金 鉄 甲(忠北大學校法科大學助教授)
1.はじめに 様な定義を下しているが,情報化社會に封する詳 しい考察は筆者の限界を越えることである。韓國 現代社會はいわゆる 情報化社會 (Inforrna一 の 情報化促進基本法 は 情報 を 自然人或 tion Society) 情報時代 (Information Age) は法人が特定の目的のため光又は電磁的な方式で
と言われており,自動化,電子民主主義,電子政 庭理した符號・文字・音響及び映像などで表現し 府と言う言葉もよく言われる。情報・通信技術の たあらゆる種類の資料若しくは知識 と定義し 獲達は革命それ自髄であり,全産業部門,全生活 (第2條第1號), 情報化 を 情報を生産・流通 領域に浸透して,時代攣革の主導的な役割を推當 或は活用し,社會各分野の活動を可能にするか又 している。情報化社會の波長は個人のみならず國 は数率化を圖ること と定義している(第2條第2 際社會においても経濟的・軍事的な優位を決める 號)。情報を見る観鮎として,代表的なものとし 國家の主要な要素と見なされ,情報技術の高度活 ては,情報理論的な観黒占,後期産業社會論的な観 用が先進國に向ける跳躍の踏み壼となっている。 黒占,政治経濟學的な観黒占を基げることができるが,
このような情報化社會の實現に掛ける期待が莫 これらの観黒占の綜合を通じて情報社會を次のよう 大であるにも關わらず我々はそれによる新しい問 に定義できる(韓國電算院,情報社會の概念定立 題黒占を獲見し,情報社會の具現よりもその問題の 及び1青報化推進方案に關する研究1996。8,pp.5一 解決黒占を探し出すのが重要であるのを悟るように 25参照)。
なった。 第一に情報社會は社會の外延的・内包的な振張 高度な先端情報技術の構築により各種の情報収 による複雑性と攣化による不確實性を克服するた 集・蓄積・使用が便利になって行政業務の迅速化, めの情報需要が急速に増加し,これにより情報の 能率化が企てられ,時間節減,資源節約の敷果が 生産と流通が幾何級数的に増加するため,これら あったが,情報の猫占化・偏重化と不適切な使用 を収容するための新しい媒燈や情報技術が目まぐ で個人の人権が侵害され,深刻な不利益を獲生さ るしく獲達・擾散する社會である。
せるなどの問題鮎が発生している。 第二に情報社會は情報財の高生産性と低費用性 本稿は 情報化社會 の實現過程で必然的に生 により社會的な慣値の総量が目立って増加し,そ じている個人の人権とプライバシー侵害の問題に ごで占める情報の債値や比重が相封的に大きくな 焦鮎を合わせてそれに封する法制的な封磨策を検 る社會である。このような愛化により産業及び就 討することを目的とする。 業構造上の攣化が伴うし,窮極的に情報が土地,
労働,資本と言う産業社會の三つの生産要素を追 朝 P.情報化社會の概念と機能 い抜く一番重要な生産要素として登場するように
なる。
1.情報化社會の概念 第三に情報社會はこのような全面的な愛化にも
かかわらず社會的な債値の生産や分配をめぐる社
情報化社會の概念に封しては多くの學者達が多 會的な關係の性格は基本的に大きく攣化しないし,
逆に社會システムの統合と外延的・内包的な擾張 で濁立した権利として主張された(S.D. Warren により償値の配分及び再配分をめぐる國家間・階 &L.D, Brandeis, The right to privacy 4.
層間の葛藤や競争はむしろ深化される社會である。 Harvard Law Review(1890), p.193)。ここで プライバシーの権利は 一人にしておいてもらう 2.情報化社會の機能 権利 (the right to be let alone)と定義され,
主に消極的な権利として理解されてきた。このよ 情報化社會 に封する見方には肯定的な側面 うな見解は最近積極的な概念に援大され,プライ と否定的な側面が内在している。前者は情報化社 バシー権は 自分に關する情報を統制する個人の 會が登場する背景の不可避性を強調し情報革命の 権利 として解繹され, 個人,集團若しくは機 時期を新しい跳躍の踏み壼にすべきであり情報化 關が自分に關する情報をいつ,どのようにして,
社會を成功させるためにはコンピュータ技術の持 どれぐらい他人に流通させるかを自ら決める権利 績的な獲展と共にコンピュータと通信技術の結合 と言う所まで把握されている。以上のような概念 を通じて情報通信網の構築が必須的であると見る は 一人になれる権利 と言う消極的な概念の役 ものであり,後者は情報化の肯定的な面を認定し 割より高度の情報社會が進んでいる現在の状況か ながらも機械文明の登達による人間疎外現象を克 ら見ると情報社會に適慮できるよう個人が情報の 服すべきであるのは勿論 情報化社會 への推進 流れをコントロール出来る権利を持つことにその 政策が國家の能率面に片寄りすぎる現象を止揚す 意義があると言えよう。
るべきであり情報の濁占や集中による個人の人権
とプライバシーをその侵害の脅威から保護しよう (2)韓國の憲法上のプライバシー権の位相 とする見解である。 韓國の憲法は1987年改正憲法で初めて 全國民
はプライベートの秘密と自由を侵害されない 皿.基本権としてのプライバシー権 (第17條)と言う規定を新設した。憲法上の プ
ライベートの秘密と自由 という表現にもかかわ 1.プライバシー権の憲法的な艦系 らず英語で表記するプライバシー権という表現が
より一般化している。それはプライバシー権が消
(1)プライバシー権の概念 極的に プライベートの平穏を侵害されずプライ 本来privacyと言う用語は 人の目を避ける ベートの秘密を勝手に公開されない権利からより を意味するラテン語のprivatueから由来した言 積極的に自分の情報を管理・コントロールできる 葉である。Webster僻典ではprivacyを1)プラ 権利を含む意味として理解されるべきである(韓 イベートに封して他人の目から離れている状態, 國の代表的な憲法學者である金哲沫(キムチョ
2)隙居する場所とか隙密な場所,3)他人から ルス)教授は韓國の憲法上のプライベートの秘 濁立して私的な秘密が保障された雰園氣,4)他 密と自由は消極的な権利として理解すべきである 人に知られるのを忌む個人的なこと,5)私的な と主張し,現在のような情報化社會で個人の尊嚴 即ち親戚のような親しい關係等を内包した言葉と を保障するためには自分の情報をコントロールで 定義している。 きる権利を必修的なものとして認めるべきである プライバシー保護,プライベート保護は從来刑 が,この情報に封する自己決定権は憲法第17條の 法上の名轡致損とか民法上の不法行爲責任の問題 プライベートの秘密と自由の規定ではなく,憲法 として理解されたが,憲法上のプライバシー権は 第10條の人間の尊嚴と債値・幸福追求権で保障さ 1890年アメリカのWarrenとBrandeisの論文 れているとして把握している(金哲沫,憲法學概
プライバシーの権利 (The right to privacy) 論,博英社,1999, pp.523−524)。