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(1)

下水のCODとSS(浮遊懸濁物質)の関係

COD補正式の適用とその妥当性

(昭和58年11月22日 原稿受付)

環境工学教室 吉 永 鉄大郎

      河   野   賢太郎

      柳ヶ瀬 健次郎

      冨   山   典   孝

The Relationship between COD and Suspended Solid of Sewage

      シ

         ーThe fitness of correction formula for COD一

by Tetsutaro YOSHINAGA    Kentaro KAWANO    Kenjiro YANAGASE    Noritaka TOMIYAMA

       Abstract

   The relationship of COD and suspended solid(SS)in sewage was examined. Correction formula       proposed by Ito et a1. was applied to COD of sewage and very good correlation was obtained(戸=

0.998:averaged correlation coe缶cient).

   Exponentρobtained by using the correction fbrmula can be a measure of oxidizability of samples.

In case of present sewage sampled out f士om Kitakyushu city, the change ofρin season was relatively small and averaged」ρvalue was O.88;coe伍cient of variation,2−7%fbr 4−7 months.(ldealρvalue is unity:when stoichiometric redox. reaction were attained).

   The COD of sewage is represented by the sum of COD(soln)due to solution component and COD

(SS)due to suspended soild in the sewage when corrected COD values were employed(additive proper−

ty). That is,

      COD5(tota1)=COD5(SS)+COD5(soln)

where subscript s means the corrected value. And it was found that in the case of concentrated sewage

(COD:130−1130ppm)as is used in the present work, most of COD values are due to COD(SS), and COD(soln)contributes only about 10ppm(mgO/1). From this fact, it is apparent that a lowering of COD in sewage is attainable by the separation or removal of SS fr㎝sewage.

   The additive property relation stated above was to hold in the natural condition of the sewage.

However, the COD(SS)decreased largely when SS were treated to cause structual changes such as pressing to tight and/or heating to dry・

      行ない,同一下水であれば,炉過処理や吸着処理をほど

 1・まえがき      こしたものについてもその相関が高いこと,また下水の  著者らはこれ迄,環境水中の有機汚濁に対する関心か  経時変化についても調べ,季節によるCODやUVAの らCODと紫外吸収(UVA)の相関関係を調べてきた1}2)。 絶対値の変動はかなりあるものの,両者の間には同一地 とくに下水に関してはCODとUVAの相関関係を調べ  点の下水を用いる限り,高い相関があることなどを示し た例がほとんどないため,著者らはそれについて実験を  た2)。しかしながら,浮遊懸濁物質(SS:Suspended

(2)

Solid)による光散乱に基づく見かけの紫外吸収の補正

(濁度補正)を行なうと,わずかではあるが,むしろ相 関性が低下するという現象が見られた。ζの理由は下水 中のSSが有機物を多量に含むためであり,より合理的

      10 な補正を行なうにはUVAに対する補正だけではなく,

C・Dに対する硫も行なうことが必要である。   さ8

 そこで本研究ではSSのCODへの寄与を定量的に調    ざ 6 べることを目的としたが,そのためにはできるだけ信頼      4 性の高いCOD値を得ることが必要となる。JIS規格3)     2 によれば,100°C酸性過マンガン酸カリウム法では,過

160 140 120

100ミ  ぎ   9   0

       2468101214 マンガン酸カリウム滴定量が50m1となるように検水      K〃21

量を決めることが望ましい。このCOD値は過マンガン     10 酸カリウム滴定量に依存すること,したがって試料採取      8 量に依存することが以前から指摘されてはいたが4)5),     6 補正のための具体的な提案はなされていなかった。とこ    〜 4 うが,近年,井藤らは幾つかの試料に対して,CODの    ミ3 両対数補正式がきわめてよくあてはまることを示し

       2 た6)7)。しかしながら,以前のCODに対する過マンガ

ン酸カリウム滴定量依存性を示した報告4)5)から判断す

ると両対数補正式の適合性を疑わせる結果も見受けられ       2 345678910  20 3040 るため,今回,井藤らのCOD補正式を本研究の結果に      叱 21

       図一1a−V曲線ω,およびa, Vの両対数プロット回 適用し,その適合性についても合わせて検討を試みた。

       Oグルコース ●下水 ○下水

乙原理(c°D輪式について)    れれ{ざ,。はγのべき関数であらわされるという仮定が

 Z1検水量(V)と滴定液量(a)の関係         妥当だと言えよう。幾つかの試料について,井藤ら6)7}

 N/40過マンガン酸カリウム標準液の滴定量が(2〜8) はこの関係((2),(2) )がよく成り立っことを示した m1の範囲に入るような幾種類かの検水量について過マ  (図1(ロ))。

ガンガ酸カリウム消費量を求め,式(1)3}によりCOD   次にこのべき関数(指数関数ではない)について少し   COD(mg O/1)=(〆−b )×∫×(1000/レ)×02 …(1)  説明を加えよう。CODを定める式(1)は,もともと化

を算出し,滴定液量対検水量,およびCOD対検水量の  学量論的酸化還元反応が進むことを前提として導出され プロットを行なうと,一般に図1(イ)のような曲線が得ら  たものではあるが,種々の既知物質について行なわれた れる6)。ここで,〆,b はそれぞれ試料溶液,および空  実験によって, JIS法で定められた実験条件下では,一 試験液についての過マンガン酸カリウム滴定液量(m1), 般に酸化還元反応が完全には進行しないことが知られて γは検水量(m1),∫はN/40過マンガン酸カリウム標準  いる。反応時間内に化学量論的反応が進むのであれば,

液の力価である。以後α(=〆−b )をたんに滴定液量と  α=んγの形となる筈であるから,(2)式においてρ=1 する。図1(イ)の曲線の形から,べき関数(2)式     の場合が化学量論的反応ということになる。実際には,

  α=丘腔  (ちρは定数)         (2)  大低の場合,α=んγから予測されるαの値より小さい を仮定するのは自然であろう。(2)式の両辺の対数をと  滴定値が得られるのでα=たγP(0<ク≦1)という連続関 ると,       数を仮定したわけである。(ρの値が小さい程,酸化(分   logα=log丘+p logγ       (2)  解)され難いということになる。ただし,特殊な場合と が得られる。したがって,logα,10gγをそれぞれ縦軸,  して反応速度が遅くても反応時間(30分)内は直線的変 横軸にとり,図1(イ、のデータをプロットして直線が得ら  化を示すことがあり得る。したがって,厳密には逆は成

(3)

下水のCODとSS(浮遊懸濁物質)の関係      69        りたたない。すなわち,ク=1だから化学量論的反応が進  10      行したとは言えない)。また,この関数形(図2,式(2))

       からわかるように,γが1m1以下のときにはこの仮

( 8ミ      定は明らかに成り立たない。(井藤らはα=2m1〜7m1

:・      でよく成り立つと報告)・もち論・クカ・1に近けれぱ

艘4       0<豚く1であってもズレは小さい。〔曲線の形から,例

       えばα=たγ一ργ2,やα=瓦γ一ργ2+4γ3などの関数を

 2       考えてもよいわけであるが取り扱いが面倒になる〕また,

 0

      γ吻1)      であるが,0<ρ<1のとき,γに対するαの変化率はρ

 200

§

§1°°

o

0

   0      5      10      15

       γ(〃21)       大部分反応してしまい,残存酸化剤が低濃度となるので,

図一2試料採取量と過マンガン酸カリウム滴定量(イ)  結局,全体として酸化力は弱く,CODが相対的に低く      (またはCOD(°))の関係         なり,逆にαが小さい場合(例えば1〜2 m1),残存酸

が小さい程大きい。すなわち,α=50となるよう検水量 γ(=レ㌃)を定めるとき,ρが小さいものほど注意を要す る。結局,最小二乗法によってρを求め,式(3)

  lo91ソ5=1091γα十(1/ρ)109(5/α)       (3)

よりγ5を求め,この値を(1)に代入してCOD5を得 ることになる。γ、は滴定量がαm1のときの採取量(m1)

を示す。

 聡を使う方が好ましい理由は,αが大きい場合(例 えば8〜9m1),酸化剤が相対的に少ないので短時間に

表一1下 水試 料

下水の種類 採取年月日

温 度 ℃ 塩素濃度

img/1) 試料名(記号)

最初沈殿池

ャ入下水

iA下水)

S57年4月23日

@  6月11日

@  9月13日

@ 10月8日

@ 10月22日

@ 12月22日 r58年1月8日

@  1月19日

16.0 Q0.9 Q3.1 Q1.1 P8.5 P5.4 P3.1 P3.0

180 Q10 Q10 Q20 Q20 R10 Q80 Q80

A4−23

̀6−11

̀9−13

̀10−08

̀10−22

̀12−22

̀1−08

̀1−19

曝気槽下水 iB下水)

S57年9月13日

@ 10月8日

@ 10月22日

@ 12月22日 r58年1月8日

@  1月19日

一一

鼈鼈

一一

9−13B P0−08B 撃n−22B P2−22B

P−08B P−19

濁物*) 

iSS)

57年12月6日S T8年1月8日 

@ 1月19日

一一 S12−06B

r 1−08B r 1−19

AまたはB下水を遠心分離(3500rpm×5min)した沈澱

(4)

化剤濃度があまり変らず,酸化力が保持されるので

      10 CODが相対的に高くなるという試料採取量による酸化

条件の変動をなくせるからである。(場合によってはα       8 が小さいところでγと直線関係が成り立つ部分を採用      §6       すべきという議論もあり得るが)       e       4  ここでさらにつけ加えれば,α=5.0の点を挾んで前後

に何点かのデータがあるなら,α一γ曲線から図的にγ5       2 が決定でき,したがってCOD5も求まる。すなわち,       0

300

        250ミ          o         …童          §

1 −()一,台r:A、9−13   人)

1 −●卜r,r▲r:A1−19

1     (イ)

上述の補正式は不要1・なる.しかし,硫式が適用でき   ゜24γ( 6〃21)81°

       10 るなら,データがα=50を挾んでいるか否かにかかわ      8 らず,原理的に2点測定(α1,γ、),(α2,陽)でCOD5が      6 決定でき,また試料が既知のものでρも既知なら,1      4 点測定(α1・γ・)鮒でC°aが決定できるので試料が  §・

不足しているときなどには,とくに有用であり時間的に     ぎ2 も経済的にも節約ができると言えよう。

a実   験      1

 3.1100°C酸性過マンガン酸カリウム酸化による       0.5  1  2 34 6810

   C・D鍋測定法      図一、(1) γ⑭

 CODの測定は工業用水試験法JIS KO101−1979に

よった。

 3.2試料下水

 実験に用いた下水は57年4月から58年1月にわたって 県下の下水処理場から採取したもので,前回2)と同一の

      10      1200 処理場のものである。具体的な採取日時は表1に示した。

       ○

たデータ(月平均値)である・下水の顧は最初沈跳  §6     8・・§

       2  4.結果と考察

       0

       0     1     2     3  41 検水量(γ)と過マンガン酸カリウム滴定量(α)      γ(〃z1)

      10    の関係       8  多数試料について,検水量と滴定量の関係を調べたが      6 ここではA下水2試料・B下水2試料・およびA,B各      4 下水の遠心分離残渣(SS)各1試料,計6試料について    §3 の結果を図3・(1〜3)に示す。A下水に関しては2試料     e 2

とも互いによく似た,ほとんど同一のα一γ曲線を与え

ているが,B下水に関してはCODに差があるため曲線      1 にかなりの相異が見られる。AS, BS試料はそれぞれA

下水とB下水の遠沈残渣(SS)であり・この場合はとく  α2α3α4㌻(腸L523

に採取量をmg単位としている。これらのデータに対し    図一3(2)

(5)

下水のCODとSS(浮遊懸濁物質)の関係      71

10

8

ミ6

 4

2

0

一q△一:・4S1−08

⇔▲一:・硲1−19 (イ)

       て109α一109γプロット(SSの場合,γの代りに〃と 1000

       した)を作成したものが図の下部にそれぞれ示してあり,

800ミ    いずれも直線性の良好なことがわかる。これらの両対数   o・・r  プ゜ットから相関係数「を求あると・いずれもγ≧α996

…§1ご㌶:蕊㌶欝ξ:1蕊:

       プロットから,相関係数r,傾きρ,および切片logκを        求めた。結果を表2に示す。この表から,相関係数は最

   0       50      100

      2〃(〃29)       低でも0・988であり・大部分は0・99以上(平均ξ=0998)

       のきわめて良好な相関関係のあることが認められる。ま        た,傾きクについてはρ=0808〜α992の値が得られて        いるが平均では♪=α88とかなり高い値になっている。

 ミ3      丘はSS濃度あるいはCOD濃度に対応する項であるか  ぎ       ら,変動が大きいのは当然でありあまり重要性はないと       ◇:、4S 1_08        言えよう (補正式を用いるとCOD。=(20(y)×ん×γP−1       →}:8S 1−19       となり,ρ=1のときCODとんは比例)。表2の下部に       (ロ)     示してあるようにA下水とB下水でク値の差はほとん      °2°鴛ぬ)6°8° °°   どない・したがって曝気処理した下水でも被酸化性1まあ  図一:;{3)      まり変化しないものと思われる。BおよびA下水はそ 図一3(1〜3) 下水のα一V曲線④,及びその両対数関係(・)  れそれ同一地点で試料採取を行なっており,4箇月〜8

表一2下水に対するべき関数のパラメータと相関係数 下水の種類 Sample 検水 滴定量α(〃21) 相関係数   γ 傾 き

@ ρ

切 片

撃盾〟@k

COD5

imgO/1)

A下水

A4−23

̀6−11

̀9−13

̀10−08

̀10−22

̀12−22

̀1−08

̀1−19

 7

@7 P2

@5

@8

@5

@7 P3

3.26〜8.56 P.07〜8.57 O.98〜8.34 O.69〜5.98 O.78〜7.97 P.38〜7.77 P.00〜7.45 O.70〜8.35

0,997 O,998 O,998 O,999 O,998 O,999 O,999 O,999

0,808 O,892 O,856 O,992 O,872 O,855 O,952 O,864

 0.417

@0.516

@0.123

│0,105

│0,080

@0.142

@0.293

@0.116 525 U50 Q10 P34 P33 Q25 R86 Q07

B下水

B9−13 a10−08 a10−22 a12−22 a1−08 a1−19

 6

@8

@7

@6

@5 P0

1.54〜7.62 P.73〜8.89 O.42〜8.21 O.74〜9.52 P.21〜6.13 O.81〜8.79

0,998 O,998 O,998 O,999 O,998 O,999

0,890 O,847 O,908 O,882 O,893 O,874

0,453 O,727 O,573 O,512 O,420 O,535

555 P135 W33 U25 S85 U62

SS ASl−08 aS12−06 aS 1−19

 7

@5 P0

1.29〜7.28 Q.34〜8.64 O.90〜728

0,996 O,988 O,999

0,887 O,822 O,878

一〇.686

│0,708

│0,894

853*

U38*

S94*

ρA=α880±α059;ρB=α882±0.021;ρss=0862±α035 (±の数値は標準偏差)

*注)AS, BSの試料にっいてはCOD5の単位:(mgO/g−SS)

(6)

箇月でρ値に2.4〜6.7%のバラッキ(変動係数)を生  (但し,用いた下水原液のSS濃度は1.058(g/1)であり,

じているが比較的安定しているとみなせよう。初めにも  遠沈残渣中のSS濃度は506(g/1)で約50倍に濃縮され 述べたが,滴定値α=5.Om1を挾んで数点のデータをと  ていた。)この結果から,式(4)は実験誤差内で成立す れば,補正式を用いなくてもα一γ曲線の内そうによっ  ることがわかった。また,今迄の経験からも,CODを てKを求めることができ,したがってCOD5を求め  高濃度に含む下水の場合,ガラスフィルター(G4)炉過 ることができるが,図から求めたCOD5と補正式を用  液,あるいは遠心分離上澄液はCOD値が10PPm内外 いて算出したCOD5の値は実験誤差内(下水の場合,  であることが知られているので,この実験値はほぼ妥当 変動係数約3%以下)で一致した。本下水は広範な種々  と思われる。この例ではCOD5(SS)の全COD5なもの 雑多な工場排水や一般家庭,病院などの雑排水も含んで  に対する寄与率は約97%,COD,(Soln)の寄与率は約 いるので,おそらく大低の下水にこの補正式は適合する  3%であり,COD5(SS)の寄与が非常に高いことがわか ものと思われる。このように経時的に濃度の変動を伴う  る。ところで,上記の右側の数値を見ればわかるように,

試料であっても同一系統のものであればクはほぼ一定と  予想に反して,COD5(Soln)のρ値が低かった。しかし 考えられるので定期的に(例えば,月に1〜2度)ρの  ながら,この上澄液をよく観察するとほとんど無色透明 変動をチェックしておけば,1〜2点の測定でCOD5を  ではあるが,わずかに白味を帯びていて,粘性もあり,

算出できよう。以下で示すCODは全てCOD5を示す  高分子様物質の存在が推定されたので被酸化性が小さい ことにする。       のはそのためかもしれない。

 4.2下水の全CODに対するCOD(SS)とCOD   4.3遠沈残渣(SS)の乾燥によるCOD(SS)の変化

    (Soln)の割合      前述のように,著者らは吸引泪過,加熱乾燥によって  今,下水の全CODをCOD5(Total)とし,これを  SSのCOD値が大幅に低下することを知った2)が,今

SSによる部分と溶液による部分に分け,それぞれ  回,吸収泪過などの物理的圧縮効果を受けない状態で,

COD5(SS), COD5(Soln)と表わせば,次式の関係が成  加熱乾燥を行ない,それがCODにどのように影響する り立つ筈である。      かを調べた。遠心分離後のSSはまだ多量に水分(約   COD5(Tota1)=COD5(SS)+COD5(Soln) …(4)  97%)を含むが,それでも遠沈前の下水原液と比較する 我々は,これ迄の実験で,下水を泪過脱水後,乾燥  と約50〜60倍に濃縮されている。この遠沈直後のSSを

(105°C〜110°C)したSSを蒸留水に分散させて, COD  未洗浄のまま取り出して,かきまぜ,50〜70 mgずつ,

(SS)を測定すると予想値よりも大幅に低いCOD値が  計10〜11枚のスライドグラス上に採り,ただちに電気乾 得られることを知った。その理由はおそらく物理的圧縮  燥器(105°C調整)に入れ,所定時間(2〜3min)毎に取

と熱処理によって体積がきわめて小さくなり表面構造が  り出し,重量測定を行なった後,COD5(SS)の測定を行 変化し酸化剤による酸化を受けにくくなるためと思われ  なった。A下水とB下水についての結果を図4に示す。

る。そこで,SSに対するこのような物理的変化をでき  この場合, COD5(SS)の表示は(mg O/g−SS)で行ない,

るだけ避けるため,遠心沈降法によって分離したSSを C㊤(SS)の測定に用いた・すなわち・B下水(ただ§1。。

し,表1のものではなく,S.58年7月26日採取のもの) 〔 200m1を遠心分離(3000 r. P. m×5min.)後,上澄液(約 8        0 197m1)を取り出し,残渣(SS)をメスフラスコ(200 m1) み に移し,蒸留水で希釈して200m1とした.このB下水65°

O   COD・(∬)●

原液とSS分散液および上澄液のCOD5を別々に測定        両副

したところ,次の結果が得られた。         綱

(7)

下水のCODとSS(浮遊懸濁物質)の関係      73 加熱による経時変化を相対値(%)で示した。A, B下

      (1000 水いずれの場合も,遠沈残渣中の正味のSS含有量は     胡        3・2%であった.欄のC・D(C・Dg(SS))はA下水で  さ8°°

606(m90/9−SS)。 B下水で602(mg O/9−SS)で,ほぼ     き600         同じであった・グラフからわかるよう}こWB両下水  霧、。。

いずれの遠沈残渣もほぼ同形の乾燥曲線およびCOD減    二 少曲線を与えている.この飴採取量が少ないせし・も §…

あるが,約20分の乾燥で一定重量になっている。COD       o 値はバラッキか少し大きいが,これは試料をのせたスラ      400       c

イドグラス1°〜11枚を同時に繰器に入れたため置暢  喜…

所によって乾燥温度が異ったためと思われる。この結果     )       憾200 から次のことがわかる。SSを一定重量になるまで乾燥     鱒 するとCODも加熱時間とともに減少するが比較的なだ     胡 100       ひ

らかな変化を示す。ほぼ一定値となったCOD値を調べ       0

ると加熱前の値}・対して約6・−7・%}・低下している.と  ゜2°箋躍径!:物1°°12°

ころで・下水をガラスフィルターを用いて炉過脱水し・      図一5SSの粒度分布とCODの関係 水とアセトンで繰り返し洗浄した後・加熱乾燥した炉過       斜線部はガラスフィルターの孔径 残渣(SS)のCODは予想値の20〜30%であったから,

単なる加熱乾燥によるCODの減少よりもさらに約40%  20〜100μm)は比較的少ないことがわかる。ただ,ガラ 低下していることになり,吸引戸過,有機溶媒による洗  スフィルター炉過の場合,一度目詰りが生じると孔径以 浄などの物理的操作を合わせ行なうことはSSの構造を  下の粒子も戸過できなくなり,結果として粒径の大きい 大きく変形,圧縮し,加熱処理(105°C)と同程度に被  方の分画のウェイトが見かけ上増大すること,またフィ 酸化性を減少させるものであることがわかった。     ルター上の残渣をガラス棒で混ぜたりすると粒子がつぶ  4.4SSの粒度分布とCOD(SS)の関係       れて小さくなり逆の結果が生じることなどを指摘してお  下水のSSは不均質な多分散系で種々の粒径の物質か  とう。ところで,これらの各分画に対するSS濃度に対

ら成っていると考えられ,粒径の相異によってCODに  比してCODを示したものが図5(・)である。この図から も異なった効果を与えるであろう(例えば,均質に近い  G3残渣(20〜40μm)がきわめて高いCOD値(mg O/

場合,SS粒径が小さい程SS 19当りのCODが高くな 9−SS)を示し, G4残渣はむしろ最も低いCOD値と るというような)。このように考えて実験した結果が図  なっていることがわかる。これは明らかにSSの不均一・

5である。これはA下水(A12−22)11を蒸留水にて2  性をものがたっており,G3分画は有機成分に富み, G4 倍希釈したものをガラスフィルターで順次,吸引泪過し  およびG3分画は無機成分に富んでいるものと思われる。

たものである。すなわち,G1フィルター(孔径100〜

120μm)を通した泪液をG2フィルター(40〜50μm)に 5・まとめ

通し,その泪液をG3フィルター(20〜30μm)に通し,   (1)再現性のよい下水のCOD値を求めるために井藤 さらにその炉液をG4フィルター(5〜10μm)にと通し  ら6)の提出した補正式を適用してみたところ,補正式 ていったものである。SS含有量は炉過残渣をガラス  から得られる両対数直線関係はきわめて良好であり,相

フィルターに入れたまま,105°C乾燥し,一定重量と  関係数rが平均で0.998の高い値を示し,信頼性の高い ならたものから風袋(ガラスフィルター)重量を差し引  ことがわかった。

いて求めた。この場合のCOD5(SS)は汗過前後の(原   (2)補正式から求められる,べき指数ρは被酸化性 水あるいは汗液の)COD値と炉液体積およびSS重量  の難易度を示す尺度と考えてよいと思われるが(例外も とから算出した。図5(イ)から,この下水の場合G1残渣  ある),本下水の場合,季節的変動は比較的ゆるやかで が最も多量で,G4残渣が次に多く,G2,G3残渣(粒径  (4〜8箇月で変動係数2〜7%)平均値0.88が得られ

(8)

た。(化学量論的反応ならク=1.0)       変化を伴わない場合であり,圧縮や加熱が行なわれると  (3)下水のCODは,SS成分のみによるCOD,(COD  COD(SS)は大幅に低下する。

(SS))と溶液成分によるCOD(COD(Soln))の和の形で

表わされることがわかった。       参考文献

  COD5(Tota1)=COD5(SS)+COD5(Soln)       1)TYoshinaga, K. Yanagase, K. Kawano:Memoirs of

本下水のように・C・D灘の高い下水(133−113521h㌫㌶齢鑓蕊n㌶《;慧ぽ9水

(mgO/1))の場合, COD5(Soln)は10(mg O/1)前後で   と廃水,25(11),1157(1983).

あり,残りのCODは全てSSによるものであることが  3)JIs Kolol−1979工業用水試験法

わかった.言いかえれば,高雌のC・Dを示す下水の4 P1籔治 吉村広 近藤基一工業用水 M7統27 場合,SSを完全に分離除去すればCODを10ppm程   5)通産省立地公害局監集:新訂公害防止の技術と法規水質

度}・低減できるということである・   、〒鼻≧縄灘2欝彊,乳27(198。).

 (4)しかしながら,(3)で示した式が成り立つのは・吸  7)井藤壮太郎,山口登志子,分析化学,30,TllO(1981).

引泪過や加熱乾燥などの物理的圧縮や熱処理などの構造

      、

参照

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