幾何学序論1 K.Ichihara
自然数の定義
ペアノの公理
同値関係と商集合
同値関係 商集合
同値類 商集合と商写像 写像の誘導
練習問題
幾何学序論1
市原一裕
2015年6月15日(月)2, 4限
幾何学序論1 K.Ichihara
自然数の定義
ペアノの公理
同値関係と商集合
同値関係 商集合
同値類 商集合と商写像 写像の誘導
練習問題
ジュゼッペ・ペアノ
ジュゼッペ・ペアノ(Giuseppe Peano)
イタリアの数学者。トリノ大学教授。
自然数の公理系 (ペアノの公理)、ペアノ曲線の考案者と して知られる。(1858.8.27-1932.4.20)
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練習問題
ペアノの公理
定義 3.1.1【自然数(ペアノの公理, 1891)】
1. 1 は自然数である
2. 任意の自然数 aに対して、a+ が自然数を与えるよう な右作用演算 +が存在する
3. a,bを自然数とすると、a+ =b+ならばa=bである 4. a+ = 1を満たすような自然数 aは存在しない
5. 集合S が二条件
(i) 1は S に属する,
(ii) 自然数aがSに属するならばa+もSに属する を満たすならば、あらゆる自然数はS に属する
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ペアノの公理
同値関係と商集合
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練習問題
ペアノの公理について
注意 3.1.1
公理(axiom):その他の命題を導きだすための前提として
導入される最も基本的な仮定
注意 3.1.2
公理 (5) は,いわゆる「数学的帰納法の原理」.
注意 3.1.3
ペアノ自身は,上の5条件を,自然数がみたすべき公理と して導入した(1891).従って,この条件をみたす集合が,
本当に存在するかどうか,は考えられていない.
後になって,実際にこれらの条件を満たす集合Nは(集合 論的に)構成できることが示された(例えば,フォン・ノ イマン).
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ペアノの公理
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同値関係 商集合
同値類 商集合と商写像 写像の誘導
練習問題
整数の定義に向けて
自然数の集合 N が定義できたので,次は整数
の集合 Z を定義したい.そのために,準備と
して,まず同値関係と商集合を学ぼう.
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自然数の定義
ペアノの公理
同値関係と商集合
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練習問題
同値関係
定義 3.2.1【同値関係(equivalence relation)】
集合Xに対して,次の条件を満たす写像
R:X×X → {0,1}を,Xにおける同値関係という.
1. ∀x∈X,R(x, x) = 1
2. ∀x, y∈X,R(x, y) =R(y, x)
3. ∀x, y, z∈X,R(x, y) = 1かつR(y, z) = 1ならば R(x, z) = 1
注意 3.2.1
条件(1)を反射律,条件(2)を対称律,条件(3)を推移律と いう.
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ペアノの公理
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練習問題
同値関係の記号 ∼
集合Xにおける同値関係Rが与えられたとき,
R(x, y) = 1のとき,x∼y とかくことにする.
このとき,3つの条件は,以下のように書き換えられる.
1. ∀x∈X,x∼x
2. ∀x, y∈X,x∼y⇔y ∼x
3. ∀x, y, z∈X,x∼yかつy∼z⇒x∼z
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同値類
定義 3.2.2【同値類(equivalence class)】
集合Xに同値関係∼が与えられたとき,a∈Xに対して,
C(a) :={b∈X |b∼a} を,aを代表元とする同値類という.
注意 3.2.2
C(a)はXの部分集合である.
C(a)の代表元はaでなくても良い.
C(a)の任意の元を一つ選んだら,それを代表元として良い.
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同値類の性質
定理 3.2.1
集合Xにおける同値関係∼が与えられたとき,次が成立.
1. ∀x∈X,x∈C(x) 2. x∼y⇔C(x) =C(y)
3. x∼yでない ⇔C(x)∩C(y) =∅ 4. X= ∪
a∈X
C(a)
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同値関係と商集合
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練習問題
商集合と商写像
定義 3.2.3【商集合(quotient set)】
集合Xにおける同値関係∼が与えられたとき,同値類全体 の集合
{C(a)|a∈X} を,Xの∼による商集合,
または,Xを∼で割った商集合,という.
この商集合を X/∼ であらわす.
定義 3.2.4【商写像(quotient map)】
集合Xにおける同値関係∼が与えられたとき,a7→C(a) で決まる写像 X →X/∼ を商写像という.
定理 3.2.2
集合Xにおける同値関係∼が与えられたとき,商写像 X →X/∼は全射になる.
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同値関係と商集合
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練習問題
商集合と商写像
集合Xに同値関係∼が与えられたとし,
商写像X→X/∼をΦで表す.
定義 3.2.5【誘導写像(induced map)】
写像f :X→Y に対して,ある写像f˜:X/∼→Y が存在 して,f = ˜f◦Φと表せるとき,このf˜を誘導写像という.
定理 3.2.3
写像f :X→Y に対して誘導写像が存在する
⇔ 「∀a, b∈Xに対して C(a) =C(b)⇒f(a) =f(b)」
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同値関係と商集合
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練習問題
練習問題
練習問題 3.2.1
整数の集合Zにおいて,「a−bは4の倍数」で決まる関係が 同値関係であることを示しなさい.
練習問題 3.2.2
練習問題3.2.1ができたとして,つまり,
「a∼b⇔a−bは4の倍数」とすると∼は同値関係になる と仮定して,その商集合Z/∼をかきなさい.
練習問題 3.2.3
練習問題3.2.1ができたとして,つまり,
「a∼b⇔a−bは4の倍数」とすると∼は同値関係になる と仮定して,f(n) := sin(nπ)で決まる写像f :N→Rに は,誘導写像が存在することを示しなさい.