000 円(税込 2,160 円)/1 日です。以降、1日の約定代 金合計が 100 万円増えるごとに 1,000 円(税込 1,080 円)追加されます。取引のない日は 手数料がかかりません。1 日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたしま す。 〔ワンショットコース(現物取引)〕 1 回の約定代金が 10 万円まで 139 円(税込 150 円)/1 回、20 万円まで 185 円(税込 199 円)/1 回、50 万円まで 341 円(税込 368 円)/1 回、100 万円まで 609 円(税込 657 円) /1 回、150 万円まで 728 円(税込 786 円)/1 回、3,000 万円まで 1,152 円(税込 1,244 円)/1 回、3,000 万円超は 1,217 円(税込 1,314 円)/1 回。 〔ワンショットコース(信用取引)〕 1 回の約定代金が 30 万円まで 250 円(税込 270 円)/1 回、30 万円超は 450 円(税込 486 円)/1 回。 ※当社が別途指定する ETF の手数料は 0 円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合 計に含まれません。 ●カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター 取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。 〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕 1 回の約定代金が 50 万円まで 3,450 円(税込 3,726 円)/1 回、100 万円まで 3,800 円(税 込 4,104 円)/1 回、150 万円まで 4,000 円(税込 4,320 円)/1 回、150 万円超は 4,500 円(税込 4,860 円)/1 回。 〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕 1 回の約定代金が 30 万円まで 3,250 円(税込 3,510 円)/1 回、30 万円超は 3,450 円(税 込 3,726 円)/1 回です。 ●PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が 50 万円まで 450 円(税込 486 円)/1 回、100 万円まで 800 円(税込 864 円)/1 回、150 万円まで 1,000 円(税込 1,080 円)/1 回、150 万円超は 1,500 円(税込 1,620 円)/1 回 がかかります。 ●国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、 委託手数料はかかりません。 ●信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年 2.85% 優遇 年 2.28%、一般(無期限):通常 年 3.09% 優遇 年 2.90%、一般(1 日): 1 約定当たり売買代金 300 万円未満 年 2.80% 300 万円以上 年 0.0%〕、売り建玉の場合は

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貸株料〔制度:年 1.10%、一般(1 日):1 約定当たり売買代金 300 万円未満 年 2.00% 300 万円以上 年 0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。 【信用取引の委託保証金について】 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は 30 万円、 委託保証金率は 30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が 20%です。委託保証金の維 持率が 20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、 建玉を決済していただく必要があります。

(25)

商号等:楽天証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商

品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取

引協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業

協会

参照

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