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座一清座一清

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(1)

− 8 9 −

︵a︶企業成立の社会的基盤の比較

アメリカでは︑大体︑一九世紀の中頃から大多数の州において︑株式会社の設立が特許主義から準則主義へ移行し l目 次 一︑はしがき 二︑部落と企業l企業成立の部落協同体的基盤 三︑宇部式匿名組合の形成と︑その構造 四︑家族と企業l企業生活関係の家族的擬制 五︑宇部式匿名組合の資本的発展 六︑戦後の盛況 七︑宇部式匿名組合の消滅と︑株式会社への移行 八︑宇部式匿名組合と︑内外諸法制との比較的考察

一︑わが民法上︑商法上の諸制度との比較的考察

二︑外国法上の諸制度との比較的考察 宇部式匿名組合の研究

l炭鉱業における家長制的企業の資本的発展と消滅I

側中国における合股制度との比較的考察

㈲英米における諸制度との比較的考察

①イギリス法におけるコスト・ブック鉱山会社

②アメリカ法におけるビジネス・トラスト

︵以上前稿︶︵以下本稿︶

九︑宇部式匿名組合の意義と︑その機能 一○︑むすぴ

︵一ハ・一元︶

座一清

(2)

− 9 0 −

一般会社法に準拠して株式会社を設立する場合には︑州当局からの煩わしい規制が加えられ︑設立の際の州の同意

︵6︶

登録︑州に対する報告などが必要とされた︒そして︑膨大な報告書の作成を要する各州の審査的立法や臨問権のため

︵7︶

に︑会社の自由な経営は強く阻害されたのである︒さらに︑裁判所による会社制定法の適用においても︑裁判所は法

の規定を制限的に解釈し︑会社の一般的な権能を制限した︒そこで︑能力外理論の厳格な適用による不利を免れなか

︵Q︾︶

ったし︑また裁判所は︑会社制定法上の種々な制度や︑株主の権利についてさえも否定する傾向をもったのである︒

アメリカ憲法︵第二編第四章第二条︶の州際市民権条項における市民には︑法人を含まないとの解釈がとられ︑ある

州において法人格を取得した法人が他州において営業所をおく場合には︑その州の定める外国会社としての要件に従

︵Q︾︶

わなければならなかったから︑数州にわたって会社企業を営なむ場合には︑不利︑不便を免れなかった︒ところが︑

︵君4︶

た︒ところが︑一般会社法が制定され︑これに準拠して会社の設立がなされるようになっても︑マサチューセッツ州 の法律では︑株式会社が不動産を所有し取引することを禁じていたから︑この業種を株式会社に代るべき方法で行な うために︑信託法理を用いてビジネス・トラストが工夫されたことは前述した通りである︒しかし︑問題は一般会社 法で︑たんに特定業種の会社が設立できないという制限にとどまらなかった点に注意されなければならない︒すなわ ち︑一般会社法において︑会社の活動の大きさ︑範囲に対する制限もあり︑授権資本額に対する制限が長く一般的に

︵2︶

行なわれ︑このために︑会社の行なう営業の種類の変更さえ︑しばしば行なわれたといわれる︒このことは︑ひとり

︵3︶

マサチューセッツ州のみにとどまらず各州の一般会社法の趨勢であり︑株式会社制度に対する疑惑と恐怖︑さらには

︵4︶

敵意に由来するものであった︒そこで︑州の制定法の株式会社に対する態度は厳しく︑企業経済の発展に適合しない

ものとなっていた︒その上︑さらにアメリカ国民大衆の側においても︑株式会社に対する偏見があり︑陪審を伴なう

︵5︶

アメリカの法廷において︑この傾向が強かったから︑企業者として株式会社制度に対する不便︑不安の念を禁じえな

かつたのである︒

(3)

− 9 1 −

この場合︑ビジネス・トラストによれば︑一切︑会社制定法の規制をうけないのであるから︑設立に際しても︑また︑

設立後においても︑さらに数州にわたって企業を営なむ場合においても︑きわめて自由︑便利であった︒このような

事情こそ︑早くも一九世紀後半から二○世紀初頭にかけて︑ビジネス・トラストがただに不動産営業に限らず︑いか

なる業種にも亙って一般的共同企業遂行のために採用された理由と考えられる︒

しかし︑上述した州制定法の態度は︑大体︑一九世紀の末頃から緩和の傾向を示し︑会社の合法的な活動を容易な

︵︑︶

らしめ︑かつ︑不合理な責任を排除して︑自由と合理化をはかる近代的立法の道を歩み始めた︒二○世紀に入って︑

一九二八年には統一州法全国会議が開かれて統一事業会社法が発表され︑その後︑これを採用し︑また新しい会社法

︵u︶

を制定する州を生じた︒さらに一九四六年には︑模範事業会社法が発表され︑これを採用する州も増加した︒このよ

うに︑従来︑準則主義の機能を妨げていた立法が改められて行ったけれども︑株式会社として︑株主︑債権者を保護

するため︑会社経営に関する年次報告書の提出︑その他︑最低限度での公的規制は必要であったし︑また︑株券の発

行につき︑一般投資者を保護するため︑これを規制する立法が新しく必要となった︒州制定法である青空法︵里匡①のご

︵⑫︶

F色笥︶が一九一○年代から出現し始め︑さらに連邦法として一九三三年の証券法および一九三四年の証券取引所法も

制定され︑この面から株式会社に対する法的規制は免れないものとなったのである︒従って︑上述の点に関する限り︑

なおビジネス・トラストは︑自由︑便利であった︒また︑ビジネス・トラストは︑元来︑信託法理の応用であるから︑

企業の経営者の地位は︑株式会社の取締役のそれに比して強固で安定しており︑その上︑後述するように︑判例の大

多数において採用されたマサチューセッツ法則は︑いよいよ︑このことを促進する結果となったから︑企業の経営者

としては︑ビジネス・トラストは︑大きな魅力をもつものであった︒

さらに︑今一つの理由は︑ビジネス・トラストが株式会社に比してもつ課税上の利点であった︒二○世紀に入り︑

州の会社制定法の近代化の動向にも拘わらず︑ビジネス・トラストを存続せしめ︑これをさらに飛躍的に増加︑普及

(4)

− 9 2 −

せしめた最大の原因は︑この点に求められる︒とくに︑一九一七年にアメリカが第一次世界大戦に参戦し︑その戦費

調達のため会社に課した法人所得税︵旨8日①冨濃︶資本株式税︵8凰巨の8鼻冨x︶.超過利潤税︵①〆8のの實○雲の

冨〆︶などは︑著るしい重税となった︒従って︑これをさけるためにビジネス・トラストの有用性が説かれたのであ

︵昭︶

り︑一次大戦後にビジネス・トラストの盛況を現出した︑もっとも大きな原因は︑この点に求められる︒もちろん︑

税金をはじめとする費用負担の面で︑ビジネス・トラストが株式会社に比して有利であったことは︑この時期以前に

おいても一貫して変らない特色であった︒すなわち︑会社であれば設立に際して州が課する設立税︵津四目o冨の①菌×ゞ

言①目の①冨〆︶を要するし︑他州に営業所をおく会社の場合には︑その州ごとに右の税負担を要するが︑ビジネス・

︵必︶

トラストであれば︑以上の一切が不要であった︒

︵妬︶

ある古い判例では︑つぎのようにのべられた︒﹁この種の信託には︑財産に対する普通の税金のほか︑なんらの課

税もない︒財産に対しては︑他の信託の財産と同様に受託者に課税される︒受益者は財産に対して衡平法上の権利を

もつのみで︑この権利には課税されない︒﹂従って︑会社の場合︑株券の発行に際して会社に対して課せられる間接

消費税︵①×aの①国x︶をも考え加えれば︑ビジネス・トラストのもつ課税上の利点は︑きわめて大きく︑決定的であつ

︵お︶

たといえる︒およそ︑営利企業と︑税法ないし課税処置との関係が︑きわめて大きいことは︑すでに宇部式組合の場

合にも示されているが︑アメリカにおけるビジネス・トラストの発展においても︑このことが明らかに看取される︒

前述したように︑会社に対する煩わしい州制定法の規制をさける点では︑アメリカ国民の国家権力からの自由を求め

創意にとむ積極性が︑また︑会社ならびに株主の租税負担をさける点では︑実利を重んじる功利性があったことを看

過しえない︒そして宇部式組合を発展させた宇部市の市民性の中にも︑上述の両者がlその程度の差はあれl存

在した点で共通すると考えられる︒しかし︑わが国の場合には︑アメリカにおけるごとき︑株式会社制度自体に対し

て︑恐怖︑敵意の念や︑準則主義の会社法における厳しい制限は存在しなかったから︑右の社会条件では宇部式組合

(5)

− 9 3 −

は異なっている︒

以上がアメリカにおいて︑ビジネス・トラストを成立せしめ︑また︑存続︑発展せしめた社会的基盤をなすもので

ある︒しかし︑ビジネス・トラストが実質的に共同企業であり︑株式会社と同様な目的と機能を果すものであると考

えられる以上︑株式会社において株主︑会社債権者保護のために要求される限りでの法的規制︑その証券発行につい

て取得者保護のために要求される法的規制は︑ビジネス・トラストにおいても必要とされざるをえない︒なお︑税法

上の問題については︑国家の租税政策上の問題であるとしても︑国家権力の立場からして︑株式会社とビジネス・ト

ラストとの間に著るしい不公平を認め︑ビジネス・トラストがただ脱税の手段として用いられることを承認し続ける

ことはできないであろう︒従って︑各州において広くビジネス・トラストの形態が行なわれるようになり︑その重要

性が高まるにつれて︑判例︑立法のビジネス・トラストに対する態度は︑さまざまな適応の仕方を示した︒しかし︑

いずれの場合にも︑ビジネス・トラストに対して株式会社と同様な制定法上の規制を及ぼす方向へ進んだのである︒

そこで︑制定法上の規制を︑第一に商法的規制︑第二に税法上の規制︑第三に証券法上の規制に分けて考察して行く

こととする︒そして︑商法上の見地から︑もっとも問題となるビジネス・トラストの受益者ならびに受託者のトラス

トの債権者に対する責任について示された判例の態度については︑つぎの法的構造論のところでのべることとする︒

早くも一九○九年においてマサチューセッツ州の立法は︑ビジネス・トラストに信託証書の写しを株式会社委員会

︵︶

およびビジネス・トラストの平常の営業場所である町の書記に提出することを要する規定をしたといわれるが︑他の

︵肥︶

州では︑判例において解釈により手数料の支払︑報告書の提出などに州の会社法の規制を及ぼした例︵たとえば︑ミ

シガン州の判例では︑法文上の株式会社とは︑個人または組合によって享有されない株式会社の権限ないし特権をも

︵鯛︶

つすべての団体を含むものと解し︑ビジネス・トラストに対して年次報告書の提出を要するとした︶もみられた︒し

︵加︶︵副︶

かし︑制定法上︑ビジネス・トラストの合法性を明認し︑これに対する法的規制を明規するものが多数となってきた︒

(6)

− 9 4 −

すでに早くからオクラホマ州の制定法では︑ビジネス・トラストの受益者︑受託者とも人的責任の免責と︑債権者が

信託財産のみにかかることを考慮して配当の形で資本をとりくずさないことを規定していたことは︑大いに注目さ

︵配︶

れる︒近時の各州の制定法の内容を概観すると︑信託宣言ないし信託証書︵以下︑たんに信託証書と称する︶の写し

︵︶

の州務長官に対する提出またはその登録︑その際の手数料の支払︑年次報告書の提出などでは︑すべて共通してい

る︒しかし︑その規制は︑ただ企業の設立︑企業会計の公開のみにとどまるものでなく︑証券の発行︑受益者の責任

の排除︑企業名称の使用︑トラストの訴訟など多岐に亙っている︒もっとも詳細な規定をもつ例は︑ウィスコンシン

州の制定法である︒すなわち︑年次報告書には受託者各自の住所︑氏名︑資産︑負債の性質とその金額︑.⁝・・収入と

支出︑⁝⁝資産の代価のため現金︑財産︑役務で実際に支払われた金額︑前年度中に行なった営業の性質︑営業を行

なっている州の名称︑ウィスコンシン州︑またはそれ以外で売られた受益証券の金額および数量︑・・・⁝前暦年度の損

益の金額に関する記載が必要とされ︑また︑株式︑社債の発行について株式会社に課されると同じ制限がビジネス・

︵鯉︶

トラストに課されるなどの規定を含んでいる︒また︑ワシントン州の制定法では︑ビジネス・トラストに対して同州

︵お︶

の株式会社法をきわめて広範に準用していることが注目される︒

つぎに税法上の規制は︑連邦税法と州税法に分れる︒連邦税法によるビジネス・トラストに対する課税は︑判例法 ︵妬︶︵︶︵犯︶ で︑その法文上の用語解釈の問題として争われた︒はじめ連邦最高裁は︑一九二年の判決︑一九一九年の判決にお

いては︑それぞれ判断の理由を異にしながらも︑ビジネス・トラストは法文上の株式会社または株式社団に当らない

︵︶

として︑その課税を否定した︒しかし︑一九一三年の判決︵一九一六年および一九一八年の連邦内国歳入法による特

別間接消費税事件︶では︑ビジネス・トラストの受託者が企業遂行のため︑株式会社の取締役とまったく同様な方法

で共同するものであり︑ビジネス・トラストが実質的に共同企業としての活動性をもつことをもって︑法文上の団体

︵四の印osgさ目︶に当るとして︑その課税を肯定した︒この判決はビジネス・トラストの私法上の法的性質論において

(7)

− 9 5 −

後述するように︑もっとも問題となる点︑すなわち︑受益者に留保される企業に対する支配権の態様にはなんらふれ

ることなく︑ただビジネス・トラストのもつ実際上の機能ないし活動に着眼したものであって︑機能テストないし活

動性テスト︵呂胃禺旨国扇騨○吋餌g﹄弓目①の蔚降︶とよばれる立場であった︒そして︑一九三五年の連邦最高裁判決

︵釦︶ ︵一九一六年および一九一八年の連邦内国歳入法による法人所得税事件︶でも︑この立場が示された︒それが営業

含巨の宮①のの8口︒①Hロ︶であれば︑受託者または受益者︑もしくはその両者により営利事業として機能しているので

︵弧︶

あれば︑ビジネス・トラストに課税するというのであり︑受益者の企業に対する支配権の有無︑範囲にかかわりなく

︵犯︶

そこに出資共同と利益参加があればよいとする立場である︒これは実質課税を期する税法上の解釈論であった︒

一九三九年の内国歳入法では︑同法の授権で︑株式会社と同様に課税する団体の定義を財務部の制定する財務規則

に委ねた︒同規則では︑株式会社と同様な方法および形式をもって営業するために共同するビジネス・トラストを団

︵調︶

体として課税することを明らかにし︑以後の判例も繰返してこれを肯定した︒従って︑連邦税法上の課税に関する限

り︑ビジネス・トラストの利点は消滅したのである︒しかし︑右の課税の関係からのみビジネス・トラストの盛衰を

見るならば︑ビジネス・トラストに対する課税を始めて肯定した前記一九二三年の連邦最高裁の判決の影響は決定的

に大きかったものと思われる︒けだし︑アメリカにおけるビジネス・トラストの盛況は︑一九二五年を境に下降に向

なお︑各州の税法によるビジネス・トラストに対する課税は︑ビジネス・トラストを規制する一般の制定法自体で

︵弱︶

課税上の扱いを規定する場合と︑税法の規定による場合とがある︒判例法の態度は︑つまびらかでないが︑連邦税法

において連邦最高裁のとったそれにならってはいないようである︒州の制定法としては︑ビジネス・トラストを規制

する法律の中で︑ビジネス・トラストが︑まったく株式会社と同様な課税をうけることを規定するのも︑少数ながら ︵調︶︵訂︶︵犯︶︵調︶ ある︒あるいは︑とくに所得税︑間接消費税ないし受益証券の発行︑販売のみの課税を規定するのもあって︑一様で

︵弘︶

ったからである︒

(8)

− 9 6 −

ビジネス・トラストの受益証券発行上の規制は︑連邦法によるものと︑州法によるものとに分れるが︑そこでは︑

いち早く規制の始まった州の制定法l青空法において︑まず︑判例法の態度に示された︒すなわち︑裁判所の法文

上の用語の解釈による規制であった︒けだし︑青空法の多くは︑ビジネス・トラストが一般的に用いられる以前に制

︵︶

定されており︑法文の用語上にビジネス・トラストが示されていなかった点で︑前述した連邦税法における場合と同

︵︶

様な事情にあったからである︒これに関する多くの判例を概観すると︑ごく一部に︑始めの頃には反対の判例もなく

︵︶

はないが︑ビジネス・トラストは︑その法文上の﹁団体﹂を始めとし︑﹁株式会社﹂︑﹁会社﹂︵8日宮口己または﹁投

資会社﹂︵言弓①騨日①貝8日冨星︶に入ると解し︑さらに︑ビジネス・トラストの発行する証券が法文上の﹁株式﹂

︵︶

に当ると解するなど︑制定法上の文字を超え︑かなり自由な解釈をとることによって︑各州の裁判所は︑一様にピジ

︵︶

ネス・トラストを青空法の適用の下におくことが支配的であった︒従って︑あらゆる種類の不健全な証券の発行と︑

その流通を防止し︑一般投資者を保護しようとする判例法の︑きわめて強い態度が貫ぬかれており︑ビジネス・トラ

︵鯛︶

ストの受益証券は決して見逃されなかったのである︒鉱業に関するビジネス・トラストの判例で︑土地が受託者に譲

渡され︑受託者がその土地の鉱物︑石油︑ガスの計算にあずかる権利︑すなわち︑受益権の証券が発行され︑この証

券が投機証券として売買された場合には青空法の規制が及び︑これに基づく登録がない以上︑取引は無効とされ︑刑

事責任さえ問われたことは注目される︒

なお︑ビジネス・トラストを認める制定法は︑その制定法自体の中で受益証券に関して青空法の適用をうけること

︵卵︶︵副︶

を規定しているものが少なくない︒かつ︑現在︑多数の州で採用されている統一証券法︵ご昌昏別冒静o匡門三①のシg︶

では︑その法文中にビジネス・トラストの受益証券の売却が含まれると規定している︒さらに連邦証券法においても

︵釦︶

ない状態である︒しかし︑ビジネス・トラストの設立に際して課される手続が州の課税の便となっていることは否定 できない︒

(9)

− 9 7 −

その法文中に﹁信託﹂と規定しているが︑この用語がビジネス・トラストを意味し︑ふつうの非商業的信託を意味し

ないことは︑﹁本章における信託の用語には︑受益者の権利が証券によって証される信託のみを含む﹂と説明されて ︵記︶︵記︶ おり︑疑いのないところとされている︒

以上︑考察してきたように︑判例︑制定法のビジネス・トラストに対する態度は︑制定法による商法的規制︑税法

上の規制︑証券法上の規制と︑いずれの部門においても︑ビジネス・トラストを株式会社と同様に扱う傾向を強めて

きているといえる︒これら三部門のうち︑ビジネス・トラストの受益証券の発行に関する規制は︑もっとも強く︑か

つ︑一般的で︑この点に関する限りでは︑ビジネス・トラストの利点は︑まったく失なわれたと見ることができる︒

そして︑ビジネス・トラストの税法上の規制のうち︑連邦税法では株式会社と異ならない課税をされるに至り︑ビジ

ネス・トラストの利点は失なわれ︑このことがビジネス・トラストの盛況を衰退へ転じる最大の要因となった︒しか

し︑州の税法については︑各州によって異なる税制をそれぞれ詳しく検討する資料を得ない現在︑その事情をつまび

らかにしえないが︑全体的にみて︑なお︑ビジネス・トラストの課税上の利点は失なわれていないように思われる︒

また︑ビジネス・トラストに対する州制定法による商法的規制も︑全体的にみて︑なお︑株式会社と同様な規制を及

ぼすまでに至っていない︒以上の二点に関する限り︑ビジネス・トラストは株式会社に比して︑なお︑自由︑便利な

制度であることを持続しており︑従って︑依然としてビジネス・トラストは残存している︒アメリカにおけるビジネ

ス・トラストに関する判例を概観するとき︑一九四○年代︑五○年代︑六○年代においても︑判例が続いて見出され

その数も稀少とはいえない︒もちろん︑往時のごとき重要な地位はなく衰退過程にあるとはいえ︑すでに一世紀に近

い長い歴史をもっている︒慣習的共同企業であるビジネス・トラストでは︑これを支える社会的基盤は︑狭められつ

つも残存し︑この限り今後においてもビジネス・トラストは残存するに違いない︒そして上述のごとく︑二部門中の

残されたところについて︑すべて株式会社と同様な規制をうけるに至ったとしても︑なお︑ビジネス・トラストのも

(10)

− 9 8 −

っ利点l企業経営権の強大と経営者の地位の安定lの存在する以上︑完全な消滅には至らないのではなかろう

か︒けだし︑いわゆる所有と経営の分離が行なわれ︑経営者支配が確立するのは︑株式の分散が著るしい大規模な高

度株式会社のみに限られるのに対して︑ビジネス・トラストの形態によれば︑規模の大小を問わず︑これが法的に保

障されるからである︒今後におけるビジネス・トラストの特色は︑﹁場合︑場合に応じる支配と経営の︑より大きな

︵︶ 連続性と柔軟性﹂にほかならない︒

アメリカのビジネス・トラストを︑わが国の宇部式組合と比較すれば︑つぎの点が指摘される︒すなわち︑宇部式

組合の場合には︑制定法による商法的規制は︑終始︑問題とならなかった︒これは宇部式組合が︑宇部市ならびにそ

の周辺という︑限られた一地方でのみ行なわれた地方の慣習法的規制に一切依存したからである︒しかし︑証券法上

の規制については︑戦後︑いったん問題にされたけれども︑規制を免れた︒従って︑失なわれたのは税法上の利点の

みであり︑他の二部門では︑なお︑株式会社と比較して︑簡便︑有利な制度であったのである︒国税当局I国家権力

からの強力な干渉︑指導が加わったにせよ︑税法上の利点喪失のみで︑わが国の宇部式組合は︑何故に一挙に消滅し

たであろうか︒宇部式組合においてそれはアメリカ市民社会に発生したビジネス・トラストのもたない企業成立の社

会的基盤I部落協同体的規制による頭取の絶対責任と︑これに対する組合員︵蔭歩︶の無責任の保障lが失なわ

れたことによることは︑すでに指摘した通りである︒これに対して︑ビジネス・トラストの場合には︑受益者の無責

任と︑さらに加えるに受託者の無責任とが︑法律上の裏づけをもって︑現在まで変りなく貫ぬかれていることは︑つ

ぎにのべる通りである︒

︵1︶国①己の鮮冨8易.目言冨◎号目ooso3感︒自陣勺昼ぐ画蔚甸託呂閂ご︾9.岳?﹈雪.京都大学商法研究会編﹁英米会社法研 注

究﹂一五五頁︑一五八頁︒

︵2︶司帝意寄①夢opo詳・・かいbpm1己一己︒Qgの厨庁巨8吋昌己①ぐ座︒冒邑①国威旨国巨里冒のmの○.吋己○吋鼻ざ目F画尋︾扇の①当のいゆ

(11)

− 9 9 −

雪国胃ぐ.F・詞①ぐ.篭.︵以下︑たんに己ag津具呉︒ご己①ぐ里8日①口威と略称︶︒

︵3︶句﹈go奇①閉.opo岸.︾嘩蝉回脚己吾埼碕三旨哩oPopo溥.︾巴昌昌①.F﹈.望四斗口座言︒具の匡頤茸倖甸o葛閂○○.ぐ.

﹄○吋・四国︾﹄①①○四﹄.塔︑の画画四四℃.﹃﹄P﹃﹄い︑

︵4︶勺︒尋⑦崖︾8.o群・ゞ画三宮目.F・閉①ぐ.色騨南北戦争後における株式会社に対する敵意は︑当時︑株式会社の制度が社会を

害する手段に︑その楯として用いられ︑株式会社の特権が濫用されたことから生じたと説く︒

︵5︶海原﹁ビジネストラストの法的地位﹂信託復刊五九号六頁︒

︵6︶因旨弄の.opo言︾己己乙謁1毛餌

︵7︶海原﹁ビジネストラストの法的地位﹂信託復刊五九号六頁︒zo扇ゞ遷冨甘言F罰のぐ.弓認.

︵8︶東京大学商法研究会編﹁ウィスコンシン州事業会社法﹂三頁︒

︵9︶国︒鴨晨8.︒宴︾唖電膜ロ署③一勺︒尋①厚8.o罫︑画冨旨ロ.F詞①ぐ.色騨室四一Ca9口眉目画砕弔39言の言夢①

F画尋呉諺協︒︒冨蝕opPお国胃ぐ.F・詞のぐ.@のPご毒狩屋の︾opo岸・︾缶言言写F・のぐ.鴎今混口の①①zg①.造園胃q︑

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1817

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1615

ー…

F・詞のぐ.︑のgの①ロ

己oQg聾鼻屋8尉昌己①ぐ堅○冒旨①昌厨・mo函色崗ぐ.F︐詞①ぐ.画司里ののP

司房芹○青①験○℃.○岸・︾嘩画.﹄.壱壱.﹄︒﹄四・

口oQg澤鼻昌目望己①ご巴○℃目の昌凹雪国目ぐ.F・罰①ぐ.9坪開四目F画言の乞巨迄p﹄謡.

宅○君の崖・opo芹・ゞい︼屋pPF・罰①ぐ.一つ嵯曾ののP﹀乙霊﹄ぬ屋酔opo笄・︾﹄四二国︒言画いいI四四余

弓言冒冨︒p︼8.o岸・︾己ロ認さ−屯︒言①崖ゞ8.o湾.︾画冨宮口.F・詞①ぐ.全宇全騨従って︑ビジネス・トラストの実収

と受益者に分配される実収とは︑株式会社に比してきわめて有利となる︒

両匡gぐ.蜀愚の日四目︾画いつ己.の.弓璽望の.○芹・の⑤つ︵乞旨︶・

弓言日言o口々8.o岸・︾p鵠一三吋億三旨嗅o口々8.の岸.︑匿昌巴①F・﹈.筐醇税金が理由でボストンの工業を営なむ二

大株式会社がビジネス・トラストに組織を変えたといわれる︒なお︑ビジネス・トラストの受益証券の譲渡については︑株

式讓渡と同様に譲渡税を課税することが多くの判例で認められていたといわれる︒

zgp勗③諺.F︐罰.弓の一の①①F画3.回ぐ.の己ぐ①の扇﹃・い︑画冨回腸.函留・勗切z・因.心心︵ご謡︶・

ZのQ①四屋弓.ご昌蔚・冠①茸o后屋目々画望言旨戸③葛や画函画z︐二戸四.画︵乞いe︸zo扇・﹄認諺.F︐.届?﹈望.

(12)

‑ 1 0 0 ‑

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262524

…ー…

︵羽︶ ︵躯︶

21

20

19

冨旨言い四回目吋巨騨○︒︑ぐ.園①閉ロ︒辰彦凰冒①託.画認言旨冒mmPい一つz・三景③︵ご雷︶一国◎ぬ①算︾opo罫︾亜画温.℃ロ

ョ雫切弓一の①①国◎ョ①F匡口言曾○︒︑ぐ.因︒ご置昌の︾﹈S〆四国.ぷいこつ詞③三食霜e︸の自己の風︒吋○達の望ps8扇ぐ.

国四口&①夢の①○吋.匡伊乞切詞忌の︵ご巴︶.

なお︑ミシガン州の制定法は近時改正され︑右の判例法の立場を明規した︒すなわち︑﹁株式会社なる語は︑州務長官に

年次報告書を提出すべき条文の目的のために︑コモン・ロー・トラストを含むものとする﹂と規定している︒言旨言の①国.

○・吋やシg・率の﹃︵聾マショロ.巴.の巴一国○四①鼻︾opo淳.や唖四○口p①画騨

蜀示言毒⑦託.opo群.︾唖の麗騨p謡い一z・閏.⑦①目.シののぎのF色詞﹃︾認﹈1国一○江.津.鈩邑目.弓夢①P唖唖弓千弓心一

両①ぐ.Oo号雪画筈.謡圏.雲・白?鴎.雪めg一三蕨.理.唖揺・崖.なお︑制定法上︑ビジネス・トラストが銀行︑保

険︑証券販売などの業種を営なみえないことを規定するところもある︒国四・津.ショョ.ゆきの一言宮口.F乞臼︾︒︑暮雪

zの画F・こ①輿Z︒.︑P国︒の鼻.OPO岸・雪唖画の禦pm﹃P

蜀席言彦①﹃・opo斧・・か︑いい瞑回切曾や唖の画﹃Pp①いつ2mのp&国○ぬの耳や︒?o詳・・李画①夢ロロ︑﹃の1m望一国言.聾.シごロ.

唖gPs−⑦画.F・乞臼画︒.曙P率ご午⑤一言9F.ご窪ゞ︒.認一尻四目.F乞臼・の.国.宕劃宍四目.国色即自円匡の蕨

シg︾乞臼.一言四mの.F己①卸︒.おい一冨旨国.F乞臼︾︒.割↑つ一③つ○重.聾.注目ロ.唖弓﹄一い︒F乞窒亨困.国

勗繕.︒︑トー目のご己.Fご臼.︒︐いら﹃一三﹃画の言F己沼︾o︑いい︒︵詞○mいのPge−a言.ぐ画.F乞含.o・﹄霊︾

ご富の.聖.P目目か西国@医.

国︾罠国巨の旨$の弓崗巨の筋︾こ○巴澆F詞のぐ.トキら印一.匡・Fここ軍︒︑岳一○童.︒︒日ロ聖.シコョ.︵ご巴︶o︑い↑

閏目①ロロ①Q○室PF.ご鴎ゞ︒認騨○室.F・乞雪管︒弓.

規制のもっとも簡単な例は︑マサチューセッツ州の制定法で︑信託宣言およびその修正の写しの株式会社・税務委員会およ

びトラストの平常の事務所をおく町の書記に対する提出のほか︑トラストの名称の混同を防止するための規定を有したにす

ぎない︒国︒需鳳.opo罫・率雪印ロ畠画一冨画の︑.⑦①ロ.Fシ自己..︒.﹄霊かいか画戸.

国︒囚⑦鼻・opo詳.ゆいつ口ロロ①いいl①四四一暑蚕の.聾.鈩国ロ.かいい・崖︵ら命︶命︶・

の8①︑目写①言色閉凹o寄巨の鼻筋日吋巨騨諺gg﹈誤P幽心ごく画印冒伊・詞①ぐ.四つg四○劃

蜀帝蔚彦①局っ◎PC言・唖の四コ吟℃p③の中の全一宛◎茸の︒壷画禺①門・冨煙のの四・壷巨の①茸の弓吋匡降巨国Q①門司①Qの埼巴自画桝伊画葛・誤○畠.

F︐罰①ぐ.四○mgののP.

(13)

−101−

︵︶両屋gぐ.甸舜開冒四目︾圏︒ご・の.弓P望誓pQ・認◎︵ご旨︶.本件で連邦最高裁は︑一九○九年の法人税法による課税

につき︑ビジネス・トラストは信託によるものであり︑制定法に基づいて設立されたものではなく︑州の制定法からいかな

る利益もうけないから︑制定法に基づいて設立された株式会社や株式社団Ca鼻津◎鼻CO目冨凰①巴の利益に課税する

制定法の規定の語に入らないと判示した︒海原﹁ビジネス・トラストの団体性と課税の問題﹂信託復刊六三号二四頁以下に

おいて︑本判決をはじめ︑課税に関する主要な判決がとりあげられている︒

︵邪︶○日鼻日ぐ.冨巴示寧画おロ.の.函混︑画諺.F・.岳三︵ここ︶・本件で連邦最高裁は︑一九二年の前掲判決とは異なり

ビジネス・トラストの団体性の問題に立入って判断し︑信託宣言で受託者の欠鉄の補充および信託条項の修正について︑受

託者の書面承認を必要とする場合には︑受益者と受託者の間にいかなる意味の共同もなく︑従って解釈上︑それは法文の株

式社団の語に当らないと判示した︒この判決は一九一三年のマサチューセッツ州の判例のとった支配テストの考え方を税法

上の解釈に入れたものとされている︒雪薑旨日切ぐ.冒冨三国ロ蕨呉冨篝︒ご通園冨四閉自.﹄sz・因﹄認︵己邑.海原

﹁ビジネストラストにおける受益者の有限責任﹂金沢法学一○巻二号三五三七頁︒

︵羽︶餌月三ぐ.冨呈9.霞︑己.い﹄産.産の§.Q・盆函︵乞圏︶.

︵釦︶言◎員厨畠ぐ.9日旦關旨口胃呉旨蔚目巴寄ぐ9月も霊己.の.②踵︾認の9.口国電︵ご韻︶.

︵別︶司房甘富①蹴opo詳・・唾の四劃空もP④四劃I①のP

︵犯︶国異曾ご・己.の.ゞ曽国普己ロ︑弓一九四一年の判決で連邦最高裁は︑つぎのようにのべている︒﹁非課税の信託と団体

として課税される︑所謂ビジネス・トラストとの区別の本質は︑団体の単なる形式や︑法的に構成された株式会社︑株式社

団︑組合などの技術的区別にあるよりも︑企業の真実の性格と共同者の関係にある︒かくてテストは単に形式的または手続

的事柄にあるのではない︒また︑受託者︑受益者の数や︑受益者による実際的または潜在的支配の範囲や︑支配する営業の

大きさにあるのではない︒より重要なことは︑当事者が営業を行なうべき共同企業に参加したかどうか︑その目的のため

に現金や財産を出資する受益者が企業において共同しているかどうかを確かめることである︒﹂国名詳号后弓目鼻○︒︑ぐ.

冨侭目号吋々雪司.弩ロロご﹄︵乞全︶・

︵銘︶国昌置具言⑳○国○9℃g胃旨自酔p画心寸国里冨昌冒@F画雰旨騨帝ロロ言い〃opgダロロョl認一F①ぐ弓opgFp 鶴①筥員⑦昌昌29月9号︵己路︶・認聾胃﹄出呂一淫己.の.︒シ・︾謡扇苧届膜雪雪色一詞侭昌呈◎国ぢい

幸電.雪雪国一両間昌豊目︾﹈臼ゞ諺算.の臼倉烹冨◎月賦gぐ.o自.宛.適霊己.い仁一匂昼豊ご国目言厨目目鼻

(14)

−102−

opぐ.閏①写胃旨四﹄屋蜀.監屡一○宮.詞.ぐ.瀞2国ごI匂笥降z胃.国画邑〆匡の句.圏冨式なお︑同法の修正であ

る一九五四年法および一九六○年の財務規則について︑海原﹁前掲論文﹂信託復刊六三号三三頁参照︒

︵弘︶国︒m①鼻︾OPO言︾かい空やp雪膜p雪今

︵弱︶蜀苛言彦①﹃.OPO算.ご唖︑画三雲ロロ③お土産一国◎ぬ①鼻︾OPO芹・︾かい呂電ロ①四回

︵銘︶二言勝ごF︑ご$.o・画四つ一二三の.理.諺昌国.ゆ四四口底.

︵師︶○昌黙.罰①ぐ.理.エ冒邑.騨弓画〆ooQの︾か鴎冨呼冨画協.の①目.F・諺邑目.︒.s迄か卸Z.○の①ロ.壁.ゆぢ平屋つ一z・

国.F・﹄①③Ppm①今

︵銘︶○局.詞①弓.津.嘩望式宮P

︵釣︶司冨.F・乞霊︾︒.③や鰐函︑一目のごロ.F︑ご臼.o︑い↑式

︵伽︶たとえば︑オクラホマ州では︑各県の書記はその事努所へ提出されたビジネス・トラストの表を州税務委員会へ提出しなけ

ればならないとする︒霊○重・ゞ鯉.シロロ.唖霊い

︵似︶国◎ぬ①鼻︾opo斧.︾か幽霊.ロ③画今

︵蛇︶聖日のぐ.雪旨の凰8口国Ca再○号o蕨︒︒..画盆三・シロロ幽混︵乞雪︶.この判決では︑州の法律により設立されたという

規定の文言から︑ビジネス・トラストが青空法の適用をうけないとされたが︑この規定はただちに改正され︑制定法の助け

なしに設立されたビジネス・トラストを含むと規定された︒国◎鴨尋.8.o岸.︑かぎPロ①鵠.

︵銘︶津具①ぐ.○8碩局oぐのつい⑦国画寄oい﹃璽曽つ祠.四ぬい︵こい巴・

︵仏︶詞凰﹄ごぐ.○ごロ①︾四コシ凰図.おい圏吟国設合掲巴.

︵妬︶国四目2ぐ.の◎愚︾の四○堅黙.凄むロ雪腰画①四℃.︑①今

︵輪︶○○示日画ごく︑言︒屍の︑届画諺凰圃.おいいい吟弓.観︑

︵︶呈言色胴目の門ご・尻の豚︒︾乞切旨詞国誤P乞いZ.ご﹃﹄︵ご混嶌弓の︒巳のぐ.○盲目︾匿い冨旨盲窃F届画Z.ご宍﹄霊︵乞曽︶.

︵蛆︶国房言置①吋・︒?o岸・・唖の画菌.ロ①函騨

︵蛆︶弓四目四吋ぐ.函oog認z・言.﹃四余画心①勺.画旦司︑④︵乞紹︶・

︵別︶蜀置.津.シロロ.唖gPs−〆四目.F岳臼.画畠︵聾.ごI邑雪里協P︶一言宮口.F︑ご臼.︒︑誤つ︵冨旨目.壁.シロロ.唖

曽P三︶一目のロロ.Fご臼︒︒︑画心﹃︸ご﹃煙い言FごmPo︐画函︒︵宛.○画い④Pつい9−国◎ぬ①算詞opo茸.包嘩いつgp①函祭

(15)

−103−

︵b︶その法的構造および法的性格の比較

ビジネス・トラストの目的は︑もともと︑株式会社に代る共同企業体を作り出すことにあり︑その手段として信託

の方法︑法理が用いられたものである︒従って︑その実体ないし機能が︑できる限り株式会社に近いものとされるの

は当然である︒そして︑このために︑信託法理のみで不十分なところでは︑別の法理に基づく補強がなされるととも

に︑あるところでは︑信託法理自体の修正さえなされており︑単に信託法理に基づく法的構成に止まるものではな

い︒この意味で︑ビジネス・トラストは︑このような制度を必要とした人民の知恵の結集ともいうべきであり︑きわ

めて巧妙な制度というべきである︒

︵i︶受益者の責任と︑その地位

信託法理によれば︑信託業務による危険は︑すべて受託者が負うものであり︑受益者は受託者または信託の債務に

︵1&︶

つき責任を負わない︒しかし︑ビジネス・トラストにおける受益者の責任に関して︑アメリカ判例法の態度は︑二つ

︵2︶

に分れている︒第一はテキサス法則︵目①〆四の吋昌①︶といわれ︑テキサス州の判例で確立されたが︑かなりの州の判

︵3︶

例で採用された立場である︒すなわち︑テキサス州で構成員の有限責任が認められる企業団体は︑株式会社および有

︵J昼︶

限責任組合が︑これを認める制定法によって設立された場合だけである︒このような制定法になんら基づくことなく

設立されたビジネス・トラストには︑株式会社および有限責任組合と同じ責任を認めることはできない︒従って︑テ

キサス法則によれば︑ビジネス・トラストにおいて受益者が責任を負わないという信託法理の適用は否定され受益者

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5 4 5 3 5 2 5 1

…ー…ー

シ旨・︾鈩冨︑丙画︾シ尉宗や○巳.︾冒昌︾〆署.富︒具・︾z・﹈・・z・己.︾○室・壱の.○萱ぐ四・.雲画の言砕君昌︒︑

園..宛①pzo・の即﹃四口︒︒ご甲︾﹄鼻の①のの.︵乞謡︶旨・

Foの皿の①︒巨星陸の⑳詞①頤巨富感︒ご・ロ函画吟

蜀房言医①験opo算.︑ゆのいい腰pm①つ一目罫︒冒己︑o口.OPO岸.︑ロ心切一F①ぐ夢opo罫.っやい画司

(16)

−104−

︵民︾︶

は組合における組合員と同様な人的責任を負わなければならない︒この立場は受益者の企業に対する支配権の有無は

︵Ru︶

問題にせず︑ビジネス・トラストをすべて組合と認めるものでビジネス・トラストを違法とまでしないけれども︑脱

法行為として敵視する態度に基づいている︒しかし︑その結果︑ビジネス・トラストを否定するに等しい︒

塞一は︑マサチューセッツ法則︵冨幽の四・言の①5尉巳の︶または支配テスト︵8目貫○言の黒︶といわれ︑マサチュ

︵ワ0︶

−セッッ州の判例で確立されたが︑アメリカの大多数の州の判例で採用され︑ビジネス・トラストに関する支配的な

立場となった︒すなわち︑受益者のもつ権利が信託の継続期間中は︑その収益の分配を請求し︑また︑信託の終了時

︵︒︒︶

には︑その財産の分配を請求することに限られているときは︑信託であり受益者に責任はない︒しかし︑受益者が企

︵q︾︶

業に対する直接︑間接の支配権をもつときは︑テキサス法則によると同様に︑受益者が主人であり︑受託者を代理人

︵︑︶ として信託財産の運営を行なわせる組合であるから︑受益者に責任があるとする︒結局︑受益者の企業に対する支配権

の有無により区別し︑支配権のない場合だけ︑ビジネス・トラストを認める立場である︒マサチューセッツ法則の適用

で︑もっとも問題となることは︑受益者のもつ支配権の範囲ないし内容である︒この場合に︑受益者が受託者に対し

てもつ︑信託法理に基づく権利と︑株式会社の株主が会社企業に対してもつ支配権として観念される権利との両者は︑

異なる法律関係に由来して発生するものであるが︑権利の内容自体としては類似ないし重複することもあり︑しかも

両者の峻別は︑株式会社法理自体に信託法理を内在することから困難たるを免れないと思われる︒従って︑この重要

な問題について学説も明確を欠き︑判例もまた混乱して帰一するところがなく︑ビジネス・トラトスに対し異なる

価値評価を前提として支配テストを適当に利用する状態であった︒ただ︑受託者の行なう企業の経営に対し︑具体的

たると一般的たるとを問わず指示︑干渉するがごとき権利はもちろん︑経営を行なう受託者の定期的な選任権あるい

︵u︶ は受託者の解任権が支配権であるとされるのが有力である︒従って︑右のごとき支配権の区別によりマサチューセッ

ツ法則を適用するとすれば︑受益者の責任を免れるためには︑受益者は少なくとも経営に対する支配権をもちえない

(17)

−105−

こととなる︒かくして︑ビジネス・トラストの受益者は経営に対する支配権がなく︑受託者に対して全面的に経営を

一任するとともに︑その経営者の定める利益配当にあずかるしかない地位におかれるのである︒

ビジネス・トラストの受益者は︑テキサス法則によるときはもちろん︑マサチューセッツ法則によって受益者の企

業に対する支配権があるとされるときは︑受託者が行なう企業の債務について人的責任を負わなければならない︒従

って︑この場合︑ビジネス・トラストは株式会社に代る制度とはならず︑ビジネス・トラストを採用する意義はなく

なる︒ところが︑ふつう︑信託証書には︑ビジネス・トラストの受益者が責任を負わないことを明示する条項がおか

れている︒そこで︑ビジネス・トラストと取引する相手方として︑自分の取引する企業が受益者の責任を排除する意

図に基づいて設立されたことの認識︵ロg旨①︶をもつことから︑ビジネス・トラストの債権者は受益者の責任を追求

︵皿︶

できないとする判例もあった︒しかし︑とくに相手方との契約で受益者の免責がうたわれているときには︑債権者が

︵羽︶ 受益者の責任を追求できないとされるのが一般的である︒ビジネス・トラストに厳しい態度をもつテキサス州の判例

においてさえ︑受益者の免責契約の事実認定が緩やかに認められ︑その結果︑受益者に人的責任があるとするテキサ

︵皿︶

ス法則の適用を︑はなはだしく緩和させていることが︑驚くべきこととして指摘されている︒右の実情から︑はじめ

て︑テキサス法則の下にあるテキサス州において︑多くのビジネス・トラストが繁栄したという矛盾が解明できる︒

そして︑ビジネス・トラストに関して不利な法則が採用されるという悪条件にもかかわらず︑結果的には︑受益者の

免責を獲得するに至ったテキサス州人民の積極性が注目されなければならない︒

なお︑受益者の責任に関して問題がある︒すなわち︑信託法理によれば︑受託者は信託の正当な事務処理において

自己に過失なく受けた損害につき︑受益者または信託財産に対して損失填補請求権をもっている︒そして︑受託者が

︵巧︶ 受益者に対してもつ︑この権利につき受託者の債権者は衡平法上の代位手続によって行使できる︒信託証書の規定に

︵お︶ よる受益者の責任排除を認めることは︑この権利を侵すこととなり公序に反するとの主張もなされたが︑アメリカ信

(18)

−106−

託法では︑受益者と受託者との間に損失填補の契約がある場合に限って︑はじめて損失填補請求権を生じるとするが

︵︶ 原則であり︑これに関する明示の引受がない以上︑受益者の責任は生じない︒この場合には︑本来の信託法理に対す

るアメリカ的修正がビジネス・トラストの受益者の無責任に役立っている︒また︑近年では︑判例法で確立されたマ

サチューセッツ法則をふまえて︑ビジネス・トラストに関する制定法上︑受益者の責任の制限ないし排除を明規する

︵昭︶

ものが増加していることが注目される︒

︵Ⅱ︶受託者の責任と︑その地位

信託事務の執行上︑受託者がなした契約または不法行為上の債務については︑受託者個人が人的無限の責任を負う

︵四︶

のが一般の信託法理である︒しかしながら︑通常の信託とは異なって︑多数の人々から集中された資本l巨額の信託

財産の営利的運用︑すなわち︑営業を行なうビジネス・トラストの受託者については︑そこに大きな危険を伴なうも

のであるから︑受託者の責任に対する一般の信託法理の適用は問題とならざるをえない︒この点につき︑ある学者は

つぎのようにのべている︒﹁法の上からみて︑どんな事情があるにせよ︑受託者が他人のために信託で営業を行なう

責任を引受けることをすすめるわけには行かない︒けだし︑このようなことをすれば︑彼は自分自身の計算で取引す

る人と同じ危険と責任を負いながら︑その利潤にあずかることができないからである︒普通の思慮分別による以上︑

︵即︶

営業を行なうための信託が衰退することは間違いない︒﹂従って︑このような合理性に基づく必要から︑ビジネス・ト

ラストでは︑受託者の人的責任を排除する法的方法がとられたのである︒その方法と効果は︑前述したビジネス・ト

ラストの受益者の免責のためにとられたそれと同様であった︒すなわち︑ビジネス・トラストの信託証書の条項で︑

受託者についても人的責任を負わないことを明規することが一般であった︒この場合には︑たとえ相手方が右の条項

を知っていたとしても︑たんなる認識のみでは足らないとされ︑相手方との契約でうたうことI約定による免責が

︵皿︶

必要とされた︒そして︑その方法は書面契約の署名の形式に関し︑簡便な表示をするだけで認められたのである︒す

(19)

−107−

なわち︑受託者が相手方と契約する場合︑たんに﹁受託者×××﹂では足らず︑ビジネス・トラストの名称を附し

﹁×××トラスト︑受託者×××﹂という表示︑あるいは︑ビジネス・トラストの名称を附さなくても︑﹁個人でな

︵犯︶

く︑受託者として×××﹂という表示で足るものとされた︒右のような表示方法をとることは容易であり︑これによ

って特約による免責が認められるのであるから︑結果的には︑ビジネス・トラストの受託者の責任は︑株式会社の取

締役に︑きわめて近いものとなった︒

︵出︶信託財産の責任と︑その実質的主体性

︵調︶

受託者と契約する人は︑信託財産に対する優先弁済権を有しない︒しかし前述したように︑相手方は受託者が信託

財産に対してもつ損失填補請求権について︑衡平法上の代位法則により代位できるから︑この場合には信託財産が間

接的責任をもつことになるが︑これは債権者に対する十分な救済とはなりえない︒けだし︑受託者になんらかの任務

︵型︶

僻怠または信託財産に対する債務のあるときは︑その分だけ減殺されるからである︒しかし︑ビジネス・トラストに

ついてマサチューセッツ法則をとり︑受託者に絶対的な経営権を与え︑しかも︑その責任がないとすれば︑ビジネス

・トラストの債権者の地位は︑余りに不安なものとなり衡平を失する︒また債権者は少なくとも信託財産を信頼し︑

︵あ︶

多くの場合︑これによって信託財産の価値が増加するのであるから︑債権者の保護がはかられなければならない︒そ

こで判例法では︑かかる場合に債権者が代位法則によらず︑信託財産に直接に執行しうる独立の権利9国日四ご○H

︵妬︶︵︶

○国四目巳H億三︶をもつとして︑信託財産の直接責任を認めるに至った︒また学説もこの立場を支持している︒さら

にビジネス・トラストを規制する制定法自体で︑債務は信託財産から満足されるべきことを明規する例を生じてい

︵犯︶

る︒ビジネス・トラストの信託証書でも︑﹁受託者ではなく︑信託財産のみが責任を負う﹂という条項を入れて︑信

託財産に直接の責任があることを明らかにしている︒そして︑ビジネス・トラストの債権者による衡平法上の訴訟は

へ調︶

信託財産に対する受託者の代表的資格において受託者に対してなされているが︑そこには︑受託者を信託財産の代理

(20)

−108−

人ないし機関と認める考え方が︑また︑さらには︑ビジネス・トラストを共同企業体として︑いわば権利能力のない

︵釦︶

団体とする考え方のあることが想定される︒右は信託財産の実質的主体性に基づく法理構成にほかならない︒結局︑

ビジネス・トラストに対する法的即応は︑受託者の人的責任︑さらに受益者の人的責任追求よりも信託財産への追求

へ進んだのであって︑ビジネス・トラストはいよいよ株式会社に近いものとして把握されるようになったといえる︒

しかしこの場合︑債権者の保護のためには︑当然︑信託財産の確保が要求されるわけで︑ビジネス・トラストに対し︑

へ弧︶

株式会社における資本の充実ないし維持の原則に当る事項を制定法上規定し︑また︑これを類推的に認める判例も

なくはない︒しかし︑受益者に対しては受託者の厳しい義務が伴なうとしても︑債権者に対して保護に欠ける点を否

︵犯︶

定し難い︒この限り︑信託はいまだ︑株式会社に代位する機能を完全に果すとはいえないであろう︒

︵・巴受託者の権利と︑受益者に対する関係

信託によって他人の利益のため財産権が移転された受託者は︑信託財産の所有者であって︑本人として信託財産に

対して絶対的な権利をもつ︒すなわち︑信託の目的のために信託資金を支払い︑信託財産を売却する権利をもち︑こ

︵調︶

れはすべて受託者の裁量に委ねられるのである︒ビジネス・トラストの受託者には︑信託条項により他の企業と合併 ︵認︶︵調︶ する権利︑信託の終了をする権利を認める例もあり︑株式会社の取締役との著るしい差異となっている︒しかし︑受

託者のもつ︑このような強大な権利は︑受益者に対する厳しい義務l最高度の忠実︵吾の匡警のこの四の①︒塵昼巴ご︶

︵妬︶ をもって行為すべき義務によって裏づけられているのである︒けだし︑受益者と受託者との関係は︑受託者は信頼に

基づき受益者に対して優位と圧力をもつ地位にたち︑このような関係においては︑受託者にそれだけ高度の忠実義務

が課されるのである︒判例において︑﹁この関係は︑株式会社の取締役と株主との間に存するよりも︑より強い信頼

︵訂︶

的性格をもつ﹂と説かれ︑また︑﹁この義務の遂行については︑相当な熟練︑思慮︑判断を働かさなければならない︒

︵犯︶

受託者は︑そうしなかったことから生じる損害について責任を負う﹂と説かれている︒

(21)

−109−

以上のような積極的義務のほかに︑消極的義務として︑受託者は自己の代理人を選任しえず︑また︑受託者の個人

︵調︶

的利益が信託および受益者の利益と衝突するときは︑その行為をなしえない︒ある判例では︑ビジネス・トラストの

受託者は︑トラストのために獲得することが忠実義務である財産を自分のために獲得できず︑もし︑これをしたとき

︵犯︶

は︑その行為はトラストのためにしたものとされる︒また︑ある判例では︑ビジネス・トラストの受託者が自分のト

ラストの受益証券を購入するときは︑これに先立ち相手に対し︑自分がトラストの受託者であり購入者となることを

︵︶

告げ︑かつ︑その受益証券の価値に関して彼がもっているすべての知識を知らせなければならないとしている︒しか

し︑信託証書では︑受託者が代理人を用いうること︑報酬を請求しうることのほか︑﹁故意の怠慢ないし不履行

︵蛇︶

︵葛壼巳冒①巴①gOH号註匡岸︶のみに対して責任を負う﹂と規定することが普通である︒

︵v︶受益証券の発行と︑その譲渡

信託財産に対して受益者がもつ権利は︑信託財産の一部または全部が不動産である場合にも︑信託証書で人的財産

と規定し財産転換を定めておれば︑そのように扱われる︒これは不動産に対する衡平法上の権利とされる場合の繁雑

ないし不便I譲渡ないし契約に必要な形式をさけ︑税金上の配盧によるものといわれ︑衡平法上の転換法理に基づく

︵︶

ものである︒そして︑信託財産における全受益権は均等な割合的単位に分割され︑その証券が発行されて︑譲渡の自

︵︶︵幅︶

由が一般原則となっている︒譲渡方法は︑普通︑裏書交付により︑また︑受益者原簿上の名義書換を要するが︑交付

︵︶

された証券を提出し譲受人名義の新券の発行を求める場合もある︒受益証券は流通証券とはされないから︑善意取得

︵仰︶

の適用をうけないが︑禁反言の法理により流通証券と同様な保護をうけることも可能である︒なお︑受益者が企業に

対する支配権をまったく有しない場合はともかく︑受益者総会における議決権を認められる場合には︑株式のように

︵網︶

受益証券を優先︵議決権のないもの︶と︑普通の二種に分け発行することも行なわれる︒

︵Ⅵ︶ビジネス・トラストの名称と永続性

(22)

−110−

ビジネス・トラストは︑××トラスト︑××会社︵○○日宮口色々××トラスト会社︵自問巨黒○○日冨口己などの名

称をもつ︒しかし︑もとより︑それ自体は擬制的なもので︑なんら法的実在色侭里①ロ三己を意味するものではな ︵鯛︶︵卵︶ いが︑受託者個人の商号でもない︒要するにビジネス・トラストの名称は︑ビジネス・トラストが株式会社と類似し

た営利団体であることを11これに対して法的実在性︑法的地位は認められないとしても︑そのような団体の存在を

示すものと考えられる︒ビジネス・トラストの名称をもって州の裁判所に訴え︑また︑訴えられることを制定法上︑

︵敬︶

認めるものが生じていることも︑かかる動向を示すものと考えられる︒

︵︶

なお︑信託についてコモン・ロー上の永久権禁止則の適用が問題となる︒信託証書でも﹁受託者およびその子の生

︵記︶

存期間に加える二○年間﹂と規定するのが︑もっとも多いといわれる︒しかし︑ビジネス・トラストの場合は︑すで

︵副︶

に判例において︑たとえ︑信託財産の売却権を受益者の承諾によって制限するところでも︑禁止則をうけないとされ ︵弱︶︵死︶ また︑立法でも︑制定法上︑受益証券が自由譲渡されるビジネス・トラストについては︑禁止期間の延長︑適用除外

︵︶

などを規定する例もある︒しだいに禁止則の適用を認めない立場がとられるようになって︑ビジネス・トラストのこ

の点からする不都合は減少しており︑また︑受託者の死亡などによる欠員の場合には︑残余の受託者により︑あるい

は受益者により補充され不都合はない︒

ここでビジネス・トラストと宇部式組合とを比較して︑その重要な異同を指摘すれば︑つぎの通りである︒ビジネ

ス・トラストの受益者の地位は︑企業の債権者に対して責任を負わない点で株式会社の株主と異なるところなく︑宇

部式組合においても結果的に変らなかった︒そして︑ビジネス・トラストの受託者がもつ︑企業ないしその経営に対

する強大な権利と︑その安定した地位において︑宇部式組合の頭取のそれと共通する︒しかし︑ビジネス・トラスト

では︑受託者たる経営者の対外的責任が排除された点で︑株式会社の取締役と類似し︑宇部式組合の頭取と著るしく

相違する︒ビジネス・トラストの受託者の免責は︑すぐれてアメリカ社会的ともいうべき近代的合理性の貫徹であり

(23)

−111−

受託者たる経営者は過大な危険を冒すことなく経営を担当しえたのに対して︑宇部式組合の頭取の人的責任は︑すぐ

れて部落協同体的ともいうべき連帯性︑自己犠牲性の貫徹であり︑頭取は過大な危険の下に自分の全財産を賭して経

営を担当したのである︒なお︑宇部式組合においては︑もちろん︑信託法理なるものは存在せず︑従って信託法理に

基づく受託者︑受益者間の信認関係なるものも存在しなかったが︑実際上︑これに類似するものがあったように考え

られる︒すなわち︑﹁株主の大切なお金を使って事業を始めたからには︑立派にして返さんにゃいけん﹂という頭取

の言葉の中には︑消費貸借的意識とともに受託者的意識が︑受託者の忠実義務的義務意識がうかがわれるのではなか

ろうか︒しかし︑宇部式組合を規制したものは︑あくまでも部落協同体内部における慣習法理であり︑ビジネス・ト

ラストを規制したものは︑アメリカ市民社会に共通する信託法理であり︑また︑国家の法であった点で根本的に異な

るといわなければならない︒そして︑その実効性は︑ビジネス・トラストでは国家の裁判所による判決により︑宇部

式組合では部落内の信用失墜︑蔑視というサンクションにより担保された点で異なる︒この差異が︑両者の地域性の

差異となるのであって︑ビジネス・トラストが広くアメリカ全土に亙って行なわれたのに対して︑宇部式組合は︑は

じめ宇部村にとどまり︑組合株券の譲渡も村内に限られたが︑その後においても︑宇部市ならびにその周辺という局

︵認︶

地に限定されたのであった︒また︑ビジネス・トラストが普通︑数名の受託者であったのに対して︑宇部式組合の頭

取は必ず一名であった︒このことは︑企業の永続性と発展規模における両者の差異となったのである︒

なお︑ビジネス・トラストの法的性格は︑マサチューセッツ法則ないし支配テストに従えば信託と解されうるが︑

機能テストに従えば信託とは解されない︒株式の広く分散した高度株式会社において経営者支配が行なわれる場合︑

その実体は支配テストを厳しく適用したビジネス・トラストと変らない︒しかし︑法律制度としてみれば︑株主に企

業に対する支配権が与えられている以上︑経営者支配の法的保障はない︒要するに︑ビジネス・トラストは︑株式会

社にきわめて類似した活動︑機能をもつ共同企業体であり︑法人格のない団体であるけれども︑法的性質からすれば

参照

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