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理科教育における創造性の開発について

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

理科教育における創造性の開発について

著者 岡崎 良吉

雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要

巻 7

ページ 61‑68

発行年 1971‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/10105/6235

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理科教育における創造性の開発について

岡 崎 艮 吉

r理科教育数室)

 創造ということは,文化を進める根本であるが理科教育に拾いては.この問題は特に重要である。

現在教師.家庭でこれをどう考え,どのように進められているか,一度よく反省して.その対策 を立てる必腰がある。

1 学校教育の現状

 真の教育は知・情・意バランスのとれたものでなけれぱなら庄いが現実の教育は知育偏重で,記 憶が重視され,理解されるところまでいけば,まだよい方である。しかしこの程度までは創造力は出 てこない。しかし教師・生徒の多くは教科書を唯一のよりどころとして授業に向う。そうすれば考え る面倒さはないから安易である。緕果は教科書に記載された結論的な内容を記憶させる。そうしない と気がすまない。着し,考えさせることに重点をおくと進度が著しく拾くれる。教師は何だか責任が 果たせ左かっ走気に在る。一応話せば,解ら在くてもそれは生徒の頭が悪いのだと思う。しかし冷静 に根本に立ち帰って一体教育とは何かを考えねばならない。現在のよう凌試験制度では.理解力が早 く,殊に記憶力があれば成績がよく在る。或いは理解はしてなくても,解答できる問題もある。社 会に出れば,少しくらい理解速度が遅くても、強い意志と安定した情緒があって忍耐強く努力すれば,

大きい仕事ができる。学校や家庭でいう努力は,いやでも,よい成績をとるために辛抱してやれとい う努力で,これでは永続きしない。大きな仕事は楽しんでやる努力でなければならない。特に創造的 な仕事になると,他から強いられていやいやできるものでぱない。

 生徒の多くは楽しんで勉強する者は少い。大学生に理科が好きかと尋ねると,好きと答える者は一 割位しかない。もしも理科が好きに在ったら,自然と努力する,努力すると効果が挙るから拾もしろ

くなり,いっそう好きになる。現在学生の多ぐは教師の講義をノートにとる。試験の時には暗記する。

自分でしらぺ走久 自分で考える拾もしろさを矢口らない。多方面時には反対の角度から物を見た久 考えたりすることが不得手である。一つのことにこだわる、書物の結論は疑わ凌い,総てのことにつ いての結論は一つだと思う。実験装置を考えたり、作ったりする労を惜しむ,積極性がない,少しつ まづくと止めてし まう。

2 教師の責任

 (1)敏材の内容の研究不足

 例えば・てこについて①支点の回り.のモーメントが等しいときにつり合うこと②力を利用するのに 使うことは知っているが③力の伝達④幾何学的関係の利用(速度・変位の拡大・縮少)⑤秤に応用

したとき杵の感度の問題,定感量天稀数を数える秤、⑥滑車・輪軸・歯車との異同左どについては

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余り考えていない。

 これらのことは十分知っていて、始めて子どもに幅と深さのある教育ができるが少い内容で効果 を望むことは無理である。幅や深さのあることは,物を見る観点を豊かにし・創造力の基礎を育てる に役立つ。また内容が深いのは高慶であるのと同じであると考えるのは誤りである。例えば共振現象 を微分方程式を解いて説明しようとしても・これは低学年には無理である。しかし実験を通し・適当 な比喩を示して説明すれば理解させることができる。すなわち,深い内容も,どのようにしてわかり 易く説明するかが問題である。これができるためには,よほど内容を堀り下げて理解してい庄ければ 無理である。単に書物の上だけでなく,実験を通して自ら体験していれば,それが強い力になる。

(2〕創造力の不足

 発見発明の体験に乏しい。創造の必要性について抽象論としてはわかっていても.個々の具体事 象に遭遇し走場合には全く処置ができない。何も結論的凌処置.こうすれば必ず成功するというよう な案を出す必要はない。教育的にぱむしろそういう教え方は生徒を育てることにはならない。ただ次 々と1=うしてはどうか,ああしてはどうかと次から次へと案が出るようでないと生徒に研究を進めさ せることはできない。また子どもがすぱらしいアイデアを出しても,その価値がわからないから、取

り上げることができず、創造の芽を枯らしてしまう。

(3)学習指導に関し研究不足

 教材の知的内容を理.解きせることには相当に力を注いているものの.子どもに何をどのように考え させるかの点にっし(では十分な研究がなされてない。一般に,先生が学習の主導権を握り、一本のレ ールの上を引っぱって行こうとする傾向が強い。理科は自然から直接学ぶ学科であることを考えれば 拾のずと明瞭である。自然はその見方,考え方を決して一つに規定してはいない。教科書は一応の手 がかりであって.書いてあることだけ覚えさせれぱそれで良いというものでは決してない。これを手 がかりにして,すなわち,山に登る縄のように思って,常に目を自然に向け,新しいテーマを見出し,

それを解決していく能力をつけることが大切である。

 また原動力となる情緒・意志を養うにはどうすればよいかを研究して拾くことが肝要である。子ど もにまず自然に日を向けさせるには・どうすればよいか。目を向けた子どもにどうしで研究意欲をか き立てるかが重大な問題で、それが個々の具体的問題になれば、それぞれ具体的な対応が必腰である から抽象論でいうように簡単にはいかない。相当の時間と労力をかけて研究してい方ければならない。

(4)児童・生徒に対する評価が正しくない

 教師は一般に成績の良い子ども,それは主に記憶力の良い子ども,テストの成績のよい子どもを誉 め、大切にする。記憶力それも極く浅い研究に対する結論時には極めて疑わしい結論を基礎にした テストにも問題がある。杉野久雄博士の話に.もみを蒔い足とき,芽が先に出るか根が先に出るかと いう問題が出た。出題者は根が先に出るのを正答と考えたらしい。これを農業の先生に研究して貰っ たところ.水が深いと芽が先に出る。水が浅いと根が先に出る。どちらが先に出るかは条件による。

 *前大阪教育大教授

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従って理科ではどちらが先に出るかという結論を教えるので在く,どちらが先に出るかという問題に ついて何を研究したいか,どのようにして研究するかが大切であるというのである。二酸化炭素は下 方置換で集める。水上置換で集める方にOをつけたら.落第である。ところがこの程度の溶解度の

ものなら水上置換の方がむしろよいという意見がある。こういう○X式テストでは創造的天欄す ることも,育てることもできない。

 事実筆者が今まで直接授業を持ったり参観した時.鴬く程良いアィデァを出し走子どもは必ずしも 上級の成績の者ではなかっね

3 学習指導上の問題

 (1〕テ1発見の能力を誓うこと

 理科は科学的研究法を会得させることを一つの大きい柱としなければならない。知識は探求の過程 で必腰に迫られ自然に身につくもので,いやいや努力して暗記するものでは在い。そこでまずテーマ の選定が第一段階である。即ちテーマ発見の練習.テーマ発見の努力は創造能力の開発に欠くことは でき安い。しかしこれは大そうむつかしい。大学生でも大てい指導教官から指示して貰う。まして小 中学校てば、本人にとってみれば容易でない。しかしどんな事象も軽んじないでよく見る習慣をつけ ておけば容易に気付くようになる。それには教師もその態度・能力を持つ必腰がある。

 選んだテーマが悪いと、骨折損という結果になる。例えば振子の等時性について.いろいろ重さを 考え走り.長さを変えて実に根気強く結果を出したのを見たことがある。中学生の実験一であるから相 応の誤差が出るのは当然であるかそれを問題にし,董じめに考えて実験回数が膨大になったのと思

う枇さぞ骨が折れただろうと気の毒になった。結果はどこの教科書にも載っていることを確認した に止まり,何ら新しい発見はない6教科書から引き出した問題でなく,振動そのものの観察から問題 を探せば,別のものが出てくる確率が大きい。一人で何十人もの生徒に研究させねぱならないとする と,こういうテーマしか種がなくなるのは気の講に思うが与えられた生徒の方がな脚気の書だから,

別の対策を考える必要がある。

(21 テーマを分析する

 テーマについて.何が痛切な問題なのか何をしらべたいのか,テーマを分析して研究解決する目 的を明確にさせる。実験法だけを詳細に説明して、生徒は何のための実験をしているのかわから凌い。

実験書に書いてあるから,先生がせよと言ったからするというのでは困る。す庄わち,実験法そのも のよりも目的を明確にすることが大切であ孔

 教師は生徒が実験の目的をつかんでいるかどうかを確認した上でないと,実験にかからせてはなら ない。多くの教科書でこれこれの実馳これから・このようなことがわかるという順の記述が目につく。

これは実験の結果がわかっている者が言えることで,この書物だけに頼ると無目的実験になる。振子 は長さが等しければ、週期も等しいというが,振幅にはどう影響されるだろうか,空気の抵抗はどう か,水甲たつ走らどうか,逆にこれから抵抗をしらべる方法に応用できないかなどと目的・方向を明 らかにしていくことが予め研究されていると,生徒の研究に与えることのできるヒントが豊富になっ

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てくるし,生徒も実験に張りが出る。重たこういうやり方でトレーニングを繰り返えせぱ,追々生徒 も他律から自律へと転向できるようになる。

 ただ手放しで生徒の自由にさせても・それは既に研究し尽され,骨折ってしらぺても駄目とわかっ ている場合もあるから,絶えず生徒は先生に相談し,進めて良いか否かを指示して貰うよう努力せね ぱなら在い。

(31案験法を工夫させる

 明確になったテーマの解決のための実験法の工夫は,もっと重視しなければならない。これこそ,

創造性の開発の重要なポイントである。児童・生徒が持ち合わせの総ての知識・経験を総動員するこ とができるように指導する。集団思考の場をつくるのも一つの効果的な方法である。時に文献をしらぺ るのもよい。しかし筆者は或る程度自己の解決法を決定する までは容易に他にすがらない方が却っ て報われ注いで自由な新しい考えが浮かぶと考えている。行き詰っ足とき文献をしらべる。もしその しらぺた文献で,自身が思い付かなかった方法・知らなかった知識に遭遇すれば,いっそう感銘深く,

知識は完全に身につくし着想はその引き出し方について言葉には表現できない面で何物かを追加さ れ、次の別の問題の解決に役立つことが多い。考えることなし,先に文献をしらべ,何かに報われる

ことば。創造には禁物である。先生にたずねることは最後のことで,こんなことは永続きするもので はない。

 現実には容易に思いつかないと思うが,多くのヒントを小出しに出して,生徒が自身で考えるよう に努力する。その上でより完全な装置をり実験法を紹介する。

 (4)常識的な考えにだけに終始してはならない

 ある有名な画家で果物籠を見て,1これは果物を入れても良いが,頭にかぶって帽子にしてもよいと,

普通の日本の常識てば狂人と思われるが,それは間違いと決める理由にはならない。常識的な判断は 創造の火を消す。およそ常識とは・長い年月を経て何か存しにそう凌ったという習慣のよう凌もので,

国により時代によりいろいろ異る習慣が生れた。この中には都合のよいものもあるが,却って迷惑在 ものもある。科学上の真理もいろいろ段階があって,前に発見された法則が絶対的権威を持つと発展 は止ることになる。それは習慣の権威と同じである。教師は常に広い視野に立ち,時に常識を脱した 方向からも考えさせて見る習慣をつけなければならない。

(5〕小学校では遊びの中で上手に指導し,それが上級になっても,くずれないように続ける  小学校低学年てば何回かの授業で常に感じたことは,子どもは実に素直に物や現象を観察し,その 理由に対しでは大胆に仮説を立てる。それは経験が浅く.与えられた知識常識が乏しいためでもあ

る。これを児童は指導のし方によっては喜んで遊びの中で行う。それが束縛された状態では畏縮して

活動し左くなる。また次第に高学年に進むにつれ,はつらつとし走態度は次第に薄れて,短大の女子

学生あたりに凌ると・小学校の理科程度も本当にわかっていない上に全く無関心の者が多い。それは.

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伸びるはずの創造の芽を,結果的には全く無意味な詰めこみ教育で絶えずつみとっていくためである。

もしも、本当に創造力を養うに有効なら。現在の教材内容を半減しても意義がある。殊に小学校低学 年で,何をどれだけ教えなければ将来著しく支障を来たすというような教材は無い、例えぱかげ遊び では光の直進透明体・不透明体・半透明体,これらと光との相互作用でできるかげを敬っているが,

筆者はこのような光学の基礎は特に取り立てて教えなければならない内容とは思わ庄い。このような ことは中学にをって一言話せばすぐにわかる内容である。小学校でこれをかげで扱う在ら,それは,

光の基礎知識を教えるのでなく、仮にとれを材料にして科学的凌物の見方、考え方.創造力の養成を する定めで、まずぱかげ遊びを感激をもって遊ばせるように.家でも繰り返して遊び、その内容を発 展させるよう,これは強いられ走課題でなく.自分で遊びたいから遊ぶ,それも禁じられた遊びで注 く,大いに責められてよい遊びをするように 児童がかくれてでなく,大手を振って遊べる喜びを感 じさせるよう指導すれば.結果的には指導要項で要求している以上のものを無意識的に獲得させるこ とができる。このような目的の指導に対し,具体的方法は十分研究されて参ることが先決問題である。

 (6)知識・意志・センスの総合的発達を計るための対策を立てる

 創造は過去の体験・現在までの知識を自分の考えによって再結合することである。そのためには基 本的知識技術は十分身につけて拾く。更になるべく広い経験をさせておく。これには小学校から大学 まで,いろいろの段階に応じ絶えず努力して積み重ねるよ♪手がない。しかしこの努力を絶え間なく 能率的に押し進める原動力と在るものの第一は喜びの体験である。現状はどうか,これこれの基礎知 識は必要であるから,個人の能力に関係なく教える。結果は大部分の者は理科が嫌いになる。これを 小学校から大学まで続け,それでも残っ定理科の好き凌者が教育の拾蔭げては凌く,自身だけの努力 で創造活動をしている。これらの人は皆自身の努力だけで喜びの体験をしたのである。もし教育考が もっと喜びを味あわせる努力をしたら,意志を強める方策・失目識を個人の能力・欲求に合わせて豊富 に考えることのできる方策を考えたら、蓬かに多く創造性を開発できるに違いない。

 創造ということになると,センスがないと困る。知識は自分自身でどれ程獲得できたかは,拾よそ わかる。創造力は自分自身でも知識百ど明らか在形ではわからない。テストでも判定は極めてむつか

しく.そのためよくないとはわかりながら知識,その理解度のテストに偏する。結果がわからないか ら教師の方でも力を尽す方法が確立できない。しかし脳の一部の働きによることは聞違いないから,

その方面の繰り返しによって。能力を伸ばすことは可能である。記憶型か創造型かは生れつきである という説もあるがたとえ創造型にしても、その方面の努力をし左かっ走ら伸びない。それに記憶し 走ことは忘れていくことも多いが遺雌力の方は顕著に伸びをい反面一度獲得された思考傾向とし て,それが多くの場合に発現できる点で,積み重ねがきき,忘れるというようを現象が少く,年齢上 から言っても退化すること少く,去1jって上達するように思われる。ピアノのようなものは練習を怠る

と退化すると思うが絵画の方はそれほど退化し在い。前者は記憶型であり後看は創造型に分類でき るように思う。

 創造的な仕事には,このセンスを持ち、これを発現する基礎の知識を備え.なおその仕事を達成し ようとする強い意志がなけれぱをらない。

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 勿論このことば学習指導の分野だけで達成できるものではない。教科蕃その他からの影響もある。

何れにしても知識・意志・センスの教育は幼児期から総合的に行わねぱその効果は挙らない。

(ηよくいかない葵.験の扱い方

 教師は支障なく,すらすら進む実験だけを追う。よくいかない実験の原因を考えたり,改良してい く努力をさせ在い。悪いのは既存の器械が悪いためで致し方ないと考えさせる。

 (例1)オームの法則の実験では,正確な結果が出ないことが多い。

 (例2)エヤー・テーブルで斜衝突の実験を行い,記録装置で速度変化をしらべると,運動量保存 則はおよそ成立するが・力学的エネルギー不変則は完全には成立しをい。

 これらの場合2つの方向から考えねばならない。①少々の誤差は無視して大局をつかむことで,そ れを全く許さないでは,どんな法則も発見でない。中学生位になると熱心往生徒が却って実に細かい 理くつを言って反抗する。数学と理科とを混同する。理科てば近似計算をしたり,影響の少在い事項 は無視して進める必要がある。これば今までの教育が抽象論に走り過ぎ,細かい理くつだけに価値を 認め,大局を見る習慣をつけなかったためである。他方②細かい誤差も疎かにしないで,その理由を 考えることも大切で,これから更に進んだ法則を発見することができる。例えば,例1の誤差は低抗 体の発熱による。この電流によって低抗線が発熱するため,オームの法則が検証でき左い。発熱は低 抗変化の原因になることは別の法具I」を発見するヒントに在る。また例2は滑動体の回転運動記録片 添加による滑動体内部の分子振動の影響によると考えてはどうか。

 このように具体的な実験てば往々複雑な要素が混って条件が変わるから,単一法則で律し得在く在 るが,そこに却って創造力養成の機会が得られるので,これを安易に見逃さない注意が肝要である。

 (8)些細な二とでも, 自身て=体験させる

 テーマ解決のためには,基礎釣な知識が必要である。しかし書物で読んだだけで得た知識をフルに 応用することば大そう困難で,自分で体験したことだけが案外些細なことでも幾倍にも役立つ。筆者 は嘗て電磁石の前で,小さい鏡をつけたゴム磁石を振動させ,電磁オシロができることを知っ烏後 にP.S.S.C.のタイマーに応用し,電磁石の極の近くで記録片を付けたゴム磁石を支持して,これ を振動させ、交流のサイクルに合った波形を記録させる方法を考え特許をとっ烏更にこれを発展し Ai r ta b1e 面上での曲線運動も記録できるタイマーを考え特許をとっ烏これは電磁石の代り に交奮磁界をつくるコイルをAir tabユeの空洞内に設け,これに交流を流す、電磁石の極の近く で動くゴム磁石は・別にこれから切り離して滑動体につけ,これをコイルの作る交番磁界に共振させ ることによって達成できた。次には必ずしもAi r tabユθに限る要なく,力学舎章とその滑動台,

Li nθar A i r t ra ok とその記録台にも使用して,従来非常に困難であった実験が可能になっ た。また人工衛星モデル実験(ケプラーの法則)については別稿に記述したと拾りである。このよう に一つの発明は案外簡単をアイデアから発展し,それが次の発明の基になる。あたかも雪だるまが小 さ在種から次第に大きくなるよう左ものである。

 言だこのように些細在体験を続けて吟味して拾れば,自然と新しいテーマが湧いて来て,特にテー

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マの発見で苦しむことは凌くなる。恐らくただ書物だけを読んで,実験を全く行わ長かったら,発展 するテーマを発見することはでき在い。

4 教科書の問題

 創造力の養成を主体とする場合には、教科書は特に重要である。

 (1〕現行のものは,定また結論と、これに至る理論とが記されている。しかし,どう考えるか,科 学の方法については余り配慮されていない。生徒は実験しなくても結果はわかっている。ナフィール ト.で教科書は使わないで実験書にしているのは.この欠点を除くためである。やはりわが国でも現行 のような教科書で凌く,例えば電池と豆電球植物の葉のはたらき,落下運動といった題目でどのよ うなことが問題になるか,それはどうしてしらぺるかというたことから出発した研究実験指導書の方 がよい。それに教師がベテランでなくても.それを使えば上手に指導できるものでないと困る。

 ω 創造には基礎的知識が必要なのは言うまでもない。しかし具体的にをると容易に決められない。

あれも必要これも必要と,どうしても多くなる。専門家で十分検討して記載した副教科書式のものが 欲しい。現行のような貢数に極度の制限があって、概論の要約のよう凌ものでは,第一興味が湧かな いことが欠点で.こういうものから創造力は生まれない。ま先このような教科書は教師か布延して説 明を加え左いとわかりにくへその定め時間に不足を来走し必要な実験や考えさせる時間を肖口るこ とに在って,教育の本筋から外れる。以上のことから副読本は次の条件を備えたものが欲しい。

 ①読んで釦もしろいこと・子どもなら遊びの科学でよい。

 ② 知よその.年齢的段階の児童・生徒を中心とし,極く平易なことから高慶のことまで,書走さ   まざまな科学技術の基礎と在る内容を十分に取り入札それがどの程度の相手にもわかり易く説   明をされていること。

 ③科学の大勢がわかること。

 ④なるべく浸ら,多くの未解決の問題が指摘されていること。

 ⑬)④については・主に高校のものについて在ら可能であるが小甲では無理であ瓦しかしあまり 慎重になると,どうしても無味なものになる。何程か夢がないと困る。場合によっては,科学史的に,

いろいろの問題がどうして起ったか,それがどのようにして解決されたかを記録してもよい。

 ⑤ 但し百科辞典のようになっては困る。題材は思い切って制限をする。

5 家庭環境の問題

 親は子どもの成績の良し悪しを一番気にする。入試にパスさせるのが日的である。ところが、全科 目に力を入れないと入試には不利である。教育本来の個性を仲はすことは余り考え庄い。社会に出た ときはむしろ一芸に秀でた者が成功する。玩具に夢中に漬る子どもに.やめて勉強しなさいと叱るよ うでは困る。どんな方面でも凝ク性でないと成功しない。何かに凝ることのできる子どもは幸せであ

る。

 子どもが自由に全く自分の世界でやりたいことをやる。作りたい物を作れる時間は学校では左く家 庭である。むしろこれこそ家庭で大いにやらせることで・将来の創造活動をする能力・態度を養う実

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に貴重在時間である。反対にこの時間を奪うことは最も大切な創造の能力を奪うことになる。

 教師は宿題には計算のようなものは少くし,研究実験;研究製作的なものを課するようにする。特 に小学校ではこれが必擾で・子どもは時間に制限なく仲ぴ伸びと,楽しみ乍ら,研究または製作でき る。これば少くも無味が計算よりぱましである。

 例)中学高校ならマイクロ・バランヌを作らせ,それでいろいろな量を測ってくるように指示する。

例えば毛髪の単位長の重さを測らせる。事前にてこ・秤の感度について考えさせ在がら,作り方を徹 底的に指導する。オリーブ油の単原子屑の厚さを測らせるのもよい。方法原理は学習時考えさせ乍ら 指導する。相当骨が折れるが,苦痛を与えっぱ左しでなく・成功した時の喜びを味あわせる。

 小学校てば家庭で作らせたり,それでしらぺさせる題材は何程でもある。創造の態度の養成は幼児

期が老いせつであるから,これは極めてたいせつである。

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