<巻頭言>第30巻という節目を迎えて
著者 原田 康平
雑誌名 久留米大学コンピュータジャーナル
巻 30
ページ 1
発行年 2016‑03‑01
URL http://hdl.handle.net/11316/535
第30巻という節目を迎えて
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第
第 第
第 30 巻という節目を迎えて 巻という節目を迎えて 巻という節目を迎えて 巻という節目を迎えて
情報教育センター 所長 原田康平
原稿執筆に先だって、過去のジャーナルを少し手に取ってみた。第
1巻は「久留米大学コン ピュータ広報」という表題で、発行は
1985年
3月、当時のコンピュータ専門委員会委員長西 彰五郎教授とコンピュータ専門委員会委員長纐纈教三学長の巻頭言が寄せられている。 編集委 員長は商学部の上藤干城准教授(当時) 、私も編集委員の一員であったと記憶している。
1985
年といえば、
NECの
PC98シリーズを中心とした第
2次パソコンブームの最中で、学
内にもパソコン通が増え始めた時期であった。しかしながら、N88-BASIC という限られた世 界での活用には限度があり、投稿者の確保には苦労が絶えなかった覚えがある。かつて某学会 の編集委員を命じられたとき、 「編集委員とは、原稿が足りないときの穴埋め要員」と諭され た経験もあって、第
1巻には
2本、第
2巻には
1本、第
3巻には
2本の原稿を寄せざるを得な い仕儀となった。
あれから
30年、ドッグイヤーで換算すると
210年という時間が経った。ヒューマンイヤー さえおぼつかない私には、時に呆然とするような変化である。とりわけスマホを使わない(使 えない)わが身の時代遅れを痛感する場面が確実に増えてきた。 「情報処理を教える教員がそ ういうこといっていいの?」という叱責が聞こえてきそうである。
確かに、道具としての
IT機器の使い方は多様化し、高度化してきたと思う。しかしながら、
改めて教室で学生を前にしてみると、 果たして
210ドックイヤーズがどう彼らを変えてきたの か、実はよく理解できてはいない。たとえば、ゼミで「スマホか携帯で自分の写真を撮って、
このアドレスに転送して」と要請すると、全員がただちに送ってくれる。ところが、 「
1ドル
120円、
1ユーロ
134.5円のとき、
1ユーロは何ドルか」という問題を出すと、目の前に
Excelが開いているにもかかわらず、 携帯 (スマホ) の電卓機能で四苦八苦する学生が後を絶たない。
あるいは、探せば「
1ドル
120円、1 ユーロ
134.5円なら
1ユーロ何ドル」と教えてくれるサ イトがあって、 「ネットに聞け」もありなのかもしれない。実際、金融工学で「ブラック・シ ョールズ式を使って、オプション価格を求めよ」という問題を出しているが、これを教えてく れるサイトは少なくない。しかし、この便利さを単純に進歩と喜んでよいものかどうか。
便利な
e-Learningシステムの導入で、テキストも資料もレポートもみんなディジタル、無駄
な印刷は要らなくなった。
20年前に
100人の学生に
100種類の問題を作ってテストをしたこ とがあったが、いまはすべて
Web上で乱数を使った小テストに置き換えた。質問があるなら メールを送れ。議論はネットで・・・・。
さて、私も少しは変わってきたものの、では前と比べてどれほど成果が増えてきたのか。
210ドッグイヤーズの現役もいれば、
PHSなど知らないスマホ世代もいる第
30巻目の今日、少な くとも私にとって、情報教育の
PDCAを少し考えなおす機会としてみたい。
[巻 頭 言]